特許第5960704号(P5960704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニの特許一覧

<>
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000002
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000003
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000004
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000005
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000006
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000007
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000008
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000009
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000010
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000011
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000012
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000013
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000014
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000015
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000016
  • 特許5960704-物品用パッケージ 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960704
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】物品用パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20160719BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   B65D85/10
   B65D5/66 321B
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-533333(P2013-533333)
(86)(22)【出願日】2011年10月11日
(65)【公表番号】特表2013-542893(P2013-542893A)
(43)【公表日】2013年11月28日
(86)【国際出願番号】IT2011000372
(87)【国際公開番号】WO2012049701
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年9月24日
(31)【優先権主張番号】BO2011A000151
(32)【優先日】2011年3月24日
(33)【優先権主張国】IT
(31)【優先権主張番号】BO2011A000083
(32)【優先日】2011年2月25日
(33)【優先権主張国】IT
(31)【優先権主張番号】BO2010A000603
(32)【優先日】2010年10月11日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100133008
【弁理士】
【氏名又は名称】谷光 正晴
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ビオンディ
(72)【発明者】
【氏名】パトリッツィオ ロイラ
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−129656(JP,A)
【文献】 実開昭49−083121(JP,U)
【文献】 特開2010−076820(JP,A)
【文献】 特開平11−321855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00− 5/76
B65D85/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一群の物品を収納するべくカップ状に形成され、かつ開放端(4)を有する容器(2)と、
ヒンジ(6)に沿った前記容器(2)にヒンジ付けされ、容器(2)に対して、前記開放端(4)を開く開放位置と閉じる閉鎖位置、夫々の間で回転するカップ状の蓋(5)と、
