【実施例】
【0224】
次に下記の実施例が参照されるが、下記の実施例は、上記の説明と一緒に、本発明を非限定様式で例示する。
【0225】
実施例1
化学合成
合成手順:
NB118、NB119、NB122、NB123、NB124、NB125、NB127およびNB128の各化合物を、既に確立された立体化学により(S)−5−メチルおよび(R)−5−メチルを有する2つの個々の化合物(化合物(S)−17および化合物(R)−18)として環IIIの構築を伴う一般的手順に従って、かつ、それらをグリコシル化反応のための供与体として使用して合成した。これらの供与体は、下記のスキーム2に例示されるように既知のチオグリコシド化合物7から容易に得ることができた(スキーム2において、“a”は、1,1−ジメトキシプロパン、CSA、アセトン、室温を表す;“b”は、Dess−Martinペルヨージナン(DMP)、DCM、室温を表す;“c”は、MeMgBr、THF、−30℃を表す;“d”は、TsCl、Py、4−DMAP、室温を表す;“e”は、NaN3、HMPA、DMF、70℃を表す;“f”は、酢酸/水(8:2)、還流を表す;“g”は、BzCl、Py、4−DMAP、室温を表す;“h”は、NBS、アセトン/水(8:2)、−30℃を表す;“I”は、CCl3CN、DBU、DCM、0℃を表す)。
【0226】
C2−ヒドロキシルおよびC3−ヒドロキシルのイソプロピリデンによる選択的保護(2,2−ジメトキシプロパン/アセトン、CSA)の後、残っている第一級アルコールの酸化を、Dess−Martinペルヨージナン(DMP、ジクロロメタン)を使用して行って、アルデヒド化合物8を2工程について70%の単離収率で得た。化合物8をMeMgBrにより処理して、対応する第二級アルコールを88%の単離収率でC5−ジアステレオマーの混合物(4:1の比率)として得た。この混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって分離し、主成分ジアステレオマーを、別々にC5位での絶対的立体化学の割り当てに供した(下記参照)。本研究では、主成分ジアステレオマーおよび少量成分ジアステレオマーが(R)−配置および(S)−配置をそれぞれ示すことが立証された(化合物(R)−9および化合物(S)−10)。
【0227】
スキーム2におけるその後の工程をそれぞれのジアステレオマーに対して別々に行った。第二級アルコールのトシル化(TsCl、ピリジン、4−DMAP)の後、対応するトシラート(化合物(R)−11および化合物(S)−12)のNaN
3によるS
N2置換(DMF、HMPA)を行って、反転した配置を有するアジドの化合物(S)−13および化合物(R)−14を得た。イソプロピリデンケタールの酢酸水溶液による加水分解、その後、生じた第二級アルコールのベンゾイル化を行って、ベンゾアートの化合物(S)−15および化合物(R)−16を得た。プソイド三糖のNB30およびNB54の組立てに関する初期の研究では、所望されるC5受容体はグリコシル化反応において反応性がより小さく、トリクロロアセトイミダート型供与体が満足すべき結果を与えたことが明らかにされている。
【0228】
ただし、供与体としてのチオグリコシド型供与体(例えば、(S)−15および(R)−16など)(上記のスキーム2を参照のこと)を使用するグリコシル化反応は、N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(HOTf)、または、NISおよびトリフル酸銀(AgOTf)を含む様々なグリコシル化試薬の存在下で行われ得るものとする。
【0229】
したがって、チオグリコシドの化合物(S)−15および(R)−16は、対応するトリクロロアセトイミダートの化合物(S)−17および(R)−18に、2つの連続する工程で、すなわち、アセトン水溶液中でのNBSによる加水分解、および、生じたヘミアセタールのDBU存在下でのCCl
3CNによる処理で変換された。供与体の化合物(S)−17および(R)−18を、さらに精製することなくグリコシル化反応において使用した。
【0230】
例示的なプソイド三糖の化合物NB118、NB119、NB122およびNB123の合成を、下記のスキーム3に例示されるように、本質的には同じ化学的転換を使用することによって、以前の報告(国際公開第2007/113841号)に示されるような対応する選択的に保護されたプソイド二糖受容体の化合物19および20と、供与体の化合物(S)−17および(R)−18とから達成した(スキーム3において、“a”は、BF
3・Et
2O、DCM、4Å MS、−20℃を表す;“b”は、MeNH
2−EtOH、室温を表す;“c”は、PMe
3、NaOH、THF、室温を表す)。
【0231】
ルイス酸(BF
3・Et
2O/DCM)により促進されるグリコシル化により、保護されたプソイド三糖化合物21〜24を、排他的に新たに生じたグリコシド結合におけるベータ−アノマーとして、79%〜85%の単離収率で得た。その後、2つの逐次的脱保護工程、すなわち、すべてのエステル保護を除くためのメチルアミンによる処理、および、アジドを対応するアミンに変換するためのStaudinger反応(Me
3P、THF/NaOH)により、標的化合物のNB118、NB119、NB122およびNB123を2工程について79%〜82%の単離収率で得た。
【0232】
すべての例示的化合物の構造、すなわち、NB118、NB119、NB122、NB123、NB124、NB125、NB127およびNB128の構造を、質量スペクトル分析と一緒に、2D
1H−
13C HMQCおよびHMBC、2D COSY、ならびに、1D選択的TOCSYの各実験を含む、1D−NMRおよび2D−NMRの様々な技術の組合せによって確認した(ESMを参照のこと)。
【0233】
図1A〜
図1Cは下記のものを表す:C5−ジアステレオマーエステル(R,X)−27および(S,X)−28の合成計画、試薬ならびに条件(条件において、“a”は、DCC、4−DMAP、CSA、DCM、室温を表す)(
図1A);(R,X)−27および(S,X)−28の
1H−NMRスペクトル(スペクトルにおいて、(R,X)−27および(S,X)−28の特定プロトン間における化学シフトの差(Δδ)が強調されている)(
図1B);およびセクター則による主成分アルコール化合物9の(Xによって表される)5−炭素における絶対配置の割り当て(
図1C)。
【0234】
化合物9および10(スキーム2を参照のこと)における側鎖C5−アルコールにおける立体化学の割り当てについて、主生成物の化合物9を、以前に報告された手順に従って、既知の絶対的立体化学を有する(R)−2−メトキシ−2(1−ナフチル)プロパン酸(R)−MαNPおよび(S)−MαNPとの(DCC、4−DMAP、CSAを使用する)カップリングに別個に供して、対応するエステル(R,X)−MαNP−27および(S,X)−MαNP−28を得た(
図1Aを参照のこと)。その後、(Xによって表される)C5位の絶対配置を、
1H−NMR異方性法を使用することによって決定した(
図1B〜
図1C):化学シフトの差[Δδ=δ(R,X)−δ(S,X)]がH−3(−0.15)およびH−4(−0.30)については負であり、一方で、H−6(+0.28)についての化学シフトの差は正であった。その後、セクター則に従った(R,X)−MαNP−27および(S,X)−MαNP−28の各構造の配置(
図1Cを参照のこと;OMαNPおよびH−5は前方および後方にそれぞれ位置し、一方で、Δδ正部分はMαNP面の右側であり、Δδ負部分は左側である)により、化合物9におけるC5のR−配置(X=R)が確認された。
【0235】
類似する合成手順および合成の基本原理に従って、プソイド三糖のNB124、NB125、NB127およびNB128の合成を、下記のスキーム3に例示されるのと本質的には同じ化学的転換を使用することによって、以前に報告された(国際公開第2007/113841号)対応する選択的に保護されたプソイド二糖受容体化合物219および220と、供与体化合物(S)−17および(R)−18とから達成した(下記のスキーム4を参照のこと)(スキーム4において、“a”は、BF
3・Et
2O、DCM、4Å MS、−20℃を表す;“b”は、MeNH
2−EtOH、室温を表す;“c”は、PMe
3、NaOH、THF、室温を表す)。
【0236】
材料および方法:
反応を全てアルゴン雰囲気下で実施し、特に明記しない限り、無水溶媒を使用した。
【0237】
化学薬品は全て、特に明記しない限り、Sigma−Aldrich,Flukaなどの一般の販売業者から得た。
【0238】
反応をシリカゲル60F
254(0.25mm、Merck)でのTLCによってモニターし、スポットを、(NH
4)Mo
7O
24・4H
2O(120グラム)および(NH
4)
2Ce(NO
3)
6(5グラム)を10%H
2SO
4(800ml)中に含有する黄色溶液による炭化によって可視化した。
【0239】
カラムクロマトグラフィーをシリカゲル60(70〜230メッシュ)で行った。
【0240】
1D−および2D−NMRスペクトルを、Bruker Avance(商標)500分光計で常法により記録した。
【0241】
質量スペクトル分析を、Bruker Daltonix Apex3質量分析計で電子スプレーイオン化(ESI)のもとで、または、TSQ−70B質量分析計(Finnigan Mat)によって行った。
【0242】
すべての生物学的試験において、すべての試験されたアミノグリコシドはそれらの硫酸塩形態であった。報告された濃度は各アミノグリコシドの遊離アミン形態の濃度を示す。
【0243】
4−メチルフェニル・2,3−O−1−メチルエチリデン−1−チオ−β−D−リボペントジアルド−1,4−フラノシド(化合物8)の調製:
アセトン(500ml)中の4−メチルフェニル・1−チオ−β−D−リボフラノシド(化合物7、25グラム、0.097mol)および1,1−ジメトキシプロパン(22.3ml、0.39mol)の混合物を室温で約5分間撹拌し、その後、触媒量のCSA(1.0グラム)と、MgSO
4(5.0グラム)とを加えた。反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を5時間後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、所望される2,3−イソプロピリデン誘導体を82%の収率で得た(23.5グラム)。
【0244】
【0245】
【0246】
【0247】
上記工程の生成物(22グラム、0.074mol)をジクロロメタン(500ml)中室温で撹拌し、これにDess−Martinペルヨージナン(DMP、34.6グラム、0.082mol)およびMgSO
4(5.0グラム)を加えた。反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物をエーテルにより希釈し、飽和NaHCO
3、Na
2S
2O
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物8を得た(18.0グラム、85%の収率)。
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
4−メチルフェニル・6−デオキシ−2,3−O−1−メチルエチリデン−1−チオ−β−D−アロフラノシド(化合物(R)−9)および4−メチルフェニル・6−デオキシ−2,3−O−1−メチルエチリデン−1−チオ−α−L−タロフラノシド(化合物(S)−10)の調製:
