(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マットレスが、発泡マットレス、エアチェンバベッド、調節式ベッド、インナースプリングベッド、スプリング無しベッド、形状記憶発泡体(memory foam)ベッド、又は、病院用ベッドである請求項1から6のいずれか1項に記載の冷熱調整ベッド。
前記冷熱調節ベッドは、前記流体モジュールが、前記クッション部材の下側に沿った又はクッション部材の内部の前記流体移送網内に、少なくとも部分的にはめ込まれる請求項14に記載の冷熱調節ベッド。
前記冷熱調節ベッドは、前記クッション部材の下側に沿って位置しかつ前記クッション部材と分離したプラットフォームを備え、前記流体移送網は、ベッドへの取り付けおよび流体分配を容易にするため前記プラットフォーム内に含まれる請求項14に記載の冷熱調節ベッド。
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの流体モジュールが2つの流体モジュールを備え、前記クッション部材を通過する前記少なくとも1つの開口は2つの開口を備える請求項14から21のいずれか1項に記載の冷熱調節ベッド。
前記冷熱調節ベッドは、エアチェンバベッド、調節式ベッド、インナースプリングベッド、スプリング無しベッド、形状記憶発泡体(memory foam)ベッド、完全発泡体(full foam)ベッド、又は病院用ベッドである請求項14から21のいずれか1項に記載の冷熱調節ベッド。
前記製造する方法において、前記冷熱調節ベッドが、前記クッション部材の下側に沿って位置しかつ前記クッション部材と分離したプラットフォームを備え、前記流体移送網は、ベッドへの取り付けおよび流体分配を容易にするため前記プラットフォーム内に含まれる請求項25に記載の方法。
前記製造する方法は、少なくとも1つの前記流体移送装置により移送される流体を加熱又は冷却するように、温度調節装置を少なくとも1つの前記流体移送装置と流通可能に接続するステップを更に備える請求項25に記載の方法。
【発明の概要】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態によれば、冷熱調節ベッドは、使用者を支持するための第一の面及び第二の面を含む外面を有するクッション部材を備える。第一の面と第二の面は一般に反対方向を向き、クッション部材はその第一の面または第二の面に沿って少なくとも1つの陥凹エリアを有する。1つの実施形態において、ベッドはさらに、クッション部材を支持するように設計された上面、底面及び一般に上面と底面との間に配置される内部空間を有する支持構造(支持構造の上面及び底面は一般に反対方向を向く)、少なくとも部分的にクッション部材の陥凹エリア内部に配置される流通調整部材、クッション部材の第一の面に沿って配置される通気性トップ部材(topper member)、及び流体温度調節システムを含む。流体温度調節システムは空気移送装置、熱電装置及び一般に流体移送装置から熱電装置へ流体を移送するように設計された導管系統を含む。流体温度調節システムは、所定量の流体を受けて、これを流通調整部材及びトップ部材へ送るように設計される。
【0006】
1つの実施形態において、冷熱調節ベッドに使用するための温度制御部材は、その表面に沿って少なくとも1つの陥凹エリアを含む弾性クッション材料、少なくとも1つの多孔材料層(この層は少なくとも部分的にクッションの陥凹エリア内に嵌るように設計された)、及びクッション及び多孔材料層に隣接して配置されるトップ部材(トップ部材は、多孔材料層から使用者へ向かって吐き出される所定量の空気を受けるように設計される)を含む。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、ベッドは、第一の面及び第二の面を有する実質的に非通気性のマットレス(第一の面と第二の面は一般に相互に反対方向を向き、マットレスは第一の面から第二の面まで伸びる少なくとも1つの開口を含む)、マットレスの第一の面に沿って配置されかつマットレスの開口と流通可能に接続される流通調整部材、流通調整部材に隣接して配置される少なくとも1つのトップ層(流通調整部材は一般にマットレスと少なくとも1つのトップ層との間に配置される)、及びマットレスの開口及び流通調整部材と流通可能に連絡する流体移送装置及び熱電装置を備える。
【0008】
また、別の形態では、本発明は以下のように表される。
(0−15)
実質的に別個の複数のゾーンに分割されるクッション部材と、
前記クッション部材に隣接して配置される複数の流通調整部材と、
少なくとも1つの流体移送装置と、
各々が前記複数の流通調整部材のうちの1つと関連付けられる複数の熱電装置と、
を備え、
前記複数の流通調整部材及び前記複数の熱電装置が個々に制御されて、各ゾーンにおいて異なる温度調節効果を生じるように設計されたことを特徴とする、冷熱調節ベッド組立品。
(0−16)
冷熱調節ベッドに使用するための温度制御部材であって、
該温度制御部材が、
その表面に沿って少なくとも1つの陥凹エリアを含む弾性クッション材と、
少なくとも1つの多孔材料層であって、該層が少なくとも部分的に前記クッションの前記陥凹エリア内部に嵌るように設計された、多孔材料層と、
前記クッション及び前記多孔材料層に隣接して配置されるトップ部材であって、該トップ部材が前記多孔材料層から使用者に向かって吐き出される所定量の空気を受け入れるように設計された、トップ部材と、
を備える、温度制御部材。
(0−17)
第一の面及び第二の面を有するマットレスであって、前記第一の面と前記第二の面が一般的に相互に反対側にあり、前記マットレスが前記第一の面から前記第二の面まで伸びる少なくとも1つの開口を備える、マットレスと、
前記マットレスの前記第一の面に沿って配置され、前記マットレスの前記少なくとも1つの開口と流通可能に接続される流通調整部材と、
前記流通調整部材に隣接して配置される少なくとも1つのトップ層であって、前記流通調整部材が一般に前記マットレスと前記少なくとも1つのトップ層との間に配置される、トップ層と、
前記マットレスの前記少なくとも1つの開口及び前記流通調整部材と流通可能に接続される流体移送装置及び熱電装置と、
を備えるベッド。
(1−1)
使用者を受けるための上側及び該上側と一般に反対方向を向く下側を有する、クッション部材と、
前記クッション部材の下側に沿って配置され、少なくとも1つのチャネルを備える流体移送網と、
前記少なくとも1つのチャネルの少なくとも部分と流通可能に接続する流体移送装置を備える少なくとも1つの流体モジュールと、
前記クッション部材の内部を通過して延びる少なくとも1つの開口であり、該少なくとも1つの開口は、前記流体モジュールが作動しているときに前記少なくとも1つの流体モジュールから前記クッション部材の前記上側へ空気を移送するために、前記少なくとも1つの流体モジュールの出口と流通可能に接続する、少なくとも1つの開口と、
を備える冷熱調節ベッド。
(1−2)
前記冷熱調節ベッドは、前記流体モジュールが、前記クッション部材の下側に沿った又はクッション部材の内部の前記流体移送網内に、少なくとも部分的にはめ込まれる。
(1−3)
前記冷熱調節ベッドは、前記クッション部材が、前記クッション部材の下側に沿って位置しかつ前記クッション部材と分離したプラットフォームを備え、前記流体移送網は、ベッドへの取り付けおよび流体分配を容易にするため前記プラットフォーム内に含まれる。
(1−4)
前記冷熱調節ベッドは、前記プラットフォームの厚さが約50.8mm(2インチ)である。
(1−5)
前記冷熱調節ベッドは、前記流体モジュールが、前記流体移送装置により移送される流体を選択的に加熱又は冷却するための温度調節装置を備える。
(1−6)
前記冷熱調節ベッドは、前記温度調節装置が、熱電装置を備える。
(1−7)
前記冷熱調節ベッドは、前記温度調節装置が、ヒーターを備える。
(1−8)
前記冷熱調節ベッドは、前記加熱部材が、PTCヒーターまたは抵抗線ヒーターを含む。
(1−9)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つのチャネルが、取入れ口チャネル、廃棄流体チャネル又は分配チャネルの少なくとも1つを備える。
(1−10)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの流体モジュールが2つの流体モジュールを備え、前記クッション部材を通過する前記少なくとも1つの開口は2つの開口を備える。
(1−11)
前記冷熱調節ベッドは、エアチェンバベッド、調節式ベッド、インナースプリングベッド、スプリング無しベッド、形状記憶発泡体(memory foam)ベッド、完全発泡体(full foam)ベッド、又は病院用ベッドである。
(1−12)
冷熱調節ベッドのクッション部材を製造する方法であって、
流体移送網をクッション部材の下側に沿って又はクッション部材の内部に形成するステップであり、前記流体移送網は少なくとも1つのチャネルを備える、ステップと、
前記クッション部材の内部を通過して前記クッション部材の下側へ延びる少なくとも1つの開口を形成するステップと、
少なくとも1つの流体移送装置を前記流体移送網内にはめ込み、前記流体移送装置が前記クッション部材の上側から離れて配置されるステップと、
前記少なくとも1つの流体移送装置を前記流体移送網内に配置して、前記流体移送装置の出口が前記クッション部材の少なくとも1つの開口と流通可能に接続するステップと、
を備える方法。
(1−13)
前記製造する方法は、前記流体移送網を形成するステップが、成型ステップ、工作ステップ又は切削ステップの少なくとも1つを備える。
(1−14)
前記製造する方法は、前記クッション部材が、前記クッション部材の下側に沿って位置しかつ前記クッション部材と分離したプラットフォームを備え、前記流体移送網は、ベッドへの取り付けおよび流体分配を容易にするため前記プラットフォーム内に含まれる。
