(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記算出手段は、前記停止検出手段が前記カゴが走行を停止したことを検出するごとに、前記カゴの走行距離を算出することを特徴とする請求項1に記載の遠隔監視支援装置。
前記特定手段は、前記カゴが移動する階床数ごとに関連付けられて当該カゴが当該階床数を移動するために要する想定時間のうち、前記計時手段が計時した走行時間に相当する想定時間に関連付けられた階床数を、前記カゴが移動した階床数に特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の遠隔監視支援装置。
エレベーターの動作を制御する制御基板に接続される遠隔監視支援装置と、当該遠隔監視支援装置と通信可能な管理サーバコンピュータと、を備えた遠隔監視システムであって、
前記遠隔監視支援装置は、
前記制御基板から、当該制御基板が備える保守点検用の端子を介して、または、前記制御基板と当該エレベーターが備えるカゴおよび各乗り場に設けられた操作盤のいずれかとを接続するI/O基板のコネクタ部を介して出力される信号に基づいて、当該エレベーターが備えるカゴが走行を開始したことを検出する開始検出手段と、
前記制御基板から、前記保守点検用の端子を介して、または、前記コネクタ部を介して出力される信号に基づいて、前記カゴが走行を停止したことを検出する停止検出手段と、
前記開始検出手段が前記カゴが走行を開始したことを検出してから、前記停止検出手段が前記カゴが走行を停止したことを検出するまでの走行時間を計時する計時手段と、
前記計時手段が計時した走行時間に基づいて、前記カゴが移動した階床数を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した階床数と、前記エレベーターが設けられた建物の1階床分の尺度とに基づいて、前記カゴの走行距離を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した走行距離および当該走行距離を算出した日時を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する走行距離に関する情報を前記管理サーバコンピュータに送信する送信手段と、を備え、
前記管理サーバコンピュータは、
前記遠隔監視支援装置から送信された情報に基づいて、前記カゴの走行距離に関する情報を含む報告書情報を生成する報告書情報生成手段と、
前記報告書情報生成手段が生成した報告書情報を出力する報告書情報出力手段と、を備えたことを特徴とする遠隔監視システム。
エレベーターの動作を制御する制御基板に接続される遠隔監視支援装置と、当該遠隔監視支援装置と通信可能な管理サーバコンピュータと、を備えた遠隔監視システムであって、
前記遠隔監視支援装置は、
前記制御基板から、当該制御基板が備える保守点検用の端子を介して、または、前記制御基板と当該エレベーターが備えるカゴおよび各乗り場に設けられた操作盤のいずれかとを接続するI/O基板のコネクタ部を介して出力される信号に基づいて、当該エレベーターが備えるカゴが走行を開始したことを検出する開始検出手段と、
前記制御基板から、前記保守点検用の端子を介して、または、前記コネクタ部を介して出力される信号に基づいて、前記カゴが走行を停止したことを検出する停止検出手段と、
前記開始検出手段が前記カゴが走行を開始したことを検出してから、前記停止検出手段が前記カゴが走行を停止したことを検出するまでの走行時間を計時する計時手段と、
前記計時手段が計時した走行時間および当該走行時間を計時した日時を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する走行時間に基づいて、前記カゴが移動した階床数を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した階床数と、前記エレベーターが設けられた建物の1階床分の尺度とに基づいて、前記カゴの走行距離を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した走行距離に関する情報を前記管理サーバコンピュータに送信する送信手段と、を備え、
前記管理サーバコンピュータは、
前記遠隔監視支援装置から送信された情報に基づいて、前記カゴの走行距離に関する情報を含む報告書情報を生成する報告書情報生成手段と、
前記報告書情報生成手段が生成した報告書情報を出力する報告書情報出力手段と、を備えたことを特徴とする遠隔監視システム。
エレベーターの動作を制御する制御基板に接続される遠隔監視支援装置と、当該遠隔監視支援装置と通信可能な管理サーバコンピュータと、を備えた遠隔監視システムに実行させる遠隔監視プログラムであって、
前記遠隔監視支援装置が備えるコンピュータに、
前記制御基板から、当該制御基板が備える保守点検用の端子を介して、または、前記制御基板と当該エレベーターが備えるカゴおよび各乗り場に設けられた操作盤のいずれかとを接続するI/O基板のコネクタ部を介して出力される信号に基づいて、当該エレベーターが備えるカゴが走行を開始したことを検出し、
前記制御基板から、前記保守点検用の端子を介して、または、前記コネクタ部を介して出力される信号に基づいて、前記カゴが走行を停止したことを検出し、
前記カゴが走行を開始したことを検出してから、前記カゴが走行を停止したことを検出するまでの走行時間を計時し、
計時した走行時間に基づいて、前記カゴが移動した階床数を特定し、
特定した階床数と、前記エレベーターが設けられた建物の1階床分の尺度とに基づいて、前記カゴの走行距離を算出し、
算出した走行距離および当該走行距離を算出した日時を記憶部に記憶し、
前記記憶部が記憶する走行距離に関する情報を前記管理サーバコンピュータに送信する処理を実行させ、
前記管理サーバコンピュータが備えるコンピュータに、
前記遠隔監視支援装置から送信された情報に基づいて、前記カゴの走行距離に関する情報を含む報告書情報を生成し、
生成した報告書情報を出力する処理を実行させることを特徴とする遠隔監視プログラム。
エレベーターの動作を制御する制御基板に接続される遠隔監視支援装置と、当該遠隔監視支援装置と通信可能な管理サーバコンピュータと、を備えた遠隔監視システムに実行させる遠隔監視プログラムであって、
前記遠隔監視支援装置が備えるコンピュータに、
前記制御基板から、当該制御基板が備える保守点検用の端子を介して、または、前記制御基板と当該エレベーターが備えるカゴおよび各乗り場に設けられた操作盤のいずれかとを接続するI/O基板のコネクタ部を介して出力される信号に基づいて、当該エレベーターが備えるカゴが走行を開始したことを検出し、
前記制御基板から、前記保守点検用の端子を介して、または、前記コネクタ部を介して出力される信号に基づいて、前記カゴが走行を停止したことを検出し、
前記カゴが走行を開始したことを検出してから、前記カゴが走行を停止したことを検出するまでの走行時間を計時し、
計時した走行時間および当該走行時間を計時した日時を記憶部に記憶し、
前記記憶部が記憶する走行時間に基づいて、前記カゴが移動した階床数を特定し、
特定した階床数と、前記エレベーターが設けられた建物の1階床分の尺度とに基づいて、前記カゴの走行距離を算出し、
算出した走行距離に関する情報を前記管理サーバコンピュータに送信する処理を実行させ、
前記管理サーバコンピュータが備えるコンピュータに、
前記遠隔監視支援装置から送信された情報に基づいて、前記カゴの走行距離に関する情報を含む報告書情報を生成し、
生成した報告書情報を出力する処理を実行させることを特徴とする遠隔監視プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遠隔監視支援装置、遠隔監視システム、遠隔監視支援プログラムおよび遠隔監視プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
(遠隔監視システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態1のエレベーターの遠隔監視システムのシステム構成について説明する。
図1は、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システム100は、制御基板(制御装置)110と、遠隔監視支援装置120と、管理サーバコンピュータ130と、電話機140と、を備えている。
【0025】
制御基板110は、エレベーター101の運行動作を制御する。エレベーター101は、複数階建てのビル内などに設置され、人や物品を搭載するカゴ(乗りかご)102を備えている。カゴ102は、1台のエレベーター101に1つずつ設けられている。カゴ102は、建物における各階床を、鉛直方向に沿って貫通する昇降路(図示を省略する)内に設けられている。エレベーター101は、たとえば、ロープ式(トラクション式)のエレベーターによって実現することができる。
