(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、牧草、稲藁、サトウキビ、トウモロコシ等の粗飼料を原料としてロールベールを形成し、この形成したロールベールにラッピングを行って密封し嫌気的な状態のロールベールラップサイロを形成し、所定期間放置し乳酸発酵させてサイレージを生成する技術が知られている。また、近年では、上記の牧草、飼料用の稲藁、飼料用のトウモロコシ等の粗飼料に代えて、全国で竹害をもたらしている竹を、国内飼料自給率の向上のため、自給粗飼料として活用する取組も行われている。なお、竹の部位のうち、竹稈については栄養価が低いことなどから家畜の飼料原料として広く普及するには至ってはおらず、また、竹葉部分については高い栄養価が期待され、家畜飼料としての利用価値も期待されているが未だ商品化には、至っていない。
【0003】
上記のロールベールを形成する装置として、例えば、特許文献1の
図3〜
図5に示す「細断型ロールベーラ」がある。一般的に、ロールベーラには、自力で走行しながら飼料を刈り取り、ロールベールを形成する自走型のものと、トラクター等に連結牽引されてトラクターから電力を供給されて走行し、飼料を刈り取り又はハーベスタ等から飼料の供給を受けてロールベールを形成する被牽引型のものとがある。特許文献1の
図3〜
図5に示す「細断型ロールベーラA」は、牽引型のロールベーラであり、同様の構成を有するものが、例えば、「株式会社タカキタ」製の製品名「細断型ロールベール」・型式「MR−820」等として市販されている。
【0004】
また、形成したロールベールにラッピングを行う技術としては、特許文献2(
図1〜
図5等参照。)に示すように、一旦圃場等に放出されたロールベールを積み込んでラッピングを行う方式と、特許文献3(
図1〜
図4等参照。)に示すように、ロールベーラの機体の後部にラッピングマシンを連結装着し、ロールベーラによるロールベールの成形及びそれの梱包工程が終了すると、引き続いて、連結装着されたラッピングマシンによるラッピングを行う方式のものがある。特許文献2の記載の「ラッピングマシン1」と同様の構成を有するものは、例えば、「株式会社タカキタ」製の製品名「自走ラップマシン」・型式「SW1120D」等として市販されている。また、特許文献3に記載のようなロールベーラとラッピングマシンとが連結装着されたものは、例えば、「株式会社タカキタ」製の製品名「細断型コンビラップ」・型式「MW1010」等として市販されている。
【0005】
また、サイレージの製造方法として、特許文献4には、「牛に適した完全飼料混合物に乳酸菌を加えて混合後、袋詰めして脱気密封状態で、袋ごと積み上げ加圧下に発酵熟成させることを特徴とする牛用完全飼料サイレージの製造方法」(「請求項1」参照。)が記載され、上記「完全飼料混合物」は、「粗飼料である乾牧草類、高水分食品副産物、濃厚飼料、ミネラル類及び糖蜜を混合」したものであることが記載されている(「請求項2」、段落「0013」等参照)。
【0006】
また、生竹粉末のサイレージの製造方法として、特許文献5には、「生竹の維管束を常温で輪切り状態に切削加工するとともに生竹の針状の繊維をだすことなく、数10μm〜数100μmのミクロン単位の粉末に切削して生竹粉末を加工し、さらに当該生竹粉末を包装袋内に真空包装して、約一ヶ月間程度常温で静置することにより形成したことを特徴とする」、「生竹粉松のサイレージ体」及び「生竹粉末のサイレージ体の製造方法」が記載されている(「請求項1」、「請求項3」等参照。)
なお、「サイレージの製造」は、「サイレージの調製」と表現されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献1の「細断型ロールベーラA」は、「ホッパ3」内に供給された「牧草等の梱包材料」を圧縮成形して「ロールベール」を形成し、この「ロールベール」を、ネットで圧縮包装して、「ベールキッカ22」でガイドして、「機体21」の後方に転動させて圃場等に放出するものである。なお、ロールベーラで原料を圧縮成形してロールベールを形成する技術は、上記「細断型ロールベーラA」を含め、周知の技術である。ここで、放出された「ロールベール」が圃場面に衝突する際には、相当の衝撃を受けるが、そもそも、刈り取った牧草、稲藁(稲稈も含む。)、サトウキビ、トウモロコシ等の粗飼料である梱包材料は、粒度が大きく、素材も柔らかいので、ロールベーラで圧縮成形されることで、ロールベール内でしっかりと密着形成されており、放出されたロールベールが圃場面へ衝突する際の衝撃で、ロールベールから梱包材料料がこぼれ落ちる量は非常に少ない。
【0009】
しかしながら、粗飼料として、竹を使用する際には、竹が牧草、稲藁、サトウキビ、トウモロコシ等に比べ非常に硬く、家畜に飼料として与えた場合、家畜の内臓を傷つける虞があるので、竹を粗飼料として用いる場合は、相当程度細かく粉砕してチップ化する必要がある。ところが、ロールベールを形成する梱包材料(竹を粉砕して生成された竹チップ)の粒度が小さいと、例えば上記の「細断型ロールベーラ」のような方式のロールベーラを用いてロールベールを圧縮成形しても梱包材料の密着性が悪く、ロールベールがネットでさらに圧縮包装されてはいるものの、形成したロールベールが機体後方に放出されて圃場に落下した際、圃場面への衝突の衝撃でロールベールから梱包材料がこぼれ落ちてしまう。このこぼれ落ちる量が多くなると、ロールベールの変形や型崩れが発生し、本来の円柱形状を形成することができなくなり、多数のロールベールを重ねて積み上げることが困難になる。また、ロールベールの変形や型崩によって、ラッピングされたフィルムと梱包材料との間に隙間が発生すると気密性が損なわれ、好気性のカビが発生したり酪酸発酵等が行われ、家畜飼料として使用できなくなってしまう。そうなると商品としての価値もなくなり、歩留まりが低下し製造コストがかかってしまう。さらに、こぼれた梱包材料を回収する手間も発生し、回収できない梱包材料は無駄になってしまう。
【0010】
また、従来のロールベーラの多くは、特許文献1に記載の「細断型ロールベーラA」のように、ロールベールの放出手段として「ベールキッカ22」と同様の部材が設けられているが、この「ベールキッカ22」は、単にロールベールを機体後方に放出するためのガイド手段として設けられており、ロールベールが放出されて圃場面へ衝突する際の衝撃による梱包材料のこぼれ落ち量の影響は想定されていない(こぼれ落ち量の影響を想定する必要がない。)。そのため、「ベールキッカ22」がロールベールの幅よりも縮幅されたコの字形状のパイプで形成されていることもあって、ロールベールが機体外に放出される際に、梱包材料の竹笹チップが「ベールキッカ22」のコの字形状に沿って梱包材料が多量にこぼれ落ちてしまう虞があった。
【0011】
また、竹チップを原料として形成したロールベールのラッピングにも問題が生じる。上述の特許文献2に記載の「ラッピングマシン1」は、「圃場に置かれたロールベール8を積み込む」ために、「ベール支持アーム23」と「基端アーム24」とで「ロールベール8を保持させ」た状態で「リフトアーム21」を起立させて、「ロールベール8」を「ベール支持台3側に転がり込むように」させる必要がある(段落「0024」、
図2参照。)。この場合にも、「積込機構2」によって、「ロールベール8を保持」するときの衝撃、保持した「ロールベール8」を持ち上げるときの衝撃、「ロールベール8」が「ベール支持台3側に転がり込む」ときの衝撃で、「ロールベール8」から「収穫物」(「梱包材料」)がこぼれ落ちてしまう虞がある。