(1−15)
前記製造する方法は、少なくとも1つの前記流体移送装置により移送される流体を加熱又は冷却するように、温度調節装置を少なくとも1つの前記流体移送装置と流通可能に接続するステップを更に備える。
(2−1)
使用者を支持するための上側及び該上側と一般に反対方向を向く下側を有するマットレスと、
前記マットレスの上側に沿って配置される少なくとも1つの流通調整部材であり、該少なくとも1つの流通調整部材は、前記流通調整部材内へ送給される空気を一般に分配しマットレス上へ着座している使用者に向けて移送する、少なくとも1つの流通調整部材と、
前記マットレスの内部を通過する少なくとも1つの開口であり、該少なくとも1つの開口は前記マットレスの下側へ延び、前記少なくとも1つの開口は前記少なくとも1つの流通調整部材と流通可能に接続する、少なくとも1つの開口と、
少なくとも1つの送風機であり、前記少なくとも1つの開口と流通可能に接続して、前記送風機からの空気が前記開口を通過して前記流通調整部材内へ流入する、少なくとも1つの送風機と、
を備える冷熱調節ベッド。
(2−2)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの送風機により移送される空気を選択的に加熱又は冷却するための少なくとも1つの温度調節装置を備える。
(2−3)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの温度調節装置が、熱電装置を備える。
(2−4)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの温度調節装置が、加熱装置を備える。
(2−5)
前記冷熱調節ベッドは、前記加熱装置が、PTCヒーターまたは抵抗線ヒーターを含む。
(2−6)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの流通調整部材が通気性発泡体その他の多孔材料を含む。
(2−7)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの流通調整部材がスペーサ材料を含む。
(2−8)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの流通調整部材が、前記マットレスの上側に沿う陥凹部内に配置される。
(2−9)
前記冷熱調節ベッドは、前記少なくとも1つの流通調整部材が、前記マットレスの縁部まで延びる。
(2−10)
前記冷熱調節ベッドは、前記マットレスが、発泡マットレスまたはスプリングマットレスである。
(2−11)
前記冷熱調節ベッドは、前記マットレスの上側に沿うヒーターパッドを備える。
(2−12)
冷熱調節ベッド組立品の使用者へ空気を供給する方法であって、
マットレスと流通可能に接続する少なくとも1つの送風機を駆動し、前記マットレスへ空気を送るステップであり、前記マットレスは使用者を支持するための上側及び該上側と一般に反対方向を向く下側を有し、前記マットレスは前記マットレスの内部を通過して延びる少なくとも1つの開口を備え、該少なくとも1つの開口は前記マットレスの下側へ延びる、ステップと、
前記少なくとも1つの送風機により送出された空気を、前記少なくとも1つの開口内へ送る、ステップと、
前記マットレスの上側に沿って配置される少なくとも1つの流通調整部材を通過して、前記少なくとも1つの開口から送出される流体を分配するステップであり、前記少なくとも1つの流通調整部材は、前記流通調整部材内へ送給される空気をマットレス上へ着座している使用者に向けて移送する、ステップと、
を備える方法。
(2−13)
前記空気を供給する方法は、温度調節装置を前記少なくとも1つの送風機に流通可能に接続して、前記少なくとも1つの送風機により送給された空気を冷却または加熱するステップを更に備える。
(2−14)
前記空気を供給する方法は、前記温度調節装置が熱電装置を備える。
(2−15)
前記空気を供給する方法は、前記温度調節装置が加熱装置を備える。
本発明の以上の及びその他の特徴、形態及び利点について好ましい実施形態の図面を参照して説明する。図面は本発明を例示することを意図するものであって、これを限定するためのものではない。図面は26の図を含む。添付図面は本発明の概念を例示するためのものであり、比例的に縮小されない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願において開示される実施形態の様々な特徴及び形態は、特に冷熱調節ベッド及びエアチェンバベッド、調節式ベッド、インナースプリングベッド、スプリング無しベッド、形状記憶発泡体(memory foam)ベッド、完全発泡体(full foam)ベッド、病院用ベッド、布団、ソファ、リクライニングチェアなどの装置に特に有益である。ただし、このような特徴及び形態を他のタイプの冷熱調節シート組立品例えば乗用車またはその他の乗り物のシート、事務所用椅子、ソファ及び(または)これに類するものなどに応用することができる。
【0011】
図1の略図を参照すると、ベッド10は冷熱調節システムを含むことができる。図示される実施形態において、ベッド10は下部20及び下部の上に位置する上部60を含む。いくつかの実施形態において、下部20は、フレーム22、スプリングボックス、及び(または)マットレス、クッション及び(または)上部60の他の部分を支持するように設計されたその他の部材を備える。好ましくは、下部20及び上部60は相互にしっかりと隣接して配置されるようなサイズ、形状及びその他の構造を持つ。他の実施形態において、下部20と上部60は一体部材から成る。
【0012】
下部20は、サイドレール、トップレール及び(または)一緒に実質的に中空の内部空間21を形成できるようにするその他の構造的または非構造的構成要素を含むことができる。1つまたはそれ以上の剛性または半剛性材料例えばプラスチック(例えば、ブロー成型、押出し成型、熱成形プラスチックなど)、金属(例えば、鋼、鉄など)、木材、ファイバーグラス、その他の合成物質及びこれに類するものなどから下部20の構成要素の一部または全てを製造することができる。
【0013】
図1に示されるように、フレーム22または下部20のその他の構成成分の内部空間21は流体移送装置40(例えば、送風機、ファンなど)、熱電装置50(例えばペルティエ装置)、液圧式に各種の構成要素及び(または)これに類するものを接続するように設計された導管44、46、48を含むことができる。さらに、フレーム22は、空気またはその他の流体が内部空間21へ出入りするための1つまたはそれ以上の入口24及び出口28を含むことが好ましい。このようにして、本出願においてより詳細に説明するように、空気またはその他の流体は1つまたはそれ以上の入口24から下部20の内部空間21へ進入し、流体移送装置40によって送られて温度調節のために熱電装置50を通過し、上部60へ向かって導かれる。
【0014】
いくつかの実施形態において、ベッド10は1つまたはそれ以上のもっと大きい開口を含み、これを介して空気またはその他の流体が内部空間21へ進入する。例えば、下部20はベッド10の底部またはその他のエリアに沿って伸びる開口を含むことができる。この種の開口は、要望または要求に応じて、ベッドの底部表面全体を含むか、またはその一部のみを含むことができる。いくつかの実施形態において、1つまたはそれ以上の通気性織物またはその他の層によってこの開口を被覆することができる。例えば、ベッドの底部開口を1つまたはそれ以上の目の粗い織物層で被覆することができる。
【0015】
さらに、空気が熱電装置40によって空気調整される場合、所定量の廃棄空気が下流に生じて、これを内部空間21から取り除く必要が生じる場合がある。いくつかの実施形態においては、廃棄ライン導管48を用いて廃棄空気またはその他の流体を出口28へ送ることができる。特定の用途の要望または要求に応じて、入口24及び出口28の数量、位置、間隔、サイズ、形状、型式、構造及び(または)その他の特徴を修正することができる。例えば、いくつかの実施形態において、入口24及び(または)出口28は、
図1に示されるようにフレーム22の垂直面に沿って配置される通気口を含む。
【0016】
引き続き
図1を参照すると、上部60は、マットレスなどクッション部材64、枕及び(または)これに類するものを含むことができる。いくつかの実施形態において、クッション部材64は、発泡体及び(または)力を受けると少なくとも部分的に変形可能な1つまたはそれ以上のその他の材料を含む。弾性材料(例えば、発泡体)を使用する代わりにあるいはこれに加えて、複数のスプリングまたはその他の弾性部材を用いて、所望のレベルの弾性を上部60に与えることができる。または、これより小さい弾性を与えるまたはまったく弾性を与えない剛性または半剛性部材をクッション部材64の代わりに使用することができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、クッション部材64はその上面に沿って陥凹エリア66を含む。
図1において、陥凹エリア66はクッション部材64の中央付近に位置し、クッション部材64の縁にまでは広がらない。ただし、特定の用途の要望及び要求に応じて陥凹エリア66のサイズ、寸法、形状、位置及びその他の細部を変えることができる。さらに、クッション部材64またはこれと同等の構造はその上面に沿って2つまたはそれ以上の陥凹エリア66を含むことができる。
【0018】
図1に示されるように、ベッド10は、流体移送装置40からクッション部材64の陥凹エリア66へ空気またはその他の流体を送れるようにする流体導管46を含むことができる。陥凹エリア66へ送られる空気またはその他の流体を選択的に温度調節(例えば、冷却、加熱)することができる。下部20と上部60(例えば、クッション部材64)との間の相対的動き(例えば、垂直シフト)に対処するために、流体導管46は