容器(2)の内側に接続されて開放端(4)の外側に部分的に突き出し、前記蓋(5)が前記閉鎖位置にある時、蓋(5)の対応する内面に係合するカラー(15)と、
閉鎖位置で蓋(5)を維持するため、蓋(5)の第1の壁(12)又は前記カラー(15)の第2の壁(16)に形成された保持座部(20)と、カラー(15)の前記第2の壁(16)又は蓋(5)の前記第1の壁(12)から突き出し、蓋(5)が閉鎖位置にある時に前記保持座部(20)の内側で適合する保持部材(21)とを有する保持装置(19)とを有する物品用パッケージ(1)において、
a)前記保持部材(21)は蓋(5)の第1の壁(12)の一部分によって形成され、その部分は前記カラー(15)の前記第2の壁(16)に糊付けされると共に蓋(5)の第1の壁(12)の残りの部分から分離していること、或いは前記保持部材(21)はカラー(15)の第2の壁(16)の一部分によって形成され、その部分は前記蓋(5)の前記第1の壁(12)に糊付けされると共にカラー(15)の第2の壁(16)の残りの部分から分離しており、
b)前記蓋(5)の第1の壁(12)は、重なり合って互いに糊付けされた内パネル(12”)と外パネル(12’)によって形成され、
c)前記保持座部(20)は、蓋(5)の第1の壁(12)の前記パネル(12’、12”)の双方を通る穴によって形成され、
d)前記保持部材(21)は、蓋(5)の第1の壁(12)の糊付けされた両パネル(12’、12”)の夫々の相互に糊付けされた部分(21’、21”)によって形成される、ことを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
前記蓋(5)が開封される時、前記保持部材(21)は、前記蓋(5)の第1の壁(12)から引き離されるか、或いは前記カラー(15)の第2の壁(16)から引き離される請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記蓋(5)が開封されるまで、前記保持部材(21)は、切り取りライン(22)に沿って、蓋(5)の第1の壁(12)の前記残りの部分に接続されるか、又は前記カラー(15)の前記第2の壁(16)の残りの部分に接続される請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記保持部材(21)は、前記カラー(15)の第2の壁(16)又は前記蓋(5)の第1の壁(12)に糊付けされた第1の部分と、カラー(15)の第2の壁(16)又は蓋(5)の第1の壁(12)に糊付けされない残りの第2の部分とを有するように、カラー(15)の第2の壁(16)又は前記蓋(5)の第1の壁(12)に対し部分的に糊付けされただけである請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記カラー(15)の第2の壁(16)又は蓋(5)の第1の壁(12)に糊付けされた保持部材(21)の第1の部分は上部に位置し、カラー(15)の第2の壁(16)又は蓋(5)の第1の壁(12)に糊付けされない保持部材(21)の第2の部分は下部に位置する請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記保持部材(21)の内側の部分(21”)は、保持部材(21)の外側の部分(21’)より大きい請求項に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記蓋(5)の第1の壁(12)は蓋(5)の前壁(12)であり、前記カラー(15)の第2の壁(16)はカラー(15)の前壁(16)である請求項1〜のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記カラー(15)は、前記前壁(16)から延びて前記保持装置(19)の保持部材(21)を支持する中央付加部(28)を有する請求項1〜のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記保持部材(21)と前記保持座部(20)は円形である請求項1〜のいずれか一項に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品用パッケージに関するものであり、特に煙草のためのヒンジ式蓋付きパッケージに関する。
【0002】
以下の説明においては、便宜上かつ一例として純粋に、煙草のヒンジ式蓋付きパッケージを参照する。
【背景技術】
【0003】
硬質なヒンジ式蓋付き煙草小包体が、生産が容易であり、使用が実際的で容易であることによって、かつ、内側の煙草を効果的に保護することによって、現在では最も広く販売されている。
【0004】
硬質なヒンジ式蓋付き煙草小包体は、開放末端を有するカップ形の容器と、この開放末端を開く開放位置とこの開放末端を閉じる閉鎖位置の間でその容器に対して回転するように、ヒンジに沿ってその容器にヒンジ式に取り付けられているカップ形の蓋とを備える。 通常、容器の内側にはU型に折り畳まれたカラーが接続され、蓋を閉じた状態では、カラーは部分的に開放末端の外側へと突き出して、蓋の対応する内面に係合する。
