特許第5960938号(P5960938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5960938自己クロック符号化光信号からのタイミングの回復
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5960938
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】自己クロック符号化光信号からのタイミングの回復
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/69 20130101AFI20160719BHJP
   H04B 10/116 20130101ALI20160719BHJP
【FI】
   H04B9/00 690
   H04B9/00 116
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-508168(P2016-508168)
(86)(22)【出願日】2014年4月17日
(86)【国際出願番号】EP2014057852
(87)【国際公開番号】WO2014170419
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2015年10月15日
(31)【優先権主張番号】13164495.7
(32)【優先日】2013年4月19日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バッヒェン コンスタント パウル マリー ヨゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ファン フォールタイゥセン パウル ヘンリクス ヨハンネス マリア
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−244103(JP,A)
【文献】 特表2002−511698(JP,A)
【文献】 特開2005−160042(JP,A)
【文献】 特開平11−122231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化光受信機であり、
符号化光を受信するためのセンサであって、前記符号化光が、データ及びタイミングが自己クロック符号化方式に従って前記光に変調されている信号を含むセンサと、
前記符号化方式のテンプレート波形を、受信される前記信号に対して整合させ、それによって、各々が前記データの各々の部分に対応するフィルタ処理波形のパターンを生成するよう構成されるフィルタと、
前記信号から、前記フィルタ処理波形の特徴点に基づいて前記タイミングを回復するためのタイミング及びデータ回復モジュールとを有する符号光受信機であって、前記タイミング及びデータ回復モジュールが、前記フィルタ処理波形を、前記データに依存して異なるサブパターンに分け、前記サブパターンの各々を、各サブパターンの前記特徴点に基づいて個々に処理することによって前記タイミングを回復するよう構成される符号光受信機。
【請求項2】
前記タイミング及びデータ回復モジュールが、前記フィルタ処理波形の各々を、前記データの各々の部分に依存して、前記異なるサブパターンのうちの1つに分けるよう構成される請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記部分の各々が、前記データの少なくとも2つのビットを有する請求項1又は2に記載の受信機。
【請求項4】
前記部分の各々が、前記データの少なくとも2つの連続するビットの各々のシーケンスを有し、前記タイミング及びデータ回復モジュールが、前記フィルタ処理波形の各々を、前記各々のシーケンスの前記ビットの相対的な値に依存して、前記異なるサブパターンのうちの1つに分けるよう構成される請求項2及び3に記載の受信機。
【請求項5】
前記部分の各々が、連続するビットの各々の対を有し、前記タイミング及びデータ回復モジュールが、前記フィルタ処理波形の各々を、前記連続するビットの各々の対が同じである場合には第1サブパターンに分け、前記連続するビットの各々の対が異なる場合には第2サブパターンに分けるよう構成される請求項4に記載の受信機。
【請求項6】
前記サブパターンの各々が、前記データの周期に従って時間的に位置合わせされるようなそのサブパターンの波形を表し、前記タイミング及びデータ回復モジュールが、各サブパターン内で表されるような前記特徴点の相対的なタイミングに基づいて前記タイミングの回復を実施するよう構成される請求項1乃至5のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項7】
前記周期が前記データのビット周期である請求項6に記載の受信機。
【請求項8】
前記特徴点が零交差である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項9】
前記タイミング及びデータ回復モジュールが、前記フィルタ処理波形のデータ検出ポイントの間に生じる前記零交差に基づいて、前記タイミングを回復するよう構成される請求項8に記載の受信機。
【請求項10】
前記データ検出ポイントが、前記フィルタ処理波形のピークにある請求項9に記載の受信機。
【請求項11】
前記タイミング及びデータ回復モジュールが、
前記信号の既知のプリアンブルから事前同期を実施し、
前記事前同期を用いて前記信号の第1部分からデータを検出し、
前記信号の前記第1部分からの前記データに依存して前記サブパターンに分けられた前記フィルタ処理波形の前記特徴点に基づいて前記タイミングの第1の決定を実施し、
前記タイミングの前記第1の決定を用いて前記信号の第2部分からデータを検出し、
前記信号の前記第2部分からの前記データに依存して前記サブパターンに分けられた前記フィルタ処理波形の前記特徴点に基づいて前記タイミングの第2の決定を実施することによって、前記タイミングの回復を実施するよう構成される請求項1乃至10のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項12】
前記信号にフィルタをかけるよう構成されるローパスフィルタを有し、前記フィルタ処理波形が、前記データ、前記整合フィルタ及び前記ローパスフィルタに依存する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項13】
前記タイミング及びデータ回復モジュールが、前記サブパターンの各々の中の前記特徴点の各々の位置と、前記特徴点の各々と関連する各々の誤差とを決定し、前記位置の各々からの寄与を、各寄与が前記各々の誤差に従って重み付けされている状態で有する関数に基づいて前記タイミングを回復するよう構成される請求項1乃至12のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項14】
前記タイミング及びデータ回復モジュールが、特徴点であって、前記特徴点においてより緩やかな傾斜を持つ形状を持つフィルタ処理波形からの特徴点に、より大きな誤差を割り当て、特徴点であって、前記特徴点においてより急な傾斜を持つ形状を持つフィルタ処理波形からの特徴点に、より小さな誤差を割り当てるよう構成される請求項13に記載の受信機。
【請求項15】
符号化光受信機を動作させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に盛り込まれ、実行されるときに、