アルデヒド化合物8(17グラム、0.057mol)をTHF(200ml)において−30℃で30分間撹拌し、これに、MeMgBrの溶液(THF/トルエンにおける1.4M、235ml、0.171mol)を注射器により滴下した。反応混合物を同じ温度で2時間撹拌し、進行をTLCによってモニターした。完了後、反応混合物を飽和NH
4Clにより停止処理し、酢酸エチルにより抽出した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、比率が4:1の2つのC5−ジアステレオマーを88%の収率で得た:主生成物の化合物(5R)−9(13グラム、R
f=0.38(EtOAc/ヘキサン、1:4))および少量生成物の化合物(5S)−10(3グラム、R
f=0.48(EtOAc/ヘキサン、1:4))。C5位の絶対配置を、下記の
1H−NMR異方性法を使用することによって決定した。
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
【0257】
【0258】
C5位の絶対配置を割り当てるためのエステル、化合物(R,X)−27および化合物(S,X)−28の調製:
(R)−2−メトキシ−2(1−ナフチル)プロパン酸[(R)−MαNP]または(S)−MαNP(0.07グラム、0.0003mol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.05グラム、0.0004mol)、10−ショウノウスルホン酸(CSA、0.025グラム)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.240グラム、0.0016mol)の混合物をCH
2Cl
2(30ml)中0℃で撹拌した。上記から得られる主成分アルコール9(0.1グラム、0.0003mol)をCH
2Cl
2(5ml)に溶解し、上記の撹拌溶液にゆっくり加え、反応液を室温で一晩放置した。混合物をEtOAcにより希釈し、1%HCl溶液、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、所望されるエステルの化合物(R,X)−27(0.135グラム、80%)または化合物(S,X)−28(0.138グラム、80%)を得た。
【0259】
【0260】
【0261】
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
4−メチルフェニル・6−デオキシ−5−O−トシル−2,3−O−1−メチルエチリデン−1−チオ−β−D−アロフラノシド(化合物(R)−11)の調製:
ピリジン(200ml)中の化合物(R)−9(13グラム、0.041mol)の0℃での撹拌溶液に、トシルクロリド(15.6グラム、0.082mol)および4−DMAP(1グラム)を加えた。反応温度を室温に上げ、進行をTLCによってモニターした。完了後(36時間後)、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、1%HCl水溶液、飽和NaHCO
3および食塩水により順次洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(R)−11(16.0グラム)を82%の収率で得た。
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
4−メチルフェニル・6−デオキシ−5−O−トシル−2,3−O−1−メチルエチリデン−1−チオ−α−L−アロフラノシド(化合物(S)−12)の調製:
ピリジン(200ml)中の化合物(S)−10(10グラム、0.032mol)の0℃での撹拌溶液に、トシルクロリド(15.6グラム、0.082mol)および4−DMAP(1グラム)を加えた。反応温度を室温に上げ、進行をTLCによってモニターした。完了後(36時間後)、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、1%HCl水溶液、飽和NaHCO
3および食塩水により順次洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(S)−12(14.0グラム)を88%の収率で得た。
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
4−メチルフェニル・5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−1−メチルエチリデン−1−チオ−α−L−タロフラノシド(化合物(S)−13)の調製:
DMF(250ml)中の化合物(R)−11(15グラム、0.032mol)の撹拌溶液に、室温でNaN
3(10グラム、0.15mol)およびHMPA(15ml)を加えた。反応温度を70℃に上げ、進行をTLCによってモニターした。完了後(10時間後)、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、1%HCl水溶液、飽和NaHCO
3および食塩水により順次洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(S)−13(6グラム)を55%の収率で得た。
【0274】
【0275】
【0276】
【0277】
4−メチルフェニル・5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−1−メチルエチリデン−1−チオ−β−D−アロフラノシド(化合物(R)−14)の調製:
DMF(250ml)中の化合物(S)−12(13グラム、0.028mol)の撹拌溶液に、室温でNaN
3(10グラム、0.15mol)およびHMPA(13ml)を加えた。反応温度を70℃に上げ、進行をTLCによってモニターした。完了後(10時間後)、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、1%HCl水溶液、飽和NaHCO
3および食塩水により順次洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(R)−14(9グラム)を97%の収率で得た。
【0278】
【0279】
【0280】
【0281】
4−メチルフェニル・5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−1−チオ−α−L−タロフラノシド(化合物(S)−15)の調製:
化合物(S)−13(6グラム、0.018mol)を酢酸−水の混合物(100ml、8:2)において70℃で一晩撹拌した。反応の進行をTLCによってモニターし、完了後、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、所望されるイソプロピリデン脱保護生成物(5グラム)を96%の収率で得た。
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
上記工程の生成物をピリジン(200ml)中0℃で撹拌し、これに、BzCl(7.14グラム、0.051mol)および4−DMAP(1グラム)をゆっくり加えた。反応温度を室温に上げ、一晩撹拌した。反応の進行をTLCによってモニターし、完了後、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、1%HCl溶液、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(S)−15(8.0グラム)を94%の収率で得た。
【0286】
【0287】
【0288】
【0289】
4−メチルフェニル・5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−1−チオ−β−D−アロフラノシド(化合物(R)−16)の調製:
化合物(R)−14(8グラム、0.023mol)を酢酸−水の混合物(100ml、8:2)において70℃で一晩撹拌した。反応の進行をTLCによってモニターし、完了後、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、所望されるイソプロピリデン脱保護生成物(6.5グラム)を92%の収率で得た。
【0290】
【0291】
【0292】
【0293】
上記工程の生成物をピリジン(200ml)中0℃で撹拌し、これに、BzCl(7.14グラム、0.051mol)および4−DMAP(1グラム)をゆっくり加えた。反応温度を室温に上げ、一晩撹拌した。反応の進行をTLCによってモニターし、完了後、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、1%HCl溶液、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(R)−16(9.5グラム)を93%の収率で得た。
【0294】
【0295】
【0296】
【0297】
L−タロフラノース,5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−ジベンゾアート・1−(2,2,2−トリクロロエタンイミダート)(化合物(S)−17)の調製:
化合物(S)−15(8グラム、0.016mol)をアセトン−水の混合物(100ml、9:1)中−30℃で10分間撹拌し、これに、N−ブロモスクシンイミド(9.16グラム、0.051mol)をゆっくり加えた。反応混合物を同じ温度で撹拌し、進行をTLCによってモニターした。完了後(3時間後)、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3、飽和Na
2S
2O
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮して、6.3グラムの対応するヘミアセタールを得た。このヘミアセタールをジクロロメタン(40ml)およびトリクロロアセトニトリル(5ml)の混合物において0℃で10分間撹拌し、これに、触媒量のDBU(0.3ml)を加えた。反応混合物を同じ温度で撹拌し、進行をTLCによってモニターした。完了後(3時間後)、反応混合物をDCMにより希釈し、飽和NH
4Clにより洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮して、化合物(S)−17(9グラム)を得た。この粗生成物を、精製することなくグリコシル化反応のためにそのまま使用した。
【0298】
D−アロフラノース,5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−ジベンゾアート・1−(2,2,2−トリクロロエタンイミダート)(化合物(R)−18)の調製:
化合物(R)−16(9グラム、0.018mol)をアセトン−水の混合物(100ml、9:1)中−30℃で10分間撹拌し、これに、N−ブロモスクシンイミド(9.0グラム、0.050mol)をゆっくり加えた。反応混合物を同じ温度で撹拌し、進行をTLCによってモニターした。完了後(3時間後)、反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3、飽和Na
2S
2O
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮して、6.5グラムの対応するヘミアセタールを得た。このヘミアセタールをジクロロメタン(50ml)およびトリクロロアセトニトリル(6ml)の混合物において0℃で10分間撹拌し、これに、触媒量のDBU(0.3ml)を加えた。反応混合物を同じ温度で撹拌し、進行をTLCによってモニターした。完了後(3時間後)、反応混合物をDCMにより希釈し、飽和NH
