(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記熱膨張性樹脂組成物が、熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1に記載のサッシ用熱膨張性多層枠材。
前記熱可塑性樹脂組成物層が、ポリ塩化ビニル樹脂組成物、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物およびEPDM樹脂組成物からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、請求項1または2に記載のサッシ用熱膨張性多層枠材。
【発明を実施するための形態】
【0022】
最初に本発明に使用する熱膨張性樹脂組成物について説明する。
本発明に使用する熱膨張性樹脂組成物は、樹脂成分100重量部、熱膨張性黒鉛3〜300重量部、無機充填材3〜200重量部および可塑剤20〜200重量部からなる。
【0023】
本発明に使用する熱膨張性樹脂組成物に含まれる樹脂成分は、塩素化ポリ塩化ビニルおよびEPDMの少なくとも一方である。
【0024】
前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂は、ポリ塩化ビニル樹脂の塩素化物である。前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有量は少なくなると耐熱性が低下し、多くなると溶融押出成形が困難となるので60〜72重量%の範囲である。
【0025】
前記ポリ塩化ビニル樹脂は特に限定されず、従来公知の任意のポリ塩化ビニル樹脂を使用することができる。
前記ポリ塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル単独重合体、
塩化ビニルモノマーと前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、
塩化ビニルモノマー以外の重合体または塩化ビニルモノマー以外の共重合体に塩化ビニルをグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられる。
前記ポリ塩化ビニル樹脂は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0026】
前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、塩化ビニルモノマーと共重合可能であれば特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα‐オレフィン類、
酢酸ビニル、フロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、
ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、
スチレン、α‐メチルスチレン等の芳香族ビニル類、
N‐フェニルマレイミド、N‐シクロヘキシルマレイミド等のN‐置換マレイミド類などが挙げらる。
前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーは一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0027】
前記塩化ビニルモノマー以外の重合体または塩化ビニルモノマー以外の共重合体としては、塩化ビニルをグラフト重合するものまたはグラフト共重合するものであれば特に限定されず、例えば、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、
エチレン‐酢酸ビニル‐一酸化炭素共重合体、エチレン‐エチルアクリレート共重合体、エチレン‐ブチルアクリレート‐一酸化炭素共重合体、エチレン‐メチルメタクリレート共重合体、エチレン‐プロピレン共重合体、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。
これらは一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0028】
前記ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度は特に限定されるものではないが、小さくなると成形体の機械的物性が低下し、大きくなると溶融粘度が高くなって溶融押出成形が困難になる。このため前記ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度は600〜1500の範囲であることが好ましい。
【0029】
また前記EPDMは、エチレン、プロピレンおよび架橋用ジエンモノマーとの三元共重合体である。
前記EPDMに用いられるび架橋用ジエンモノマーとしては特に限定されず、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状ジエン類、
1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン類等が挙げられる。
【0030】
前記EPDMは、ムーニー粘度(ML
1+41 25℃)が4〜30の範囲であることが好ましい。
ムーニー粘度が4以上であると、柔軟性に優れる。またムーニー粘度が30以下の場合は硬くなりすぎるのを防止することができる。
なお、上記ムーニー粘度は、EPDMのムーニー粘度計による粘度の尺度のことをいう。
【0031】
