(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1つの周期の中で、情報が急激に変動する期間と緩やかに変動する期間とが存在する場合がある。このような場合において、緩やかに変動する時期に、急激に変動する時期と同じだけの候補を表示させてしまうと、実際にはユーザにより選択されない候補も多く表示される。端末装置のメモリは、選択されにくい候補の表示や選択のために、候補の値を記憶しなければならない。多くの候補の値を記憶するために、メモリの容量が無駄に消費される。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、選択される蓋然性が低い候補の表示を抑制することを可能とする端末装置及び情報処理方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、周期的に変動する
体温の一時点における実際値としての入力値であって、今回入力される入力値が対応する対象日を特定する特定手段と、前記入力値の候補を画面に表示する制御手段であって、
月経周期の中の、前記
体温が或る第1幅内で変動する第1期間及び前記
体温が前記第1幅よりも狭い第2幅内で変動する第2期間のうち、前記対象日が前記第1期間に含まれる場合、第1の数分の候補を表示し、前記対象日が前記第2期間に含まれる場合、前記第1の数よりも小さい第2の数分の候補を表示する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、対象日が、
体温が変動する幅が相対的に小さい第1期間に含まれる場合、第1の数分の候補が表示される。対象日が、
体温が変動する幅が相対的に小さい第2期間に含まれる場合、第1の数よりも小さい第2の数分の候補が表示される。従って、
体温が変動する幅が相対的に小さい第2期間において、選択される蓋然性が低い候補の表示を抑制することができる。そのため、第1期間の場合よりも少ない候補の値をメモリが記憶すればよいので、メモリの容量を節約することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の端末装置において、前記制御手段は、前記第1の数分の候補の距離間隔よりも長い距離間隔で前記第2の数分の候補を表示することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、対象日が第2期間に含まれる場合、対象日が第1期間に含まれる場合よりも小さい数分の候補が表示される。そのため、第1の数分の候補の距離間隔よりも長い距離間隔で第2の数分の候補を表示することができる。従って、ユーザが目的とする候補をユーザがより正確に選択することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の端末装置において、前記制御手段は、前記第1の数分の候補のそれぞれのサイズよりも大きいサイズで前記第2の数分の候補のそれぞれを表示することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、対象日が第2期間に含まれる場合、対象日が第1期間に含まれる場合よりも小さい数分の候補が表示される。そのため、第1の数分の候補のそれぞれのサイズよりも大きいサイズで第2の数分の候補のそれぞれを表示することができる。従って、ユーザが目的とする候補をユーザが選択しやすくなる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の端末装置において、前記制御手段は、前記対象日よりも前の日の時点における実際値として入力された参照値に基づいて決定された前記候補を表示することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、対象日よりも前の日の時点における実際値として入力された参照値に基づいて、表示される候補が決定される。過去に入力されたことがある参照値と対象日における実際値との差は、過去に入力されたことがない値と対象日における実際値との差よりも小さい蓋然性がある。そのため、複数の候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を高めることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の端末装置において、前記制御手段は、前記参照値を含む前記候補を表示することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、表示される候補のうち何れかの候補が、対象日よりも前の日の時点における実際値として入力された参照値である。過去に入力されたことがある参照値と対象日における実際値とが一致する蓋然性は、過去に入力されたことがない値と対象日における実際値とが一致する蓋然性よりも高い。そのため、複数の候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を高めることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の端末装置において、前記第2期間は、前記
体温の実際値が相対的に小さい第3期間と、相対的に大きい第4期間とを含み、前記第1期間は、前記第3期間から前記第4期間に移行する第5期間と、前記第4期間から前記第3期間に移行する第6期間とを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の端末装置において、前記
体温の実際値の入力の履歴に基づいて特定される前記第1幅に応じた前記第1の数、及び前記履歴に基づいて特定される前記第2幅に応じた前記第2の数の少なくとも何れか一方を決定する決定手段を更に備え、前記制御手段は、前記決定された第1の数分又は第2の数分の候補を表示することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、実際値の入力の履歴に基づいて特定される、情報の変動の幅に応じた数分の候補が表示される。従って、入力値を入力するユーザに適した数分の候補を表示させることができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の端末装置において、前記情報は体温であり、前記情報が変動する周期は月経周期であることを特徴とする。
【0020】
請求項
8に記載の発明は、請求項
1乃至7の何れか1項に記載の端末装置において、前記制御手段は、排卵日又は生理日を含む所定長の期間を前記第1期間と推定し、前記特定された対象日が前記推定された第1期間に含まれている場合において、前記対象日の前日から所定日数前の日までの実際値の変動量が所定量未満である場合、前記第2の数分の候補を表示することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、対象日が、排卵日又は生理日を含む所定長の期間に含まれている場合であっても、対象日の前日から所定日数前の日までの実際値の変動量が所定量未満である場合、第2の数分の候補が表示される。一般的に、排卵日又は生理日の前後数日の間は、実際値の変動が比較的大きい第1期間である。しかしながら、対象日の前日から所定日数前の日までの実際値の変動量が所定値未満である場合、対象日よりも前に第1期間から第2期間に既に移行したと推定されてもよい。この推定により、適切な数の候補を表示することができる。
【0022】
請求項
9に記載の発明は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、周期的に変動する
体温の一時点における実際値としての入力値であって、今回入力される入力値が対応する対象日を特定する特定ステップと、前記入力値の候補を画面に表示する制御ステップであって、
月経周期の中の、前記
体温が或る第1幅内で変動する第1期間及び前記
体温が前記第1幅よりも狭い第2幅内で変動する第2期間のうち、前記対象日が前記第1期間に含まれる場合、第1の数分の候補を表示し、前記対象日が前記第2期間に含まれる場合、前記第1の数よりも小さい第2の数分の候補を表示する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項
10に記載の発明は、コンピュータを、周期的に変動する
