特許第5960927号(P5960927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5960927ソーシャル・ネットワーキング・システムにおける影響を決定すること
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960927
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ソーシャル・ネットワーキング・システムにおける影響を決定すること
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160719BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20160719BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   G06Q30/02
   G06Q50/00 300
   G06F13/00 540P
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-545078(P2015-545078)
(86)(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公表番号】特表2016-503554(P2016-503554A)
(43)【公表日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】US2013069855
(87)【国際公開番号】WO2014085089
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年4月20日
(31)【優先権主張番号】13/688,015
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ボスワース、アンドリュー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】バーラティ、アルナ
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−15917(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/121470(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0144075(US,A1)
【文献】 米国特許第7827208(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0070219(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャル・ネットワーキング・システムにおいて、複数のユーザと、前記ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持される複数のオブジェクトとの間の関連付けを記憶する工程と、
前記ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるターゲット・オブジェクトを識別する工程と、
記憶された前記関連付けから前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザのセットを識別する工程であって、前記ユーザのセットは、複数のユーザを含む、工程と、
前記ユーザのセットに対して親和性のセットを決定する工程であって、前記親和性のセットは、前記ターゲット・オブジェクトに対する前記複数のユーザの各々の親和性を含む、工程と、
前記親和性のセットの各々に重みを適用して重み付けされた親和性を生成する工程と、重み付けされた前記親和性の平均値を決定する工程とによって、前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられる影響度メトリックを前記親和性のセットに基づいて生成する工程であって、前記影響度メトリックは、全体として前記ユーザのセットに対する前記ターゲット・オブジェクトの関連性を表す、第1の影響度メトリック生成工程と、
前記影響度メトリックを記憶する工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記ターゲット・オブジェクトは、ユーザ、ページ、グループ、およびコンテンツ・アイテムのうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
親和性に適用される重みは、前記親和性に関連付けられているユーザの特徴に少なくとも一部基づいている、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記特徴は、前記ユーザと前記ターゲット・オブジェクトとの間の最新の対話の時間である、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第の影響度メトリック生成工程は、
重み付けされた前記親和性の中央値を決定する工程をさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項6】
ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるターゲット・オブジェクトを識別する工程と、
前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザのセットを記憶された情報に基づいて識別する工程であって、前記情報は、ユーザによって行われる対話と、ユーザと前記ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるオブジェクトとの間におけるつながりとについて記述する、工程と、
前記ユーザのセットに対して親和性のセットを決定する工程であって、前記親和性のセットは、前記ターゲット・オブジェクトに対する複数のユーザの各々の親和性を含む、工程と、
前記親和性のセットの各々に重みを適用して重み付けされた親和性を生成する工程と、重み付けされた前記親和性の平均値を決定する工程とによって、前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられる影響度メトリックを前記親和性のセットに基づいて生成する工程であって、前記影響度メトリックは、全体として前記ユーザのセットに対する前記ターゲット・オブジェクトの関連性を表す、第1の影響度メトリック生成工程と、
前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられる前記影響度メトリックに少なくとも一部基づいて、1以上のさらなるユーザに前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられているストーリを提示するか否かを決定する、ストーリ提示決定工程と、を備える方法。
【請求項7】
前記ストーリ提示決定工程は、
前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられる前記影響度メトリックが、少なくとも閾値である場合、さらなるユーザに前記ストーリについて記述している通知メッセージを送信する工程を備える、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記ストーリ提示決定工程は、
さらなるユーザに関連付けられている位置、前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられている位置、および前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられる影響度メトリックに基づいて、前記さらなるユーザに前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられている前記ストーリを提示するか否かを決定する工程を備える、請求項に記載の方法。
【請求項9】
親和性に適用される重みは、前記親和性に関連付けられているユーザの特徴に少なくとも一部基づいている、請求項に記載の方法。
【請求項10】
ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるターゲット・オブジェクトを識別する工程と、
前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザのセットを記憶された情報に基づいて識別する工程であって、前記情報は、ユーザによって行われる対話と、ユーザと前記ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるオブジェクトとの間におけるつながりとについて記述する、工程と、
前記ユーザのセットに対して親和性のセットを決定する工程であって、前記親和性のセットは、前記ターゲット・オブジェクトに対する識別された前記ユーザの各々の親和性を含む、工程と、
前記親和性のセットの各々に重みを適用して重み付けされた親和性を生成する工程と、重み付けされた前記親和性の平均値を決定する工程とによって、前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられる影響度メトリックを前記親和性に基づいて生成する工程であって、前記影響度メトリックは、全体として識別された前記ユーザに対する前記ターゲット・オブジェクトの関連性を表す、工程と、
前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられている広告を識別する工程と、
