(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の板厚を有する複数の面を有するアングルまたはチャンネルを加工対象の材料とし、前記複数の面を平面状に展開した展開図に対し、前記複数の面の外面角部を展開補助線として設定し、前記材料の板厚に相当する範囲を、前記展開補助線を挟む一対の板厚線として設定し、前記材料に形成する穴またはノッチの加工範囲を設定した展開図データを準備する展開図データ準備ステップと、
前記加工範囲を前記展開補助線及び前記板厚線によって複数のブロックに分割し、前記展開図における前記展開補助線と前記一対の板厚線における一方の板厚線とに囲まれた部分と、前記展開補助線と前記一対の板厚線における他方の板厚線とに囲まれた部分をそれぞれ板厚エリアとし、前記板厚エリア以外を面エリアとして、前記面エリアに位置するブロックが存在し、かつ、前記展開補助線を挟んで隣り合う板厚エリアに位置するブロックが組となっている第1の条件を満たすとき、前記加工範囲は加工可であると判定し、前記第1の条件を満たさないとき、前記加工範囲は加工不可であると判定するブロックの組み合わせ判定ステップと、
前記複数の面におけるいずれかの面を加工開始面とし、前記複数の面における他の1または2の面を前記加工開始面の後に加工される後加工面とし、前記複数のブロックを、前記加工開始面の前記面エリアのブロックのみで形成される第1の加工グループと、前記後加工面の前記面エリアのブロックと前記後加工面に隣接する板厚エリアのブロックとで形成される第2の加工グループとにグループ分けし、異なる加工開始面のそれぞれで前記第1及び第2の加工グループにグループ分けしたとき、前記加工開始面のブロックの高さが予め設定された開口部最小高さ以上である第2の条件を満たすとき、前記加工範囲は加工可であると判定し、前記第2の条件を満たさないとき、前記加工範囲は加工不可であると判定する加工グループ判定ステップと、
前記加工グループ判定ステップにて前記加工範囲は加工可であると判定された加工開始面のいずれか1つを選択して、面ごとの加工範囲と加工順を決定する決定ステップと、
を含むことを特徴とする材料に対して複数の面に跨る穴またはノッチを形成する際の加工範囲及び加工順を決定する決定方法。
前記加工グループ判定ステップにて加工可であると判定されたそれぞれのグループ分けで、前記加工開始面に隣接する板厚エリアに、切断形状を制御できない要素を含むか否かを判定し、切断形状を制御できない要素を含まない第3の条件を満たすとき、前記加工範囲は加工可であると判定し、前記第3の条件を満たさないとき、前記加工範囲は加工不可であると判定する板厚エリアの要素判定ステップをさらに含み、
前記決定ステップは、前記加工グループ判定ステップにて前記加工範囲は加工可であると判定された加工開始面のうち、前記板厚エリアの要素判定ステップにて前記第3の条件を満たす加工開始面のいずれか1つを選択して、面ごとの加工範囲と加工順を決定する
ことを特徴とする請求項1記載の材料に対して複数の面に跨る穴またはノッチを形成する際の加工範囲及び加工順を決定する決定方法。
前記板厚エリアの要素判定ステップは、切断形状を制御できない板厚エリアに、切断されるべき箇所の前記展開補助線と平行方向の最小値と最大値との差の距離が所定の距離未満であるとき前記第3の条件を満たし、前記所定の距離以上であるとき、前記第3の条件を満たさないと判定することを特徴とする請求項2記載の材料に対して複数の面に跨る穴またはノッチを形成する際の加工範囲及び加工順を決定する決定方法。
板厚エリア以外の先に開ける開口部の前記展開補助線と平行方向の最小値及び最大値が、後から穴を開ける板厚エリアの前記展開補助線と平行方向の最小値及び最大値と、前記展開補助線と平行方向の同じ位置にあるか外側に位置している第4の条件を満たすか否かを判定する開口部と板厚部分との位置関係判定ステップをさらに含み、
前記決定ステップは、前記第4の条件を満たすか否かを考慮して加工開始面を選択し、面ごとの加工範囲と加工順を決定する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の材料に対して複数の面に跨る穴またはノッチを形成する際の加工範囲及び加工順を決定する決定方法。
前記加工グループ判定ステップは、前記第1及び第2の加工グループがそれぞれ複数の領域に分断されていない1つの領域になっている第5の条件を満たすとき、前記加工範囲は加工可であると判定し、前記第5の条件を満たさないとき、前記加工範囲は加工不可であると判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料に対して複数の面に跨る穴またはノッチを形成する際の加工範囲及び加工順を決定する決定方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】レーザ加工システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態で用いるアングルの端面平面図及び展開図である。
【
図3】一実施形態で用いるチャンネルの端面平面図及び展開図である。
【
図4】一実施形態による加工範囲及び加工順を決定する決定方法及び決定プログラムの概略的な手順を示すフローチャートである。
【
図5】アングルに形成する複数の面に跨る穴をブロックに分割した状態を示す図である。
【
図6】チャンネルに形成する複数の面に跨る穴をブロックに分割した状態を示す図である。
【
図7】面エリアに位置するブロックが存在しない場合に加工不可であると判定する理由を説明するための図である。
【
図8】面エリアに位置するブロックが存在する場合に加工可であると判定する理由を説明するための図である。
【
図9】チャンネルに所定の穴を開ける第1の例であり、加工可であると判定される例を示す図である。
【
図10】チャンネルに所定の穴を開ける第2の例であり、加工不可であると判定される例を示す図である。
【
図11】チャンネルに所定の穴を開ける第3の例であり、加工不可であると判定される例を示す図である。
【
図12】チャンネルに所定の穴を開ける第4の例であり、加工可であると判定される例を示す図である。
【
図13】チャンネルに所定の穴を開ける第5の例であり、加工不可であると判定される例を示す図である。
【
図14】チャンネルに所定の穴を開ける第6の例であり、加工不可であると判定される例を示す図である。
【
図15】アングルにおける各部の名称の定義を示す図である。
【
図16】チャンネルにおける各部の名称の定義を示す図である。
【
図17】アングルに、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin<USL1かつLMin>UMinなる関係を有する穴を開ける場合の加工グループの例を示す図である。
【
図18】チャンネルに、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin<USL1かつLMin≧MTL3なる関係を有する穴を開ける場合の加工グループの例を示す図である。
【
図19】チャンネルに、LMax≦MTL2かつLMax>USL2、LMin<USL2かつLMin>UMinなる関係を有する穴を開ける場合の加工グループの例を示す図である。
【
図20】チャンネルに、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin<USL2かつLMin>UMinなる関係を有する穴を開ける場合の加工グループの例を示す図である。
【
図21】アングルに、LMax=UMax、LMin<USL1かつLMin>UMinなる関係を有するノッチを形成する場合の加工グループの例を示す図である。
【
図22】アングルに、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin=UMinなる関係を有するノッチを形成する場合の加工グループの例を示す図である。
【
図23】チャンネルに、LMax=UMax、LMin<USL1かつLMin≧MTL3なる関係を有するノッチを形成する場合の加工グループの例を示す図である。
【
図24】チャンネルに、LMax≦MTL2かつLMax>USL2、LMin=UMinなる関係を有するノッチを形成する場合の加工グループの例を示す図である。
【
図25】チャンネルに、LMax=UMax、LMin<USL2かつLMin>UMinなる関係を有するノッチを形成する場合の加工グループの例を示す図である。
【
図26】チャンネルに、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin=UMinなる関係を有するノッチを形成する場合の加工グループの例を示す図である。
【
図27】最初に穴を開ける面エリアの高さが開口部最小高さ以上必要である理由を説明するための図である。
【
図28】最初に穴を開ける面エリアの高さが開口部最小高さ以上必要である理由を説明するための図である。
【
図29】アングルに穴を開ける場合に、90度面を加工開始面とした場合には最初に穴を開ける面エリアの高さが開口部最小高さ未満となって加工不可となり、180度面を加工開始面とした場合には最初に穴を開ける面エリアの高さが開口部最小高さ以上となって加工可となる例を示す図である。
【
図30】チャンネルに穴を開ける場合に、90度面,270度面を加工開始面とした場合には最初に穴を開ける面エリアの高さが開口部最小高さ未満となって加工不可となり、180度面を加工開始面とした場合には最初に穴を開ける面エリアの高さが開口部最小高さ以上となって加工可となる例を示す図である。
【
図31】1つの加工グループで加工する領域が複数に分断される場合には加工不可とする場合に、90度面と180度面のいずれを加工開始面としても加工不可となる例を示す図である。
【
図32】1つの加工グループで加工する領域が複数に分断される場合には加工不可とする場合に、90度面を加工開始面とした場合には加工可となり、180度面を加工開始面とした場合には加工不可となる例を示す図である。
【