体温の一時点における実際値としての入力値であって、今回入力される入力値が対応する対象日を特定する特定手段と、前記入力値の候補を画面に表示する制御手段であって、月経周期の中の、前記
体温が或る第1幅内で変動する第1期間及び前記
体温が前記第1幅よりも狭い第2幅内で変動する第2期間のうち、前記対象日が前記第1期間に含まれる場合、第1の数分の候補を表示し、前記対象日が前記第2期間に含まれる場合、前記第1の数よりも小さい第2の数分の候補を表示する制御手
段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、対象日が、
体温が変動する幅が相対的に小さい第1期間に含まれる場合、第1の数分の候補が表示される。対象日が、
体温が変動する幅が相対的に小さい第2期間に含まれる場合、第1の数よりも小さい第2の数分の候補が表示される。従って、
体温が変動する幅が相対的に小さい第2期間において、選択される蓋然性が低い候補の表示を抑制することができる。そのため、第1期間の場合よりも少ない候補の値をメモリが記憶すればよいので、メモリの容量を節約することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、情報処理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0027】
[1.第1実施形態]
[1−1.情報処理システムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係る情報処理システムSの構成及び機能概要について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0028】
図1に示すように、情報処理システムSは、情報処理サーバ1と、複数のユーザ端末2とを含んで構成されている。情報処理サーバ1と、各ユーザ端末2とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0029】
情報処理サーバ1は、女性の健康に関する情報をユーザ端末2へ配信するサーバ装置である。また、情報処理サーバ1は、ユーザ端末2から、ユーザの基礎体温の値、生理日等の情報を取得する。そして、情報処理サーバ1は、取得した情報に基づいて、ユーザの排卵日を推定し、次回の生理日を予測する。
【0030】
ユーザ端末2は、情報処理システムSを利用するユーザの端末装置である。ユーザ端末2は、本願発明の情報処理装置の一例である。ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等であってもよい。ユーザ端末2は、体温計で測定されたユーザの基礎体温の値の入力をユーザから受け付ける。測定された体温の値を、「測定値」ともいう。測定値は、体温の或る一時点における実際の値を示す。測定値は、本発明の実際値の一例である。入力された体温の値を、「入力値」ともいう。ユーザ端末2は、入力された体温値を情報処理サーバ1へ送信する。また、ユーザ端末2は、ユーザにより入力された実際の生理日を情報処理サーバ1へ送信する。そして、ユーザ端末2は、情報処理サーバ1により推定された排卵日、生理日等の情報を表示する。なお、実際値は測定された情報の値ではなくてもよい。何らかの現象によって変動する情報の実際の値は、何らかの方法で得られた値であればよい。
【0031】
[1−2.情報処理サーバの構成]
次に、情報処理サーバ1の構成について、
図2及び
図3を用いて説明する。
【0032】
図2は、本実施形態に係る情報処理サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース13と、システム制御部14と、を備えている。そして、システム制御部14と入出力インターフェース13とは、システムバス15を介して接続されている。
【0033】
通信部11は、ネットワークNWに接続してユーザ端末2等との通信状態を制御するようになっている。
【0034】
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部12には、会員DB12a、体温DB12b、生理日DB12c、推定結果DB12d等のデータベースが記憶されている。「DB」は、データベースの略語である。
図3は、情報処理サーバ1の記憶部12に記憶されたデータベースに登録される内容の一例を示す図である。
【0035】
会員DB12aには、情報処理システムSを利用するユーザに関するユーザ情報がユーザごとに登録される。具体的に、会員DB12aには、ユーザ情報として、ユーザID、パスワード、氏名、生年月日、性別、郵便番号、住所、電話番号、電子メールアドレス等のユーザの属性が対応付けて登録される。ユーザIDは、ユーザの識別情報である。
【0036】
体温DB12bには、基礎体温の入力値が登録される。具体的に、体温DB12bには、ユーザID、測定日及び体温値が対応付けて登録される。ユーザIDは、体温値を入力したユーザを示す。測定日は、体温が測定された日を示す。体温値は、基礎体温の入力値である。例えば、システム制御部14は、ユーザ端末2から、ユーザ端末2を利用するユーザID、測定日及び体温値を受信する。そして、システム制御部14は、受信した情報を体温DB12bに登録する。
【0037】
生理日DB12cには、ユーザが入力した生理日が登録される。具体的に、生理日DB12cには、ユーザID及び生理日が対応付けて登録される。ユーザIDは、生理日を入力したユーザを示す。例えば、システム制御部14は、ユーザ端末2から、ユーザ端末2を利用するユーザID、ユーザが入力した生理日を受信する。そして、システム制御部14は、受信した情報を生理日DB12cに登録する。
【0038】
推定結果DB12dには、推定された排卵日及び生理日が登録される。具体的に、推定結果DB12dには、ユーザID、ユーザにより入力された生理日、推定排卵日及び推定次回生理日が対応付けて登録される。ユーザIDは、排卵日及び生理日の推定の対象とされたユーザを示す。生理日は、ユーザにより入力された生理日を初日とする月経周期における排卵日として推定された日である。推定次回生理日は、ユーザにより入力された生理日の次の生理日として推定された日である。
【0039】
また、記憶部12には、オペレーティングシステム、WWW(World Wide Web)サーバプログラム、DBMS(Database Management System)、予測処理プログラム等の各種プログラムが記憶されている。予測処理プログラムは、排卵日を推定し及び生理日を予測するためのプログラムである。
【0040】
入出力インターフェース13は、通信部11及び記憶部12とシステム制御部14との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【0041】
システム制御部14は、CPU14a、ROM(Read Only Memory)14b、RAM(Random Access Memory)14c等により構成されている。システム制御部14は、体温DB12b及び生理日DB12cの少なくとも何れか一方に基づいて、排卵日を推定し、生理日を予測する。システム制御部14は、推定した排卵日及び生理日を、推定排卵日及び推定次回生理日として、対象のユーザのユーザID及び生理日と対応付けて、推定結果DB12dに登録する。排卵日の推定方法及び生理日の予測方法として、システム制御部14は、過去に測定された体温及び過去の生理日の少なくとも一方を使用する如何なる方法を使用してもよい。システム制御部14は、例えば新しい体温値がユーザにより入力されたとき、排卵日及び生理日を推定してもよい。或いは、システム制御部14は、例えば新しい生理日がユーザにより入力されたとき、排卵日及び生理日を推定してもよい。
【0042】