前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられる前記影響度メトリックに少なくとも一部基づいて、1以上のさらなるユーザに前記ターゲット・オブジェクトに関連付けられて
いる前記広告を提示するか否かを決定する工程と、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してソーシャル・ネットワーキング・システムに関し、詳細にはソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるオブジェクトの影響の尺度(measures)を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
ソーシャル・ネットワーキング・システムは、一般的に様々なオブジェクトを維持し、様々なオブジェクトは各々ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるデータを表す。ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持されるオブジェクトの例には、ユーザ・プロフィール、ページ、ページ投稿、状態更新、写真、動画、リンク、共有されたコンテンツ・アイテム、ゲーム・アプリケーションの達成度、地域の商業施設におけるチェックイン・イベント、ブランド・ページ、またはその他のタイプのコンテンツが含まれる。ユーザが、ソーシャル・ネットワーキング・システムのオブジェクトとの対話を行うとき、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、対話、対話を行っているユーザ、および対話に関連付けられているオブジェクトを識別する情報を記憶する。対話の例には、オブジェクトを閲覧すること、オブジェクトにコメントすること、オブジェクトを共有すること、オブジェクトに対する好みを表明すること(オブジェクトに「いいね」と表明すること)、または他のタイプの対話が含まれる。
【0003】
ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ユーザとオブジェクトとの対話に基づいて、ユーザへのオブジェクトの関連性を決定することができる。例えば、ユーザへのオブジェクトの関連性を決定するために、ユーザがオブジェクトと対話する回数、ユーザがオブジェクトと対話する頻度、オブジェクトに関連付けられているユーザによるコミュニケーション、オブジェクトに対するユーザの好みの表明、および/またはオブジェクトとの他の対話が使用される。ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ユーザがオブジェクトと対話できるようにすることに加えて、ユーザが他のユーザにつながりを確立して、情報を共有できるようにする。ユーザにとって興味のある可能性の高いオブジェクトを識別するために、ユーザ間のこれらのつながりが使用される。例えば、互いにつながっている2人のユーザが、ソーシャル・ネットワーキング・システムにより頻繁に通信する場合、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、ユーザの一方に関連するオブジェクトが、他方のユーザにも関連する可能性が高いと推論する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザにつながっている他のユーザへのオブジェクトの関連性に基づいてユーザへのオブジェクトの関連性を決定することには、限界がある。例えば、第1のオブジェクトが、第1のユーザに非常に関連するが、第1のユーザに関連付けられている第2のユーザには関連しないことがある。ユーザの関連付けに基づいて関連性を決定することは、ソーシャル・ネットワーキング・システム全体のユーザへのオブジェクトの一般的な関連性(ソーシャル・ネットワーキング・システム内のオブジェクトの「影響」)を考慮に入れていない。さらに、ユーザ間のつながりに基づいてオブジェクトの関連性を決定することは、異なる地理的領域に存在するユーザを考慮に入れていない。例えば、ユーザが、外国において休暇中にソーシャル・ネットワーキング・システムにアクセスする場合、地域の商業施設および観光名所に関連付けられているオブジェクトは、ユーザに関連すると識別される可能性は低くされる。ユーザにつながっている他のユーザが、外国のエンティティに関連付けられているオブジェクトとの対話を行う可能性は低いからである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ソーシャル・ネットワーキング・システム全体にわたるユーザへのオブジェクトの総関連性の尺度、すなわち、オブジェクトの「影響度」は、ソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザがそのオブジェクトに対して有する親和性に基づいて決定される。一実施形態では、ターゲット・オブジェクトが、ソーシャル・ネットワーキング・システムから識別され、このターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザが識別される。ターゲット・オブジェクトの例には、ソーシャル・ネットワーキング・システム内のユーザ・プロフィール、ページ、コンテンツ・アイテム、またその他の好適なオブジェクトが含まれる。ユーザが、ターゲット・オブジェクトへのつながりを確立している場合、すなわち、オブジェクトと対話したことがある場合、ユーザはターゲット・オブジェクトに関連付けられている。例えば、ターゲット・オブジェクトがユーザ・プロフィールである場合、ユーザ・プロフィールに関連付けられている識別されたユーザは、ユーザ・プロフィールとつながりを確立している。別の例として、ターゲット・オブジェクトがコンテンツ・アイテムである場合、ターゲット・オブジェクトに関連付けられている識別されたユーザが、ターゲット・オブジェクトを閲覧した、ターゲット・オブジェクトにコメントした、ターゲット・オブジェクトを共有した、またはターゲット・オブジェクトと他の好適な対話を行ったユーザである。
【0006】
ターゲット・オブジェクトに関連付けられている各ユーザと、ターゲット・オブジェクトとの間における親和性が決定される。例えば、ソーシャル・ネットワーキング・システムによって記憶された親和性が取出される。ターゲット・オブジェクトに対するユーザの親和性は、ユーザへのターゲット・オブジェクトの関連性の尺度、ターゲット・オブジェクトとユーザとの関係の強さの尺度、またはユーザへのターゲット・オブジェクトの価値の尺度である。ターゲット・オブジェクトに対するユーザの親和性を決定するために、ユーザとターゲット・オブジェクトとの対話が使用される。例えば、ユーザとターゲット・オブジェクトとの間における親和性は、ユーザによってターゲット・オブジェクトに対して行われた対話の数に基づく、ユーザによってターゲット・オブジェクトに対して行われた対話の頻度に基づく、またはユーザによってターゲット・オブジェクトに対して行われた対話のタイプに基づくことができる。
【0007】
アクセスされた親和性は、ターゲット・オブジェクトに関する影響度メトリックを決定するために組合される。アクセスされた親和性は、影響度メトリックとして親和性の中央値または平均値を決定することによって、アクセスされた親和性を加算して影響度メトリックとして和を使用することによって、またはアクセスされた親和性を乗じて影響度メトリックとして積を使用することによって、組合される。一実施形態では、親和性は、組合されるとき、重み付けされる。例えば、親和性は、親和性に関連付けられているユーザが、どのくらい最近にアクションを行ったかに基づいて重み付けされることがあり、より最近にターゲット・オブジェクトと対話したユーザの親和性が、より大きく重み付けされることを可能にする。影響度メトリックは、その後の使用のために記憶される。影響度メトリックは、ソーシャル・ネットワーキング・システム中の複数のオブジェクトに対して計算される。影響度メトリックは、定期的に更新されるか、またはユーザが影響度メトリックに関連付けられているオブジェクトと対話するとき、異なるオブジェクトに関連付けられている影響度メトリックが、個々に更新される。
【0008】
オブジェクトに関連付けられている影響度メトリックに基づいて、ソーシャル・ネットワーキング・システムによって、様々なアクションが行われる。例えば、ストーリは、そのストーリに関連付けられている影響度メトリックに基づいてソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに表示するために選択される。ストーリに関連付けられている影響度メトリックは、ニュース・フィードに、またはニュース・ティッカーに提示されるストーリを順序付ける、すなわち、ランク付けするために使用される。オブジェクトに関連
付けられている影響度メトリックは、オブジェクトがユーザに識別される方法を制御することもできる。例えば、オブジェクトに関する影響度メトリックは、オブジェクトがニュース・フィードによりユーザに提示されるか、または通知によりユーザに提示されるかを決定する。
【0009】
さらに、広告(「アド」)に関連付けられている、または広告が提示されるユーザのユーザ・プロフィールに関連付けられている影響度メトリックは、広告を選択するとき、使用される。広告主は、少なくとも閾値の影響スコアを有するユーザ・プロフィールを有するユーザにインセンティブを提供して、広告主がユーザのアクションのスポンサーになることを可能にする。あるいは、広告主は、ユーザ・プロフィールの影響度スコアに基づいてスポンサーになるユーザ・アクションを識別することができる。さらに、位置情報または検索結果は、対応するオブジェクトに関連付けられている影響度メトリックに基づいて提示、または順序付けられる。
【0010】
