(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者らは、向上した皮膚美白効果を有すると同時に、副作用の少ない物質を開発するために、カジノール(kazinol)を基本骨格としてポリヒドロキシ安息香酸アミド誘導体化合物を合成し、そのうちアダマンタン(adamantane)基を置換基として有する化合物が、優れたメラニンの生成抑制効果およびチロシナーゼ活性阻害効果を示すことを発見し、本発明を完成するに至った。かかる優れたメラニンの生成抑制効果およびチロシナーゼ活性阻害効果は、アダマンタン基が有する親油性増加による吸収力向上に起因するものと考えられる。
【0013】
定義
本明細書において、「皮膚」とは、動物の体表を覆う組織を意味するものであって、顔やボディなどの体表を覆う組織だけでなく、頭皮や毛髪を含む最広義の概念である。
【0014】
本明細書において、「アルキル」とは、1価の飽和脂肪族炭化水素鎖を意味する。炭化水素鎖は、直鎖または分枝鎖であってよい。本発明の一側面において、「アルキル」は、1〜5個の炭素原子(「C
1〜C
5アルキル」)を有してよく、他の一側面において、1〜4個の炭素原子(「C
1〜C
4アルキル」)を有してよく、他の一側面において、1〜3個の炭素原子(「C
1〜C
3アルキル」)を有してよい。具体的に、「アルキル」は、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソ‐ブチル、tert‐ブチルまたはt‐アミルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本明細書において、「アルコキシ」とは、‐OR基を意味し、ここで、Rは、前記において定義されたアルキル基を意味する。具体的に、「アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、n‐プロポキシ、イソプロポキシ、n‐ブトキシ、tert‐ブトキシ、sec‐ブトキシ、n‐ペントキシまたは1,2‐ジメチルブトキシなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0016】
本明細書において、「シクロアルキル」とは、環状飽和脂肪族炭化水素基を意味する。Cの数字は、環を形成する炭素原子の数に相応して付されるものであって、シクロアルキル基と併せて言及した。たとえば、「C
3〜C
6シクロアルキル」は、3〜6つの環形成C原子を有するシクロアルキルを意味する。本発明の一側面において、「シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。本発明の他の一側面において、「シクロアルキル」基は、1つ以上のアルキル基、たとえば、C
1〜C
6アルキル基、具体的にC
1〜C
3アルキル基、より具体的にメチル基で置換されてよい。「シクロアルキル」は、1つ以上の置換基を有するならば、これらの置換基は、同一または異なってよい。
【0017】
本明細書において、「シクロアルコキシ」とは、‐OR基を意味し、ここで、Rは、前記において定義された「シクロアルキル」基を意味する。
【0018】
本明細書において、「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを含む。本発明の一側面において、ハロ基は、フルオロまたはクロロであってよい。
【0019】
本明細書において、「ハロアルキル」は、同一(たとえば、トリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチル)または異なる1つ以上のハロゲンで置換された、前記において定義された「アルキル」基を含む。
【0020】
本明細書において、「アリール」は、芳香族炭化水素ラジカルを意味する。「アリール」基の例として、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニルまたはアントラセンを挙げることができ、このうち好ましくはフェニルであってよい。
【0021】
本明細書において、「ヒドロキシ」は、ラジカル‐OHを意味する。
【0022】
本明細書において、「異性体」は、特に光学異性体(optical isomers)(たとえば、本質的に純粋なエナンチオマー(essentially pure enantiomers)、本質的に純粋なジアステレオマー(essentially pure diastereomers)、またはこれらの混合物)だけでなく、配座異性体(conformation isomers)(すなわち、1つ以上の化学結合のその角度のみ異なる異性体)、位置異性体(position isomers)(特に、互変異性体(tautomers))、または幾何異性体(geometric isomers)(たとえば、シス‐トランス異性体)を含む。
【0023】
本明細書において、「本質的に純粋な(essentially pure)」とは、たとえば、エナンチオマーまたはジアステレオマーと関連して使用した場合、エナンチオマーまたはジアステレオマーを例として挙げることのできる具体的な化合物が約90%以上、具体的に約95%以上、より具体的に約97%以上または約98%以上、さらに具体的に約99%以上、さらに具体的に約99.5%以上(w/w)存在することを意味する。
【0024】
本明細書において、「薬学的に許容可能」とは、通常の医薬的服用量(medicinal dosage)で利用する際に相当な毒性を避けることにより、動物、より具体的には、人間に使用することができるという政府またはこれに準ずる規制機構の承認を受けることができ、または承認を受け、または薬局方に列挙され、またはその他一般的な処方として認知されることを意味する。
本明細書において、「薬学的に許容可能な塩」とは、薬学的に許容可能であり、親化合物(parent compound)の好ましい薬理活性を有する本発明の一側面による塩を意味する。前記塩は、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等といった無機酸により形成されるか;または、酢酸、プロピオン酸、ヘキサエン酸、シクロペンテンプロピオン酸 、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3‐(4‐ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2‐エタン‐ジスルホン酸、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4‐クロロベンゼンスルホン酸、2‐ナフタレンスルホン酸、4‐トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4‐メチルビシクロ[2,2,2]‐oct‐2‐エン‐1‐カルボン酸、グルコヘプトン酸、3‐フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert‐ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸といった有機酸により形成される酸付加塩(acid addition salt)、または、(2)親化合物に存在する酸性プロトンが置換される際に形成される塩を含んでよい。
