特許第5960950号(P5960950)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960950
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】画像監視装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20160719BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   G08B25/00 510M
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-73400(P2011-73400)
(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公開番号】特開2012-209732(P2012-209732A)
(43)【公開日】2012年10月25日
【審査請求日】2014年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100105991
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(72)【発明者】
【氏名】伊與田 正晃
(72)【発明者】
【氏名】玉置 俊平
(72)【発明者】
【氏名】小川 理宏
(72)【発明者】
【氏名】山本 太一
(72)【発明者】
【氏名】国井 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】下村 武史
【審査官】 秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−224542(JP,A)
【文献】 特開2009−225418(JP,A)
【文献】 特開2005−78572(JP,A)
【文献】 特開2009−71771(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/013765(WO,A1)
【文献】 特開2005−49968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる監視領域に設置された複数のカメラでそれぞれ撮影された複数の監視画像を受信して表示する画像監視装置であって、
前記複数の監視画像を表示する表示部と、
前記複数のカメラの各々について、前記監視画像の画像変化量を算出し、前記画像変化量の時間変化のパターンを示す画像変化情報を生成する時間変化パターン算出部と、
前記画像変化情報に基づいて、前記画像変化量の時間変化のパターンが類似する前記カメラの属性情報を同じものに更新する更新処理部と、
前記複数の監視画像を前記表示部に表示するときに、前記属性情報に基づいて選択した前記カメラの監視画像を表示する表示処理部と、
前記表示部に表示させる監視画像の基準となる表示基準カメラを指定する入力部と、
を備え
前記表示処理部は、前記入力部によって指定された表示基準カメラと同じ属性情報が付与された前記カメラの監視画像を選択して表示することを特徴とする画像監視装置。
【請求項2】
異なる監視領域に設置された複数のカメラでそれぞれ撮影された複数の監視画像を受信して表示するためのプログラムであって、
前記プログラムは、コンピュータに、
前記複数のカメラの各々について、前記監視画像の画像変化量を算出し、前記画像変化量の時間変化のパターンを示す画像変化情報を生成する処理と、
前記画像変化情報に基づいて、前記画像変化量の時間変化のパターンが類似する前記カメラの属性情報を同じものに更新する処理と、
前記複数の監視画像を表示部に表示するときに、前記属性情報に基づいて選択した前記カメラの監視画像を表示する処理と、
を実行させ
前記表示する処理では、前記表示部に表示させる監視画像の基準となる表示基準カメラが入力部から指定されると、前記入力部によって指定された表示基準カメラと同じ属性情報が付与された前記カメラの監視画像を選択して表示することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な監視領域に設置された複数のカメラでそれぞれ撮影された複数の監視画像を受信して表示する画像監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、監視物件に設置されている複数のカメラから送信された監視画像を、遠隔の表示端末によって受信して、その表示端末の画面上にマルチ画面表示(一つの画面に複数の監視画像を分割表示)させる画像監視装置が利用されている。このような画像監視装置では、予め分割されている監視画像の表示領域毎に、表示対象のカメラを手動にてレイアウト設定登録しておく必要がある。