システム制御部14は、例えば、生理日DB12cに記憶されたユーザの過去の生理日に基づいて、次の生理日を予測してもよい。例えば、或る生理日からその次の生理日の前日までの期間が月経周期である。システム制御部14は、例えば過去の月経周期の代表値を、今回の月経周期の日数と予測してもよい。代表値は、例えば平均値、中央値、最頻値であってもよい。システム制御部14は、今回の月経周期の初日、すなわち最新の生理日から、推定した今回の月経周期の日数後の日を、生理日と予測してもよい。また、システム制御部14は、予測した生理日から所定日数前の日を、排卵日と推定してもよい。所定日数は、例えば14日等であってもよい。排卵日には、卵胞から卵子が排出される。すると、卵胞から黄体が形成される。この黄体から黄体ホルモンが分泌される。この黄体ホルモンにより体温が上昇し、低温期から高温期に移行する。黄体が萎縮すると、黄体ホルモンの分泌が終わる。すると、子宮内膜を維持することができなくなり、月経となる。また、黄体ホルモンの分泌が終わると体温が低下する。従って、次の月経周期の低温期に移行する。黄体ホルモンの寿命は相当に安定している。例えば、黄体の寿命は一般的に14日±2日である。なお、情報処理サーバ1ではなく、ユーザ端末2が、そのユーザ端末2を利用するユーザの排卵日及び生理日を推定してもよい。
【0043】
[1−3.ユーザ端末の構成]
次に、ユーザ端末2の構成について、
図4を用いて説明する。
【0044】
図4は、本実施形態に係るユーザ端末2の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
図4に示すように、ユーザ端末2は、通信部21と、記憶部22と、タッチパネル23と、スピーカ24と、マイクロフォン25と、入出力インターフェース26と、システム制御部27と、を備えている。そして、システム制御部27と入出力インターフェース26とは、システムバス28を介して接続されている。
【0046】
通信部21は、ネットワークNWに接続して、情報処理サーバ1等との通信状態を制御するようになっている。
【0047】
記憶部22は、例えば、フラッシュメモリ等により構成されている。記憶部22には、オペレーティングシステム、端末用アプリケーションプログラムが記憶されている。端末用アプリケーションプログラムは、本発明における情報処理プログラムの一例である。端末用アプリケーションプログラムは、体温値や生理日の入力を受け付けたり、推定された排卵日及び予測された生理日を表示したりするためのプログラムである。端末用アプリケーションプログラムは、例えば、情報処理サーバ1からネットワークNWを介してダウンロードされてもよい。また例えば、端末用アプリケーションプログラムは、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。また、端末用アプリケーションプログラムは、プログラム製品であってもよい。
【0048】
タッチパネル23は、ディスプレイとしての役割と、入力デバイスとしての役割を果たす。タッチパネル23は、表示部23a及び位置検出部23bを備える。表示部23aは、例えば、液晶ディスプレイ等により構成されており、文字や画像等の情報を表示するようになっている。表示部23aは、本発明における表示手段の一例である。位置検出部23bは、ユーザが指やタッチペン(スタイラスペン)等により、タッチパネル23に接触した点の座標を検出する。そして、位置検出部23bは、検出した座標をシステム制御部27に出力する。なお、ユーザ端末2は、タッチパネル23ではなく、例えばディスプレイとポインティングデバイスとを備えてもよい。そして、ポインティングデバイスを操作することにより、ディスプレイの画面上の座標をユーザが指定することが可能であってもよい。ポインティングデバイスは、例えばマウス、タッチパッド等であってもよい。
【0049】
入出力インターフェース26は、通信部21〜マイクロフォン25とシステム制御部27との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【0050】
システム制御部27は、CPU27a、ROM27b、RAM27c等により構成されている。
【0051】
[1−4.ユーザ端末のシステム制御部の機能概要]
次に、
図5乃至
図8Bを用いて、システム制御部27の機能概要について説明する。
図5は、本実施形態に係るユーザ端末2のシステム制御部27の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部27は、CPU27aが、端末用アプリケーションプログラムを読み出し実行することにより、
図5に示すように、測定日特定部271、期間特定部272、表示制御部273、入力値決定部274等として機能する。測定日特定部271は、本発明の特定手段の一例である。期間特定部272及び表示制御部273は、本発明の制御手段、決定手段の一例である。
【0052】
システム制御部27は、端末用アプリケーションプログラムを実行することにより、実際に測定された体温の値の入力をユーザから受け付ける。具体的に、システム制御部27は、入力される体温値、すなわち入力値の候補を複数表示する。システム制御部27は、複数の候補の中からユーザにより選択された候補を、入力値に決定する。このとき、システム制御部27、以下に詳細に説明するように、選択される蓋然性が低い候補の表示を抑制する。
【0053】
測定日特定部271は、今回入力される体温の入力値に対応する測定日を特定する。入力値に対応する測定日とは、入力値が示す体温が測定された日である。例えば、測定日特定部271は、タッチパネル23に対するユーザの操作に基づいて、ユーザが測定日を指定しなかった場合には、測定日として今日の日付を特定してもよい。ユーザが測定日を指定した場合、測定日特定部271は、指定された測定日を特定する。ユーザは、過去の日に測定された体温の値を入力することができる。なお、測定日特定部271は、測定日を指定することができないように機能してもよい。この場合、測定日特定部271は、測定日として常に今日の日付を特定してもよい。
【0054】
期間特定部272は、測定日特定部271により特定された測定日が、月経周期の中に含まれる体温安定期と移行期との何れに含まれるかを特定する。
図6は、体温のグラフの一例を示す図である。女性の体温は周期的に変動する。或る生理日から次の生理日までの期間が1つの月経周期である。1つの月経周期は、体温安定期と移行期を含む。体温安定期は、本発明の第2期間の一例である。移行期は、本発明の第1期間の一例である。体温安定期は、月経周期の中で相対的に体温が安定している期間である。体温安定期は、低温期と高温期とを含む。低温期は、月経周期の中で相対的に体温が低い期間であり、低温期における体温は比較的安定している。高温期は、月経周期の中で相対的に体温が高い期間であり、高温期における体温は比較的安定している。低温期における平均体温と高温期における平均体温との差は、例えば約0.3〜0.5度である。移行期は、月経周期の中で相対的に体温が大きく変動する期間であり、体温が不安定な期間である。移行期は、第1移行期と第2移行期とを含む。第1移行期は、低温期から高温期へ移行する期間である。第1移行期は、排卵日を含む。第2移行期は、高温期から低温期へ移行する期間である。第2移行期は、生理日を含む。すなわち、第2移行期は、或る月経周期から次の月経周期に移行する期間である。低温期は、本発明の第3期間の一例であり、高温期は、本発明の第4期間の一例であり、第1移行期は、本発明の第5期間の一例であり、第2移行期は、本発明の第6期間の一例である。
【0055】
体温安定期においては、移行期における体温の変動幅よりも小さい変動幅で体温が変動する。体温の変動幅は、例えば期間中における体温の最小値と最大値との差であってもよい。
図6において、符号W1が低温期の体温の変動幅を示し、符号W2が第1移行期の体温の変動幅を示し、符号W3が高温期の体温の変動幅を示し、符号W4が第2移行期の体温の変動幅を示す。変動幅W1及びW3の何れも、変動幅W2及びW4よりも小さい。
【0056】
期間特定部272は、例えば、体温安定期及び移行期を特定してもよい。例えば、期間特定部272は、過去の生理日、情報処理サーバ1により推定された排卵日及び次の生理日を情報処理サーバ1から取得してもよい。期間特定部272は、例えば排卵日から前後設定日数の期間を第1移行期間と推定し、生理日から前後設定日数の期間を第2移行期間と推定してもよい。そして、期間特定部272は、第2移行期間の次の日から第1移行期間の前日までの期間を低温期と推定し、第1移行期間の次の日から第2移行期間の前日までの期間を高温期と推定してもよい。移行期間の日数を決める設定日数は、例えば予め設定されてもよい。例えば、設定日数は3日等であってもよい。また例えば、期間特定部272は、体温を入力するユーザの月経期間の日数及び過去の体温の変動の少なくとも何れか一方に基づいて、設定日数を決定してもよい。期間特定部272は、測定日が、推定された体温安定期と移行期との何れに含まれるかを特定する。