【0025】
本明細書において、「プロドラッグ(prodrug)」とは、ある薬物を化学的に変化させて、物理的、化学的性質を調節した薬物を意味し、それ自体は生理活性を示さないが、投与後に体内において化学的にあるいは酵素の作用によって元来の薬物に変わって薬効を発揮することができる。
【0026】
本明細書において、「水和物(hydrate)」とは、水が結合している化合物を意味し、水と混合物との間に化学的な結合力のない内包化合物を含む広範囲な概念である。
【0027】
本明細書において、「溶媒和物」とは、溶質の分子やイオンと溶媒の分子やイオンとの間に生じた高次の化合物を意味する。
【0028】
発明の詳細な説明
本発明の一側面は、前記一般式1で示される構造を含み、式中、
R
1、R
3およびR
4は、それぞれ、水素、ヒドロキシ、C
1〜C
3アルコキシ、C
3〜C
6シクロアルコキシ、アリールオキシおよびC
1〜C
3ハロアルコキシからなる群から独立的に選択され、
R2は、水素、C
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、アリールおよびC
1〜C
3ハロアルキルからなる群から選択され、
nは、1〜3から選択された整数である化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物を提供する。
【0029】
本発明の他の一側面において、R
1、R
3およびR
4は、それぞれ、水素、ヒドロキシおよびC
1〜C
3アルコキシからなる群から独立的に選択されてよく、R
2は、水素またはC
1〜C
3アルキルであってよく、nは、1または2であってよい。
【0030】
本発明の他の一側面において、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物は、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2‐ヒドロキシ‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐4‐メトキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐2,4‐ジメトキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2,4‐ジメトキシ‐安息香酸アミド、
3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,4‐ジヒドロキシベンジル)‐4‐ヒドロキシ‐安息香酸アミド、
3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,4‐ジヒドロキシベンジル)‐4‐メトキシ‐安息香酸アミド、
3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐4‐ヒドロキシ‐安息香酸アミド、
3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐4‐メトキシ‐安息香酸アミド、
3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐ヒドロキシ‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐安息香酸アミド、
3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐4‐メトキシ‐安息香酸アミド、
3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐4‐ヒドロキシ‐安息香酸アミド、
3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐4‐メトキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,5‐ジメトキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,5‐ジヒドロキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミド、
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,5‐ジメトキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミド、および
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ‐N‐(3‐ヒドロキシ‐5‐メトキシベンジル)‐安息香酸アミドからなる群から選択されたものを含む。
【0031】
本発明の一側面は、i)酸触媒の存在下で、ヒドロキシ安息香酸とアダマンタン化合物とを反応させて、アダマンタニル‐ヒドロキシ安息香酸を合成するステップ;ii)アダマンタニル‐ヒドロキシ安息香酸とアルキルサルフェートとを反応させて、アダマンタニル‐アルコキシ安息香酸を合成するステップ;および、iii)アダマンタニル‐アルコキシ安息香酸とヒドロキシ基が置換されたアルキルフェニルアミンとを反応させて、アダマンタン基が置換された安息香酸アミド化合物を合成するステップ、を含む、アダマンタン基が置換された安息香酸アミド化合物の製造方法を提供する。
【0032】
本発明の一側面によるアダマンタン基が置換された安息香酸アミド化合物の製造方法は、次の反応式1により図式化することができる。
【0034】
前記式中、
R
1、R
3およびR
4は、それぞれ、水素、ヒドロキシ、C
1〜C
5アルコキシ、C
3〜C
6シクロアルコキシ、アリールオキシおよびC
1〜C
5ハロアルコキシからなる群から独立的に選択され、
R
2は、水素、C
1〜C
5アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、アリールおよびC
1〜C
5ハロアルキルからなる群から選択され、
nは、1〜5から選択された整数である。
【0035】