【0003】
従来、表示端末の画面上で手動にてレイアウト設定登録する方法として、例えば、監視物件のフロア(カメラが配置されたフロア)を表示するフロアマップ上にカメラシンボルを配置し、監視画像の表示領域にカメラシンボルをドラッグ&ドロップすることにより、そのカメラシンボルに対応するカメラと監視画像の表示領域とを対応付けて登録する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−212323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしならが、このような従来の方法では、ユーザが手動でレイアウト設定登録をする必要があるため、監視物件に設置されているカメラの台数が増加する程、レイアウト設定登録をするための手間を要していた。
【0006】
ところで、上記のような画像監視装置を用いて複数の監視物件を監視するときに、複数の監視物件(監視区画)において同じような場所(監視領域)を一括して監視したい場合がある。例えば、監視物件の出入口付近を撮影する監視画像のみを一覧表示させて監視したい場合や、監視物件の建物内部または建物外周を撮影する監視画像のみを一覧表示させて監視したい場合がある。そのような場合、監視物件の同じような場所に設置されているカメラの監視画像は、時間的に同じような画像変化パターン(画像変化量の時間変化)を有する傾向がある。
【0007】
例えば、監視物件の出入口付近を撮影する監視画像には、社員の出退社の時間帯に出退社する社員が写ることになるため、監視画像の時間的な画像変化パターンは、社員の出退社の時間帯に画像変化量が多いという傾向を示す。また、監視物件の建物内部を撮影する監視画像には、深夜の時間帯にほとんど社員が写らないことになるため、監視画像の時間的な画像変化パターンは、深夜の時間帯に画像変化量が極端に少ないという傾向を示す。一方、監視物件の建物外周を撮影する監視画像には、深夜の時間帯であっても車のライトや通行人が写ることになるため、監視画像の時間的な画像変化パターンは、深夜の時間帯であっても比較的画像変化量が多いという傾向を示す。
【0008】
そこで本発明は、監視画像の時間的な画像変化パターンと監視箇所との間に相関関係がある点に着目し、画像変化量の時間変化に基づいて監視画像のグルーピングを自動的に行うことにより、複数の監視画像を表示するときのレイアウトの設定を容易に行うことができる画像監視装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像監視装置は、異なる監視領域に設置された複数のカメラでそれぞれ撮影された複数の監視画像を受信して表示する画像監視装置であって、前記複数の監視画像を表示する表示部と、前記複数の監視画像の各々について、前記監視画像の画像変化量を算出し、前記画像変化量の時間変化のパターンを示す画像変化情報を生成する時間変化パターン算出部と、前記画像変化情報に基づいて、前記画像変化量の時間変化のパターンが類似する監視画像に同じ属性情報を付与する属性付与部と、前記複数の監視画像を前記表示部に表示するときに、前記属性情報に基づいて選択した監視画像を表示する表示処理部と、を備えている。
【0010】
これにより、異なる監視領域に設置された複数のカメラでそれぞれ撮影された複数の監視画像について、画像変化量の時間変化のパターンが類似する監視画像に同じ属性情報が自動的に付与される。そして、複数の監視画像を表示部に表示するときに、画像監視装置の表示部に表示されるべき監視画像が、属性情報に基づいて自動的に選択される。したがって、ユーザは、複数の監視画像を表示するときのレイアウトの設定を、属性情報を利用して容易に行うことができる。例えば、同じ属性情報の監視画像を選択して表示させることにより、様々な監視区画(建物や施設)の監視領域を撮影した監視画像の中から、同じような監視領域(出入口など)の監視画像を容易に抽出して表示させることができる。あるいは、異なる属性情報の監視画像を選択して表示させることにより、一つの監視区画の様々な監視領域を撮影した監視画像の中から、同じような監視領域の監視画像を省いて、異なる監視領域の監視画像を容易に抽出して表示させることができる。
【0011】