【0026】
この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システムにより監視可能なエレベーター101は、ロープ式のエレベーターに限るものではない。この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システムにおいては、ロープ式のエレベーター101に代えて、あるいは、ロープ式のエレベーター101に加えて、たとえば、油圧式のエレベーター101を監視対象であってもよい。
【0027】
カゴ102には、行先階ボタンや扉開閉ボタンなどを含む操作ボタン、表示器などを備えた操作盤102aが設けられている。カゴ102に設けられた操作盤102aは、制御
基板110に接続されている。また、カゴ102には、インターフォンの端末装置102bが設けられている。インターフォンの端末装置102bは、呼出ボタンとマイクとスピーカーとを備えている(いずれも図示を省略する)。インターフォンの端末装置102bは、遠隔監視支援装置120に接続されている。
【0028】
昇降路には、駆動機構104が設けられている。駆動機構104は、たとえば、昇降路における上部に設けることができる。駆動機構104は、巻上機、滑車、ロープ104a、カウンタウエイト104bなどによって構成されている。駆動機構104は、さらに、電磁ブレーキや調速機などを備えている(いずれも図示を省略する)。駆動機構104は、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。駆動機構104は、昇降路における上部に設けられるものに限らない。駆動機構104は、たとえば、油圧式のエレベーター101の場合は、昇降路における底部(ピット)に設けられていてもよい。
【0029】
カゴ102はロープ104aの一端に連結され、カウンタウエイト104bはロープ104aの他端に連結されている。ロープ式のエレベーター101においては、両端にカゴ102およびカウンタウエイト104bが連結されたロープ104aをつるべ式に滑車および巻上機にかけた状態で当該巻上機を駆動し、ロープ104aと滑車との間の摩擦力(トラクション)を利用してカゴ102を昇降させる。昇降路には、カゴ102の昇降位置をガイドするガイドレール(図示を省略する)が設けられている。
【0030】
昇降路における各階床に対応した位置(乗り場)105およびカゴ102には、それぞれ扉105a、102cが設けられている。カゴ102には、当該カゴ102に設けられた扉102cおよび乗り場105に設けられた扉105aを開閉させるモーター(図示を省略する)が設けられている。モーターは、制御基板110に接続されている。
【0031】
乗り場105に設けられた扉105aは、インターロックなどと称される装置で施錠されている。エレベーター101が停止階に到着した状態でモーターを駆動すると、カゴ102に設けられた扉102cの駆動機構部分とインターロックとがかみ合ってインターロックによる施錠が解放され、カゴ102に設けられた扉102cおよび乗り場105に設けられた扉105aが連動して開閉する。
【0032】
各乗り場105には、乗り場呼びボタン(図示を省略する)や表示器などを備えた操作盤105bが、それぞれ設置されている。各乗り場105に設けられた操作盤105bは、それぞれ、制御基板110に接続されている。カゴ102や乗り場105に設けられた各操作盤102a、105bは、エレベーター101の利用者などによる入力操作を受け付けるごとに、当該入力操作の内容に応じた信号を、制御基板110に出力する。
【0033】
遠隔監視支援装置120は、主制御基板121と音声通信基板122とを備えている。主制御基板121は、制御基板110および管理サーバコンピュータ130に接続されている。主制御基板121は、たとえば、制御基板110が備える保守点検用の端子(図示を省略する)を介して当該制御基板110に接続されている。
【0034】
また、主制御基板121は、インターネットなどのネットワーク160を介して、管理サーバコンピュータ130に接続されている。インターネットを使用することにより、緊急時に電話回線がパンクすることによってエレベーター101の状況把握が遅延することを防止し、迅速な対応をとることができる。
【0035】
音声通信基板122は、インターフォンの端末装置102bおよび公衆音声網170に接続されている。音声通信基板122は、具体的には、たとえば、PHS(Personal Handy−phone System)基板によって実現することができる。公
衆音声網170は、固定電話網(公衆交換電話網)および携帯電話網を含む。公衆音声網170は、電話線を収容する加入者線交換機、加入者線交換機を束ねる中継交換機、ほかの事業者の電話網と接続する関門交換機など、図示を省略する複数の交換機によって構成されている。公衆音声網170については、公知の技術であるため説明を省略する。
【0036】
上記の主制御基板121は、音声通信基板122が備えるPHS基板を用いて通信をおこなってもよい。この場合、遠隔監視支援装置120は、PHS基板を音声通信に用いるとともにデータ通信にも用いる。エレベーター101の設置場所は固定であるため、PHSを利用した通信をおこなうことにより、通信の品質を確保するとともに通信にかかるコストを抑制することができる。
【0037】
管理サーバコンピュータ130および電話機140は、エレベーター101が設置されている場所とは異なる、当該エレベーター101の遠隔地に設置されている。管理サーバコンピュータ130は、たとえば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。管理サーバコンピュータ130は、たとえば、エレベーター101の保守管理を担う保守管理会社150に設置することができる。
【0038】
管理サーバコンピュータ130には、操作用の端末装置131が接続されていてもよい。管理サーバコンピュータ130と操作用の端末装置131とは、同じ場所に設置されていてもよく、異なる場所に設置されていてもよい。操作用の端末装置131は、1台であってもよく、複数台であってもよい。操作用の端末装置131は、たとえば、キーボードやマウスなどの入力デバイスや、ディスプレイなどを備えたパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。また、操作用の端末装置131には、プリンタ(図示を省略する)が接続されていてもよい。
【0039】
保守管理会社150には、管理サーバコンピュータ130に加えて、PBX(Private Branch eXchange、
図2における符号205を参照)および電話機140が設置されている。電話機140は、PBXを介して公衆音声網170に接続されている。遠隔監視システムにおいてはPBXを設けず、電話機140を公衆音声網170に直接接続してもよい。
【0040】
(遠隔監視システム100のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120のハードウエア構成について説明する。
図2は、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120のハードウエア構成を示す説明図である。
【0041】
図2において、制御基板110は、エレベーター101を構成する各部を駆動制御することにより、エレベーター101の運行動作を制御する。制御基板110は、たとえば、駆動機構104を駆動制御する。カゴ102に設けられた操作盤102aや乗り場105に設けられた操作盤105bなど、制御基板110に接続された各操作盤102a、105bは、エレベーター101の利用者などによる入力操作を受け付けるごとに、当該入力操作の内容に応じた信号を、制御基板110に出力する。制御基板110は、操作盤102a、105bから出力された信号に基づいてエレベーター101を駆動制御する。
【0042】
具体的には、制御基板110は、たとえば、カゴ102や乗り場105に設けられた各操作盤102a、105bから出力された信号に基づいて、上記の駆動機構104やモーターなど、エレベーター101が備える各部を駆動制御する。より具体的には、制御基板110は、たとえば、乗り場105に設けられた操作盤105bから呼び信号が出力された場合は、当該呼び信号の出力元となる操作盤が設けられた乗り場105に向けてカゴ1
02を昇降動作させ、該当する乗り場105においてカゴ102を停止させるように、駆動機構104に対して駆動信号を出力することによって当該駆動機構104を駆動制御する。
【0043】
また、具体的には、制御基板110は、たとえば、カゴ102に設けられた操作盤102aから、所定の階床を指定する信号が出力された場合は、当該所定の階床に向けてカゴ102を昇降動作させ、該当する乗り場105においてカゴ102を停止させるように、駆動機構104に対して駆動信号を出力することによって当該駆動機構104を駆動制御する。
