【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、次のようにして実現することができる。
【0005】
即ち、ディーゼルエンジン乳化油生成促進システムであって、
水と油水結合剤とを充分に混合した粘性油水を入れるための粘性油水タンクと、
粘性油水タンク及びディーゼル油タンクに接続された、粘性油水とディーゼル油とを混合して乳化油を得るための乳化油混合装置と、
ディーゼル油タンク、乳化油混合装置、エンジン油戻し管及び主油管にそれぞれ接続された二元燃料油戻し促進装置と、
主油管に設けられ、二元燃料油戻し促進装置と接続し、エンジン冷却水が流れて二元燃料油戻し促進装置からの乳化油を加熱する熱交換装置と、
ディーゼル油タンクと主油管の油流入端とを接続する第一浄化配管、及び主油管の油流出端と二元燃料油戻し促進装置とを接続する第二浄化配管と、
乳化油混合装置、二元燃料油戻し促進装置及び熱交換装置とそれぞれ通信接続し、エンジンにディーゼル油を供給するかエンジンに乳化油を供給するかを冷却水の温度に基づいて切り換えるために用いられ、ディーゼルエンジン始動スイッチがオフになった後、
ディーゼルエンジンを設定時間延長運転させるように制御し、ディーゼル油が副油管を
介してエンジン内に流入して燃焼し、エンジン内の乳化油、すなわち、エンジンの高圧ポンプ及び噴射ヘッドの乳化油を除去するように制御するとともに、主油管及び主油管に設けられた装置内の乳化油を除去するために、ディーゼル油が第一浄化配管、主油管及び第二浄化配管を順に流れるように制御する二元燃料管理装置と、
を備えるディーゼルエンジン乳化油生成促進システムを設計、製造する。
【0006】
前記ディーゼルエンジン乳化油生成促進システムは、さらに次の特徴を有する。即ち、前記粘性油水タンク及びディーゼル油タンクと乳化油混合装置との間には、スタティックミキサが設けられている。
【0007】
前記ディーゼルエンジン乳化油生成促進システムは、さらに次の特徴を有する。即ち、前記乳化油混合装置は乳化油混合ドラムと、霧化装置と、液面センサとを備え、前記霧化装置と乳化油混合ドラムとは連通しており、液面センサは乳化油混合ドラム内に設けられ、前記霧化装置と液面センサとは、共に二元燃料供給制御装置と通信接続している。
【0008】
前記ディーゼルエンジン乳化油生成促進システムは、さらに次の特徴を有する。即ち、前記二元燃料油戻し促進装置は、二元燃料油戻し促進ドラムと、前記二元燃料油戻し促進ドラムに設けられた油戻し弁及び給油弁とを備え、前記油戻し弁の設置位置は前記給油弁の設置位置より高い。
【0009】
また、本発明は、ディーゼルエンジン乳化油生成促進方法であって、
ディーゼルエンジン始動スイッチがオンになると、副油管を介してディーゼル油タンクからディーゼルエンジンへディーゼル油を供給し、エンジンの回転数が安定した後、二元燃料管理装置が乳化油混合装置に乳化油を循環させて混合させるように制御するステップと、
設定時間が経過すると、前記二元燃料管理装置が前記副油管の弁を閉じ、主油管の弁を開くように制御するステップと、
ディーゼルエンジンの冷却水の温度を検出し、ディーゼルエンジンに乳化油を供給するかディーゼル油を供給するかを前記二元燃料管理装置が当該冷却水の温度に基づいて選択し、冷却水の温度が設定温度を上回る場合、前記二元燃料管理装置はディーゼルエンジンに乳化油を供給するように制御し、冷却水の温度が設定温度を下回る場合、前記二元燃料管理装置はディーゼルエンジンにディーゼル油を供給するように制御するステップと、