一実施形態では、特定のユーザに関連付けられている複数のターゲット・オブジェクトに関する影響度メトリックは、そのユーザに関連付けられている関連性メトリックとして組合され、この関連性メトリックは、ユーザに関連付けられているオブジェクトのそのユーザへの全体的な関連性を表現する。関連性メトリックは、ユーザに関連付けられているオブジェクトの影響の指標(indication)となる。この関連性メトリックを計算するために、ユーザに関連付けられているオブジェクトのセットが識別され、このオブジェクトのセットの各々の影響度メトリックが組合されて、関連性メトリックを生成する。上述のように、ユーザがオブジェクトにつながっている、すなわち、オブジェクトと対話したことがある場合、オブジェクトはユーザに関連付けられているとみなされる。
【0011】
関連性メトリックは、影響度メトリックの平均値、中央値、和、積、または他の統計的尺度として決定される。一実施形態では、影響度メトリックは、組合せの前に重み付けされる。関連性メトリックは、関連性メトリックに関連付けられているユーザに提示するコンテンツを選択するために使用される。例えば、閾値を上回る関連性メトリックを有するユーザにコンテンツが提示され、閾値を下回る関連性メトリックを有するユーザには提示されない。別の例では、ソーシャル・ネットワーキング・システムは、関連付けられる関連性メトリックに基づいてユーザにアクションを提案する。
【0012】
さらに、ユーザのセットの関連性メトリックが組合されて、ユーザのセットに関連付けられているオブジェクトの、ユーザのセットへの関連性を表現する総関連性メトリックを形成することが可能である。一実施形態では、ユーザのセットは、共通の特徴を有する。例えば、ユーザのセットは、共通の経歴の特徴を有する、または共通の地理的特徴を有するユーザを含む。ユーザのセットに提示されるコンテンツは、ユーザのセットに関連付けられている総関連性メトリックに基づく。例えば、広告主は、ユーザの様々なセットに対する総関連性メトリックに基づいて、ボリビアのユーザにではなくドイツのユーザに特定の広告を提示することを決断する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムが動作するシステム環境のブロック図。
図2】本発明の一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのブロック図。
図3】一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのオブジェクトに関する影響度メトリックの決定を示すブロック図。
図4】一実施形態による、オブジェクトに関する影響度メトリックを決定するためのプロセスのフローチャート。
図5】一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに関する関連性メトリックの決定を示すブロック図。
図6】一実施形態による、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに関する関連性メトリックを決定するためのプロセスのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図は、単に説明のために、本発明の様々な実施形態を示す。次の説明から、本明細書に示す構造および方法の代替的実施形態が、本明細書に記載する本発明の原理から逸脱することなく使用されることを、当業者であれば容易に理解するであろう。
【0015】
システム・アーキテクチャ
図1は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のためのシステム環境100を示すハイレベルブロック図である。システム環境100は、1つまたは複数のクライアント・デバイス110と、ネットワーク120と、1つまたは複数の第三者ウェブサイト130と、ソーシャル・ネットワーキング・システム140とを備える。代替的構成では、異なる構成要素および/または追加の構成要素が、システム環境100に含まれる。本明細書に記載する実施形態は、ソーシャル・ネットワーキング・システム以外のオンライン・システムに適用される。
【0016】
クライアント・デバイス110は、ユーザ入力を受信すること、ならびにネットワーク120を通じてデータを送信および/または受信することができるコンピューティング・デバイスである。一実施形態では、クライアント・デバイス110は、デスクトップまたはラップトップ・コンピュータなど、従来のコンピュータ・システムである。別の実施形態では、クライアント・デバイス110は、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、スマートフォン、または同様のデバイスなど、コンピュータ機能を有するデバイスとすることができる。クライアント・デバイス110は、ネットワーク120を通じて通信するように構成される。一実施形態では、クライアント・デバイス110は、クライアント・デバイス110のユーザがソーシャル・ネットワーキング・システム140と対話できるようにするアプリケーションを実行する。例えば、クライアント・デバイス110は、ネットワーク120を通じてクライアント・デバイス110とソーシャル・ネットワーキング・システム140との間の対話を可能にするためにブラウザ・アプリケーションを実行する。別の実施形態では、クライアント・デバイス110は、iOS(登録商標)およびANDROID(登録商標)など、クライアント・デバイス110の固有のオペレーティング・システムに上で動作するアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)によりソーシャル・ネットワーキング・システム140と対話する。
【0017】
クライアント・デバイス110は、有線通信システムと無線通信システムの両方を使用して、ローカル・エリア・ネットワークおよび/またはワイド・エリア・ネットワークの任意の組合せを含むネットワーク120を通じて通信するように構成される。一実施形態では、ネットワーク120は、標準通信技術および/または標準プロトコルを使用する。したがって、ネットワーク120には、イーサネット(登録商標)、802.11、マイクロ波アクセス世界規模相互運用(WiMAX)、3G、4G、符号分割多重アクセス(CDMA)、デジタル加入者線(DSL)などの技術を使用するリンクを含む。同様に、ネットワーク120で使用されるネットワーキング・プロトコルには、マルチプロトコル・ラベル・スイッチング(MPLS)、伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)を含む。ネットワーク120を通じて交換されるデータは、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)、または拡張マークアップ言語(XML)を含む、技術および/または形式を使用して表される。さらに、リンクの全部または一部は、
セキュア・ソケット・レイヤ(SSL)、トランスポート層セキュリティ(TLS)、およびインターネット・プロトコル・セキュリティ(IPsec)などの従来の暗号化技術を使用して暗号化される。
【0018】
第三者ウェブサイト130は、図2と併せて以下にさらに説明するソーシャル・ネットワーキング・システム140と通信するために、ネットワーク120に結合される。一実施形態では、第三者ウェブサイト130は、ユーザからメッセージを受信し、受信したメッセージを他のユーザにルーティングして、クライアント・デバイス110を通じて提示する電子メール・サーバまたは別のメッセージング・サーバである。第三者ウェブサイト130は、様々なユーザのためにアカウントを維持することができ、様々なユーザ・アカウントにメッセージを宛てて、メッセージまたは他のコンテンツをユーザに通信する。
【0019】
図2は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のアーキテクチャの例示的ブロック図である。ソーシャル・ネットワーキング・システム140は、ユーザ・プロフィール・ストア205と、コンテンツ・ストア210と、アクション・ロガー215と、アクション・ログ220と、エッジ・ストア230と、影響度計算機235と、関連性計算機240と、コンテンツ・セレクタ245と、ウェブ・サーバ250とを含む。他の実施形態では、ソーシャル・ネットワーキング・システム140は、様々なアプリケーションに対して、追加の構成要素、より少ない構成要素、または異なる構成要素を含む。システム・アーキテクチャの詳細を曖昧にしないように、ネットワーク・インタフェース、セキュリティ機能、ロード・バランサ、フェイルオーバ・サーバ、管理およびネットワーク・オペレーション・コンソールなどの従来の構成要素は、示されていない。
【0020】
ソーシャル・ネットワーキング・システム140の各ユーザは、ユーザ・プロフィール・ストア205に記憶されたユーザ・プロフィールに関連付けられている。ユーザ・プロフィールは、ユーザによって明示的に共有されたユーザに関する宣言情報を含み、また、ソーシャル・ネットワーキング・システム140によって推論されたプロフィール情報を含むこともある。一実施形態では、ユーザ・プロフィールは、複数のデータ・フィールドを含み、各データ・フィールドは、ソーシャル・ネットワーキング・システム140の対応するユーザの1つまたは複数の属性を記述する。ユーザ・プロフィール・ストア205に記憶されたユーザ・プロフィール情報は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザを記述する。ユーザ・プロフィールに記憶される情報の例には、経歴、人口統計、および他のタイプの記述的情報、例えば仕事経験、学歴、性別、趣味もしくは好み、位置などが含まれる。ユーザ・プロフィールは、ユーザによって提供される他の情報、例えば画像または動画を記憶する。一実施形態では、ユーザの画像に、その画像に表示されているソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザの識別情報がタグ付けされる。ユーザ・プロフィール・ストア205中のユーザ・プロフィールは、コンテンツ・ストア210中のコンテンツ・アイテム上で行われ、アクション・ログ220に記憶された、対応するユーザによるアクションへの参照を維持することもある。