【0044】
また、制御基板110は、たとえば、該当する乗り場105において停止したカゴ102に設けられた扉102cおよび乗り場105に設けられた扉105aを開閉させるように、カゴ102に設けられたモーターに対して駆動信号を出力することによって当該モーターを駆動制御する。
【0045】
制御基板110は、たとえば、カゴ102が走行を開始する場合に、走行開始信号を出力する。制御基板110は、たとえば、走行中のカゴ102が走行を停止した場合に、走行停止信号を出力する。走行開始信号は、たとえば、カゴ102が走行を開始したことを通知する専用の信号によって実現することができる。あるいは、走行開始信号は、たとえば、カゴ102に設けられたモーターに対して出力される駆動信号によって実現してもよい。
【0046】
走行停止信号は、たとえば、走行中のカゴ102が走行を停止したことを通知する専用の信号によって実現することができる。あるいは、走行停止信号は、たとえば、カゴ102に設けられたモーターに対して出力される駆動信号によって実現し、当該駆動信号の出力が停止されたことをもって走行中のカゴ102が走行を停止したことを検出するようにしてもよい。
【0047】
また、制御基板110は、たとえば、カゴ102に設けられた操作盤102aや乗り場105に設けられた操作盤105bにおいてカゴ102の位置を表示するために、各制御盤102a、105bに階床信号を出力する。制御基板110は、たとえば、カゴ102の位置が切り替わるごとに階床信号を出力する。あるいは、制御基板110は、たとえば、カゴ102の位置にかかわらず、定期的に階床信号を出力するものであってもよい。
【0048】
制御基板110は、カゴ102に設けられた操作盤102aや乗り場105に設けられた操作盤105bからの呼び信号に応じてカゴ102を昇降動作させるごとに、当該カゴ102を昇降動作させるために各部を起動したことを示す起動信号を出力する。制御基板110は、たとえば、1階から2階に移動した場合、起動信号を1回出力する。
【0049】
また、制御基板110は、たとえば、1階から途中で停止することなく5階に移動した場合、起動信号を1回出力する。また、制御基板110は、たとえば、1階から、途中の3階で停止した(扉の開閉をおこなった)後に、5階に移動する場合、起動信号を2回出力する。制御基板110は、起動信号が出力されるごとに、当該起動信号が出力された回数すなわち起動回数を記憶する。
【0050】
制御基板110は、異常を検知した場合に、当該異常を通知する信号を出力(発報)する。具体的には、制御基板110は、たとえば、扉105a、102cの開閉動作を実行する指示信号を出力したにもかかわらず、該当する扉が動作しないことを検出した場合に、エレベーター101において異常が発生したことを発報する。
【0051】
制御基板110は、カゴ102の昇降動作や扉105a、102cの開閉動作に際して駆動した各部の動作履歴を記憶してもよい。具体的には、制御基板110は、たとえば、カゴ102の昇降動作や扉105a、102cの開閉動作に際して動作した各種リレーの動作回数などを記憶してもよい。
【0052】
インターフォンの端末装置102bは、呼出ボタンが操作された場合に、当該操作があったことを示す呼出信号を、遠隔監視支援装置120に出力する。また、インターフォンの端末装置102bは、遠隔監視支援装置120と保守管理会社150に設置された電話機140との接続が確立された状態でマイクに入力された音声信号を、遠隔監視支援装置120に出力する。また、インターフォンの端末装置102bは、遠隔監視支援装置120と電話機140との接続が確立された状態で遠隔監視支援装置120から出力された音声信号を、スピーカーを介して出力する。
【0053】
遠隔監視支援装置120が備える主制御基板121は、中継基板201と、監視制御基板202と、メモリ203と、通信I/F(インターフェイス)204と、を備えている。中継基板201は、制御基板110から出力された信号の入力を受け付け、入力を受け付けた信号を解析し、解析結果を監視制御基板202に出力する。中継基板201は、たとえば、保守点検用の端子を介して保守点検用の信号の入力を受け付け、当該保守点検用の信号を解析する。中継基板201は、エレベーター101が備える各部と制御基板110とを接続するコネクタ基板(図示を省略する)における各種のリレー接点などに直接接続されていてもよい。
【0054】
また、中継基板201は、保守点検用の端子(メンテナンスポート)を介して制御基板110に接続されているものに限らない。中継基板201は、保守点検用の端子(メンテナンスポート)に代えて、たとえば、各乗り場105に設けられた操作盤105bと制御基板110とを接続するI/O基板のコネクタ部に接続されていてもよい。この場合、たとえば、I/O基板のコネクタ部に、信号の経路を複数に分岐するコネクタなどを設けることにより、各乗り場105に設けられた操作盤105bと制御基板110との接続を確保するとともに、当該操作盤105bと制御基板110との間の通信に用いる信号を利用して、階床信号を取得することができる。階床信号については説明を後述する(
図4を参照)。
【0055】
監視制御基板202は、中継基板201から出力された解析結果を、通信I/F204を介して管理サーバコンピュータ130に送信する。また、監視制御基板202は、中継基板201から出力された解析結果を、メモリ203に記憶する。監視制御基板202は、中継基板201が入力を受け付けた信号を、直接メモリ203に記憶してもよい。
【0056】
メモリ203は、電源の供給が絶たれた場合にも記憶した情報を保持する不揮発性の記憶媒体によって実現することができる。具体的には、メモリ203は、たとえば、フラッシュメモリ203、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などによって実現することができる。
【0057】
監視制御基板202は、通信I/F204を介して、管理サーバコンピュータ130から送信された各種の指示信号を受信する。そして、監視制御基板202は、管理サーバコンピュータ130から送信された各種の指示信号に応じた各種の動作指示を生成し、生成した各種の動作の実行を指示する指示信号を中継基板201を介して制御基板110に出力する。
【0058】
監視制御基板202は、たとえば、管理サーバコンピュータ130から送信された診断動作の実行を指示する指示信号(以下適宜「診断指示」という)を受信した場合、診断動作の実行を指示する指示信号を生成し、生成した指示信号を中継基板201を介して制御基板110に出力する。診断動作の実行を指示する指示信号は、たとえば、エレベーター101を所定の階床に移動させるための呼び信号を含む。
【0059】
音声通信基板122は、インターフォンの端末装置102bから出力された呼出信号を受け付けた場合、公衆音声網170を介して、保守管理会社150に設置された電話機140に割り当てられた電話番号に対する発呼をおこなう。また、音声通信基板122は、保守管理会社150に設置された電話機140との接続が確立された状態でマイクから出力された音声信号を、公衆音声網170を介して、保守管理会社150に設置された電話機140に出力する。また、音声通信基板122は、電話機140との接続が確立された状態で当該電話機140から出力された音声信号を、公衆音声網170を介して受信し、受信した音声信号をインターフォンの端末装置102bが備えるスピーカーに出力する。
【0060】
管理サーバコンピュータ130は、保守作業員などによる操作用の端末装置131に対する入力操作により受け付けた操作に応じて、遠隔監視支援装置120に対して各種の動作の実行を指示する指示信号を出力する。管理サーバコンピュータ130は、たとえば、診断動作の実行を指示する指示信号を出力する。
【0061】
管理サーバコンピュータ130は、たとえば、1ヶ月ごとなどの所定期間ごとに、遠隔監視支援装置120に対して、診断動作の実行を指示する指示信号を送信する。診断動作の実行を指示する指示信号を受信した遠隔監視支援装置120は、受信した診断動作の実行を指示する指示信号に基づいて、所定の信号を制御基板110に適宜出力し、出力した信号に応じて制御基板110から出力された信号を受信する。そして、制御基板110から受信した信号に基づいて応答情報を生成し、生成した応答情報を管理サーバコンピュータ130に出力する。
【0062】
管理サーバコンピュータ130は、遠隔監視支援装置120に対して送信した各種の指示信号に応じて当該遠隔監視支援装置120から送信された応答情報に基づいて、報告書情報を生成する。管理サーバコンピュータ130は、たとえば、診断動作の実行を指示する指示信号を送信した結果、遠隔監視支援装置120から受信した応答情報に基づいて、報告書情報を生成する。この場合、管理サーバコンピュータ130は、たとえば、エレベーター101の走行距離に関する情報を含む報告書情報を生成する。
