特許第5960515号(P5960515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960515
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ロータリー作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/12 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   A01B33/12 C
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-132715(P2012-132715)
(22)【出願日】2012年6月12日
(65)【公開番号】特開2013-255444(P2013-255444A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏
(72)【発明者】
【氏名】平澤 一暁
(72)【発明者】
【氏名】三村 輔
(72)【発明者】
【氏名】立石 大作
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−145101(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3117466(JP,U)
【文献】 実開昭50−149501(JP,U)
【文献】 特開平08−000009(JP,A)
【文献】 特開平10−004702(JP,A)
【文献】 特開平09−233903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/08 − 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状または円柱状の爪軸と、
該爪軸の外周に、前記爪軸の半径方向に延びるように取り付けられ、先端が張り出すように湾曲した複数の耕耘爪とを備え、
該耕耘爪が、
前記爪軸の半径方向に延びるように固定される固定部と、
直刃部と、
湾曲刃部とを備え、
前記爪軸の外周に、左から第1耕耘爪〜第38耕耘爪の順に38本配置するロータリー作業機において、
前記爪軸の外周に前記第1耕耘爪〜第38耕耘爪が下記表1に示されるように配置され、
【表1】
かつ、前記第19耕耘爪と前記第20耕耘爪とが前記爪軸の長さ方向の中央となり、
一の耕耘爪の先端と、該耕耘爪の先端が湾曲して張り出す側に隣接する別の耕耘爪とのピッチが、水平距離で25mm以内となることを特徴とする、ロータリー作業機。
【請求項2】
該爪軸の表面に38個の爪フォルダを備え、
該38個のそれぞれの爪フォルダに前記第1耕耘爪〜前記第38耕耘爪を着脱可能に取り付けることを特徴とする、請求項1に記載のロータリー作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状の爪軸と、爪軸の外周面に、半径方向に向けて突設された複数の耕耘爪とを備え、耕耘爪を接地させて爪軸を回転することで耕耘作業を行うロータリー作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のロータリー作業機は、円筒状または円柱状の爪軸と、その爪軸の表面に、先端が張り出すように湾曲した複数の耕耘爪とを備える。この耕耘爪は、爪軸の半径方向に延びるように固定される固定部と、直刃部と、湾曲刃部とを備える。
【0003】
このような構成のロータリー作業機では、耕耘爪で耕耘した土が、耕耘爪などに付着して適切に放てきできず、耕耘後の土の仕上がりが均一とならないという問題があり、これに対しては種々の改良が提案されてきた(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−45007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1にて示される技術は、耕耘爪間の爪軸に弾性のある円筒部材を被せる。この円筒部材では、両側端に短い切り込みを一定間隔で形成し、爪軸が回転する際にこの円筒部材が爪軸の長手方向にわずかに動くことで、耕耘爪への土の付着を低減させるものである。
【0006】
しかし、このような技術では、耕耘爪の間にそれぞれ円筒部材を配置しなければならず、部品点数が増えてしまうという問題があった。また、円筒部材をメンテナンスする必要もあり、手間がかかるという問題もあった。
【0007】
38本の耕耘爪を有するロータリー作業機では、特に固有の問題として、36本の耕耘爪を有するロータリー作業機と比較して耕耘後の土の仕上がりが悪い。そこでこの発明の目的は、構成を複雑にすることなく、耕耘後の土の仕上がりが均一となる38本の耕耘爪を有するロータリー作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため請求項1に記載の発明は、円筒状または円柱状の爪軸と、
該爪軸の外周に、前記爪軸の半径方向に延びるように取り付けられ、先端が張り出すように湾曲した複数の耕耘爪とを備え、