【0057】
表示制御部273は、入力値の複数の候補を選択肢として画面に表示させる。先ず、表示制御部273は、表示部23aに表示される入力値の候補の数を決定する。具体的に、表示制御部273は、測定日が移行期に含まれる場合、候補の数として、第1の数を決定する。一方、表示制御部273は、測定日が体温安定期に含まれる場合、候補の数として、第1の数よりも小さい第2の数を決定する。すなわち、表示制御部273は、測定日が移行期に含まれる場合、第1の数分の候補を表示し、測定日が体温安定期に含まれる場合、第2の数分の候補を表示する。移行期間における体温は体温安定期に比べて不安定である。1つの画面に表示される候補の中から何れかの候補をユーザが選択する蓋然性を高めるためには、1つの画面に多くの候補を表示した方がよい。しかしながら、複数の候補の中からユーザが入力値として実際に選択する候補は1つである。測定日が体温安定期に含まれる場合は、体温の変動幅が移行期の場合よりも小さい。体温安定期の場合に、移行期の場合と同じ数の候補が表示されると、実際にはユーザが選択しない候補も多く表示されることになる。この場合、ユーザ端末2は、ユーザにより選択されにくい候補の表示や選択のための情報を、RAM27cに記憶しなければならない。そこで、表示制御部273は、測定日が体温安定期に含まれる場合に表示される候補の数を、測定日が移行期に含まれる場合に表示される候補の数よりも小さくする。これにより、RAM27cに記憶される情報の量を減少させることができる。また、1つの画面内に、測定日が移行期に含まれる場合よりも少ない数の候補を表示することで、各候補を大きく表示することができる。また、候補間の距離を長くすることができる。そのため、タッチパネル23やポインティングデバイスを使用して画面上の座標を指定することにより候補を選択する場合、ユーザが候補を選択しやすくなる。
【0058】
第1の数及び第2の数は、例えばそれぞれ予め設定されてもよい。例えば、隣接する候補の体温の差が0.1である場合、第1の数は11であり、第2の数は5であってもよい。第1の数及び第2の数は、例えば、全ユーザの移行期及び体温安定期のそれぞれの体温の変動幅の統計と、隣接する候補の体温の差に基づいて予め設定されてもよい。例えば、移行期及び体温安定期のそれぞれの体温の変動幅の代表値が計算されてもよい。代表値は、例えば、平均値、中央値、所定パーセンタイル値、最頻値等であってもよい。また例えば、候補の数は、変動幅の代表値÷0.1×2+1等であってもよい。第1の数及び第2の数が適切に設定されることで、移行期及び体温安定期に応じて必要最小限の候補を表示させることができる。必要最小限の候補とは、候補の表示や選択のための情報を記憶するためのRAM27cの容量を最小限に抑えつつ、表示された候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を高めることできる数分の候補である。もし、表示された候補の中に、ユーザが入力しようとする体温値がなかった場合、ユーザは、その体温値を候補として表示させるための操作をしなければならない。このような煩雑な操作をユーザが行うことを抑制することができる。
【0059】
表示制御部273は、各候補の値を決定する。例えば、表示制御部273は、隣接する候補間の値の差が所定差となるように、各候補の値を決定してもよい。表示制御部273は、今回の入力値に対応する測定日よりも前の日の時点の測定値として入力された値に基づいて、複数の候補の値を決定してもよい。候補の決定に用いられる値を「参照値」という。体温は周期的に変動する。そのため、過去に入力されたことがある参照値と測定日における体温値との差は、過去に入力されたことがない体温値と測定日における体温値との差よりも小さい蓋然性がある。従って、複数の候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を高めることができる。例えば、表示制御部273は、測定日よりも前の所定期間の間に入力された体温値をそれぞれ参照値に決定してもよい。そして、表示制御部273は、参照値の代表値を計算してもよい。代表値は、例えば、平均値、中央値、最頻値等であってもよい。表示制御部273は、計算した代表値を含む複数の候補を決定してもよい。表示制御部273は、計算した代表値を、複数の候補のうちの何れの候補に決定してもよい。表示制御部273は、代表値を、複数の候補の中央値に決定してもよいし、中央値以外の何れかの候補に決定してもよい。また例えば、表示制御部273は、今回の入力値に対応する測定日よりも前の何れかの日の時点の測定値として入力された値を、参照値に決定してもよい。そして、表示制御部273は、参照値を含む複数の候補を決定してもよい。過去に入力されたことがある参照値と測定日における体温値とが一致する蓋然性は、過去に入力されたことがない値と測定日における体温値とが一致する蓋然性よりも高い。従って、複数の候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を高めることができる。例えば、表示制御部273は、今回の測定日の前日の時点の測定値として入力された値を参照値に決定してもよい。表示制御部273は、参照値を、複数の候補の中央値に決定してもよいし、中央値以外の何れかの候補に決定してもよい。表示制御部273は、何れかの候補の値を決定すると、決定された候補の値に基づいて、他の候補の値を決定してもよい。
【0060】
表示制御部273は、複数の候補のうち何れかを、入力値のデフォルト値に決定してもよい。表示制御部273は、参照値又は参照値の代表値をデフォルト値に決定してもよいし、他の候補をデフォルト値に決定してもよい。また、表示制御部273は、デフォルト値を、複数の候補の中央値に決定してもよい。
【0061】
図7Aは、測定日が移行期に含まれる場合の入力値の候補の表示例を示す図である。表示部23aの画面は、表示領域100を含む。表示領域100は、入力値の候補を表示するための領域である。画面の一部が表示領域100であってもよいし、画面の全部が表示領域100であってもよい。測定日が移行期に含まれる場合、表示領域100には、候補110〜120、端数候補130〜139、決定ボタン140が表示される。例えば、デフォルト値が36.58度であるとする。デフォルト値は、10の位から小数第1位までの数字が示す「36.5」と、小数第2位の数字が示す「8」とに分けられる。本実施形態においては、デフォルト値を示す数字の一部(例えば、「36.5」)が示す値が、本発明の中央値の一例である。なお、別の実施形態においては、デフォルト値そのものが中央値であってもよい。
【0062】
候補110〜120は、10の位から小数第1位までの数字が示す入力値の候補である。候補110は「37.0」であり、候補111は「36.9」であり、候補112は「36.8」であり、候補113は「36.7」であり、候補114は「36.6」であり、候補115は「36.5」であり、候補116は「36.4」であり、候補116は「36.3」であり、候補118は「36.2」であり、候補119は「36.1」であり、候補120は「36.0」である。従って、11個の候補が表示される。デフォルト値によって、候補110〜120のそれぞれの値は変化する。
図7Aの例では、候補が縦方向に並んでいる。しかしながら、候補は横方向に並んでもよい。候補115上には、候補115が現在選択されている状態を示すマークが表示される。なお、このマークは表示されなくてもよい。候補110〜120において隣接する候補間の距離はD1である。また、候補110〜120のそれぞれのサイズはSZ1である。
【0063】
表示制御部273は、例えばユーザの操作に基づいて、表示領域100に表示される候補の値を変化させてもよい。例えば、ユーザが候補110〜120を縦方向にスクロールすることで、新しい候補が表示されてもよい。これにより、ユーザが候補110〜120の中に実際の体温の値がなかった場合でも、ユーザは体温の値を選択することができる。
【0064】