【0012】
なお、上述した特許文献1と特許文献2の問題を解消するためには、特許文献3に記載のようなロールベーラとラッピングマシンとを連結させた機体を設け、ロールベール形成とラッピングを連続して行い、ラッピングされたロールベールを機体外に放出する方式を用いることも一つの選択肢であるかもしれない。
【0013】
しかしながら、例えば、特許文献3に記載のような構成を備えた「細断型コンビラップ」は、大型のロールベール(ベールサイズが直径100cm〜115cm)を想定して設計されている。竹笹を粉砕して生成された竹笹チップを用いてロールベールを形成する場合は、竹笹チップの粒度が相当程度小さくなるので、高密度に圧縮成形されたロールベールの重量が、原料(梱包材料)が従来の刈り取った牧草、稲藁、サトウキビ、トウモロコシ等である場合のロールベールに比べて、非常に重くなる。つまり、完成した竹笹ロールベールラップサイロの竹笹サイレージの量が非常に多くなってしまう。
【0014】
サイレージ調製された飼料を家畜に給与するときは、原料が竹笹チップに限らず、ラッピングされたロールベールラップサイロを一旦開封して所定期間が経過すると、好気性のカビが発生してしまい飼料として使用できなくなるので、開封後はできるだけ早く消費しなければならない。したがって、特に竹笹ロールベールラップサイロを製造するときは、小規模のサイズに形成することで、完成した竹笹サイレージの竹笹ロールベールラップサイロ1個当たりの消費期間をできるだけ短くした方がよい。
【0015】
また、既に、ロールベーラ、ラッピングマシンを保有しているユーザーにとっては、ロールベーラとラッピングマシンを一体的に連結した装置を用いることは、新たに装置の買い換えが必要となり経費もかかり、現保有機が無駄になってしまうという問題も発生してしまう。なお、自力で走行しながら飼料を刈り取り、ロールベールを形成する自走型のロールベーラは、竹林では使用が困難であることはいうまでもない。
【0016】
また、特許文献4に記載の「生竹粉末サイレージ体」の「牛用完全飼料サイレージの製造方法」においては、「竹笹チップのみを原料」又は「竹笹チップを主原料とする混合原料」から竹笹ロールベールラップサイロを製造する技術思想、また、「竹笹チップのみを原料」又は「竹笹チップを主原料とする混合原料」を用いて竹笹サイレージを製造する技術思想については、何ら記載も示唆もされていない。
【0017】
そして、特許文献5に記載の「生竹粉松のサイレージ体」及び「生竹粉末のサイレージ体の製造方法」においては、「生竹」の「維管束」、つまり、竹葉、竹枝を切り落とした「竹稈」のみを原料と使用しているものと認められる(特に、
図1参照。)。竹笹(竹葉、竹枝、竹稈)を原料とするサイレージの製造方法(調製方法)については何ら記載も示唆もされていない。
【0018】
さらに、特許文献4及び特許文献5では、サイレージの原料を袋詰めした後、真空装置で吸引して密封することが記載されているが、本願出願人が、竹笹チップのみの原料、及び、竹笹チップを主原料とする混合原料を、それぞれ、袋詰めした後、真空装置で吸引して密封して、所定期間発酵させサイレージを製造したところ、いずれもカビの発生が認められるという試験結果を得た。
【0019】
このため、本発明は、ロールベーラとラッピングマシンを備え、竹笹チップのみの原料、あるいは、竹笹チップを主原料とする混合原料からロールベールを形成し、このロールベールにラッピングを行って竹笹ロールベールラップサイロを製造する竹笹ロールベールラップサイロの製造装置・製造システム・製造方法において、前記ロールベーラで形成し終えたロールベールを、ロールベーラの機体後方に放出する際の衝撃を緩和し、前記ロールベールから前記原料あるいは前記混合原料がこぼれる量を低減し、変形や型崩れが少なく商品価値を高くすることができる竹笹ロールベールラップサイロの製造装置・製造システム・製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、ロールベーラとラッピングマシンを備え、竹笹チップのみの原料、あるいは、竹笹チップを主原料とする混合原料からロールベールを形成し、このロールベールにラッピングを行って竹笹ロールベールラップサイロを製造する竹笹ロールベールラップサイロの製造装置・製造システム・製造方法において、前記ロールベーラで形成し終えたロールベールをラッピングマシンに搬入してラップするときの衝撃を緩和し、前記ロールベールから前記混合原料がこぼれる量を低減し、変形や型崩れが少なく商品価値を高くすることができる竹笹ロールベールラップサイロの製造装置・製造システム・製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
また、本発明は、竹笹チップのみの原料、あるいは、竹笹チップを主原料とする混合原料を用いて、家畜飼料として、長期保存が可能で、栄養価値の高い竹笹サイレージを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、竹笹ロールベールラップサイロの製造装置であって、原料
(M)を所定形状のロールベール
(80又は180)に形成する
定置型ロールベーラ
(20)と、
該定置型ロールベーラに設けられ、緩衝手段(33)を有し、前記
所定形状に形成されたロールベールを前記
定置型ロールベーラから放出する放出手段
(33c+33)と、該放出手段に
より放出されて搬入されたロールベールを気密状態にラッピングするラッピングマシン(60)とを備え、前記緩衝手段は、前記ロールベールよりも拡幅された平板状に形成され、前記定置型ロールベーラ後方への前記ロールベールの放出をガイドするベールガイド部(33a)と、該ベールガイド部の下面側に取り付けられ、圧縮・復元力を有する弾性体
で形成された緩衝部材(33b)とを備え、前記原料
(M)は、竹笹チップ
(3a)のみからなる原料、又は、竹笹チップと、少なくとも、糖蜜
(7e)、濃厚飼料
(7i)、発酵促進剤、焼酎粕
(7m)のいずれか一つとを混合した混合原料
(7a)であることを特徴とする。
【0025】
また、請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造装置であって、前記
定置型ロールベーラの放出手段から放出されたロールベールが転動して前記ラッピングマシンに搬送される搬送経路の搬送面の高さと、前記ラッピングマシンに前記ロールベールが搬入される搬入高さとが略等しくなるよう形成された搬入高さ調整手段
(40又は41)を備えていることを特徴とする。
【0026】
また、請求項
3に記載の発明は、竹笹ロールベールラップサイロの製造システムであって、原料
(M)が供給される原料受入手段
(23)と、該原料受入手段に供給された前記原料を圧縮成形及び圧縮ネット包装してロールベール
(80又は180)を形成する
定置型ロールベーラ
(20)と、
該定置型ロールベーラに設けられ、緩衝手段を有し、前記形成されたロールベールを前記定置型ロールベーラから放出する放出手段(33c+33)と、該放出されたロールベールが転動して搬送される搬送経路と、
該搬送されたロールベールが搬入されて気密状態にラッピングされるラッピングマシン
(60)と、前記搬送経路の高さと、前記ラッピングマシンに前記ロールベールが搬入される搬入高さとが略等しくなるよう形成された搬入高さ調整手段