【0021】
さらに、ユーザ・プロフィールは、ソーシャル・ネットワーキング・システム140の外部の対応するユーザと通信するための情報を含む。例えば、ユーザ・プロフィールは、電子メール・サーバを通じてユーザにコンテンツを通信するための1つもしくは複数の電子メール(eメール)アドレス、またはソーシャル・ネットワーキング・システム140の外部の他の第三者ウェブサイト130を含む。別の例として、ユーザ・プロフィールは、ソーシャル・ネットワーキング・システム140の外部の通信チャネルを通じて対応するユーザと対話するための電話番号または他の連絡先情報を含む。
【0022】
ユーザ・プロフィール・ストア205中のユーザ・プロフィールは、個人と頻繁に関連付けられ、人々がソーシャル・ネットワーキング・システム140を通じて互いに対話で
きるようになる一方で、ユーザ・プロフィールは、企業または組織などのエンティティのために記憶される。これによりエンティティが、他のソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザと接続し、コンテンツを交換するために、ソーシャル・ネットワーキング・システム140上に存在を確立することができる。エンティティは、それ自体に関して、その製品に関して情報を投稿する、またはエンティティのユーザ・プロフィールと関連付けられたブランド・ページを使用してソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに他の情報を提供する。ソーシャル・ネットワーキング・システムの他のユーザは、ブランド・ページに接続して、ブランド・ページに投稿された情報を受信する、またはブランド・ページから情報を受信する。ブランド・ページと関連付けられたユーザ・プロフィールは、エンティティ自体に関する情報を含み、エンティティに関する背景または情報データをユーザに提供する。
【0023】
コンテンツ・ストア210は、様々なタイプのコンテンツを表すオブジェクトを記憶する。オブジェクトによって表されるコンテンツの例には、ページ投稿、状態更新、写真、動画、リンク、共有されたコンテンツ・アイテム、ゲーム・アプリケーションの達成度、地域の商業施設におけるチェックイン・イベント、ブランド・ページ、またはその他のタイプのコンテンツが含まれる。オブジェクトは、状態更新、ソーシャル・ネットワーキング・システム中の他のオブジェクト、イベント、グループ、またはアプリケーションに関連付けられているようにユーザによってタグ付けされる写真など、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザによって作成される。いくつかの実施形態では、オブジェクトは、第三者アプリケーションから受信され、第三者アプリケーションはソーシャル・ネットワーキング・システム140の外部にあってもよい。コンテンツ「アイテム」は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140中のオブジェクトとして表されるコンテンツの単一部分を表す。ソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザは、様々な通信チャネルを通じてテキストおよび様々なタイプの媒体のコンテンツ・アイテムを投稿することによって互いと通信するよう奨励され、互いとのユーザ対話が増え、ユーザがソーシャル・ネットワーキング・システム内で対話する頻度が増える。
【0024】
アクション・ロガー215は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140上のユーザ・アクションおよび/またはソーシャル・ネットワーキング・システム140の外部のユーザ・アクションに関する通信を受信し、アクション・ログ220をユーザ・アクションに関する情報で埋める。このようなアクションには、例えば特に、別のユーザへのつながりを追加すること、別のユーザにメッセージを送信すること、画像をアップロードすること、別のユーザからのメッセージを読むこと、別のユーザと関連付けられたコンテンツを閲覧すること、別のユーザによって投稿されたイベントに参加することを含む。いくつかの実施形態では、アクション・ロガー215は、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザとソーシャル・ネットワーキング・システム140内のブランド・ページとの間の対話を識別し、これが、ブランド・ページ上のコンテンツに関連付けられているターゲット基準をコンテンツ・セレクタに通信して、ブランド・ページからのコンテンツをカスタマイズする。さらに、他のオブジェクトとのつながりに記述されるいくつかのアクションが、特定のユーザに向けられて、これらのアクションがそれらのユーザとも関連付けられる。これらのアクションは、アクション・ログ220に記憶される。
【0025】
アクション・ログ220は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140に情報を通信する外部ウェブサイト130上のユーザ・アクションと同様にソーシャル・ネットワーキング・システム140上のユーザ・アクションを追跡するために、ソーシャル・ネットワーキング・システム140によって使用される。ユーザは、投稿にコメントすること、リンクを共有すること、およびモバイル・デバイスにより物理的位置にチェックインすること、コンテンツ・アイテムにアクセスすること、または他の対話など、ソーシャル・ネットワーキング・システム140上の様々なオブジェクトと対話することができる。こ
れらのアクションを記述する情報は、アクション・ログ220に記憶される。アクション・ログ220に含まれるソーシャル・ネットワーキング・システム140上のオブジェクトとの対話のさらなる例には、写真アルバムにコメントすること、ユーザ間のコミュニケーション、ミュージシャンのファンになること、カレンダーにイベントを追加すること、グループに参加すること、ブランド・ページのファンになること、イベントを作成すること、アプリケーションを許可すること、アプリケーションを使用すること、および取引に関与することが含まれる。さらに、アクション・ログ220は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140上で動いている他のアプリケーションと同様に、ソーシャル・ネットワーキング・システム140上の広告とのユーザ対話を記録する。いくつかの実施形態では、アクション・ログ220からのデータが、ユーザの興味または好みを推論するために使用され、ユーザ・プロフィールに含まれる興味を増大させ、ユーザの好みをさらに完全に理解できるようにする。
【0026】
アクション・ログ220は、第三者ウェブサイト130など、外部のウェブサイト上で行われたユーザ・アクションを記憶することもできる。例えば、主としてスポーツ用品を特価で販売する商用ウェブサイトが、電子商取引ウェブサイトがソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザを識別できるようにするソーシャル・プラグインを通して、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザを認識する。ソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザは、一意に識別可能であるので、このスポーツ用品の小売店などの電子商取引ウェブサイトは、これらのユーザが電子商取引ウェブサイトを訪れるとき、これらのユーザに関する情報を使用することができる。アクション・ログ220は、ウェブ・ページ閲覧履歴、関っている広告、行われた購入、ならびにショッピングおよび買い物からの他のパターンを含む、これらのユーザに関するデータを記録する。
【0027】
一実施形態では、エッジ・ストア230は、ユーザとソーシャル・ネットワーキング・システム140上の他のオブジェクトとの間のつながりをエッジとして記述する情報を記憶する。いくつかのエッジはユーザによって定義され、ユーザが他のユーザとの関係を指定できるようにすることがある。例えば、ユーザは、友達、同僚、パートナー、その他など、ユーザの実生活の関係に匹敵する他のユーザとのエッジを生成することができる。ユーザが、例えばソーシャル・ネットワーキング・システム140上のページに興味を表す、ソーシャル・ネットワーキング・システム140の他のユーザとリンクを共有する、およびソーシャル・ネットワーキング・システム140の他のユーザによって行われた投稿にコメントするなど、ソーシャル・ネットワーキング・システム140中のオブジェクトと対話するとき、他のエッジが生成される。
【0028】
エッジ・ストア230は、オブジェクト、興味、および他のユーザに対する親和性スコアなど、エッジの特徴を記述する情報を記憶する。親和性スコアは、経時的にソーシャル・ネットワーキング・システム140によって計算されて、ユーザによって取られるアクションに基づいて、ソーシャル・ネットワーキング・システム140におけるオブジェクト、興味、および他のユーザに対するユーザの親和性を概算することが可能である。したがって、別のオブジェクトに対するオブジェクトの親和性が、互いへのオブジェクトの関連性を推論することができる。例えば、(第1のノードによって表される)第1のユーザが、高い親和性に関連付けられているエッジによって(第2のノードによって表される)第2のユーザにつながっており、かつ低い親和性に関連付けられているエッジによって(第3のノードによって表される)第3のユーザにもつながっている場合、第2のユーザによって取られるアクションは、第3のユーザによって取られるアクションよりも、第1のユーザにより関連性があると推論される。別の例では、ユーザが第1の画像を頻繁に閲覧するが、第2の画像を頻繁に閲覧しない場合、ユーザと第1の画像との間のつながりがユーザと第2の画像との間のつながりよりも、より高い親和性によって表される。したがっ