前記符号化光受信機のセンサを介して符号化光を受信する動作であって、前記符号化光が、データ及びタイミングが自己クロック符号化方式に従って前記光に変調されている信号を含む動作と、
前記符号化方式のテンプレート波形を、受信される前記信号に対して整合させ、それによって、各々が前記データの各々の部分に対応するフィルタ処理波形のパターンを生成する動作と、
前記フィルタ処理波形を、前記データに依存して異なるサブパターンに分ける動作と、
前記サブパターンの各々を、各サブパターンの前記特徴点に基づいて個々に処理することによって前記タイミングを回復する動作とを実施するように構成されるコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マンチェスタータイプ符号又は他のライン符号などの自己クロック符号化方式に従ってデータが符号化される符号化光信号からのタイミングの回復に関する。
【背景技術】
【0002】
符号化光は、データが、光源、例えば、LEDをベースにした照明器具によって発せられる可視照明に変調される技術を指す。従って、照明を供給することに加えて(その目的のために、光源は環境内に既に存在し得る)、光源は、符号化光の適切な受信機にデータを送信することが可能な送信機の役割も果たす。変調は、一般に、人間の視覚には知覚不能である十分に高い周波数で実施され、即ち、ユーザは、全体的な照明しか知覚せず、その照明に変調されているデータの影響は知覚しない。この方法においては、データは、光源からの光に埋め込まれると言われ得る。
【0003】
符号化光は、多くのアプリケーションにおいて用いられ得る。例えば、或るアプリケーションは、例えば、インテリジェント照明システムの一部として、照明器具間で通信をするものである。インドア又はアウトドア環境における複数の照明器具の各々は、符号化光の送信機及び受信機の両方を備えていてもよく、符号化光を介してそれらの間で通信をする能力が、少なくとも部分的に分散された方式で環境における光を制御するために用いられ得る。例えば、各照明器具は、生き物(一般に人間)の存在を検出するために存在センサも備えていてもよく、検出される存在に依存して様々な照明器具からの光をどのように制御するかを決定するために2つ以上の照明器具間で情報が共有されてもよい。
【0004】
別の例のアプリケーションにおいては、符号化光は、照明器具から遠隔制御ユニットにその照明器具を制御するための情報を供給するために、例えば、遠隔制御ユニットが制御することができる他の同様の照明器具と前記照明器具を区別する識別子を供給するために、又は前記照明器具に関する状態情報を供給するために(例えば、エラー、警告、温度、動作時間などを報告するために)用いられ得る。或るこのような例においては、遠隔制御ユニットは、内蔵カメラ又は他の光センサを有するスマートフォン又はタブレットなどのモバイルユーザ端末を含み得る。端末が適切なアプリケーションを走らせている状態で、ユーザは、カメラを照明器具に向け、それによって、その照明器具からの光に符号化されている識別子を検出することができる。それが面している照明器具の識別子が与えられると、端末は、次いで、(例えばRFを介して)リターン信号を返信することによって、その照明器具を制御し得る。
【0005】
更に他のアプリケーションにおいては、符号化光は、ユーザに情報を供給するために、例えば、試運転における使用のために照明器具の識別子を供給するために、又は位置関連情報の供給を可能にするために、用いられ得る。例えば、インドア及び/又はアウトドア環境における(例えば、部屋及びオフィスビルの廊下、並びに/又は大学の通路における)各照明器具は、その環境内でそれを識別する各々の識別子が埋め込まれた光を発するよう構成され得る。ユーザが、カメラ又は他の光センサ、及び符号化光を検出するための関連アプリケーションを備えているモバイル端末を持っている場合には、端末は、その現在位置を照明する照明器具の識別子を検出することができる。これは、次いで、識別子を照明器具の位置にマップしている位置データベースにおいて現在位置を検索することによって、ユーザが環境を進むのを手助けするために用いられ得る。他の例においては、又は更に、これは、博物館の特定の部屋の中の展示物に関する情報などの、ユーザの現在位置に関連する情報を検索するために用いられ得る。例えば、検索は、インターネット若しくは端末がアクセスできるローカルネットワークを介して、又はユーザ端末上のローカルデータベースから、実施され得る。他の例においては、前記情報が、直接、1つ以上の照明器具からの光に符号化され得る。一般的に言えば、符号化光の適用性は限定されない。
【0006】
符号化光を実現する1つの方法は、チャネルビット(又はより広くは、チャネルシンボル)を表すための、離散レベル間での発せられる光の振幅又はパワーの切り換えによる、振幅キーイングによるものである。例えば、最もの単純な場合には、光源がオンである(発光している)とき、これは、値1のチャネルビットを表し、光源がオフである(発光していない)とき、これは、値0のチャネルビットを表し、又はその逆である。符号化光受信機におけるフォトセンサが、光がいつオン又はオフであるかを検出することができ、又は異なるレベルを識別することができ、それによって、チャネルビット又はシンボルを受け取ることができる。
【0007】
データを通信するため、変調は、一般に、(時として、ユーザビットと呼ばれる)データビットをチャネルシンボルにマップする符号化方式を含む。例は、値0のユーザビットが、パルスのオフ・オン又はロー・ハイ(基本チャネルビットの0次いで1)の形態のチャネルシンボルにマップされ、値1のユーザビットが、パルスのオン・オフ又はハイ・ロー(基本チャネルビットの1次いで0)の形態のチャネルシンボルにマップされる、又はその逆であるバイナリコードである従来のマンチェスター符号である。マンチェスター符号化及び多くの他のライン符号のような多くの符号化方式においては、クロック及びデータは、同じ信号から回復されることができる(それ以外の場合には、別個のクロックが送られる必要があるだろう、又は送信機及び受信機が完璧に同期していると仮定される必要があるだろう)。このような方式に従って符号化される信号は、自己クロック信号と呼ばれ得る。本願明細書で用いられているように、これは、タイミングの回復及びデータの検出の両方に寄与する情報が、一緒に、各(複合)チャネルシンボル、即ち、符号化方式の各単位パルスに符号化されることを意味する。この特性を持つ自己クロック信号は、等時性のものとも記述されてもよく、即ち、タイミング及びデータの導出用の情報が、各チャネルシンボルの周期(情報の各単位パルス)に埋め込まれる。各チャネルシンボルが、マンチェスター符号化と同様に、ユーザビットを表す場合、これは、タイミング及びデータの両方の情報が各ユーザビットの周期に埋め込まれることを意味する。
【0008】