本発明の他の一側面によるアダマンタン基が置換された安息香酸アミド化合物の製造方法は、i)酸触媒の存在下で、ジヒドロキシ安息香酸とアダマンタン化合物とを反応させて、アダマンタニル‐ジヒドロキシ安息香酸を合成するステップ;ii)水酸化塩の存在下で、アダマンタニル‐ジヒドロキシ安息香酸とジアルキルサルフェートとを反応させて、アダマンタニル‐ヒドロキシ‐アルコキシ安息香酸またはアダマンタニル‐ジアルコキシ安息香酸を合成するステップ、および、iii)アダマンタニル‐ヒドロキシ‐アルコキシ安息香酸またはアダマンタニル‐ジアルコキシ安息香酸とヒドロキシ基が置換されたベンジルアミンまたはペンチルアミンとを反応させて、アダマンタン基が置換された安息香酸アミド化合物を合成するステップ、を含んでよい。
【0036】
本発明の他の一側面によるアダマンタン基が置換された安息香酸アミド化合物の製造方法は、i)ジクロロメタン溶媒において、酢酸と硫酸触媒の存在下で、2,4‐ジヒドロキシ安息香酸と1‐アダマンタノールとを常温で反応させて、5‐アダマンタニル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸を合成するステップ;ii)水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム存在下で、5‐アダマンタニル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸とジメチルサルフェートとを反応させて、5‐アダマンタニル‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ安息香酸または5‐アダマンタニル‐2,4‐ジメトキシ安息香酸を合成するステップ、および、iii)N‐ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、N,N´‐ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下で、5‐アダマンタニル‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ安息香酸または5‐アダマンタニル‐2,4‐ジメトキシ安息香酸とヒドロキシ基が置換されたベンジルアミンまたはペンチルアミンとを反応させて、アダマンタン基が置換された安息香酸アミド化合物を合成するステップ、を含んでよい。
【0037】
本発明の一側面は、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物を有効成分として含む皮膚美白用組成物を提供する。前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物は、メラニンの生成を抑制し、チロシナーゼの活性を阻害して優れた皮膚美白効果を示し得る。
【0038】
本発明の一側面による組成物は、組成物全体の重量を基準として、0.01重量%〜20重量%、具体的に0.1重量%〜10重量%、より具体的に0.5重量%〜5重量%の前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物を含んでよい。前記範囲で含む場合、本発明の意図した効果を示すのに適切であるだけでなく、組成物の安定性および安全性をともに満足することができ、費用対効果の面においても前記範囲で含むことが適切である。具体的に、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物が、0.01重量%未満の場合には十分な皮膚美白効果を得ることができず、20重量%を超える場合には費用対効果が低く、望ましくない。
【0039】
本発明の一側面は、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物を有効成分として含む皮膚外用剤用組成物を提供する。本発明の他の一側面は、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物を有効成分として含む化粧料組成物を提供する。前記化粧料組成物は、優れた皮膚美白効果を示すことができ、具体的に、シミ、ソバカス、ホクロ、皮膚色素沈着を改善または予防することができる。
【0040】
本発明の化粧料組成物は、局所適用に適したあらゆる剤形で提供されてよい。たとえば、溶液、水相に油相を分散させて得たエマルジョン、油相に水相を分散させて得たエマルジョン、懸濁液、固体、ゲル、粉末、ペースト、泡沫(foam)またはエアロゾル組成物の剤形で提供されてよい。こうした剤形の組成物は、当該分野における通常の方法によって製造されてよい。
【0041】
本発明に係る化粧料組成物は、前記物質以外に、主効果を損傷させない範囲内で、好ましくは、主効果に相乗効果を与え得る他の成分を含んでよい。具体的に、本発明に係る化粧料組成物の皮膚美白効果を上昇させることができるアルブチン、アスコルビン酸誘導体をさらに含んでよい。また、本発明に係る化粧料組成物は、保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、pH調整剤、有機および無機顔料、香料、冷感剤または制汗剤をさらに含んでよい。前記成分の配合量は、本発明の目的および効果を損傷させない範囲内で当業者が容易に選定可能であり、その配合量は、組成物全体の重量を基準として、0.01〜5重量%、具体的に0.01〜3重量%であってよい。
【0042】
本発明の一側面は、前記化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物を有効成分として含む薬学組成物を提供する。前記薬学組成物は、優れた皮膚美白効果を示すことができ、具体的に、シミ、ソバカス、ホクロ、皮膚色素沈着を改善または治療することができる。
【0043】
本発明の一側面による薬学組成物は、経口、非経口、直腸、局所、経皮、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下などに投与されてよい。経口投与のための剤形としては、錠剤、丸剤、軟質および硬質カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、液剤、乳濁剤またはペレット剤であってよいが、これらに制限されるものではない。非経口投与のための剤形としては、溶液剤、懸濁剤、乳液剤、ゲル、注射剤、点滴剤、坐剤、パッチまたは噴霧剤であってよいが、これらに制限されるものではない。前記剤形は、当該分野における通常の方法により容易に製造されてよく、界面活性剤、賦形剤、水和剤、乳化促進剤、懸濁剤、浸透圧調整のための塩または緩衝剤、着色剤、香辛料、安定化剤、防腐剤、保存剤またはその他常用される補助剤を適宜使用してよい。
【0044】