端数候補130〜139は、小数第2位の数字が示す入力値の候補である。端数候補130は「0」であり、端数候補131は「1」であり、端数候補132は「2」であり、端数候補133は「3」であり、端数候補134は「4」であり、端数候補135は「5」であり、端数候補136は「6」であり、端数候補137は「7」であり、端数候補138は「8」であり、端数候補139は「9」である。端数候補の数は体温安定期になっても変化しない。また、デフォルト値が異なっても、端数候補130〜139のそれぞれの値は変化しない。端数候補138上には、端数候補138が現在選択されている状態を示すマークが表示される。
【0065】
決定ボタン140は、選択した候補で入力値を確定するためのボタンである。なお、決定ボタン140は表示されなくてもよい。例えば、ユーザが候補110〜120の中から何れかの候補を選択し、端数候補130〜139の中から何れかの端数候補を選択したタイミング等で、入力値が確定してもよい。
【0066】
図7Bは、測定日が体温安定期に含まれる場合の入力値の候補の表示例を示す図である。測定日が体温安定期に含まれる場合、表示領域100には、候補150〜156、端数候補130〜139、決定ボタン140が表示される。例えば、デフォルト値が36.23度であるとする。候補150〜156は、10の位から小数第1位までの数字が示す入力値の候補である。候補150は「36.5」であり、候補151は「36.4」であり、候補152は「36.3」であり、候補153は「36.2」であり、候補154は「36.1」であり、候補155は「36.0」であり、候補156は「35.9」である。従って、7個の候補が表示される。
図7Bにおいて、候補150〜156において隣接する候補間の距離及び候補150〜156のそれぞれのサイズは、
図7Aの場合と同じである。候補153上には、候補153が現在選択されている状態を示すマークが表示される。
【0067】
表示制御部273は、例えば測定日が移行期に含まれる場合に表示される候補間の距離よりも長い距離間隔で、測定日が体温安定期に含まれる場合の候補を表示してもよい。これにより、ユーザが目的とする候補をユーザがより正確に選択することができる。そのため、ユーザが候補を選択しやすくなる。
図8Aは、測定日が体温安定期に含まれる場合の入力値の候補の表示例を示す図である。
図8Aにおいて、
図7Bと異なる点は、候補150〜156において隣接する候補間の距離が
図7Bの場合よりも長いことである。すなわち、
図8Aにおいて、候補150〜156において隣接する候補間の距離は、
図7Aに示す候補110〜120において隣接する候補間の距離よりも長い。候補150〜156において隣接する候補間の距離は、D2である。
【0068】
表示制御部273は、例えば測定日が移行期に含まれる場合に表示される候補のサイズよりも大きいサイズで、測定日が体温安定期に含まれる場合の候補を表示してもよい。これにより、ユーザが目的とする候補をユーザが選択しやすくなる。
図8Bは、測定日が体温安定期に含まれる場合の入力値の候補の表示例を示す図である。
図8Bにおいて、
図7Bと異なる点は、候補150〜156の表示サイズが
図7Bの場合よりも大きいことである。すなわち、
図8Bにおいて、候補150〜156のそれぞれの表示サイズは、
図7Aに示す候補110〜120のそれぞれの表示サイズよりも大きい。候補150〜156のそれぞれのサイズはSZ2である。
【0069】
表示制御部273は、例えば測定日が移行期に含まれる場合に表示される候補間の距離よりも長い距離間隔で、測定日が体温安定期に含まれる場合の候補を表示するとともに、測定日が移行期に含まれる場合に表示される候補のサイズよりも大きいサイズで、測定日が体温安定期に含まれる場合の候補を表示してもよい。
【0070】
入力値決定部274は、ユーザによるタッチパネル23の操作に基づいて、入力値を決定する。例えば、入力値決定部274は、選択値をデフォルト値に設定する。選択値は、ユーザにより現在選択されている体温の値である。候補110〜120又は候補150〜156の中から、画面上においてユーザが指定した位置にある候補を、10の位から小数第1位までの数字が示す新たな選択値に決定する。また、入力値決定部274は、候補130〜139の中から、画面上においてユーザが指定した位置にある候補を、小数第2位の数字が示す新たな選択値に決定する。ユーザが決定ボタン140を選択した場合、入力値決定部274は、現在の選択値を入力値に決定する。
【0071】
なお、情報処理サーバ1のシステム制御部14が、測定日特定部271、期間特定部272及び表示制御部273として機能してもよい。この場合、ユーザ端末2のシステム制御部27は、入力値決定部274のみとして機能してもよい。例えば、情報処理サーバ1のシステム制御部14は、ユーザが指定した測定日をユーザ端末2から受信する。また、システム制御部14は、生理日DB12c及び推定結果DB12dに基づいて、測定日が体温安定期と移行期との何れに含まれるかを特定する。また、システム制御部14は、デフォルト値と、測定日が体温安定期と移行期との何れに含まれるかとに基づいて決定した入力値の候補をユーザ端末2に送信する。これにより、システム制御部14が、ユーザ端末2により入力値の候補を表示部23aに表示させる。この場合、ユーザ端末2は、入力値の候補のみをRAM27c又は記憶部22に記憶させればよい。ユーザ端末2は、ユーザの体温値、排卵日及び生理日をRAM27c等に記憶する必要はない。
【0072】
[1−5.情報処理システムの動作]
次に、情報処理システムSの動作について、
図9及び
図10を用いて説明する。以下では、測定日の前日の体温値が参照値として取得され、参照値がデフォルト値、及び複数の候補の中央値に決定される場合について説明する。
図9及び
図10は、本実施形態に係るユーザ端末2のシステム制御部27の処理の一例を示すフローチャートである。ユーザがタッチパネル23を操作して端末用アプリケーションプログラムを起動させる。端末用アプリケーションプログラムのメニューの中から、ユーザが体温値の入力を選択すると、システム制御部27は、
図9に示す処理を実行する。
【0073】
図9に示すように、測定日特定部271は、ユーザによるタッチパネル23の操作に基づいて、測定日を特定する(ステップS1)。例えば、測定日特定部271は、ユーザが表示部23aの画面にメニューを表示する。メニューの中から、ユーザが「今日の体温を入力する」を選択した場合、測定日特定部271は、今日の日付を測定日として特定する。一方、メニューの中から、ユーザが「日付を指定する」を選択した場合、測定日特定部271は、ユーザにより入力された日付を、測定日として特定する。
【0074】
次いで、測定日特定部271は、ユーザ端末2を利用するユーザのこれまでの体温値のうち測定日の前日の体温値を参照値として情報処理サーバ1から取得する。また、測定日特定部271は、ユーザ端末2を利用するユーザの生理日及び排卵日を情報処理サーバ1から取得する(ステップS2)。例えば、測定日特定部271は、ユーザ端末2を利用するユーザのユーザID、測定日の日付、測定日の前日の日付を含む情報要求を情報処理サーバ1へ送信する。情報処理サーバ1は、情報要求に含まれるユーザIDに対応する体温値のうち、測定日の前日に対応する体温値を体温DB12bから取得する。また、情報処理サーバ1は、情報要求に含まれるユーザIDに対応する生理日のうち、測定日から以前所定期間内にある生理日を、生理日DB12cから取得する。所定期間は、例えば数週間、1ヶ月等であってもよい。また、情報処理サーバ1は、ユーザIDに対応する推定排卵日のうち、測定日から所定期間内にある推定排卵日を、推定結果DB12dから取得する。また、情報処理サーバ1は、ユーザIDに対応する最新の次回推定生理日が、測定日から所定期間内にある場合、その最新の次回推定生理日を推定結果DB12dから取得する。情報処理サーバ1は、取得した体温値、生理日及び排卵日をユーザ端末2へ送信し、測定日特定部271は、これらを受信する。測定日特定部271は、取得した体温値、生理日及び排卵日をRAM27cに記憶させる。
【0075】
次いで、表示制御部273は、測定日の前日の参照値をデフォルト値に決定する(ステップS3)。
【0076】