(40又は41)とを備え、
前記緩衝手段は、前記ロールベールよりも拡幅された平板状に形成され、前記定置型ロールベーラ後方への前記ロールベールの放出をガイドするベールガイド部(33a)と、該ベールガイド部の下面側に取り付けられ、圧縮・復元力を有する弾性体で形成された緩衝部材(33b)とを備え、前記原料は、竹笹チップ
(3a)のみからなる原料、又は、竹笹チップと、少なくとも、糖蜜
(7e)、濃厚飼料
(7i)、発酵促進剤、焼酎粕
(7m)のいずれか一つとを混合した混合原料
(7a)であることを特徴とする。
【0027】
また、請求項
4に記載の発明は、
請求項2に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造装置、又は、請求項3に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造システムを用いた竹笹ロールベールラップサイロの製造方法
において、
請求項2記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造装置、又は、請求項3に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造システムを用いた竹笹ロールベールラップサイロの製造方法において、竹笹
(2a)を粉砕して生成された
前記竹笹チップ
(3a)のみを原料として
生成し、該原料を前記定置型ロールベーラに供給して、圧縮成形した後、ネットで圧縮包装してロールベール
(80又は180)を形成する
第1の工程と、
前記放出手段(33c+33)を用いて、前記圧縮包装して形成されたロールベールを
前記定置型ロールベーラから前記搬送経路に
向けて放出する
第2の工程と、
前記緩衝手段(33)を用いて、該放出されたロールベールが前記搬送経路に到達する際の衝撃を緩和する
第3の工程と、
該搬送経路に到達したロールベールを、前記搬送経路を転動させて
前記ラッピングマシン
(60)に搬送し、該ラッピングマシンに搬入する
第4の工程と、
前記搬入高さ調整手段を用いて、前記搬送経路の搬送面の高さと、前記ラッピングマシンに前記ロールベールが搬入される搬入高さとが略等しくなるようにして、前記ロールベールが前記ラッピングマシンに搬入される際の衝撃を緩和する
第5の工程と、前記ラッピングマシンに搬入された前記ロールベールを気密状態にラッピングする
第6の工程とを備え、
前記第1の工程、第2の工程、第3の工程、第4の工程、第5の工程、第6の工程は、は、この順番で実行されることを特徴とする。
【0028】
また、請求項
5に記載の発明は、
請求項2に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造装置、又は、請求項3に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造システムを用いた竹笹ロールベールラップサイロの製造方法
において、
請求項2記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造装置、又は、請求項3に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造システムを用いた竹笹ロールベールラップサイロの製造方法において、竹笹
(2a)を粉砕して生成された
前記竹笹チップ
(3a)と、少なくとも、水と
前記糖蜜
(7e)とを混合した撹拌液
(7g)、
前記濃厚飼料
(7i)、
前記水と
前記発酵促進剤とを混合した撹拌水
(7c)、
前記焼酎粕
(7m)のいずれか一つを混合して混合原料
(7a)を生成する
第1の工程と、
前記混合原料を定置型ロールベーラに供給して、該混合原料を圧縮成形した後、ネットで圧縮包装してロールベール
(80又は180)を形成する
第2の工程と、
前記放出手段(33c+33)を用いて、前記圧縮包装して形成されたロールベールを
前記定置型ロールベーラから前記搬送経路に
向けて放出する
第3の工程と、
前記緩衝手段(33)を用いて、該放出されたロールベールが
前記搬送経路に到達する際の衝撃を緩和する
第4の工程と、前記
搬送経路に到達したロールベールを、前記搬送経路で転動させて
前記ラッピングマシン
(60)に搬送し、該ラッピングマシンに搬入する
第5の工程と、
前記搬入高さ調整手段を用いて、前記搬送経路の搬送面の高さと、前記ラッピングマシンに前記ロールベールが搬入される搬入高さとが略等しくなるようにして、前記ロールベールが前記ラッピングマシンに搬入される際の衝撃を緩和する
第6の工程と、前記ラッピングマシンに搬入された前記ロールベールを気密状態にラッピングする
第7の工程とを備え、
前記第1の工程、第2の工程、第3の工程、第4の工程、第5の工程、第6の工程、第7の工程は、この順番で実行されることを特徴とする。
【0029】
また、請求項
6に記載の発明は、請求項
4又は請求項
5に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造方法であって、前記ロールベールが前記ラッピングマシンに搬入され、該
ラッピングマシンのロールベール支持台
(63)に載置される際に、前記ロールベールの転動速度を零にする工程を備えていることを特徴とする。
【0030】
また、請求項
7に記載の発明は、竹笹サイレージの製造方法であって、請求項
4乃至請求項
6のいずれか1項に記載の竹笹ロールベールラップサイロの製造方法により、竹笹ロールベールラップサイロ
(91又は191)を生成する工程と、該生成された竹笹ロールベールラップサイロを所定期間放置して嫌気的発酵させる工程と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ロールベーラとラッピングマシンを備え、竹笹チップのみを原料、又は、竹笹チップを主原料とする混合原料を原料とし、この原料からロールベールを形成し、このロールベールにラッピングを行って竹笹ロールベールラップサイロを製造する竹笹ロールベールラップサイロの製造装置・製造システム・製造方法において、ロールベーラで形成し終えたロールベールを機体後方に放出してロールベールが搬送経路に到達する際の衝撃を緩和し、ロールベールから原料又は混合原料がこぼれる量を低減して、変形・型崩れの少ない商品価値のある竹笹ロールベールラップサイロを製造することができる。
【0032】
また、本発明によれば、ロールベーラとラッピングマシンを備え、竹笹チップのみを原料又は竹笹チップを主原料とする混合原料からロールベールを形成し、このロールベールにラッピングを行って竹笹ロールベールラップサイロを製造する竹笹ロールベールラップサイロの製造装置・製造システム・製造方法において、ロールベーラで形成し終えたロールベールをラッピングマシンに搬入する際の衝撃を緩和し、ロールベールから原料又は混合原料がこぼれる量を低減して、変形・型崩れの少ない商品価値のある竹笹ロールベールラップサイロを製造することができる。
【0033】
また、本発明によれば、竹笹チップのみを原料又は竹笹チップを主原料とする混合原料を用いて、家畜飼料として、長期保存が可能で栄養価値の高い竹笹サイレージを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム、竹笹ロールベールラップサイロ製造方法、及び竹笹サイレージの製造方法について、