【0063】
また、管理サーバコンピュータ130は、生成した報告書情報に基づいて、報告書(
図3を参照)を発行する機能を備えている。報告書は、たとえば、診断動作をおこなうごと、すなわち、遠隔監視支援装置120に対して診断動作の実行を指示する指示信号を送信するごとにおこなうことができる。
【0064】
具体的には、管理サーバコンピュータ130は、たとえば、生成した報告書情報に基づいて、当該報告書情報を紙などの記録媒体に印刷するための印刷情報を生成し、生成した印刷情報を、管理サーバコンピュータ130に接続された操作用の端末装置131に出力する。操作用の端末装置131は、印刷情報を受け付けた場合、当該操作用の端末装置131に接続されたプリンタを駆動制御させることによって報告書を発行する。
【0065】
(報告書の一例)
図3は、報告書の一例を示す説明図である。
図3においては、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システム100を構成する管理サーバコンピュータ130が発行する報告書の一例を示している。
【0066】
図3において、報告書300は、エレベーター101の診断動作をおこなうごとに発行される。報告書300は、管理サーバコンピュータ130から遠隔監視支援装置120に対して診断動作の実行を指示する指示信号を送信した結果、遠隔監視支援装置120から受信した応答情報に基づいて生成した報告書情報にしたがって作成される。
【0067】
遠隔監視システム100において、管理サーバコンピュータ130は、診断動作の実行を指示する指示信号を定期的に出力する場合、当該指示信号に応じた応答情報を受信するごとに報告書300を発行する。すなわち、診断動作の実行を指示する指示信号を定期的に出力する場合は、当該指示信号に応じた応答情報も定期的に受信することになるため、報告書300が定期的に発行される。
【0068】
報告書300は、応答情報を受信するごとに発行するものに限らない。管理サーバコンピュータ130は、遠隔監視支援装置120から受信した応答情報や当該応答情報に基づいて生成した報告書情報を記憶しておき、保守点検作業をおこなう作業員などによる操作用の端末装置131に対する所定の操作を受け付けた場合に、記憶した応答情報あるいは報告書情報に基づく報告書300を発行するようにしてもよい。
【0069】
報告書300は、たとえば、報告書情報を紙に印刷することによって出力される。報告書300には、たとえば、報告書情報として、走行距離に関する情報を示すグラフ310、320が印刷されている。グラフ310は、前回診断動作をおこなってから次回診断動作をおこなうまでのカゴ102の走行距離を示すプロットを直線で結んだ折れ線グラフの形状をなす。グラフ320は、前回診断動作をおこなってから次回診断動作をおこなうまでのカゴ102の走行距離を示すシンボル(棒など)を配列した棒グラフの形状をなす。
【0070】
図3においては、複数回の診断動作における各診断動作の走行距離が印刷された報告書300を例にして説明したが、報告書における走行距離の案内方法はこれに限るものではない。たとえば、前回診断動作をおこなってから今回診断動作をおこなうまでの走行距離に関する情報のみを印刷してもよい。
【0071】
(遠隔監視システム100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システム100の機能的構成について説明する。
図4は、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120および管理サーバコンピュータ130の機能的構成を示すブロック図である。
【0072】
(遠隔監視支援装置120の機能的構成)
図4において、この発明にかかる実施の形態1のエレベーター101の遠隔監視支援装置120の各機能は、開始検出部401、停止検出部402、計時部403、特定部404、算出部405、記憶部406、受信部407、生成部408および送信部409によって実現される。この発明にかかる実施の形態1のエレベーター101の遠隔監視支援装置120が備える開始検出部401、停止検出部402、計時部403、特定部404、算出部405、記憶部406、受信部407、生成部408および送信部409の各機能は、遠隔監視支援装置120が備える各部によって実現することができる。
【0073】
開始検出部401は、制御基板110から出力される信号に基づいて、当該エレベーター101が備えるカゴ102が走行を開始したことを検出する。開始検出部401は、具体的には、たとえば、上記の走行開始信号が制御基板110から出力された場合に、カゴ102が走行を開始したと検出する。
【0074】
あるいは、開始検出部401は、たとえば、走行開始信号を実現するその他の信号が制御基板110から出力されたことを検出した場合に、カゴ102が走行を開始したと検出してもよい。開始検出部401によるカゴ102の走行開始を検出するための信号は、たとえば、制御基板110の保守点検用の端子(メンテナンスポート)を介して取得することができる。
【0075】
停止検出部402は、制御基板から出力される信号に基づいて、カゴが走行を停止したことを検出する。停止検出部402は、具体的には、たとえば、上記の走行停止信号が制御基板110から出力された場合に、カゴ102が走行を開始したと検出する。あるいは、停止検出部402は、たとえば、制御基板110から出力される走行停止信号または走行停止信号を実現するその他の信号の、制御基板110からの出力が停止されたことを検出した場合に、カゴ102が走行を停止したと検出してもよい。停止検出部402による走行中のカゴ102の走行停止を検出するための信号は、たとえば、制御基板110の保守点検用の端子(メンテナンスポート)を介して取得することができる。
【0076】
計時部403は、カゴ102が走行を開始したことを開始検出部401が検出してから、カゴ102が走行を停止したことを停止検出部402が検出するまでの走行時間を計時する。計時部403は、カゴ102が走行を開始したことを開始検出部401が検出してから、カゴ102が走行を停止したことを停止検出部402が検出するまでの間、継続して走行時間を計時する。計時部403は、計時に際して、先に計時した走行時間をリセットして、つぎに走行時間の計時をはじめからおこなう。計時部403が計時する走行時間は、カゴ102が停止するとリセットされ、つぎの走行時間は、先の走行時間に加算されない。
【0077】
特定部404は、計時部403が計時した走行時間に基づいて、カゴ102が移動した階床数を特定する。カゴ102が移動した階床数は、カゴ102が走行を開始したことを開始検出部401が検出してから、カゴ102が走行を停止したことを停止検出部402が検出するまでの間にカゴ102が移動した階床の数を示す。カゴ102が移動した階床数は、具体的には、たとえば、カゴ102が1階から2階へ移動した場合の階床数は「2」、カゴ102が3階から5階へ移動した場合の階床数は「2」、カゴ102が10階から7階へ移動した場合の階床数は「3」とされる。
【0078】
特定部404は、たとえば、エレベーター101においてカゴ102が移動することが想定される階床数ごとに、カゴ102が各階床数を移動するために要する時間(以下「想定時間」という)を関連付けて記憶した想定時間テーブルを参照して、カゴ102が移動した階床数に特定する。想定時間テーブルは、具体的には、たとえば、「カゴ102が1階床分移動する場合の想定時間=A時間、カゴ102が2階床分移動する場合の想定時間=B時間、カゴ102が3階床分移動する場合の想定時間=C時間、・・・」などのように、エレベーター101においてカゴ102が移動することが想定される階床数ごとに、想定時間を関連付けて記憶する。
【0079】
想定時間は、カゴ102が規定最高速度に達するまでに要する加速時間と、規定最高速度で移動するカゴ102が停止するまでに要する減速時間と、を加味して設定されている。このため、2階床分移動する際の想定時間は、1階床分移動する際の想定時間の単純な2倍の長さにはならない。
【0080】
規定最高速度は、法律などにしたがって決定されるカゴ102の最高速度であり、たとえば定格速度などによって範囲が定められる。定格速度は、カゴ102に定格積載量に相当する積載荷重を作用させて上昇する場合の最高速度であって、たとえば、45m/m以下(低速)、60m/m〜105m/m(中速)、120m/m以上(高速)などのよう
に範囲が定められている。
【0081】
想定時間テーブルは、たとえば、記憶部406に設けることができる。同一の階床数分を移動する場合であっても、カゴ102の上昇時と下降時とで移動時間が異なるエレベーター101の場合、上昇時と下降時とでそれぞれ想定時間テーブルを設定してもよい。この実施の形態1のエレベーター101が、同一の階床数分の移動に要する時間は、カゴ102の上昇時と下降時とで同じであり、上昇時と下降時とを区別しない一つの想定時間テーブルが設定されている。