本発明の一側面による医薬組成物の有効成分は、投与を受ける対象の年齢、性別、体重、病理状態およびその深刻度、投与経路または処方者の判断によって変わり得る。こうした因子に基づいた適用量の決定は当業者の水準内にあり、その1日投与量は、たとえば、0.1mg/kg/日〜100mg/kg/日、より具体的には5mg/kg/日〜50mg/kg/日であってよいが、これに限定されるものではない。
【0045】
以下、実施例および実験例を挙げつつ、本発明の構成および効果についてより具体的に説明する。しかし、これらの実施例および実験例は、本発明の理解を助けるための例示の目的としてのみ提供されたものであるに過ぎず、本発明の範囲および範囲がこれらによって制限されるものではない。
【0046】
[実施例1]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0048】
(1)5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸の製造
2,4‐ジヒドロキシ安息香酸(9.24g)と1‐アダマンタノール(9.14g)を、ジクロロメタン(200mL)に溶かして攪拌する。これに、酢酸(17.1mL)に濃硫酸(3.3mL)を混合して滴下した後、常温で12時間攪拌する。攪拌した混合溶液に水(200mL)を入れ、溶液のpHが6になるように重炭酸ナトリウムを加える。生成された固体を濾過して乳白色固体の5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸8.82gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.40(brs, 1H), 10.17(s, 1H), 7.47 (s, 1H), 6.27(s, 1H), 2.00(s, 9H), 1.70(s, 6H)。
【0049】
(2)5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
(1)で得られた5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸(0.606g)、N‐ヒドロキシスクシンイミド(0.24g)、N,N’‐ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.43g)を、ジオキサン(10mL)に溶かして12時間撹拌する。生成された固体を濾過して、濾液をドーパミン臭素酸塩(0.54g)、重炭酸ナトリウム(0.18g)、水(2mL)の混合溶液に滴下し、50℃で2時間攪拌する。反応が終わった後、溶液の温度を常温に下げてから、10%HCl溶液で中和し、酢酸エチル(50mL)で洗浄する。有機溶液層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して、白色固体の目的物0.2gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.63(s, 1H), 9.90(s, 1H), 8.74(s, 1H), 8.63(s, 1H), 8.58(m,1H), 7.38 (m, 1H), 6.63(m, 2H), 6.47(d, 1H, J=7.5Hz), 6.25(s, 1H), 3.32(m, 2H), 2.63(t, 2H, J=7.2Hz), 2.03(s, 9H), 1.72(s, 6H)。
【0050】
[実施例2]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0052】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸に代えて、5‐アダマンタン‐1‐イル‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ安息香酸を使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.12gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.89(s, 1H), 8.76(s, 1H), 8.70(m, 1H), 8.65(s, 1H), 7.43 (s, 1H), 6.62(m, 2H), 6.45(m, 2H), 3.79(s, 3H), 3.36(m, 2H), 2.64(t, 2H, J=7.2Hz), 2.01(s, 9H), 1.72(s, 6H)。
【0053】
[実施例3]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0055】
ドーパミンに代えて3,4‐ジヒドロキシベンジルアミンを使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.09gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.74(s, 1H), 9.95(s, 1H), 8.98(m, 1H), 8.85(s, 1H), 8.71(s,1H), 7.44 (s, 1H), 6.67(m, 2H), 6.56(d, 1H, J=7.8Hz), 6.26(s, 1H), 4.28(d, 2H, J=5.4Hz), 2.03(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0056】
[実施例4]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0058】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸に代えて5‐アダマンタン‐1‐イル‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ安息香酸、およびドーパミンに代えて3,4‐ジヒドロキシベンジルアミンを使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して白色固体の目的物0.17gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.99(s, 1H), 9.09(m, 1H), 8.85(s, 1H), 8.72(s,1H), 7.48 (s, 1H), 6.67(m, 2H), 6.57(d, 1H, J=8.1Hz), 6.43(s, 1H), 4.30(d, 2H, J=5.4Hz), 3.79(s, 3H), 2.00(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0059】
[実施例5]5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐安息香酸アミドの製造