また、本発明の画像監視装置では、前記表示処理部は、前記属性情報が同じ監視画像を選択して表示してもよい。
【0012】
これにより、複数の監視画像を表示部に表示するときに、同じ属性情報の監視画像を選択して表示させることができる。例えば、様々な監視区画(建物や施設)の監視領域を撮影した監視画像の中から、同じような監視領域(出入口など)の監視画像を容易に抽出して表示させることが可能になる。
【0013】
また、本発明の画像監視装置は、前記表示部に表示させる監視画像の属性情報を指定する入力部を備え、前記表示処理部は、前記入力部によって指定された属性情報と同じ属性情報が付与された監視画像を選択して表示してもよい。
【0014】
これにより、ユーザが表示部に表示させたい監視画像の属性情報を入力部で指定すると、その属性情報と同じ属性情報が付与された監視画像が選択して表示される。このようにして、ユーザが表示させたい監視画像を容易に抽出して表示させることができる。
【0015】
また、本発明の画像監視装置は、前記表示部に表示させる監視画像の基準となる基準画像を指定する入力部を備え、前記表示処理部は、前記入力部によって指定された基準画像と同じ属性情報が付与された監視画像を選択して表示してもよい。
【0016】
これにより、ユーザが表示部に表示させたい監視画像の基準となる基準画像を入力部で指定すると、その基準画像の属性情報と同じ属性情報が付与された監視画像が選択して表示される。このようにして、ユーザが表示させたい監視画像を容易に抽出して表示させることができる。
【0017】
また、本発明の画像監視装置では、前記表示処理部は、前記複数の監視画像を前記表示部に表示するときに、前記属性情報が異なる監視画像を選択して表示してもよい。
【0018】
これにより、複数の監視画像を表示部に表示するときに、異なる属性情報の監視画像を選択して表示させることができる。例えば、一つの監視区画の様々な監視領域を撮影した監視画像の中から、同じような監視領域の監視画像を省いて、異なる監視領域の監視画像を容易に抽出して表示させることが可能になる。
【0019】
本発明のプログラムは、異なる監視領域に設置された複数のカメラでそれぞれ撮影された複数の監視画像を受信して表示するためのプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータに、前記複数の監視画像の各々について、前記監視画像の画像変化量を算出し、前記画像変化量の時間変化のパターンを示す画像変化情報を生成する処理と、前記画像変化情報に基づいて、前記画像変化量の時間変化のパターンが類似する監視画像に同じ属性情報を付与する処理と、前記複数の監視画像を表示部に表示するときに、前記属性情報に基づいて選択した監視画像を表示する処理と、を実行させる。
【0020】
このプログラムによっても、上記と同様に、異なる監視領域に設置された複数のカメラでそれぞれ撮影された複数の監視画像について、画像変化量の時間変化のパターンが類似する監視画像に同じ属性情報が自動的に付与される。そして、複数の監視画像を表示部に表示するときに、画像監視装置の表示部に表示されるべき監視画像が、属性情報に基づいて自動的に選択される。したがって、ユーザは、複数の監視画像を表示するときのレイアウトの設定を、属性情報を利用して容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、監視画像の時間的な画像変化パターン(画像変化量の時間変化)に基づいて監視画像のグルーピングを自動的に行うことができ、複数の監視画像を表示するときのレイアウトの設定を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態における画像監視システムの一つの例を示す図
図2】本発明の実施の形態における画像監視システムの他の例を示す図
図3】本発明の実施の形態における画像監視装置の構成を説明するための機能ブロック図
図4】本発明の実施の形態における監視画像の時間的な画像変化パターン(画像変化量の時間変化)の説明図
図5】本発明の実施の形態における属性情報の説明図
図6】本発明の実施の形態における画像監視装置の動作を説明するためのフロー図
図7】本発明の実施の形態における画像変化情報の生成処理の流れを説明するためのフロー図
図8】本発明の実施の形態における属性情報の更新処理の流れを説明するためのフロー図
図9】本発明の実施の形態における比較基準カメラの選択動作の説明図
図10】本発明の実施の形態における画像変化情報の類否判断の説明図
