特許第5960495号(P5960495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5960495-取水噴出防止装置 図000002
  • 特許5960495-取水噴出防止装置 図000003
  • 特許5960495-取水噴出防止装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960495
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】取水噴出防止装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 5/08 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   E02B5/08 101Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-106974(P2012-106974)
(22)【出願日】2012年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-234480(P2013-234480A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000176752
【氏名又は名称】三菱化工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096910
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 肇
(72)【発明者】
【氏名】真壁 剛
(72)【発明者】
【氏名】小倉 行博
(72)【発明者】
【氏名】畑 就士
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−046197(JP,A)
【文献】 特開平06−299529(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3032510(JP,U)
【文献】 実開平06−040029(JP,U)
【文献】 米国特許第04935131(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 5/08
E02B 9/00−9/08
G21D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
沿岸部から取水する取水路の開口部に上部が上記取水路から外側へ突出するよう設けられ且つ上記開口部において上記取水路内の取水から塵芥を除去する除塵装置を上記取水路側へ遮蔽し、上記取水の上記開口部からの噴出を防止する取水噴出防止装置であって、上記取水噴出防止装置は、上記開口部において上記除塵装置を外部から遮蔽するフランジ付き遮蔽体と、上記遮蔽体を上記開口部に固定するために上記開口部全周に沿って設けられた枠体と、上記フランジを介して上記遮蔽体を上記枠体に着脱可能に締結する締結部材と、を備え、上記遮蔽体は、上記除塵装置を蔽って上記開口部での上記取水の噴出圧力に耐え且つ全面が湾曲して形成された湾曲部と、上記湾曲部の両端を封止し且つ機械的に強化された一対の封止面と、上記湾曲部と上記封止面それぞれの下端全周に沿って形成された上記フランジと、を有し、上記遮蔽体が上記フランジにおいて上記締結部材を介して着脱可能に上記枠体に固定されることを特徴とする取水噴出防止装置。
【請求項2】
上記湾曲部は、断面が円弧状を呈することを特徴とする請求項1に記載の取水噴出防止装置。
【請求項3】
上記除塵装置は、上記取水路の流水中に浸漬され且つ回転軸を介して連結された左右一対の下部スプロケットと、上記一対の下部スプロケットの上方に配置され且つ回転軸を介して連結された左右一対の上部スプロケットと、上記一対の下部スプロケットと上記一対の上部スプロケット間に巻回された左右一対の無端状チェーンと、上記一対の無端状チェーン間に配置され且つそれぞれ所定間隔を空けて上記無端状チェーンの全周に渡って取り付けられた複数の除塵手段と、上記遮蔽体を貫通する上記上部スプロケットの回転軸の一端に固定された駆動用スプロケットと、上記駆動用スプロケットを介して上記除塵手段を循環させる駆動源と、を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取水噴出防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沿岸部に立地する発電所等の大規模工場において海水または河川水(以下、「海水」で代表する。)を例えば冷却用水として取水する取水路に設置された除塵装置に関し、更に詳しくは、大津波による海水が除塵装置が設置された取水路の開口部から構内へ噴出することを防止する取水噴出防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所、火力発電所等の大規模工場では大量の海水が冷却用水として取水して使用されている。使用後の冷却用水は温排水として排出される。これらの取水路にはそれぞれ開口部が形成され、それぞれの開口部には海水からクラゲ等の塵芥を除去する除塵装置(例えば、トラベルスクリーン)が設けられている。トラベリングスクリーンS1は、例えば図3に示すように、取水路Lの取水口に設けられた固定式バースクリーンまたはバー回転式スクリーン等の一次除塵装置S2の下流側に二次除塵装置として設置され、一次除塵装置S2の下流側で取水中に残存するクラゲ等の塵芥を二次除去するものである。