【0061】
ドーパミンに代えてチラミン(tyramine)を使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.2gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.59 (s, 1H), 9.91(s, 1H), 9.16(s, 1H), 8.60(s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.02(d, 2H, J=8.1Hz), 6.68(d, 2H, J=8.1Hz), 6.25(s, 1H), 3.37(m, 2H), 2.70(t, 2H, J=7.2Hz), 2.03(s, 9H), 1.72(s, 6H)。
【0062】
[実施例6]5‐アダマンタン‐1‐イル‐2‐ヒドロキシ‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐4‐メトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0064】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸に代えて5‐アダマンタン‐1‐イル‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ安息香酸を、そして、ドーパミンに代えてチラミン(tyramine)を使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、乳白色固体の目的物0.15gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.85(s, 1H), 9.17(s, 1H), 8.70(m, 1H), 7.42(s, 1H), 7.02(d, 2H, J=8.1Hz), 6.68(d, 2H, J=8.1Hz), 6.41(s, 1H), 3.78(s, 3H), 3.39(m, 2H), 2.71(m, 2H), 2.00(s, 9H), 1.72(s, 6H)。
【0065】
[実施例7]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐2,4‐ジメトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0067】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジメトキシ安息香酸(0.32g)をジクロロメタン(5mL)に溶かし、チオニルクロライド(0.08ml)を加えた後、3時間加温還流した。常温に温度を下げ、減圧濃縮してから、ドーパミン代に代えてチラミン(tyramine)を使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、白色板状固体の目的物0.28gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 9.20(s, 1H), 7.94(m,1H), 7.73(s, 1H), 7.04(d, 2H, J=8.1Hz), 6.70(d, 2H, J=8.1Hz), 6.63(s, 1H), 3.87(s, 3H), 3.84(s, 3H), 3.44(m, 2H), 2.69(t, 2H, J=7.1Hz), 1.99(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0068】
[実施例8]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0070】
ドーパミンに代えて2,4‐ジヒドロキシベンジルアミンを使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.24gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.41(s, 1H), 9.91(s,1H), 9.40(s,1H), 9.09(s,1H), 8.83 (m, 1H), 7.47 (s,1H), 6.89(d, 1H, J=8.1Hz), 6.26(s, 2H), 6.16(d, 1H, J=8.1Hz), 4.29(m, 2H), 2.02(s, 9H), 1.70(s, 6H)。
【0071】
[実施例9]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0073】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸に代えて5‐アダマンタン‐1‐イル‐2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ安息香酸を、そして、ドーパミンに代えて2,4‐ジヒドロキシベンジルアミンを使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、乳白色固体の目的物0.14gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.73(s, 1H), 9.40(s,1H), 9.11(s,1H), 8.95 (m,1H), 7.52 (s,1H), 6.90(d, 1H, J=8.4Hz), 6.43(s, 1H), 6.28(s, 1H), 6.17(d, 1H, J=8.4Hz), 4.31(d, 2H, J=5.4Hz), 3.79(s,3H), 2.00(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0074】
[実施例10]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐2,4‐ジメトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0076】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸に代えて5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジメトキシ安息香酸を、そして、ドーパミンに代えて2,4‐ジヒドロキシベンジルアミンを使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.03gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 9.67(s, 1H), 9.13(s, 1H), 8.51(m,1H), 7.78 (m, 1H), 6.92(d, 1H, J=8.1Hz), 6.66(s, 1H), 6.27(s, 1H), 6.16(d, 1H, J=8.1Hz), 4.30(d, 2H, J=5.4Hz), 3.93(s,3H), 3.88(s,3H), 1.98(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0077】