図33】アングルに対してノッチを形成する場合に、90度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工可となり、180度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工不可となる例を示す図である。
【
図34】アングルに対してノッチを形成する場合に、90度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工可となり、180度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で警告となる例を示す図である。
【
図35】アングルに穴を開ける場合に、90度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工不可となり、180度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工可となる例を示す図である。
【
図36】アングルに穴を開ける場合に、90度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工可となり、180度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工不可となる例を示す図である。
【
図37】チャンネルに穴を開ける場合に、90度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工可となり、180度面及び270度面を加工開始面とした場合には板厚エリアの要素判定で加工不可となる例を示す図である。
【
図38】チャンネルに穴を開ける場合に、90度面を加工開始面として、270度面,180度面の順に加工する場合には板厚エリアの要素判定で加工可となり、それ以外では加工不可となる例を示す図である。
【
図39】先に開ける開口部のX方向の最小値FMinX及び最大値FMaxXと後から穴を開ける板厚部分の最小値BMinX及び最大値BMaxXの定義を説明するための図である。
【
図40】最小値FMinX及び最大値FMaxXと最小値BMinX及び最大値BMaxXとの組が2箇所存在する例を示す図である。
【
図41】アングルに対して
図34と同じ形状のノッチを形成する場合に、90度面を加工開始面とした場合にはFMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たし、180度面を加工開始面とした場合にはその関係を満たさないことを示す図である。
【
図42】アングルに対してノッチを形成する場合に、90度面を加工開始面とした場合にはFMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たさず、180度面を加工開始面とした場合にはその関係を満たす例を示す図である。
【
図43】アングルに対してノッチを形成する場合に、90度面を加工開始面とした場合にはFMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たさず、180度面を加工開始面とした場合にはその関係を満たす他の例を示す図である。
【
図44】アングルに対してノッチを形成する場合に、90度面を加工開始面とした場合でも180度面を加工開始面とした場合でもFMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たす例を示す図である。
【
図45】アングルに
図36と同じ形状の穴を開ける場合に、90度面を加工開始面とした場合にFMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たすことを示す図である。
【
図46】チャンネルに
図37と同じ形状の穴を開ける場合に、90度面を加工開始面とした場合にFMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たすことを示す図である。
【
図47】チャンネルに
図38と同じ形状の穴を開ける場合に、90度面を加工開始面として、270度面,180度面の順に加工する場合にFMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たすことを示す図である。
【
図48】一実施形態による加工範囲及び加工順を決定する決定方法及び決定プログラムの詳細な手順を示すフローチャートである。
【
図49】
図48に示すフローチャートによる判定によって加工不可となる例を示す図である。
【
図50】
図48に示すフローチャートによるポイントの設定及びポイントの合計に基づいた加工開始面の決定の第1例を示す図である。
【
図51】
図48に示すフローチャートによるポイントの設定及びポイントの合計に基づいた加工開始面の決定の第2例を示す図である。
【
図52】
図48に示すフローチャートによるポイントの設定及びポイントの合計に基づいた加工開始面の決定の第3例を示す図である。
【
図53】
図48に示すフローチャートによるポイントの設定及びポイントの合計に基づいた加工開始面の決定の第4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、材料に対して複数の面に跨る穴またはノッチを形成する際の加工範囲及び加工順を決定する決定方法及び決定プログラムの一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0011】
まず、
図1に示すCAM10とNC装置3とレーザ加工機4とよりなるレーザ加工システムを用いて、アングルまたはチャンネルである材料に複数の面に跨る穴またはノッチを形成する際に、面ごとに加工する加工範囲及び加工順を決定して材料を加工するまでの全体的な流れについて説明する。
【0012】
CAM10は、材料に複数の面に跨る穴またはノッチを形成する場合には、後述のようにして、個々の穴またはノッチを加工する際の加工範囲及び加工順を決定する。即ち、CAM10は、加工範囲・加工順決定装置1を含む。CAM10は、コンピュータプログラムを実行させることによって、加工範囲・加工順決定装置1の機能を実現することができる。
【0013】
穴またはノッチそれぞれの加工範囲及び加工順を決定した後、CAM10は材料に対するレーザ光による加工の軌跡を表す割付けデータを生成する。即ち、CAM10は、割付けデータ作成装置2を含む。同様に、CAM10は、コンピュータプログラムを実行させることによって、割付けデータ作成装置2の機能を実現することができる。CAM10は、割付けデータを機械制御コードであるNCデータに変換して、NC装置3に転送する。NC装置3は、NCデータに基づいてレーザ加工機4における材料の加工を制御する。
【0014】
以下、CAM10(加工範囲・加工順決定装置1)が、複数の面に跨る穴またはノッチを設ける際の加工範囲及び加工順をどのように決定するかについて説明する。まず、CAM10は、加工範囲及び加工順を決定するために、アングル及びチャンネルそれぞれの展開図を用いる。CAM10には、加工の対象となっているアングルまたはチャンネルの展開図データを作成して記憶させておく。
【0015】
CAM10は、展開図データを作成するためのCADの機能を備えていてもよい。CAM10がCADの機能を備えていない場合には、外部のCADによって展開図データを作成して、CAM10に供給すればよい。
【0016】
図2において、(a)はアングルA1の端面平面図、(b)はアングルA1の展開
図AD1を示している。アングルA1は、
図2の(a)における垂直方向のフランジA11と、水平方向のウェブA12とが略90度の角度で連結した形状である。このように、アングルA1における水平方向の面をウェブ、垂直方向の面をフランジと称することとする。アングルA1の内面角部はいわゆる内Rと称されている曲面部A1iRとなっている。
【0017】
アングルA1の外面角部P0を展開
図AD1における展開補助線USL1とする。ウェブA12の内面A12iと曲面部A1iRとの接続部P4からフランジA11の外面A11oまで伸ばした垂線が外面A11oと交差する交差部P1を、板厚線MTL1とする。フランジA11の内面A11iと曲面部A1iRとの接続部P3からウェブA12の外面A12oまで伸ばした垂線が外面A12oと交差する交差部P2を、板厚線MTL2とする。展開補助線USL1と板厚線MTL1とに挟まれた部分、及び、展開補助線USL1と板厚線MTL2とに挟まれた部分がアングルA1における板厚エリアである。
【0018】
なお、展開補助線USL1と板厚線MTL1との間の距離は、ウェブA12の板厚によって決まる。展開補助線USL1と板厚線MTL2との間の距離は、フランジA11の板厚によって決まる。
【0019】
図2の(b)に示す例は、アングルA1に円形状の穴H1と矩形状の穴H2を開け、ノッチN1を形成し、凹部C1を有する外形とした状態を示している。これらの穴H1,H2及びノッチN1は、1つの面内に形成されている。ここでは図示していないが、アングルA1にフランジA11及びウェブA12に跨る穴またはノッチを形成する場合には、穴またはノッチの加工範囲を設定しておく。
【0020】
図3において、(a)はチャンネルC1の端面平面図、(b)はチャンネルC1の展開
図CD1を示している。チャンネルC1は、
図3の(a)における垂直方向のフランジC11,C12とウェブC13とを連結した形状である。フランジC11の内面C11iとウェブC13の内面C13iとの内面角部は内Rの曲面部C1iR1となっている。フランジC12の内面C12iとウェブC13の内面C13iとの内面角部も内Rの曲面部C1iR2となっている。内面C11i,C12iは、所定のテーパ角度を有している。
【0021】
チャンネルC1の一方の外面角部P01を展開
図CD1における展開補助線USL1とする。チャンネルC1のもう一方の外面角部P02を展開