4Clにより洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮して、化合物(R)−18(9グラム)を得た。この粗生成物を、精製することなくグリコシル化反応のためにそのまま使用した。
【0299】
5−O−(5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−α−L−タロフラノシル)−3’,4’,6’,6−テトラ−O−アセチル−2’,1,3−トリアジドパロマミン(化合物(S)−21)の調製:
無水CH
2Cl
2(15ml)を、粉末化された火炎乾燥の4Åモレキュラーシーブ(2.0グラム)に加え、その後、受容体化合物19(0.75グラム、0.0013mol)および供与体化合物(S)−17(2.1グラム、0.0039mol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、−20℃に冷却した。触媒量のBF
3−Et
2O(0.1ml)を加え、混合物を−15℃で撹拌し、反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を60分後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(S)−21(1.0グラム)を80%の収率で得た。
【0300】
【0301】
【0302】
【0303】
5−O−(5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−β−D−アロフラノシル)−3’,4’,6’,6−テトラ−O−アセチル−2’,1,3−トリアジドパロマミン(化合物(R)−22)の調製:
無水CH
2Cl
2(15ml)を、粉末化された火炎乾燥の4Åモレキュラーシーブ(2.0グラム)に加え、その後、受容体化合物19(0.75グラム、0.0013mol)および供与体化合物(R)−18(2.1グラム、0.0039mol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、−20℃に冷却した。触媒量のBF
3−Et
2O(0.1ml)を加え、混合物を−15℃で撹拌し、反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を60分後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(R)−22(1.02グラム)を82%の収率で得た。
【0304】
【0305】
【0306】
【0307】
5−O−(5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−α−L−タロフラノシル)−3’,4’,6’,6−テトラ−O−アセチル−2’,3−ジアジド−1−N−[(S)−4−アジド−2−O−アセチル−ブタノイル]パロマミン(化合物(S)−23)の調製:
無水CH
2Cl
2(15ml)を、粉末化された火炎乾燥の4Åモレキュラーシーブ(2.0グラム)に加え、その後、受容体化合物20(1.0グラム、0.0014mol)および供与体化合物(S)−17(2.2グラム、0.0042mol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、−20℃に冷却した。触媒量のBF
3−Et
2O(0.1ml)を加え、混合物を−15℃で撹拌し、反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を60分後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(S)−23(1.19グラム)を79%の収率で得た。
【0308】
【0309】
【0310】
【0311】
5−O−(5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−β−D−アロフラノシル)−3’,4’,6’,6−テトラ−O−アセチル−2’,3−ジアジド−1−N−[(S)−4−アジド−2−O−アセチル−ブタノイル]パロマミン(化合物(R)−24)の調製:
無水CH
2Cl
2(15ml)を、粉末化された火炎乾燥の4Åモレキュラーシーブ(2.0グラム)に加え、その後、受容体化合物20(1.0グラム、0.0014mol)および供与体化合物(R)−18(2.2グラム、0.0042mol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、−20℃に冷却した。触媒量のBF
3−Et
2O(0.1ml)を加え、混合物を−15℃で撹拌し、反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を60分後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(R)−24(1.27グラム)を89%の収率で得た。
【0312】
【0313】
【0314】
【0315】
5−O−(5−アミノ−5,6−ジデオキシ−α−L−タロフラノシル)パロマミン(NB118)の調製:
グリコシル化生成物の化合物(S)−21(1.0グラム、0.001mol)をMeNH
2の溶液(EtOH中33%の溶液、50ml)により処理し、反応の進行をTLC(EtOAc/MeOH、85:15)によってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をTHF(5ml)およびNaOH水溶液(1mM、5.0ml)の混合物に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe
3(THF中1Mの溶液、5.0ml、5.0mmol)を加えた。反応の進行をTLC[CH
2Cl
2/MeOH/H
2O/MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)、10:15:6:15]によってモニターした。TLCは完了を1時間後に示した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを下記の溶媒により洗浄した:THF(800ml)、CH
2Cl
2(800ml)、EtOH(200ml)およびMeOH(400ml)。その後、生成物を20%MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)/80%MeOHの混合物により溶出した。生成物を含有する分画物を一緒にし、濃縮乾固させた。残渣を少量の水に再溶解し、再び濃縮し(2回〜3回反復)、遊離アミン形態のNB118を得た。
【0316】
上記生成物をAmberlite CG50(NH
4+型)の短いカラムに通すことによって、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初、MeOH/H
2O(3:2)の混合物により洗浄し、その後、生成物をMeOH/H
2O/NH
4OH(80:10:10)の混合物により溶出して、NB118を得た(0.405グラム、82%の収率)。
【0317】
貯蔵および生物学的試験用に、化合物をその硫酸塩形態に変換した:遊離塩基を水に溶解し、pHをH
2SO
4(0.1N)でおよそ7.0に調節し、凍結乾燥した。[α]
D20=+38.4(c=0.2、MeOH)。
【0318】
【0319】
【0320】
【0321】
5−O−(5−アミノ−5,6−ジデオキシ−β−D−アロフラノシル)パロマミン(NB119)の調製:
グリコシル化生成物の化合物(R)−22(1.0グラム、0.001mol)をMeNH
2の溶液(EtOH中33%の溶液、50ml)により処理し、反応の進行をTLC(EtOAc/MeOH、85:15)によってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をTHF(5ml)およびNaOH水溶液(1mM、5.0ml)の混合物に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe
3(THF中1Mの溶液、5.0ml、5.0mmol)を加えた。反応の進行をTLC[CH
2Cl
2/MeOH/H
2O/MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)、10:15:6:15]によってモニターした。TLCは完了を1時間後に示した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを下記の溶媒により洗浄した:THF(800ml)、CH
2Cl
2(800ml)、EtOH(200ml)およびMeOH(400ml)。その後、生成物を20%MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)/80%MeOHの混合物により溶出した。生成物を含有する分画物を一緒にし、濃縮乾固させた。残渣を少量の水に再溶解し、再び濃縮し(2回〜3回反復)、遊離アミン形態のNB119(NB119としても言及する)を得た。
【0322】
上記生成物をAmberlite CG50(NH
4+型)の短いカラムに通すことによって、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初、MeOH/H
2O(3:2)の混合物により洗浄し、その後、生成物をMeOH/H
2O/NH
4OH(80:10:10)の混合物により溶出して、NB119を得た(0.398グラム、80%の収率)。
【0323】
貯蔵および生物学的試験用に、化合物をその硫酸塩形態に変換した:遊離塩基を水に溶解し、pHをH
2SO
4(0.1N)でおよそ7.0に調節し、凍結乾燥した。[α]
D20=+37.0(c=0.2、MeOH)。
【0324】
【0325】
【0326】
【0327】
5−O−(5−アミノ−5,6−ジデオキシ−α−L−タロフラノシル)−1−N−[(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ−ブタノイル]パロマミン(NB122)の調製:
グリコシル化生成物の化合物(S)−23(1.1グラム、0.001mol)をMeNH
2の溶液(EtOH中33%の溶液、50ml)により処理し、反応の進行をTLC(EtOAc/MeOH、85:15)によってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をTHF(5ml)およびNaOH水溶液(1mM、5.0ml)の混合物に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe
3(THF中1Mの溶液、5.0ml、5.0mmol)を加えた。反応の進行をTLC[CH
2Cl
2/MeOH/H
2O/MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)、10:15:6:15]によってモニターした。TLCは完了を1時間後に示した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを下記の溶媒により洗浄した:THF(800ml)、CH
2Cl
2(800ml)、EtOH(200ml)およびMeOH(400ml)。その後、生成物を20%MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)/80%MeOHの混合物により溶出した。生成物を含有する分画物を一緒にし、濃縮乾固させた。残渣を少量の水に再溶解し、再び濃縮し(2回〜3回反復)、遊離アミン形態のNB122を得た。
【0328】