[実施例11]3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,4‐ジヒドロキシベンジル)‐4‐ヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0079】
3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐ヒドロキシ安息香酸(0.286g)、N‐ヒドロキシスクシンイミド(0.12g)、N,N´‐ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.22g)を、ジオキサン(5mL)に溶かして12時間撹拌し、生成された固体を濾過して濾液を3,4‐ジヒドロキシベンジルアミン臭素酸塩(0.25g)、重炭酸ナトリウム(0.09g)、水(1mL)の混合溶液に滴下し、50℃で2時間攪拌する。反応が終わった後、溶液の温度を常温に下げてから、10%HCl溶液で中和し、酢酸エチル(30mL)で洗浄する。有機溶液層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して、白色固体の目的物0.03gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 9.82(s,1H), 8.75(m, 2H), 8.62(m, 1H), 7.63(s,1H), 7.56(m,1H), 6.77(d, 1H, J=8.4Hz), 6.69(s, 1H), 6.64(d, 1H, J=8.1Hz), 6.53(m, 1H), 4.26(d, 2H, J=6.0Hz), 2.07(s, 9H), 1.72(s, 6H)。
【0080】
[実施例12]3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,4‐ジヒドロキシベンジル)‐4‐メトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0082】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸に代えて3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐メトキシ安息香酸を、そして、ドーパミンに代えて3,4‐ジヒドロキシベンジルアミンを使用したことを除いては、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、乳白色固体の目的物0.02gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 8.74 (m, 3H), 7.75 (d, 1H, J=7.8Hz), 7.70 (s,1H), 7.01 (d, 1H, J=8.4Hz), 6.70(s, 1H), 6.64(d, 1H, J=8.1Hz), 6.54(d, 1H, J=7.5Hz), 4.27(d, 2H, J=6.0Hz), 3.84(s, 3H), 2.05(s, 9H), 1.73(s, 6H)。
【0083】
[実施例13]3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐4‐ヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0085】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸に代えて3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐ヒドロキシ安息香酸を使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.25gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 9.78(s, 1H), 8.71(brs, 1H), 8.64(brs, 1H), 8.21(m,1H), 7.56(m, 1H), 7.50(m, 1H), 6.76(m, 1H), 6.62(m, 2H), 6.45(m, 1H), 3.34(m, 2H), 2.62(m, 2H), 2.07(s, 9H), 1.73(s, 6H)。
【0086】
[実施例14]3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(3,4‐ジヒドロキシフェニル)‐エチル]‐4‐メトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0088】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ安息香酸に代えて3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐メトキシ安息香酸を使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、白色固体状の目的物0.19gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 8.73(brs, 1H), 8.63(brs, 1H), 8.34(m,1H), 7.66 (m, 2H), 7.00(d, 1H, J=8.7Hz), 6.63(m, 2H), 6.46(d, 1H, J=8.1Hz), 3.80(s, 3H), 3.32(m, 2H), 2.62(t, 2H, J=8.1Hz), 2.05(s, 9H), 1.73(s, 6H)。
【0089】
[実施例15]3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐ヒドロキシ‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐安息香酸アミドの製造
【0091】