【0005】
閉鎖位置で蓋を保持し、それが偶然に開くのを防ぐために、保持装置が設けられ、カラーと蓋の間(或いは、カラーがない場合には容器と蓋の間)に追加の機械的相互関係を生じるように設計されるため、蓋を開けるためには局所的な弾性変形を生じるのに十分な力を付与しなければならなくなる。
【0006】
最も一般に用いられている保持装置は、カラーから横に突き出て閉じられた蓋と所定の干渉量で係合する2つの突起を有する。その突起は効果的に簡単に作ることができるが、閉じた蓋の側壁を局部的に変形させ、往々にして蓋の側壁に見苦しいシワを形成したりして側壁の平坦度に影響を与えることで小包体全体の外観を損なう欠点がある。突起が大きければそれだけ突起による保持力も大きくなり、この蓋の側壁の変形もより顕著になる。
【0007】
これらの欠点を排除するために、例えば特特許文献1〜3において、数多くの代替案が提案されているが、そのいずれもが効果のないものであったり(即ち、十分な保持力が生じない)、或いは製造が複雑で高価であることが分かっている。
【0008】
特許文献4には、閉鎖位置で蓋を保持するための保持装置を備えた硬質のヒンジ式蓋付き煙草小包体であって、カラーの上端縁部から突き出したタブを備えると共に、蓋が閉鎖位置にある時、そのタブが蓋のフラップの端縁部によって係合されるような、煙草小包体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4294399号
【特許文献2】米国特許第5896984号
【特許文献3】国際公開公報第2004/028926号
【特許文献4】欧州特許出願第088424号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記の欠点をなくするように設計されると共に、特に製造が安価でかつ容易な物品パッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、添付した請求項で請求された物品パッケージが提供される。
【0012】
以下、本発明の数多くの制限されない実施形態を例により説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による、閉鎖位置での煙草の硬質小包体の斜め正面図である。
図2】閉鎖位置での図1の煙草小包体の斜め後方図である。
図3】開放位置での図1の煙草小包体の斜め正面図である。
図4図1の煙草小包体の、閉鎖位置及び開放位置での部分的縦断面図である。
図5図1の煙草小包体の、閉鎖位置及び開放位置での部分的縦断面図である。
図6図1の煙草小包体の容器を作るための白紙の平面図である。
図7図1の煙草小包体のカラーの展開平面図である。
図8】別実施形態による煙草小包体の、閉鎖位置及び開放位置での部分的縦断面図である。
図9】別実施形態による煙草小包体の、閉鎖位置及び開放位置での部分的縦断面図である。
図10図8、9の煙草小包体の容器を作るための白紙の平面図である。
図11図8、9の煙草小包体の変形例の開放位置での部分的縦断面図である。 正面図である。
図12】本発明による、閉鎖位置での煙草の更なる硬質小包体の斜め正面図である。
図13】閉鎖位置での図12の煙草小包体の斜め後方図である。
図14】明瞭にするためその一部分を取り除いた、開放位置での図12の煙草小包体の斜め正面図である。
図15図12の煙草小包体のカラーの展開平面図である。
図16図15のカラーの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1、2及び図3の符号1は、煙草の硬質小包体全体を示しており、同小包体は、硬質の厚紙からなるカップ状の容器2と、容器2内に収容されたインナパッケージ3(図3)とを有し、アルミ箔のシートでくるまれた平行六面体形状の一群の煙草(図示せず)を具備する。容器2は、開放頂端4(図3)と、ヒンジ6に沿い容器2にヒンジ付けされて容器2に対し開放頂端4を開放する開放位置(図3)と閉鎖する閉鎖位置(図1、2)との間を回動するカップ状の蓋6とを備える。
【0015】
容器2は直方体の形をしており、開放頂端4の反対側にある底壁7と、互いに平行に向かい合う前壁8と後壁9と、壁8、9間に挟まれた2つの平行な側壁10とを備える。4つの縦方向端縁が側壁10と壁8、9の間に形成され、4つの横方向端縁が壁7と壁8、9、10の間で形成される。
【0016】
蓋5は、直方体の形をしており、蓋5を閉じた状態で容器2の底壁7に平行に向かい合う上壁11と、互いに平行に対向し合いかつ蓋5が閉じた状態で容器2の壁8、9と同一面となる前壁12と後壁13と、前壁12と後壁13の間に挟まれかつ蓋5が閉じた状態で容器2の側壁10と同一面となる2つの平行な側壁14とを有する。4つの縦方向端縁が側壁14と壁12、13の間に形成され、4つの横方向端縁が上壁11と壁12、13、14の間で形成される。
【0017】
図示した実施形態では、各端縁は全て真っ直ぐであるが、この代わりとなる実施形態としては図示しないが、端縁によっては斜めでも、或いは丸まった状態でも良い。