図8は、タイミング及びデータがどのようにして自己クロック信号から回復され得るかの例を図示している。図8aは、符号化光チャネルを通じて送信されるような信号の例を示しており、その下の図8bは、符号化光受信機において受信されるような対応する信号を示している。この例においては、信号内のデータは、従来のマンチェスター符号に従って符号化されている。受信信号は、整合フィルタ、及びローパスフィルタなどの1つ以上の他のフィルタに通される。整合フィルタは、テンプレートパルスを受信信号に対して相関させる。テンプレートパルスは、当該符号化方式のあり得るシンボルのうちの1つであり、例えば、マンチェスター符号の場合には、パルスのオン・オフ又はロー・ハイは、値1のユーザビットを表す。整合フィルタによるこの相関の出力は、マンチェスター符号化信号の例の場合は、図8cに図示されているような、矩形ではないパルスのシーケンスである。各フィルタ処理パルスの形状が、どのように、対応するシンボルによって表されるユーザビットだけでなく、隣接シンボルによって表される隣接ビットにも依存するのかに注意されたい。形状は、整合フィルタ処理、ローパスフィルタ処理、及びシンボル間干渉の結果である。
【0009】
タイミング回復は、「アイ・パターン」の観点から考えられることができ、この考えは、当業者にはよく知られているだろう。フィルタ処理信号は、複数のウィンドウに配設され、各ウィンドウは、フィルタ処理パルスのうちの1つの波形、又はフィルタ処理パルスの連続シーケンス(即ち、チャネルシンボルのうちの1つ以上)の波形を有する。これらのウィンドウの幾つかが、同時発生するかのように、即ち、異なるウィンドウのシンボル周期が位置合わせされる状態で、互いに重なっている場合には、開いている「目」のパターンが現れる。図8dは、フィルタ処理されていない受信信号のアイ・パターンを示しており、図8eは、信号のフィルタ処理バージョンのアイ・パターンを示している。フィルタ処理信号(図8e)において、データ検出ポイントは、(円で囲まれて示されている)アイ・ダイアグラムの正又は負のピークに対応し、例えば、整合フィルタは、値1のユーザビットを表すシンボルを、正のピークを出力するテンプレートパルスと相関させ、整合フィルタは、値0のユーザビットを表す受信シンボルを、負のピーク(谷)をもたらすテンプレートパルスと相関させる。アイ・パターンの波形は、これらのデータ検出ポイントの間に、零と交差するポイントを持つ。これらの零交差のタイミングは、クロックを回復することを可能にする。
【0010】
図8は、ノイズが存在しない理論上の状態を図示している。しかしながら、現実には、アイ・パターンは、信号におけるノイズによりぼやけされ、回復クロック信号においてジッターをもたらす。データ依存ジッター補償を用いる零交差において動作するデジタル位相ロックループ(DPLL)は、例えば、Patric G Ogmundson他による、「Zero-Crossing DPLL Bit Synchronizer with Pattern Jitter Compensation」(IEEE Trans-COM, Vol. 39, No. 4, April 1991)に記載されている。この方法は、相対的に高いSNRのために高いクロック精度を必要とするシステム(高次QAMデータ伝送システム又は電力システムの同期)のために残存クロックジッターを最小化する。また、一般に、零交差は、規則的なグリッド上にあり、シンボル間干渉(ISI)に起因するデータ依存ジッター及びノイズによって乱される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
或る量のノイズの存在下でジッターを処理する方法が考えられている。しかしながら、相対的なノイズがひどすぎる場合には、タイミングを回復するために用いられる零交差などの特徴点が、不明瞭になりすぎて、少なくとも所望の信頼度で個々に処理することができなくなり得るという潜在的な問題が依然として存在し得る。例えば、図10a参照。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、零交差などの特徴点からタイミングを回復する前に、整合フィルタから出力される波形を、2つの別々のグループ又は「サブパターン」に分離する。前記分離は、例えば、前記データの2つの連続するビットが同じである場合には、波形は或るサブパターンに割り当てられ、前記2つの連続するビットが異なる場合には、前記波形は第2サブパターンに割り当てられるように、分離されている前記波形によって表される前記ユーザデータに基づく。例えば、図10b参照。前記データの情報をこのようにして利用することで、零交差又は他のこのような特徴点を、個々のサブパターンにおいてより識別可能にすることが可能である。
【0013】
本願明細書で開示されている或る態様によれば、符号化光を受けるためのセンサと、フィルタと、タイミング及びデータ回復モジュールとを有する符号化光受信機が提供される。前記符号化光は、データ及びタイミングが、自己クロック符号化方式に従って光に変調されている信号を有する。前記フィルタは、前記符号化方式のテンプレート波形を、前記受信信号に対して整合させ、それによって、各々が前記データの各々の部分に対応するフィルタ処理波形のパターンを生成するよう構成され、善意タイミング及びデータ回復モジュールは、前記フィルタ処理波形の特徴点に基づいて前記信号から前記タイミングを回復する。それは、前記データに依存して前記フィルタ処理波形を異なるサブパターンに分離することによって、これを実施し、各サブパターンの特徴点に基づいて前記サブパターンの各々を個々に処理することによって、前記タイミングを回復するよう構成される。
【0014】
別の態様によれば、コンピュータ読み取り可能な媒体に盛り込まれるコードを有し、プロセッサにおいて実行されるときに、本願明細書における開示に従ってタイミング回復を実施するよう符号化光受信機を動作させるように構成されるコンピュータプログラム製品が提供される。
【0015】
本開示のより良い理解のために、及び実施例がどのように実施され得るかを示すために、一例として、添付図面に対する参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】符号化光の送信機及び受信機を有する環境の概略図である。
図2】符号化光受信機の概略的なブロック図である。
図3】符号化光受信機のためのタイミング及びデータ回復モジュールの概略的なブロック図である。
図4】符号化光において送信され得るようなデータのパケットの概略図である。
図5】三値符号化方式のパルス波形の概略図である。
図6】三値符号化方式に従って符号化されたビットのサンプルシーケンスの概略図である。
図7a】受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図7b】受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図7c】受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図7d】受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図7e】受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図8a】別の受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図8b】別の受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図8c】別の受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図8d】別の受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図8e】別の受信信号、整合フィルタの対応する出力、及び対応するアイ・パターンの理論上の例を示す。