前記EPDMは、架橋用ジエンモノマーの含有量が2.0重量%〜5.0重量%の範囲であることが好ましい。
2.0重量%以上であれば、分子間の架橋が進むことから柔軟性に優れる、また5.0重量%以下の場合には耐候性に優れる。
【0032】
前記熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とにより処理してグラファイト層間化合物を生成させたものである。生成された熱膨張性黒鉛は炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0033】
本発明に使用される熱膨張性黒鉛は、前記酸処理して得られた熱膨張性黒鉛がアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和されていてもよい。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」等が挙げられる。
【0034】
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、細かくなりすぎると黒鉛の膨張度が小さく、発泡性が低下する傾向がある。また大きくなりすぎると膨張度が大きいという点では効果があるが、樹脂と混練する際に、分散性が悪く成形性が低下し、得られた押出成形体の機械的物性が低下する傾向がある。
このため前記熱膨張性黒鉛の粒度は20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
【0035】
前記熱膨張性黒鉛の添加量は、少なくなると耐火性能及び発泡性が低下する傾向がある。また多くなると押出成形しにくくなり、得られた成形体の表面性が悪くなり、機械的物性が低下する傾向がある。このため前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対する前記熱膨張性黒鉛の添加量は、3〜300重量部の範囲である。
前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対する前記熱膨張性黒鉛の添加量は、10〜200重量部の範囲であれば好ましい。
【0036】
前記無機充填材は、一般にポリ塩化ビニル樹脂成形体を製造する際に使用されている無機充填材であれば、特に限定はない。具体的には、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイ力、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコニア鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。
【0037】
中でも炭酸カルシウムおよび加熱時に脱水し、吸熱効果のある水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の含水無機物が好ましい。
また酸化アンチモンは難燃性向上の効果があるので好ましい。
前記無機充填材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0038】
前記無機充填材の添加量は、少なくなると耐火性能が低下する傾向があり、多くなると押出成形しにくくなり、得られた成形体の表面性が悪くなり、機械的物性が低下する傾向がある。前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、3〜200重量部の範囲である。
前記無機充填材の添加量は、前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、10〜150重量部の範囲であれば好ましい。
【0039】
前記可塑剤は、一般にポリ塩化ビニル樹脂成形体を製造する際に使用されている可塑剤であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、
ジ‐2‐エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル可塑剤、
エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、
アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のポリエステル可塑剤、
トリ‐2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、
トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)等の燐酸エステル可塑剤、
鉱油等のプロセスオイルなどが挙げられる。
前記可塑剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0040】
前記可塑剤の添加量は、少なくなると押出成形性が低下する傾向があり、多くなると得られた成形体が柔らかくなり過ぎる傾向がある。このため前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、前記可塑剤の添加量は20〜200重量部の範囲である。
【0041】
先に説明した通り、本発明に使用する塩素化ポリ塩化ビニル含有熱膨張性樹脂組成物は、塩素含有量が60〜72重量%の範囲である塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、熱膨張性黒鉛、無機充填材及び可塑剤からなる。