図CD1における展開補助線USL2とする。ウェブC13の内面C13iと曲面部C1iR1との接続部P14からフランジC11の外面C11oまで伸ばした垂線が外面C11oと交差する交差部P11を、板厚線MTL1とする。フランジC11の内面C11iと曲面部C1iR1との接続部P13からウェブC13の外面C13oまで伸ばした垂線が外面C13oと交差する交差部P12を、板厚線MTL2とする。
【0022】
ウェブC13の内面C13iと曲面部C1iR2との接続部P24からフランジC12の外面C12oまで伸ばした垂線が外面C12oと交差する交差部P21を、板厚線MTL4とする。フランジC12の内面C12iと曲面部C1iR2との接続部P23からウェブC13の外面C13oまで伸ばした垂線が外面C13oと交差する交差部P22を、板厚線MTL3とする。展開補助線USL1と板厚線MTL1とに挟まれた部分、展開補助線USL1と板厚線MTL2とに挟まれた部分、展開補助線USL2と板厚線MTL3とに挟まれた部分、展開補助線USL2と板厚線MTL4とに挟まれた部分がチャンネルC1における板厚エリアである。
【0023】
なお、展開補助線USL1と板厚線MTL1との間の距離と、展開補助線USL2と板厚線MTL4との間の距離は、ウェブC13の板厚によって決まる。展開補助線USL1と板厚線MTL2との間の距離は、フランジC11の板厚によって決まり、展開補助線USL2と板厚線MTL3との間の距離は、フランジC12の板厚によって決まる。
【0024】
図3の(b)に示す例は、チャンネルC1に円形状の穴H3と矩形状の穴H4を開け、ノッチN2を形成し、凹部C2を有する外形とした状態を示している。これらの穴H3,H4及びノッチN2は、1つの面内に形成されている。ここでは図示していないが、チャンネルC1にフランジC11,C12とウェブC13のうちの少なくとも2つの面に跨る穴またはノッチを形成する場合には、穴またはノッチの加工範囲を設定しておく。
【0025】
レーザ加工機4によって、アングルA1またはチャンネルC1に対して複数の面に跨る穴またはノッチを形成する場合には、CAM10は、概略して、
図4に示すような手順で材料を加工できるか否かを判定して、加工可能な場合に面ごとの加工範囲と加工順を決定する。
図4では図示を省略しているが、CAM10は、予め準備されて記憶させておいた加工の対象となっているアングルまたはチャンネルの展開図データを記憶部より読み込む。
【0026】
CAM10は、加工範囲と加工順を決定するための処理を開始させると、ステップS1にて、ブロックの組み合わせを判定する。CAM10は、ステップS2にて、それぞれの加工グループが加工可能な状態でグループになっているか否かを判定する。CAM10は、ステップS3にて、どの面から加工を開始すると切断形状を制御しながら加工できるかを判定するため、板厚エリアの要素を判定する。
【0027】
CAM10は、ステップS4にて、先に穴を開ける開口部と後から穴を開ける板厚部分との位置関係を判定する。CAM10は、ステップS1〜S4の判定結果に基づいて、材料を加工可能な場合には、ステップS5にて、面ごとの加工範囲と加工順を決定する。以下、ステップS1〜S5それぞれの手順を具体的に説明する。
【0028】
<ステップS1:ブロックの組み合わせ判定>
図5は、展開
図AD1より分かるように、アングルA1に対してフランジA11及びウェブA12にまたがる穴Ha1を開ける場合を示している。
図5に示すように、穴Ha1を展開補助線USL1及び板厚線MTL1,MTL2でブロックに分割して考える。穴Ha1は、板厚以外のエリアに位置する2つのブロックB0と、板厚エリアに位置するブロックB1,B2よりなる。ブロックB1は、フランジA11の平面における板厚エリアに位置するブロックである。ブロックB2は、ウェブA12の平面における板厚エリアに位置するブロックである。
【0029】
展開
図AD1における板厚以外のエリアを、フランジA11またはウェブA12の面のエリアである面エリアと称することとする。
【0030】
図6は、展開
図CD1より分かるように、チャンネルC1に対してフランジC11及びウェブC13にまたがる穴Hc1を開ける場合を示している。
図6に示すように、穴Hc1を展開補助線USL1,USL2及び板厚線MTL1,MTL2,MTL3,MTL4でブロックに分割して考える。穴Hc1は、板厚以外のエリアに位置する2つのブロックB0と、板厚エリアに位置するそれぞれ2つのブロックB1,B2よりなる。ブロックB1は、フランジC11,C12の平面における板厚エリアに位置するブロックである。ブロックB2は、ウェブC13の平面における板厚エリアに位置するブロックである。
【0031】
同様に、展開
図CD1における板厚以外のエリアを、フランジC11,C12またはウェブC13の面のエリアである面エリアと称することとする。
【0032】
このように、アングルA1やチャンネルC1に対して穴またはノッチを形成する場合に、CAM10は、穴またはノッチを、面エリアに位置するブロックと、板厚エリアに位置するブロックとに分ける。
【0033】
CAM10は、面エリアに位置するブロックが存在しない場合には、加工不可であると判定する。また、CAM10は、展開補助線USL1,USL2を挟んで隣り合う板厚エリアに位置するブロックが組となっていない場合には、加工不可であると判定する。CAM10は、これら以外の状態であれば加工可であると判定する。
【0034】
即ち、CAM10は、ステップS1にて、面エリアに位置するブロックが存在し、かつ、展開補助線USL1,USL2を挟んで隣り合う板厚エリアに位置するブロックが組となっている第1の条件を満たすとき、穴またはノッチの加工範囲は加工可であると判定する。CAM10は、ステップS1にて、第1の条件を満たさないとき、穴またはノッチの加工範囲は加工不可であると判定する。
【0035】
図7を用いて、面エリアに位置するブロックが存在しない場合に加工不可であると判定する理由を説明する。
図7の(a),(c)に示す展開
図AD1より分かるように、アングルA1に板厚エリアに位置するブロックB1,B2のみよりなる穴Ha2を開けるとする。
図7の(b)に示すように、90度面のフランジA11からレーザ加工機4のヘッド40によってブロックB1,B2にレーザ光を照射しても、板厚エリアを切断することはできない。同様に、
図7の(d)に示すように、180度面のウェブA12からヘッド40によってブロックB1,B2にレーザ光を照射しても、板厚エリアを切断することはできない。
【0036】
図7の(b),(d)に示す側面図では、アングルA1におけるフランジA11及びウェブA12端部の曲面形状や内面角部の曲面部A1iRを省略して、形状を簡略化した状態を示している。
図8以降も同様である。
【0037】
図8を用いて、面エリアに位置するブロックが存在する場合に加工可であると判定する理由を説明する。
図8の(a)に示す展開
図AD1より分かるように、アングルA1に、面エリアに位置するブロックB0と板厚エリアに位置するブロックB1,B2よりなる穴Ha3を開けるとする。
図8の(b)に示すように、90度面のフランジA11からヘッド40によってブロックB0を切断すると、
図8の(c)に示すように、ブロックB0の部分には穴HB0が開く。すると、板厚エリアに位置するブロックB1,B2の部分は薄くなるので、ブロックB1,B2を切断することが可能となる。
【0038】
CAM10が、展開補助線USL1,USL2を挟んで隣り合う板厚エリアに位置するブロックが組となっていない場合には、加工不可であると判定する理由を説明する。
図8の(c)より分かるように、ヘッド40によってブロックB2にレーザ光を照射すれば、ブロックB1も切断される。同様に、ブロックB1にレーザ光を照射すれば、ブロックB2も切断される。ブロックB2を切断せずブロックB1のみを切断することはできず、ブロックB1を切断せずブロックB2のみを切断することはできない。
【0039】
従って、アングルA1の場合には、板厚エリアに位置するブロックB1,B2が組となっていることが必要である。チャンネルC1の場合には、フランジC11,C12の板厚エリアに位置するブロックB1とウェブC13の板厚エリアに位置するブロックB2とが組となっていることが必要である。
【0040】
図9〜
図14にブロックの組み合わせ判定の例を示す。
図9は、展開
図CD1より分かるように、チャンネルC1に対して矩形状ではない穴Hc2,Hc3を開ける場合を示している。穴が矩形状ではない場合には、穴Hc2,Hc3を一点鎖線で囲んでいるように、穴をバウンディングで考える。穴Hc2,Hc3をバウンディングで考えてブロックに分割した矢印右に示す図より分かるように、
図9の場合には、面エリアに位置するブロックが存在し、板厚エリアに位置するブロックが組となっている。従って、CAM10は加工可であると判定する。
【0041】
図10は、チャンネルC1に対して矩形状ではない穴Hc4,Hc5を開ける場合を示している。穴Hc4,Hc5をバウンディングで考えてブロックに分割した矢印右に示す図より分かるように、
図10の場合には、面エリアに位置するブロックが存在するものの、穴Hc5において板厚エリアに位置するブロックが組となっていない。従って、CAM10は加工不可であると判定する。
【0042】
図11は、チャンネルC1に対して矩形状の穴Hc6を開ける場合を示している。ブロックに分割した矢印右に示す図より分かるように、
図11の場合には、板厚エリアに位置するブロックが組となっていない部分があるため、CAM10は加工不可であると判定する。
図12は、チャンネルC1に対して矩形状の穴Hc7を開ける場合を示している。ブロックに分割した矢印右に示す図より分かるように、
図12の場合には、面エリアに位置するブロックが存在し、板厚エリアに位置するブロックが組となっている。従って、CAM10は加工可であると判定する。
【0043】
図13は、チャンネルC1に対して矩形状の穴Hc8を開ける場合を示している。ブロックに分割した矢印右に示す図より分かるように、
図13の場合には、板厚エリアに位置するブロックが組となっているものの、面エリアに位置するブロックが存在しないため、CAM10は加工不可であると判定する。