て、ユーザとオブジェクトとの間における親和性は、ユーザとオブジェクトとの間の対話の数、頻度、もしくはタイプによって、ユーザとオブジェクトとの間の関連付けもしくはつながりのタイプによって、および/またはユーザとオブジェクトの両方に関連付けられている共通のオブジェクトもしくは情報など、ユーザへのオブジェクトの推論値によって、影響を受ける可能性がある。ユーザの親和性が、経時的にソーシャル・ネットワーキング・システム140によって計算されて、ユーザによって取られるアクションに基づいて、ソーシャル・ネットワーキング・システム140におけるオブジェクト、興味、および他のユーザに対するユーザの親和性を概算することが可能である。親和性の計算は、本明細書中にその全体を援用する、2010年12月23日に出願された米国特許出願第12/978、265号にさらに記載されている。
【0029】
ユーザと特定のオブジェクトとの間の複数の対話は、一実施形態では、エッジ・ストア230中の1つのエッジ・オブジェクトに記憶される。例えば、2人のユーザが、家族関係を表すエッジ、他のユーザによる写真中のユーザのタグ付けを表すエッジ、ユーザから他のユーザへのメッセージを表す別のエッジなどによって、つながっている。複数のエッジが、2つのオブジェクトをつなげている場合、各エッジに関連付けられている親和性の組合せが、つながっているオブジェクトに対応するオブジェクトの関連性を推論するために使用される。例えば、エッジに関連付けられている親和性の平均、加重平均、和、加重和、または他の組合せが、複数のエッジによって互いにつながっているオブジェクトに対応するオブジェクトの関連性について推論を行うために使用される。簡単にするために、本明細書で使用する、エッジに関連付けられている親和性は、オブジェクトを表すノード間のエッジに関連付けられている単一の親和性に及ぶが、単一の親和性は、オブジェクト間の複数のエッジと関連する複数の親和性の組合せを表すことがある。いくつかの実施形態では、ユーザ間のつながりは、ユーザ・プロフィール・ストア205に記憶されるか、またはユーザ・プロフィール・ストア205は、エッジ・ストア230にアクセスして、ユーザ間のつながりを決定する。
【0030】
影響度計算機235は、コンテンツ・ストア210またはユーザ・プロフィール・ストア205によって維持されるターゲット・オブジェクトに関する影響度メトリックを決定する。影響度メトリックは、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザ全体へのターゲット・オブジェクトの関連性を表す。したがって、影響度メトリックは、複数のソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザへのオブジェクトのグローバル関連性を表す。図3および図4と併せて以下にさらに説明するように、影響度計算機235は、エッジ・ストア230中のデータに基づいて、ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザを識別し、ターゲット・オブジェクトと、ターゲット・オブジェクトに関連付けられるユーザとの間のエッジに関連付けられる親和性に基づいて、ターゲット・オブジェクトに関する影響度メトリックを決定する。例えば、影響度メトリックは、ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザの各々と、ターゲット・オブジェクトとの間における親和性の平均値または中央値である。いくつかの実施形態では、影響度計算機235は、本明細書に記載する原理を使用して、ターゲット・オブジェクトのセットに対する影響度メトリックを決定することに留意されたい。このような実施形態では、影響度計算機235は、ターゲット・オブジェクトのセットの1つまたは複数に関連付けられているユーザを識別し、識別された各ユーザによってターゲット・オブジェクトのセットの1つまたは複数に対する親和性を決定し、決定された親和性を組合せて、ターゲット・オブジェクトのセットに対する影響度メトリックを決定する。
【0031】
関連性計算機240は、影響度計算機235によって計算された影響度メトリックからユーザに関連付けられている関連性メトリックを生成する。関連性メトリックは、ユーザに関連付けられているオブジェクトと、そのユーザとの関連性を表した。例えば、ユーザに非常に関連性のあるオブジェクトに関連付けられているユーザは、ユーザに関連性の少
ないオブジェクトに関連付けられているユーザよりも高い関連性メトリックを有することができる。一実施形態では、関連性メトリックが、ユーザに関連付けられているオブジェクトのセット(例えば、指定の時間間隔内でユーザが対話したオブジェクト)の平均関連性を数量化するが、関連性メトリックを決定する他の方法が計算されることもある。高い関連性メトリックを有するユーザが、より低い関連性メトリックを有するユーザよりもユーザに関連する可能性がより高いストーリを含むニュース・フィード、またはニュース・ティッカーを有することができる。関連性メトリックは、指定の特徴を有する複数のユーザに対して決定され、関連性計算機240によってユーザのセットに対する総関連性メトリックを形成するために組合される。総関連性メトリックは、ユーザのセットに関連付けられているオブジェクトの、ユーザのセットの中のユーザへの関連性を表す。したがって、関連性メトリックおよび総関連性メトリックは、コンテンツ選択のためにユーザまたはユーザのセットを選択するために使用される。
【0032】
コンテンツ・セレクタ245は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザに提示するためのコンテンツを選択する。コンテンツ・セレクタ245は、影響度計算機235からの影響度メトリックおよび/または関連性計算機240からの関連性メトリックに基づいてユーザに提供するためのコンテンツを選択することができる。例えば、コンテンツ・セレクタ245は、ユーザに提示されるストーリに提示するために、最も高い影響度メトリックを有するオブジェクト、または少なくとも閾値の影響度メトリックを有するオブジェクトを識別する。さらに、コンテンツ・セレクタ245は、表示される各ストーリに関連付けられているオブジェクトに関する影響度メトリックに基づいて、ニュース・フィードまたはニュース・ティッカー内に表示されるストーリをランク付けすることができる。オブジェクトまたはアクションの推奨が、アクション、オブジェクト、および/またはユーザに関連付けられているオブジェクトに関連付けられている影響度メトリックに基づいて行われることも可能である。コンテンツ・セレクタ245は、オブジェクトが、オブジェクトに関連付けられている影響度メトリックに一部基づいた順序(例えば、オブジェクトに関連付けられているストーリがユーザのニュース・フィードに提示される順序)を決定することもできる。
【0033】
影響度メトリックに基づいて、コンテンツ・セレクタ245は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140によって維持されるオブジェクトのランク付けを維持することもできる。ランク付けによりコンテンツ・セレクタ245は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140によって維持される最も影響力のあるオブジェクトを識別することができる。ランク付けは、より影響力のあるオブジェクトに関連付けられている広告の入札を促すために広告主に提供される、またはソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザに対してオブジェクトもしくはアクションを推奨するために使用される。
【0034】
さらに、コンテンツ・セレクタ245は、オブジェクトと関連付けられた影響度メトリックを使用して、オブジェクトがユーザに提示される方法を決定する。例えば、最も高い影響度メトリックに関連付けられているオブジェクト、または少なくとも閾値を有する影響度メトリックが、通知メッセージによりユーザに提示される。通知メッセージは、モバイル・デバイスによりユーザに提示されることが可能であり、ユーザによって要求されることなく、ユーザに通信される。
【0035】
さらに、広告(「アド」)は、広告と、ユーザと、および/またはユーザに関連付けられているオブジェクトとに関連付けられている影響度メトリックに少なくとも一部基づいて、コンテンツ・セレクタ245によって選択される。例えば、少なくとも閾値の影響度メトリックを有する広告が、閾値未満の影響度メトリックを有するユーザに提示される。別の例として、コンテンツ・セレクタ245は、少なくとも閾値の影響度メトリックを有し、ユーザに組合されたオブジェクトを識別し、識別されたオブジェクトに関連付けられ
ている広告をユーザに提示するために選択する。ソーシャル・ネットワーキング・システム140による広告の提示を求める入札時に、広告主は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140に、影響度メトリック範囲、影響度メトリックの閾値、または影響度メトリックに関する他の記述を提供することができる。
【0036】