前記塩素化ポリ塩化ビニル含有熱膨張性樹脂組成物は燐酸エステル可塑剤を除くリン化合物を含有すると、押出成形性が低下する。このため燐酸エステル可塑剤を除くリン化合物を含有するものではない。なお、先に説明した可塑剤である燐酸エステル可塑剤を含有することができる。
【0042】
押出成形を阻害するリン化合物は次の通りである。
赤リン、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、
ポリリン酸アンモニウム類、
下記化学式で表される化合物等が挙げられる。
【0043】
上記化学式中、R
1及びR
3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
【0044】
R
2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
【0045】
前記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
【0046】
ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明においては、これらの押出成形性を阻害するリン化合物を使用するものではない。
【0047】
また本発明に使用する前記熱膨張性樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、一般に使用されている、リン化合物以外の熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤、架橋促進剤等が添加されてもよい。
【0048】
前記熱安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛、三塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛等の鉛熱安定剤、
有機錫メルカプト、有機錫マレート、有機錫ラウレート、ジブチル錫マレート等の有機錫熱安定剤、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸熱安定剤等が挙げられる。
前記熱安定剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0049】
前記滑剤としては、例えば、ポリエチレン、パラフィン、モンタン酸等のワックス類、
各種エステルワックス類、
ステアリン酸、リシノール酸等の有機酸類、
ステアリルアルコール等の有機アルコール類、
ジメチルビスアミド等のアミド系化合物等が挙げられる。
前記滑剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0050】
前記加工助剤としては、例えば、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート‐エチルアクリレート共重合体、高分子量のポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0051】
前記熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、p,p−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。
【0052】
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール化合物等が挙げられる。
【0053】
前記帯電防止剤としては、例えば、アミノ化合物等が挙げられる。
【0054】
前記顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系などの無機顔料等が挙げられる。
【0055】
前記架橋剤としては、例えば、硫黄等が挙げられる。また前記架橋促進剤としては、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、N,N,N’,N’−テトラエチルチウラムジスルフィド、ジエチルジチオカルバミン酸ベンジル等が挙げられる。
【0056】
[熱膨張性樹脂組成物の具体例]
本発明に使用される熱膨張性樹脂組成物の具体例は次の通りである。
(a)樹脂成分、熱膨張性黒鉛部、無機充填材部および可塑剤からなる樹脂組成物
(b)上記(a)の樹脂組成物に対し、熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを添加してなる樹脂組成物
【0057】
次に本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物としては押出成形ができるものであれば特に限定はないが、前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる樹脂成分としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体(EPDM)、クロロプレン(CR)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル‐スチレン‐アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル/エチレン‐プロピレン‐ジエン/スチレン共重合体(AES)等が挙げらる。
前記樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン−架橋用ジエンモノマー共重合体(EPDM)、クロロプレン(CR)等が好ましい。
【0058】