該耕耘爪が、
前記爪軸の半径方向に延びるように固定される固定部と、
直刃部と、
湾曲刃部とを備え、
前記爪軸の外周に、左から第1耕耘爪〜第38耕耘爪の順に38本配置するロータリー作業機において、
前記爪軸の外周に前記第1耕耘爪〜第38耕耘爪が下記表1に示されるように配置され、
【表1】
かつ、前記第19耕耘爪と前記第20耕耘爪とが前記爪軸の長さ方向の中央となり、
一の耕耘爪の先端と、該耕耘爪の先端が湾曲して張り出す側に隣接する別の耕耘爪とのピッチが、水平距離で25mm以内となる
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロータリー作業機において、該爪軸の表面に38個の爪フォルダを備え、
該38個のそれぞれの爪フォルダに前記第1耕耘爪〜前記第38耕耘爪を着脱可能に取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、円筒状または円柱状の爪軸と、該爪軸の外周に、前記爪軸の半径方向に延びるように取り付けられ、先端が張り出すように湾曲した複数の耕耘爪とを備え、該耕耘爪が、前記爪軸の半径方向に延びるように固定される固定部と、直刃部と、湾曲刃部とを備え、前記爪軸の外周に、左から第1耕耘爪〜第38耕耘爪の順に38本配置するロータリー作業機において、前記爪軸の外周に前記第1耕耘爪〜第38耕耘爪が前記爪軸の外周の特定の位置に配置され、かつ、前記第19耕耘爪と前記第20耕耘爪とが前記爪軸の長さ方向の中央となり、一の耕耘爪の先端と、該耕耘爪の先端が湾曲して張り出す側に隣接する別の耕耘爪とのピッチが、水平距離で25mm以内となる
【0012】
これにより、構造を複雑にすることなく、耕耘後の土の仕上がりが均一となる38本の耕耘爪を有するロータリー作業機を提供することができる。
【0013】
また、隣接する耕耘爪間で残耕耘土が発生せず、耕耘後の土の仕上がりを良好にすることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、該爪軸の表面に38個の爪フォルダを備え、該38個のそれぞれの爪フォルダに前記第1耕耘爪〜前記第38耕耘爪を着脱可能に取り付けるので、それぞれの耕耘爪を着脱可能とするので、耕耘爪の交換やメンテナンスが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の一例のロータリー作業機の側面図である。
図2図1のロータリー作業機の耕耘爪の配置を説明するための平面図である。
図3】耕耘爪の、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図4】別の耕耘爪の、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図5】爪軸の左右方向への耕耘爪の配置を説明するための図である。
図6】爪軸の円周方向への耕耘爪の配置を説明するための図である。
図7】耕耘爪の取り付け位置の中心を説明するための図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA矢視一部側面図、(c)は(b)のB矢視底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について詳述する。なお、この明細書において、トラクタなどが前進する方向を「前」、後進する方向を「後」、「前」に向かって「左右」と定義する。図1にこの発明の一例のロータリー作業機50の概略側面図を示す。ロータリー作業機50は、動力を伝達するメインビーム43、メインビーム43の左端に備えるチェーンケース44、メインビーム43の中央に備える不図示のギアボックス、ギアボックスに固設されたV字状のアッパーアーム54、ギアボックスの両側方でメインビーム43に回動自在に取り付けられたデプスビーム56、爪軸AXの周りには、合計38本の耕耘爪K(後述の耕耘爪K1〜K38)を備える。うち、2本は偏芯耕耘爪で36本は普通耕耘爪である。耕耘爪Kを上方より覆うことで耕耘した土の上方への飛散を防止するロータリーカバー(耕耘カバー)46などを備える。
【0017】
ロータリーカバー46には、これを前後に回動させるためのハンドル49が取り付けられている。ロータリーカバー46は、ハンドル49を回転させることで爪軸45aを中心にして進行方向に対して前後に回動可能に構成されている。ロータリーカバー46の回動は耕耘深さ(耕深)に合わせて調整される。また、ロータリーカバー46の後端には、リヤカバー47が回動部48を介して回動自在に連結されている。なお、符号SCは、ロータリーカバー46の両側(機体の幅方向の両側)に備える泥よけであり、耕耘爪Kで耕耘した土の左右方向(機体の幅方向の両側)への飛散を防止するためのものである。
【0018】
リヤカバー47の下部には、ハンガーロッド51の下端がピンによって回動自在に取り付けられている。一方、ロータリーカバー46の後部上には左右両側にロッドステー52が後斜め上方に向けて設けられ、そのロッドステー52の上端部にハンガーロッド51の上部が回動軸53の周りに回動自在に、かつハンガーロッド51の長さ方向に摺動自在に支持されている。また、ハンガーロッド51の外周には不図示のコイルバネが巻きつけられ、リヤカバー47を下方(本図において時計回り)に付勢している。