図14は、チャンネルC1に対して矩形状の穴Hc9を開ける場合を示している。ブロックに分割した矢印右に示す図より分かるように、
図14の場合には、板厚エリアに位置するブロックが組となっていないため、CAM10は加工不可であると判定する。
【0044】
<ステップS2:加工グループの判定>
CAM10は、板厚エリアに位置する組となっているブロックが同時に加工されることを考慮して、加工する面ごとに加工グループを形成する。後述のように、加工を開始できる面は複数存在する場合がある。加工を開始する面が異なれば、異なる加工グループが形成されることになる。なお、加工を開始する面は必ず面エリアの面となる。CAM10は、最初に穴を開ける面エリアの高さYが開口部最小高さ(Open Hole Minimum Height)以上であるかを確認する。以下、開口部最小高さをHMHと略記する。HMHの詳細についても後述する。
【0045】
CAM10は、最初に穴を開ける面エリアの高さYがHMH未満であれば、加工不可であると判定する。CAM10は、これら以外の状態であれば加工可であると判定する。加工を開始できる面が複数存在する場合には、それぞれの面から加工を開始する場合のそれぞれで加工可・不可を判定する。
【0046】
まず、アングルA1またはチャンネルC1に穴やノッチを設ける際のパターンを分類分けするために、展開
図AD1,CD1における各部の名称を
図15,
図16に示すように定義することとする。
図15はアングルA1における名称の定義、
図16はチャンネルC1における名称の定義を示している。
【0047】
図15に示すように、アングルA1の展開
図AD1において、下端部を展開図の最小値UMin、上端部を展開図の最大値UMaxとする。
図2で説明した展開補助線USL1を第1展開補助線USL1、板厚線MTL1と板厚線MTL2をそれぞれ第1板厚線MTL1と第2板厚線MTL2と称することとする。穴またはノッチの軌跡の下端部を軌跡の最小値LMin、上端部を軌跡の最大値LMaxとする。
【0048】
図16に示すように、チャンネルC1の展開
図CD1において、同様に、下端部を展開図の最小値UMin、上端部を展開図の最大値UMaxとする。
図3で説明した展開補助線USL1を第1展開補助線USL1、展開補助線USL2を第2展開補助線USL2、板厚線MTL1と板厚線MTL2を第1板厚線MTL1と第2板厚線MTL2、板厚線MTL3と板厚線MTL4を第3板厚線MTL3と第4板厚線MTL4と称することとする。同様に、穴またはノッチの軌跡の下端部を軌跡の最小値LMin、上端部を軌跡の最大値LMaxとする。
【0049】
図17の(a)は、アングルA1に、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin<USL1かつLMin>UMinなる関係を有する穴Ha10を開けるパターンAH1を示している。パターンAH1の場合には、
図17の(b)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工することができる。LMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、USL1〜LMinの範囲が加工グループ番号2である。クロスハッチを付したMTL1〜USL1の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。以下同様に、クロスハッチを付した領域は、所定の加工グループ番号による加工によって受動的に加工される部分である。
【0050】
また、パターンAH1の場合には、
図17の(c)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に90度面を加工することができる。MTL2〜LMinの範囲が加工グループ番号1、LMax〜USL1の範囲が加工グループ番号2である。USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0051】
図18の(a)は、チャンネルC1に、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin<USL1かつLMin≧MTL3なる関係を有する穴Hc10を開けるパターンCH1を示している。パターンCH1の場合には、
図18の(b)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工することができる。LMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、USL1〜LMinの範囲が加工グループ番号2である。MTL1〜USL1の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0052】
また、パターンCH1の場合には、
図18の(c)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に90度面を加工することができる。MTL2〜LMinの範囲が加工グループ番号1、LMax〜USL1の範囲が加工グループ番号2である。USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0053】
図19の(a)は、チャンネルC1に、LMax≦MTL2かつLMax>USL2、LMin<USL2かつLMin>UMinなる関係を有する穴Hc20を開けるパターンCH2を示している。パターンCH2の場合には、
図19の(b)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に270度面を加工することができる。LMax〜MTL3の範囲が加工グループ番号1、USL2〜LMinの範囲が加工グループ番号2である。MTL3〜USL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0054】
また、パターンCH2の場合には、
図19の(c)に示すように、270度面を加工開始面とし、次に180度面を加工することができる。MTL4〜LMinの範囲が加工グループ番号1、LMax〜USL2の範囲が加工グループ番号2である。USL2〜MTL4の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0055】
図20の(a)は、チャンネルC1に、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin<USL2かつLMin>UMinなる関係を有する穴Hc30を開けるパターンCH3を示している。パターンCH3の場合には、
図20の(b)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工し、最後に270度面を加工することができる。LMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、USL1〜MTL3の範囲が加工グループ番号2、USL2〜LMinの範囲が加工グループ3である。MTL1〜USL1の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、MTL3〜USL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0056】
また、パターンCH3の場合には、
図20の(c)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に270度面を加工し、最後に90度面を加工することができる。MTL2〜MTL3の範囲が加工グループ番号1、USL2〜LMinの範囲が加工グループ番号2、LMax〜USL1の範囲が加工グループ番号3である。MTL3〜USL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0057】
さらに、パターンCH3の場合には、
図20の(d)に示すように、270度面を加工開始面とし、次に180度面を加工し、最後に90度面を加工することができる。MTL4〜LMinの範囲が加工グループ番号1、MTL2〜USL2の範囲が加工グループ番号2、LMax〜USL1の範囲が加工グループ番号3である。USL2〜MTL4の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0058】
さらにまた、パターンCH3の場合には、
図20の(e)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に270度面を加工し、最後に180度面を加工することができる。LMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、MTL4〜LMinの範囲が加工グループ番号2、USL1〜USL2の範囲が加工グループ番号3である。MTL1〜USL1及びUSL2〜MTL4の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0059】
図21の(a)は、アングルA1に、LMax=UMax、LMin<USL1かつLMin>UMinなる関係を有するノッチNa10を形成するパターンAN1を示している。パターンAN1の場合には、
図21の(b)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工することができる。UMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、USL1〜LMinの範囲が加工グループ番号2である。MTL1〜USL1の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0060】
また、パターンAN1の場合には、