前記ポリ塩化ビニル樹脂は特に限定されず、従来公知の任意のポリ塩化ビニル樹脂を使用することができる。
前記ポリ塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル単独重合体、
塩化ビニルモノマーと前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、
塩化ビニルモノマー以外の重合体または塩化ビニルモノマー以外の共重合体に塩化ビニルをグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられる。
前記ポリ塩化ビニル樹脂は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0059】
前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、塩化ビニルモノマーと共重合可能であれば特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα‐オレフィン類、
酢酸ビニル、フロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、
ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタアクリル酸エステル類、
スチレン、α‐メチルスチレン等の芳香族ビニル類、
N‐フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN‐置換マレイミド類などが挙げられる。
前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーは一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0060】
前記塩化ビニルモノマー以外の重合体または塩化ビニルモノマー以外の共重合体としては、塩化ビニルをグラフト重合するものまたはグラフト共重合するものであれば特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン‐酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン‐エチルアクリレート共重合体、エチレン‐ブチルアクリレート‐一酸化炭素共重合体、エチレン‐メチルメタクリレート共重合体、エチレン‐プロピレン共重合体、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。
これらは一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0061】
前記ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度は特に限定されるものではないが、小さくなると成形体の機械的物性が低下し、大きくなると溶融粘度が高くなって溶融押出成形が困難になる。このため前記ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度は600〜1500の範囲であることが好ましい。
【0062】
また前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)としては、例えば、先に説明したポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を塩素化したもの等が挙げられる。
前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有量は少なくなると溶融押出成形が容易となり、多くなると耐熱性が向上することから60〜72重量%の範囲であることが好ましい。
【0063】
前記EPDMとしては、先の熱膨張性樹脂組成物の樹脂成分として使用するEPDMの場合と同様のものを使用することができる。
【0064】
前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる樹脂成分に対し、先に説明した無機充填材、前記可塑剤を添加することにより、本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0065】
本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、押出成形の際に一般に使用されている、熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料等が添加されてもよい。
これらの具体例については先に例示したものと同様である。
【0066】
[熱可塑性樹脂組成物の具体例]
本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物の具体例は次の通りである。
(c)樹脂成分、および無機充填材からなる樹脂組成物
(d)樹脂成分、可塑剤および無機充填材からなる樹脂組成物
(e)上記(c)の樹脂組成物に対し、熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを添加してなる樹脂組成物
(f)上記(d)の樹脂組成物に対し、熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを添加してなる樹脂組成物
【0067】
前記熱可塑性樹脂組成物に使用する樹脂成分を選択することにより、本発明のサッシ用熱膨張性多層枠材に多様な機能を付与することができる。