図11】本発明の実施の形態における監視画像の表示処理の流れを説明するためのフロー図
図12】本発明の実施の形態における監視画像の表示処理の説明図
図13】本発明の実施の形態における監視画像の表示処理の説明図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態の画像監視装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、画像監視システムに用いられる画像監視装置の場合を例示する。この画像監視装置は、複数の監視画像を表示するときのレイアウトの設定を容易に行うことができるように、監視画像の時間的な画像変化パターン(画像変化量の時間変化)に基づいて監視画像のグルーピングを自動的に行う機能を備えている。この機能は、画像監視装置のHDDやメモリなどに格納されるプログラムによって実現される。
【0024】
(画像監視システム)
まず、本発明の実施の形態の画像監視システムの構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の画像監視システムの一例を示す図である。図1に示すように、画像監視システム1は、画像監視装置2とカメラ3で構成されている。画像監視装置2は、監視センターなどに設置される表示端末4(コンピュータ端末)で構成される。カメラ3は、監視物件(監視区画)の各所(監視領域)に設置される。監視区画は、建物や施設などの物件であり、監視領域は、出入口付近や建物外周などの場所である。なお、カメラ3には、SDカードなどが内蔵されており、監視画像を記録することができるようになっている。
【0025】
図2は、本実施の形態の画像監視システム1の他の例を示す図である。図2に示すように、画像監視装置2は、監視センターなどに設置される表示端末4(コンピュータ端末)と、コンピュータ端末とインターネットを介して接続されるサーバ5で構成されてもよい。この場合、表示端末4は、監視画像を表示する機能を有していればよく、本発明の画像監視装置2としての各種の機能は、サーバ5に備えられていてもよい。
【0026】
(画像監視装置)
つぎに、本実施の形態の画像監視装置2の構成について、図面を参照して説明する。図3は、本実施の形態の画像監視装置2の機能ブロック図である。図3に示すように、画像監視装置2は、ユーザからの入力が行われる入力部6と、カメラ3で撮影された監視画像を表示する表示部7と、ネットワークを介してカメラ3と通信する通信部8を備えている。入力部6は、例えば、キーボードやマウスなどで構成されており、表示部7は、例えば、液晶モニタなどで構成されている。
【0027】
また、画像監視装置2は、変化情報生成部9と属性付与部10と表示処理部11を備える制御部12と、画像変化情報と表示基準カメラ3の情報と属性情報と監視画像が記憶される記憶部13を備えている。制御部12は、例えば、CPUやマイコンなどで構成されており、記憶部13は、例えば、大容量のメモリやHDDなどで構成されている。
【0028】
変化情報生成部9は、複数の監視画像の各々について、監視画像の画像変化量を算出し、画像変化量の時間変化のパターンを示す画像変化情報を生成する。図4は、画像変化情報の一例を示す図である。図4に示すように、画像変化情報は、監視画像の画像変化量の時間的な変化(時系列変化)を表した履歴情報である。変化情報生成部9は、カメラ3ごとに画像変化情報を生成する。この変化情報生成部9は、既知の画像変化の検出方法(例えば、フレーム間差分や背景差分など)を用いて監視画像の画像変化を検出し、監視画像中の変化領域の面積比を所定時間単位で積算した値を画像変化量として算出する。画像変化情報は、所定の分析時間(例えば、24時間)の分だけ生成しておく。生成された画像変化情報は、記憶部13に記憶される。なお、分析時間は、24時間(1日)に限られず、例えば、1週間や1ヶ月や1年でもいい。
【0029】
属性付与部10は、画像変化情報に基づいて、画像変化量の時間変化のパターンが類似する監視画像に同じ属性情報を付与する。図5は、属性情報の一例を示す図である。図5に示すように、属性情報は、カメラ3の識別子(カメラID)と、そのカメラ3が設置された場所の属性を示す情報である。属性情報は、カメラIDと属性(属性名)とを対応付けたテーブルとして、記憶部13に記憶されている。あるカメラ3の監視画像について、ユーザが入力部6で属性名を入力をすることにより属性(例えば、出入口)が付与されると、属性付与部10によって、その監視画像と同一または類似する監視画像に、その属性と同じ属性(例えば、出入口)が自動的に付与される。