【0003】
上記トラベリングスクリーンS1は、図3に示すように、取水路Lの取水中に浸漬して配設された左右一対の下部スプロケット1Aと、左右一対の下部スプロケット1Aと対をなして開口部Oの上方に設けられた左右一対の上部スプロケット1Bと、これら両スプロケット1A、1Bの間に巻回された左右一対の無端状のキャリアチェーン2と、一対のキャリアチェーン2それぞれの全周に渡って等間隔に複数取り付けられた金網製濾過体からなるバスケット3と、を備えている。
【0004】
一対の上部スプロケット1Bは、図3に示すように取水路Lの開口部Oの上方に配置され、一方の上部スプロケット1Bとモータのプーリ4の間に無端状の駆動チェーン5を介してに巻回されている。上下のスプロケット1A、1B、キャリアチェーン2、及びバスケット3はいずれもハウジング6及び取水路L内に収納されている。
【0005】
従って、モータが駆動すると、プーリ4及び駆動チェーン5を介して上部スプロケット1Bが回転し、キャリアチェーン2及び下部スプロケット1Aを介してバスケット3が上下方向に循環する間に取水の塵芥を捕捉し、上部スプロケット1Bで反転する。バスケット3の反転により、バスケット3中の塵芥が自然落下して固定シュート7を経由して塵芥トラフ8内に集められる。
【0006】
ところで、トラベルスクリーンS1が設置された大規模工場には津波対策として沿岸部に沿って防潮堤Wが設置されている。ところが、昨年の東日本大震災において大津波による海水が防潮堤を乗り越え、構内の電気機器等の各種の機器を浸水させ、非常用電源等の電気機器が損壊し、延いては発電プラントを損壊する問題が発生した。そのため、大津波が工場内への侵入を防止するために、如何なる大津波にも耐えられる防潮堤に改築することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、複数系列の取水路Lが設けられた原子力発電所等の大規模工場では、仮に大津波に耐える防潮堤を構築して防潮堤からの浸水を防止することができるとしても、防潮堤の内側の構内にはトラベルスクリーンS1用の開口部Oが設けられているため、大津波による海水が取水路S1の開口部Oから噴出し、ハウジング6を突き破って構内の各種の電気機器等を浸水させ、原子力発電所等の非常用電源を損壊し、延いては原子力発電所本体に悪影響を及ぼす虞がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、津波による海水が工場内に設けられた取水路の開口部から構内へ噴出するのを防止して構内の各種の機器を浸水から防止することができる取水噴出防止装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の取水噴出防止装置は、沿岸部から取水する取水路の開口部に上部が上記取水路から外側へ突出するよう設けられ且つ上記開口部において上記取水路内の取水から塵芥を除去する除塵装置を上記取水路側へ遮蔽し、上記取水の上記開口部からの噴出を防止する取水噴出防止装置であって、上記取水噴出防止装置は、上記開口部において上記除塵装置を外部から遮蔽するフランジ付き遮蔽体と、上記遮蔽体を上記開口部に固定するために上記開口部全周に沿って設けられた枠体と、上記フランジを介して上記遮蔽体を上記枠体に着脱可能に締結する締結部材と、を備え、上記遮蔽体は、上記除塵装置を蔽って上記開口部での上記取水の噴出圧力に耐え且つ全面が湾曲して形成された湾曲部と、上記湾曲部の両端を封止し且つ機械的に強化された一対の封止面と、上記湾曲部と上記封止面それぞれの下端全周に沿って形成された上記フランジと、を有し、上記遮蔽体が上記フランジにおいて上記締結部材を介して着脱可能に上記枠体に固定されることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の取水噴出防止装置は、請求項1に記載の発明において、上記湾曲部は、断面が円弧状を呈することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載の取水噴出防止装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記除塵装置は、上記取水路の流水中に浸漬され且つ回転軸を介して連結された左右一対の下部スプロケットと、上記一対の下部スプロケットの上方に配置され且つ回転軸を介して連結された左右一対の上部スプロケットと、上記一対の下部スプロケットと上記一対の上部スプロケット間に巻回された左右一対の無端状チェーンと、上記一対の無端状チェーン間に配置され且つそれぞれ所定間隔を空けて上記無端状チェーンの全周に渡って取り付けられた複数の除塵手段と、上記遮蔽体を貫通する上記上部スプロケットの回転軸の一端に固定された駆動用スプロケットと、上記駆動用スプロケットを介して上記除塵手段を循環させる駆動源と、を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、津波による海水が工場内に設けられた取水路の開口部から構内へ噴出するのを取水路の開口部に設けられた枠体に固定された全面が湾曲して形成された湾曲部とその両端に形成された補強封止面を有する遮蔽体によって防止して構内の各種の機器を浸水から防止することができる取水噴出防止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】トラベルスクリーンの取水路の開口部に適用された本発明の取水噴出防止装置の一実施形態を示す断面図である。