図9a】幾らかのノイズが存在する場合のシミュレート・アイ・パターンを示す。
図9b】幾らかのノイズが存在する場合のシミュレート・アイ・パターンを示す。
図10a】強いノイズが存在する場合の他のシミュレート・アイ・パターンを示す。
図10b】強いノイズが存在する場合の他のシミュレート・アイ・パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
マンチェスター符号又は三値マンチェスター符号(下記参照)などの方式に従って符号化された信号の復号において、受信機は、受信信号を用いて時間基準再生を実施するだろう。これを実施するため、デジタル位相ロックループ(DPLL)が、(干渉及びノイズを減らすために)整合フィルタの後ろに配置され、タイミングを回復するためにフィルタ処理信号の零交差を用いる。あまりに多くのノイズが存在する場合には、DPLLは、データ依存密集零交差を分解することができないかもしれない。しかしながら、DPLLは、以下の実施例によるデータ依存零交差認識を用いる場合には、零交差を分解することができるかもしれない。
【0018】
自己クロックデータストリーム、実施例においては、三値マンチェスター符号化ストリームからデータ及び時間基準を一緒に回復するための方法が提供される。前記方法は、(i)データビットを抽出するために検出データストリームを整合フィルタでフィルタ処理するステップと、(ii)時間基準を回復するためにフィルタ処理データストリームにおける零交差を検出するためのアイ・パターンを形成するためにフィルタ処理データストリームにデジタル位相ロックループ(DPLL)動作を適用するステップと、(iii)アイ・パターンを、2つの連続するビットの値に依存して第1サブパターン及び第2サブパターンに再分割するステップであって、2つのビットの値が等しい場合には、第1サブパターンが形成され、2つのビットの値が等しくない場合には、第2サブパターンが形成されるステップとを含み得る。
【0019】
有利なことに、アイ・パターンの、2つのサブパターンへの分離は、零交差をユニークに決定し、零交差がデータ依存である三値マンチェスター符号化データストリームにおける基底信号にそれらを割り当てることを可能にする。2つの連続するビットが等しい場合は、これは、第1サブパターンにおける2つの十分に分離した零交差をもたらす。逆に、2つの連続するビットが等しくない場合は、これは、第2サブパターンにおける単一の零交差をもたらす。例えば、後でより詳細に述べる図9乃至10参照。
【0020】
図1は、本発明が用いられ得る環境、例えば、オフィス、家又は他の部屋若しくは屋内空間の例を図示している。前記環境は、前記環境を照明するという主目的のために設置されているが、符号化光技術を用いて出力された照明に埋め込まれたデータを供給するという二次機能も持つ、例えば天井又は壁に取り付けられる、照明器具などの符号化光送信機2を有する。前記環境は、符号化光受信機4を更に有する。例えば、符号化光受信機は、例えばインテリジェント照明システムの一部として、別の照明器具4aに含まれてもよい。他の例においては、符号化光受信機は、送信照明器具2を制御するための遠隔制御ユニットなどのユーザ端末4b、又は送信照明器具2から情報(例えば、位置関連情報又は試運転用情報)を得るためのスマートフォン、タブレット若しくはラップトップなどのモバイルユーザ端末の構成要素であってもよい。
【0021】
幾つかの状況においては、送信照明器具2の光は、床又は壁などの1つ以上の面8からの反射を介して受信機4に到達する。送信照明器具2のランプと受信機4との間の距離の増大とともに、受信機4における受信信号強度は減少する。例えば、符号化光通信の極限範囲においては、可視光信号は、約0.1Luxの振幅で受信され得る。このような弱い受信信号はランダムノイズに影響されやすいかもしれない。他の状況においては、信号が直接受信される場合であっても、それは、長距離をこえて、且つ/又は相対的に大量のノイズをもたらす環境において、受信されるかもしれない。それ故、自己クロック信号からのタイミングの回復においてノイズに対してよりロバストである符号化光受信機を提供することは望ましいだろう。
【0022】
図2は、本開示の実施例に従ってタイミング回復を実施するよう構成される符号化光受信機4の例示的なブロック図を示している。受信機4は、光センサ12とアナログローパスフィルタ(LPF)14とを有するアナログフロントエンド10を有する。受信機4は、アナログデジタル変換器(ADC)16と、整合フィルタ18と、デジタルローパスフィルタ(LPF)20と、ベースバンドモジュール32とを更に有する。光センサ12は、アナログLPF14の入力部に結合される出力部を持つ。アナログLPF14は、ADC16の入力部に結合される出力部を持ち、ADC16は、整合フィルタ18の入力部に結合される出力部を持ち、整合フィルタ18は、デジタルLPF20の入力部に結合される出力部を持ち、デジタルLPF20は、ベースバンドモジュール32の入力部に結合される出力部を持つ。ベースバンドモジュール32は、タイミング及びデータ回復モジュール27を有する。
【0023】
デジタルの構成要素18、20及び32の各々は、受信機4の記憶装置に記憶され、受信機4のプロセッサ上での実行のために構成されるソフトウェアで実施されてもよい。他の例においては、これらの構成要素の幾つか又は全てが、専用ハードウェア回路、若しくはFPGAのようなコンフィギャラブル・ハードウェア回路、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実施されてもよい。
【0024】
動作中、光センサ12は、潜在的なノイズを含む、送信機2からの符号化光信号を有する入射光を受ける。符号化光は、符号化方式を用いて光に符号化されたデータを有する。実施例においては、用いられる符号化方式は、出願人自身が作成したもののうちの1つであり、本願明細書において三値マンチェスター符号と呼ばれる。これは、図5及び6に図示されている。
【0025】
送信機2においては、送信されるべき各データビットが、各々の単位パルスの形態のチャネルシンボルにマップされる。この方式によれば、図5に示されているような正及び負の「ハット」関数の形態の2つのあり得る単位が存在する。値1のデータビットにマップされるパルスは、図5の左側に示されており、値0のデータビットにマップされるパルスは、図5の右側に示されている。データビットは、(明確にユーザによって作成されていない場合であっても)時として「ユーザデータ」と呼ばれる、送信されるべき実際の情報のビットである。データビット周期は、図5においてはTDと呼ばれ、垂直破線で示されているユーザビット周期の間の境界を持つ。
【0026】
各単位パルスは、ユーザビット周期より短い時間的長さTCの基本チャネル周期のシーケンスを有する。各基本チャネル周期は、符号化信号がとり得る基本レベルのうちの1つだけを伝達し、単独では、複合チャネルシンボルに変調されることなしにデータを伝達するのに十分ではない。従って、(長さTDの)これらのチャネルシンボルの各々が、当該符号化方式を用いて伝達され得る最も小さい又は最も基本的な単位である。
【0027】
三値マンチェスター符号において、各単位ハット関数は、各々がデータビット周期の長さTDの半分である時間的長さTCの3つの基本チャネル周期のシーケンスを有する(TD = 2TC)。各々のデータビットのための3つの基本周期は、これらの3つのうちの中央のものが各々のデータビット周期の中央に位置する状態で連続しており、故に、隣接する第1及び第3基本チャネル周期は、各々、データビット周期の開始及び終了境界を、基本チャネル周期TCの半分だけ、両側にまたがる。