図1に示されるようにベローズまたはその他の変形可能部材を含むことができる。このようにして、流体導管46は、これが配置されるクッション部材64が形状及び位置を変えるとき動くこと(例えば、圧縮、伸長、回転、捩れなど)ができる。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、1つまたはそれ以上の流通調整部材70または流体分配部材を受け入れるようにクッション部材64または冷熱調節ベッド10のその他の構成要素の陥凹エリア66を設計することができる。流通調整部材及び流通分配部材と言う技術用語は、本出願において交換可能に使用でき、流体の流通パターン、方向または分配を変化させることができる装置、構成要素、アイテム及びシステムを含むことができる広義の用語である。
図1に示されるように、特定の陥凹エリア66内部にぴったりと嵌るように1つの流通調整部材70のサイズ及び形状を定めることができる。ただし、他の配列においては、1つの陥凹エリア66内部に2つまたはそれ以上の流通調整部材70を配置することができる。
図1において、クッション部材64及びその中に配置される流通調整部材70は実質的に平滑な上面を形成する。または、クッション部材64と流通調整部材70の組み合わせの上面が平滑または平らにならないように、流通調整部材70の厚み、その他の寸法及び(または)その他の特徴を選択することができる。例えば、いくつかの実施形態において、流通調整部材70の厚みを陥凹エリア66の深さより大きくまたは小さくすることができる。さらに、流通調整部材70の幅、長さ、形状及び(または)その他の寸法を対応する陥凹エリア66の寸法と異なるものにすることができる。
【0020】
いくつかの実施形態においては、
図1A及び2Bに例として示されるように、クッション部材64は陥凹エリア66を含まない。このように、陥凹エリア66またはこれに類するものを必要とせずまたはこれを使用せずに、1つまたはそれ以上の流通調整部材70をクッション部材64の上面に配置することができる。このような実施形態においては、1つまたはそれ以上の流通調整部材70、隣接するクッション部材64及び(または)ベッド10のその他の部分は、ベッドのこれらの構成要素が相互に対して望ましくない動きをしないようにするために、ガイド、整列部材、締結具、接着剤及び(または)その他のものを含むことができる。
【0021】
流通調整部材70は、1つまたはそれ以上の入口から所定量の空気またはその他の流体を受け入れて、これを使用者にもっとも近い面へ向かって空気またはその他の流体をより均等に分配するように設計された多孔構造を含むことができる。このように、流通調整部材70を用いて、空気が使用者に接近するとき上面に沿って空気(または他の流体)の流れを有利に拡散させることができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、流通調整部材70は多孔構造(例えば、蜂の巣構造、メッシュ構造など)を有する1つまたはそれ以上の弾性、剛性及び(または)半剛性材料を含む。一般に込み入った内部構造を用いてこの種の部材を形成することができる。例えば、流通調整部材70として多孔発泡体を使用することができる。ただし、発泡体の代わりにまたはこれに加えて陥凹エリア66の空隙を埋めるためにもっと軟らかいまたは硬い材料を使用できることが分かるだろう。例えば、半剛性または剛性熱可塑材、ファイバーグラス及び(または)その他の任意の天然または合成材料を使用できる。
【0023】
流通調整部材70はクッション部材60の陥凹エリア66内部に配置できる単一の部材または挿入品(例えば、挿入品、スペーサファブリックまたはその他の構成要素、多孔発泡体部材、バッグまたはサックなど)を含むことができる。または、流通調整部材70は、相互に取り付けることができるまたはできない(例えば、シェル、バッグまたはこれに類するものの内部に配置される多孔材料)2つまたはそれ以上の異なる構成要素(例えば層)を含むことができる。1つの実施形態において、流通調整部材70は、クッション部材64の対応する表面とよりよく係合するように、その上面に沿って外側フランジまたはその他の突出部材を含む。流通調整部材70(例えば通気性挿入品)の周りに部分的にまたは全面的にフランジ(図示せず)を配置することができる。流通調整部材70とクッション部材60を、相互に取り付けできるまたはできない別個の部材とすることができる。または、流通調整部材70及びこれが中に配置される構成要素(例えば、クッション部材60)は一体構造を形成することができる。
【0024】
スペーサファブリック( spacer fabrics )またはその他の多孔構造を他の流通調整装置またはシステムの内部に配置することができる。例えば、スペーサファブリック、多孔発泡体、バッグまたは部分バッグ(例えば完全にまたは部分的にバッグまたは同様の装置内部にあるもの)、囲繞物または部分囲繞物及び(または)これに類するものを流体分配バッグまたはその他の同様の囲繞物内部に配置することができる。所望の最低空気速度を維持しながら分配範囲を改良するように、この種のバッグ/織物の組み合わせのサイズ、形状及びその他の特徴を設計することができる。好ましくは、流体移送装置(例えば、送風機、ポンプなど)の数量、サイズ及びその他の特性は、特定のベッドに含まれる流通調整部材の面積に基づいて選択される。いくつかのエリアにおいて流体が移動できるようにし、他のエリア(例えば、使用者から離れた底面、側面など)においてはこれが移動できないように、この種のバッグを設計することができる。
【0025】
上述のように、流通調整部材70を流体移送装置40及びその間に配置される流体導管44、46と流通可能に接続することができる。さらに、流体移送装置40によって送られる空気またはその他の流体の温度調節が望ましい場合、空気またはその他の流体は、
図1の略図に示されるように熱電装置50を通過することができる。図示される実施形態において、流体移送装置40及び熱電装置50は下部20の内部空間21内部に配置される。しかし、別の実施形態において、冷熱調節システムのこれらの構成要素及び(または)サブコンポーネントのうち1つまたはそれ以上を別の場所(例えば、内部空間21の外、別のコンパートメントの内部など)に配置することができる。例えば、ベッド10が複数の脚を含む配列体の場合、流体移送装置40、流体導管、熱電装置50及び(または)その他のものをベッド10の下部20の下方に固定することができる。また、ベッドがフルフォームまたはラテックスマットレスを含む場合、送風機及び(または)熱電装置をマットレスの一部または表面に埋め込むことができる。
【0026】
本出願において説明され(または)図示される実施形態は、装置を流れる流体を温度調節する(例えば、選択的に加熱あるいは冷却する)ために熱電装置を使用することができる。好ましい熱電装置はペルティエ熱電モジュールである。このモジュールは当業界において周知である。この種の装置は、一般に、装置を通過して分配システムへ流れる流体から熱エネルギーを伝えるまたは取り除くために主熱交換器を含む。一般に、この種の装置は二次(または廃)熱交換器を含む。二次熱交換器は熱電装置から一般に主熱交換器の反対側に伸びる。温度調節のために、単一の流体移送装置40を用いて、主熱交換器及び(または)廃熱交換器に、これを通過してまたはその付近に流体を導くことができる。別の実施形態において、空気またはその他の流体を熱交換器に対して相対的に動かすために2つまたはそれ以上の流体移送装置を使用することができる。例えば、空気が主熱交換器を通過するように1つの流体移送装置を設計し、空気が廃熱交換器を通過するように第二の流体移送装置を設計することができる。
【0027】
図1において、空気またはその他の流体は熱電装置50の主熱交換器を通過して上部60の流通調整部材70へ向かって送られる。別の実施形態において、温度調節のために熱電装置の代わりにまたはこれに加えて加熱装置(例えば、ヒーターマットまたはパッド、その他のタイプの加熱装置など)または冷却装置を通過するように空気またはその他の流体を送ることができる。例えば、ベッド10は別個の加熱部材及び1つまたはそれ以上の熱電装置50の両方を備えることができる。いくつかの実施形態において、加熱部材は、ヒーターマットまたはパッド、PCTヒーター、抵抗線ヒーター及び(または)これに類するものを含む。さらに、流体は熱電装置50の廃熱交換器を通過して1つまたはそれ以上の出口28へ向かって移動する。従って、ベッド10は、内部空間21または流体移送装置40及び熱電装置50及び(または)その他の温度調節装置(例えば、ヒーター)が配置されるその他のエリアから空気またはその他の流体を出入りさせるために適する入口容量及び出口容量を持たなければならない。従って、下部20は特定の状況の要望または要求に応じて複数の入口24及び出口28を含むことができる。
【0028】
本出願において論じられるように、単一の冷熱調節ベッド10は、流体移送装置、熱電装置、導管及び(または)その他の構成要素の1つ、2つまたはそれ以上のセットを含むことができる。従って、下部20の内部空間21及び上記の構成要素が配置されるその他のエリアのサイズをこれに応じて定めなければならない。
【0029】
いくつかの実施形態において、流体移送装置40(例えば、ファン、送風機など)及び下流の熱電装置50を統合設計例えば統合モジュールの一部として含めることができる。従って、流体移送装置40から熱電装置50へ空気またはその他の流体を送るための別個の導管44を配置する必要を無くすことができる。
【0030】
引き続き