本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物は、樹脂成分として塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、EPDM等の一種もしくは二種以上を選択することが好ましい。
樹脂成分として塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、EPDM等の一種もしくは二種以上を選択した場合には、得られるサッシ用熱膨張性多層枠材は柔軟性、気密性、水密性、強度に優れる。
【0068】
前記熱可塑性樹脂組成物に使用するポリ塩化ビニル樹脂組成物は従来公知であり、例えば日本工業規格(JIS)に規定されるものを使用することができる。
前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物には、軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物と硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物がある。
また前記軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物としては、例えば日本工業規格に定める軟質ポリ塩化ビニルコンパウンド(JIS K6723)等を使用することができる。
前記硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物としては、例えば日本工業規格に定める無可塑ポリ塩化ビニル−成形用及び押出用材料(JIS K6740−1〜2)等を使用することができる。
【0069】
本発明に使用する樹脂組成物は、押出成形用に好ましく使用することができる。前記樹脂組成物を使用して、常法に従い、一軸押出機、二軸押出機等の押出機で130〜170℃で溶融させて共押出することにより熱膨張性樹脂組成物層と熱可塑性樹脂組成物層とを少なくとも含む多層構造の長尺のサッシ用熱膨張性多層枠材を得ることができる。
前記長尺のサッシ用熱膨張性多層枠材を用途に応じて適切な長さに切断することにより、本発明のサッシ用熱膨張性多層枠材が得られる。
【0070】
本発明のサッシ用熱膨張性多層枠材は、窓用板材と組み合わせて使用することができる。前記窓用板材の外周に、前記サッシ用熱膨張性多層枠材を設置することにより耐火性サッシが得られる。
また本発明のサッシ用熱膨張性多層枠材は、不燃枠材と組み合わせて使用することもできる。
前記不燃枠材の素材としては、例えば、アルミニウム合金、ステンレス等の金属、ガラス、セラミック等の無機物等を挙げることができる。
前記サッシ用熱膨張性多層枠材と不燃枠材とは、例えば接着剤、両面粘着テープ等により互いに接着することができる。
また前記サッシ用熱膨張性多層枠材と不燃枠材とは、例えば互いにスライドできるスライドレール部とスライドレール受部とをそれぞれ前記サッシ用熱膨張性多層枠材と不燃枠材とに設置しておき、前記スライドレール部とスライドレール受部とを組み合わせること等により固定することができる。
前記サッシ用熱膨張性多層枠材、前記不燃枠材および前記窓用板材とを組み合わせることにより耐火性サッシを得ることができる。
【0071】
以下に図面を参照しつつ実施例により本発明を詳細に説明する。なお本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0072】
[サッシ用熱膨張性多層枠材100の構造]
図1は実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材を説明するための模式断面図であり、実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材の長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状を示したものである。
図2は実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材を説明するための模式部分斜視図である。
図1に示される実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100は、熱膨張性樹脂組成物層11と、熱可塑性樹脂組成物層21とを有する。また窓用板材支持部40を有する。
また実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100は、長手方向に空洞30〜32を有する。
図1に示される様に、本発明に使用するサッシ用熱膨張性多層枠材は一または二以上の空洞を有する。実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100は複数の空洞30〜32を有するが、これらの空洞30〜32を設置することにより、前記サッシ用熱膨張性多層枠材100の重量を軽減できることに加え、前記サッシ用熱膨張性多層枠材100に振動吸収機能、断熱機能等も与えることができる。
【0073】
また前記空洞30の内壁面に前記熱膨張性樹脂組成物層10を設置することにより、前記サッシ用熱膨張性多層枠材100が火災等の熱にさらされた際に、前記熱膨張性樹脂組成物層10から膨張残渣が円滑に形成される。これにより前記サッシ用熱膨張性多層枠材100の耐火性を向上させることができる。
【0074】
従来のサッシ用枠材の場合は、耐火性を高めるためにはその内部に熱膨張性耐火材料等を挿入等する必要があった。