【0028】
値1のデータビットの場合は、これは、図5の左側に示されている正のハット関数にマップされる。正のハット関数は、各々のデータビット周期の開始(より早い)境界を中央に置く高さ-1/2の第1基本チャネル周期、その後に続く、各々のデータビットの周期の中央に置かれる高さ+1の第2(中央)基本チャネル周期、その後に続く、各々のデータビット周期の終了(より遅い)境界を中央に置く高さ-1/2の第3基本チャネル周期を有する。このステージおける「高さ」が、無次元デジタル値などの任意の適切な用語で表され得る。
【0029】
値0のデータビットの場合は、これは、図5の右側に示されている負のハット関数にマップされる。負のハット関数は、各々のデータビット周期の開始(より早い)境界を中央に置く高さ+1/2の第1基本チャネル周期、その後に続く、各々のデータビットの周期の中央に置かれる高さ-1の第2(中央)基本チャネル周期、その後に続く、各々のデータビット周期の終了(より遅い)境界を中央に置く高さ+1/2の第3基本チャネル周期を有する。
【0030】
送信されるべき符号化ビットストリームを作成するため、隣接するユーザビットのハット関数は、それらの各々のビット周期の時間だけオフセットされ、互いに加算される。ハット関数は、データビット周期の間の境界にわたって重なり合うことから、前記関数は、隣接するデータビットの間の重なり合う領域において加算する。即ち、ハット関数は、境界に沿って接合され、故に、或るデータビット周期のより早い境界Anは、2つの隣接するパルスが重なり合うところで信号の高さが合計される状態で、前の隣接するデータビット周期のより遅い境界An+1と接合される。時間領域におけるチャネルシンボルの結果として生じるシーケンスの例が図6に示されている。
【0031】
2つの隣接するデータビットが値1のものであるところでは、これは、高さ-1/2の2つの重なり合う要素チャネル周期が合計-1の高さになることを意味する。2つの隣接するデータビットが値0のものであるところでは、高さ+1/2の2つの重なり合う要素チャネル周期が合計+1の高さになる。2つの隣接するデータビットが異なる値のものであるところでは、高さ+1/2及び-1/2の2つの重なり合う要素チャネル周期が合計0になる。従って、符号化ストリームにおいて、各ユーザビット周期(又は各チャネルシンボル又は単位パルス)は、値1のユーザビットが値1の2つの隣接するユーザビットの間に挟まれている場合の矩形波の正のパルス、又は値0のユーザビットが値0の2つの隣接するユーザビットの間に挟まれている場合の矩形波の負のパルス、又は隣接するユーザビットのうちの少なくとも1つが異なる場合のまっすぐなエッジを備える1つ又は4つのあり得る形状の平らでないパルスのいずれかの形態をとる。
【0032】
同等の変形例において、データビット値0及び1の、正及び負のハット関数へのマッピングは、逆にされ得る。
【0033】
結果として生じる信号(例えば、図6の信号)は、次いで、(振幅又はパワーに関して表される)送信光源2によって出力される信号強度の変動に変換される。例えば、要素チャネルシンボル-1は、低い光出力レベルによって表されてもよく(例えば、光はオフにされ)、要素チャネルシンボル+1は、高い光出力レベルによって表されてもよく(例えば、光はオンにされ)、要素チャネルシンボル0は、高い光出力レベルと低い光出力レベルとの間の中間光出力レベルによって表されてもよい(例えば、光は出力又は振幅の半分である)。
【0034】
三値マンチェスター符号は、従来のマンチェスター符号と比べて、データビットが値を変化させるときによりスムーズな移行を供給し、電源ハムなどの干渉が生じ得る低い周波数のあたりでより抑えられる周波数領域のスペクトルをもたらすので、有利であり得る。しかしながら、本開示の適用性は、三値マンチェスター符号に限定されず、他の実施例においては、適切な符号化方式の他の例、例えば、従来の(二値)マンチャスター符号、又は他の従来の二値又は三値ライン符号が用いられてもよい。
【0035】
どんな方式が用いられようとも、受信機4の光センサ12は、光を検出し、時間の関数として受光レベル(例えば、振幅又はパワー)を表す電子信号を生成する。光センサは、この電子信号をLPF14を通してADC16に出力し、ADC16は、例えば64kHzで、前記電子信号をサンプリングして、前記電子信号のデジタル表現を生成する。
【0036】
ADC14は、前記信号のデジタルバージョンを整合フィルタ18に出力する。整合フィルタ18は、テンプレートパルスを受信信号に対して相関させるよう動作する。テンプレートは、検出されている符号化方式の単位パルスのうちの1つであり、例えば、三値マンチェスター符号の場合には、テンプレートは、図5の左側に示されている正のハット関数であり得る(又は別の実施例においては、負のハット関数であり得る)。テンプレートを、受信されるものに対して相関させることによって、これは、整合フィルタ18が、信号対ノイズ比を最小限に抑えるようにして、そのテンプレートと関連する符号化方式に基づく信号の存在を検出することを可能にする。
【0037】
整合フィルタ18は、その出力をデジタルLPF20に渡し、デジタルLPF20においては、例えば4kHz通過帯域で、更なるローパスフィルタ処理が適用され、デジタルLPF20は、これの出力を、ベースバンド処理のためのベースバンド受信機32に渡す。ベースバンド処理は、電力サージ検出の搬送波検知、クロック生成、フレーム同期化検出、並びに共同クロック及びデータ回復27などの機能を有する。
【0038】
図3は、本願明細書に開示されている実施例に従ってベースバンドモジュール32の一部として実施され得るタイミング及びデータ回復モジュール27の概略的なブロック図を示している。タイミング及びデータ回復モジュール27は、パターン・セパレータ33と、零交差検出モジュール35と、クロック回復モジュール37とを含むデジタル位相ロックループ(DPLL)29を有する。タイミング及びデータ回復モジュール27は、データ検出モジュール39も有する。パターン・セパレータ33は、DPLL29の入力部に配設され、デジタルLPF20の出力を受け取るよう結合される入力部を持つ(デジタルLPF20を介して整合フィルタ18からの信号が供給される)。パターン・セパレータ33は、零交差検出モジュール35の入力部に結合される出力部を持ち、零交差検出モジュール35は、クロック回復モジュール37の入力部に結合される出力部を持ち、クロック回復モジュール37は、データ検出モジュール39の入力部に結合される出力部を持つ。データ検出モジュール39は、パターン・セパレータ33の第2入力部に検出データビットの値をフィードバックするよう結合される出力部も持つ。
【0039】