上記生成物をAmberlite CG50(NH
4+型)の短いカラムに通すことによって、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初、MeOH/H
2O(3:2)の混合物により洗浄し、その後、生成物をMeOH/H
2O/NH
4OH(80:10:10)の混合物により溶出して、NB122を得た(0.450グラム、79%の収率)。
【0329】
貯蔵および生物学的試験用に、化合物をその硫酸塩形態に変換した:遊離塩基を水に溶解し、pHをH
2SO
4(0.1N)でおよそ7.0に調節し、凍結乾燥した。[α]
D20=+35.4(c=0.2、H
2O)。
【0330】
【0331】
【0332】
【0333】
5−O−(5−アミノ−5,6−ジデオキシ−β−D−アロフラノシル)−1−N−[(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ−ブタノイル]パロマミン(NB123)の調製:
グリコシル化生成物の化合物(R)−24(1.2グラム、0.0011mol)をMeNH
2の溶液(EtOH中33%の溶液、50ml)により処理し、反応の進行をTLC(EtOAc/MeOH、85:15)によってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をTHF(5ml)およびNaOH水溶液(1mM、5.0ml)の混合物に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe
3(THF中1Mの溶液、5.0ml、5.0mmol)を加えた。反応の進行をTLC[CH
2Cl
2/MeOH/H
2O/MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)、10:15:6:15]によってモニターした。TLCは完了を1時間後に示した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを下記の溶媒により洗浄した:THF(800ml)、CH
2Cl
2(800ml)、EtOH(200ml)およびMeOH(400ml)。その後、生成物を20%MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)/80%MeOHの混合物により溶出した。生成物を含有する分画物を一緒にし、濃縮乾固させた。残渣を少量の水に再溶解し、再び濃縮し(2回〜3回反復)、遊離アミン形態のNB123を得た。
【0334】
上記生成物をAmberlite CG50(NH
4+型)の短いカラムに通すことによって、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初、MeOH/H
2O(3:2)の混合物により洗浄し、その後、生成物をMeOH/H
2O/NH
4OH(80:10:10)の混合物により溶出して、NB123を得た(0.510グラム、82%の収率)。
【0335】
貯蔵および生物学的試験用に、化合物をその硫酸塩形態に変換した:遊離塩基を水に溶解し、pHをH
2SO
4(0.1N)でおよそ7.0に調節し、凍結乾燥した。[α]
D20=+32.2(c=0.2、H
2O)。
【0336】
【0337】
【0338】
【0339】
6’−(R)−メチル−5−O−(5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−α−L−タロフラノシル)−3’,4’,6’,6−テトラ−O−アセチル−2’,1,3−トリアジドパロマミン(化合物(S)−221)の調製:
無水CH
2Cl
2(15ml)を、粉末化された火炎乾燥の4Åモレキュラーシーブ(2.0グラム)に加え、その後、受容体化合物219(0.9グラム、0.0015mol)および供与体化合物(S)−17(2.0グラム、0.0037mol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、−20℃に冷却した。触媒量のBF
3−Et
2O(0.1ml)を加え、混合物を−15℃で撹拌し、反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を120分後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(S)−221(1.1グラム)を75%の収率で得た。
【0340】
【0341】
【0342】
【0343】
6’−(R)−メチル−5−O−(5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−β−D−アロフラノシル)−3’,4’,6’,6−テトラ−O−アセチル−2’,1,3−トリアジドパロマミン(化合物(R)−222)の調製:
無水CH
2Cl
2(15ml)を、粉末化された火炎乾燥の4Åモレキュラーシーブ(2.0グラム)に加え、その後、受容体化合物219(1.0グラム、0.0017mol)および供与体化合物(R)−18(2.2グラム、0.004mol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、−20℃に冷却した。触媒量のBF
3−Et
2O(0.1ml)を加え、混合物を−15℃で撹拌し、反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を120分後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(R)−222(1.2グラム)を75%の収率で得た。
【0344】
【0345】
【0346】
【0347】
6’−(R)−メチル−5−O−(5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−α−L−タロフラノシル)−3’,4’,6’,6−テトラ−O−アセチル−2’,3−ジアジド−1−N−[(S)−4−アジド−2−O−アセチル−ブタノイル]パロマミン(化合物(S)−223)の調製:
無水CH
2Cl
2(15ml)を、粉末化された火炎乾燥の4Åモレキュラーシーブ(2.0グラム)に加え、その後、受容体化合物220(1.0グラム、0.0014mol)および供与体化合物(S)−17(2.5グラム、0.0046mol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、−20℃に冷却した。触媒量のBF
3−Et
2O(0.1ml)を加え、混合物を−15℃で撹拌し、反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を60分後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(S)−223(1.1グラム)を73%の収率で得た。
【0348】
【0349】
【0350】
【0351】
6’−(R)−メチル−5−O−(5−アジド−5,6−ジデオキシ−2,3−O−ジベンゾイル−β−D−アロフラノシル)−3’,4’,6’,6−テトラ−O−アセチル−2’,3−ジアジド−1−N−[(S)−4−アジド−2−O−アセチル−ブタノイル]パロマミン(化合物(R)−224)の調製:
無水CH
2Cl
2(15ml)を、粉末化された火炎乾燥の4Åモレキュラーシーブ(2.0グラム)に加え、その後、受容体化合物220(1.0グラム、0.0014mol)および供与体化合物(R)−18(2.5グラム、0.0046mol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、−20℃に冷却した。触媒量のBF
3−Et
2O(0.1ml)を加え、混合物を−15℃で撹拌し、反応の進行をTLCによってモニターした。TLCは完了を90分後に示した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、飽和NaHCO
3および食塩水により洗浄した。一緒にした有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物(R)−224(1.15グラム)を76%の収率で得た。
【0352】
【0353】
【0354】
【0355】
6’−(R)−メチル−5−O−(5−アミノ−5,6−ジデオキシ−α−L−タロフラノシル)パロマミン(NB124)の調製:
グリコシル化生成物の化合物(S)−221(1.0グラム、0.001mol)をMeNH
2の溶液(EtOH中33%の溶液、50ml)により処理し、反応の進行をTLC(EtOAc/MeOH、85:15)によってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をTHF(5ml)およびNaOH水溶液(1mM、5.0ml)の混合物に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe
3(THF中1Mの溶液、5.0ml、5.0mmol)を加えた。反応の進行をTLC[CH
2Cl
2/MeOH/H
2O/MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)、10:15:6:15]によってモニターした。TLCは完了を1時間後に示した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを下記の溶媒により洗浄した:THF(800ml)、CH
2Cl
2(800ml)、EtOH(200ml)およびMeOH(400ml)。その後、生成物を20%MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)/80%MeOHの混合物により溶出した。生成物を含有する分画物を一緒にし、濃縮乾固させた。残渣を少量の水に再溶解し、再び濃縮し(2回〜3回反復)、遊離アミン形態のNB124を得た。
【0356】
上記生成物をAmberlite CG50(NH
4+型)の短いカラムに通すことによって、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初、MeOH/H
2O(3:2)の混合物により洗浄し、その後、生成物をMeOH/H
2O/NH
4OH(80:10:10)の混合物により溶出して、NB124を得た(0.400グラム、79%の収率)。
【0357】
貯蔵および生物学的試験用に、化合物をその硫酸塩形態に変換した:遊離塩基を水に溶解し、pHをH
2SO
4(0.1N)でおよそ7.0に調節し、凍結乾燥した。
【0358】
【0359】
【0360】
【0361】
6’−(R)−メチル−5−O−(5−アミノ−5,6−ジデオキシ−β−D−アロフラノシル)パロマミン(NB125)の調製:
グリコシル化生成物の化合物(R)−222(1.0グラム、0.001mol)をMeNH
2の溶液(EtOH中33%の溶液、50ml)により処理し、反応の進行をTLC(EtOAc/MeOH、85:15)によってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をTHF(5ml)およびNaOH水溶液(1mM、5.0ml)の混合物に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe
3(THF中1Mの溶液、5.0ml、5.0mmol)を加えた。反応の進行をTLC[CH
2Cl
2/MeOH/H