ユーザ・プロフィールに関連付けられている影響度メトリックは、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザによって取られるアクションを記載するストーリの配信のスポンサーになるために、広告主によって使用される。例えば、広告主は、少なくとも閾値の影響値を有するユーザにインセンティブを提供して、そのユーザによって、広告主がユーザによって行われるアクションを記載するストーリの配信のスポンサーになる蓋然性を高めることができる。提供されるインセンティブの例には、ユーザのアイテムの購入のスポンサーになること、アイテムを購入するユーザに割引または割戻しを申し出ること、広告主に関連付けられているアイテムの将来の購入に対してユーザにクレジットを付与すること、または他の好適なインセンティブが含まれる。さらなる例として、広告主が、ユーザの影響度メトリックに基づいて、製品の見本、レストランもしくは他の店における割引、イベントの無料もしくは割引チケットなど、「プレミアム体験」をユーザに提供することができる。その代わりに、ユーザは、広告主に関連付けられているアクション(例えば、ソーシャル・ネットワーキング・システムにコンテンツを投稿する、場所にチェックインする、イベントに参加する、画像をアップロードする、またはその他の好適なアクション)を行う。
【0037】
いくつかの実施形態では、ユーザに申し出されたインセンティブは、ユーザの影響度メトリックに基づき、より高い影響度メトリックを有するユーザが、より低い影響度メトリックを有するユーザよりも充実したインセンティブを受け取ることができるようにする。例えば、少なくとも閾値の影響度メトリックを有するユーザによるスポンサー付きアクションに対して広告主によって提供されるインセンティブは、閾値未満の影響度メトリックを有するユーザに提供されるインセンティブよりも大きい。ユーザが広告主に、広告主によって行われるアクションのスポンサーになることを許可する場合、ユーザがスポンサー付きのアクションを行っていることを記載するストーリが、広告主にアクションのスポンサーになることを許可しているユーザにつながっているユーザに提示される。これにより広告主は、あるユーザの影響度メトリックを利用して、ユーザに組合されたユーザの間の露出度(exposure)および可視性を獲得することができる。
【0038】
さらにコンテンツ・セレクタ245は、マップ・インタフェースに表示するためのオブジェクトを選択することができる、またはオブジェクトに関連付けられている影響度メトリックに基づいた検索結果のためのオブジェクトを選択することができる。例えば、コンテンツ・セレクタ245は、クライアント・デバイス110から受信される位置情報および位置もしくはイベントに関連付けられているオブジェクトに関連付けられている影響度メトリックに基づいて、ユーザ付近の位置またはイベントを識別する。例えば、少なくとも閾値の影響度メトリックを有する、または最高の影響度メトリックを有する位置情報の閾値の距離内の位置に関連付けられているイベント、広告、または他のオブジェクトが表示される。あるいは、位置情報が受信されたユーザに関連付けられている影響度メトリックは、提示するオブジェクトを選択するために使用される。さらに、検索結果に関連付けられているオブジェクトは、それらの対応する影響度メトリックに基づいてランク付けされ、例えば、より高い影響度メトリックを有するオブジェクトに関連付けられている検索結果は、より目立つように提示される。別の例として、閾値未満の影響度メトリックを有するオブジェクトに関連付けられている検索結果は、表示されない。
【0039】
コンテンツを選択することに加えて、影響度メトリックは、他のソーシャル・ネットワーキング・システム140のリソースを割り当てるために使用される。例えば、増加され
た帯域幅、人間オペレータ時間、処理リソース、および他のユーザが、最も高い影響度メトリックを有する、または少なくとも閾値の影響度メトリックを有するユーザに割り当てられる。ソーシャル・ネットワーキング・システムまたはソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザ単位との増大させるユーザ対話のリソースは、影響度メトリックに基づいて同様に割り当てられる。例えば、高い影響度メトリックを有し、ある領域もしくは他の分類に関連付けられているユーザは、ソーシャル・ネットワーキング・システム140との関わりを奨励するためにユーザをターゲットにする増加した数の推奨、申し出などを受け取ることができる。影響度メトリックに基づいてある領域またはカテゴリにおけるユーザへの増加するユーザ対話のためのリソースに優先順位を付けることにより、ソーシャル・ネットワーキング・システム140は特定の位置またはカテゴリの増大をターゲットにすることができる。
【0040】
さらに、コンテンツ・セレクタ245は、ユーザにコンテンツを選択するとき、関連性メトリックを使用する。これによりコンテンツ・セレクタ245は、コンテンツをユーザに提示するとき、ユーザとすでに関連付けられているコンテンツの関連性を考慮に入れる。例えば、ユーザが閾値未満の関連性メトリックに関連付けられている場合、様々なタイプのオブジェクトが、ユーザに提示するために選択される。関連性メトリックはユーザに関連付けられているオブジェクトの関連性をユーザに示すので、ユーザに関連付けられているオブジェクトが低い関連性を有する場合、様々な属性を有するオブジェクトが、その後ユーザに選択される。
【0041】
コンテンツ・セレクタ245は、ユーザのセットにコンテンツを選択するとき、影響度メトリックと組み合わせて、総関連性メトリックを使用することもできる。例えば、コンテンツ・セレクタ245は、コンテンツの選択および表示のために、ユーザのセットの総関連性メトリックに比べてより高い影響度メトリックを有するユーザのセット中のユーザを優先する。さらに、総関連性メトリックは、ユーザの特定の市場をターゲットにするために使用され、第1の組のユーザが、第2の組のユーザよりも高い総関連性メトリックに関連付けられている場合、コンテンツ・セレクタ245は、第2の組のユーザに表示するためのストーリまたは広告を選択する。このような実施形態では、第2の組のユーザは、概して、第1の組のユーザよりも関連性の少ないコンテンツを(例えば、ニュース・フィードに)表示されている可能性があり、したがってコンテンツ・セレクタ245によって表示のために選択されるコンテンツは、第2の組のユーザに対してより関連性があるものとされる。
【0042】
ウェブ・サーバ250は、ネットワーク120を通じてソーシャル・ネットワーキング・システム140を1つまたは複数のクライアント・デバイス110に、ならびに1つまたは複数の第三者ウェブサイト130にリンクする。ウェブ・サーバ250は、ウェブ・ページと同様に、JAVA(登録商標)、FLASH(登録商標)、XMLなど、他のウェブ関連コンテンツを供給する。ウェブ・サーバ250は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140とクライアント・デバイス110との間でメッセージ、例えばインスタントメッセージ、キューに入れられたメッセージ(例えば、電子メール)、テキスト、およびSMS(ショート・メッセージ・サービス)メッセージ、またはその他の好適なメッセージング技法を使用して送信されるメッセージを、受信するおよびルーティングする機能を提供する。ユーザは、情報、例えばコンテンツ・ストア210に記憶された画像または動画をアップロードするよう、ウェブ・サーバ250に要求を送信することができる。さらに、ウェブ・サーバ250は、データを直接的に固有のクライアント・デバイスのオペレーティング・システムに送信するAPI機能を提供することができる。
【0043】
ソーシャル・ネットワーキング・システムにおける影響度決定
図3は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のオブジェクトに関する影響
度メトリックを決定するためのプロセスのブロック図である。図3に示すように、ターゲット・オブジェクト310が、影響度計算機235に識別され、影響度計算機235は、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられているユーザ305a、305b、305c、305d(また参照符合305を使用して個々におよび集合的に参照される)を識別する。例えば、影響度計算機235は、エッジ・ストア230から、ターゲット・オブジェクト310へのエッジを有するユーザを識別する。一実施形態では、影響度モジュール235は、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられているすべてのユーザを識別する。あるいは、影響度モジュール235は、ターゲット・オブジェクト310に対する閾値数のユーザまたは閾値の親和性を有するユーザなど、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられているユーザのサブセットを識別する。ユーザ305が、ユーザ305とターゲット・オブジェクト310との間のつながりに基づいて、またはユーザ305とターゲット・オブジェクト310との間の対話に基づいて、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられている。
【0044】