図1を参照すると、ベッド10は、一般にクッション部材64及び流通調整部材70の上に配置される1つまたはそれ以上のトップ部材80を含むことができる。いくつかの実施形態において、トップ部材80は、流通調整部材70の上面から出てくる空気またはその他の流体がトップ部材80を介して使用者へ向かって流れるように、通気性材料を含むことが好ましい。例えば、トップ部材80は通気性発泡体、スクリムまたはこれに類するものの1つまたはそれ以上の層を含むことができる。または、トップ部材80はもっと通気性の低いまたは実質的に非通気性の材料を含むことができる。このような配列においては、トップ部材80は、空気またはその他の流体が流通調整部材70の上面からベッド10の使用者へ向かって移動できるようにする複数の孔またはその他の開口を含むことができる。
【0031】
引き続き
図1を参照すると、いくつかの実施形態において、流通調整部材70及びトップ部材80は単一部材を形成することができる。さらに別の実施形態において、流通調整部材70及びトップ部材80を、相互に取り付けまたはその他の方法で相互にしっかりと接合される別個のアイテムとすることができる。流通調整部材70及びトップ部材80が別個のアイテムである場合、これらを取外し可能に相互に取り付けるように設計することができる。
【0032】
さらに、本出願において説明され図示される冷熱調節ベッド組立品の各種の構成要素の上、下またはその間に1つまたはそれ以上の層または部材を追加できることが分かるだろう。このような層または部材を用いて、付加的な快適さ(例えば、クッション作用)、疲労回復及び(または)その他の利点を使用者に与えることができる。例えば、クッション部材64とトップ部材80との間に付加的な快適層または構成要素を含めることができる。さらに、火災及び(または)その他の災害または自然力に対する抵抗を与えるようにこの種のトップ層または部材を設計することができる。
【0033】
さらに、ベッドは、熱を供給し冷却の快適さのために空気が流通できるようにするために加熱装置(例えば、抵抗線ヒーター、ヒーターパッドなど)を備えることもできる。さらに、下部20と上部(例えばクッション部材64)との間に滑り止め摩擦層を配置して、2つの部分の間に望ましくない動きが生じないようにすることができる。
【0034】
ベッド10の1つまたはそれ以上の構成要素例えばトップ部材80及びクッション部材64などは、被覆材(図示せず)を含むことができる。被覆材を用いて、ベッドの各種の部材及び構成要素を有利に1つにまとめることができる。いくつかの実施形態によれば、被覆材は、一般に通気性であり、天然または合成織物及び(または)これに類するものを含む。
【0035】
使用中、1つの実施形態によれば、周囲空気は1つまたはそれ以上の入口24を介してベッドの下部20の内部空間21に進入する。上述のように、ベッドは、空気またはその他の流体が流体移送装置40に接近できるようにするために1つまたはそれ以上の比較的大きい開口を含むことができる。例えば、下部20はベッドの底面またはその他のエリアに沿って広がる開口を含むことができる。この種の開口は、要望または要求に応じて、ベッドの底面全体を含むかその一部を含むことができる。いくつかの実施形態において、この種の開口を1つまたはそれ以上の通気性織物またはその他の層によって被覆することができる。例えば、ベッドの底部開口を目の粗い織物の1つまたはそれ以上の層によって被覆することができる。
【0036】
その後空気は1つまたはそれ以上の流体移送装置40の取入れ口の中へ引き込まれ、管類またはその他の導管44を用いて熱電装置50を通過して運ばれる。熱電装置50の主熱交換器を通過して流れる空気の量は、ベッド10の上部60のクッション部材64へ導かれる前に選択的に冷却及び(または)加熱される。この温度調節された空気は次に1つまたはそれ以上の流通調整部材70へ進入し、ここで、ベッド10の上面へ向かって空気を再分配することができる。または、流通調整部材70または同様の構成要素へ送る前に空気またはその他の流体を温度調節する必要はない。例えば、エネルギーを与えられない(例えば、冷却または加熱するように設計されない)熱電装置を介して、これを通過してまたはこの付近へ空気またはその他の流体を送ることができる。別の実施形態において、流体移送装置は熱電装置またはその他の冷却/加熱装置を介して流体を流す必要が全くない。
【0037】
従って、いくつかの実施形態において、温度調節が要望または要求されるか否かに応じて熱電装置50をオンまたはオフに切り替えることができる。さらに、熱電装置50またはその他の温度調節装置を通過する流体に対する温度調節の量を変化させることができる。言い換えると、熱電装置に加える電圧または電流を変化させることによって空気またはその他の流体を温度調節する程度を有利に制御することができる。このように、熱電装置50及び(または)その他の要素に加えられる電流に基づいて異なる量の加熱及び(または)冷却を与えるように熱電装置50を設計することができる。さらに、熱電装置の熱交換器における冷却または加熱の程度を調節することに加えてまたはその代わりに、流体移送装置40の速度を変化させて、流通調整部材70へ送る流体の量を制御することができる。
【0038】
別の実施形態において、温度及び(または)流体の流量を制御するための1つまたはそれ以上の方法を使用することができる。例えば、流体分配システム内部において流体移送装置40と流通調整部材70との間で1つまたはそれ以上の弁またはその他の流量または圧力調節装置を使用することができる。別の実施形態において、ベッド組立品にある流量及び温度の流体を供給するために空気移送装置の背圧を有利に調節することができる。いくつかの配列において、少なくとも部分的に弁またはその他の流量または圧力調節装置を使用することによってこれを可能にすることができる。さらに別の実施形態において、所望の温度調節効果を得るためにスペーサファブリック、流通調整部材及びまたは冷熱調節ベッドのその他の構成要素のタイプを修正することができる。
【0039】
次に、1つまたはそれ以上の通気性トップ部材89を通過させることによって、空気をベッド10上の使用者へ向かって流すことができる。さらに、熱電装置50へ向かって流れる周囲空気の所定量が廃熱交換器へ導かれる。廃熱交換器において、空気は温度調節を受ける(例えば、空気が冷却される場合、空気は主熱交換器を通過し、廃熱交換器を通過するとき空気は加熱される。またはその逆が生じる)。この廃棄空気はその後下部20の内部空間21から1つまたはそれ以上の出口28を介して送り出される。または、熱電装置50から出口28へ空気を運ぶために導管を用いずに下部20の内部空間21へ廃棄空気を排出することができる。
【0040】
上述のように、クッション部材64は陥凹エリアを含む必要はない。例えば、
図1Aに示される実施形態のベッド10’において、流通調整部材70’は陥凹部またはその他の同様の形体内部ではなくクッション部材64の上面に配置される。このような配列において、要望または要求に応じて下に配置されるクッション部材の一部、ほとんどまたは全部を被覆するように流通調整部材70’のサイズ、形状及びその他を設計することができる。
【0041】
図2は
図1に示されるのと同様の冷熱調節ベッド10Aの1つの実施形態を示している。2つの実施形体の相違の一部を本出願において明らかにする。
【0042】
上述のように、冷熱調節ベッド10Aは1つまたはそれ以上の流体移送装置40A、40B、40C、熱電装置50A、50B、50C及びその他の関連構成要素を含むことができる。例えば、
図2に示されるベッド10Aは2つの流通調整部材70A、70Bを備える。図示されるように、単一の流体移送装置40A及び単一の熱電装置50Aによって流通調整部材70Aのうちの1つに温度調節された空気またはその他の流体が供給される。これに対して、第二の流通調整部材70Bは流体移送装置40B、40C及び熱電装置50B、50Cの2つの異なるセットから温度調節された空気またはその他の流体を受け取る。
【0043】
引き続き
図2を参照すると、流体移送装置40B、40Cからそれぞれの熱電装置50B、50Cを介して流通調整部材70Bの両側面に空気またはその他の流体を送ることができる。図示される配列において、空気は一般に流通調整部材70Bの両側面から流通調整部材70Bへ進入する。これに従って流体ライン46B、46Cのルートを定めることができる。また、流体ライン46Aは底面及び(または)その他の場所から流通調整部材70Aへ進入ことができる。要望または要求に応じて液圧接続及びその細部(例えば、導管タイプ及びサイズ、方向付け、ルート定め、それぞれの流通調整部材への進入点など)を使用者好みに改変することができる。他の実施形態に関して本出願で論じられるように、流体ライン46A、46B、46Cはベローズ47A、47B、47C、伸縮継手及び(または)ベッド10Aの下部20Aと上部60Aとの間の相対的動きを可能にするその他の可動機構を有利に備えることができる。
【0044】
図2に示されるように、特定の冷熱調節ベッド組立品10Bが含む廃熱導管の複雑さ及び(または)出口28の数を減少するように、各種の廃熱交換器を通過して導かれる空気またはその他の流体を有利に結合することができる。例えば、
図2において、3つの熱電装置50A、50B、50Cの全てからの廃棄流体の流れは主廃棄流体導管48Aにおいて収集されて、単一の出口28へ向かって導かれる。ただし、別の実施形態において、下部20の内部空間21から廃棄流体を収集してこれを取り除くために様々な液圧配列体を使用できることが分かるだろう。さらに、下部20は本出願において図示され開示されるようにさらに多くの入口24及び(または)出口28を備えることができる。
【0045】
図2に示される実施形態において、ベッド10Aは、トップ層80の上に配置されるトップ層82を含む。上述のように、特定の冷熱調節ベッド組立品において、もっと多いまたは少ない数のトップ層80、82、クッション部材64A、快適層及び(または)これに類するものを含むことができる。いくつかの実施形態において、一般的に側方に空気を分配するように下の方のトップ層80を設計し、垂直方向に(例えば使用者に向かって)空気を分配するように上の方のトップ層82を設計することができる。ただし、特定のベッド組立品においてもっと多くのまたは少ないトップ層を含めることができることが分かるだろう。さらに、本出願において論じられる以外の形態で空気を分配またはその他の方法で流通調整するようにトップ層を設計することができる。例えば、垂直及び側方の両方に空気を分配するようにトップ層の1つまたはそれ以上を設計することができる。