2O/MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)、10:15:6:15]によってモニターした。TLCは完了を1時間後に示した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを下記の溶媒により洗浄した:THF(800ml)、CH
2Cl
2(800ml)、EtOH(200ml)およびMeOH(400ml)。その後、生成物を20%MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)/80%MeOHの混合物により溶出した。生成物を含有する分画物を一緒にし、濃縮乾固させた。残渣を少量の水に再溶解し、再び濃縮し(2回〜3回反復)、遊離アミン形態のNB125を得た。
【0362】
上記生成物をAmberlite CG50(NH
4+型)の短いカラムに通すことによって、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初、MeOH/H
2O(3:2)の混合物により洗浄し、その後、生成物をMeOH/H
2O/NH
4OH(80:10:10)の混合物により溶出して、NB125を得た(0.398グラム、79%の収率)。
【0363】
貯蔵および生物学的試験用に、化合物をその硫酸塩形態に変換した:遊離塩基を水に溶解し、pHをH
2SO
4(0.1N)でおよそ7.0に調節し、凍結乾燥した。
【0364】
【0365】
【0366】
【0367】
6’−(R)−メチル−5−O−(5−アミノ−5,6−ジデオキシ−α−L−タロフラノシル)−1−N−[(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ−ブタノイル]パロマミン(NB127)の調製:
グリコシル化生成物の化合物(S)−223(1.05グラム、0.001mol)をMeNH
2の溶液(EtOH中33%の溶液、50ml)により処理し、反応の進行をTLC(EtOAc/MeOH、85:15)によってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をTHF(5ml)およびNaOH水溶液(1mM、5.0ml)の混合物に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe
3(THF中1Mの溶液、5.0ml、5.0mmol)を加えた。反応の進行をTLC[CH
2Cl
2/MeOH/H
2O/MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)、10:15:6:15]によってモニターした。TLCは完了を1時間後に示した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを下記の溶媒により洗浄した:THF(800ml)、CH
2Cl
2(800ml)、EtOH(200ml)およびMeOH(400ml)。その後、生成物を20%MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)/80%MeOHの混合物により溶出した。生成物を含有する分画物を一緒にし、濃縮乾固させた。残渣を少量の水に再溶解し、再び濃縮し(2回〜3回反復)、遊離アミン形態のNB127を得た。
【0368】
上記生成物をAmberlite CG50(NH
4+型)の短いカラムに通すことによって、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初、MeOH/H
2O(3:2)の混合物により洗浄し、その後、生成物をMeOH/H
2O/NH
4OH(80:10:10)の混合物により溶出して、NB127を得た(0.480グラム、86%の収率)。
【0369】
貯蔵および生物学的試験用に、化合物をその硫酸塩形態に変換した:遊離塩基を水に溶解し、pHをH
2SO
4(0.1N)でおよそ7.0に調節し、凍結乾燥した。
【0370】
【0371】
【0372】
【0373】
6’−(R)−メチル−5−O−(5−アミノ−5,6−ジデオキシ−β−D−アロフラノシル)−1−N−[(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ−ブタノイル]パロマミン(NB128)の調製:
グリコシル化生成物の化合物(R)−224(1.12グラム、0.001mol)をMeNH
2の溶液(EtOH中33%の溶液、50ml)により処理し、反応の進行をTLC(EtOAc/MeOH、85:15)によってモニターした。TLCは完了を8時間後に示した。反応混合物を濃縮乾固させ、残渣をTHF(5ml)およびNaOH水溶液(1mM、5.0ml)の混合物に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe
3(THF中1Mの溶液、5.0ml、5.0mmol)を加えた。反応の進行をTLC[CH
2Cl
2/MeOH/H
2O/MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)、10:15:6:15]によってモニターした。TLCは完了を1時間後に示した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムを下記の溶媒により洗浄した:THF(800ml)、CH
2Cl
2(800ml)、EtOH(200ml)およびMeOH(400ml)。その後、生成物を20%MeNH
2(EtOHにおける33%溶液)/80%MeOHの混合物により溶出した。生成物を含有する分画物を一緒にし、濃縮乾固させた。残渣を少量の水に再溶解し、再び濃縮し(2回〜3回反復)、遊離アミン形態のNB128を得た。
【0374】
上記生成物をAmberlite CG50(NH
4+型)の短いカラムに通すことによって、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初、MeOH/H
2O(3:2)の混合物により洗浄し、その後、生成物をMeOH/H
2O/NH
4OH(80:10:10)の混合物により溶出して、NB128を得た(0.500グラム、84%の収率)。
【0375】
貯蔵および生物学的試験用に、化合物をその硫酸塩形態に変換した:遊離塩基を水に溶解し、pHをH
2SO
4(0.1N)でおよそ7.0に調節し、凍結乾燥した。
【0376】
【0377】
【0378】
【0379】
実施例2
終止コドン読み過ごし
本明細書中上記で示されたように、アミノグリコシド誘導による読み過ごしの効率は、(i)終止コドンの正体(UGA>UAG>UAA)、(ii)終止コドンのすぐ下流側の最初のヌクレオチドの正体(C>U>A≧G)、および、(iii)終止コドンの周りの局所的な配列状況に大きく左右される。したがって、設計された構造の構造活性相関関係に関する広範な理解をもたらそうという試みにおいて、中途終止コドンの周りの異なる配列状況を含む様々な構築物を使用した。これらの例示的な配列は、USH1、CF、HSおよびDMDの根底にあるPCDH15遺伝子、CFTR遺伝子、IDUA遺伝子およびジストロフィン遺伝子にそれぞれ由来した。選ばれたこれらの疾患の広く認められるナンセンス突然変異は、本明細書中下記で示されるように、USH1についてはR3XおよびR245X、CFについてはG542XおよびW1282X、HSについてはQ70X、およびDMDについてはR3381Xであった。
【0380】
読み過ごしアッセイ:
試験されたナンセンス突然変異または対応する野生型(wt)コドンと、4から6個の上流側および下流側の隣接コドンとを含む、PCDH15、CFTR、ジストロフィンおよびIDUAのcDNAに由来するDNAフラグメントを、相補的オリゴヌクレオチドの下記の対をアニーリングすることによって作製した:
【0381】
フラグメントを、p2Lucプラスミドのポリリンカーの中に読み枠を合わせて、BamHI制限部位とSacI制限部位との間(p.R3Xおよびp.R245X)、または、SalI制限部位とSacI制限部位との間(残りすべて)でのどちらかで挿入した。
【0382】
インビトロ読み過ごしアッセイのために、得られたプラスミドに、試験アミノグリコシドを添加して、TNT Reticulocyte Lysate Quick Coupled Transcription/Translation Systemを使用して転写し、翻訳した。ルシフェラーゼ活性を、Dual Luciferase Reporter Assay System(Promega(商標))を使用して30℃での90分のインキュベーションの後で求めた。
【0383】
エクスビボ読み過ごしアッセイのために、R3X、R245X、Q70XおよびW1282X突然変異を有する各構築物を、Lipofectamine 2000(Invitrogen)を用いてHEK−293細胞にトランスフェクションし、試験化合物の添加をトランスフェクションの6時間後に行った。細胞を試験アミノグリコシドとの16時間のインキュベーションの後で集めた。終止コドン読み過ごしを以前の記載のように計算した(Grentzmann,G.ら、RNA、1998、4、479頁を参照のこと)。
【0384】
読み過ごし結果:
最初に、読み過ごし能に対するキラルなC5”−メチル基の影響を、本明細書中上記で記載されるような二重ルシフェラーゼレポーターアッセイシステムを使用することによってプソイド三糖のNB118およびNB119に対して評価した。簡単に記載すると、DNAフラグメントを、p2lucベクターのBamHI制限部位とSacI制限部位との間にクローン化し、得られた構築物を、TNT迅速共役転写/翻訳システムを使用して転写し、翻訳した。翻訳産物の量を、二重ルシフェラーゼレポーターアッセイシステムを使用して評価し、抑制レベルを計算するために使用した。少なくとも3回の独立した実験の平均を表す結果を
図2A〜
図2Fにまとめる。
【0385】
図2A〜
図2Fは終止コドン読み過ごしアッセイの結果を示しており、様々な遺伝性疾患(括弧内)を表す一連のナンセンス突然変異状況構築物において、NB30(白丸によって表示される)、NB118(黒三角によって表示される)、NB119(白三角によって表示される)および対照薬物ゲンタマイシン(黒四角によって表示される)によって誘導されるインビトロ終止コドン抑制レベルの比較グラフを示し、R3X(USH1)構築物に関する結果が
図2Aに示され、R245X(USH1)構築物に関する結果が
図2Bに示され、G542X(CF)構築物に関する結果が
図2Cに示され、W1282X(CF)構築物に関する結果が
図2Dに示され、Q70X(HS)構築物に関する結果が
図2Eに示され、R3381X(DMD)構築物に関する結果が
図2Fに示される。
【0386】
図2A〜
図2Fにおいて認められ得るように、試験されたすべての突然変異において、NB30における、NB118でのような(S)−5”−メチル基の設置は、そのインビトロ読み過ごし活性を劇的に増大させ、これに対して、NB119でのような(R)−5”−メチル基の設置による増大は比較的小さい。加えて、試験されたすべての突然変異において(ただし、G542Xを除く。
図2Cを参照のこと)、NB118の読み過ごし活性は、臨床薬物ゲンタマイシンの読み過ごし活性よりも顕著に良好であった。
【0387】
同じ効力増強(これは(S)−5”−メチル基の付加に起因すると考えられる)をNB54の場合において詳しく調べた。C5”位の立体化学の影響を評価するために、両方のC5”−ジアステレオマーを合成した(すなわち、NB122およびNB123)。プソイド三糖(NB54、NB122、NB123)および対照薬物ゲンタマイシンの比較インビトロ抑制試験を、NB30、NB54およびNB118の各化合物について本明細書中上記で記載したのと同じ実験条件のもとで行った。観察されたデータ(少なくとも3回の独立して実験の平均)を