次いで、期間特定部272は、取得された生理日及び排卵日に基づいて、低温期、高温期、第1移行期及び第2移行期を推定する(ステップS4)。例えば、期間特定部272は、排卵日から前後3日の期間を第1移行期間と推定する。また、期間特定部272は、生理日から前後3日の期間を第2移行期間と推定する。また、期間特定部272は、第2移行期間の次の日から第1移行期の前日までの期間を低温期と推定する。また、期間特定部272は、第1移行期の次の日から第2移行期の前日までの期間を高温期と推定する。なお、ステップS1〜4の実行順序は、
図9に示す順序に限られるものではない。
【0077】
次いで、期間特定部272は、測定日が第1移行期及び第2移行期の何れかに含まれるか否かを判定する(ステップS5)。このとき、期間特定部272は、測定日が第1移行期及び第2移行期の何れかに含まれると判定した場合には(ステップS5:YES)、ステップS6に進む。一方、期間特定部272は、測定日が第1移行期及び第2移行期の何れにも含まれないと判定した場合には(ステップS5:NO)、ステップS9に進む。
【0078】
ステップS6において、表示制御部273は、入力値の候補の数を11に設定する。次いで、表示制御部273は、隣接する候補間の距離をD1に設定する(ステップS7)。次いで、表示制御部273は、各候補のサイズをSZ1に設定して(ステップS8)、ステップS12に進む。
【0079】
ステップS9において、表示制御部273、入力値の候補の数を7に設定する。次いで、表示制御部273は、隣接する候補間の距離をD2に設定する(ステップS10)。次いで、表示制御部273は、各候補のサイズをSZ2に設定して(ステップS11)、ステップS12に進む。
【0080】
ステップS12において、表示制御部273は、決定された数分の候補のうち、先頭の候補の値を以下の式により計算する。
先頭の候補=デフォルト値の10の位から小数第1位までの数字が示す値−0.1×(候補の数−1)÷2
【0081】
次いで、表示制御部273は、決定された数分の候補のうち、2番目の候補から最後の候補までの値を設定する(ステップS13)。i番目の候補を候補iとすると、候補iは以下の式により計算される。
候補i=先頭の候補+0.1×(i−1)
【0082】
次いで、表示制御部273は、設定された数分の候補を、設定された距離の間隔及びサイズで、表示領域100に表示する(ステップS14)。このとき、表示制御部273は、候補ごとに、候補の値、画面上における候補の位置及び範囲をRAM27cに記憶させる。また、表示制御部273は、端数候補及び決定ボタンも表示領域100に表示する。このとき、表示制御部273は、端数候補ごとに、端数候補の値、画面上における端数候補の位置及び範囲をRAM27cに記憶させる。
【0083】
次いで、
図10に示すように、入力値決定部274は、デフォルト値の10の位から小数第1位までの数字が示す値、及びデフォルト値の小数第2位の数字が示す値をそれぞれ選択値に設定する(ステップS21)。次いで、入力値決定部274は、タッチパネル23に対するユーザの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS22)。このとき、入力値決定部274は、操作が検出されなかったと判定した場合には(ステップS22:NO)、ステップS22の判定を再度実行する。一方、入力値決定部274は、操作が検出されたと判定した場合には(ステップS22:YES)、ステップS23に進む。
【0084】
ステップS23において、入力値決定部274は、ユーザの操作に基づいて入力された画面上の座標と、RAM27cに記憶された候補及び端数候補の位置及び範囲とに基づいて、何れかの候補又は端数候補が選択されたか否かを判定する。このとき、入力値決定部274は、何れかの候補又は端数候補が選択されたと判定した場合には(ステップS23:YES)、ステップS24に進む。一方、入力値決定部274は、何れかの候補及び端数候補も選択されていないと判定した場合には(ステップS24:NO)、ステップS25に進む。
【0085】
ステップS24において、入力値決定部274は、何れかの候補が選択された場合には、10の位から小数第1位までの数字が示す選択値を、選択された候補の値に設定する。入力値決定部274は、何れかの端数候補が選択された場合には、小数第2位の数字が示す選択値を、選択された端数候補の値に設定する。入力値決定部274は、ステップS22に進む。
【0086】
ステップS25において、入力値決定部274は、ユーザの操作に基づいて入力された画面上の座標に基づいて、決定ボタンが選択されたか否かを判定する。このとき、入力値決定部274は、決定ボタンが選択されていないと判定した場合には(ステップS25:NO)、ステップS22に進む。一方、入力値決定部274は、決定ボタンが選択されたと判定した場合には(ステップS25:YES)、ステップS26に進む。ステップS26において、入力値決定部274は、現在の選択値を入力値に決定する。そして、入力値決定部274は、ユーザID、測定日及び入力値を情報処理サーバ1へ送信して、
図9及び
図10に示す処理を終了させる。情報処理サーバ1は、ユーザ端末2から受信したユーザID、測定日及び入力値を対応付けて体温DB12bに登録する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部27が、体温の一時点における実際値としての入力値であって、今回入力される入力値が対応する測定日を特定する。また、システム制御部27が、月経周期の中の、体温が変動幅W2又はW4内で変動する移行期及び体温が変動幅W2又はW4よりも狭い変動幅W1又はW3内で変動する体温安定期のうち、測定日が移行期に含まれる場合、第1の数分の候補を表示し、測定日が第2期間に含まれる場合、第1の数よりも小さい第2の数分の候補を表示する。従って、体温が変動する幅が相対的に小さい体温安定期において、選択される蓋然性が低い候補の表示を抑制することができる。そのため、移行期の場合よりも少ない候補の値をRAM27cが記憶すればよいので、RAM27cの容量を節約することができる。
【0088】
また、システム制御部27が、第1の数分の候補の距離間隔よりも長い距離間隔で第2の数分の候補を表示してもよい。この場合、選択しようとした候補とは異なる候補をユーザが誤って選択してしまうことを抑制することができる。
【0089】
また、システム制御部27が第1の数分の候補のそれぞれのサイズよりも大きいサイズで第2の数分の候補のそれぞれを表示してもよい。この場合、ユーザが目的とする候補をユーザが選択しやすくなる。
【0090】
また、システム制御部27が、入力値に対応する測定日よりも前の日の時点における測定値として入力された参照値に基づいて決定された複数の候補を表示してもよい。この場合、複数の候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を高めることができる。
【0091】
また、システム制御部27が、測定日の前日の時点における測定値として入力された参照値を含む第1の数又は第2の数分の候補を表示してもよい。この場合、複数の候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を高めることができる。
【0092】
また、システム制御部27が、デフォルト値を示す数字のうち少なくとも一部が示す値を、第1の数分又は第2の数分の候補の中央値に決定してもよい。この場合、複数の候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を更に高めることができる。
【0093】
[2.第2実施形態]
[2−1.システム制御部の機能概要]
次に、第2実施形態について説明する。以下に説明する点を除き、第2実施形態は第1実施形態と同様である。本実施形態において、表示制御部273は、測定日を含む月経周期よりも前の月経周期において、測定日を含む月経周期における測定日の位相と同位相の日の時点における測定値として入力された体温値を、参照値に決定する。表示制御部273は、参照値として決定された体温値を含む第1の数又は第2の数分の候補を表示する。測定日と、測定日の同位相の日とは、それぞれの月経周期の中で同じ時期である蓋然性がある。それぞれの月経周期における体温の変動は互いに類似する。そのため、測定日の体温と同位相の日の体温との差は、測定日の体温と異なる位相の日の体温との差よりも小さい蓋然性がある。そのため、画面に表示される候補の中から何れかの候補をユーザが選択する蓋然性を高めることができる。