【0030】
表示処理部11は、複数の監視画像を表示部7に表示するときに、属性情報に基づいて選択した監視画像を表示する。例えば、表示処理部11は、複数の監視画像を表示部7に表示するときに、属性情報が同じ監視画像を選択して表示する。その場合、表示処理部11は、入力部6でユーザに指定された属性情報と同じ属性情報が付与された監視画像を選択して表示する。または、表示処理部11は、入力部6でユーザに指定された1つまたは複数の基準画像(表示基準カメラの監視画像)と同じ属性情報が付与された監視画像を選択して表示する。なお、表示基準カメラの情報(カメラ3の識別子のリスト)は、記憶部13に記憶される。あるいは、表示処理部11は、複数の監視画像を表示部7に表示するときに、属性情報が異なる監視画像を選択して表示してもよい。
【0031】
以上のように構成された画像監視装置2について、図面を参照してその動作を説明する。
【0032】
ここでは、まず、図6を参照して、画像監視装置2の動作のメインフローについて説明する。図6に示すように、本実施の形態の画像監視装置2を用いて監視画像の表示を行うときには、画像監視装置2を起動させた後に、まず画像監視装置2で初期設定を行う(S1)。この初期設定では、例えば、画像変化情報の生成のための分析時間の設定が行われる。この設定は、ユーザ(利用者または管理者)が入力部6から手動で行うことができる。
【0033】
画像監視装置2は、まだ画像変化情報が作成されていない場合には(S2)、画像変化情報の生成処理を行う(S3)。画像変化情報は、初期設定で設定された分析時間(例えば、24時間)の分の監視画像の画像変化量から作成される。なお、画像変化情報の生成処理については、後で詳しく説明する。
【0034】
その後、画像監視装置2では、ユーザ(利用者)による入力部6を用いた入力操作(入力イベントともいう)があったか否かの判定が行われる(S4)。入力イベントとして「パターン属性の更新」が入力された場合には(S5)、画像監視装置2でパターン属性の更新処理が実行される(S6)。また、入力イベントとして「監視画像表示」が入力された場合には(S7)、画像監視装置2で監視画像の表示処理が実行される(S8)。それ以外の場合には、他のイベント処理が実行される(S9)。なお、パターン属性の更新処理と監視画像の表示処理については、後で詳しく説明する。
【0035】
つぎに、図7のフロー図を参照して、画像変化情報の生成処理について詳しく説明する。図7に示すように、画像変化情報の生成処理が開始されると、まず、所定の分析時間(例えば、24時間)の分だけ監視画像が記録されているか否かの判断が行われる(S10)。所定の分析時間分の監視画像が記録されていない場合には、監視画像の受信と記録の処理が行われる(S11)。
【0036】
画像変化情報は、すべてのカメラ3について生成される。そこで、まず、すべてのカメラ3の画像変化情報を生成したか否かの判定が行われる(S12)。すべてのカメラ3の画像変化情報を生成していない場合には、画像変化情報を生成していないカメラ3を選択して(S13)、選択したカメラ3について画像変化情報の生成が行われる(S14)。そして、すべてのカメラ3の画像変化情報を生成した場合に、画像変化情報の生成済みフラグをオンにして(S15)、処理を終了する。
【0037】
続いて、図8図10を参照して、属性情報の更新処理について詳しく説明する。図8のフロー図に示すように、属性情報の更新処理が開始されると、まず、比較基準カメラの選択が行われる(S20)。比較基準カメラの選択は、例えば、図9に示すように、ユーザが入力部6を操作して、画面上の「属性更新」のボタンをクリックした後、「カメラD」の表示エリアをクリックすることによって行われる。なお、比較基準カメラの選択は、種々の方法で行うことができ、例えばコンボボックス等を用いて行ってもよい。
【0038】
つぎに、画像監視装置2では、ユーザによって選択された比較基準カメラの属性情報が登録されているか否かの判定が行われる(S21)。比較基準カメラの属性情報が登録されていない場合には、比較基準カメラの属性情報の入力が行われる。例えば、ユーザが入力部6を操作して「出入口」などの属性情報を入力する。
【0039】