【0018】
図3に示すように、小包体1はまた硬質のカラー15(即ち、硬い厚紙から作られる)を備えており、同カラーはUの形に折り畳まれ、容器2の内側に接続(糊付け)されると共に開放頂端4の突き出し、閉止位置において蓋5の対応する内面に係合する。カラー15は、容器2の前壁8に接続されかつ閉鎖位置において蓋5の前壁12と接するように位置決めされる前壁16と、容器2の側壁10に接続されかつ閉鎖位置において蓋5の側壁14と接するように位置決めされる2つの側壁17とを有する。
【0019】
図面に示された実施形態において、カラー15の前壁16は2つの突起18を備え、それらは蓋5を閉じた状態に維持するために、閉鎖位置において蓋5の側壁14と係合する。図示しない異なる実施形態では、カラー15の前壁16は突起18を備えない。
【0020】
図3、4及び図5に示したように、煙草の小包体1は、突起18とは異なりそれとは無関係の保持装置19を有し、同装置は、蓋5を開くにあたってはそれよりも大きくあらねばならないような保持力をもって蓋5を閉じた状態に維持する。
【0021】
保持装置19は、蓋5の前壁12に形成された保持座部20と、カラー15の前壁16から突き出しかつ蓋5が閉鎖位置にある時、保持座部20の内側で適合する保持部材21とを有する。図4は、保持部材21が保持座部20の内側に挿入された閉鎖位置での蓋5を示しており、保持座部20から引き込ませるためには、保持装置19によって生じた保持力に打ち勝つべく保持部材21に軽い指圧をかけるか、蓋5に比較的強めの開放力をかけるかして保持部材を弾性変形しなければならない。
【0022】
好ましい実施形態では、保持部材21は蓋5の前壁12の一部によって形成され、それはカラー15の前壁16に糊付けされ、蓋5の前壁12の残りの部分からは分離される。
【0023】
蓋5を開封する場合、保持部材21は蓋5の前壁12から引き離されることが好ましい。言い換えれば、蓋5が開封されるまで、保持部材21は、切り取りライン22(図6)に沿って蓋5の前壁12の残りの部分に接続される。蓋5が開封された時には、保持部材21はカラー15の前壁16に接続されたままとなって、切り取りライン252に沿った蓋5の前壁12から引き裂かれる。従って、蓋5を開封するにはより大きな力が必要であり、それは蓋5が開かれていない(従って、煙草の小包体1に対して不正操作されていない)というユーザに対しての証しである。
【0024】
図1図5の実施形態では、保持座部20は蓋5の前壁12による穴によって形成される。より具体的には、蓋5の前壁12は内パネル12”と、それに重なって互いに糊付けされた外パネル12’によって形成され、保持座部20は、蓋5の前壁12の双方のパネル12’、12” を通る穴によって形成される。同様に、保持部材21は、蓋5の前壁12の両パネル12’、12”の相互に糊付けされた夫々の部分21’、21“によって形成される。好ましい実施形態では、保持部材21の内側の部分21”は外側の部分21’より(面積が)大きい。
【0025】
図8及び図9に示される別実施形態では、保持座部20は、内パネル12”だけを通る穴によって形成され、蓋5の前壁12の外パネル12に影響を与えない。それと同様に、保持部材21は、蓋5の内パネル12”の前壁12の部分21”だけによって形成される。図1図5の実施形態と比較して、図8図9の実施形態には保持装置19による保持力は小さいという欠点があるが、蓋5が閉鎖位置にある場合には保持装置19は外部から隠されている(即ち、煙草の小包体1の外側から見ることができない)という利点がある。
【0026】
図11の実施形態では、保持部材21(この場合、それは内側の部分21”によってのみ形成される)は、カラー15の壁16に対し部分的に糊付けされ、即ち、カラー15の前壁16に糊付けされた第1の部分と、カラー15の前壁16に糊付けされない残りの第2の部分とを備える。好ましくは、保持部材21の前記第1の部分はカラーの前壁16に糊付けされて上に位置し、保持部材21の前記第2の部分はカラーの前壁16に糊付けされない状態で下に位置する。カラーの前壁16に糊付けされない保持部材21の第2の部分は、蓋5の開閉毎(即ち、保持部材21が保持座部21に対して着脱する度)に徐々に曲がり、その後、クリック音と共に所定の位置に跳ね戻る。換言すれば、蓋5の開閉には、明白に聞くことができるクリック音が伴い、それは蓋5の効果的な閉鎖を示すものとして消費者によって高く評価される。
【0027】
図示されない異なった実施形態では、保持装置19は、前壁12、16とは対照的に側壁14、17の一方に形成されるかもしれない。その場合には、2つの独立した保持装置19が、煙草の小包体1の両側にある側壁14、17に設けられるかもしれない。
【0028】
図面に示される実施形態では、保持部材21と保持座部20は円形であり、蓋5の前壁12の中心に配置される(言うまでもなく、保持部材21と保持座部20は同じ形状、大きさでなければならない)。図示されない異なる実施形態では、保持部材21と保持座部20は、円形以外の形状でも良く(例えば、正方形、長方形、菱形、五角形、六角形等)、更に/或いは蓋5の前壁12の中心から偏心して配置しても良い(これは保持装置19の保持力を下げるが、その他の要因は全て等しい)。