主油管を介して乳化油をディーゼルエンジンに供給する前に、乳化油をディーゼルエンジンの冷却水により熱交換装置を介して加熱するステップと、
ディーゼルエンジン始動スイッチがオフになると、前記二元燃料管理装置が、ディーゼルエンジンを設定時間延長運転させるように制御し、且つ主油管の弁を閉じ、副油管の弁を開き、副油管を介してディーゼルエンジンにディーゼル油を供給し、
該ディーゼル油がエンジン内に流入して燃焼し、エンジン内の乳化油、すなわち、エンジンの高圧ポンプ及び噴射ヘッドの乳化油を除去するように制御するとともに、前記二元燃料管理装置が、ディーゼル油に主油管及び主油管に設けられた装置内の乳化油を除去させるように制御するステップと、
を備えることを特徴とするディーゼルエンジン乳化油生成促進方法を提供する。
【0010】
前記ディーゼルエンジン乳化油生成促進方法は、さらに次の特徴を有する。即ち、粘性油水とディーゼル油とは、スタティックミキサによって混合された後に前記乳化油混合装置へ流入する。
【0011】
前記ディーゼルエンジン乳化油生成促進方法は、さらに次の特徴を有する。即ち、前記乳化油混合装置はディーゼルエンジンの燃料所要量に応じてリアルタイムで乳化油を生成する。
【0012】
前記ディーゼルエンジン乳化油生成促進方法は、さらに次の特徴を有する。即ち、リアルタイムでの乳化油の生成は、
粘性油水とディーゼル油とが比率に従ってスタティックミキサで混合された後に乳化油混合ドラムへ流入するように、前記二元燃料管理装置が制御するステップと、
乳化油混合ドラム内に流入した乳化油が、霧化装置の駆動により循環して霧化するステップと、
前記乳化油混合ドラム内の液面センサが液位情報を検出して前記二元燃料管理装置に送信し、生成した乳化油が設定した高液位に達した場合、前記二元燃料管理装置は粘性油水タンク内の粘性油水とディーゼル油タンク内のディーゼル油とが前記乳化油混合ドラムへ流入するのを停止するように制御し、生成した乳化油が設定した低液位に達した場合、前記二元燃料管理装置は粘性油水タンク内の粘性油水とディーゼル油タンク内のディーゼル油とが前記乳化油混合ドラムへ流入するように制御するとともに、前記霧化装置は一定時間延長してから動作を停止するステップと、
を備える。
【0013】
前記ディーゼルエンジン乳化油生成促進方法は、さらに次の特徴を有する。即ち、前記ディーゼル油タンク、前記乳化油混合装置、エンジン油戻し管及び前記主油管にそれぞれ接続された二元燃料油戻し促進ドラムを有する二元燃料油戻し促進装置を備え、前記二元燃料油戻し促進装置の二元燃料油戻し促進ドラム内には、油戻し弁と給油弁とが設けられ、前記油戻し弁の設置位置は前記給油弁の設置位置より高く、前記油戻し弁と給油弁とには共にボールタップが用いられ、前記二元燃料油戻し促進ドラム内の液位が給油弁より低くなると、給油弁が開き、前記二元燃料油戻し促進ドラムに乳化油又はディーゼル油を供給し、前記二元燃料油戻し促進ドラム内の液位が給油弁より高くなると、給油弁が閉じ、二元燃料油戻し促進ドラムへの乳化油又はディーゼル油の供給を停止する。
【0014】
前記ディーゼルエンジン乳化油生成促進方法は、さらに次の特徴を有する。即ち、ディーゼルエンジン乳化油生成促進システム内に、
(1)前記乳化油混合装置が故障した場合、
(2)エンジン冷却水の温度が設定温度を下回る場合、
(3)粘性油水を入れる粘性油水タンクの液位が設定液位以下である場合、及び
(4)ディーゼル油タンクの液位が設定液位以下である場合
のうちの1種類以上が発生すると、前記二元燃料管理装置は主油管を介してディーゼルエンジンにディーゼル油を供給するように制御する。