【0082】
あるいは、特定部404は、カゴ102が規定最高速度に達するまでに要する加速時間と、規定最高速度で移動するカゴ102が停止するまでに要する減速時間と、カゴ102が規定最高速度で走行した定速時間と、エレベーター101が設けられた建物の1階床分をカゴ102が規定最高速度で移動するために要する単位時間と、に基づいてカゴ102が移動した階床数を特定してもよい。
【0083】
この場合、具体的には、特定部404は、まず、計時部403が計時した走行時間から、加速時間と減速時間とを減算することにより、カゴ102が規定最高速度で走行した定速時間を算出する。つぎに、算出した定速時間を、あらかじめ設定されている単位時間で除算して、商および余りを得る。そして、除算により得られた商をカゴ102が定速時間で移動した階床数とし、当該階床数に加速および減速により移動した分として1階床分を加味した数値を、カゴ102が移動した階床数として特定することができる。
【0084】
算出部405は、特定部404が特定した階床数と、エレベーター101が設けられた建物の1階床分の尺度とに基づいて、カゴ102の走行距離を算出する。尺度は、エレベーター101が設けられた建物の1階床分の高さ寸法であって、エレベーター101がある階床から当該階床の直上あるいは直下にある階床に移動する際に走行する距離を示す。具体的には、尺度は、たとえば、エレベーター101が1階から2階に移動する際に走行する距離を示す。
【0085】
算出部405は、たとえば、停止検出部402がカゴが走行を停止したことを検出するごとに、カゴ102の走行距離を算出する。あるいは、算出部405は、たとえば、特定部404が階床数を特定するごとに、特定した階床数にかかる走行距離を算出してもよい。あるいは、算出部405は、管理サーバコンピュータ130から診断指示を受信した場合に、前回診断指示を受信してから今回診断指示を受信するまでの間に特定部404が特定した階床数にかかる走行距離を算出してもよい。
【0086】
記憶部406は、算出部405が算出した走行距離を記憶する。記憶部406は、たとえば、算出部405が走行距離を算出するごとに、当該走行距離を記憶する。あるいは、記憶部406は、算出部405が算出した走行距離に加えて、あるいは代えて、特定部404が特定した階床数を記憶してもよい。この場合、記憶部406は、たとえば、特定部404が階床数を特定するごとに、当該階床数を記憶する。
【0087】
記憶部406は、算出部405が算出した走行距離を、累積して記憶する。この場合、記憶部406は、たとえば、遠隔監視システム100による遠隔監視を開始してから、監視対象となるエレベーター101が備えるカゴ102が走行した走行距離を累積して記憶する。記憶部406は、階床数を計数するごとに、当該階床数の計数をおこなった日時をあわせて記憶してもよい。
【0088】
また、記憶部406は、算出部405が算出した走行距離のうち、所定期間ごとに累積した走行距離を記憶してもよい。この場合、具体的には、記憶部406は、たとえば、前
回診断指示を受信してから、次回診断指示を受信するまでの間に算出された走行距離を累積して記憶する。
【0089】
また、記憶部406は、算出部405が算出した走行距離を記憶する。記憶部406は、算出部405が走行距離を算出するごとに、当該走行距離を記憶する。記憶部406は、階床数を計数するごとに、当該階床数の計数をおこなった日時をあわせて記憶してもよい。記憶部406は、走行距離を算出するごとに、当該走行距離の算出をおこなった日時をあわせて記憶してもよい。
【0090】
受信部407は、管理サーバコンピュータ130から診断動作の実行を指示する指示信号(診断指示)を含む各種の指示信号を受信する。受信部407は、たとえば、診断動作の実行を指示する指示信号に加えて、カゴ102を所定の階床に移動させたり、移動させたカゴ102および該当する乗り場105の扉を開閉させたりする指示信号などを受信する。
【0091】
生成部408は、受信部407が管理サーバコンピュータ130から診断動作の実行を指示する指示信号を受信した場合に、記憶部406が記憶する走行距離に関する情報を含む応答情報を生成する。生成部408は、記憶部406が記憶する最新の走行距離、すなわち、直近に算出された走行距離を含み、遠隔監視システム100による遠隔監視を開始してから、監視対象となるエレベーター101が備えるカゴ102が走行した累計の走行距離を含む応答情報を生成する。
【0092】
あるいは、生成部408は、前回診断指示を受信した時点以降に、記憶部406に記憶された走行距離を含む応答情報を生成してもよい。いずれの走行距離を含む応答情報を生成するかは、たとえば、管理サーバコンピュータ130を介して、保守点検をおこなう作業者が任意に指定することができる。
【0093】
生成部408は、応答情報に含まれる走行距離にかかるエレベーター101の識別情報を含む応答情報を生成する。エレベーター101の識別情報は、たとえば、当該エレベーター101の製造番号であってもよいし、当該エレベーター101の設置場所(住所など)に基づいて設定される番号であってもよいし、当該エレベーター101の保守点検をおこなう作業者などが任意に設定した番号であってもよい。エレベーター101の識別情報は、所定桁数の数字やアルファベットなどの文字を組み合わせて構成することができる。
【0094】
送信部409は、受信部407が診断指示を受信した場合、記憶部406が記憶する走行距離に関する情報を管理サーバコンピュータ130に送信する。送信部409は、たとえば、受信部407が診断指示を受信した場合に生成部408が生成した応答情報を、管理サーバコンピュータ130に送信する。
【0095】
(管理サーバコンピュータ130の機能的構成)
図4において、管理サーバコンピュータ130は、指示受付部411、指示信号生成部412、診断指示部413、応答情報受信部414、報告書情報生成部415、記憶部416および報告書情報出力部417を備えている。この発明にかかる実施の形態1の管理サーバコンピュータ130が備える指示受付部411、指示信号生成部412、診断指示部413、応答情報受信部414、報告書情報生成部415、記憶部416および報告書情報出力部417の各機能は、管理サーバコンピュータ130が備える各部によって実現することができる。
【0096】
指示受付部411は、操作用の端末装置131から出力された操作信号の入力を受け付ける。指示受付部411は、たとえば、保守点検をおこなう作業員などによって操作用の
端末装置131に対して所定の入力操作がおこなわれることにより、当該操作用の端末装置131から出力される診断動作の実行を指示する操作信号の入力を受け付ける。操作信号は、監視対象とするエレベーター101に実行させる動作を指定する情報や、監視対象となるエレベーター101の識別情報などを含む。
【0097】
指示信号生成部412は、指示受付部411が入力を受け付けた操作信号に基づいて、遠隔監視支援装置120における診断動作の実行を指示する指示信号を生成する。指示信号は、たとえば、監視対象とするエレベーター101に実行させる動作を指定する情報や、監視対象となるエレベーター101の識別情報を含む指示信号を生成する。
【0098】
診断指示部413は、指示信号生成部412が生成した指示信号を、該当する遠隔監視支援装置120に対して送信する。該当する遠隔監視支援装置120は、たとえば、指示信号に含まれるエレベーター101の識別情報によって特定することができ、当該監視対象となるエレベーター101に接続された遠隔監視支援装置120によって実現される。
【0099】
応答情報受信部414は、診断指示部413が指示信号を送信した結果、該当する遠隔監視支援装置120から送信された応答情報を受信する。応答情報受信部414は、診断指示部413が指示信号を送信してからの経過時間を計時してもよい。これにより、診断指示部413が指示信号を送信してから所定時間が経過しても、該当する遠隔監視支援装置120から送信された応答情報を受信していない場合に、エラー報知をおこなうことができる。
【0100】
報告書情報生成部415は、応答情報受信部414は受信した応答情報に基づいて報告書情報を生成する。報告書情報は、たとえば、遠隔監視支援装置120が算出した走行距離に関する情報を含む。
【0101】
記憶部416は、応答情報受信部414が受信した応答情報を記憶する。記憶部416は、たとえば、応答情報受信部414が受信した応答情報の内容のみでなく、当該応答情報の送信元となる遠隔監視支援装置120が接続されたエレベーター101の識別情報や、当該応答情報を受信した日時に関する情報を記憶してもよい。また、記憶部416は、たとえば、報告書情報生成部415が生成した報告書情報を記憶してもよい。この場合、記憶部416は、たとえば、報告書情報生成部415が生成した報告書情報の内容のみでなく、当該報告書情報によって状態が報告されるエレベーター101の識別情報や、当該報告書情報が生成された日時に関する情報を記憶してもよい。