図1を参照しながら説明する。第1実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム1は、主な構成として、竹笹チップ製造部2と、竹笹チップ供給部3と、竹笹ロールベールラップサイロ製造装置4を備えている。本実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム1は、圃場(竹林)ではなく、専用の処理場に構築される。
【0037】
竹笹チップ製造部2は、竹笹2aを粉砕する粉砕機2bを備えている。竹笹2aは、竹の部位のうち地下茎を除いた竹葉、竹枝、竹稈である。本実施例では、「竹笹」とは、葉、枝、稈、地下茎等から構成される竹の部位のうち地下茎を除いた葉(竹葉)、枝(竹枝)、稈(竹稈)を示すものとする。竹笹2aは、周知技術の粉砕機2bによってチップ状に粉砕され、竹笹チップ搬送手段2cによって竹笹チップ3aとして竹笹チップ供給部3に貯蔵される。竹笹チップ供給部3に貯蔵された竹笹チップ3aは、ロールベーラ80を形成するための原料として、適宜、ロールベーラ20の原料受入手段であるホッパ23に供給される。ことのき、竹笹チップ3aの供給手段は、ベルトコンベア(不図示)を用いてもよいし、フォークリフトF1を用いてもよい。
【0038】
竹笹ロールベールラップサイロ製造装置4は、ロールベーラ20と、ロール地下受場40と、ラッピングマシン60とを備えている。ロールベーラ20は地表面GLに設置され、ロール地下受場40は、地表面GLよりも下方に形成され、ラッピングマシン60は、ロール地下受場40内に配設されている。ロールベーラ20は、竹笹チップ供給部3から供給された竹笹チップ3aのみを原料として、円柱形状に圧縮成形されたロールベール80aを形成し、さらに、このロールベール80aをネットで圧縮包装して円柱形状のロールベール80を形成し、このロールベール80を後方に配設されたラッピングマシン60へ向けて、放出する。放出されたロールベール80は、ロールベーラ20に設けられた緩衝手段33で放出時の衝撃を緩和されながら地表面GLに到達する。これにより、ロールベール80がロールベーラ20から放出された時点から地表面GLに到達した時点までの衝撃が低減され、梱包材(竹笹チップ3a)のこぼれ落ち量を低減することができる。なお、地表面GLとは、ロールベーラ20の設置面のことであり、構成は、土面、コンクリート面に限らず、その他のものでもよい。
【0039】
そして、地表面GLに到達したロールベール80は、ラッピングマシン60に搬入されるまでの搬送経路を転動するが、この搬送経路の搬送面の段差が低減されている。つまり、地表面GLと、ラッピングマシン60にロールベール80が搬入されるときの搬入高さが略等しくなるように、ロール地下受場40が、地表面GLより下方、つまり、地下に形成されている。また、搬送経路の距離は、ロールベール80がラッピングマシン60に載置された時点で転動速度が零になるように設定されている。これにより、ラッピングマシン60でロールベール80を積込む操作が不要となり、積込時の衝撃という問題はなくなる。そして、ロールベール80の搬送時、ラッピングマシン60への載置時の衝撃も低減され、梱包材料(竹笹チップ3a)のこぼれ落ち量をさらに低減することができる。
【0040】
ロール地下受場40に配設されたラッピングマシン60に搬入されて載置されたロールベール80は、外周にフィルムが捲回され、気密状態に包装される。これで、本実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ91が完成する。完成した竹笹ロールベールラップサイロ91は、所定の場所に移動させて、所定期間(例えば、1ヶ月間)、乳酸発酵等の嫌気的発酵させて、竹笹サイレージが完成する。本実施形態では、栄養価値の高い竹葉を含む竹笹を用いたことで、良質な竹笹サイレージを製造することができる。また、竹葉に加え、竹枝、竹稈も利用することで、全国で竹害をもたらしている竹を、国内飼料自給率の向上のために、有効に活用することができる。また、竹笹チップ3aを圧縮して成形されたロールベール80aは脱気されており、このロールベール80aをネットで圧縮包装して形成されたロールベール80は、さらに脱気されている。そして、ロールベール80を、フィルムで捲回してラッピングするので、完成した竹笹ロールベールラップサイロ91は十分に脱気された気密構造を有し、所定時間をおいて、嫌気的発酵の乳酸発酵が順調に進行され、カビ等の好気性菌の発生や酪酸発酵等を防ぐことができ、長期保存が可能で、高品質のサイレージを製造(調製)することができる。
【0041】
次に、第1実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造装置4について、
図2〜
図8図11、
図12を参照しながら説明する。
第1実施形態においては、ロールベーラ20と、ロール地下受場40と、ラッピングマシン60とで、竹笹ロールベールラップサイロ製造装置4を構成している。本実施形態のロールベーラ20は、特許文献1に記載の「細断型ロールベーラA」を改良したものであり、被牽引型ではなく、定置型(施設型ともいう。)として用いられる。上述したように、仮に、「細断型ロールベーラA」のような従来の「ロールベーラ」を用いて、竹笹ロールベールラップサイロを形成した場合には、梱包材料Mとなる竹笹チップ3aの粒度が小さいので、ロールベール80が放出された際に、地表面GLとの衝突の衝撃でロールベール80を構成する梱包材料M(竹笹チップ3a)が大量にこぼれ落ちてしまう。そこで、本実施形態においては、梱包材料Mのこぼれ落ち量を大幅に低減するために、ロールベール80の放出時の衝撃を緩和する緩衝手段33をロールベーラ20に設けたものである。本実施形態のロールベール80は、この衝撃緩衝手段33以外の構成、つまり、竹笹チップ3aを投入する部分からロールベール80を形成し終える部分までの構造については、特許文献1に記載の「細断型ロールベーラA」と同様であり、以下、簡単に記載する。なお、「細断型ロールベーラA」以外のロールベーラを用いても構わない。
【0042】
本実施形態のロールベーラ20は、特許文献1に記載の「細断型ロールベーラA」と同様に、機体21、機体21の後部に装架したベール成形装置22、ベール成形装置22の前面側に配位して機体21上面の前半側に装架したホッパ23、ホッパ23の床面に設けたコンベア24、ホッパ23内の後部で、前記ベール成形装置22の前面側の部位に配位して機体21に軸架せるアジテータ(攪拌機)25、ホッパ23内の前後の略中心部でホッパ23の深さの略中間部位に設けた規制棒26を備えている。
【0043】
機体21は、後端側に軸支した走行輪27により自在に走行する台車状に構成してある。そして、本実施形態では、ロールベーラ
20を、「細断型ロールベーラA」のような被牽引型ではなく、定置型に構成していることから、機体21の前端側に、連結器31を介して、ロールベーラ80を駆動するための駆動モーター32が接続されている。
【0044】
ベール成形装置22は、受入口34から受け入れる竹笹チップ3aである梱包材料Mを順次巻き込んで、所定サイズの円柱形状のロールベール80aに圧縮成形し、さらに、このロールベール80aをネットで圧縮包装してロールベール80を形成するものであり、ロールベール80は、後部チャンバ22aを後方に開放回動することで放出し、後部チャンバ22aの下面側に装架してある緩衝手段33を経由して、機体21の後方のロール地下受場40に設置されたラッピングマシン60のベール支持台63に、転動させて搬送するものである。そしてこのベール成形装置22の作動は、ホッパ23の床下で機体21の上面側に配位して軸架せる駆動軸(動力伝導軸)aの前端側を、駆動モーター32に接続して、駆動モーター32から出力する回転動力により駆動軸aを駆動し、駆動機構(図示省略)を介してベール成形装置22の作動部を作動させることで行われるようにしてある。