これに対し実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100の場合は、同時共押出により成形することができるため、成形と同時に前記サッシ用熱膨張性多層枠材100に前記熱膨張性樹脂組成物層10を設置することができる。このため単位時間当たりの生産性に優れる。
【0075】
[サッシ用熱膨張性多層枠材100の製造例]
表1に示した所定量の塩素化塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、「HA−53K」重合度1000、塩素含有量67.3重量%、以下「CPVC−1」と言う。)、塩化ビニル樹脂(徳山積水社製「TS−1000R」、重合度1000、以下「PVC」と言う。)、熱膨張性黒鉛(東ソ一社製「GREP−EG」)、炭酸カルシウム(白石カウシウム社製「ホワイトンBF300」)、ジイソデシルフタレート(ジェイ・プラス社製「DID P」、以下「DIDP」と言う。)、Ca−Zn複合安定剤(水沢化学社製「NT−231」)、ステアリン酸カルシウム(堺化学社製「SC−100」)、塩素化ポリエチレン(威海金弘社製「135A」)およびポリメチルメタクリレート(三菱レーヨン社製「P−530A」)からなる塩素化ポリ塩化ビニル含有熱膨張性樹脂組成物(前記熱膨張性樹脂組成物層10に対応する。)、ならびに、
PVC、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製「ホワイトンBF300」)、ジイソデシルフタレート(「DIDP」)、Ca−Zn複合安定剤(水沢化学社製「NT−231」)、ステアリン酸カルシウム(堺化学社製「SC−100」)、塩素化ポリエチレン(威海金弘社製「135A」)およびポリメチルメタクリレート(三菱レーヨン社製「P−530A」)からなるポリ塩化ビニル樹脂組成物(前記熱可塑性樹脂組成物層20に対応する。)を一軸押出機(池貝機販社製、65mm押出機)に供給し、150tで同時共押出を行うことにより、
図1に示される断面形状の長尺異型成形体を1m/hrの速度で同時共押出成形することができる。
前記押出機および金型を観察し、樹脂組成物の付着が観察された場合を×、樹脂組成物の付着が観察されなかった場合を○として表1に結果を記載した。
得られる長尺異型成形体を、前記長尺異型成形体の長手方向に対して垂直方向に切断することにより、実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100が得られる。このサッシ用熱膨張性多層枠材100は外観に優れる。
【実施例2】
【0076】
[サッシ用熱膨張性多層枠材110の構造]
図3は実施例2に係るサッシ用熱膨張性多層枠材を説明するための模式断面図である。
実施例2に係るサッシ用熱膨張性多層枠材110は、実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100の変形例である。
実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100の場合は、一つの空洞30の内壁面の一部が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されていた。
これに対し実施例2に係るサッシ用熱膨張性多層枠材110は、
図3の上下方向を基準として、前記サッシ用熱膨張性多層枠材110の複数の空洞30〜32の内壁面の全部が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されている。
【0077】
また実施例2に係るサッシ用熱膨張性多層枠材110は窓用板材支持部40を有する。この窓用板材支持部40に後述する窓用板材を設置することにより、サッシを形成することが可能である。
【0078】
前記窓用板材支持部40に対して窓用板材を設置した際の前記窓用板材の水平方向を基準として、前記サッシ用熱膨張性多層枠材110の空洞30〜32の内壁面が、前記熱膨張性樹脂組成物層10により隙間なく覆われている。
【0079】
従来のサッシ用枠材の場合は、耐火性を高めるためにはその内部に熱膨張性耐火材料等を挿入等する必要があったが、従来のサッシ用枠材の内部の空洞の位置によっては熱膨張性耐火材料等を挿入等することが困難になる場合があった。
これに対し、実施例2に係るサッシ用熱膨張性多層枠材110の場合は、前記サッシ用熱膨張性多層枠材110の断面の任意の位置に前記熱膨張性樹脂組成物層10を設置することができる。
このため従来のサッシ用枠材と比較して、簡単に前記サッシ用熱膨張性多層枠材110の耐火性を高めることができる。
【0080】
[サッシ用熱膨張性多層枠材110の製造例]
実施例2に係るサッシ用熱膨張性多層枠材110は、実施例1の場合と同様の同時共押出成形により製造することができる。具体的な配合例は表1に示す通りである。
前記同時共押出成形により得られた前記サッシ用熱膨張性多層枠材110は外観に優れる。
【実施例3】
【0081】
[サッシ用熱膨張性多層枠材120の構造]
図4は実施例3に係るサッシ用熱膨張性多層枠材を説明するための模式断面図である。
実施例3に係るサッシ用熱膨張性多層枠材120は、実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100の変形例である。
実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100の場合は、一つの空洞30の内壁面の一部が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されていた。