図21の(c)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に90度面を加工することができる。MTL2〜LMinの範囲が加工グループ番号1、UMax〜USL1の範囲が加工グループ番号2である。USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0061】
図22の(a)は、アングルA1に、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin=UMinなる関係を有するノッチNa20を形成するパターンAN2を示している。パターンAN2の場合には、
図22の(b)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工することができる。LMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、USL1〜UMinの範囲が加工グループ番号2である。MTL1〜USL1の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0062】
また、パターンAN2の場合には、
図22の(c)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に90度面を加工することができる。MTL2〜UMinの範囲が加工グループ番号1、LMax〜USL1の範囲が加工グループ番号2である。USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0063】
図23の(a)は、チャンネルC1に、LMax=UMax、LMin<USL1かつLMin≧MTL3なる関係を有するノッチNc10を形成するパターンCN1を示している。パターンCN1の場合には、
図23の(b)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工することができる。UMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、USL1〜LMinの範囲が加工グループ番号2である。MTL1〜USL1の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0064】
また、パターンCN1の場合には、
図23の(c)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に90度面を加工することができる。MTL2〜LMinの範囲が加工グループ番号1、UMax〜USL1の範囲が加工グループ番号2である。USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0065】
図24の(a)は、チャンネルC1に、LMax≦MTL2かつLMax>USL2、LMin=UMinなる関係を有するノッチNc20を形成するパターンCN2を示している。パターンCN2の場合には、
図24の(b)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に270度面を加工することができる。LMax〜MTL3の範囲が加工グループ番号1、USL2〜UMinの範囲が加工グループ番号2である。MTL3〜USL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0066】
また、パターンCN2の場合には、
図24の(c)に示すように、270度面を加工開始面とし、次に180度面を加工することができる。MTL4〜UMinの範囲が加工グループ番号1、LMax〜USL2の範囲が加工グループ番号2である。USL2〜MTL4の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工される。
【0067】
図25の(a)は、チャンネルC1に、LMax=UMax、LMin<USL2かつLMin>UMinなる関係を有するノッチNc30を形成するパターンCN3を示している。パターンCN3の場合には、
図25の(b)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工し、最後に270度面を加工することができる。UMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、USL1〜MTL3の範囲が加工グループ番号2、USL2〜LMinの範囲が加工グループ3である。MTL1〜USL1の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、MTL3〜USL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0068】
また、パターンCN3の場合には、
図25の(c)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に270度面を加工し、最後に90度面を加工することができる。MTL2〜MTL3の範囲が加工グループ番号1、USL2〜LMinの範囲が加工グループ番号2、UMax〜USL1の範囲が加工グループ番号3である。MTL3〜USL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0069】
さらに、パターンCN3の場合には、
図25の(d)に示すように、270度面を加工開始面とし、次に180度面を加工し、最後に90度面を加工することができる。MTL4〜LMinの範囲が加工グループ番号1、MTL2〜USL2の範囲が加工グループ番号2、UMax〜USL1の範囲が加工グループ番号3である。USL2〜MTL4の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0070】
さらにまた、パターンCN3の場合には、
図25の(e)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に270度面を加工し、最後に180度面を加工することができる。UMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、MTL4〜LMinの範囲が加工グループ番号2、USL1〜USL2の範囲が加工グループ番号3である。MTL1〜USL1及びUSL2〜MTL4の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0071】
図26の(a)は、チャンネルC1に、LMax<UMaxかつLMax>USL1、LMin=UMinなる関係を有するノッチNc40を形成するパターンCN4を示している。パターンCN4の場合には、
図26の(b)に示すように、270度面を加工開始面とし、次に180度面を加工し、最後に90度面を加工することができる。MTL4〜UMinの範囲が加工グループ番号1、MTL2〜USL2の範囲が加工グループ番号2、LMax〜USL1の範囲が加工グループ3である。USL2〜MTL4の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0072】
また、パターンCN4の場合には、
図26の(c)に示すように、180度面を加工開始面とし、次に270度面を加工し、最後に90度面を加工することができる。MTL2〜MTL3の範囲が加工グループ番号1、USL2〜UMinの範囲が加工グループ番号2、LMax〜USL1の範囲が加工グループ番号3である。MTL3〜USL2の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、USL1〜MTL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0073】
さらに、パターンCN4の場合には、
図26の(d)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工し、最後に270度面を加工することができる。LMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、USL1〜MTL3の範囲が加工グループ番号2、USL2〜UMinの範囲が加工グループ番号3である。MTL1〜USL1の範囲は、加工グループ番号2を加工することによって併せて加工され、MTL3〜USL2の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0074】
さらにまた、パターンCN4の場合には、
図26の(e)に示すように、90度面を加工開始面とし、次に270度面を加工し、最後に180度面を加工することができる。LMax〜MTL1の範囲が加工グループ番号1、MTL4〜UMinの範囲が加工グループ番号2、USL1〜USL2の範囲が加工グループ番号3である。MTL1〜USL1及びUSL2〜MTL4の範囲は、加工グループ番号3を加工することによって併せて加工される。
【0075】
ここで、
図27,
図28を用いて、最初に穴を開ける面エリアの高さYがHMH以上必要である理由を説明する。HMHを例えば20mmと設定する。HMHは、材料の材質、板厚、レーザ光の強度に応じて最適な値を設定すればよい。
【0076】
図27の(a)は、
図17で説明したパターンAH1である。90度面を加工開始面とし、LMax〜MTL1が15mmであるとする。
図27の(b)に示すように、まず、ヘッド40によるレーザ光の照射によって、90度面のLMax〜MTL1の範囲に穴を開け、次に、180度面のUSL1〜LMinの範囲にレーザ光を照射したとする。90度面に開けたLMax〜MTL1の範囲の穴の高さが、最初に穴を開けた面エリアの高さYである。
【0077】
高さYがHMHに設定している20mmより小さい15mmであるため、
図27の(c)に示すように、90度面の穴を開けた部分の端面がレーザ光の照射によって溶けてしまう。よって、最初に穴を開ける面エリアの高さYがHMH未満であれば、加工不可であると判定することが必要である。
【0078】
一方、
図28の(a)は、180度面を加工開始面とし、MTL2〜LMinが45mmであるとする。