【0019】
アッパーアーム54の一端にはトラクタのトップリンク39が取り付けられるとともに、アッパーアーム54の別の一端には、デプスビーム56の上下傾斜角を調整するためのアジャストスクリュー55が取り付けられている。アジャストスクリュー55は調整ハンドル57を操作することで調整される。なお、ロータリーカバー46の後部にはサイドカバーを取り付けたり、リヤカバー47の下部にはサイドアンダーカバーを取り付けたりしてもよい。
【0020】
ロータリー作業機50のギアボックスには、ユニバーサルジョイント42を介してトラクタのPTO軸41を連結し、トラクタの駆動力をロータリー作業機50に伝達する。このギアボックス内にて、PTO軸41の駆動力は、メインビーム43内のシャフトに伝達される。シャフトの端部はチェーンケース44内に配置され、そのシャフトの端部にはギアが固設されている。チェーンケース44内には、爪軸AXの端部に固設された別のギアも備える。そして、2つのギアに無端チェーンを掛け回すことで、メインビーム43内のシャフトから爪軸AXへと駆動力が伝達されるようになっている。
【0021】
図2には、この例の要部を示す。ロータリーカバー46内に配置される円筒状の爪軸AXの外周面には、38個の爪ホルダ(後述の符号HL)を爪軸AXの半径方向に沿うように突設する。そして、それぞれの爪フォルダには、耕耘爪K1〜K38を取り付ける。爪軸AXの長手方向の中央の中央線CL上には耕耘爪K19,K20を取り付け、爪軸AXの左端には耕耘爪K1、右端には耕耘爪K38をそれぞれ取り付ける。
【0022】
耕耘爪K3は鉄などの金属板製で、図3に示すように、基端が爪フォルダHLに固定される直線的な固定部P3と、直線的な直刃部P2と、湾曲した湾曲刃部P1とで構成される。そして、直刃部P2が爪フォルダHLの突設方向に向けて延出するように形成される。直刃部P2の基端側には、貫通孔P7を設け、この貫通孔P7と爪フォルダHLに形成された貫通孔とを合わせてボルトBLを通して耕耘爪K3を爪フォルダHLに固定する。なお、符号P5は刃を、符号P4は先端を示す。また、直刃部P2の厚み方向の中心で、かつ、直刃部P2の幅方向の中心を通る線を中心線KCLとする(図7も参照のこと)。この耕耘爪K3の爪高さ=Mである。爪高さは、中心線KCLと湾曲刃部P1の先端P4との間の距離である。なお、耕耘爪K2,K7〜K9,K14〜K16,K20〜K22,K26〜K29,K33〜K35は耕耘爪K3と同一形状に形成される。一方、耕耘爪K4〜K6,K10〜K13,K17〜K19,K23〜K25,K30〜K32,K36,K37は耕耘爪K3と同一形状で左右対称に形成される。
【0023】
一方、耕耘爪K1は鉄などの金属板製で、図4に示すように、基端が爪フォルダHLに固定される直線的な固定部P3´と、屈曲部P6´と、直線的な直刃部P2´と、湾曲した湾曲刃部P1´とで構成される、屈曲部P6´があることで、直刃部P2´が爪フォルダHLの突設方向から偏芯して設けられる。直刃部P2´の延出方向は、爪フォルダHLの突設方向と平行である。直刃部P2´の基端側には、貫通孔P7´を設け、この貫通孔P7´と爪フォルダHLに形成された貫通孔とを合わせてボルトBLを通して耕耘爪K1を爪フォルダHLに固定する。なお、符号P5´は刃を、符号P4´は先端を示す。また、固定部P3´の厚み方向の中心を通る線を中心線KCLとする。
【0024】
屈曲部P6´を備えることで、爪フォルダHLの突設方向に対して直刃部P2´を先端P4´と反対側に向けて一定距離dだけ偏芯させるものである。耕耘爪K1の爪高さ=Mであり、耕耘爪K2〜K37の爪高さ=Mと同一である(必ずしも同一である必要はない)。耕耘爪K1の爪高さ=Mは、直刃部P2´の中心線と湾曲刃部P1´の先端P4´との間の距離である。
【0025】
耕耘爪K38は耕耘爪K1と同一形状で左右対称に形成される。
【0026】
耕耘爪K1〜K38は、図5に示すように、耕耘爪K1と耕耘爪K2は、爪軸AXの同一断面上にそれぞれの中心線KCLが位置するように配置される。
【0027】
同様に、耕耘爪K19と耕耘爪K20、耕耘爪K37と耕耘爪K38は、それぞれの中心線KCLが爪軸AXの同一断面上に位置するように配置される。なお、図示しないが、耕耘爪K6と耕耘爪K7、耕耘爪K13と耕耘爪K14、耕耘爪K25と耕耘爪K26、耕耘爪K32と耕耘爪K33についても、それぞれの中心線KCLが爪軸AXの同一縦断面上に位置するように配置される。また、耕耘爪K19,K20のそれぞれの中心線KCLは、爪軸AXの長さ方向の中央に位置し、図2にて示した中央線CLと一致する。なお、耕耘爪K19と耕耘爪K20の配置を逆にしてもよく、この場合にも同様の耕耘効果が得られる。
【0028】