図2図1に示す取水噴出防止装置の平面図である。
図3】トラベルスクリーンが適用された取水路の一例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1図2に示す実施形態に基づいて本発明の取水噴出防止装置について説明する。本実施形態の取水噴出防止装置10は、図1に示すように沿岸部に立地する原子力発電所、火力発電所等の大規模工場に設けられた取水路Lの開口部Oに固定されて、開口部Oに配置された除塵装置(トラベルスクリーン)20を取水路L側へ封止して遮蔽するように構成されている。
【0016】
即ち、大規模工場には津波対策として、例えば20メートルを超える津波にも耐えられる防潮堤(図3のWに相当する)が設けられ、この防潮堤によって海水の構内への侵入を防止している。また、大規模工場には大量の海水を冷却用水として取水する複数系列の取水路Lが設けられている。複数系列の取水路Lには、それぞれ海水からクラゲ等の塵芥を除去するトラベルスクリーン20が設けられている。トラベルスクリーン20は、例えば図1、2に示すように各取水路Lの開口部Oを貫通して設けられている。取水路Lは開口部Oを介して大気に開放されているため、大津波に襲われると、防潮堤の外側で潮位が急激に上昇し、取水路L内を流れる取水が開口部Oから構内へ噴出して侵入し、構内の電気機器等の各種の機器を浸水させて損壊する虞がある。
【0017】
そこで、図1図2に示すように本実施形態の取水噴出防止装置10が複数系列の取水路Lそれぞれの開口部Oに設けられ、これらの取水噴出防止装置10が取水路Lから構内への取水の噴出を防止するようにしてある。本実施形態の取水噴出防止装置10は、図1図2に示すように、トラベルスクリーン20を取水路側へ封止して遮蔽する遮蔽体11と、遮蔽体11が固定される第1の枠体12と、を備えている。第1の枠体12は遮蔽体11を固定するために第2の枠体13上に固定されている。第2の枠体13は、下部が取水路Lの上壁面L1に埋設されて固定されている。即ち、取水噴出防止装置10は、トラベルスクリーン20を収納するハウジングに代えて設けられたもので、第1の枠体12を介して既設の第2の枠体13上に固定される。
【0018】
遮蔽体11は、図1図2に示すように、取水路Lから噴出する取水の圧力に耐えるように、例えば半円筒形状に形成された湾曲部(以下、「耐圧部」と称する。)11Aと、耐圧部11Aの外周縁部に形成されたフランジ11Bと、半円筒形状の耐圧部11A両端の平坦な封止面11Cを補強する複数の補強部材11Dと、を有し、フランジ11Bが複数の締結部材(例えば、ボルト)11Eによって第1の枠体12に締結、固定されている。ここでフランジ11B及びボルト11Eは、遮蔽体11を第1の枠体12へ固定するための締結手段として構成されている。この締結手段は、遮蔽体11を第1の枠体12へ締結、固定することができるものであれば、フランジ11及びボルト11E以外の他の部材を用いることができる。このように遮蔽体10は、湾曲した耐圧部11Aを有するため、津波の潮位に即した水圧(例えば、2kg/cm程度)が取水路Lの開口部Oから耐圧部11Aに作用しても、水圧は半円筒状の耐圧部11Aで分散されて耐圧部11Aがその水圧に耐え、開口部Oから構内への取水の噴出を防止し、構内に配置された各種の機器を浸水から防止し、延いては各種の機器の浸水による損壊を防止することができる。
【0019】
遮蔽体11の封止面11Cは、平坦面であっても鏡板のように曲面であっても良い。封止面11Cが平坦面の場合には図2に示すように補強部材11Dで補強される。遮蔽体11の耐圧部11Aには軸方向で所定間隔に円弧状の補強部材(図示せず)を設けることもできる。遮蔽体11は、図1に示すように二分割されている。二分割された遮蔽体11の境界にはそれぞれフランジ11Fが形成され、それぞれのフランジにおいてボルト等の締結部材(図示せず)によって接合されて遮蔽体11として一体化している。このように遮蔽体11が二分割されることで、遮蔽体11が搬送し易く、取り扱いが容易になる。また、遮蔽体11が半円筒状の耐圧部11Aを主体に構成されているため、軽量化されていると共に比較的簡単に加工されるようになっている。
【0020】
また、遮蔽体11を固定、支持する第1の枠体12は、図1図2に示すように、平面形状が長方形の筒状部12Aと、筒状部12Aの上端に延設された幅広の上フランジ12Bと、筒状部12Aの下端に延設された下フランジ12Cと、を有し、筒状部12Aが上下のフランジ12B、12Cによって補強された耐圧構造になっている。上フランジ12Bには遮蔽体11のフランジ11Bが配置され、フランジ同士が締結部材11Eによって締結、固定されている。第1の枠体12は下フランジ12Cを介して第2の枠体13の上フランジ13Aにボルト等の締結部材12Dによって締結、固定されている。