【0102】
報告書情報出力部417は、報告書情報生成部415が生成した報告書情報を、操作用の端末装置131に対して出力する。報告書情報出力部417は、報告書情報生成部415が生成した報告書情報に加えて、当該報告書情報を印刷出力する指示情報をあわせて送信する。また、報告書情報出力部417は、操作用の端末装置131から入力を受け付けた操作信号に応じて、記憶部416が記憶する報告書情報などを抽出し、抽出した報告書情報を操作用の端末装置131に対して出力してもよい。
【0103】
(遠隔監視支援装置120の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120の処理手順について説明する。
図5および
図6は、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120の処理手順を示すフローチャートである。
図5のフローチャートに示す処理は、制御基板110から出力された階床信号を取得した場合に実行される。
【0104】
図5のフローチャートにおいて、まず、カゴ102が走行を開始したと判断するまで待
機する(ステップS501:No)。ステップS501において、カゴ102が走行を開始した場合(ステップS501:Yes)、ステップS501:Yesにおいてカゴ102が走行を開始したと判断してからの時間(走行時間)の計時を開始する(ステップS502)。
【0105】
つぎに、ステップS501:Yesにおいて走行を開始したと判断したカゴ102が、走行を停止するまで待機する(ステップS503:No)。ステップS503において、カゴ102が走行を停止した場合(ステップS503:Yes)、ステップS501:Yesにおいてカゴ102が走行を開始したと判断してから、ステップS503:Yesにおいてカゴ102が走行を停止したと判断するまでの時間、すなわち走行時間を取得する(ステップS504)。そして、ステップS504において取得した走行時間を、メモリ203などの記憶部406に記憶する(ステップS505)。
【0106】
つぎに、ステップS503:Yesにおいて走行を停止したと判断したカゴ102の停止位置に基づいて、当該カゴ102が正常に停止したか否かを判断する(ステップS506)。ステップS506においては、たとえば、エレベーター101における異常を検出して階床間で緊急停止した場合などのように、利用者が乗降する際のカゴ102の位置以外の位置でカゴ102が停止していないかどうかを判断することにより、カゴ102が正常に停止したか否かを判断する。
【0107】
ステップS506において、カゴ102が正常に停止した場合(ステップS506:Yes)、ステップS504において取得した走行時間(ステップS505において記憶した走行時間)に基づいて、ステップS501:Yesにおいてカゴ102が走行を開始したと判断してから、ステップS503:Yesにおいてカゴ102が走行を停止したと判断するまでの間に、カゴ102が移動した階床数を特定する(ステップS507)。
【0108】
そして、ステップS507において特定した階床数に基づいて、カゴ102の走行距離を算出し(ステップS508)、算出した走行距離をメモリ203などの記憶部406に記憶して(ステップS509)、一連の処理を終了する。ステップS508においては、たとえば、ステップS501:Yesにおいてカゴ102が走行を開始したと判断してから、ステップS503:Yesにおいてカゴ102が走行を停止したと判断するまでの間における、カゴ102の走行距離を算出する。
【0109】
また、ステップS508においては、たとえば、ステップS501:Yesにおいてカゴ102が走行を開始したと判断してから、ステップS503:Yesにおいてカゴ102が走行を停止したと判断するまでの間における、カゴ102の走行距離を算出するとともに、当該走行距離を、既にメモリ203などの記憶部406に記憶されているこれまでの走行距離に加算してもよい。
【0110】
ステップS506において、カゴ102が正常に停止していない場合(ステップS506:No)、管理サーバコンピュータ130に対して異常を報知して(ステップS510)、一連の処理を終了する。ステップS510においては、たとえば、管理サーバコンピュータ130に対して異常が発生したことを示す発報をおこなうことによって、保守管理会社150の保守作業員に対して異常の発生を案内する。
【0111】
図6のフローチャートにおいて、まず、管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信するまで待機する(ステップS601:No)。ステップS601において、管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信した場合(ステップS601:Yes)、メモリ203を参照して、走行距離を取得する(ステップS602)。
【0112】
つぎに、ステップS602において取得した走行距離を含む応答情報を生成し(ステップS603)、管理サーバコンピュータ130に対して、ステップS603において生成した応答情報を送信して(ステップS604)、一連の処理を終了する。
【0113】
(管理サーバコンピュータ130の処理手順)
図7は、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視システム100を構成する管理サーバコンピュータ130の処理手順を示すフローチャートである。
図7のフローチャートにおいて、まず、操作用の端末装置131から出力された所定の操作信号の入力を受け付けるまで待機する(ステップS701:No)。ステップS701においては、保守点検をおこなう作業員などによって操作用の端末装置131に対して所定の入力操作がおこなわれることにより、当該操作用の端末装置131から出力される診断動作の実行を指示する操作信号の入力を受け付けるまで待機する。
【0114】
ステップS701において、診断動作の実行を指示する操作信号の入力を受け付けた場合(ステップS701:Yes)、遠隔監視支援装置120における診断動作の実行を指示する指示信号を生成する(ステップS702)。そして、遠隔監視支援装置120に対して、ステップS702において生成した指示信号を送信する(ステップS703)。
【0115】
つぎに、ステップS703において指示信号を送信した結果、該当する遠隔監視支援装置120から送信された応答情報を受信したか否かを判断する(ステップS704)。ステップS704において、該当する遠隔監視支援装置120から送信された応答情報を受信した場合(ステップS704:Yes)、受信した応答情報に基づいて報告書情報を生成する(ステップS705)。
【0116】
ステップS705においては、たとえば、ステップS704:Yesにおいて受信した応答情報に含まれるエレベーター101の走行距離に関する情報を含み、上記の報告書300を操作用の端末装置131を介して印刷出力させるための報告書情報を生成する。
【0117】
その後、ステップS705において生成した報告書情報を、操作用の端末装置131に対して出力して(ステップS706)、一連の処理を終了する。ステップS706において出力した報告書情報を受け付けた操作用の端末装置131は、たとえば、当該報告書情報に基づいて印刷情報を生成し、当該印刷情報に基づいて操作用の端末装置131に接続されているプリンタを駆動制御することによって、報告書300を発行する。
【0118】
一方、ステップS704において、該当する遠隔監視支援装置120から送信された応答情報を受信していない場合(ステップS704:No)、ステップS703において指示信号を送信してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS707)。そして、ステップS707において、所定時間が経過していない場合(ステップS707:No)、ステップS704に戻り、該当する遠隔監視支援装置120から送信された応答情報を受信したか否かを判断する。
【0119】
ステップS707において、ステップS703において指示信号を送信してから、該当する遠隔監視支援装置120から送信された応答情報を受信することなく、所定時間が経過した場合(ステップS707:Yes)、エラー報知をおこなって(ステップS708)、一連の処理を終了する。ステップS708においては、たとえば、操作用の端末装置131に対して、当該作用の端末装置131から報知音を出力させたり、操作用の端末装置131が備えるディスプレイにエラーメッセージを表示させたりする指示信号を出力する。