動作中、パターン・セパレータ33は、(デジタルLPF20を介して)整合フィルタ18から出力されるフィルタ処理波形を取得し、すぐにより詳細に述べるように、これらを、前記信号から検出されるデータに依存して、少なくとも2つの異なるサブパターンに分ける。零交差検出モジュール35は、これらのサブパターンの各々において、個々に、各サブパターンの波形における零交差を検出するよう動作する。即ち、前記零交差検出モジュール35は、他のサブパターンの波形からの寄与を排除している第1サブパターンにおいて零交差を検出するとともに、独立して又は別々に、第1サブパターンの波形からの寄与を排除している他のサブパターンにおいて零交差を検出する。クロック回復モジュール37は、次いで、前のモジュール35によって検出された零交差を用いて、タイミング、即ち、受信信号に埋め込まれているクロックを回復する。回復クロックは、データ検出モジュール39に出力され、データ検出モジュール39は、検出されるべき他のデータビットのデータ検出ポイントを見つけ出すために前記回復クロックを用いる。この新しく検出されるデータも、前記データが目的としているアプリケーション用に出力されるだけでなく、他のデータ依存パターン分離及びタイミング検出を知らせるためにパターン・セパレータ33にフィードバックされる。
【0040】
図7は、ノイズがない三値マンチェスターデータストリーム、及びこれをタイミング及びデータ回復のために整合フィルタ18に通す効果の理論上の例を示す。図7aは、符号化光チャネルを通じて送信されるような信号の例を示しており、図7bは、符号化光受信機4によって受信されるような信号を示している。各ユーザビット周期は、上で図6に関連して述べたように(それらが符号化ビットストリームになるよう合計されるときにとる形態の)三値マンチェスター符号のパルスのディスクリートセットの1つを有する。各単位パルスは、タイミング及びデータの両方に関連する情報を有する各々のチャネルシンボルを表す。
【0041】
これは、整合フィルタ18に通されるとき、各々がテンプレートパルスをユーザビット周期の各々の実際のパルスに対して相関させることによってもたらされるフィルタ処理パルスのシーケンスを生成する。これは、図7cに図示されている。タイミング及びデータ回復モジュール27は、これらのフィルタ処理パルスのピークに基づいてデータ(ユーザビット)を検出する。正のピークは、受信信号において値1のユーザビットを表すパルスと、元の符号化方式において1を表すテンプレートパルス(この場合には正のハット関数)の相関によってもたらされる。(谷とも呼ばれる)負のピークは、受信信号において値0のユーザビットを表すパルスと、元の符号化方式において0を表すテンプレートパルス(この場合には負のハット関数)の相関によってもたらされる。従って、タイミング及びデータ回復モジュール27は、正のピークを値1のユーザビットと解釈し、負のピークを値0のユーザビットと解釈する。
【0042】
データ検出ポイントの最初のタイミングを得るために、タイミング及びデータ回復モジュールは、受信信号における既知のプリアンブルを用いてもよいことに注意されたい。その場合、これは、タイミングを追跡し続けるよう、データ依存タイミング検出を実施することを可能にし、これは、追跡タイミングなどに基づく他のデータの検出を可能にする。
【0043】
タイミングは、「アイ・パターン」として知られているものを用いて回復されることができる。これは、各窓が1つ以上の単位パルスから形成されている、即ち、各々が1つ以上のユーザビット周期に対応する、受信信号の複数の窓に基づく表現を指す。一般に、窓は、少なくとも2つの単位パルスの連続シーケンス、即ち、少なくとも2つの連続するユーザビット周期から成る。その場合、これらの窓の幾つかは、互いに同時発生するかのように時間的に重なっている。各窓は、整数個のビット周期から成り得る。窓は、或る窓の1つ以上の周期が各他の窓の1つ以上の対応する周期と位置合わせされるようにデータ周期に従って時間的に位置合わせされる。即ち、各窓のユーザビット周期の開始は、前記窓の各他のものの対応するビット周期の開始と同じ時間の開始とみなされるかのように表現される。言い換えれば、ユーザビット周期は、水平掃引をトリガするために用いられる、又は窓は、共通時間基準で表される。アイ・ダイアグラムの概念それ自体は、当業者に良く知られている。
【0044】
図7dは、図7bの受信信号のためのアイ・パターンの例を示しており、図7eは、整合フィルタ18に通された後の図7cのフィルタ処理信号のためのアイ・パターンの例を示している。
【0045】
図8は、従来の(二値)マンチェスター符号化データストリームのための理論上のプロットの同様のセットを示している。
【0046】
図7e及び8eに示すように、アイ・パターンは、重なっている、異なるユーザビットに対応する波形が、開いている「目」のパターンを形成することから、そう呼ばれる。ピークは、ユーザビット検出が実施され得るポイントに対応し、ユーザビット検出ポイントの間の零交差のパターンは、タイミング、即ち、信号に埋め込まれているクロックを回復するために用いられ得る。このことそれ自体は、当業者には理解されているだろう。
【0047】
ノイズ及び干渉による乱れを最小限に抑えるために、埋め込まれているクロックのタイミングは、受信信号から、整合フィルタ18の後で回復され得る。更に、零交差を用いることによって、信号振幅の、PLのループ利得に対する影響の排除、軟判定情報及びISI補正の使用による位相ノイズ(タイミングジッター)の低減、並びに/又は受信信号及び正弦波の内積を計算する代わりにPLLを零交差にしか作用させないことによる計算の複雑さの最小化という付加的な利点が達成され得る。
【0048】
三値マンチェスターの場合は、零交差は規則的なグリッド上にないことが分かる。零交差は、零交差のデータ依存シーケンスを形成する。ノイズがひどい状況下では、零交差からDPLLのための信号をユニークに抽出することは必ずしも可能ではない。
【0049】
本願明細書に開示されている実施例によれば、タイミング及びデータ回復モジュール27は、数字、及び間の零交差のモーメントをユニークに修正するために周囲のビットからの情報を用いて、見出される零交差からのDPLLのための誤差信号のユニークな抽出を可能にする。
【0050】
図9aは、相対的に高い信号対ノイズ比、即ち、相対的に低いノイズのための三値マンチェスターのアイ・パターンを示している。ユーザビット検出の時間インスタンスが、太い円によって示されている。これらの時間インスタンスは、受信波形にロックされるDPLLによって供給され得る。
【0051】
2つの連続するユーザビットの間の零交差は、太い楕円形によって示されている。3つの密集零交差が存在することに注意されたい。2つの連続するビットが等しいか又は等しくないかに従ってアイ・パターンを再分割する場合には、図9bに示されているように2つのアイ・パターンが得られる。2つの連続するビットが等しい場合は、間が十分に分離されている2つの零交差を得ることが可能である。2つの連続するビットが等しくない場合は、零交差が1つしか存在しない。従って、基底信号の零交差の時間インスタンスを分離し、それによって、零交差の許容偏差を増大させるために、周囲のデータの情報が用いられ得る。
【0052】
図3は、同様のアイ・パターンではあるが、ここでは、相対的にひどいノイズ状況(低いSNR)の下でのアイ・パターンを示している。データの情報なしでは(図10a)、受信信号の零交差が、基底受信信号の第1、第2又は第3仮定零交差に起因すると考えられることができないかもしれず、それによって、DPLLのユニークに決定される誤差信号の計算を防止することに注意されたい。
【0053】
しかしながら、2つの連続するビットが等しいか又は等しくないかに従ってアイ・パターンを分けることによって(図10b)、基底信号にユニークに割り当てられることができるうまく分離された零交差を得ることが可能である。DPLLの更新レートは、2つの連続するビットが等しい場合には2つの零交差を持ち、2つの連続するビットが等しくない場合には1つの零交差を持つ、(事実上ランダムであるユーザデータを考慮に入れる)確率変数であることにも注意されたい。