【0029】
図6に示すように、容器2と蓋5は、平らな実質上長方形のブランク23から作られ、以下の説明において、ブランクの各部分は、可能であれば、容器2と蓋5の対応部分と同一の参照符号に上付き文字を付して示される。
【0030】
ブランク23は、2つの縦折り目24と、複数の横折り目21とを有しており、横折り目は、縦折り目24同士の間に、容器2の前壁8を形成するパネル8’、容器2の底壁7を形成するパネル7’、容器2の後壁9を形成するパネル9’、蓋5の後壁13を形成する(ヒンジ6によってパネル9’から分かれた)パネル13、蓋5の上壁11を形成するパネル11、蓋5の前壁12の一部を形成する外パネル12’、及び蓋5の前壁12の残りの部分を形成する内パネル12”を夫々形成する。内パネル12”は蓋5の前壁12を強化するための補強フラップを成し、180度折り畳まれて外パネル12に糊付けされる。
【0031】
パネル8’は、パネル8’の対向側部に位置して縦折り目24によってパネル8’から隔てられると共に容器2の横壁10の各外側部分を成す2つの側方翼10を備える。パネル9’は、パネル9’の対向側部に位置して縦折り目24によってパネル9’から隔てられると共に容器2の内壁10の各内側部分を成す2つの側方翼10”を備える。各翼10は横折り目25に沿ってタブ26に接続され、パネル7に糊付けされる。
【0032】
パネル12’は、パネル12’の対向側部に位置して縦折り目24によってパネル12’から隔てられると共に蓋5の横壁14の各外側部分を成す2つの側方翼14’を備える。パネル13’は、パネル13’の対向側部に位置して縦折り目24によってパネル13’から隔てられると共に蓋5の側壁14の各内側部分を成す2つの側方翼14”を備える。各翼14”は横折り目25に沿ってタブ27に接続され、パネル11’に糊付けされる。
【0033】
図10は、図8図9の実施形態において、容器2と蓋5を形成するブランク23を示しており、蓋5の前壁12のパネル12’に部分21’を持たないことで図6のブランク23と異なるものである。
【0034】
図7に示すように、カラー15は保持装置19の保持部材21を支持するため前壁16から延びた中央付加部28を有する。言い換えれば、保持装置19の保持部材21はカラー15の前壁16から延びる付加部28に糊付けされる。
【0035】
図1図11の実施形態では、保持座部20は蓋5の前壁12に形成され、保持部材21はカラー15の前壁16から突き出し、蓋5が閉鎖位置にある時、保持座部20の内側に適合する。図12図14の等価の実施形態では(特に、図14参照)、保持座部20は、(蓋5の前壁12の代わりに)カラー15の前壁16に形成され、保持部材21は(カラー15の前壁16の代わりに)蓋5の前壁12から突き出し、蓋5が閉鎖位置にある時、保持座部20の内側に適合する。言い換えれば、図12図14の等価な実施形態においては、蓋5の前壁12とカラー15の前壁16にある保持装置19の各構成部品は、単に機械的に逆転したものであり、つまり、保持座部20は蓋5の前壁12からカラー15の壁16へと変貌したものであり、保持部材21はカラー15の前壁16から蓋5の壁12へと変貌したものである。
【0036】
図15及び図16は、図12図14の煙草小包体1を形成するために使用可能な2つのカラー15の展開図である。明らかなように、この場合、保持部材21は、蓋5の前壁12の内側に糊付けされるカラー15の前壁16の一部分によって形成され、同保持部材は、蓋5を開封する際に切り取られる切り取りライン22によってカラー15の前壁16の残りの部分から分かれている。
【0037】
図12図14の実施形態においても、保持部材21は蓋5の前壁12に部分的に糊付けされただけの状態、即ち、同保持部材が蓋5の前壁12に糊付けされた第1の部分と、蓋5の前壁12に糊付けされない残りの第2の部分とを有するようにしても良い。
【0038】
ここで説明した煙草の小包体1には、迅速かつ容易に製造されることにより、また保持装置19によって生じた保持力により閉鎖位置に蓋5を保持することにより数多くの利点がある。蓋5が閉じられた時(図8図9の実施形態)、保持装置19は隠されて煙草の小包体1の外観に影響を与えないようにしたり、或いは蓋5が閉じられた時でさえ(図1図5の実施形態)、保持装置が見えるようにして煙草の小包体1に奇抜な外観を与えるようにしても良い。さらに、保持装置19によって、蓋5を閉じた状態に保持するのに必要な力の一部分を生じさえすればよいことで、突起18を無くしたり、ともかくも小さくなるようにしても良い。
【0039】
数多くの利点を考慮し、記述した小包体1のデザインは又、葉巻きの小包体や1カートンの煙草(これは1群の煙草とは対照的に1群の煙草小包体を含んでいることを除けば、記述した煙草の小包体1と実質上同一である)といったようなその他のタイプの煙草物品のためのパッケージの生産に使用しても良い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16