図3A〜
図3Fに示す。
【0388】
図3A〜
図3Fは終止コドン読み過ごしアッセイの結果を示しており、様々な遺伝性疾患(括弧内)を表す一連のナンセンス突然変異状況構築物において、NB54(黒丸によって表示される)、NB122(黒三角によって表示される)、NB123(白三角によって表示される)および対照薬物ゲンタマイシン(黒四角によって表示される)によって誘導されるインビトロ終止コドン抑制レベルの比較グラフを示し、R3X(USH1)構築物に関する結果が
図3Aに示され、R245X(USH1)構築物に関する結果が
図3Bに示され、G542X(CF)構築物に関する結果が
図3Cに示され、W1282X(CF)構築物に関する結果が
図3Dに示され、Q70X(HS)構築物に関する結果が
図3Eに示され、R3381X(DMD)構築物に関する結果が
図3Fに示される。
【0389】
図3A〜
図3Fにおいて認められ得るように、読み過ごしの効力は、試験された種々の構築物および化合物の間で実質的に異なっており、アミノグリコシド上に導入された修飾のタイプに対する読み過ごし有効性の明白な依存性は何ら認められない。それにもかかわらず、試験されたすべての突然変異において(ただし、R3XおよびQ70Xを除く。
図3Aおよび
図3Eを参照のこと)、NB122は最高レベルの読み過ごしを誘導し、NB123、NB54およびゲンタマイシンが続いた。UGACのテトラコドン配列(R3X)はUGAAおよびUGAGよりも最良の翻訳読み過ごしを示し、UAGCテトラコドンは効率が最も小さく、これらは以前の観察結果と一致していた。
【0390】
NB122およびNB123の読み過ごし能をさらに評価するために、それらの活性を、USH1のPCDH15−R3XおよびPCDH15−R245Xナンセンス突然変異、HSのIDUA−Q70Xナンセンス突然変異、ならびに、CFのCFTR−W1282Xナンセンス突然変異を有する4つの異なる二重ルシフェラーゼレポータープラスミドを使用して培養哺乳動物細胞においてアッセイした。これらのレポーター構築物は、インビトロ研究について本明細書中上記で示したのと同じものであり、単一レポーター分析または直接のタンパク質解析の利点を上回る、正常配列とナンセンス含有配列との間でのmRNAレベルの違いについて制御するための明白な利点を有する。
【0391】
構築物をヒト胚性腎臓細胞株(HEK−293)にトランスフェクションし、様々な濃度のNB122、NB123、NB54および対照薬物ゲンタマイシンとインキュベーションした。結果を
図4A〜
図4Dに示す。
【0392】
図4A〜
図4Dは、NB54(黒丸によって表示される)、NB122(黒三角によって表示される)、NB123(白三角によって表示される)および対照薬物ゲンタマイシン(黒四角によって表示される)によって達成されるPCDH15−R3Xナンセンス突然変異のエクスビボ抑制(
図4A)、PCDH15−R245Xナンセンス突然変異のエクスビボ抑制(
図4B)、IDUA−Q70Xナンセンス突然変異のエクスビボ抑制(
図4C)およびCFTR−W1282Xナンセンス突然変異のエクスビボ抑制(
図4D)を示す。
【0393】
本明細書中上記で記載されるように、R3X突然変異、R245X突然変異、Q70X突然変異およびW1282X突然変異を有するp2lucプラスミドの各構築物を、リポフェクタミン2000を使用してHEK−293細胞にトランスフェクションし、試験化合物をトランスフェクションの6時間後に加えた。細胞を16時間のインキュベーションの後で集め、ルシフェラーゼ活性を、二重ルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega(商標))を使用して求めた。終止コドン読み過ごしを以前の記載のように計算した。結果は少なくとも3回の独立した実験の平均である。
【0394】
図4A〜
図4Fにおいて認められ得るように、試験された突然変異のすべてにおいて、アミノグリコシド誘導による読み過ごしの認められた効力は、NB122≧NB123>NB54>ゲンタマイシンの順であった。NB122およびNB123についてのこの傾向は、NB122およびNB123間における効力差のギャップがたとえ、無細胞抽出物における同じ突然変異の抑制について認められるギャップより小さかったとしても、同じ終止突然変異のインビトロでの抑制について認められる傾向と類似していた(
図3A〜
図3Fを参照のこと)。
【0395】
R3XおよびQ70XにおけるNB54の読み過ごし効力を上回る、NB122およびNB123の両方について認められる顕著に高い読み過ごし効力(
図4Aおよび
図4Cを参照のこと)は、インビトロにおける同じ突然変異の読み過ごし効力(
図3Aおよび
図3E)に対してかなり異なっていた。このデータは、NB122およびNB123の両方の細胞透過性が、5”−メチル基の存在のために、NB54の細胞透過性を上回ってより良好であることを示し得る。
【0396】
(R)−6’−メチル基とN1−AHBを含む1つの分子に組み入れる上記ファルマコフォア点のいくつかの組合せにより、既知化合物のNB84が得られ、N1−AHBが(S)−5”−メチル基および(R)−5”−メチル基を伴う場合は、本発明のいくつかの実施形態による例示的な化合物、すなわち、NB122およびNB123が得られた。これらすべての例示的な化合物は、元の構造よりも著しく改善された読み過ごし活性を示し、一方で、生じた新規な構造体の細胞毒性はあまり変化しなかったことが示されている。本研究の目的の1つが、上記構成要素のさらなる組合せを試験することであった。そのようなものとして、(R)−6’−メチル基を1つの分子の中に(S)−5”−メチル基または(R)−5”−メチル基のどちらかと組み合わせること。その目的のために、例示的な化合物NB124および化合物NB125が調製され、試験されている。後者の2つのキラルなメチル基をN1−AHB基と組み合わせることにより、2つの例示的な化合物NB127および化合物NB128が得られた。
【0397】
前回のシリーズと同様、読み過ごし能に対する2つのキラルなメチル基の影響を、本明細書中上記で記載されるような二重ルシフェラーゼレポーターアッセイシステムを使用することによってプソイド三糖のNB124[(R)−6’,(S)−5”]およびNB125[(R)−6’,(R)−5”]に対してインビトロで評価した。結果を
図5A〜
図5Bおよび
図6A〜
図6Fに示す。
【0398】
図5A〜
図5Dは、本発明のいくつかの実施形態による例示的な化合物のNB124(黒丸によって表示される)、NB125(白丸によって表示される)、NB127(黒三角によって表示される)、NB128(白三角によって表示される)、NB74(白菱形によって表示される)、NB84(黒菱形によって表示される)、ならびに、対照薬物のゲンタマイシン(黒四角によって表示される)およびG418(白四角によって表示される)によって達成される、CFTR−G542X(
図5Aおよび
図5C)、CFTR−W1282X(
図5Bおよび
図5D)のインビトロ中途終止コドン突然変異抑制アッセイの結果の比較プロットを示す。
【0399】
図6A〜
図6Fは終止コドン読み過ごしアッセイの結果を示しており、様々な遺伝性疾患(括弧内)を表す一連のナンセンス突然変異状況構築物において、NB124(黒丸によって表示される)、NB125(白丸によって表示される)、NB74(白菱形によって表示される)および対照薬物ゲンタマイシン(黒四角によって表示される)によって誘導されるインビトロ終止コドン読み過ごしレベルの比較グラフを示し、R3X(USH1)構築物に関する結果が
図6Aに示され、R245X(USH1)構築物に関する結果が
図6Bに示され、G542X(CF)構築物に関する結果が
図6Cに示され、W1282X(CF)構築物に関する結果が
図6Dに示され、Q70X(HS)構築物に関する結果が
図6Eに示され、R3381X(DMD)構築物に関する結果が
図6Fに示されている。
【0400】
図5A〜
図5Bおよび
図6A〜
図6Fにおいて認められ得るように、NB124を得るための、既知化合物NB74の構造における(S)−5”−メチル基の付加は、そのインビトロ読み過ごし活性を著しく増大させ、これに対して、(化合物125における)(R)−5”−メチル基の付加による増大は比較的小さい。加えて、試験されたすべての突然変異において、NB124の読み過ごし活性が、臨床薬物ゲンタマイシンの読み過ごし活性と比較して顕著に改善されていた。したがって、化合物124における(R)−6’−メチルおよび(S)−5”−メチルの2つのメチル基は、NB30、NB74およびNB118との比較において、読み過ごし活性を高めるために相加的または相乗的に働いている。NB30をNB74に変換し、これをNB124に変換すること(すなわち、最初の(R)−6’−メチル基をNB30上に付加してNB74を得、その後、(S)−5”−メチル基をNB74上にさらに付加してNB124を得ること)、または、NB30をNB118に変換し、これをNB124に変換すること(すなわち、最初の(S)−5”−メチル基をNB30上に付加してNB118を得、その後、(R)−6’−メチル基をNB118上にさらに付加してNB124を得ること)はどちらも、相加的に作用することにより、生じた構造体で観察される活性を段階的に増大させている。
【0401】
興味深いことに、類似する相加的効果はまた、
図5C〜
図5Dおよび
図7A〜
図7Fに示されるように、NB124およびNB125における上記の2つのメチル基を、N1−AHB基と組み合わせて化合物127および128をそれぞれ得たときに認められた。
【0402】
図7A〜
図7Fは終止コドン読み過ごしアッセイの結果を示しており、様々な遺伝性疾患(括弧内)を表す一連のナンセンス突然変異状況構築物において、NB84(黒菱形によって表示される)、NB127(黒三角によって表示される)、NB128(白三角によって表示される)、G418(白四角によって表示される)およびゲンタマイシン(黒四角によって表示される)によって誘導されるインビトロ終止コドン抑制レベルの比較グラフを示し、R3X(USH1)構築物に関する結果が
図7Aに示され、R245X(USH1)構築物に関する結果が
図7Bに示され、G542X(CF)構築物に関する結果が
図7Cに示され、W1282X(CF)構築物に関する結果が
図7Dに示され、Q70X(HS)構築物に関する結果が
図7Eに示され、R3381X(DMD)構築物に関する結果が
図7Fに示されている。
【0403】
図5C〜
図5Dおよび
図7A〜
図7Fにおいて認められ得るように、(S)−5”−メチル基を含有するNB127は、(R)−5”−メチル基を含有するNB128よりも顕著に強力である。加えて、NB127およびNB128はともに、AHB成分をN1位に有しない対応する対応物質(すなわち、NB124およびNB125)、ならびに、(R)−6’−メチルおよびN1−AHBのみを含有する化合物NB84よりも顕著に強い読み過ごし誘導剤である。
【0404】
ただし、本明細書では、試験されたいくつかの突然変異状況、例えば、G542X、W1282XおよびQ70Xにおいて、NB127は、G418の活性と類似する活性、または、それよりも大きい活性を示したこと、さらに、今までに行われたインビトロ試験のすべてにおいて、G418は最強の読み過ごし誘導剤と見なされることが示されている。NB127はG416活性を越えることができ、一方で、G418の場合より細胞毒性ははるかに低いという観察結果(表2を参照のこと)により、本発明のいくつかの実施形態による化合物によってもたらされる利点が明らかにされる。
【0405】