【0046】
図2Aに示されるように、単一の流体移送装置40D(例えば、ファン、送風機など)を用いて2つまたはそれ以上の流通調整部材70D、70Eへ空気またはその他の流体を送ることができる。図示される実施形態において、流体移送装置40Dは流通調整部材70D、70Eの上流に配置される熱電装置50D、50Eまたはその他の温度調節装置(例えば、ヒーター、その他のタイプの冷却器など)を介して、これを通過してまたはその付近に空気またはその他の流体を送るように設計される。図示される配列において、同じ流体移送装置40Dは熱電装置50D、50Eからそれぞれの出口28へ廃棄空気を送るためのサイズに定められ、かつこのように廃棄空気を送るように適合される。付加的な流体移送装置を用いて更なる空気またはその他の流体を流通調整部材70D、70E及び(または)出口28へ送ることができることが分かるだろう。
【0047】
図2Bにおいては、単一の流体移送装置40Fを用いて流通調整部材70Fの様々な部分へ空気またはその他の流体を送る。本出願において説明され図示される他の実施形態と同様、流通調整部材70Fへ送る前に、熱電装置50F、50G及び(または)その他の冷却または加熱装置を用いて空気またはその他の流体を温度調節(例えば、冷却、加熱)することができる。空気またはその他の流体は流通調整部材70Fの底部の様々な部分から進入するように図示されているが、この実施形態及び本出願において開示されるその他の実施形態において、他のどの場所(例えば、側面、上面など)から空気またはその他の空気を流通調整部材70Fへ供給できることが分かるだろう。さらに、各熱電装置50F、50Gからの廃棄空気は自身の出口28へ運ばれる。他の配列においては、廃棄空気の流れを結合して共通の出口ヘッダへ送ることができる。または、本出願において論じられるように、ベッド10Fは独自の出口を用いることによって、出口へ排出空気またはその他の流体を運ぶために導管を用いる必要はない。
【0048】
別の実施形態において、本出願において
図15に関連して論じるように、ベッド構造を用いて所望の場所への廃棄流体及び(または)調整済み流体を導きやすくすることができる。例えば、ダクトまたはその他のチャネルを用いてまたは用いずに所望の場所へ流体を導くようにクッション部材、ベッドの下部及び(または)その他の構成要素の形状またはその他の構造を定めることができる。
【0049】
図2Cを参照すると、冷熱調節ベッド10Hは熱電装置50Hの主熱交換器51及び廃熱交換器52へ空気またはその他の流体を送るために別個の流体移送装置40H、40Jを含むことができる。従って、
図2Cに示されるように、1つの流体移送装置40Jは温度調節された空気を流通調整部材70へ送るのに対して、第二の流体移送装置40Hは廃熱交換器52を介して出口へ空気を送る。流体移送装置、熱電装置、流通調整部材及び(または)その他の構成要素を用いる冷熱調節ベッドの特定の実施形態しか本出願において開示・図示されていないが、特定の用途の要望または要求に応じてこれらの形態の他の変形を使用できることが分かるだろう。
【0050】
図3は冷熱調節ベッド10の少なくとも一部の上面図である。図を明白にするためにトップ部材80のほとんどが取り除かれている。図示されるように、流通調整部材70は一般にクッション部材64またはこれに類するものの陥凹エリア内部に配置される。または、上述のように、クッション部材64の表面が陥凹またはその他の特殊な形状または形体を含むか否かに関係なく、流通調整部材70をクッション部材64の任意の表面に沿って配置することができる。例えば、流通調整部材70をクッション部材64の実質的に平滑な上面に沿って単に配置することができる。さらに、上述のように、流通調整部材70を流体移送装置及び(または)熱電装置と流通可能に接続することができる。図示される実施形態において、流体の流れは単一の吸気導管46を用いて流通調整部材70へ供給される。
【0051】
図4は2組の吸気導管46A、46B及び熱電装置50A、50Bと流通可能に接続される流通調整部材70の断面図である。このようにして、一方のまたは両方の導管46A、46Bを介して流通調整装置70の内部76へ温度調節された空気(及び(または)周囲空気)を送ることができる。上述のように、他の実施形態においては、もっと多いまたは少ない導管が特定の流通調整部材70へ空気を供給することができる。図示されるように、流通調整部材70は外側ハウジング72を含む。外側ハウジング72は一般に空気またはその他の流体に対して不透過性の1つまたはそれ以上の剛性、半剛性及び(または)可撓性の材料を含むことができる。このようにして、内部76に進入する空気を調整し(例えば、流通調整部材70内部においてほぼ均等に分配し)、部材70の上面近くに配置される開口78から空気が出て行けるようにすることができる。従って、空気をベッドの使用者に有利に向けることができる。
【0052】
引き続き
図4を参照すると、吸気導管46A、46Bは外側ハウジング72の両側面から部材70の内部76に接続される。導管46A、46Bは図示されるようにそれぞれの熱電装置50A、50Bの下流に配置され、ベローズ47A、47Bまたは冷熱調節ベッドの様々な区間または構成要素(例えば上部と下部)間の相対的動きに対処するように設計されたその他の可動装置を備える。
【0053】
図5及び6は、別個のゾーンまたは区画を有する冷熱調節ベッドの2つの異なる実施形態を示す。このような構造はベッドの特定部分に対して強化された冷却及び(または)加熱制御を与えることができる。従って、使用者は自身の好みに合わせて温度調節効果を改変することができる。例えば、使用者は特定のゾーンまたは区画の冷却または加熱の程度を増減することができる。さらに、このような実施形態は、1つのベッドの各使用者が冷却及び(または)加熱の所望のレベルを選択できるようにする。
【0054】
図5において、図示されるベッド110は異なる6つの冷却及び(または)加熱ゾーン112A〜Fを含む。図を明白にするために、トップ部材180のほとんどが取り除かれて、下の流通調整部材170A〜Fを明らかにしている。各ゾーン112A〜Fは自身の流量調整部材170A〜Fを含む。上述のように、1つまたはそれ以上の流体移送装置(図示せず)から調整済み(例えば、加熱及び(または)冷却された)または未調整の(例えば、周囲)空気またはその他の流体を受け入れるように各流通調整部材170A〜Fを設計することができる。いくつかの実施形態において、空気またはその他の流体を選択的に温度調節するために、流体移送装置によって送られる空気またはその他の流体を1つまたはそれ以上の熱電装置を介して、これを通過してまたはその付近へ導くことができる。
【0055】
引き続き
図5を参照すると、各ゾーン112A〜Fにおいて使用される流通調整部材170A〜Fのサイズ及び形状は実質的に同一である。しかし、特定のバッド内部に使用される流通調整部材170A〜Fの形状、サイズ、空気分配効果及び(または)特徴を特定の用途の要望または要求に応じて変えることができる。
図5において、流通調整部材170A〜Fは、一般にベッドの使用者が最も位置しそうなところに配置される。このようにして、ベッドのサイズ、ベッドを使用する使用者の人数などに応じて、流通調整部材170A〜Fの数、形状、サイズ、間隔、設置位置及びその他の特徴を変えることができる。
【0056】
図6に示される冷熱調節ベッド210の実施形態は冷却及び(または)加熱ゾーン212A〜Dを4つだけ含む。図示されるように、各ゾーンは流通調整部材270A〜Dを備える。ただし、
図5を参照して説明される流通調整部材170A〜Fと異なり、これらの流通調整部材270A〜Dはゾーンによって異なる。例えば、ベッドの一端のゾーン212A、212Bに配置される流通調整部材270A、270Bは、他の2つのゾーン212C、212Dの流通調整部材270C、270Dより大きい表面積を有する。上述のように、選択されたゾーン(例えば、212A及び212B)により大きい量の調整済み流体が望まれる場合にこのような構造を使用することができる。付加的な流体移送装置及び(または)熱電装置を配置することによって付加的な流量及び(または)よりよい温度調節能力を備える流通調整部材270A、270Bを供給することができる。
【0057】
図7及び8は1つの実施形態によるベッド310の冷熱調節システムの各種構成要素を示している。例えば、
図7の上面図はベッド組立品310の下部のフレーム322を示している。図示されるように、フレーム322は、付加的な強度及び安定性を与えるために1つまたはそれ以上の内部ストラットまたは構造要素323を含むことができる。従って、流体移送装置340A〜F、熱電装置350A〜F、関連する制御装置またはモジュール316A〜C及び電源、制御及びその他の電気接続及び(または)その他の構成要素またはアイテムを下部の内部空間321またはその他の場所(例えば、フレーム部材、ボックススプリングなど)に収容しなければならない。
【0058】
引き続き
図7の上面図及びこれに対応する
図8の斜視図を参照すると、フレーム構造322の内部空間321の選択されたエリア内部において冷熱調節システムの構成要素を結合することが好ましい場合がある。例えば、図示される実施形態において、4つの流体移送装置(例えば、送風機、ファンなど)340C〜Fは、対応する下流の熱電装置350C〜Fの位置に関係なく、内部空間321の仕切られた単一の領域内部に配置される。従って、液圧導管、電線及びその他のコネクタは内部空間323の様々な仕切り領域を横切る必要はないかも知れない。いくつかの実施形態において、ストラット及びその他の仕切り部材は開口、溝、ノッチまたはその他の通路を含むことをできる。これを介して液圧、電気及び(または)その他のタイプの接続体を導くことができる。さらに、冷熱調節の機能及び作動を調整するために使用される1つまたはそれ以上の制御装置316A〜Cをフレーム構造322内部に含めることができる。