【0045】
ホッパ23は、前後方向に長い箱状に形成してあり、上方に開放する上口には、漏斗状の案内壁30が設けてある。また、ホッパ23は、後壁が取り除かれて後方に開放する形状に形成してあり、その後部の開放口が、機体21後部に装架したベール成形装置22の前壁35の前面側に配位して機体21に軸架せる攪拌機25の前面に臨む状態として機体21に装架してある(
図6)。
【0046】
ホッパ23の床面に床コンベア状に装架するコンベア24は、平箱状のホッパ23の床面に設けるコンベア24と同様に、床面の前後の全域に渡るように装架してあり、そのコンベア24の後端側(送り方向の先端側)は、ベール成形装置22の受入口34に臨ませてある。そして、このコンベア24は、前述した駆動軸aと連繋する駆動機構(図示省略)を介して駆動される。
【0047】
ベール成形装置22の前壁35の前面側に配位して機体21に軸架せる攪拌機25は、前記駆動機構を介し、または、油圧ホースを介し導かれる油圧により作動する油圧モータによって駆動される撹拌軸28の周面に撹拌翼29を放射状に設けてなり、撹拌軸28の駆動により
図6において二重線の矢印で示す如く時計回りに回動して、梱包材料Mを後方に掻き送る通常のものであるが、機体21に対する軸支位置は、この例においては、
図6に示しているように、攪拌機25の回転する撹拌翼29の回転軌跡の後縁と、ベール成形装置22の前壁35の前面との、間に形成される間隔L2が、殆ど零になるようベール成形装置22の前壁35に寄せた位置に設定してある。そして、上下に2連に並列させて軸架せる攪拌機25のうちの上方の攪拌機25の上面側には、ホッパ23の上口に設けた案内壁30のうちの後縁に位置する案内壁30の下縁からホッパ23内に向け庇状に延出するように設けた延長案内壁30aを配設し、それにより、上方の攪拌機25の後面とベール成形装置22の前壁35との間に、ホッパ23内に投入した梱包材料Mの流入を阻止する空間を形成するようにしている。
【0048】
規制棒26は、ホッパ23内に投入した梱包材料Mが、床面に装架せるコンベア24により、ホッパ23内を機体21後部に設けたベール成形装置22に向け後方に移動していくときの、そのホッパ23内における梱包材料Mの流れを、流れ方向において前後に分断するように、流れの流れ方向における中間部位に設けて、分断した流れの、規制棒26より後方(流れ方向の下流側)の梱包材料Mの流れには規制を与えず規制棒26より前方(流れ方向の上流側)の梱包材料Mの流れにだけ規制を与えるもので、この例においては、ホッパ23の前後方向における略中間部位で、ホッパ23の深さの略2分の1となる高さ位置に配位して、ホッパ23の左右の側壁間に渡架装着することで、ホッパ23に対し固定して装設してあって、ホッパ23内の梱包材料Mの流れを、規制棒26より前方の前部側の流れと、規制棒26より後方の後部側の流れとに分断し、後部側の流れに対して規制棒26による規制が作用せず、前部側の流れに対してだけ規制棒26による規制が作用するようにしている。
【0049】
そして、これにより、ホッパ23内に梱包材料Mを満載した状態から作業を開始したとき、まず、規制棒26の規制を受けない後部側の梱包材料Mが後方に動いて、移動方向の先端側(後部側の梱包材料の後端側)が攪拌機25に接触していき、接触したところから攪拌機25により定量的に後方に掻き出されて、定量的にベール成形装置22に供給されていき、これにより、後部側の梱包材料Mの量が減少してくると、その減少により前部側の梱包材料への抵抗が減少した時点で、規制棒26の規制をうけて停滞していた前部側の梱包材料Mが後方に移動し始め、この前部側の梱包材料Mが引き続いて攪拌機25により順次定量的に掻き出されてベール成形装置22に供給されていくようになる。
【0050】
本発明の特徴的な構成として、第1実施形態のロールベーラ20には、緩衝手段33が設けられている。緩衝手段33は、ロールベール80の放出手段の一部としてのベールガイド支持部33cに着脱可能に取り付けられているが、固定的に取り付けられてもよい。ベールガイド支持部33cは、上述したように、特許文献1記載の「細断型ロールベーラA」の「ベールキッカ22」と同様にコの字形状のパイプで形成されたベールキッカ33dに、ベールガイド部33aを安定に支持するための補強部材33eが溶接等により一体的に取り付けられている。
【0051】
緩衝手段33は、平板状のベールガイド部33aと、ベールガイド支持部33cを介してベールガイド部33aの下面に地表面GLに向けて取付けられた緩衝部材33bとを備えている。緩衝部材33bは、圧縮・復元力を有する弾性体、例えば、樹脂製の低反発クッション、あるいは、金属性又は樹脂製のスプリング等が用いられる。本実施形態では、弾性体として樹脂製の低反発クッションを用いて説明するが、スプリングを弾性体として用いても同様の作用・効果を奏する。ベールガイド部33aは、特許文献1記載の「ベールキッカ22」、あるいは、その他の従来技術の「キッカ」とは異なり、転動するロールベール80がベールガイド部33aの幅方向からはみ出さないように、ロールベール80の幅に比べて拡幅されて形成されている。また、ロールベール80の放出方向のベールガイド部33aの長さは、ベールガイド部33aと地表面GLとのなす傾斜角度を緩やかにして、ロールベ-ル80のベールガイド部33a上の転動速度を遅くして、地表面GLに到達する際の衝撃が緩和されるように設定されている。
【0052】
このベールガイド部33aの長さ、緩衝部材33bの弾性力については、以下のような第一の観点で設計されている。ロールベール80は、機体21の後部から、ベールガイド部33aの上面に放出される。この時点ではベールガイド部33aは略水平状態であり、このときの衝撃は、緩衝部材33bで吸収して緩和される。そして、ロールベール80がベールガイド部33a上を後方に向けて転動していくと、ロールベール80自身の重さにより、緩衝部材33bは徐々に圧縮され、緩衝部材33bに連結されたベールガイド部33aは、緩衝部材33bの圧縮動作に連動して
図7の矢印で示す時計回りに徐々に傾動していき、緩衝部材33bの先端が地表面GLに当接すると、ベールガイド部33aの傾動が停止する。このとき、ロールベール80放出時点から、ロールベール80が地表面GLに到達してベールガイド部材33aの傾動が停止する時点までの一連の衝撃が低減され、梱包材料Mのこぼれ落ちる量が最少になるように、緩衝部材33bの弾性力(圧縮力)と、ベールガイド部33aの長さ(大きさ)等が、適宜調節して設定される。なお、本実施形態では、ロールベーラ20は、定置作業型として用いられるので、一旦設置された後は、別の場所に移動することはなく、ベールガイド部33aも一旦ロールベーラ20に取付けられた後は、修理等の特別な事情が無い限りは取り外すとこともない。したがって、従来のロールベーラに設けられたベールキッカのようにロールベーラ内に収容する、ということを想定せずに、ベールガイド部33aの長さを設定することができる。
【0053】