観察されたインビトロ活性データはさらに、
図8〜
図10に示されるエクスビボ比較活性試験によって裏付けられる。
【0406】
図8A〜
図8Dは、NB124(黒丸によって表示される)、NB125(白丸によって表示される)、NB127(黒三角によって表示される)、NB128(白三角によって表示される)、NB74(白菱形によって表示される)、NB84(黒菱形によって表示される)、ならびに、対照薬物のゲンタマイシン(黒四角によって表示される)およびG418(白四角によって表示される)によって達成される、構築物CFTR−G542X(
図8Aおよび
図8C)、構築物CFTR−W1282X(
図8Bおよび
図8D)について行われたエクスビボ中途終止コドン突然変異抑制アッセイの結果の比較プロットを示す。
【0407】
図9A〜
図9Eは終止コドン読み過ごしアッセイの結果を示しており、様々な遺伝性疾患(括弧内)を表す一連のナンセンス突然変異状況構築物において、NB124(黒丸によって表示される)、NB125(白丸によって表示される)、NB74(黒菱形によって表示される)、ならびに、対照薬物のゲンタマイシン(黒四角によって表示される)およびG418(白四角によって表示される)によって誘導されるエクスビボ終止コドン抑制レベルの比較グラフを示し、R3X(USH1)構築物に関する結果が
図9Aに示され、R245X(USH1)構築物に関する結果が
図9Bに示され、Q70X(HS)構築物に関する結果が
図9Cに示され、W1282X(CF)構築物に関する結果が
図9Dに示され、G542X(CF)構築物に関する結果が
図9Eに示されている。
【0408】
図10A〜
図10Eは終止コドン読み過ごしアッセイの結果を示しており、様々な遺伝性疾患(括弧内)を表す一連のナンセンス突然変異状況構築物において、NB127(黒三角によって表示される)、NB128(白三角によって表示される)、NB84(黒菱形によって表示される)、ならびに、対照薬物のゲンタマイシン(黒四角によって表示される)およびG418(白四角によって表示される)によって誘導されるエクスビボ終止コドン抑制レベルの比較グラフを示し、R3X(USH1)構築物に関する結果が
図10Aに示され、R245X(USH1)構築物に関する結果が
図10Bに示され、Q70X(HS)構築物に関する結果が
図10Cに示され、W1282X(CF)構築物に関する結果が
図10Dに示され、G542X(CF)構築物に関する結果が
図10Eに示されている。
【0409】
図8〜
図10において認められ得るように、試験された突然変異のすべてにおいて、アミノグリコシド誘導による読み過ごしの観察された効力は、NB124>NB125>NB74>ゲンタマイシン、および、NB127≧NB128>NB84>ゲンタマイシンの順であった。これらの傾向は、NB127とNB128との間における効力差のギャップがたとえ、無細胞抽出物におけるインビトロでの同じ突然変異の抑制について認められるものよりも小さかったとしても、同じ終止突然変異のインビトロでの抑制について認められる傾向と類似している(
図5〜
図7を参照のこと)。
【0410】
実施例3
細胞毒性対読み過ごし
試験化合物のそれぞれについての好適な細胞生存性を試験濃度で確実にするために、半数致死濃度値(LC
50値)をHEK−293細胞およびHFF細胞(ヒト包皮線維芽細胞)において測定することによって、細胞毒性をそれぞれの化合物について評価した。
【0411】
細胞生存性の百分率を、同一プロトコルのもとではあるが、試験化合物の非存在下で成長させた培養物に対する、試験化合物の存在下で成長させた培養物における生細胞の数の比率として計算した。結果は少なくとも3回の独立した実験の平均を表す。
【0412】
図11A〜
図11Dは、NB118(
図11A)、NB119(
図11B)、NB122(
図11C)およびNB123(
図11D)について測定された原核生物系(黒丸によって表示される)および真核生物系(白丸によって表示される)におけるインビトロ翻訳阻害の半対数プロットを示す。
【0413】
図12A〜
図12Dは、ゲンタマイシン(白四角によって表示される)、NB118(白丸によって表示される)、NB119(黒丸によって表示される)、NB122(白三角によって表示される)およびNB123(黒三角によって表示される)について、HEK−293細胞(
図12Aおよび
図12C)およびヒト包皮線維芽細胞(HFF細胞)(
図12Bおよび
図12D)における試験化合物濃度に対するエクスビボ細胞生存性の百分率の半対数プロットを示す。
【0414】
半数致死濃度(LC
50)の値を、GraFit5ソフトウエアを使用して、濃度応答曲線を少なくとも3回の独立した実験のデータに合わせることから得た。
【0415】
原核生物および真核生物での翻訳阻害を、本明細書中の上記要領で行われる活性ルシフェラーゼ検出を使用することによって共役転写/翻訳アッセイで定量化した。MIC値を、それぞれの試験化合物の2つの異なる開始濃度(384μg/mLおよび6144μg/mL)を用いて、二重微量希釈法を使用することによって求めた。実験のすべてを二連で行い、類似した結果を3回の異なる実験で得た。すべての生物学的試験において、すべての試験されたアミノグリコシドはそれらの硫酸塩形態であった。報告される濃度はそれぞれのアミノグリコシドの遊離アミン形態の濃度を示す。
【0416】
表1は、ゲンタマイシン、パロモマイシン、以前に報告されたNB30およびNB54、ならびに、例示的な化合物NB118、NB119、NB122およびNB123について得られる比較での細胞毒性アッセイ、真核生物および原核生物翻訳阻害アッセイ、ならびに、抗菌活性アッセイを示す。
【0417】
表1における観察された細胞毒性データを、
図2〜
図4における読み過ごし活性データと比較することにより、(S)−5”−メチル基をNB30上に設置してNB118を得ること、または、NB54上に設置してNB122を得ることのどちらも、細胞毒性にあまり影響を与えず(LC
50値が、HEK−293においてそれぞれ、NB30およびNB118についてそれぞれ21.4mMおよび23.5mMであり、NB54およびNB122についてそれぞれ6.1mMおよび10.1mMである)、一方で、(S)−5”−メチル基のそのような設置はどちらも、観察された終止コドン抑制活性を大幅に増大させること(NB30<NB118、および、NB54<NB122)が明らかにされている。HEK−293細胞およびHFF細胞においてNB122およびNB54の場合に認められる類似した細胞毒性(表1を参照のこと)は、培養細胞でのインビトロおよびエクスビボの両方における、NB54の抑制活性を上回るNB122の実質的に高められた抑制活性とともに、NB122が、抑制治療においてNB54よりも優れている1つの選択肢を表し得ることを示している。
【0418】
図4における比較エクスビボ抑制データは、NB122の優先性がNB123の優先性をほんの少ししか上回らないことを示し、一方で、表1における細胞毒性データは、NB123の細胞毒性プロフィールが、NB122の細胞毒性プロフィールよりもわずかに良好(HEK−293細胞)から、著しく良好(HFF細胞)であることを示している。したがって、NB123ジアステレオマーのインビボ成績はNB122のインビボ成績よりも一層良好であるのではないかと主張されるかもしれない。加えて、ゲンタマイシンに関するつい最近の研究では、ただ1つの炭素原子における絶対配置の反転、すなわち、(S)−6’−ゲンタマイシンC
2から(R)−6’−ゲンタマイシンC
2への反転は、細胞培養および動物試験において求められるように、(S)−ジアステレオマーの細胞毒性および見かけの腎毒性との比較で、(R)−ジアステレオマーの細胞毒性および見かけの腎毒性を著しく低下させ、一方で、殺菌効力は影響されないことが明らかにされている。
【0419】
これらの観察結果に基づくと、腎毒性および耳毒性(これらは、知られているアミノグリコシドの大きな欠点である)を含む、さらなる毒性試験により、この問題が申し分なく解決され、そして、NB122またはNB123のいずれについても、NB54およびゲンタマイシンの利点を凌ぐ利点が観察されたことを確認できることは明らかである。
【0420】
さらに、NB118およびNB122の高まった読み過ごし活性に対する(S)−5”−メチル基の影響は、真核生物で観察された翻訳阻害データによって裏付けられる(表1を参照のこと)。NB122が真核生物の翻訳を阻害する効力(半数阻害濃度値IC
50=5.2μM)は、NB118の効力(IC
50=16.0μM)およびNB54の効力(IC
50=24.0μM)よりも大きく、これは、読み過ごし活性について認められる傾向と類似する傾向である:すなわち、NB122>NB118>NB54(
図2〜
図4を参照のこと)。加えて、NB118およびNB122のIC
50値をそれらの元の構造体のNB30およびNB54のIC
50値(それぞれ、31μMおよび24μMのIC
50値)と比較することにより、NB118およびNB122は、それらの元となったNB30およびNB54によりも真核生物のリボソームに対して1.9倍および4.6倍特異的であることが明らかにされ、このことは、NB118およびNB122の高まった読み過ごし活性に対する(S)−5”−メチル基の認められた影響は、真核生物のリボソームに対するそれらの増大した特異性に伴うことを示している。
【0421】
表2は、ゲンタマイシン、G418、以前に報告されたNB74およびNB84、ならびに、例示的な化合物NB124、化合物NB125、化合物NB127および化合物NB128について得られる、細胞毒性アッセイ、真核生物および原核生物での翻訳阻害アッセイ、ならびに、抗菌活性アッセイの比較結果を示す。
【0422】
表2において認められ得るように、表2における観察された細胞毒性データを
図8〜
図10に示される読み過ごし活性データと比較することにより、本発明のいくつかの実施形態による化合物、例えば、NB124、NB125、NB127およびNB128は、以前に開示された化合物との比較では、ヒト包皮線維芽細胞(HFF)におけるNB128の細胞毒性を除き、ほぼ同じレベルの細胞毒性を示すことが明らかにされる。
【0423】
加えて、以前に開示された化合物と同様に、NB124、NB125、NB127およびNB128の新規な各化合物は、著しい抗菌活性をE.coliおよびB.subtilisの両方では示さない(上記の表2を参照のこと)。これらのデータは、標準的なアミノグリコシド系抗生物質との比較における原核生物のタンパク質合成のそれらの劇的に低下した阻害によってさらに裏付けられ(表2)、したがって、低下した原核生物の翻訳阻害を有するアミノグリコシドはまた、おそらくはミトコンドリアのタンパク質合成の低下した阻害のために細胞毒性がより小さいという一般的な傾向と一致している。
【0424】
実施例4
抗菌活性
本発明の実施形態によるいくつかの例示的化合物について得られた抗菌活性アッセイの結果を本明細書中上記の表1および表2に示す。
【0425】
NB30、NB54、NB74およびNB84などの化合物がゲンタマイシンおよびパロモマイシンに対し約1/10の強さの弱い原核生物翻訳阻害剤であり、また、さらに、グラム陰性菌およびグラム陽性菌の両方に対する殺菌活性をほとんど示さないことが以前に示されている。本実験では、本発明のいくつかの実施形態による化合物、例えば、NB118、NB119、NB122、NB123、NB124、NB125、NB127およびNB128が、類似する性質を保持するかが明らかにされる。
【0426】