【0120】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120は、エレベーター101の動作を制御する制御基板110から出力される信号に基づいて、カゴ102が走行を開始したことを検出してから、カゴ102が走行を停止したことを検出するまでの走行時間を計時し、計時した走行時間に基づいて、カゴ102が移動した階床数を特定する。そして、特定した階床数と、エレベーター101が設けられた建物の1階床分の尺度とに基づいて、カゴ102の走行距離を算出し、算出した走行距離をメモリ203などの記憶部に記憶する。その後、管理サーバコンピュータ130からエレベーター101の状態に関する情報の送信を指示する診断指示を受信した場合、メモリ203などの記憶部が記憶する走行距離に関する情報を、管理サーバコンピュータ130に送信する。
【0121】
この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120によれば、カゴ102の動作にともなって制御基板110から出力される信号を取得することにより、カゴ102が位置する階床を遠隔監視支援装置120が直接認識するためのセンサなどを別途設けることなく簡易な構成で、カゴ102の走行時間を遠隔監視支援装置120において確実に認識することができる。また、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120によれば、走行時間の計時と走行距離の算出とを並行しておこなう場合と比較して、遠隔監視支援装置120における演算の処理負担を減らすことができる。これにより、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120によれば、走行距離の算出に負担がかかることによって遠隔監視にかかる動作が遅延することを防止し、エレベーター101に発生した異常に対する対応を迅速におこなうことができる。
【0122】
そして、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120によれば、エレベーター101が設けられた建物の1階床分の尺度をあらかじめ設定しておくことにより、当該尺度に、走行時間に基づいて特定した階床数を乗じるだけの簡易な演算によって、遠隔監視支援装置120における走行距離の算出にかかる負担を増大させることなく、カゴ102の走行距離を算出することができる。
【0123】
これによって、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120を用いた遠隔監視システム100によれば、遠隔監視システム100が監視対象とするエレベーター101の遠隔監視の精度を確保することができる。特に、エレベーター101が設けられた建物の寸法などに基づいて精度の高い尺度を設定しておくことにより、走行時間に基づいてカゴ102の走行距離を精度よく算出することができる。
【0124】
また、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120を用いた遠隔監視システム100によれば、簡易な演算によってカゴ102の走行距離を算出することができるので、走行距離の算出にかかる遠隔監視支援装置120の負担を抑えることができる。そして、これによって、遠隔監視支援装置120において、走行距離の算出にかかる負担によって、その他の遠隔監視にかかる動作に支障をきたすことがない。
【0125】
一般的に、管理サーバコンピュータ130は、複数台のエレベーター101の動作を監視している。各エレベーター101(の制御基板110)からは、当該エレベーター101に異常が発生した場合に当該異常を通知する情報が送信(発報)される。この発報を受信した場合、管理サーバコンピュータ130あるいは当該管理サーバコンピュータ130を操作する作業員は、受信した発報に基づいて、エレベーター101に発生した異常に対する対応をおこなう。この対応は、人命に関わる場合もあるため、いち早く検知し、重大な障害になる前あるいは障害が深刻化する前におこなうことが要求される。
【0126】
この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120を用いた遠隔監視システム100によれば、走行距離の算出にかかる負担によって、その他の遠隔監視にかかる動作に支障をきたすことがないため、走行距離の算出に負担がかかることによって遠隔監視にか
かる動作が遅延することを防止し、エレベーター101に発生した異常に対する対応を迅速におこなうことができる。これによって、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120および遠隔監視システム100によれば、遠隔監視の対象となるエレベーター101に対する信頼性の向上を図ることができる。
【0127】
また、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120は、カゴ102が走行を停止したことを検出するごとに、カゴ102の走行距離を算出する。具体的には、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120は、1回の動作で移動した階床数にかかわらず、エレベーター101が移動を停止した場合に、走行距離の算出にかかる演算をおこなう。より具体的には、たとえば、カゴ102が1階から移動をはじめて途中の階床に停止することなく5階に移動する場合、1階を示す階床信号が2階を示すように切り替わってから5階を示すまでの間は走行時間の計時のみをおこない、カゴ102が5階に移動した後、1階から5階に移動した分の走行距離の算出をおこなう。
【0128】
また、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120は、具体的には、たとえば、カゴ102が1階から移動をはじめて、3階に停止した後に5階に移動する場合、カゴ102が3階に停止するまでの間は走行時間の計時のみをおこない、カゴ102が3階に移動した後、1階から3階に移動した際に要した走行時間に基づいて走行距離の算出をおこなう。その後、カゴ102が5階に停止するまでの間は走行時間の計時のみをおこない、カゴ102が5階に移動した後、3階から5階に移動した際に要した走行時間に基づいて走行距離の算出をおこなう。
【0129】
これによって、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120によれば、走行時間の計時と走行距離の算出とを並行しておこなう場合と比較して、遠隔監視支援装置120における演算の処理負担を減らすことができる。これにより、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120によれば、走行距離の算出に負担がかかることによって遠隔監視にかかる動作が遅延することを防止し、エレベーター101に発生した異常に対する対応を迅速におこなうことができる。
【0130】
エレベーター101の診断動作は、当該エレベーター101における故障などの障害が発生する予兆の有無など、将来にわたってのエレベーター101の状況を予測し、障害が発生する前に対応することを目的としている。将来にわたってのエレベーター101の状況を予測することにより、たとえば、定期的な保守点検などに際して重点的に点検したり交換したりする箇所を、当該保守点検の事前に把握することができ、点検作業にかかる時間短縮を図ることができる。
【0131】
そして、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120を備える遠隔監視システム100によれば、上述したように、将来にわたってのエレベーター101の状況を精度よく予測し、障害が発生する前に対応することができるため、遠隔監視の対象となるエレベーター101に対する信頼性の向上を図ることができる。また、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120を備える遠隔監視システム100によれば、障害が発生する前に点検をおこなったり、エレベーター101の管理者に対して当該エレベーター101の点検を提案したりすることができるので、利用者の安全を確保できる。
【0132】
(実施の形態2)
(遠隔監視システムのシステム構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の遠隔監視支援装置を備える遠隔監視システムについて説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
【0133】
図8は、この発明にかかる実施の形態2の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120の機能的構成を示すブロック図である。
図8において、この発明にかかる実施の形態2のエレベーター101の遠隔監視支援装置120の各機能は、開始検出部401、停止検出部402、計時部403、特定部404、算出部405、記憶部406、受信部407、生成部408および送信部409によって実現される。