【0059】
さらに、
図7に示され本出願において説明されるフレーム構造322は周囲空気が通過する1つまたはそれ以上の吸気口324を含むことが好ましい。上述のように、温度調節(例えば、選択的な加熱及び(または)冷却)のために流体移送装置340A〜Fは対応する熱電装置350A〜Fを通過して周囲空気を送ることができる。冷熱調節ベッドのフレーム構造はもっと多いまたは少ない内部仕切り、流体移送装置、熱電装置、制御ユニット、電気接続及び(または)これに類するものを含むことができることが分かるだろう。
【0060】
図9Aは冷熱調節ベッド10のフレーム構造22のさらに別の実施形態を示している。図示されるフレーム構造22は4枚のトップパネル22A〜Dまたは一般に構造22の内部部分を取り囲むように設計されたその他の部材を含む。関係する特定の状況(例えば、ベッドのサイズ、構造の材料など)に応じてもっと多くのまたは少ないトップパネルを使用することができることが分かるだろう。本出願において開示されるその他の実施形態に関して論じられるように、1つまたはそれ以上の流体移送装置、熱電装置及び(または)ベッドの冷熱調節装置のその他の構成要素を収容し、それによってこれらを隠すようにフレーム構造22の内部空間を設計することができる。従って、図示される実施形態においてトップパネル22A〜Dは1つまたはそれ以上の開口13を備えることができる。開口は所望の場所に沿って配置され、フレーム構造の内部空間から流通調整部材及び(または)フレーム構造22の上面に配置されるその他の構成要素へのアクセスを可能にする。例えば、流体移送装置から空気またはその他の流体を運ぶ導管をパネル22A〜Dの開口13を介して導くことができる。特定の状況に合わせて開口13の正確な数、サイズ、形状、間隔及びその他の細部を変えることができる。
【0061】
引き続き
図9Aを参照すると、トップパネル22A〜Dまたはフレーム構造22の他の被覆は、冷熱調節ベッド組立品の通常の作動時にフレーム構造22の上に配置される上部(図示せず)がフレーム構造22に対して相対的に動く可能性を防止または減少するように設計された複数の滑り防止部材23を含むことができる。滑り防止部材23は、こぶ、くぼみ及び(または)これに類するものなど多様な突出及び(または)陥凹した形体のいずれかを含むことができる。滑り防止部材23の数、そのサイズ、形状、密度、間隔、位置及び構造の材料、トップパネルに滑り防止部材23を取り付ける方法及び(または)滑り防止部材23の特徴を変えることができる。
【0062】
図9Bは、冷熱調節ベッド10Aの上部60Aが下部20Aに対して相対的に好ましくない動き(例えば、スライド、スリップなど)をしないように維持するための別の方法を示す。図示されるように、ガイド8を用いて、上部60Aと下部20Aを相互に適切に整列させることができる。いくつかの実施形態において、ガイドはベッド10Aの各コーナーに配置される。ガイド8は、例えばプラスチック、ファイバーグラス、鋼またはその他の金属、木材など1つまたはそれ以上の剛性及び(または)半剛性の材料を含むことができる。ガイド8は下部20A及び(または)上部60Aに適切に取り付けることができ、かつベッドの使用時に発生する可能性のある力、モーメント及び(または)その他の応力に耐えることができることが好ましい。
【0063】
図9Cは、相互に協働してその間の相対的動きを防止するように設計された上部60B及び下部20Bの1つの実施形態を示している。図示される実施形態において、上部60B及び下部20Bは、実質的に相互にインターロックするように設計された適切な形状を持つ隣り合う面を含む。図示される形状はこのようなインターロック設計の単なる一例であり、一般的にインターロックする他の任意のパターンを使用できることが分かるだろう。さらに、ベッドの2つまたはそれ以上の隣り合う層または構成要素がベッドの単一の部分20B、60B内部に配置される場合にでも、このようなインターロック形態を用いて、これらの層または構成要素を相互に固定することができる。隣り合う部分内部にロックを成型またはその他の方法で形成することができるので、
図9Cに示される一般的なインターロック設計は、フルフォーム( full foam )またはラテックス( latex )のマットレスに特に適する。例えば、
図9Cにおいて、上部60Bは発泡体クッション部材を含むことができ、下部20Bは基礎部材を含むことができる。
【0064】
例えば
図9A〜9Cに示される冷熱調節ベッドなど本出願において図示されるどの実施形態においても、冷熱調節ベッドは脚または下部の底部とベッドが置かれる床との間に付加的な空隙を作るためのその他の支持部材を備えることができる。これは、流体の入口またはその他の開口を下部の底面に離散して配置できるようにするのに役立つ。
【0065】
図10を参照すると、冷熱調節ベッドは、熱電装置450A、450Bの主熱交換器部を通過する流体を1つの方向446A、446Bへ(例えば、流通調整部材または冷熱調節ベッド組立品の上部のその他の構成要素に向かって)導きながら熱電装置の廃熱交換器部を通過する流体を収集しこれを異なる方向448(例えば、出口へ向かって)へ導くことができる結合された分流部材(combined flow diversion member)404を備えることができる。いくつかの実施形態において、熱電装置450A、450Bを発泡体で包むことができる。さらに、結合された分流部材404の一部またはその全体が発泡体から成る。この種の実施形態は、冷熱調節ベッドが含む別個の流体導管及びその他の構成要素の数を減少させるのに役立つ。
【0066】
図11A及び11Bは冷熱調節ベッド510の上部560の1つの実施形態を示している。空気またはその他の流体は下部520から1つまたはそれ以上のエリアに沿って上部に向かって導かれる。例えば、図示される配列において、空気の流れは下部520からベッド510の2つまたはそれ以上の異なるセンターラインに沿って与えられる。一般に使用者が横たわると予期されるベッドのエリアに沿ってセンターラインを配置することができる。下部520の上面は開口526を備えることができ、これを介して流体導管(図示せず)を導くことができる。他の実施形態に関して本出願において論じられるように、流体移送装置を用いて、ベッド510の下部520及び(または)その他の任意の部分から上部560ヘ向かって温度調節された空気及び(または)周囲空気を送ることができる。
【0067】
さらに
図11A及び11Bを参照すると、上部560は、1つまたはそれ以上の陥凹エリア566を含む底部クッション部材564を含むことができる。陥凹エリア566は開口567を含むことが好ましく、一般に開口は下部520の下部の開口526と整列するようなサイズ、形状、位置及びその他の設計を持つ。このようにしてクッション部材564の陥凹エリア566及びその中に配置されるものと流通可能に接続して流体移送装置を効果的に配置することができる。
【0068】
図11Aの断面図に示されるように、流通調整部材570をクッション部材564の陥凹エリア566内部に配置することができる。または、上述のように、流通調整部材570をクッション部材564の陥凹エリア566に沿って配置することができる。例えば、クッション部材564は陥凹エリア566を全く含む必要がない。このように、流通調整部材570をクッション部材564の全体的に平滑な(またはその他の形状の)上面に配置することができる。本出願において説明及び(または)図示される流通調整部材の様々な実施形態の任意の1つまたはそれ以上を使用することができる。例えば、流通調整部材570はスペーサファブリック、多孔構造またはその他の構成要素及び(または)これに類するものを含むことができる。いくつかの実施形態において、本出願においてもっと詳細に説明するように、流通調整部材570は完全にまたは部分的にバッグ及び(または)他のタイプの部分的または完全な囲繞物内部に配置されるスペーサファブリックまたはその他の多孔材料(例えば、通気性発泡体)を含む。
【0069】
上部560の陥凹エリア566内部に配置される流通調整部材570に進入する空気または流体の流れをよりよく分配できるようにするために、
図11A及び11Bに示されるように、1つまたはそれ以上の流通調整部材の上面に流れ切換え弁(flow diverter)571を配置することができる。
【0070】
調整済み流体が1つのスポットから生じるように思えるかも知れないので、切換え弁を用いて使用者にとって流体の分配がもっと均等になるようにすることができる。1つまたはそれ以上の分配層を介して側方に流体を動かすようにこの種の切換え弁を設計することができる。使用者へ送られる空気またはその他の分配をより均等にするために切換え弁571を使用することができる。空気の流れがクッション部材564の陥凹エリアへ進入する場所の付近にこの種の切換え弁571を戦略的に配置することによって、空気は対応する流通調整または分配部材570全体に側方に広がる。
【0071】
上述のように、流通調整部材570はスペーサファブリック/流体分配バッグの結合体を含むことができる。結合体は別のフィラー材の中へはめ込まれる。ただし、バッグまたはその他の囲繞品を使用することなく本出願において開示される冷熱調節ベッドの実施形態のいずれかと一緒にスペーサファブリックまたは同様の流体分配または流通調整部材を使用することができる。いくつかの実施形態において、バッグ/ファブリック部材が小型である場合、使用者は適切な分配を認識しないかも知れない。バッグまたはその他の囲繞品は複数の開口を備えることできる。開口を介して空気またはその他の流体は外に出ることができる。いくつかの実施形態において、バッグを使用すると、スペーサファブリックまたはその他の流通調整部材内部における空気またはその他の流体の分配をさらに改良するための切換え弁として機能することができる。さらに、はめ込まれたスペーサファブリックまたはその他の流通調整部材570は選択されたエリアへの空気の側方の流れを減少または防止するために全体的に密封された端部を含むことができる。または、フィラー層が非多孔エリアを含む場合、このような密封端部またはその他の形体を不要とすることができる。