これに対し実施例3に係るサッシ用熱膨張性多層枠材120は、窓用板材支持部40の内壁面の全部が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されている。
【0082】
従来のサッシ用枠材の場合は、耐火性を高めるためにはその内部に熱膨張性耐火材料等を挿入等する必要があったが、従来のサッシ用枠材の内部の空洞の位置によっては熱膨張性耐火材料等を挿入等することが困難になる場合があった。
これに対し、実施例3に係るサッシ用熱膨張性多層枠材120の場合は、前記サッシ用熱膨張性多層枠材120の断面の任意の位置に前記熱膨張性樹脂組成物層10を設置することができる。
このため従来のサッシ用枠材と比較して、簡単に前記サッシ用熱膨張性多層枠材120の窓用板材支持部40の耐火性を高めることができる。
【0083】
[サッシ用熱膨張性多層枠材120の製造例]
実施例3に係るサッシ用熱膨張性多層枠材120は、実施例1の場合と同様の同時共押出成形により製造することができる。具体的な配合例は表1に示す通りである。
前記同時共押出成形により得られた前記サッシ用熱膨張性多層枠材120は外観に優れる。
【実施例4】
【0084】
[サッシ用熱膨張性多層枠材130の構造]
図5は実施例4に係るサッシ用熱膨張性多層枠材を説明するための模式断面図である。
実施例4に係るサッシ用熱膨張性多層枠材130は、実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100の変形例である。
実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100の場合は、一つの空洞30の内壁面の一部が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されていた。
これに対し実施例4に係るサッシ用熱膨張性多層枠材130は、一つの空洞30の内壁面の一部を前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成したことに加え、窓用板材支持部40の内壁面の全部が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されている。
【0085】
従来のサッシ用枠材の場合は、耐火性を高めるためにはその内部に熱膨張性耐火材料等を挿入等する必要があったが、従来のサッシ用枠材の内部の空洞の位置によっては熱膨張性耐火材料等を挿入等することが困難になる場合があった。
これに対し、実施例4に係るサッシ用熱膨張性多層枠材130の場合は、前記サッシ用熱膨張性多層枠材130の断面の任意の位置に前記熱膨張性樹脂組成物層10を設置することができる。
このため従来のサッシ用枠材と比較して、簡単に前記サッシ用熱膨張性多層枠材130の窓用板材支持部40の耐火性を高めることができる。
【0086】
[サッシ用熱膨張性多層枠材130の製造例]
実施例4に係るサッシ用熱膨張性多層枠材130は、実施例1の場合と同様の同時共押出成形により製造することができる。具体的な配合例は表1に示す通りである。
前記同時共押出成形により得られた前記サッシ用熱膨張性多層枠材130は外観に優れる。
【実施例5】
【0087】
[サッシ用熱膨張性多層枠材140の構造]
図6は実施例5に係るサッシ用熱膨張性多層枠材を説明するための模式断面図である。
実施例5に係るサッシ用熱膨張性多層枠材140は、実施例3に係るサッシ用熱膨張性多層枠材120の変形例である。
実施例3に係るサッシ用熱膨張性多層枠材120の場合は、窓用板材支持部40の内壁面の全部が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されていた。
これに対し、実施例5に係るサッシ用熱膨張性多層枠材140は、開口部41を有していて、前記開口部41の内壁面の一部が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されている。
この開口部41を窓用レール等に設置することができる。
【0088】
従来のサッシ用枠材の場合は、耐火性を高めるためにはその内部に熱膨張性耐火材料等を挿入等する必要があったが、従来のサッシ用枠材の内部の空洞の位置によっては熱膨張性耐火材料等を挿入等することが困難になる場合があった。
これに対し、実施例5に係るサッシ用熱膨張性多層枠材140の場合は、前記サッシ用熱膨張性多層枠材140の断面の任意の位置に前記熱膨張性樹脂組成物層10を設置することができる。
このため従来のサッシ用枠材と比較して、簡単に前記サッシ用熱膨張性多層枠材140の窓用板材支持部40および開口部41の耐火性を高めることができる。
【0089】
[サッシ用熱膨張性多層枠材140の製造例]
実施例5に係るサッシ用熱膨張性多層枠材140は、実施例3の場合と同様の同時共押出成形により製造することができる。具体的な配合例は表1に示す通りである。
前記同時共押出成形により得られた前記サッシ用熱膨張性多層枠材140は外観に優れる。
【実施例6】
【0090】
実施例6は実施例1の変形例である。
図7は実施例6に係るサッシ用熱膨張性多層枠材を説明するための模式断面図である。
実施例1に係るサッシ用熱膨張性多層枠材100は、前記熱膨張性樹脂組成物層11が塩素化ポリ塩化ビニル含有熱膨張性樹脂組成物により形成され、前記熱可塑性樹脂組成物層21がポリ塩化ビニル樹脂組成物により形成されていた。