【0134】
この発明にかかる実施の形態2のエレベーター101の遠隔監視支援装置120が備える開始検出部401、停止検出部402、計時部403、記憶部406、受信部407、生成部408および送信部409の各機能は、遠隔監視支援装置120が備える各部によって実現することができる。記憶部406は、計時部403が計時した走行時間を記憶する。記憶部406は、たとえば、計時部403が走行時間を計時するごとに、当該走行時間を記憶する。記憶部406は、計時部403が走行時間を計時するごとに、当該走行時間の計時をおこなった日時をあわせて記憶してもよい。
【0135】
特定部404は、受信部407が診断指示を受信した場合、計時部403が計時した走行時間に基づいて、カゴ102が移動した階床数を特定する。算出部405は、特定部404が特定した階床数と尺度とに基づいて、カゴ102の走行距離を算出する。生成部408は、受信部407が診断指示を受信した場合、算出部405が算出した走行距離に関する情報を含む応答情報を生成する。生成部408は、たとえば、遠隔監視システムによる遠隔監視後に計数された階床数に基づいて、監視対象となるエレベーター101が備えるカゴ102が走行した累計の走行距離を含む応答情報を生成する。
【0136】
あるいは、生成部408は、前回診断指示を受信した時点以降に、前記記憶部406に記憶された走行時間に基づいて特定された階床数を用いて算出した、カゴ102の走行距離に関する情報を含む応答情報を生成してもよい。いずれの走行距離を含む応答情報を生成するかは、たとえば、管理サーバコンピュータ130を介して、保守点検をおこなう作業者が任意に指定することができる。
【0137】
送信部409は、算出部405が算出した走行距離に関する情報を、管理サーバコンピュータ130に送信する。送信部409は、たとえば、受信部407が診断指示を受信した場合に生成部408が生成した応答情報を、管理サーバコンピュータ130に送信する。
【0138】
(遠隔監視支援装置120の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の遠隔監視支援装置120の処理手順について説明する。
図9および
図10は、この発明にかかる実施の形態2の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120の処理手順を示すフローチャートである。
図10のフローチャートに示す処理は、制御基板110から出力された階床信号を取得した場合に実行される。
【0139】
図9のフローチャートにおいて、まず、カゴ102が走行を開始したと判断するまで待機し(ステップS901:No)、カゴ102が走行を開始した場合(ステップS901:Yes)、ステップS901:Yesにおいてカゴ102が走行を開始したと判断してからの時間(走行時間)の計時を開始する(ステップS902)。
【0140】
つぎに、ステップS901:Yesにおいて走行を開始したと判断したカゴ102が、走行を停止するまで待機し(ステップS903:No)、カゴ102が走行を停止した場合(ステップS903:Yes)、ステップS901:Yesにおいてカゴ102が走行を開始したと判断してから、ステップS903:Yesにおいてカゴ102が走行を停止したと判断するまでの時間、すなわち走行時間を取得する(ステップS904)。そして
、ステップS904において取得した走行時間を、メモリ203などの記憶部406に記憶する(ステップS905)。
【0141】
つぎに、ステップS903:Yesにおいて走行を停止したと判断したカゴ102の停止位置に基づいて、当該カゴ102が正常に停止したか否かを判断する(ステップS906)。ステップS906においては、上述した
図5におけるステップS506と同様に、たとえば、エレベーター101における異常を検出して階床間で緊急停止した場合などのように、利用者が乗降する際のカゴ102の位置以外の位置でカゴ102が停止していないかどうかを判断することにより、カゴ102が正常に停止したか否かを判断する。
【0142】
ステップS906において、カゴ102が正常に停止した場合(ステップS906:Yes)、一連の処理を終了する。一方、ステップS906において、カゴ102が正常に停止していない場合(ステップS906:No)、管理サーバコンピュータ130に対して異常を報知して(ステップS907)、一連の処理を終了する。ステップS907においては、上述した
図5におけるステップS510と同様に、たとえば、管理サーバコンピュータ130に対して異常が発生したことを示す発報をおこなうことによって、保守管理会社150の保守作業員に対して異常の発生を案内する。
【0143】
図10のフローチャートにおいて、まず、管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信するまで待機する(ステップS1001:No)。ステップS1001において、管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信した場合(ステップS1001:Yes)、メモリ203を参照して、走行時間を取得する(ステップS1002)。ステップS1002により、前回管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信してから、今回管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信するまでの間におけるカゴ102の走行時間が取得される。
【0144】
つぎに、ステップS1002において取得した走行時間に基づいて階床数を特定し(ステップS1003)、特定した階床数に基づいて走行距離を算出する(ステップS1004)。ステップS1004により、前回管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信してから、今回管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信するまでの間におけるカゴ102の走行距離が算出される。
【0145】
その後、ステップS1004において算出した走行距離を含む応答情報を生成し(ステップS1005)、管理サーバコンピュータ130に対して、ステップS1005において生成した応答情報を送信して(ステップS1006)、一連の処理を終了する。
【0146】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態2の遠隔監視支援装置120は、エレベーター101の動作を制御する制御基板110から出力される信号に基づいて、カゴ102が走行を開始したことを検出してから、カゴ102が走行を停止したことを検出するまでの走行時間を計時し、計時した走行時間を記憶する。そして、管理サーバコンピュータ130からエレベーター101の状態に関する情報の送信を指示する診断指示を受信した場合、メモリ203などの記憶部が記憶する走行時間に基づいて、カゴ102が移動した階床数を特定し、特定した階床数と、エレベーター101が設けられた建物の1階床分の尺度とに基づいて、カゴ102の走行距離を算出し、算出した走行距離に関する情報を管理サーバコンピュータ130に送信する。
【0147】
この発明にかかる実施の形態2の遠隔監視支援装置120によれば、管理サーバコンピュータ130から診断指示を受信するまでの間は走行時間の計時をおこない、管理サーバコンピュータ130から診断指示を受信した場合に、当該診断指示を受信するまでの間に計時した走行時間に基づいて特定される階床数と尺度とに基づいて走行距離を算出する。
したがって、この発明にかかる実施の形態2の遠隔監視支援装置120によれば、走行時間の計時と走行距離の算出とを並行しておこなう場合と比較して、遠隔監視支援装置120における演算の処理負担を減らすことができる。これにより、この発明にかかる実施の形態1の遠隔監視支援装置120によれば、走行距離の算出に負担がかかることによって遠隔監視にかかる動作が遅延することを防止し、エレベーター101に発生した異常に対する対応を迅速におこなうことができる。
【0148】
なお、上述した実施の形態で説明した遠隔監視支援プログラムおよび遠隔監視プログラムは、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行されることにより実現することができる。また、上述した実施の形態で説明した遠隔監視支援プログラムおよび遠隔監視プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより、遠隔監視支援方法および遠隔監視方法を実現することができる。これらのプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。