【0054】
従来のDPLLは、単に、単一のアイ・パターンの表現上で動作するだろう上記の観察を利用するため、タイミング及びデータ回復モジュール27のDPLL29は、データに依存して2つの別々のアイ・パターンを生成するよう構成されるパターン・セパレータ33を有する。パターン・セパレータ33は、(デジタルLPF20を介して)整合フィルタ18によって出力されるフィルタ処理パルスのシーケンスを受信し、2つの異なるアイ・パターンを表現する2つの異なるサブパターンに配設する。
【0055】
図7乃至10におけるアイ・パターンは、オシロスコープにおいて見られるだろうように図示されていることに注意されたい。当然、DPLL29及びパターン・セパレータ33は、実際には、この形態でアイ・パターンを生成する必要はない。それの幾つかの構成要素のDPLLがアイ・パターン(など)を生成又は使用すると言われている場合、これは、グラフ図を生成しなければならないことを意味しない。実際には、アイ・パターンの生成は、波形のいずれかの関連ポイントを決定し、次いで、これらのポイントのタイミングが、そのパターンの他の波形からのポイントに関連して、及び/又は共通時間基準に関連して、分析されることを可能にようにして、表現することしか含まないかもしれない。
【0056】
各サブパターンは、共通時間基準上に受信フィルタ処理信号の幾つかの窓を置くことによって形成される。図9及び10の例においては、各窓は、2つのユーザビット周期、即ち、受信フィルタ処理信号の2つのシンボルの波形から成る。これらは、各窓の2つのビット周期が、サブパターンにおける各他の窓の2つのビット周期と時間的に位置合わせされるかのように、即ち、各々のサブパターンにおける各窓の第1ユーザビット周期の開始が、その各々のサブパターンの各他の窓の第1ユーザビット周期の開始と位置合わせされるように処理されるとともに、各々のサブパターンにおける各窓の第2(最後の)ユーザビット周期の終了が、その各々のサブパターンの各他の窓の第2(最後の)ユーザビット周期の終了と位置合わせされるように処理されるように、表現される。
【0057】
各窓の波形のため、パターン・セパレータ33は、その各々の窓の2つのユーザビット周期の2つのシンボルによって表現される2つのユーザビットを決定する。これらのデータの検出ポイントは、図9及び10において円で囲まれ示されている。データ検出ポイントの位置は、データ検出モジュール39によって、(その後のデータ依存タイミング回復によって追跡され続けるものである)タイミングにおける前に決定された修正に基づいて決定され得る。これらの2つの検出ポイントの間において、その後のタイミング回復に寄与するものである各々の波形の1つ以上の零交差が見つけられる。ユーザビットの各々の対が同じ(両方とも1又は両方とも0)である状況においては、パターン・セパレータ33は、各々の波形を第1サブグループに割り当て、ユーザビットの各々の対が異なる(01又は10)である状況においては、パターン・セパレータ33は、各々の波形を第2サブグループに割り当てる。波形の、グループへの分離は、図9b及び10bに図示されている。
【0058】
結果は、各サブパターンにおける複数の重なっている波形である。個々のフィルタ処理波形は、(整合フィルタ18による)あり得るパルスのディスクリートセットから取得される受信パルスのシーケンスと単一のテンプレートパルスの相関の結果である。これは、各フィルタ処理波形が、あり得る波形形状のディスクリートセットのうちのほぼ1つのものであることを意味する(所与のユーザビットの2つの隣接ビットを越えて広がるシンボル間干渉の影響により、図7に関連して述べたあり得る組み合わせより多くのあり得る波形形状が存在し得ることに注意されたい)。
【0059】
DPLL29の零交差検出モジュール35は、各サブパターンにおける零交差の位置を検出するよう構成される。各サブパターンにおける各零交差は、受信信号から回復されるクロック信号のタイミングに関する幾らかの情報を与え、例えば、現在の時間基準に対するクロックのエッジの位置と関連づけられることができ、又は2つ以上の零交差の間のこのスペースは、クロック周期又は周波数と関連づけられることができる。DPLL29のクロック回復モジュール37は、前記位置を、現在の1つ若しくは複数のサブパターン及び/又は1つ以上の前のサブパターンからの他の零交差の位置と関連づけることによって、及び/又は前段から追跡若しくは同期される時間基準の現バージョンと関連づけることによって、クロック信号を追跡するためにこの情報を用いることができる。クロック回復モジュール37は、それによって、クロックのエッジの位置、クロック周期及び/又はクロック周波数などの埋め込まれているクロックのタイミングに関する情報を回復することができる。
【0060】
理論上のシナリオにおいては、あり得る波形形状のうちの所与の1つの場合は、その波形の各インスタンスは同一であり、複数のインスタンスが重なっている場合には、それらは、図7eに示されているようにぴったり一致するだろう。しかしながら、現実には、ノイズが、それらが当該形状にしか近似しないだろうように異なるインスタンスにおいて変化をもたらすだろう。それ故、多くの実際の波形の窓がアイ・パターンにおいて重なっている場合、ノイズが、前記形状を広がらせ又は「不明瞭」にさせ、各零交差は、それと関連した誤差を持つだろう。図9は、相対的に控えめな量のノイズの中の信号のアイ・パターンを示している。
【0061】
アイ・パターンの中の信号の複数の窓を一緒に処理する理由は、波形の異なるインスタンスの影響が平均して取り去られ得るからである。故に、零交差の位置は、複数の波形(所与の形状の波形の複数のインスタンス)におけるその零交差の位置の平均(例えば中間位置)から決定され得る。ここで、アイ・パターンにおける零交差は、サブパターンにおける波形の複数のインスタンスによって交差されるような、所与の交差ポイントを指す。あり得るディスクリート波形形状の各々が、データ検出ポイントの間に特有の零交差ポイントを持ち、前記形状の幾つかの零交差は一致し得る。例えば、図9b及び10bを参照すると、第1サブパターン(図の左側)は、ユーザビット11及び00に対応する波形に起因する2つの連続するデータ検出ポイントの間に2つの零交差を持つ。第2サブパターンは、ユーザビット10及び01に対応する波形に起因する2つの連続するデータ検出ポイントの間に1つの零交差を持つ。
【0062】
実施例において、クロック回復モジュール37は、各零交差に関連する誤差を決定し、各々の誤差に従って重み付けされる各サブパターンにおける零交差の各々の位置の関数(又は各々の誤差に従って重み付けされる位置から導き出される情報)として信号から回復されるクロックタイミングを決定するよう構成される。即ち、タイミング回復計算において、より大きな誤差を持つ零交差には、より小さな重みしか与えられないのに対して、より小さな誤差しか持たない零交差には、より大きな重みが与えられる。
【0063】