【0072】
引き続き
図11A及び11Bを参照すると、快適さ及び(または)安全性をさらに強化するためにクッション部材564及び流通調整部材570の上に1つまたはそれ以上のトップ部材または層580、582を配置することができる。例えば、いくつかの実施形態において、一般に側方に空気を分配するように下部トップ層580を設計し、垂直方向に(例えば、使用者へ向かって)空気を分配するように上部トップ層582を設計することができる。ただし、特定のベッド組立品にもっと多くのまたは少ないトップ層を含めることができることが分かるだろう。さらに、本出願において論じられるのとは異なる形態で空気を分配またはその他の流通調整するようにトップ層を設計することができる。例えば、空気を垂直及び側方の両方に分配するように層のうち1つまたはそれ以上を設計することができる。
【0073】
冷熱調節ベッド610に使用するための上部660の別の実施形態が
図12A及び12Bに示される。図示されるように、ベッド610の下部620の上にスペーサファブリックまたはその他の流通調整部材670を配置することができる。このような流通調整部材670は下部620(例えば、フレーム構造、ボックススプリング、など)の上面面積の一部または全部に広がるようなサイズ及び形状を持つことができる。他の実施形態と同様、上部660の快適さ及び安全性を強化するために流通調整部材670の上に1つまたはそれ以上のトップ層680、682を配置することができる。
【0074】
引き続き
図12A及び12Bを参照すると、いくつかの実施形態において、流通調整部材670及び上部660のその他の部分を流れる流体の流れを改良するためにステッチ、積層及び(または)それに類するものを使用することができる。例えば、流通調整部材670及び上部660のその他の構成要素内部における空気またはその他の流体の流れをより良く制御するために、上部660の周縁及び(または)その他のエリアに沿って工学的ステッチ(engineered stitching)678を与えることができる。いくつかの配列において、システムは、上部660における調整済み及び(または)未調整の流体の流れを制御するために、特定のステッチパターン、直径、針サイズ、糸の直径及び(または)その他の特徴を使用する。いくつかの実施形態において、流体が上部660(例えば、トップ及び(または)流通調整部材)の中央部を横切ることが望ましくないかも知れない。これは、特定の冷熱調節ベッド610の温度調節を1人またはそれ以上の使用者の要望通りに改変できるように、様々な冷却及び(または)加熱ゾーンを隔離するのに役立つ。工学的ステッチを使用すると、異なるゾーンの流体が相互に作用するのを防止し、それによってベッド610またはこれと同様の装置の加熱及び(または)冷却機構を個々に制御することができるようにする。
【0075】
流体の望ましくない側方流通を制御するためにもステッチを使用することができる。例えば、ステッチを装置の周縁に追加して、流体が1つまたはそれ以上の所望の調整エリアの外へ移動するのを防止することができる。適切なステッチの圧迫、パターン及び(または)その他の形体を使用すると、1人またはそれ以上の使用者に向かって流体(例えば、空気)が流れるための経路を与えるのに役立つ。1人の使用者に均等に流体を分配するようにステッチのサイズ及びステッチの密度を修正またはその他の方法で制御することができる。このようにして、1枚のスペーサファブリックのみを使用し、ステッチ、積層及び(または)その他のシステムを用いて流体の流れを制御することによって、よりコスト効率のよい上部660またはトップ組立品を実現することができる。従って、工学的ステッチ及び(または)その他の同様の形体は、使用者にとっての快適さを強化しながら、流体の流れを改良できるようにする。
【0076】
本出願において様々な実施形態について説明するように、冷熱調節ベッドは、ベッド(または同様の組立品)の上面において空気またはその他の流体を1人またはそれ以上の使用者の方向へ動かすためのいくつかの手段を必要とする。ただし、ソリッドまたは実質的にソリッドのコアで形成されるベッドは別の解決法を必要とする場合があることが分かるはずである。ソリッドコアのベッドは益々人気が高くなっているので、これは特に重要である。上述のように、この種のベッド組立品のソリッドコアは使用者へ向けて改良された流体の分配を導くため及び(または)廃棄空気または流体を冷熱調節ベッド組立品から外へ導くためのものになり得る。
【0077】
図13の断面図は、ベッド710のソリッドコア720を貫通して戦略的に形成されるポケットまたはチャネル724を示している。いくつかの実施形態においては、ソリッドコアの製造時にポケットまたはチャネル724を形成することができる。または、ソリッドコア720を製造した後にコアからポケットまたはチャネル724を切り取りまたはその他の方法でこれを創成することができる。さらに別の実施形態において、コア720の隣り合う区画720A、720Bが交わるところにポケットまたはチャネル724を単に存在させることができる。さらに、
図13に示されるように、コア720の上面は陥凹722または同様の形体を含むことができる。適切なサイズ及び形状の流通調整部材770を受け入れるように陥凹エリア722を設計することができる。従って、ポケットまたはチャネル724に進入する空気またはその他の流体は流通調整部材770に進入することができ、流通調整部材の上面に沿って使用者の方向へ空気を分配することができる。本出願において説明され図示される他の実施形態と同様、所望の快適さを与えるためにコア720及び流通調整部材770の上に1つまたはそれ以上のトップ部材780を配置することができる。
【0078】
図14A及び14Bに示され本出願の他の実施形態に関連して論じられるように、冷熱調節ベッド組立品の垂直の移動に対処するために、ベローズ830、930またはその他の可動部材を用いて所望の可撓性及び(または)絶縁特性を与えることができる。流体導管、流体移送装置及び(または)冷熱調節システムを構成するその他のものを保護するためにベッドの特定の構成要素の動き及び(または)ベッドの隣り合う構成要素間の相対的な動きに配慮することが望ましいかも知れない。
【0079】
図14Aにおいて、冷熱調節ベッド810は、荷重条件の変化に反応して圧縮または減圧するよう設計されたクッション部材820を含む。さらに、図示される実施形態において、流体移送装置840はクッション部材820のすぐ下に配置される。このようにして、流体導管846が流体移送装置840からベッド810の上面の流通調整部材870へ流体を送ることができるように、ベローズ830またはその他の変形可能な装置を配置することができる。
【0080】
同様に、
図14Bに示されるように、流体移送網の複数の部分に沿って2つまたはそれ以上のベローズ930A、930Bまたは同様の変形可能な装置を含めることができる。図示される冷熱調節ベッド910の実施形態はスプリング(ボックススプリング、スプリング付きマットレスなど)を有する下部916を備える。クッション部材920は一般に下部916の上に配置される。従って、このような配列においては、下部916も上部920も動くことが可能である。従って、ベローズ930A、930Bを下部916及び上部920の両方の流体導管に使用することができる。いくつかの実施形態において、システムが使用者に向かって調整済み及び(または)未調整の空気またはその他の流体を移送できるようにしながら、冷熱調節ベッド910の各種の構成要素の垂直、水平及び(または)捩れ移動に対処するようにベローズを設計することができる。
図14Bに示される実施形態の場合にように上部と下部のチャネルが整列しない場合、ノッチ990または上部及び(または)下部に形成されるその他の移行部を用いて、ベッド910の厚み全体を貫通する連続的な流体移送経路を維持することができる。
【0081】
空調ベッド内部の流体の動きに関して考慮すべき重要なことは、流体の取入れ口及び排出口の調整である。従って、本出願において図示され開示される装置及びシステムのいくつかの実施形態においては、流体移送システムは周囲環境から流体を受け入れてこれをベッドまたはその他の着座組立品(seating assembly)へ送るための効率的な手段を含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、騒音または使用者にとってのその他の不快を減少するエリアに流体取入れ口を配置することが望ましいかも知れない。さらに、流体分配システムに入り込む可能性のある望ましくない他の流体から取入れ口を隔離することができる。1つの実施形態において、1つまたはそれ以上のダクトを用いて、このような望ましくない汚染または混合を減少することができる。ただし、ダクトを使用すると、ダクトは外れまたはその他の傷を受ける可能性があるので、一般にコスト、複雑さ、故障の可能性及びその他の望ましくない事象の可能性を増大する可能性があることが分かるだろう。
【0083】