ユーザ305、305b、305c、305dの各々とターゲット・オブジェクト310との間における親和性AC、AC、AC、およびACは、エッジ・ストア230から決定され、影響度計算機235によって組合されて、ターゲット・オブジェクト310に対する影響度メトリックIM310を生成する。ソーシャル・ネットワーキング・システムによって維持される親和性は、一般的に単一方向性であり、エッジ・スコア230から決定される親和性は、ターゲット・オブジェクト310に対するユーザの親和性である。図2と併せて上述したように、ユーザ305とターゲット・オブジェクト310との間における親和性は、ユーザ105とターゲット・オブジェクト310との間の対話の数、頻度、およびタイプによって、ユーザ105とターゲット310オブジェクトとの間のつながりのタイプによって、ならびに/または、ユーザ305とターゲット・オブジェクト310との両方に関連付けられているさらなる共通のオブジェクトもしくは情報など、推論値によって、影響を受ける可能性がある。例えば、ターゲット・オブジェクト310が歌である場合において、ユーザ105aが、この歌を頻繁に聴く、他のユーザとこの歌を共有する、および/またはこの歌を購入してダウンロードし、かつユーザ105bがこの歌をめったに聴かない場合、ユーザ105aに関連付けられている親和性係数ACは、ユーザ105bに関連付けられている親和性係数ACよりも高くなる。
【0045】
影響度モジュール235は、親和性AC、AC、AC、およびACを組合せて、ソーシャル・ネットワーキング・システム140全体にわたってユーザへのターゲット・オブジェクト110の関連性を表現する影響度メトリックIM310を決定する。例えば、影響度メトリックIM310は、アクセスされる親和性の平均値または中央値である。あるいは、影響度モジュール235は、アクセスされる親和性に様々な重みを適用し、重み付けされた親和性の平均値または中央値を決定する。一実施形態では、アクセスされる親和性は、親和性を生成するために使用される対話に関連付けられている時間に基づいて重み付けされる。例えば、5分前に行われた対話に関連付けられている親和性は、3日前に行われた対話に関連付けられている親和性よりも重く重み付けされる。
【0046】
いくつかの実施形態では、影響度モジュール235は、IM310を決定することによってアクセスされる親和性を組合せて、アクセスされる親和性の重み付けされたまたは重み付けされない和または積となるようにすることができる。他の実施形態では、親和性AC、AC、AC、およびACを使用して、任意の適切な組合せが行われる。例えば、影響度モジュール235は、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられているユーザの数305に基づいて、または影響度モジュール235によって取出される親和性の数によって、影響度メトリックを正規化することができる。このような例では、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられているユーザのセットが閾値未満である場合、影響度メトリックは割引かれる。
【0047】
影響度モジュール235は、ユーザ305cを通じてターゲット・オブジェクト310に関連付けられているユーザ315e、315f、315g(また参照符合315を使用して個々におよび集合的に参照される)(「間接的に関連付けられているユーザ」)に関連付けられている親和性AC、AC、ACにアクセスすることもできる。例えば、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられているユーザ305cにつながっているが、ターゲット・オブジェクト310と直接的に関連付けられていないユーザの親和性AC、AC、ACがアクセスされ、影響度メトリックIM310を計算するために使用される。いくつかの実施形態では、影響度モジュール235は、ターゲット・オブジェクト310と間接的に関連付けられるユーザとの間の減衰量に基づいて、間接的に関連付けられるユーザに関連付けられている親和性を割引く。例えば、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられているユーザ305につながっているユーザ315の親和性は、ターゲット・オブジェクト310に関連付けられているユーザ305に関連付けられている親和性に対して、50%または別の量だけ減衰される。間接的に関連付けられるユーザに関連付けられている親和性の減衰は、ターゲット・オブジェクト310と間接的に関連付けられるユーザとの間の隔たりの程度に基づいて増える。
【0048】
影響度メトリックIM310は、数値または数値以外(例えば、「高」、「中」、「低」などのランク付け)とされる。影響度メトリックIM310は、ターゲット・オブジェクト310がユーザ・プロフィールであるか、オブジェクトであるかに応じて、ユーザ・プロフィール205に、またはコンテンツ・ストア210に記憶される。一実施形態では、影響度メトリックは、ソーシャル・ネットワーキング・システム140において、ユーザ・プロフィールを含む各オブジェクトに対して決定され、記憶される。影響度モジュール235は、記憶された影響度メトリックを定期的に更新する、またはオブジェクトとの対話が受信されるとき、記憶された影響度メトリックを更新する。図2と併せて上述したように、コンテンツ・セレクタ245は、ユーザに提示するコンテンツを選択するとき、オブジェクトに関連付けられている影響度メトリックを使用する。
【0049】
図4は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140によって維持されるオブジェクトに関する影響度メトリックを決定するためのプロセス400の一実施形態のフローチャートである。ターゲット・オブジェクトが、識別され(405)、ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザが識別される(405)。上述のように、ターゲット・オブジェクトは、ユーザ・プロフィール、ページ、イベント、グループ、または他のコンテンツ・アイテムである。さらに、ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザは、エッジ・ストア中のエッジによってターゲット・オブジェクトにつながっているユーザとして識別される(405)。したがって、ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザは、ターゲット・オブジェクトへの明示的なつながりを有する、またはターゲット・オブジェクトと対話を行ったことがある。
【0050】
ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザの各々とターゲット・オブジェクトとの間における親和性が、図3と併せて上述したように、決定され(415)、組合されて、ターゲット・オブジェクトに関する影響度メトリックを決定する。ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザの数、ターゲット・オブジェクトに関連付けられているユーザとターゲット・オブジェクトとの間の対話の最新性(recency)、または他の基準など、さらなる情報が、影響度メトリックの決定時に使用される。図1と併せて上述したように、影響度メトリックは、記憶され、その後ユーザに提示するコンテンツを選択するために使用される。
【0051】
ソーシャル・ネットワーキング・システムにおける関連性決定
図5は、一実施形態により、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のユーザ
に関する関連性メトリックを決定するブロック図である。図5に示すように、ターゲット・ユーザ500は、関連性計算機240によって識別され、このターゲット・ユーザ500に関連付けられているオブジェクトは、エッジ・ストア230から決定される。様々な実施形態では、関連性計算機240は、ターゲット・ユーザ500に関連付けられている各オブジェクトを識別する、または1つもしくは複数の指定の特徴を有するターゲット・ユーザ500に関連付けられているオブジェクトのサブセットを識別する。例えば、関連性モジュール240は、ターゲット・ユーザ500が閾値の時間内に対話したオブジェクトを識別する、ターゲット・ユーザ500に関連付けられている特定のタイプのオブジェクトを識別する、オブジェクトのユーザがターゲット・ユーザに関連付けられているオブジェクトを識別する、またはユーザが少なくとも閾値の親和性を有するターゲット・ユーザに関連付けられているオブジェクトを識別する、または任意の好適な基準を有するオブジェクトを識別する。
【0052】
図5の例では、関連性計算機235は、ターゲット・ユーザ500に関連付けられているユーザ505、ページ510、投稿515、ユーザ520、および画像525を識別する。また図5の実施形態では、関連性計算機235は、ターゲット・ユーザ500に関連付けられているオブジェクトに関連付けられているオブジェクト(ターゲット・ユーザ500に「間接的に関連付けられている」オブジェクト)を識別する。例えば、関連性計算機235は、ユーザ530、位置535、およびユーザ540など、投稿515に関連付けられているさらなるオブジェクトを識別する。図5は、ターゲット・ユーザ500に関連付けられている限られたタイプのオブジェクトを示しているが、任意の適切なタイプのオブジェクトが、ターゲット・ユーザ500に関連付けられている。
【0053】
関連性モジュール235は、ターゲット・ユーザ500に関連付けられている各オブジェクトに関連付けられている影響度メトリックIM505、IM510、IM515、IM520、およびIM525を決定する。上述のように、オブジェクトのメトリックは、ソーシャル・ネットワーキング・システムのユーザへのオブジェクトの影響度を表す。影響度メトリックは、影響度計算機230から、ユーザ・プロフィール・ストア205から、および/またはコンテンツ・ストア210から、取出される。一実施形態では、オブジェクトが関連性モジュール235によって識別されるとき、影響度メトリックが変更される、または更新される。関連性メトリックを生成するとき、影響度メトリックと併せてさらなる情報が使用される。
【0054】