ロールベーラ80の後方には、ロール地下受場40が形成され、このロール地下受場40には、ラッピングマシン60が設置されている。ラッピングマシン60は、特許文献2に記載の「ラッピングマシン1」と同様の構成を備えたものであり、上述した「自走ラップマシン・SW1120D」として市販されている製品を利用したものでもあり、以下、簡単に説明する。
【0054】
ラッピングマシン60は、特許文献2に記載の「ラッピングマシン1」と同様に、
図6、
図7、
図11、
図12に示すように、地表面GLに置かれたロールベール80を保持して持ち上げられるようにした積込機構62と、この積込機構62によって持ち上げられたロールベール80を載置するベール支持台63と、当該ベール支持台63を縦軸を中心として回転させるターンテーブル89と、当該ターンテーブル89によって回転するロールベール80にフィルムを巻き付けるフィルムユニット66とを備えて構成される。積込機構62は、放出機構(積降機構)としても機能する。そして、この積込機構62を構成するリフトアーム81とベール支持台63とを一体的に傾動させて地表面GLのロールベール80を持ち上げ、そのロールベール80を引き起こしてベール支持台63に移し替える直前に(
図12の状態)、リフトアーム81傾動動作を一旦停止させ、これによってロールベール80の慣性力を低減させてから移し替えられるような構成を備えている。
【0055】
また、ラッピングマシン60は、積込機構62によって、地表面GLからロールベール80を拾い上げてベール支持台63に載置するとともに、ラッピングの終了したロールベール80を地表面GLなどに放出する機能を有する。本実施例では、ロールベーラ20から放出されたロールベール80を、ラッピングマシン60によって密閉状態にラッピング形成することで、竹笹ロールベールラップサイロ91が完成する。この積込機構62は、ダンプフレーム87から立設するリフトアーム81と、そのリフトアーム81の先端側でL字状に屈曲するベール支持アーム82と、リフトアーム81の基端側でL字状に屈曲する基端アーム84などを備えて構成されており、地表面GLのロールベール80を積み込む際には、
図11に示すように、傾動手段64を用いてリフトアーム81を水平に傾動させ、ベール支持アーム82を近寄せて基端アーム84との距離を近づけられるようにしたものである。このベール支持アーム82は、リフトアーム81の先端側に軸支された回転フレーム83の先端側に取り付けられており、この回転フレーム83を回転させることによって基端アーム84側に近寄せられるようになっている。そして、このようにベール支持アーム82を基端アーム84側に近づけることによって、ロールベール80を下側から保持し、そのリフトアーム81を起立させることで、ロールベール80をベール支持台63側に移し替えられるようにする。このとき、リフトアーム81を起立させるように傾動させると、そのロールベール80の重心Gが支点の鉛直線上の思案点P(ここでは、基端アーム84の鉛直軸線上の思案点P)を通過した時点で、ベール支持台63側に転がり込むようになる。
【0056】
一方、このベール支持台63は、前後一定間隔をもって設けられた回転体85の間にベルト86を張架させて構成されるものであって、その回転体85とベルト86上にロールベール80を載置できるように構成されている。そして、これらいずれかの回転体85を回転させることによって、載置された円筒状のロールベール80を自転させるようになっている。また、このベール支持台63の下方には、縦軸方向を中心として回転するモーター65が取り付けられており、このモーター65を回転させることによって、ターンテーブル89を回転させるようにしている。このターンテーブル89は、ベール支持台63の回転体85を軸支するフレームなどで構成される。そして、このターンテーブル89を回転させるとともに、ベール支持台63の回転体85を回転させることによって、そのロールベール80を鉛直方向の縦軸を中心として回転させ、これによってロールベール80全体にフィルムを巻き付けられるようにしている。
【0057】
このモーター65の下方には、ベール支持台63や積込機構62を傾動させるための傾動手段64が設けられる。この傾動手段64は、前方側(図の左側)のヒンジ90を中心に傾動するダンプフレーム87と、このダンプフレーム87を傾動させるための油圧シリンダ88とを備えて構成されており、この油圧シリンダ88のシリンダ軸を伸ばすことによってダンプフレーム87をヒンジ90を支点として傾斜させ、逆に、この油圧シリンダ88のシリンダ軸を縮めることによってダンプフレーム87を水平な状態に戻すようにしている。
【0058】
また、このベール支持台63の後方には、フィルムユニット66が設けられる。このフィルムユニット66は、このベール支持台63に載置されたロールベール80に対して、プラスチックフィルムをストレッチさせながら巻き付けられるようにしたものであって、ベースフレームの後方側から支柱を立設し、その上端に一または二本のフィルムロールを取り付けようにしている。このフィルムロールを二本取り付ける場合は、互いに段違いとなるようにフィルムロールを取り付け、一度に幅広い面積のロールベール80にフィルムをストレッチさせながら巻き付けられるようにする。
【0059】
このように巻き付けられたフィルムは切断機構67によって切断される。この切断機構67は、ベール支持台63の後方側に取り付けられており、ベール支持台63を前方に向けて傾斜させることによって、カッターを有する切断機構67を上方に持ち上げ、フィルムを挟み込むことで切断できるようにしている。この切断機構67には、フィルムを保持するための図示しないクランプ機構が設けられており、切断されたフィルムのフィルムロール側を保持できるようになっている。
【0060】
このように、第1実施形態のラッピングマシン60は、特許文献2に記載の「ラッピングマシン1」と同様の構造・機能を有しているものの、第1実施形態では、ロールベール積込の機能は使用しない。この理由は、以下の通りである。
図6、
図7に示すように、第1実施形態のラッピングマシン60は、地表面GLよりも下方の地下に形成されたロール地下受場40に配設されている。ロールベーラ20から放出されたロールベール80は、放出時の衝撃を緩和されながら緩衝手段33上を転動していき、地表面GLに到達する。地表面GLに到達したロールベーラ20は、この地表面GL上を搬送経路としてラッピングマシン60まで転動する。ラッピングマシン60に到達したロールベール80は、ラッピングマシン60へ搬入されるが、このとき、ラッピングマシン60は、積込操作をしないので、
図6に示すように、リフトアーム81が起立した状態である。この状態で、ロールベール80は、基端アーム84の上面を通過して搬入され、ベール支持台62に載置される。そこで、ロールベール80のラッピングマシンへ60への搬入経路として用いられる地表面GLの高さと、ラッピングマシン60の基端アーム84の上面の高さ(搬入高さ)とが、同じになるようにロール地下受場40が形成される。つまり、ロール地下受場40は、ロールベール80のラッピングマシン60への搬入高さ調整手段(「搬入衝撃緩和手段」と表現してもよい。)として形成されている。このようにロール地下受場40を形成することで、ロールベーラ20から放出されて地表面GLに到達したロールベール80が、段差のない搬送面を転動してラッピングマシン60に搬入されることになり、搬送・搬入時の衝撃を緩和することができる。なお、搬入高さの微調整は、ラッピングマシン60に備えられているベール支持台63の自動昇降手段によって行われてもよい。