図15に示されるようにいくつかの実施形態において、クッション部材1020または冷熱調節ベッド組立品1010のその他の構成要素の下面1020Bにチャネルまたはその他の分配網を形成(例えば、成型、工作、切削その他により)することができる。これによって、流体分配システム(例えば、取入れ口及び(または)分配/廃棄流体チャネル1030、1034)の一部、ほとんどまたは全てをクッション部材1020及び(または)これに類するものの構造に組み入れることができる。このような設計は、ベッドプラットフォーム(例えばボックススプリングではなく)が使用される場合特に適している。ただし、他の実施形態において、取り付けのための1つまたはそれ以上の別個の部品及び流体取入れ口/排出口を含めることができる。いくつかの実施形態において、クッション材1020と別個の「プラットフォーム」を使用することができる。例えば、1つの配列において、プラットフォームを約51mm(2インチ)の厚みにすることができる。ただし、他の実施形態において、プラットフォームは異なるサイズ、寸法、形状及び(または)その他の構造を持つことができる。取り付け及び流体分配を容易にするようにこのプラットフォームを有利に設計することができる。いくつかの実施形態において、システムはクッション材1020の1つまたはそれ以上の開口(例えば、マットレス中央を貫通する孔)及び本出願において説明される流体分配システムを備えることができる。
【0084】
さらに、流体移送装置(例えば、ファン、送風機、結合されたファン/TED装置など)によって生じる騒音レベルを下げることが望ましいかも知れない。例えば、騒音の減少はより睡眠または休息に導きやすい環境作りを助けることができる。ベッド内部またはベッドの下から発する音を減少させるためにベッドのスカートまたは冷熱調節ベッド組立品のその他の構成要素の内側にライナーとして発泡体またはその他の減音材を使用することができる。
【0085】
さらに、ベッドは現在多数の新しい技法を用いて製造されるので、これらの新しい設計と統合しこれらの技法に伴う利点を利用できる空調ベッドの構成要素または独立したトップを提供することが重要である。
【0086】
冷熱調節ベッド組立品の別の実施形態が
図16A及び16Bに示される。図示されるベッド1110のクッション材(例えば、マットレス)は、ラテックスまたは同様の弾性材を含むことができる。この種の材料は、所望の弾性レベルを維持しながらスプリング製品の必要をなくすので、ベッド製造者の間での人気がさらに高まっている。この種の材料から製造されたマットレス及びその他のクッション材1120は複数の孔またはその他の開口1126を含むことができる。図示される実施形態において、流通調整部材1150(例えば、スペーサ)はマットレスまたはその他のクッション材1120の下面1121に配置されるように設計される。従って、マットレスまたはその他のクッション材1120は、適切な形状及びサイズを持つ流通調整部材1150を受け入れるように設計された陥凹またはその他の同様の形体を含むことができる。空気またはその他の流体が流通調整部材1150を貫通して流れ分配されると、空気はクッション材1120の本体内の複数の開口1126に進入して、使用者に向かって運ばれる。従って、本出願において開示される様々な実施形態に関して図示されるように、流通調整部材をクッション部材または冷熱調節ベッド組立品の同様の構成要素の上面及び(または)底面に配置することができる。
【0087】
本出願において説明される様々な実施形態は、冷熱調節ベッド組立品の作動及び機能をさらに強化するために1つまたはそれ以上の制御戦略または機能を含むことができる。例えば、ベッドは空気温度及び(または)温度調節流体の速度を調節するように設計された制御システムを含むことができる。いくつかの実施形態において、流体移送装置(例えば、ファン、送風機など)の速度を修正しかつ(または)システムの熱電装置へ送られる電流の方向及び(または)規模を変化させることによってこれが可能になる。従って、冷熱調節ベッドは、冷熱調節システムの各種の構成要素の作動を調整する1つまたはそれ以上の制御機構を含むことができる。いくつかの実施形態において、冷熱調節システムを冷熱調節ベッド組立品に組み込むことができる(例えば、ベッドに直接あるいは別個のコントローラ及び(または)これに類するものを介して)。
【0088】
引き続きシステムの制御機能に言及すると、1つまたはそれ以上の場所における温度または1つまたはそれ以上のシステムの構成要素の温度を測定し記録するように冷熱調節ベッド組立品を設計することができる。この種のデータを制御機構に有利に組み込むことができる。例えば、ベッドの表面のまたはその付近の温度(例えば、使用者が感じることをもっとも正確に評価する温度)を測定し、表示、自動温度調節及び(または)これに類することのためにこれを制御モジュールへ送ることができる。さらに、システムの制御コンポーネントは閉鎖ループの形を取ることができる。
【0089】
いくつかの実施形態において、使用者との対話のためにワンド( wand )またはその他のタイプのリモートコントローラを使用することができる。例えば、ベッド表面のまたはその付近の温度をワンドに表示することができる。例えば、温度調節、モード選択、ON/OFFなど付加的な制御機能を含めることもできる。例えば、ワンドは使用者が「スリープ」モードを選択できるようにする。このモードのとき、調整され使用者に向かって送られる空気の温度及び量は使用者の希望の睡眠環境及び(または)周囲条件に従って調節される。1つの配列において、冷熱調節ベッドは、睡眠サイクルの終了時または終了前後の使用者の体温の上昇またはその他の変化にほぼ一致するようにベッドの表面またはその付近の温度を調節(例えば、上昇または低下)するために役立つ熱アラームを含むことができる。
【0090】
さらに、特定の実施形態に関して本出願において論じられるように、使用者がベッドの様々な部分の温度及び感じを使用者好みに改変できるようにするために様々な加熱及び(または)冷却ゾーンを含むこともできる。さらに、この種の機能は、1つのベッドを使用する各使用者が希望の作動モードを選択できるようにする。さらに、ベッドは1つまたはそれ以上の電源(例えば、ACコンセント、充電式電池などDC電源、など)を含むことができる。この種の電源モジュール及びコンポーネントをベッド組立品に離散的にまたはその選択されたエリア内に配置することができる。
【0091】
引き続きベッドの機構制御システムに言及すると、本出願において説明される装置、システム及び方法を他の装置、システム及び方法と一緒に使用して、加熱及び(または)冷却の効率をさらに強化することができることが分かるだろう。例えば、ベッドは本格的なポンプを備えることができる。さらに、温度制御のために相転移 材料の使用及び水の使用に伴う利点を利用するようにベッドを設計することができる。さらに、上述のように、調整済み空気またはその他の流体を、例えば枕、背中下部、脚部などベッドの選択されたエリアへ導くことができる。例えば、使用者は、相対的に冷たい空気を頭部へ供給し、足部にこれより温かい空気を供給するようにできる。
【0092】
流体移送装置へ温度調節された空気を戻すことによって、さらにベッドの冷熱調節システムの効果を強調することができる。さらに、いくつかの実施形態において、1つまたはそれ以上のトップ部材、クッション部材及び(または)冷熱調節ベッドのその他の構成要素内部にサーミスタを配置することができる。別の実施形態において、例えば使用者の脇、頭部、足、枕及び(または)これに類するものの付近など一般に使用者の隣にサーミスタを配置することができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、冷熱調節ベッド組立品は無線アラームを備えることができる。特定の時刻にオン及び(または)オフに切り替えるために熱アラームと一緒に作動するように無線アラームを設計することができる。他の作動機能と同様、無線アラームを使用者が好みに合わせて改変することができる。
【0094】
挿入物など流通調整部材は、湿気またはその他の物質に対する保護を強化するため、非通気性(希望する場合に)及びこれに類するものを強化するために、ライナー及び(または)コーティングを含むことができる。特定のコーティング、ライニング、材料及び(または)これに類するものを使用することによって、冷熱調節システム内部で調整空気を送りながら熱損失を減少することができる。さらに、別個のライナーの使用は製造、組立、修理、保守及び(または)冷熱調節ベッド組立品に関係するその他の活動を容易にすることができる。さらに、いくつかの実施形態によれば、ベッド組立品におけるチャネル、陥凹及びその他の形体の一部または全てをそれぞれの構成要素を製造するときに有利に成型することができる。または、それぞれの構成要素を製造した後にこれらの形体を切り取りまたはその他の方法で形成することができる。
【0095】
さらに、冷熱調節システムの内部構成要素(例えば、流体移送装置、熱電装置、導管、流通調整部材など)を傷つけないようにしかつベッドを選択的に加熱及び(または)冷却するために使用される空気の質を向上させるために、冷熱調節システムへの流体入口の上流に1つまたはそれ以上の吸気フィルタを配置することができる。いくつかの配列によれば、フィルタはダストカバーまたは同様の装置を含む。いくつかの実施形態において、ベッドの使用者により心地よい環境を与えるためにこのフィルタを香りつきにすることができる。
【0096】
本発明は特定の好ましい実施形態及び例として開示されているが、本発明は特に開示される実施形態を越えて本発明の他の実施形態及び(または)使用及びその明白な修正及びこれと同等のものにまで及ぶことが、当業者には分かるだろう。さらに、本発明の様々な変形が図示され詳細に説明されているが、本開示から本発明の範囲内にある他の修正が当業者には明らかであろう。また、実施形態の特有の形体及び形態の様々な組み合わせ及びサブコンビネーションを行うことができ、これも本発明の範囲内に属する。従って、開示される発明のさまざまなモードを実施するために開示される実施形態のさまざまな形体及び形態を相互に組み合わせるまたは取り替えることができることが分かるはずである。従って、本出願において開示される本発明の範囲は、上に説明される特定の開示される実施形態によって限定されず、特許請求の範囲の公正な読み取りによってのみ決定されるべきである。