また、耕耘爪K1と耕耘爪K3とはそれぞれの中心線KCL間の距離=Lとなるように配置される。耕耘爪K17と耕耘爪K18とはそれぞれの中心線KCL間の距離=Lとなるように配置される。耕耘爪K38と耕耘爪K36とはそれぞれの中心線KCL間の距離=Lとなるように配置される。また、爪の先端が逆方向に配置された耕耘爪K36と耕耘爪K35とはそれぞれの中心線KCL間の距離=Lとなるように配置される。さらに、耕耘爪K35と耕耘爪K34とはそれぞれの中心線KCL間の距離=Lとなるように配置される。なお、図示しないが、同様にこれ以外の耕耘爪の中心線KCL間の距離=Lである(耕耘爪K6と耕耘爪K7、耕耘爪K13と耕耘爪K14、耕耘爪K25と耕耘爪K26、耕耘爪K32と耕耘爪K33の中心線KCL間の距離を除く)。
【0029】
ここで、上記耕耘爪の中心線KCL間の距離=Lと、(耕耘爪K1,K38を除く)耕耘爪の爪高さ=Mとの関係は、(M−25)≦L≦(M+25)mmとなる。なお、各耕耘爪の中心線KCL間の距離=Lは必ずしも等しくなくてもよい。一方、中央線CLと耕耘爪K18の中心線KCLとの距離は、中央線CLと耕耘爪K21の中心線KCLとの距離と等しい。また、中央線CLと耕耘爪K17の中心線KCLとの距離は、中央線CLと耕耘爪K22の中心線KCLとの距離と等しい。中央線CLを挟んで左右のその他の耕耘爪の中心線KCLと中央線CLの距離についても同様である。
【0030】
図6には、爪軸AXの周面に対する耕耘爪K1〜K38の位置を模式的に示す(矢印は爪軸AXの回転方向を示す)。38本の耕耘爪K1〜K38の取付位置の基準点は、爪軸AXの周面上に、爪軸AXの軸心から一定角度α=(2π/38)で均等に配置される。爪軸AXの外周上にこの図の順で耕耘爪K1〜K38を配置することで、耕耘ムラを最小限とすることができる。なお、爪軸AX上の38本の耕耘爪K1〜K38のそれぞれ隣り合う耕耘爪間の角度は全て同じ(2π/38)であることに限定されるものではない。爪軸AX上の隣り合う耕耘爪間の角度は(2π/38)±(1/180)πの範囲にあればよい。
【0031】
図7(a)〜(c)に示すように、耕耘爪K3の取付位置の基準点BPは、中心線KCLが爪軸AXの外周面と交差する点として定義される。他の耕耘爪の取付位置の基準点BPについても同様である。なお、耕耘爪K1,K38の底面形状は、耕耘爪K3のそれと同様である。
【0032】
爪軸AXにおける耕耘爪K1〜K38の長手方向の条件と周方向の条件とに基づいて耕耘爪K1〜K38の位置を円筒座標系で表示することができる。なお、爪軸AXの半径=R、耕耘爪の中心線KCL間の距離=Lとする。そして、耕耘爪(第1耕耘爪)K1の取付位置の基準点BPを円筒座標系において(Rcos0,Rsin0,0)と表す。なお、α=2π/38である。また、耕耘爪K1の先端の向きは右向きである。
【0033】
耕耘爪(第2耕耘爪)K2,耕耘爪(第3耕耘爪)K3,・・・,耕耘爪(第37耕耘爪)K37,耕耘爪(第38耕耘爪)K38のそれぞれの取付位置の基準点BPの円筒座標系表示および耕耘爪の先端の向きについては、表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
なお、爪軸AXに爪フォルダHLを設けず、耕耘爪K1〜K38を直接爪軸AXに突設するように構成してもよい。
【0036】
また、上述の例では、リヤカバー47を備えるロータリー作業機10について説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、リヤカバー47を備えなくてもよい。この発明のロータリー作業機では、耕耘後のリヤカバーによる土均しが行われなくても、耕耘土の仕上がりは均平となる。
【0037】
耕耘土が平坦となることに加えて、この発明のロータリー作業機では、耕耘後の土塊の大きさも均一となる。この発明のロータリー作業機では、38本の耕耘爪が耕耘した際に形成される土塊の表面積Sを測定し、土塊の表面積の最大値をSmax、土塊の表面積の最小値をSmin、土塊の表面積の平均値をSmeanとすると、(Smax−Smin)/Smean≒1.0となる。
【0038】
さらに、耕耘時の振動も抑制されることから、38本の耕耘爪の磨耗の度合いも均一となる。したがって、耕耘爪のメンテナンスや交換に手間がかからない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明のロータリー作業機は、畑、水田などあらゆる耕作地に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
50 ロータリー作業機
AX 爪軸
HL 爪フォルダ
K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7,K8,K9,K10,K11,K12,K13,K14,K15,K16,K17,K18,K19,K20,K21,K22,K23,K24,K25,K26,K27,K28,K29,K30,K31,K32,K33,K34,K35,K36,K37,K38 耕耘爪
P1,P1´ 湾曲刃部
P2,P2´ 直刃部
P3,P3´ 固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7