属性情報の更新は、すべてのカメラ3について、監視画像の時間的な画像変化パターン(画像変化量の時間変化)を比較することにより行われる。そこで、まず、すべてのカメラ3について比較が終了しているか否かの判定が行われる(S23)。すべてのカメラ3について比較が終了していない場合には、まだ比較をしていないカメラ3が選択され(S24)、選択されたカメラ3の画像変化情報(画像変化量の時間変化)と比較基準カメラの画像変化情報(画像変化量の時間変化)の類似/非類似が判断される(S25)。
【0040】
図10は、画像変化情報の類否判断の一例を示す図である。図10に示すように、画像変化情報の類否判断は、比較基準カメラの画像変化情報(画像変化量の時間変化)と選択されたカメラ3の画像変化情報(画像変化量の時間変化)の類似度Dを算出することにより行われる。なお、図10の数式で、xiは、比較基準カメラの画像変化情報(画像変化量の時系列データ)の値であり、yiは、選択されたカメラ3の画像変化情報(画像変化量の時系列データ)の値である。
【0041】
この場合、類似度Dが小さいほど、画像変化情報が互いに類似していることになる。例えば、算出した類似度Dが、予め設定しておいたしきい値(初期設定で設定してもよい)より小さい場合に、画像変化情報が互いに類似していると判定される。
【0042】
なお、図10の例では、時系列データのユークリッド距離を求めることによって類似度を求めているが、これ以外にも様々な手法(例えば、一般的なパターンマッチングなどの手法)を利用することも可能である。類似度に基づいて類似している監視画像を表示させる場合には、類似度を算出する評価関数を作成して、その評価値を算出して求める手法が望ましい。上記以外の算出方法として、例えば、頂点の数や頂点間の距離を考慮に入れた類似度の評価関数を利用することもできる。
【0043】
上述のような類否判断の結果、比較基準カメラの画像変化情報と選択されたカメラ3の画像変化情報が類似していると判定された場合には、その選択されたカメラ3の属性情報が、比較基準カメラの属性情報と同じものに更新される(S26)。そして、すべてのカメラ3について比較が終了すると、属性情報の更新処理が終了する。
【0044】
最後に、図11図13を参照しながら、監視画像の表示処理について詳しく説明する。図11のフロー図に示すように、監視画像の表示処理が開始されると、まず、ユーザによって表示基準カメラの選択が行われているか否かの判定が行われる(S30)。表示基準カメラの選択が行われている場合には、表示基準カメラと同じ属性のカメラ3の監視画像を表示する選択が行われているか否かの判定が行われる(S31)。表示基準カメラと同じ属性のカメラ3の監視画像を表示する選択が行われている場合には、表示基準カメラと同じ属性を有するカメラ3の監視画像が、表示部7に表示されるカメラ3(表示カメラ)として設定される(S32)。
【0045】
一方、表示基準カメラの選択が行われていない場合には、表示させた属性情報の選択が行われているか否かの判定が行われる(S33)。表示させた属性情報の選択が行われている場合には、選択した属性情報と同じ属性を有するカメラ3の監視画像が、表示カメラとして設定される(S34)。
【0046】
表示させた属性情報の選択が行われていない場合には、全種類の属性の選択が行われているか否かの判定が行われる(S35)。そして、全種類の属性の選択が行われている場合には、一つの監視物件の各所に設置された複数のカメラ3のうち、属性情報が互いに異なるカメラ3が、表示カメラとして設定される(S36)。
【0047】
ここまでの流れを図12を参照して説明すると、まず、ユーザが画面上で「映像表示」のボタンをクリックし、次に「直接選択」のラジオボックスを選択して「OK」をクリックすると、表示基準カメラを選択する表示画面(「カメラを選択してください。」の画面)になる。ここで、例えば「カメラA」のラジオボックスにチェックを入れて「OK」をクリックすると、「カメラB」が表示基準カメラとして選択される。なお、表示基準カメラとして、複数のカメラ3を選択してもよい。続いて、同一属性を選択する表示画面(「カメラAと同一属性のカメラを表示しますか?」の画面)になったときに、「はい」をクリックすると、表示基準カメラと同じ属性を有するカメラ3の監視画像が、表示カメラとして設定される。
【0048】
一方、ユーザが画面上で「映像表示」のボタンをクリックした後、「属性選択」のラジオボックスを選択して「OK」をクリックすると、表示させたい属性情報を選択する画面(「属性を選択してください。」の画面)になる。ここで、プルダウンメニューから属性を選択して「OK」をクリックすると、選択した属性情報と同じ属性を有するカメラ3の監視画像が、表示カメラとして設定される。一方、「全種類」のボタンをクリックすると、属性情報が互いに異なるカメラ3が、表示カメラとして設定される。