3,4‐ジヒドロキシベンジルアミンに代えてチラミン(tyramine)を使用したことを除き、実施例11と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.03gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 9.78(s, 1H), 9.14(s, 1H), 8.33(m,1H), 7.56(d, 1H, J=8.4Hz), 7.01(d, 2H, J=8.1Hz), 6.76(d, 1H, J=8.4Hz), 6.67(d, 2H, J=8.1Hz), 3.18(m, 2H), 2.68(t, 2H, J=7.5Hz), 2.07(s, 9H), 1.73(s, 6H)。
【0092】
[実施例16]3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エチル]‐4‐メトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0094】
3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐ヒドロキシ安息香酸に代えて3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐メトキシ安息香酸を、そして、3,4‐ジヒドロキシベンジルアミンに代えてチラミン(tyramine)を使用したことを除き、実施例11と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.03gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 9.14(s, 1H), 8.33(t,1H, J=5.4Hz), 7.65(m, 2H), 7.00(m, 3H), 6.67(m, 2H), 3.83(s, 3H), 3.35(m, 2H), 2.69(t, 2H, J=7.7Hz), 2.05(s, 9H), 1.74(s, 6H)。
【0095】
[実施例17]3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐4‐ヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0097】
3,4‐ジヒドロキシベンジルアミンに代えて2,4‐ジヒドロキシベンジルアミンを使用したことを除き、実施例11と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.04gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 9.87(s, 1H), 9.64(s, 1H), 9.09(s, 1H), 8.73(m, 1H), 7.58(m,2H), 6.89(d, 1H, J=8.1Hz), 6.77(d, 1H, J=7.8Hz), 6.18(m, 2H), 4.25(m, 2H), 2.07(s, 9H), 1.72(s, 6H)。
【0098】
[実施例18]3‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,4‐ジヒドロキシベンジル)‐4‐メトキシ‐安息香酸アミドの製造
【0100】
3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐ヒドロキシ安息香酸に代えて3‐アダマンタン‐1‐イル‐4‐メトキシ安息香酸を、そして、3,4‐ジヒドロキシベンジルアミンに代えて2,4‐ジヒドロキシベンジルアミンを使用したことを除き、実施例11と実質的に同一の方法を使用して、白色固体の目的物0.03gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 9.58(s, 1H), 9.09(s, 1H), 8.81(t, 1H, J=5.4Hz), 7.73 (m,2H), 7.02(d, 1H, J=8.4Hz), 6.90(d, 1H, J=8.1Hz), 6.18(m, 2H), 4.26(d, 2H, J=5.7Hz), 3.84(s, 3H), 2.05(s, 9H), 1.73(s, 6H)。
【0101】
[実施例19]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,5‐ジメトキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0103】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸(1.21g)、N‐ヒドロキシスクシンイミド(0.48g)、N,N´‐ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.86g)を、ジオキサン(20mL)に溶かして12時間撹拌し、生成された固体を濾過して濾液を2,5‐ジメトキシベンジルアミン(0.77g)、重炭酸ナトリウム(0.36g)、水(4mL)の混合溶液に滴加し、50℃で2時間攪拌する。反応が終わった後、溶液の温度を常温に下げてから、10%HCl溶液で中和し、酢酸エチル(100mL)で洗浄する。有機溶液層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して、白色固体の目的物0.43gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.39(s, 1H), 9.94(s, 1H), 8.90(m, 1H), 7.50 (s,1H), 6.92(d, 1H, J=8.7Hz), 6.80(m, 1H), 6.73(m, 1H), 6.28(s, 1H), 4.44(d, 2H, J=5.7Hz), 3.77(s, 3H), 3.65(s, 3H), 2.04(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0104】
[実施例20]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,5‐ジヒドロキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0106】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(2,5‐ジメトキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミド(0.27g)をジクロロメタン(3mL)に溶かした後、BBr
3(1.7mL in CH
2Cl