したがって、例示的な化合物のNB118、NB119、NB122、NB123、NB124、NB125、NB127およびNB128を、原核生物でのそれらの抗翻訳活性と一緒に、グラム陰性菌(大腸菌(Escherichia coli))およびグラム陽性菌(枯草菌(Bacillus subtilis))の両方に対する抗菌剤として調べた(表1および表2を参照のこと)。
【0427】
表1および表2において認められ得るように、測定されたIC
50値は、本発明のいくつかの実施形態による例示的な化合物が原核生物のリボソームを阻害する効力が、この組の化合物の観察された抗菌性データと一致して、パロモマイシンおよびゲンタマイシンの効力よりも著しく低いことを示す;ゲンタマイシンおよびパロモマイシンは、著しい抗菌活性をE.coliおよびB.subtilisの両方に対して示す一方で、本発明のいくつかの実施形態による例示的な化合物は大きな抗菌活性を有してはいない。
【0428】
NB118、NB119、NB122、NB123、NB124、NB125、NB127およびNB128に関する観察データは、NB30、NB54、NB74およびNB84についての観察データと類似しており、また、原核生物の抗翻訳活性およびMIC値間のアミノグリコシドにおける以前に報告された相関をさらに裏付けている。すなわち、低下した原核生物の翻訳活性には、抗菌活性の低下が伴う。
【0429】
そのうえ、NB118、NB119、NB122、NB123、NB124、NB125、NB127およびNB128の場合と同様に、NB30、NB54、NB74およびNB84では、それらの低下した原核生物リボソーム特異性と併せて、著しい抗菌活性を示すことができないことが引き続き認められることは、原核生物リボソームに対する特異性を低下させ、それにより、それらの抗菌活性を取り除くことによって、真核生物のミトコンドリアのタンパク質合成装置に対するそれらの作用が低下するかもしれず、したがって、ヒトに対するそれらの毒性影響を著しく低下させ得ることが示唆される。この見方は、哺乳動物のミトコンドリアのタンパク質合成装置が原核生物の装置と非常に類似しているという事実によって、また、アミノグリコシドにより誘導される毒性が、少なくとも部分的には、薬物により伝達されるミトコンドリアリボソームの機能不全に結びつけられ得るという事実によって裏付けられる。
【0430】
観察された著しく増大した真核生物での抗翻訳活性(これは実際には、細胞質でのタンパク質合成の阻害のみを測定するだけであり、ミトコンドリアでのタンパク質合成の阻害を測定していない)は、(ゲンタマイシンおよびパロモマイシンの細胞毒性との比較では)NB118、NB119、NB122、NB123、NB124、NB125、NB127およびNB128の各化合物の著しく低下した細胞毒性とともに、この考えをさらに裏付けている。
【0431】
実施例5
真核生物対原核生物の選択性
本明細書中上記で検討したように、中途終止コドン突然変異によって引き起こされる遺伝性疾患を処置するために使用され得る相応の薬物候補物を構成するためには、アミノグリコシドは非毒性であり、かつ、真核生物の細胞質リボソームと相互作用するべきである。非毒性であるという長所は、抗菌活性の欠如によって確認することができ、このことは、当該薬物が原核生物の翻訳をより少ない程度に阻害することになり、したがって、当該薬物は十中八九、ミトコンドリアでの翻訳を阻害しないであろうことを意味する。アミノグリコシド(例えば、本明細書中に示される化合物など)における所望される特性のこの有益な組合せの存在は、真核生物対原核生物の選択的活性によって明らかにされ得る。
【0432】
また、原核生物における翻訳阻害を上回る、真核生物における翻訳阻害に対するアミノグリコシド化合物の注目すべき選択性が、中途終止コドン突然変異に伴う遺伝性障害を処置するための薬物候補としてのその有効性および安全性を予測するために使用され得ることも言える。
【0433】
表3では、真核生物および原核生物のリボソーム系を用いて行われた翻訳阻害アッセイにおける、一連の例示的な既知アミノグリコシドおよび例示的な今回開示されたアミノグリコシドについて得られた結果がまとめられ、比較されている。それぞれの化合物はまた、化合物が上記スキーム1に示される5つのファルマコフォア点の中から示すファルマコフォア点のタイプによって表される。表3において、ファルマコフォア点は、6’位のヒドロキシル基については“i”によって表され、N1位のAHB基については“ii”によって表され、第3の糖類成分である“環III”については“iii”によって表され、6’位のメチルについては“iv”によって表され、5”位のメチルについては“v”によって表される。
【0434】
行われたすべての生物学的実験において、すべての試験されたアミノグリコシドはそれらの硫酸塩形態であった。表3に報告される濃度はそれぞれのアミノグリコシドの遊離アミン形態の濃度を示す。原核生物および真核生物での翻訳阻害を、以前に記載されるような共役転写/翻訳アッセイで定量化した。最大半値濃度(IC
50)の値を、GraFit5ソフトウエアを使用して、濃度応答曲線を少なくとも3回の独立した実験のデータに合わせることから得た。実験のすべてを二連で行い、類似した結果を3回の異なる実験で得た。
【0435】
表3において認められ得るように、IC
50Euk/IC
50Pro比(原核生物における翻訳阻害に対する真核生物における翻訳阻害)における顕著な低下が認められ、約115の平均値(NB30、NB54、NB74およびNB84の比率の平均)から、今回開示されたファルマコフォア点“v”を付加したことについては約7の平均値(NB118、NB119、NB122およびNB123の比率の平均)にまで低下し、今回開示されたファルマコフォア点“v”および以前に開示されたファルマコフォア点“iv”を付加したことについては約1.6の平均値(NB124、NB125、NB127およびNB128の比率の平均)にまで低下している。
【0436】
本発明のいくつかの実施形態による例示的なアミノグリコシド化合物は、5つすべてのファルマコフォア点を示すものであり、5”位の立体配置にもかかわらず、最大の真核生物対原核生物の選択性もまた示すことを表3において明瞭に認めることができる。すなわち、これらの化合物は、ヒトにおける遺伝性障害を処置するための可能な薬物候補のリストにおいて上位に位置している。
【0437】
実際、例示的な化合物NB124、化合物125、化合物NB127および化合物128を調製し、試験している間に、原核生物での細胞質タンパク質合成の増大した阻害は、増大した読み過ごし活性に伴うことが見出されている。表3におけるデータは、幅広いファルマコフォアの体系的展開により、新しく開発された化合物の細胞質リボソームに対する特異性を徐々に増大させることができ、かつ、原核生物リボソームに対するそれらの特異性を、5つすべてのファルマコフォア点が実行されるNB127およびNB128が原核生物の翻訳系(リボソーム)と比較して真核生物の翻訳系(リボソーム)に対する逆転した選択性を示すまで低下させ得たことを示す。
【0438】
2つの観察結果が本明細書中では特筆される:
1)ゲンタマイシンおよびパロモマイシンのような標準的なアミノグリコシド系抗生物質は、真核生物のリボソームと比較して原核生物のリボソームに対して2214倍および1181倍選択性が高い一方で、G418におけるこの選択性は、とりわけ真核生物での翻訳のその比較的増大した阻害のために、わずか225倍まで低下する。真核生物での翻訳のこの強い阻害(IC
50Euk=2μM)は、G418の劇的に高い細胞毒性の主たる理由として、同様にまた、その非常に強い読み過ごし活性に対する主たる理由として考えられた。表3に示される結果は、真核生物での翻訳の高まった阻害が実際、その強い読み過ごし活性に対する裏付けである一方で、真核生物での翻訳の阻害はG418の唯一の毒性事象ではなく、真核生物細胞に対するG418のそれ以外の影響(複数可)がその毒性と相関することを示唆する。
表3に示されるデータによれば、本発明のいくつかの実施形態によるいくつかの化合物は、NB124、NB127およびNB128を含めて、真核生物での翻訳の類似する阻害能またはより大きい阻害能を示し、一方で、細胞毒性はG418よりも顕著に低い。
2)IC
50Eukの値を、試験された標準アミノグリコシドおよび合成アミノグリコシドのすべてのインビトロ読み過ごし活性に対してプロットすることにより、これら2つのパラメータの間における密接な相関が認められている。すなわち、増大した阻害には、
図13A〜
図13Bに例示されるように、増大した読み過ごし活性が伴う。
【0439】
図13A〜
図13Bは、一連の公知化合物および本発明のいくつかの実施形態による例示的な化合物について認められるような、真核生物系におけるインビトロでの読み過ごし活性と、タンパク質翻訳阻害との間における可能な相関を特定するための散乱プロットを示しており、タンパク質合成の増大する阻害(より低いIC
50)には、読み過ごし活性の増大が伴っている:これに対して、
図13Aは、6つの異なるナンセンス突然変異(W1282X、Q70X、R3X、R245X、G542XおよびR3381X)を使用する、試験アミノグリコシドの1.4μMの濃度におけるインビトロ読み過ごし活性に対する真核生物での翻訳阻害(X軸に示される)の半対数プロットであり、
図13Bは、
図13Aに示される同じデータの線形プロットである。
【0440】
ただし、読み過ごし活性が用量依存的であり、そして、終止コドンの正体、当該終止の下流側配列における4番目の塩基、および、当該終止コドンの周りの配列状況を含めて、様々な要因によっても影響されるので、
図13に示されるデータは、化合物のすべてが試験された1つの濃度(1.4μM)と、4つの異なる疾患モデルの6つの異なる構築物を表す一連の異なる構築物とを使用しながら集められたものとする。したがって、原核生物リボソームに対する増大する特異性および選択性により、化合物の所望される生物学的活性におけるその後の増大が、低下した毒性とともに引き起こされる。
【0441】
本発明者らによって行われた別の観察では、2つのパロマミン成分がメチレン架橋により3’−酸素においてつながれる本質的にはパロマミンの二量体である以前に報告された化合物NB33が含まれる。NB33は真核生物リボソームに対して高特異的であり、タンパク質合成を1.1mMのIC
50Euk値によって阻害し、これはG418(2.0mMのIC
50Euk)のほぼ2倍である。しかしながら、NB33は読み過ごし活性をほとんど有しておらず、このことは、その阻害機構が、読み過ごし活性を示す既知のアミノグリコシドおよび本発明のいくつかの実施形態による化合物の阻害機構とは異なることを示している。したがって、アミノグリコシドの阻害効力を単に増大しても、増大した読み過ごし活性は必ずしも付随しないことが結論された。そのような相関は、同じ機構を有する、すなわち、校正プロセスの忠実性を有する翻訳プロセスを阻害するそのようなアミノグリコシド化合物について考慮されるべきである。実際、NB33と、ヒトA部位tRNAオリゴヌクレオチドモデルとの相互作用に関する最近の研究では、NB33が、非デコーディング時の立体配座においてA部位と結合し、それを安定化し、そのようなものとして、リボソーム転位段階を阻止することが明らかにされた。
【0442】
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
【0443】
本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許および特許出願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている程度まで、それらは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。