図28の(b)に示すように、まず、ヘッド40によるレーザ光の照射によって、180度面のMTL2〜LMinの範囲に穴を開け、次に、90度面のLMax〜USL1の範囲にレーザ光を照射する。この場合、高さYがHMH以上であるため、180度面の穴を開けた部分の端面がレーザ光の照射によって溶けることはない。なお、高さYがHMH未満であるか否かの判定を使用しない場合には、HMHを0とすればよい。
【0079】
図29,
図30を用いて、ステップS2における加工グループの判定の例を説明する。
図29の(a)は、
図17の(a)と同じであり、アングルA1に穴Ha10を開けるパターンAH1を示している。この場合、加工する面ごとに加工グループを形成すると、加工する面の順番は
図29の(b)または(c)のいずれかとなる。
図29の(b)は、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工する順番である。
図29の(c)は、180度面を加工開始面とし、次に90度面を加工する順番である。
【0080】
図29の(b)の場合には、最初に穴を開ける面エリアの高さYが15mmである。本実施形態では、HMHは20mmに設定されている。従って、CAM10は、高さYがHMH以上ではないと判定して加工不可であると判定する。加工不可であることを×で表す。
図29の(c)の場合には、高さYが30mmであるので、CAM10は、高さYがHMH以上であると判定して加工可であると判定する。加工可であることを○で表す。
【0081】
図30の(a)は、
図20の(a)と同じであり、チャンネルC1に穴Hc30を開けるパターンCH3を示している。この場合、加工する面ごとに加工グループを形成すると、加工する面の順番は
図30の(b),(c),(d),(e)のいずれかとなる。
図30の(b)は、90度面を加工開始面とし、180度面、270度面の順に加工するパターンである。
図30の(c)は、180度面を加工開始面とし、270度面、90度面の順に加工するパターンである。
図30の(d)は、270度面を加工開始面とし、180度面、90度面の順に加工するパターンである。
図30の(e)は、90度面を加工開始面とし、270度面、180度面の順に加工するパターンである。
【0082】
図30の(b),(d),(e)の場合には、最初に穴を開ける面エリアの高さYが10mmであるので、CAM10は加工不可であると判定する。
図30の(c)の場合には、高さYが25mmであるので、CAM10は加工可であると判定する。
【0083】
以上のように、CAM10は、ステップS1にて分割した複数のブロックを、ステップS2にて次のようにグループ分けする。CAM10は、複数の面エリアにおけるいずれかの面を加工開始面とし、複数の面における他の1または2の面を加工開始面の後に加工される後加工面とする。
【0084】
CAM10は、複数のブロックを、加工開始面の面エリアのブロックのみで形成される第1の加工グループと、後加工面の面エリアのブロックと後加工面に隣接する板厚エリアのブロックとで形成される第2の加工グループとにグループ分けする。チャンネルC1の場合には、第2の加工グループが2つ存在する。CAM10は、異なる加工開始面のそれぞれで第1及び第2の加工グループにグループ分けする。
【0085】
そして、CAM10は、ステップS2にて、高さYがHMH以上である第2の条件を満たすとき、穴またはノッチの加工範囲は加工可であると判定する。CAM10は、ステップS2にて、第2の条件を満たさないとき、穴またはノッチの加工範囲は加工不可であると判定する。
【0086】
CAM10は、ステップS2の加工グループの判定において、付加的に、1つの加工グループ内で加工する領域が分かれてしまう場合は、加工不可であると判定してもよい。これは、穴やノッチのパターンが複雑になるためである。
図31,
図32は、1つの加工グループ内で加工する領域が分かれてしまう場合に加工不可であると判定する例である。
【0087】
図31の(a)は、
図21の(a)に示すパターンAN1に相当するものの、アングルA1に対して、矩形状のノッチNa10ではなく凹部C11を有する形状のノッチNa11を形成するパターンを示している。凹部C11の底部C11bは、第1展開補助線USL1よりも上方に位置している。この場合、ノッチNa11を面エリアに位置するブロックB0と板厚エリアに位置するブロックB1,B2とに分割し、上述したように加工する面ごとに加工グループを形成すると、加工する面の順番は
図31の(b)または(c)のいずれかとなる。
【0088】
図31の(b)は、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工する順番である。
図31の(c)は、180度面を加工開始面とし、次に90度面を加工する順番である。
図31の(b),(c)のいずれも、1つの加工グループ内で加工する領域が2つに分かれてしまう。加工の複雑化を避ける場合には、CAM10は加工不可であると判定してもよい。
【0089】
図32の(a)は、アングルA1に対して、
図29の(a)に示すノッチNa11が有する凹部C11よりも浅い凹部C12を有する形状のノッチNa12を形成するパターンを示している。凹部C12の底部C12bは、第1展開補助線USL1よりも下方に位置している。この場合、加工する面ごとに加工グループを形成すると、加工する面の順番は
図32の(b)または(c)のいずれかとなる。
【0090】
図32の(b)は、90度面を加工開始面とし、次に180度面を加工する順番である。
図32の(c)は、180度面を加工開始面とし、次に90度面を加工する順番である。
図32の(b)の場合には、1つの加工グループ内で加工する領域はそれぞれ1つであるので、CAM10は加工可であると判定する。
図32の(c)の場合には、180度面の加工グループ内で加工する領域が2つに分かれてしまう。加工の複雑化を避ける場合には、CAM10は加工不可であると判定してもよい。
【0091】
このように、CAM10は、ステップS2にて、第1及び第2の加工グループがそれぞれ複数の領域に分断されていない1つの領域になっているという条件を満たさないとき、穴またはノッチの加工範囲は加工不可であると判定してもよい。
【0092】
<ステップS3:板厚エリアの要素判定>
CAM10は、板厚エリアの要素判定に基づいて、どの面から加工を開始すると加工が成立するかを判定する。具体的には、CAM10は、ステップS2にて加工可であると判定された加工グループにおいて、切断形状を制御できない板厚エリアの要素を含むか否かを判定する。加工を開始できる面が複数存在する場合には、それぞれの面から加工を開始する場合のそれぞれで切断形状を制御できない板厚エリアの要素を含むか否かを判定する。切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素が存在する場合には加工が成立せず、その部分は未切断となって加工不良となる。
【0093】
第2の加工グループを加工することよって後加工面の面エリアと併せて加工される板厚エリアに隣接する板厚エリアは、切断形状を制御できない板厚エリアである。CAM10は、切断形状を制御できない板厚エリアに、X成分が0.5mm以上の要素が存在するか否かを判定する。
図33の(a)にX方向,Y方向を示す。X方向は、アングルA1の展開
図AD1の第1展開補助線USL1やチャンネルC1の展開
図CD1の第1展開補助線USL1,第2展開補助線USL2と平行な方向である。X成分とは、切断形状を制御できない板厚エリアにおいて、本来であれば切断されるべき箇所のX方向の最小値と最大値との差の距離である。
【0094】
CAM10は、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素が存在する場合には加工不可であると判定する。CAM10は、板厚エリアにX成分が0より大きく0.5mm未満の要素が存在する場合には、例えばCAM10が備える図示していない表示部に警告情報を表示させる。警告処理は、表示部に警告情報を表示させる以外に音声による警告であってもよく、両者を組み合わせてもよい。CAM10は、これら以外の状態であれば加工可であると判定する。
【0095】
なお、警告情報を表示させた後に、加工範囲及び加工順を決定する処理を継続させる指示がなされた場合には、CAM10は、加工可の判定と同様に以降の処理を実行させる。
【0096】
CAM10は、ステップS3にて、加工開始面に隣接する板厚エリアに、切断形状を制御できない要素を含むか否かを判定し、切断形状を制御できない要素を含まない第3の条件を満たすとき、穴またはノッチの加工範囲は加工可であると判定する。CAM10は、ステップS3にて、第3の条件を満たさないとき穴またはノッチの加工範囲は加工不可であると判定する。
【0097】
図33〜
図38を用いて、ステップS3における加工開始面の判定の例を説明する。
図33の(a)は、アングルA1に対して、長方形と略三角形とを連結させたような形状のノッチNa13を形成するパターンを示している。ステップS2における加工グループの判定によって、加工する面の順番は
図33の(b)または(c)のいずれかとなる。90度面を加工開始面とした
図33の(b)の場合には、板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素は存在しない。よって、CAM10は、加工可であると判定する。
【0098】
180度面を加工開始面とした
図33の(c)の場合には、切断形状を制御できない板厚エリアにおいて、本来であれば切断されるべき箇所は破線で示す位置である。
図33の(c)に、本来であれば切断されるべき左側の破線で示す箇所と右側の破線で示す箇所のそれぞれ、X方向の最小値MinXとX方向の最大値MaxXを示している。
図33の(c)の場合には、最小値MinXと最大値MaxXとの差の距離であるX成分として0.5mm以上の要素が存在する。よって、CAM10は、加工不可であると判定する。
【0099】