2 1.0M溶液、3eq.)を加え、室温で2時間攪拌してからメタノール(5mL)を加え、水とジクロロメタンを利用して抽出する。有機溶液層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して、白色固体の目的物0.02gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.50(s, 1H), 9.94(s, 1H), 8.93(m, 1H), 8.81 (s,1H), 8.59(s,1H), 7.50(s,1H), 6.58(m, 2H), 6.44(m, 1H), 6.28(s, 1H), 4.34(m, 2H), 2.04(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0107】
[実施例21]5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,5‐ジメトキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミドの製造
【0109】
ドーパミンに代えて3,5‐ジメトキシベンジルアミンを使用したことを除き、実施例1の(2)と実質的に同一の方法を使用して、乳白色固体の目的物0.31gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.55(s, 1H), 9.96(s, 1H), 9.02(m, 1H), 7.46 (s,1H), 6.46(m, 2H), 6.38(s, 1H), 6.27(s, 1H), 4.39(d, 2H, J=5.4Hz), 3.71(s, 6H), 2.04(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0110】
[実施例22]5‐アダマンタン‐1‐イル‐2,4‐ジヒドロキシ‐N‐(3‐ヒドロキシ‐5‐メトキシベンジル)‐安息香酸アミドの製造
【0112】
5‐アダマンタン‐1‐イル‐N‐(3,5‐ジメトキシベンジル)‐2,4‐ジヒドロキシ‐安息香酸アミド(0.27g)をジクロロメタン(3mL)に溶かした後、BBr
3(1.7mL in CH
2Cl
2 1.0M溶液、3eq.)を加え、室温で2時間攪拌してからメタノール(5mL)を加え、水とジクロロメタンを利用して抽出する。有機溶液層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離して、白色固体の目的物0.045gを得た。
1H NMR(300MHz, DMSO-d
6) 12.45(s, 1H), 9.95(s, 1H), 9.35(m, 1H), 9.01(m, 1H), 7.46(s,1H), 6.31(m, 3H), 6.19(s, 1H), 4.34(m, 2H), 3.67(s, 3H), 2.04(s, 9H), 1.71(s, 6H)。
【0113】
[試験例1]メラニン色素生成細胞におけるメラニン生成抑制効果
前記実施例において製造した安息香酸アミド誘導体化合物に対するメラニン色素生成細胞内におけるメラニン生成抑制効果を、Dooley法により測定した。細胞株は、韓国細胞株バンクから購入したマウス由来B16F10(黒色腫細胞)を使用した。細胞培養に必要なDMEM(Cat No.11995)、FBS(Cat No.16000‐044)および抗生物質‐抗真菌剤試薬(Cat No.15240‐062)は、インビトロジェン(Invitrogen)(GIBCO)社から購入した。細胞株は、37℃、5%CO
2条件下で培養した。培養されたB16F10細胞を、0.05%トリプシン(Trypsin)‐EDTAで剥離し、48‐培養容器(well plate)にさらに同数(1×10
4cells/well)接種した後、2日目から3日連続で各実施例10ppmを含めた培地に交換した。陽性対照群としてコウジ酸(kojic acid)とルシノール(rucinol)を使用した。5日目以降に1N NaOHを処理して、60℃で2時間反応させて、セルに含まれたメラニンを溶出させ、405nmにおける吸光度測定を通じてメラニンの量を測定した。それらの結果から、メラノサイトのメラニン生成を半分に減少させるために必要な実施例の濃度(IC
50)を計算して、表1に示した。
【0115】
前記結果から見られるように、実施例の化合物は、コウジ酸やルシノールに比べてはるかに少ない量でもメラニンの生成を抑制することができる。したがって、本発明に係る安息香酸アミド誘導体化合物は、メラニンの生成を抑え、優れた皮膚美白効果を有することが分かる。
【0116】
[試験例2]マッシュルームチロシナーゼ活性阻害効果
前記実施例において製造した安息香酸アミド誘導体化合物のマッシュルームチロシナーゼ活性阻害効果をヴァンニ(Vanni,et al.)の方法により測定した。具体的に、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)49.5μl、蒸留水(D.W)45μl、マッシュルームチロシナーゼ(SIGMAT‐7755)0.5μl(10ユニット)および実施例5μlを混合した後、0.3mg/mLチロシン水溶液50μlを96‐培養容器に混ぜて(計150μl)、37℃で10分間酵素反応させた。陽性対照群として、コウジ酸とルシノールを使用した。反応溶液の吸光度を480nmにおいて測定し、チロシナーゼ酵素活性の50%を阻害する実施例の濃度(IC
50)を計算して、表2に示した。
【0118】
前記結果から見られるように、実施例の安息香酸アミド誘導体化合物は、マッシュルームチロシナーゼ活性を阻害する効果に優れ、その効果はコウジ酸やルシノールよりも優れる。したがって、本発明に係る安息香酸アミド誘導体化合物は、チロシナーゼの活性を阻害して優れた皮膚美白効果を有することが分かる。
【0119】
以下、本発明の一側面による化合物、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、そのプロドラッグ、その水和物またはその溶媒和物を含む組成物の剤形例をより詳細に説明するが、組成物は、様々な剤形に応用可能であり、これは、本発明を限定しようとするものでなく、単に具体的に説明しようとするものである。
【0120】
[剤形例1]化粧水
表3に記載された組成により、通常の方法に従って化粧水を製造する。
【0122】
[剤形例2]栄養クリーム
表4に記載された組成により、通常の方法に従って栄養クリームを製造する。
【0124】
[剤形例3]マッサージクリーム
表5に記載された組成により、通常の方法に従ってマッサージクリームを製造する。
【0126】
[剤形例4]パック
表6に記載された組成により、通常の方法に従ってパックを製造する。
【0128】
[剤形例5]ジェル
表7に記載された組成により、通常の方法に従ってゲルを製造する。
【0130】
[剤形例6]軟膏
表8に記載された組成により、通常の方法に従ってペーストを製造した。