【0094】
図11は、体温のグラフの一例を示す図である。
図11に示すように、今回の月経周期の9日目をユーザが測定日に指定したとする。情報処理サーバ1が推定した次回の生理日から計算される今回の月経周期の日数が、例えば30日であるとする。また、前回の月経周期の日数も30日であるとする。従って、前回の月経周期において、測定日と同位相の日は、測定日から30日前の日である。すなわち、測定日と同位相の日は前回の月経周期の9日目である。表示制御部273は、この日に測定された体温の値を参照値に決定してもよい。また、表示制御部273は、例えば測定日が含まれる月経周期よりも2周期以上前の月経周期において、測定日と同位相の日を特定してもよい。
【0095】
[2−2.情報処理システムの動作]
次に、情報処理システムSの動作について、
図12を用いて説明する。以下では、測定日を含む月経周期における測定日の位相と同位相の日の時点における体温値が参照値として取得され、参照値がデフォルト値、及び複数の候補の中央値に決定される場合について説明する。
図12は、本実施形態に係るユーザ端末2のシステム制御部27の処理の一例を示すフローチャートである。
図12において、
図9と同様の処理については同様の符号が付されている。
図12に示すように、ステップS1が実行される。次いで、表示制御部273は、測定日を含む月経周期における測定日の位相を計算する(ステップS31)。例えば、表示制御部273は、測定日を含む月経周期の日数を計算する。次いで、表示制御部273は、月経周期の日数の逆数を、1日あたりの位相として計算する。次いで、表示制御部273は、月経周期の初日から測定日までの日数に、1日あたりの位相を掛けて、測定日の位相を計算する。
【0096】
次いで、表示制御部273は、測定日を含む月経周期よりも前の月経周期において、計算した位相と同位相の日を計算する(ステップS32)。例えば、表示制御部273は、測定日を含む月経周期の直前の月経周期の日数を計算する。次いで、表示制御部273は、直前の月経周期の日数の逆数を、1日あたりの位相として計算する。次いで、表示制御部273は、ステップS31で計算された位相から、直前の月経周期の1日あたりの位相を割ることにより、日数を計算する。次いで、表示制御部273は、直前の月経周期の初日に、計算した日数を加算することにより、同位相の日を計算する。なおステップS31で計算された位相が0である場合、表示制御部273は、直前の月経周期の初日を、同位相の日に決定する。
【0097】
次いで、測定日特定部271は、ユーザ端末2を利用するユーザのこれまでの体温値のうち、ステップS32で計算された日の体温値を参照値として情報処理サーバ1から取得する。また、測定日特定部271は、ユーザ端末2を利用するユーザの生理日、及び排卵日を情報処理サーバ1から取得する(ステップS33)。例えば、測定日特定部271は、ユーザ端末2を利用するユーザのユーザID、測定日の日付、及び計算した日の日付を含む情報要求を情報処理サーバ1へ送信する。情報処理サーバ1は、
図9に示すステップS2の場合の方法と同様の方法で、計算された日の体温値、生理日、及び排卵日をユーザ端末2へ送信し、測定日特定部271は、これらを受信する 。測定日特定部271は、取得した体温値、生理日及び排卵日をRAM27cに記憶させる 。次いで、表示制御部273は、ステップS32で計算された日の参照値を、デフォルト値に決定する(ステップS34)。
【0098】
次いで、ステップS4〜S14、及び
図10に示すステップS21〜S26が、が第1実施形態の場合と同様に実行される。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部27が、測定日を含む月経周期よりも前の月経周期において、測定日の位相と同位相の日の時点における測定値として入力された参照値を含む第1の数分又は第2の数分の候補を表示する。従って、複数の候補の中からユーザが何れかの候補を選択する蓋然性を高めることができる。
【0100】
[3.第3実施形態]
[3−1.システム制御部の機能概要]
次に、第3実施形態について説明する。以下に説明する点を除き、第3実施形態は第1実施形態又は第2実施形態と同様である。本実施形態において、表示制御部273は、体温値の入力の履歴に基づいて、移行期における体温の変動幅及び、体温安定期における体温の変動幅の少なくとも何れか一方を特定する。表示制御部273は、画面に表示される入力値の候補の数として、移行期における体温の変動幅に応じた第1の数を決定し、又は、体温安定期における体温の変動幅に応じた第2の数を決定する。これにより、画面に表示される候補の数を、ユーザに適した数にすることができる。
【0101】
体温DB12bは、体温値の入力の履歴でもある。表示制御部273は、例えば、体温DB12bに登録された体温、生理日DB12cに登録された生理日、及び推定結果12dに登録された推定排卵日等に基づいて、過去の月経周期における体温の変動幅を特定してもよい。例えば、表示制御部273は、生理日に基づいて、過去の各月経周期を特定する。また、表示制御部273は、第1実施形態において説明された方法と同じ方法で、各月経周期から、低温期、高温期、第1移行期及び第2移行期を特定してもよい。表示制御部273は、特定した低温期、高温期、第1移行期及び第2移行期のそれぞれごとに、体温の変動幅を特定する。例えば、表示制御部273は、特定した期間内の体温のうち、最大値と最小値を特定する。表示制御部273は、最大値と最小値との差を変動幅に決定する。表示制御部273は、全月経周期の低温期及び高温期の体温の変動幅の代表値を計算する。また、表示制御部273は、全月経周期の第1移行期及び第2移行期の体温の変動幅の代表値を計算する。代表値は、例えば、平均値、中央値、所定パーセンタイル値、最頻値、最大値等であってもよい。
【0102】
表示制御部273は、体温安定期の体温の変動幅の代表値に基づいて、第1の数を決定してもよい。また、表示制御部273は、移行期の体温の変動幅の代表値に基づいて、第2の数を決定してもよい。体温安定期の体温の変動幅の代表値をRW1、移行期の体温の変動幅の代表値をRW2、隣接する候補間の体温値の差をDFとする。この場合、表示制御部273は、第1の数及び第2の数を、以下の式で計算してもよい。
【0103】
第1の数=INT(RW1÷DF)×2+1
【0104】
第2の数=INT(RW2÷DF)×2+1
【0105】
INT(x)は、xの整数部分を示す関数である。また、本実施形態の場合、DF=0.1である。なお、表示制御部273は、上記の式とは異なる式で候補の数を決定してもよい。表示制御部273は、特定された変動幅に応じた候補の数を決定すればよい。また、本実施形態において、表示制御部273は、第1の数及び第2の数として奇数を決定する。しかしながら、表示制御部273は、第1の数及び第2の数の少なくとも一方として偶数を決定してもよい。
【0106】
[3−2.情報処理システムの動作]
次に、情報処理システムSの動作について、
図13を用いて説明する。
図13は、本実施形態に係るユーザ端末2のシステム制御部27の処理の一例を示すフローチャートである。
図13において、
図9と同様の処理については同様の符号が付されている。
図13に示すように、ステップS1が実行される。
【0107】
次いで、測定日特定部271は、ユーザ端末2を利用するユーザのこれまでの体温値、生理日、排卵日を情報処理サーバ1から取得する(ステップS41)。例えば、測定日特定部271は、ユーザ端末2を利用するユーザのユーザIDを含む情報要求を情報処理サーバ1へ送信する。情報処理サーバ1は、情報要求に含まれるユーザIDに対応する各体温値を体温DB12bから取得する。また、情報処理サーバ1は、情報要求に含まれるユーザIDに対応する各生理日を、生理日DB12cから取得する。また、情報処理サーバ1は、ユーザIDに対応する各推定排卵日を、推定結果DB12dから取得する。また、情報処理サーバ1は、ユーザIDに対応する次回推定生理日のうち、最新の生理日を推定結果DB12dから取得する。情報処理サーバ1は、取得した体温値、生理日及び排卵日をユーザ端末2へ送信し、測定日特定部271は、これらを受信する 。測定日特定部271は、取得した体温値、生理日及び排卵日をRAM27cに記憶させる 。
【0108】