CAM10は、ステップS3にて、X成分が所定の距離未満(本実施形態では0.5mm)未満であるとき、切断形状を制御できない要素を含まないとして第3の条件を満たすと判定する。
【0100】
図34の(a)は、アングルA1に対して、長方形と台形とを連結させたような形状のノッチNa14を形成するパターンを示している。ステップS2における加工グループの判定によって、加工する面の順番は
図34の(b)または(c)のいずれかとなる。90度面を加工開始面とした
図34の(b)の場合には、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素は存在しない。よって、CAM10は、加工可であると判定する。180度面を加工開始面とした
図34の(c)の場合には、X成分として0を超える0.5mm未満の要素が存在する。この場合、CAM10は、警告処理を実行させる。X成分として0を超える0.5mm未満の要素が存在する警告対象の状態を□で表す。
【0101】
図35の(a)は、アングルA1に図示のような形状の穴Ha11を開けるパターンを示している。ステップS2における加工グループの判定によって、加工する面の順番は
図35の(b)または(c)のいずれかとなる。90度面を加工開始面とした
図35の(b)の場合には、破線で示すように、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素が存在する。よって、CAM10は加工不可であると判定する。180度面を加工開始面とした
図35の(c)の場合には、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素は存在しない。よって、CAM10は加工可であると判定する。
【0102】
図36の(a)は、アングルA1に図示のような形状の穴Ha12を開けるパターンを示している。ステップS2における加工グループの判定によって、加工する面の順番は
図36の(b)または(c)のいずれかとなる。90度面を加工開始面とした
図36の(b)の場合には、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素は存在しない。よって、CAM10は加工可であると判定する。180度面を加工開始面とした
図35の(c)の場合には、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素が存在する。よって、CAM10は加工不可であると判定する。
【0103】
図37の(a)は、チャンネルC1に図示のような形状の穴Hc31を開けるパターンを示している。ステップS2における加工グループの判定によって、加工する面の順番は
図37の(b),(c),(d)のいずれかとなる。
図37の(b)の場合には、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素は存在しない。よって、CAM10は加工可であると判定する。
図37の(c),(d)の場合には、破線で示すように、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素が存在する。よって、CAM10は加工不可であると判定する。
【0104】
図38の(a)は、チャンネルC1に図示のような形状の穴Hc32を開けるパターンを示している。ステップS2における加工グループの判定によって、加工する面の順番は
図38の(b)〜(e)のいずれかとなる。
図38の(b)〜(d)の場合には、破線で示すように、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素が存在する。よって、CAM10は加工不可であると判定する。
図38の(e)の場合には、切断形状を制御できない板厚エリアにX成分が0.5mm以上の要素は存在しない。よって、CAM10は加工可であると判定する。
【0105】
<ステップS4:先に開ける開口部と後から穴を開ける板厚部との位置関係判定>
CAM10は、板厚エリア以外の先に開ける開口部のX方向の最小値FMinX及び最大値FMaxXと、後から穴を開ける板厚エリアの最小値BMinX及び最大値BMaxXとを比較することによって、未切断となり得る要素が存在するか否かを判定する。CAM10は、FMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たすとき、未切断となり得る要素は存在せず、適切な加工が可能であると判定する。
【0106】
CAM10は、上記の関係を満たさないとき、未切断となり得る要素は存在するものの、加工不可とはせず、選択肢の候補として残す。これは、上記の関係を満たさない場合でも、切断形状を制御できているからである。
【0107】
図39は、アングルA1に対して図示のような形状のノッチNa15を形成するパターンを示している。展開
図AD1の破線で囲んだ部分を左右に拡大して示している。90度面を加工開始面とすると、先に開ける開口部のX方向の最小値FMinX及び最大値FMaxXは、それぞれ●で示す位置となる。次に、180度面を加工すると、後から穴を開ける板厚部分の最小値BMinX及び最大値BMaxXは、それぞれ太線の下端部の位置となる。太線を囲む一点鎖線はバウンディングを示している。
図39に示すノッチNa15の場合には、上記の関係を満たしていない。
【0108】
図40は
図38と同じであり、チャンネルC1に穴Hc32を開けるパターンを示している。この場合には、先に開けた開口部のX方向の最小値FMinX及び最大値FMaxXと、後から穴を開ける板厚エリアの最小値BMinX及び最大値BMaxXとの組は、2箇所存在している。このように、最小値FMinX及び最大値FMaxXと最小値BMinX及び最大値BMaxXとの組が複数箇所存在する場合には、それぞれの箇所において、CAM10は、上記の関係を満たすか否かを判定する。
【0109】
図41〜
図47を用いて、ステップS4における先に開ける開口部と後から穴を開ける板厚部との位置関係判定の例を説明する。
図41の(a)〜(c)は
図34の(a)〜(c)と同じである。
図41の(b)の場合には、
図41の(d)に示すように、上記の関係を満たす。上記の関係を満たす状態を○で表す。
図41の(c)の場合には、
図41の(e)に示すように、上記の関係を満たさない。上記の関係を満たさない状態を△で表す。
【0110】
図42の(a)は、アングルA1に対して図示のような形状のノッチNa16を形成するパターンを示している。この場合、ステップS3において、90度面を加工開始面とすると
図42の(b)に示すように加工可となり、180度面を加工開始面とすると
図42の(c)に示すように警告対象となる。
図42の(b)の場合には、
図42の(d)に示すように、上記の関係を満たさない。
図42の(c)の場合には、
図42の(e)に示すように、上記の関係を満たす。
【0111】
図43の(a)は、アングルA1に対してノッチNa15を形成するパターンを示している。この場合、ステップS3において、90度面を加工開始面とすると
図43の(b)に示すように加工可となり、180度面を加工開始面とすると
図43の(c)に示すように警告対象となる。
図43の(b)の場合には、
図43の(d)に示すように、上記の関係を満たさない。
図43の(c)の場合には、
図43の(e)に示すように、上記の関係を満たす。
【0112】
図44の(a)は、アングルA1に対して図示のような形状のノッチNa17を形成するパターンを示している。この場合、ステップS3において、
図44の(b),(c)に示すように、90度面を加工開始面としても180度面を加工開始面としても警告対象となる。
図44の(b),(c)いずれの場合も、
図44の(d),(e)に示すように上記の関係を満たす。
【0113】
図45の(a)〜(c)は、
図36の(a)〜(c)と同じである。
図45の(b)の場合には、
図45の(d)に示すように、上記の関係を満たす。
図45の(c)では加工不可であるため、ステップS4の判定を行わない。
【0114】
図46の(a),(b)は、
図37の(a),(b)と同じである。
図46の(b)の場合には、
図46の(c)に示すように、2箇所それぞれにおいて上記の関係を満たす。
図47の(a),(b)は、
図38の(a),(e)と同じである。
図47の(b)の場合には、
図47の(c)に示すように、2箇所それぞれにおいて上記の関係を満たす。
【0115】
図41〜
図45の例では、加工グループ番号1による加工が板厚エリア以外の先に開ける開口部を形成し、加工グループ番号2による加工が後から穴を開ける板厚エリアに穴を開ける。
図46の例では、加工グループ番号1による加工が板厚エリア以外の先に開ける開口部を形成し、加工グループ番号2による加工が後から穴を開ける板厚エリアに穴を開ける。これに加えて、
図46の例では、加工グループ番号2による加工が板厚エリア以外の先に開ける開口部を形成し、加工グループ番号3による加工が後から穴を開ける板厚エリアに穴を開ける。
【0116】
図47の例では、加工グループ番号1による加工が板厚エリア以外の先に開ける開口部を形成し、加工グループ番号3による加工が後から穴を開ける板厚エリアに穴を開ける。これに加えて、
図47の例では、加工グループ番号2による加工が板厚エリア以外の先に開ける開口部を形成し、加工グループ番号3による加工が後から穴を開ける板厚エリアに穴を開ける。
【0117】
CAM10は、ステップS4にて、板厚エリア以外の先に開ける開口部のX方向の最小値FMinX及び最大値FMaxXが、後から穴を開ける板厚エリアのX方向の最小値BMinX及び最大値BMaxXと、X方向の同じ位置にあるか外側に位置している第4の条件を満たすか否かを判定する。そして、CAM10は、後述するステップ5にて、第4の条件を満たすか否かを考慮して加工開始面を選択し、面ごとの加工範囲と加工順を決定する。
【0118】
<ステップS5:面ごとの加工範囲と加工順の決定>