なお、地表面GLの高さ、及び、搬入高さは、地表面GLを基準とするか、ラッピングマシン60の設置面を基準とするかは、必要に応じて適宜選択すればよい。
【0061】
ここで、ロールベーラ20が地表面GLに到達してからラッピングマシン60に搬入されるまでの搬送経路の距離CL1は、以下に示すような第二の観点で設計される。ロールベーラ20から放出されたロールベール80は、上述したようにベールガイド部33a上を転動して地表面GLに到達した後、搬送経路としての地表面GLを転動しながらラッピングマシン60の基端アーム84を通過してベール支持台63上に載置される。このとき、地表面GLに当接されるベールガイド部33aの先端部からベール支持台30までの距離が短すぎると、慣性力によりロールベール80が勢いを持ってベール支持台84に転がり込み、そのときの衝撃により梱包材料Mが、こぼれ落ちてしまう。仮に、ロールベール80がベール支持台63後方のフィルムユニット66の構成部品に衝突して停止するような動作になると、衝撃も大きくなり大量の梱包材料Mがこぼれ落ちてしまう虞がある。このため、ロールベーラ20から放出されたロールベール80が、ベールガイド部33a上を転動して地表面GLに到達した後、さらに地表面GLを転動してラッピングマシン60のベール支持台63上に転がり込んで載置された時点で、ロールベール80の転動速度がゼロになる(つまり、ロールベール80の慣性力がゼロになる)ように、搬送経路CL1の長さが設定される。搬送経路CL1は、
図7では、便宜的に、ロールベーラ20が地表面GLに到達した位置からロール地下受場40の前端部までの距離で示したが、当然に、ロール地下受場40の前端部から基端アーム84までの距離、ベール支持台62の支持面の大きさ等も考慮して設定される。また、ロールベール80がベールガイド部33aを転動するときの転動速度は、ベールガイド部33aや緩衝部材33bの設計にあたっても考慮される。
このように搬送経路CL1の距離を設定することで、ロールベール80がベール支持台63に載置される際にも衝撃が殆どなく、梱包材Mのこぼれ落ち量は大幅に低減される。
【0062】
したがって、特許文献2に記載の「ラッピングマシン1」のように、地表面GL(特許文献2に記載の「ラッピングマシン1」の場合は、「圃場」。)にあるロールベール80を、傾動手段64の油圧シリンダ88を伸ばしてダンプフレーム87を傾動させ、リフトアーム81を水平な状態にし、リフトアーム81の先端側に取り付けられた回転フレーム83を回転させることによってベール支持アーム82と基端アーム84とで保持し(
図11参照。)、その状態で、油圧シリンダ88を縮めてダンプフレーム87に取り付けられたリフトアーム81を起立させるとともにベール支持台63を水平な状態にさせることで、リフトアーム81に保持されていたロールベール80がベール支持台63に転がり込む、という動作は不要である。ただし、ラッピングが終了して完成した竹笹ロールベールラップサイロ91を、ベール支持台63から積降す(放出する)機能は、使用する必要があるので、積込機構62の構造自体は必要である。
【0063】
このように構成された竹笹ロールベールラップサイロ製造装置4によれば、ロールベール80がロールベーラ20の機体21後部から放出された際に、一旦ベールガイド部33a上を転動するが、このときの衝撃は緩衝部材33bによって緩和される。そして、緩衝部材33bが、緩やかに圧縮されることで、ロールベール80はゆっくりとベールガイド部33aを転動し、搬送経路に殆ど段差がないので段差による衝撃もなく、基端アーム84の上面を通過してベール支持台63に転がり込み、転動速度ゼロでベール支持台63に載置することができる。このため、ロールベール80のラッピングマシン60への搬入工程においても、梱包材料Mがこぼれ落ちる量を大幅に低減することができ、ロールベール80の変形や型崩れを防ぐことができる。
【0064】
ここで、搬入高さ調整手段の変形例を説明する。ロールベール80のラッピングマシン60への搬入高さは、
図8に示すように、ロールベーラ20側の高さを調整することでも実現できる。つまり、ラッピングマシン60を地表面GLに配設して、ロールベーラ20を、地表面GLより上方に形成された架台41上に配設する構成でもよい。架台41は、例えば、H鋼で構成されている。この構成では、ロールベーラ20から放出されたロールベール80は、搬送経路として、地表面GLではなく、架台41の上面CSを転動することになる。そして、この架台41の上面CSの地表面GLからの高さと、ラッピングマシン60の基端アーム84の地表面GLからの高さとを同じに形成することで、第1実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。詳細な作用・効果についての説明は、第1実施形態の説明から容易に理解できるので省略する。
【0065】
また、本第1実施形態の変形例においても、ロールベール80の搬送経路CL2を、第1実施形態の搬送経路CL1と同様に設定する。ただし、搬送経路CL2は、ロールベーラ20が架台上面CSに到達した位置から架台41のラッピングマシン60が設置されている側の端部までの距離である。なお、第1実施形態と同様に、架台41のラッピングマシン60が設置されている側の端部から基端アーム84までの距離、ベール支持台62の支持面の大きさ等も考慮して設定される。このように搬送経路CL2を設定することで、第1実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。詳細な作用・効果は、第1実施形態の説明から容易に理解できるので省略する。なお、本第1実施形態の変形例においても、ロールベーラ20は、一旦架台41上に設置したら移動させる必要はない。
【0066】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム、竹笹ロールベールラップサイロ製造方法、及び、竹笹サイレージの製造方法について、
図9を参照しながら説明する。第2実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム100は、第1実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム1に、新たに混合原料生成部7を設けたものであり、主な構成として、竹笹チップ製造部2と、竹笹チップ供給部3と、竹笹ロールベールラップサイロ製造装置4と、混合原料生成部7を備えている。第2実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム100は、第1実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム1と同様に、圃場(竹林)ではなく、専用の処理場に構築される。以下、第1実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム1と同様の構造のものは同一符号を用い、重複説明は極力省略する。
【0067】