【0021】
次に、図1図2に基づいてトラベルスクリーン20について説明する。トラベルスクリーン20としては、図3に示す従来のトラベルスクリーンをそのまま使用することができる。このトラベルスクリーン20は、図1図2に示すように、取水路Lの底部に配置された左右一対の下部スプロケット(図示せず)と、これらの下部スプロケットと対をなして開口部Oの上方に配置された左右一対の上部スプロケット21と、一対の下部スプロケットと一対の上部スプロケット21の間に巻回された左右一対の無端状のキャリアチェーン22と、これらのキャリアチェーン22の全周に渡って等間隔を空けて取り付けられた複数のバスケット23(図2参照)と、を備えている。
【0022】
バスケット23は、図2に示すように回転軸24の左右一対のスプロケットの間の全長に沿って金網製の濾過体として形成されている。図2ではバスケット23は細長形状に形成され、例えば複数の仕切を介して複数のバスケット部23Aとして区画されている。塵芥の捕捉手段は、塵芥を捕捉することができれば、特定の形態に制限されるものではない。左右一対の上部スプロケット21は、図1図2に示すように回転軸24を介して連結されている。左右一対の下部スプロケットは回動可能に連結軸に取り付けられている。
【0023】
上部スプロケット21の回転軸24の一端は遮蔽体11の封止面11Cを貫通して延設され、この回転軸24の延設端に駆動用スプロケット25が固定されている。図1に示すように駆動用スプロケット25の斜め上にはモータ26が設けられ、このモータ26のプーリ26Aと駆動用スプロケット25との間に駆動チェーン27が巻回されている。モータ26は、複数の支柱で支持された架台28上に配置されている。
【0024】
次に、動作について説明する。平常時には、トラベルスクリーン20が駆動すると、モータ26及び駆動チェーン27、駆動用スプロケット25を介して上部スプロケット21が回転する。上部スプロケット21の回転によりキャリアチェーン22が上下方向へ循環移動すると、複数のバスケット23は取水から開口部O上方へ上昇する。この時、複数のバスケット23が取水のクラゲ等の塵芥を捕捉する。複数のバスケット23が順次上部スプロケット21で反転する間に内部の塵芥を塵芥トラフ29へ排出する。トラベルスクリーン20によって塵芥が除去された取水は冷却用水として冷却装置等へ供給される。塵芥トラフ29に集積された塵芥は、廃棄処理される。
【0025】
トラベルスクリーン20が駆動している時に、大地震が発生し大津波が工場の防潮堤に達する。と同時に取水口L内の取水の圧力が急激に増し、トラベルスクリーン20が設置された開口部Oから取水が噴出しようとする。この時、取水噴出防止装置10の遮蔽体11に大きな水圧が作用するが、遮蔽体11には耐圧部11Aが形成されているため、この耐圧部11Aにおいて水圧が分散されて遮蔽体11がその形態を保持し、開口部Oからの取水の噴出を防止し、構内の各種の電気機器を浸水から防止し、延いては各種の電気機器の損壊を防止することができる。そのため、仮令、大規模工場が原子力発電所であっても構内の補助電源等の各種の機器の損傷が防止され、発電を継続することができる。
【0026】
以上説明したように本実施形態によれば、取水路Lの開口部Oにトラベルスクリーン20を収納するハウジングに代えてトラベルスクリーン20を取水路L側へ遮蔽する取水噴出防止装置10を設け、取水噴出防止装置10の遮蔽体11に取水路Lからの取水の噴出圧力を受ける半円筒状の耐圧部11Aを設けたため、仮令、大津波が襲って取水路L内の取水路の水圧が上昇し、開口部Oから噴出しようとしても遮蔽体11の耐圧部11Aにおいて取水からの水圧を分散して取水の構内への噴出を防止して構内に設置された各種の電気機器等の機器を浸水から防止し、延いては電気機器等の各種の機器を浸水による損壊から防止することができる。
【0027】
また、本実施形態によれば、遮蔽体11を固定するために開口部Oに沿って設けられた第1の枠体12を備え、遮蔽体11は、外周縁に形成されたフランジ11B及び複数のボルト11Eを介して第1の枠体12の上フランジ12Bに着脱可能に締結、固定されるため、遮蔽体11が取水からの大きな水圧を受けても遮蔽体11が開口部Oから外れることがなく、取水の噴出を確実に防止することができる。また、本実施形態によれば、遮蔽体11の耐圧部11Aが半円筒状を呈するため、遮蔽体11を軽量化することができると共に遮蔽体11自体を比較的簡単に製作することができる。
【0028】
尚、本発明は上記実施形態に何等制限されるものではなく、例えば、耐圧部11Aの湾曲形状を半円筒状に限らず、ドーム形状等の種々の形態を採用することができる。
【符号の説明】
【0029】
10 取水噴出防止装置
11 遮蔽体
11A 耐圧部(湾曲部)
11B フランジ(締結部材)
11E ボルト(締結部材)
12 第1の枠体
13 第2の枠体
20 トラベルスクリーン(除塵装置)
21 上部スプロケット
22 キャリアチェーン(無端状チェーン)
23 バスケット(除塵手段)
24 回転軸
25 駆動用スプロケット
26 モータ(駆動源)
図1
図2
図3