これに対し、実施例6に係るサッシ用熱膨張性多層枠材150は、前記熱膨張性樹脂組成物層11がEPDM樹脂組成物により形成され、前記熱可塑性樹脂組成物層21がEPDM含有熱膨張性樹脂組成物により形成されている点が異なる。
実施例6に使用できる配合例を表2に示す。実施例1の場合と同様、表2における配合により、実施例6に係るサッシ用熱膨張性多層枠材150を得ることができる。
【0091】
[比較例1および2]
表1に示す配合により、実施例1の場合と同様に成形を試みた。ポリリン酸アンモニウムはクラリアントジャパン社製「AP422」を使用した。
比較例1および2のいずれの場合も押出機のスクリューおよび金型に樹脂組成物の付着が観察された。
【0092】
【表1】
【実施例7】
【0093】
[サッシ用熱膨張性多層枠材100の応用例]
図8は実施例1により得られたサッシ用熱膨張性多層枠材100の応用例を説明するための模式正面図であり、
図9は実施例1により得られたサッシ用熱膨張性多層枠材100の応用例を説明するための模式断面図である。
実施例7では、窓用板材50として、窓用ガラスが使用されている。
本発明に使用される窓用板材50は、耐火性を有するものが好ましい。
また前記窓用板材50の外周を覆うように硬質ポリ塩化ビニル製のグレージングチャンネル60が設置されていて、さらに前記グレージングチャンネル60の外周には保護材51が設置されている。
また前記サッシ用熱膨張性多層枠材100の窓用板材支持部40に前記グレージングチャンネル60を介して前記窓用板材50が挿入されている。
【0094】
なお前記グレージングチャンネル60は、その本体部分と、前記本体部分の端部に形成された突起部分とを、異なる材料を用いた同時共押出により成形することもできる。
前記本体部分と、前記グレージングチャンネル60の長手方向に対する垂直面を基準とした断面から観察した前記突起部分との接合面の境界線は、折線および曲線の少なくとも一方を含むことが好ましい。
前記境界線が折線および曲線の少なくとも一方を含む場合は、前記境界線が直線である場合と比較して前記本体部分と前記突起部分との接合面積が増えることから、前記本体部分と前記突起部分の境界面の剥離を軽減することができる。
【0095】
前記グレージングチャンネル60は、その本体部分と、前記本体部分の端部に形成された突起部分とをそれぞれ前記熱膨張性樹脂組成物と熱可塑性樹脂組成物とを用いた同時共押出により成形することが好ましい。
【0096】
図8に示される様に、耐火性サッシ160は、前記サッシ用熱膨張性多層枠材100と前記窓用板材50とを組み合わせて得られる。
図8に示される様に、実施例1により得られた横2本、縦2本、合計4本のサッシ用熱膨張性多層枠材100が前記窓用板材50の外周にそれぞれ設置されている。
【0097】
前記窓用板材50の垂直方向から観察した場合、前記板材50と平行な面を基準として前記板材50の周囲を前記熱膨張性樹脂組成物層10が前記空洞30の内部を隙間なく覆っている。
このため、前記サッシ用熱膨張性多層枠材100を使用した耐火性サッシ160が火災等の熱にさらされた場合、前記窓用板材50の周囲と前記サッシ用熱膨張性多層枠材100との間に前記熱膨張性樹脂組成物層10による膨張残渣が形成される。
この膨張残渣が前記板材50を支持することから、前記窓用板材50、前記前記サッシ用熱膨張性多層枠材100、前記前記サッシ用熱膨張性多層枠材100が設置されている壁、ならびに前記膨張残渣が一体となって前記火災等の炎、煙を遮断することができる。
このため、前記サッシ用熱膨張性多層枠材100を使用した耐火性サッシ160は耐火性に優れる。
【実施例8】
【0098】
[サッシ用熱膨張性多層枠材170とその応用例]
図10は実施例8に使用するサッシ用熱膨張性多層枠材170を説明するための模式斜視図である。
図10に示される様に、サッシ用熱膨張性多層枠材500は、前記サッシ用熱膨張性多層枠材170と、不燃枠材300とを組み合わされてなる。
実施例8に使用した前記不燃枠材300は、内部に空洞を有するアルミニウム合金からなる。また前記サッシ用熱膨張性多層枠材170は前記不燃枠材300と接する面が前記熱膨張性樹脂組成物層10により形成されている。また前記熱膨張性樹脂組成物層10と熱可塑性樹脂組成物層20とが同時共押出により形成されていて、内部に空洞30および31を有する。
実施例8に使用できる配合例は表1に示した実施例1の場合と同様であり、実施例8に使用するサッシ用熱膨張性多層枠材170を得ることができる。
【0099】
前記不燃枠材300と前記サッシ用熱膨張性多層枠材170とは互いにスライドできるスライドレール部とスライドレール受部とがそれぞれ設置されている。
前記スライドレール部とスライドレール受部とを組み合わせることにより、前記不燃枠材300と前記サッシ用熱膨張性多層枠材170とを互いに固定することができる。
【0100】
図11は、実施例8に係る耐火性サッシを説明するための模式断面図である。
図11に示される様に、前記サッシ用熱膨張性多層枠材170、前記不燃枠材300、およびガラスパネル200を組み合わせることにより耐火性サッシ600が得られる。
前記耐火性サッシ600が外壁に組み込まれる場合には、通常は前記サッシ用熱膨張性多層枠材170は室内側に、前記不燃枠材300は室外側に設置される。
【0101】
前記耐火性サッシ600が火災等の熱にさらされた場合には、前記サッシ用熱膨張性多層枠材170に含まれる前記熱膨張性樹脂組成物層10が膨張して膨張残渣を形成する。この膨張残渣が前記ガラスパネル200および前記不燃枠材300との隙間を閉塞するため、火災等の炎を遮断することができることから、前記耐火性サッシ600は耐火性に優れる。