ロールベーラ20は、第1の実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ製造システム1と異なり、竹笹チップ3aと、少なくとも、水と廃糖蜜とを混合・撹拌して生成した撹拌液、あるいは、濃厚飼料のいずれかを混合して生成された混合原料7aとをロールベーラ20のホッパ23から供給し、圧縮成形された円柱形状のロールベール180aを形成し、さらに、このロールベール108aをネットで圧縮包装して円柱形状のロールベール180を形成し、このロールベール180を後方に配設されたラッピングマシン60へ向けて、放出する。放出されたロールベール180は、ロールベーラ20に設けられた緩衝手段33で衝撃を緩和されて、ロール地下受場40に形成されたラッピングマシン60に搬送される。
【0068】
混合原料生成部7は、水と発酵促進剤が混合されて撹拌された撹拌水7cが貯留された第1タンク7dと、廃糖蜜7eが貯留された第2タンク7fと、水と廃糖蜜7eとが混合され撹拌されて撹拌液7gとして貯留された第3タンク7hと、撹拌水7cと撹拌液7gと竹笹チップ3aと濃厚飼料7iとが供給されて混合撹拌され、混合原料7aとして生成・貯留される第4タンク7jと、混合原料7aをロールベーラ20のホッパ23に搬送して供給する搬送コンベア7bとを備えている。竹笹チップ3aの第4タンク7jへの供給手段・供給方法は、第1実施形態と同様にベルトコンベア(不図示)を用いてもよいし、フォークリフトF1を用いてもよい。
【0069】
一実施例として、水と発酵促進剤が混合・撹拌された18リットルの撹拌水7cと、水と廃糖蜜7eが混合・撹拌された18リットルの撹拌液7gとが、それぞれ、独立に制御されて第4タンク7jに供給されているが、水と廃糖蜜7eとの混合比率は、竹笹チップ3aの含水割合、つまり、原料となる竹笹チップ、あるいは、粉砕前の竹笹の含水割合に応じて、最適な竹笹サイレージが生成されるように適宜調製される。例えば、季節に応じて、水と廃糖蜜の比は、1:2、あるいは、2:1のように調製されてよい。このとき、水と廃糖蜜7eとの混合比率の調製、及び、第4タンク7jへの供給量は、タイマーリミット式の撹拌液制御手段7kが用いられる。この撹拌液制御手段7kは、撹拌水7cの第4タンク7jへの供給量も独立に制御することができる。また、撹拌水7cと撹拌液7gは、第4タンク7jに供給された濃厚飼料7iと竹笹チップ3aとが撹拌されながら、第4タンク7jの上部に設けられた供給手段によってシャワー状に供給される。廃糖蜜7e、濃厚飼料7iは、周知のものが用いられるが、最適な竹笹サイレージが製造できるように、適宜、構成成分の種類、割合等が選択されてよい。濃厚飼料は周知のものであるが、具体的な成分は、例えば、特許文献4には、「濃厚飼料としては、とうもろこし圧片、とうもろこし2種混、大麦圧片、焙煎大豆混合物25.7%、糟糖類として、フスマ、グルテンフィールド、グルテンミール混合物4.1%、植物性油粕類として、大豆粕、アマニ粕、ゴマ粕混合物5.2%、その他に、綿実、リンタ、豆皮、ビート、チンピ、パン屑、中白、ホミニフィード、醤油粕混合物22.0%を加えた。更に、ミネラル製剤としてリンカル、タンカル、ゼオライト、カキ殻混合物2.1%と、サイレージ化を促進するために、糖蜜4.2%と乳酸菌製剤であるラクトバチルスプランタナム菌、ラクトバチルスアシドフィルス菌、エンテロコッカスフェシウム菌の混合液を飼料1トン当たり1.5リットル添加した。これらの混合物からなるTMRを容量6キロリットルの撹拌混合槽で均一に混合し、水分調整と冬期の温度調節のためにスチームを吹き込んで、最終調整をし、水分40〜54%、冬季には少なくとも30℃以上にする。この場合は、水分43%、温度30℃であった。」(段落「0013」参照。)と記載されている。なお、ミネラル、ビタミン等は、「特殊飼料」に分類することもある。
【0070】
混合原料7aは、竹笹チップ3aと、少なくとも、撹拌液7g、又は、濃厚飼料7iのいずれか一方を混合した混合原料として説明したが、この混合原料7aに撹拌水7cを混合してもよいし、竹笹チップ3aに撹拌水7cを混合したものでもよい。
【0071】
また、混合原料生成部7の変形例として
図10に示すように、焼酎粕7mを供給して貯留した第5タンク7nを設け、この焼酎粕7mを第4タンク7jに供給する構成にして、混合原料7aに焼酎粕7mを混合する、混合原料7aと撹拌水7cを混合したものに焼酎粕7cを混合する、竹笹チップ3aに焼酎粕7mを混合する、竹笹チップ3aと撹拌水7cと焼酎粕7mを混合するような組み合わせのいずれかを用いてもよい。焼酎粕7mも、撹拌水7c、撹拌液7gと同様に、タイマーリミット式の撹拌液制御手段7kによって、第4タンク7jへの供給が、撹拌水7c、撹拌液7gとは独立に制御されている。
【0072】
第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、ラッピングマシン60に搬送されたロールベール180は、外周にフィルムが捲回され、気密状態に包装される。これで、第2実施形態の竹笹ロールベールラップサイロ191が完成する。完成した竹笹ロールベールラップサイロ191は、所定の場所に移動させて、所定期間(例えば、1ヶ月間)、乳酸発酵等の嫌気的発酵させて、竹笹サイレージが完成する。嫌気的発酵の乳酸発酵が順調に進行され、カビ等の好気性菌の発生や酪酸発酵等を防ぐことができ、長期保存が可能で、高品質のサイレージを製造(調製)することができる。
【0073】
第2実施形態では、竹笹チップ3aに、混合原料、特に廃糖蜜や焼酎粕を混合した混合原料を用いたことで、第1実施形態で製造したサイレージよりも牛の食いつきがより向上する。また、粘性を有する廃糖蜜を用いたことで、梱包材Mの密着性が向上して、原料のこぼれ落ちる量をさらに低減し、ロールベール180の変形や型崩れの発生をさらに低減することができる。また、完成したサイレージの栄養価も第1実施形態で製造したサイレージよりもさらに高くすることができる。
【0074】
第2実施形態における、ロールベール、ロール地下受場、架台、ラッピングマシンについては、ロールベールの原料が、第1実施形態の竹笹チップ3aのみからなる原料から、竹笹チップ3aを主原料とすると混合原料7aに変わるだけであり、その他の部分の説明は省略する。
【0075】
なお、第1及び第2実施形態において、本願発明の理解を容易にするために、ロールベーラとして特許文献1記載の「細断型ロールベーラA」、及び、ラッピングマシンとして特許文献2記載の「ラッピングマシン1」を用いて説明したが、原料を圧縮成形後にネットで圧縮包装してロールベールを形成するロールベーラ、ロールベールをフィルムで気密状態にラッピングするラッピングマシンは、周知であるので、上記以外の周知の「ロールベーラ」及び「ラッピングマシン」を用いて本願発明を実現することができることはいうまでもない。
【課題】竹笹チップのみからなる原料、又は、竹笹チップを主成分とする混合原料を原料としてロールベーラで形成し終えたロールベールを、ロールベーラの機体後方に放出する際の衝撃を緩和し、前記ロールベールから前記原料あるいは混合原料がこぼれる量を低減し、変形や型崩れが少なく商品価値を高くすることができる竹笹ロールベールラップサイロの製造装置・製造システム・製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】原料を所定形状のロールベールに形成するロールベーラと、前記形成されたロールベールを前記ロールベーラから放出する放出手段と、該放出手段に連結され、圧縮・復元力を有する弾性体を備えた緩衝手段と、を備え、前記原料は、竹笹チップのみからなる原料、又は、竹笹チップと、少なくとも、糖蜜、濃厚飼料、発酵促進剤、焼酎粕のいずれか一つとを混合した混合原料であることを特徴とする。