【0049】
図11に戻って説明を続ける。上記のようにして表示カメラの設定が完了すると、ライブ(リアルタイム)での表示を選択したか否かの判定が行わる(S37)。ライブが選択された場合には、表示カメラとして設定されたカメラ3の監視画像がライブ表示される(S38)。一方、ライブが選択されなかった場合には、再生を開始する日時の入力が行われ(S39)、表示カメラとして設定されたカメラ3の監視画像がその再生日時から再生表示される(S40)。
【0050】
図13は、監視画像が表示部7に表示されるときの一例を示す図である。図13の例では、表示基準カメラとの類似度が高い順(カメラA>カメラC>カメラI>カメラF)に、カメラの監視画像が並べて表示されている。この場合、表示画面が4分割されており、類似度が高い上位4つのカメラ(カメラA、C、I、F)の監視画像のみが表示される。
【0051】
このような本実施の形態の画像監視装置2によれば、監視画像の時間的な画像変化パターン(画像変化量の時間変化)に基づいて監視画像のグルーピングを自動的に行うことができ、複数の監視画像を表示するときのレイアウトの設定を容易に行うことが可能になる。
【0052】
すなわち、本実施の形態では、異なる監視領域に設置された複数のカメラ3でそれぞれ撮影された複数の監視画像について、画像変化量の時間変化のパターンが類似する監視画像に同じ属性情報が自動的に付与される。そして、複数の監視画像を表示部7に表示するときに、画像監視装置2の表示部7に表示されるべき監視画像が、属性情報に基づいて自動的に選択される。したがって、ユーザは、複数の監視画像を表示するときのレイアウトの設定を、属性情報を利用して容易に行うことができる。例えば、同じ属性情報の監視画像を選択して表示させることにより、様々な監視区画(建物や施設)の監視領域を撮影した監視画像の中から、同じような監視領域(出入口など)の監視画像を容易に抽出して表示させることができる。あるいは、異なる属性情報の監視画像を選択して表示させることにより、一つの監視区画の様々な監視領域を撮影した監視画像の中から、同じような監視領域の監視画像を省いて、異なる監視領域の監視画像を容易に抽出して表示させることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、複数の監視画像を表示部7に表示するときに、同じ属性情報の監視画像を選択して表示させることができる。例えば、様々な監視区画(建物や施設)の監視領域を撮影した監視画像の中から、同じような監視領域(出入口など)の監視画像を容易に抽出して表示させることが可能になる。
【0054】
また、本実施の形態では、ユーザが表示部7に表示させたい監視画像の属性情報を入力部6で指定すると、その属性情報と同じ属性情報が付与された監視画像が選択して表示される。このようにして、ユーザが表示させたい監視画像を容易に抽出して表示させることができる。
【0055】
また、本実施の形態では、ユーザが表示部7に表示させたい監視画像の基準となる基準画像を入力部6で指定すると、その基準画像の属性情報と同じ属性情報が付与された監視画像が選択して表示される。このようにして、ユーザが表示させたい監視画像を容易に抽出して表示させることができる。
【0056】
また、本実施の形態では、複数の監視画像を表示部7に表示するときに、異なる属性情報の監視画像を選択して表示させることができる。例えば、一つの監視区画の様々な監視領域を撮影した監視画像の中から、同じような監視領域の監視画像を省いて、異なる監視領域の監視画像を容易に抽出して表示させることが可能になる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明にかかる画像監視装置は、監視画像の時間的な画像変化パターン(画像変化量の時間変化)に基づいて監視画像のグルーピングを自動的に行うことができ、複数の監視画像を表示するときのレイアウトの設定を容易に行うことができるという効果を有し、画像監視システム等に用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 画像監視システム
2 画像監視装置
3 カメラ
4 表示端末
5 サーバ
6 入力部
7 表示部
8 通信部
9 変化情報生成部
10 属性付与部
11 表示処理部
12 制御部
13 記憶部
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