CAM10は、ステップS1にて加工可であると判定され、ステップS2にて加工グループが加工可能な状態でグループとなっている場合に、ステップS3における加工開始面の判定結果と、ステップS4におけるX方向の位置関係の判定結果とを総合して、最終的に加工開始面を決定する。CAM10は、加工開始面を決定することによって、面ごとの加工範囲と加工順を決定する。
【0119】
図48を用いて、CAM10による以上のステップS1〜S5による加工範囲と加工順の具体的な手順について説明する。
図48において、CAM10は、ステップS101にて、加工の対象となっている予め保持されているアングルA1またはチャンネルC1の展開図データを記憶部より読み込む。CAM10は、ステップS102にて、複数の面を跨ぐ穴またはノッチがあるか否かを判定する。複数の面を跨ぐ穴またはノッチがなければ(NO)、CAM10は、処理を終了させる。
【0120】
複数の面を跨ぐ穴またはノッチがあれば(YES)、CAM10は、ステップS103にて、穴またはノッチのいずれか1つを選択し、選択した穴またはノッチに対して、ブロックの組み合わせ判定を実行させる。具体的には、CAM10は、ステップS103にて、面エリアに位置するブロックが存在するか否か、展開補助線USL1,USL2を挟んで隣り合う板厚エリアに位置するブロックが組となっているか否かを判定する。
【0121】
CAM10は、ステップS104にて、ステップS103での判定結果に基づいて加工可であるか否かを判定する。具体的には、CAM10は、ステップS104にて、面エリアに位置するブロックが存在し、展開補助線USL1,USL2を挟んで隣り合う板厚エリアに位置するブロックが組となっている場合には、ステップS104にて加工可であると判定する。CAM10は、面エリアに位置するブロックが存在しない、または、展開補助線USL1,USL2を挟んで隣り合う板厚エリアに位置するブロックが組となっていない場合には、ステップS104にて加工可ではないと判定する。
【0122】
CAM10は、ステップS104にて加工可であれば(YES)、処理をステップS105に移行させ、加工可でなければ(NO)、ステップS115にて加工不可と決定して処理を終了させる。ステップS103及びステップS104の処理は、
図4におけるステップS1に相当する。
【0123】
CAM10は、ステップS105にて、板厚エリア以外のいずれかの面を加工開始面として選択し、板厚エリアに位置する組となっているブロックが同時に加工されることを考慮して加工グループを形成する。加工開始面が複数存在する場合には、CAM10は、ステップS105にて、加工開始面が異なる複数の加工グループを形成する。
【0124】
CAM10は、ステップS106にて、最初に穴を開ける面エリアの高さYがHMH以上であれば、ステップS105にて形成した加工グループが加工可であると判定する。CAM10は、ステップS106にて、高さYがHMH未満であれば、加工可ではないと判定する。CAM10は、ステップS106にて加工可であれば(YES)、処理をステップS107に移行させ、加工可でなければ(NO)、ステップS115に移行させる。
【0125】
加工の複雑化を避けるために、ステップS106にて、1つの加工グループ内で加工する領域が複数に分かれていない1つの領域になっている第5の条件を満たすか否かを追加して、第5の条件を満たす場合に加工可とし、第5の条件を満たさない場合に加工不可としてもよい。
【0126】
一例として、CAM10は、ステップS2〜S4それぞれの判定結果に対してポイントを設定し、ポイントの合計に基づいてステップS5による決定を実行させる。そこで、CAM10は、ステップS107にて、加工可の加工グループである加工開始面に対して例えば3ポイントを設定する。ステップS105〜ステップS107の処理は、
図4におけるステップS2に相当する。
【0127】
次に、CAM10は、ステップS108にて、板厚エリアの要素判定に基づいて加工が成立するか否かを判定する。CAM10は、板厚エリアに存在するX成分が0であれば加工可であると判定する。CAM10は、板厚エリアに存在するX成分が0より大きく0.5mm未満であれば、警告の後に処理を継続させる指示がなされた場合には実質的に加工可であると判定する。CAM10は、板厚エリアに存在するX成分が0.5mm以上であれば、加工不可であると判定する。CAM10は、ステップS108にて加工可であれば(YES)、処理をステップS109に移行させ、加工可でなければ(NO)、ステップS115に移行させる。
【0128】
CAM10は、ステップS109にて、例えば、X成分が0のとき3ポイント、X成分が0より大きく0.5mm未満のとき2ポイントを設定する。ステップS108及びステップS109の処理は、
図4におけるステップS3に相当する。
【0129】
CAM10は、ステップS110にて、板厚エリア以外の先に開ける開口部のX方向の最小値FMinX及び最大値FMaxXと、後から穴を開ける板厚エリアの最小値BMinX及び最大値BMaxXとを比較する。CAM10は、FMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たすか否かを判定する。CAM10は、その関係を満たせば(YES)、ステップS111にて、例えば3ポイントを設定する。CAM10は、その関係を満たさなければ(NO)、ステップS112にて、例えば1ポイントを設定する。ステップS110〜ステップS112の処理は、
図4におけるステップS4に相当する。
【0130】
そして、CAM10は、ステップS113にて、ステップS2〜S4それぞれで設定したポイントを合計し、ポイントの合計が最も高い加工開始面の加工グループを選択する。これによって、CAM10は、加工開始面を決定し、面ごとの加工範囲と加工順を決定する。ステップS113は、
図4におけるステップS5に相当する。
【0131】
CAM10は、ステップS114にて、他の複数の面を跨ぐ穴またはノッチがあるか否かを判定する。他の穴またはノッチがあれば(YES)、CAM10は、処理をステップS103に戻し、ステップS103〜S115の処理を繰り返す。他の穴またはノッチがなければ(NO)、処理を終了させる。
【0132】
図49〜
図53を用いて、以上説明したポイントの設定及びポイントの合計に基づいた加工開始面の決定の例を説明する。
図49〜
図53は加工する材料をチャンネルC1とした場合を示しており、加工開始面の90°&270°は、
図20の(e)、
図25の(e)、
図26の(e)に示す加工順を示している。
【0133】
図49に示す例では、ステップS103,S104によるブロックの組み合わせ判定で加工可であると判定され、ステップS105〜S107による加工グループの判定で全ての加工開始面で加工可と判定されている。しかしながら、ステップS108による板厚エリアの要素判定で全ての加工開始面で加工不可であると判定されている。よって、
図49に示す例は、どの面を加工開始面としても加工不可である。
【0134】
図50に示す例でも、ブロックの組み合わせ判定で加工可であると判定され、加工グループの判定で全ての加工開始面で加工可と判定されている。
図50に示す例では、板厚エリアの要素判定で加工開始面90°&270°のみ加工可であると判定されている。ステップS110による先に開ける開口部と後から穴を開ける板厚部分との位置関係判定で、FMinX≦BMinXかつFMaxX≧BMaxXなる関係を満たさないと判定されている。
図50の場合、ポイント合計は7である。加工可となる加工開始面は90°&270°のみであるので、加工開始面90°&270°が選択される。
【0135】
図51に示す例でも、ブロックの組み合わせ判定で加工可であると判定され、加工グループの判定で全ての加工開始面で加工可と判定されている。
図51に示す例では、板厚エリアの要素判定で加工開始面90°と加工開始面270°が加工可であると判定されている。
図51に示す例では、先に開ける開口部と後から穴を開ける板厚部分との位置関係判定で、加工開始面90°では上記の関係を満たさず、加工開始面270°では上記の関係を満たすと判定されている。
図51の場合、加工開始面90°のポイント合計は7であり、加工開始面270°のポイント合計は9であるので、加工開始面270°が選択される。
【0136】
同様にして、
図52に示す例では、加工開始面90°のポイント合計は8であり、加工開始面180°のポイント合計は7であるので、加工開始面90°が選択される。但し、加工開始面90°では板厚エリアの要素判定で、X成分として0を超える0.5mm未満の要素が存在して警告となっており、警告により処理が中止された場合には、加工開始面180°が選択されることになる。
【0137】
図53に示す例では、加工開始面90°と加工開始面270°のポイント合計が9であり、加工開始面180°のポイント合計は7である。このようにポイント合計が同じ場合は、CAM10は加工開始面の角度の小さい方を選択する。よって、この場合は、加工開始面90°が選択される。
【0138】
以上のように、本実施形態によれば、レーザ加工機によって材料(アングルA1またはチャンネルC1)に対して複数の面に跨る穴またはノッチを形成する際に、面ごとに加工する加工範囲及び加工順を自動的に決定することが可能となる。
【0139】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。穴またはノッチの形状が
図33〜
図47(重複する同一形状も含む)のような複雑な形状の場合には、ステップS3,S4が必要となる。しかしながら、穴またはノッチの形状が例えば単純な矩形の場合には、ステップS3,S4は不要となる。
【0140】
さらに、
図11〜
図13,
図17〜
図26,
図29,
図30に示される穴またはノッチの形状においては、展開図データを準備して読み込むステップに加えて、ステップS1,S2,S5のみを実行させてもよい。穴またはノッチの形状によっては、上述した各種の判定を適宜省略して簡略化することができる。
【0141】
本発明は、加工範囲及び加工順を決定する決定プログラムを記録したコンピュータにて読み取り可能な記録媒体であってもよい。