次いでステップS3〜S5が実行される。ステップS5において、期間特定部272は、測定日が第1移行期及び第2移行期の何れかに含まれると判定した場合には(ステップS5:YES)、ステップS42に進む。一方、期間特定部272は、測定日が第1移行期及び第2移行期の何れにも含まれないと判定した場合には(ステップS5:NO)、ステップS43に進む。
【0109】
ステップS42において、表示制御部273は、情報処理サーバ1から取得された体温値と、ステップS4で推定された第1移行期及び第2移行期とに基づいて、体温安定期における体温の変動幅の代表値を計算する。ステップS43において、表示制御部273は、情報処理サーバ1から取得された体温値と、ステップS4で推定された低温期及び高温期とに基づいて、移行期における体温の変動幅の代表値を計算する。
【0110】
ステップS42又はS43を終えると、表示制御部273は、計算した代表値に応じて、入力値の候補の数を設定する(ステップS44)。次いで、表示制御部273は、設定した候補の数に応じて、隣接する候補間の距離を設定する(ステップS45)。例えば、表示制御部273は、候補の数が少ないほど、距離を長くしてもよい。次いで、表示制御部273は、各候補のサイズをSZ1に設定する(ステップS8)。次いで、ステップS12〜S14、及び
図10に示すステップS21〜S26が、第1実施形態の場合と同様に実行される。
【0111】
なお、
図13に示す例では、候補の数に応じて候補間の距離が設定される。しかしながら、候補の数が少ないほど、各候補のサイズが大きく設定されてもよい。また、システム制御部27は、例えば体温値の入力の履歴に基づいて、予め第1の数及び第2の数を決定し、決定した第1の数及び第2の数を記憶部22に記憶させておいてもよい。また、例えば情報処理サーバ1が、ユーザごとに、体温値の入力の履歴に基づいて、予め第1の数及び第2の数を決定しておいてもよい。この場合、ユーザ端末2は、情報処理サーバ1から、ユーザ端末2を利用するユーザに対応する第1の数及び第2の数を取得すればよい。
【0112】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部27が、体温の測定値の入力の履歴に基づいて特定される、移行期における体温の変動幅に応じた第1の数、及び履歴に基づいて特定される、体温安定期における体温の変動幅に応じた第2の数の少なくとも何れか一方を決定する。また、システム制御部27が、決定された第1の数分又は第2の数分の候補を表示する。従って、入力値を入力するユーザに適した数分の候補を表示させることができる。
【0113】
[4.第4実施形態]
[4−1.システム制御部の機能概要]
次に、第4実施形態について説明する。以下に説明する点を除き、第4実施形態は第1実施形態〜第3実施形態と同様である。本実施形態において、期間特定部272は、特定された測定日が、推定された移行期に含まれている場合、測定日の前日から設定日数前の日までの体温値の変動量を特定する。期間特定部272は、変動量が設定量未満である場合、測定日よりも前に移行期から体温安定期に既に移行していると推定する。従って、表示制御部273は、第2の数分の入力値の候補を画面に表示させる。期間特定部272は、排卵日又は生理日を含む所定長の期間を移行期と推定している。しかしながら、前日までの体温の変動量が設定量未満である場合、設定日数の間の体温は安定しているとみなすことができる。従って、実際には、移行期から体温安定期に既に移行している蓋然性がある。移行期から体温安定期に既に移行しているという推定に基づき、適切な数の候補を表示することができる。設定日数及び設定量は、例えば情報処理システムSの管理者により予め設定されてもよい。
【0114】
図14は、体温のグラフの一例を示す図である。例えば、生理日から15日目が排卵日と推定されたとする。排卵日の前後3日の期間が第1移行期であるとする。従って、12日目から18日目までが第1移行期である。測定日は17日目であるとする。従って、測定日は第1移行期に含まれる。例えば、設定日数を1とする。この場合、表示制御部273は、16日目の体温値と15日目の体温の差C1を、変動量として計算する。この変動量が設定量未満である場合、表示制御部273は、17日目は高温期に含まれていると推定する。
【0115】
[4−2.情報処理システムの動作]
次に、情報処理システムSの動作について、
図15を用いて説明する。
図15は、本実施形態に係るユーザ端末2のシステム制御部27の処理の一例を示すフローチャートである。
図15において、
図9と同様の処理については同様の符号が付されている。
図15に示すように、ステップS1〜S5が実行される。ステップS5において、期間特定部272は、測定日が第1移行期及び第2移行期の何れかに含まれると判定した場合には(ステップS5:YES)、ステップS51に進む。一方、期間特定部272は、測定日が第1移行期及び第2移行期の何れにも含まれないと判定した場合には(ステップS5:NO)、ステップS9に進む。
【0116】
ステップS51において、期間特定部272は、情報処理サーバ1から、測定日の前日から設定日数前までの体温値を取得する。例えば、期間特定部272は、ユーザ端末2を利用するユーザのユーザID、及び測定日の前日から設定日数前までの日の日付を含む体温要求を情報処理サーバ1へ送信する。情報処理サーバ1は、体温要求に含まれるユーザIDに対応する体温値のうち、体温要求に含まれ各日付に対応する体温値を体温DB12bから取得する。そして、情報処理サーバ1は、取得した体温値をユーザ端末2へ送信する。期間特定部272は、取得した体温値の変動量を計算する。例えば、期間特定部272は、隣接する日ごとに、隣接する日の体温の差を計算する。そして、期間特定部272は、例えば、計算した体温の差の平均値を、変動量として計算してもよい。次いで、期間特定部272は、計算した変動量が設定値未満であるか否かを判定する(ステップS52)。このとき、期間特定部272は、変動量が設定値未満ではないと判定した場合には(ステップS52:NO)、ステップS6〜S8が実行され、ステップS12に進む。一方、期間特定部272は、変動量が設定値未満であると判定した場合には(ステップS52:YES)、ステップS9〜S11が実行され、ステップS12に進む。ステップS12〜S14、及び
図10に示すステップS21〜S26が、第1実施形態の場合と同様に実行される。
【0117】
以上説明したように、本実施形態によれば、システム制御部27が、排卵日又は生理日を含む所定長の期間を移行期と推定する。また、システム制御部27が、特定された測定日が推定された移行期に含まれている場合において、測定日の前日から所定日数前の日までの測定値の変動量が所定量未満である場合、第2の数分の候補を表示することを特徴とする。これにより、適切な数の候補を表示することができる。
【0118】
[5.変形例]
本発明が適用可能な情報は体温に限定されるものではない。例えば、周期的に変動する情報であって、変動幅が相対的に大きい期間と変動幅が相対的に小さい期間とがある情報に対して、本発明を適用することができる。何らかの状況でこのような性質を有するのであれば、情報は、例えば体温、血圧脈拍、血糖値等の生体情報であってもよい。また、本発明が適用可能な情報は、生体情報に限定されるものではない。
【0119】
また、上記各実施形態においては、入力値の候補が、10の位から小数第1位までの数字が示す値の候補群と、小数第2位の数字が示す候補群とに分かれていた。しかしながら、候補群は1つであってもよいし、3以上であってもよい。情報の性質によって、候補群の数及び各候補群に対応する桁が定められればよい。複数の候補群のうち、1つの候補群に含まれる候補の数が、対象日を含む期間に応じて変化する。そのような候補は、最上位桁から所定桁までの数字が示す値であってもよい。
選択される蓋然性が低い候補の表示を抑制することを目的とする。情報処理装置は、今回入力される入力値が対応する対象日を特定する。情報処理装置は、入力値の候補を画面に表示する。このとき、情報が変動する周期の中の、情報が或る第1幅内で変動する第1期間及び情報が第1幅よりも狭い第2幅内で変動する第2期間のうち、対象日が第1期間に含まれる場合、情報処理装置は、第1の数分の候補を表示する。対象日が第2期間に含まれる場合、情報処理装置は、第1の数よりも小さい第2の数分の候補を表示する。