ターゲット・ユーザ500に関連付けられている関連性メトリックRM500を生成するために、関連性モジュールは、識別されたオブジェクトに関連付けられている影響度メトリックIM505、IM510、IM515、IM520、IM525を組合わせる。例えば、関連性メトリックRM400は、影響度メトリックの平均値、中央値、和、または積である。いくつかの実施形態では、影響度メトリックは、重み付けされ、重み付けされた影響度メトリックは、関連性メトリックRM500を決定するために組合される。例えば、関連性計算機240モジュールは、影響度メトリックに関連付けられているオブジェクトのタイプに基づいて影響度メトリックを重み付けする(例えば、オブジェクトに関連付けられている影響度メトリックは、投稿に関連付けられている影響度メトリックよりも大きい重みを有する)。別の例として、影響度メトリックは、影響度メトリックに関連付けられているオブジェクトに対するターゲット・ユーザ500の親和性に基づいて重み付けされる(例えば、影響度メトリックの重みは、影響度メトリックに関連付けられているオブジェクトに対するターゲット・ユーザ500の親和性に比例する)。
【0055】
関連性計算機240は、関連性メトリックRM500を決定するとき、ターゲット・ユーザ500と間接的に関連付けられる1つまたは複数のオブジェクトに対する影響度メトリックを考慮に入れる。図5の例では、投稿投稿(415)に関連付けられているが、タ
ーゲット・ユーザ500と直接的に関連付けられないオブジェクトに関連付けられている影響度メトリックIM530、IM535、IM540が取出される。関連性計算機240は、これらの影響度メトリックIM530、IM535、IM540を、ターゲット・ユーザ500と直接的に関連付けられるオブジェクトに関する影響度メトリックIM505、IM510、IM515、IM520、IM525と組合せて、関連性メトリックRM500を生成する。いくつかの実施形態では、間接的に関連付けられるオブジェクトに関連付けられている影響度メトリックは、減衰されることがあり、減衰量は、ターゲット・ユーザ500と間接的に関連付けられるオブジェクトとの間の隔たりの程度に基づく。
【0056】
関連性メトリックRM500は、数値または数値以外(例えば、「高」、「中」、または「低」ランク付け)とされる。一実施形態では、関連性モジュール240は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140の複数のユーザに対する関連性メトリックを決定し、ユーザ・プロフィール・ストア205中の対応するユーザ・プロフィールにユーザに関連付けられている関連性メトリックを記憶する。記憶された関連性メトリックは、定期的に更新されるか、またはユーザがオブジェクトと対話するとき、更新される。ターゲット・ユーザ400に関連付けられている関連性メトリックRM500は、ターゲット・ユーザ500に関連付けられているオブジェクトのターゲット・ユーザへの関連性を示すので、関連性メトリックRM500は、ターゲット・ユーザ500に関連付けられているオブジェクトに関連付けられているターゲット・ユーザ500への、提示されるニュース・フィードまたはニュース・ティッカー中のストーリの関連性を推論するために使用される。
【0057】
図6は、ソーシャル・ネットワーキング・システム140のターゲット・ユーザに対する関連性メトリックを決定するためのプロセス600の一実施形態のフローチャートである。ターゲット・ユーザは、関連性計算機245によって識別され(605)、関連性計算機245はまた、エッジ・ストア230からターゲット・ユーザに関連付けられているオブジェクトを識別する(610)。上述のように、ターゲット・ユーザに関連付けられているオブジェクトは、ターゲット・ユーザがつながりを明示的に確立したオブジェクトであるか、またはターゲット・ユーザが対話したオブジェクトである。さらに、オブジェクトは、オブジェクトに関連付けられているオブジェクトのサブセットが識別される(610)ように、1つまたは複数の基準に基づいて識別される(610)。例えば、指定のタイプ、ターゲット・ユーザとの閾値の親和性、または他の好適な特徴を有するオブジェクトが識別される(610)。
【0058】
関連性計算機240は、識別されたオブジェクトの各々に関連付けられている影響度メトリックを取出す(615)。様々な実施形態では、影響度メトリックは、影響度計算機235、ユーザ・プロフィール・ストア205、および/またはコンテンツ・ストア210から取出される。影響度メトリックは、次に、関連性メトリックを決定するために、関連性計算機240によって組合される。図5と併せて上述したように、影響度メトリックは、任意の好適な方法で組合されて、関連性スコアを生成する。
【0059】
関連性計算機240は、ユーザのセットに関連付けられている関連性メトリックを組合せて、ユーザのセットの総関連性メトリックを生成する。ユーザのセットを選択するために、様々な基準が使用される。例えば、ユーザのセットは、少なくとも1つの共通の特徴を有するユーザを含む。ユーザのセットを選択するために使用される特徴の例には、共通の勤務先、共通の故郷、共通の地理的領域、共通の興味、共通の趣味、または他の好適な特徴が含まれる。セット中の各ユーザに関連付けられている関連性メトリックは、任意の適切な方法で組合される。例えば、総関連性メトリックは、関連性メトリックの平均値または中央値である。一実施形態では、異なるユーザに関連付けられている関連性メトリックは、異なるように重み付けされることがあり、重み付けされた関連性メトリックは、総
関連性メトリックを決定するために組合される。関連性メトリックを重み付けするとき、ユーザの様々な特徴が使用される。例えば、地理的基準、または人口統計上の基準、影響度メトリック、またはユーザのセット中のユーザに関連付けられている他のデータに基づいて、関連性メトリックが重み付けされる。
【0060】
ユーザにコンテンツを選択する際に、コンテンツ・セレクタ245によってユーザが使用する異なるセットに対して、総関連性メトリックが記憶される。例えば、異なる国のユーザのセットに対して、異なる年齢幅のユーザのセットに対して、または任意の好適な共通の特徴を有するユーザのセットに対して、総関連性メトリックが記憶される。様々な実施形態では、記憶された総関連性メトリックは、定期的に更新される。
【0061】
まとめ
本発明の諸実施形態の前述の説明は、例示の目的で提示されたものであり、網羅的であること、または本発明を開示した厳密な形式に限定することを意図されていない。上記の開示に鑑みて多くの変更形態および変形形態が可能であることを、当業者であれば、理解されるであろう。
【0062】
この説明のいくつかの部分は、情報に関する操作のアルゴリズムおよび象徴的表現に関して、本発明の実施形態を記載する。これらのアルゴリズムの記述または表現は、データ処理技術における当業者によって、その研究の内容を他の当業者に効果的に伝えるために一般的に使用される。これらの操作は、機能的、計算的、または論理的に記載されているが、コンピュータ・プログラムまたは等価電気回路、マイクロコードなどによって実行されると理解される。さらに、一般性を失うことなく、モジュールとして操作のこれらの装置(arrangements)に言及することが、ときには好都合であることも証明される。記載する操作およびそれらの関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはその任意の組合せで具体化される。
【0063】
本明細書に記載するステップ、操作、またはプロセスのいずれも、1つまたは複数のハードウェアまたはソフトウェア・モジュールを用いて、単独でまたは他のデバイスと組み合わせて、行われるまたは実行される。一実施形態では、ソフトウェア・モジュールが、コンピュータ・プログラム・コードを含んだコンピュータ可読媒体を備えたコンピュータ・プログラム製品で実行され、コンピュータ・プログラム・コードが、記載するステップ、操作、またはプロセスのいずれかまたはすべてを行うために、コンピュータ・プロセッサによって実行される。
【0064】
本発明の諸実施形態はまた、本明細書では操作を行うための装置に関連することがある。この装置は、特に必要とされる目的のために構築される、および/またはこの装置は、コンピュータに記憶されたコンピュータ・プログラムによって選択的に作動されるもしくは再構成される汎用コンピューティング・デバイスを含む。このようなコンピュータ・プログラムは、非一時的な、有形のコンピュータ可読記憶媒体、またはコンピュータ・システム・バスに組合される、電子命令を記憶するのに任意の適切なタイプの媒体に記憶されることも可能である。さらに、本明細書において言及される任意のコンピューティング・システムは、単一のプロセッサを含む、または計算能力を上げるために複数のプロセッサ設計を使用するアーキテクチャである。
【0065】
本発明の諸実施形態は、本明細書に記載するコンピューティング・プロセスによって作り出される製品に言及する。このような製品は、コンピューティング・プロセスから生じる情報を含み、この情報は、非一時的な、有形のコンピュータ可読記憶媒体に記憶され、本明細書に記載するコンピュータ・プログラム製品または他のデータの組合せの任意の実施形態を含むこともできる。
【0066】
最後に、本明細書で使用される言語は、主として読みやすさおよび説明の目的のために選択されており、発明の主題を詳細に描写する(delineate)またはその境界を定める(circumscribe)ように選択されていない。したがって、本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ本明細書に基づく出願に際して発行されるいずれかの請求項によって限定されることを意図している。したがって、本発明の実施形態の開示は、本発明の範囲を説明するものであるが、限定しないものであることを意図し、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲に示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6