アイ・パターンから自己クロック信号のタイミングを決定する処理それ自体は、一般に、当業者によって理解されている。本願明細書に開示されている実施例によれば、前記決定は、最初に、波形を別々の「サブ」アイ・パターンに分け、これらのサブパターンの各々を個々に処理することによって実施される。従って、図9b及び10bの例を参照すると、第1サブパターンにおける2つの零交差の各々の位置及び誤差が、第2サブパターンの波形の影響を無視して、決定され、それとは別に、第2サブパターンにおける1つの零交差の位置及び誤差が、第1サブパターンの波形の影響を無視して、決定される。別々の処理の後、更新タイミング修正を達成するために、各サブパターンから導き出される情報が組み合わされる。例えば、更新クロック周期又は周波数は、(より多くの誤差を持つ零交差にはより少なく重みしか与えられないように)各々がその各々の誤差に従って重み付けされた3つの零交差の各々の位置の関数として決定され得る。
【0064】
これは、サブパターンへの分離なしでは、幾つかのノイズの状況において、うまくいかないだろう。図10は、ノイズがひどい状況における例を示している。図10aのような単一のアイ・パターンを用いると、個々の零交差が互いにはっきり分かれておらず、各々のための個々の誤差が決定されることができない。従って、クロックタイミングは追跡されることができない。しかしながら、波形が図10bのようにデータに依存して別々のパターンに分離される場合には、異なる波形形状からの零交差が別々になり、各々のための個々の誤差が、各々の零交差における時間軸上の広がりに基づいて決定されることができる。従って、クロックタイミングは回復されることができる。
【0065】
本願明細書に開示されている更なる実施例によれば、零交差ポイントの幾つか又は全てに割り当てられる誤差は、各々の波形の1つ又は複数の形状の傾きに依存して作成され得る。これは、幾つかの零交差は、波形が垂直軸と交差するポイントにおける傾斜(勾配)に依存して、他の零交差と比べてより少ない情報しか与えないという認識に基づいている。より小さな(より緩やかな)傾斜は、より多くの付加ノイズを有する傾向があり、故に、より多くのタイミングジッターを有する傾向があり、故に、タイミング回復においては、より小さな傾斜を持つ形状を持つ波形からの1つ以上の零交差には、これらのポイントにおいてより大きな(より急な)傾斜を持つ形状を持つ波形からの1つ以上の零交差と比べて、より大きな誤差(より小さな重み)が割り当てられる。
【0066】
上で開示されているデータ依存タイミング回復の実施例においては、これは、タイミングがまだ回復されていない信号の一部においてデータを予測することを含むことに注意されたい。上述のように、初期タイミング修正を達成するために、処理に初期同期を開始させることが用いられ得る。実施例においては、符号化光データは、1つ以上のパケットにおいて送信されてもよく、これの例は、図8に図示されている。パケットは、上述のユーザデータを含むペイロード58を有するとともに、初期同期用のプリアンブルを含むヘッダー56も有する。プリアンブルは、シヌソイドの複数のサイクル、例えば、2kHzの20サイクルを含む、クロック信号を有し得る。クロック回復モジュール38は、このプリアンブルを用いて初期同期を達成するよう構成されてもよく、データ検出モジュール39は、この初期同期に基づいて幾らかの初期データ読み取りを達成するためにデータ検出ポイントの位置を決定するよう構成されてもよい。次いで、第1データ依存タイミング回復が、この初期データに基づいてタイミングを更新するために実施されることができ、更新タイミングを用いて他のデータが得られ、次いで、この他のデータが第2タイミング決定を知らせるために用いられる。
【0067】
上記の実施例は単なる一例として記載されていることは理解されるだろう。
【0068】
例えば、本願明細書に開示されている技術は、信号強度のいずれかの特定の尺度に関して実施されるよう限定されない。例えば、信号強度は、パワー又は振幅に関して表現されてもよい。更に、所与の時間にわたって蓄積される信号エネルギもパワーの尺度であることは理解されるだろう。
【0069】
更に、サブパターンへの分離は、必ずしも、検出されるデータビットの相対的な値、即ち、ビットが同じであるか又は異なるかに基づかない。他の例においては、又は更に、サブパターンは、ビットの絶対値に基づいて互いから分離されることができ、例えば、ユーザビット11のための波形は、ユーザビット00を表す波形とは別のサブパターンに分離されることができる。
【0070】
更に、本発明は、波形を2つのグループだけに分けることに限定されず、2つの連続するビットだけに基づいてそうすることに限定されない。一般に、受信フィルタ処理波形は、データの他のパターンに基づいて3つ以上のグループに分離されてもよい。例えば、実施例においては、3つの連続するビットが、長さにおいて3つのユーザビット周期の波形を分けるために用いられることができ、これは、分割を可能にし得る。より多くのビットの使用は、直接隣接するビットを越えて広がるシンボル間干渉を考慮に入れるために活用され得る。
【0071】
更に、タイミング回復は、零交差以外の特徴点、例えば、正及び/若しくは負のピーク、並びに/又は一次導関数及び/若しくは二次導関数におけるピーク若しくは零交差などに基づき得る。
【0072】
当業者は、本願明細書で開示されているサブパターンを分離するためにデータの情報を活用する他の方法を実施し得る。このアイデアの如何なる実施も、零交差などの特徴点が、これ以外の場合には前記特徴点が個々に識別するのに十分に明瞭ではないだろうかなりの量のノイズの存在下で、より明瞭になることを可能にするという利点を提供し得る。
【0073】
請求項に記載の発明を実施する当業者は、図面、明細及び添付の請求項の研究から、開示されている実施例に対する他の変形を、理解し、達成し得る。請求項において、「有する」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数の存在を除外しない。請求項において列挙されている幾つかのアイテムの機能を単一のプロセッサ又は他のユニットが実現してもよい。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように使用されることができないと示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又はそれの一部として供給される光記憶媒体又は固体媒体などの適切な媒体に記憶/分散されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムなどを介して、他の形態で分散されてもよい。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されてはならない。
【要約】
符号化光受信機は、符号化光を受信するためのセンサと、フィルタと、タイミング及びデータ回復モジュールとを有する。前記符号化光は、データ及びタイミングが自己クロック符号化方式に従って前記光に変調されている信号を含む。前記フィルタは、前記符号化方式のテンプレート波形を、受信される前記信号に対して整合させ、それによって、各々が前記データの各々の部分に対応するフィルタ処理波形のパターンを生成するよう構成され、前記タイミング及びデータ回復モジュールは、前記信号から、前記フィルタ処理波形の特徴点に基づいて前記タイミングを回復する。前記タイミング及びデータ回復モジュールは、前記フィルタ処理波形を、前記データに依存して異なるサブパターンに分け、前記サブパターンの各々を、各サブパターンの前記特徴点に基づいて個々に処理することによって、これをするよう構成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10