(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャップ縁部に対応した部分の前記機能部材本体が挿入される開口部が前記トリム部材に形成され、該開口部の周縁部の基材に前記凹部が形成された、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用内装部品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術においては、本体とキャップとの間に工具を挿入し難く、作業性が良くないうえ、工具が滑って本体やキャップに滑り傷がついてしまう懸念がある。特許文献2に記載の技術においては、車室から見て挿入部が溝状の隙間として露出しているため、車両用内装部品としての意匠性が低下する懸念がある。
【0006】
以上を鑑み、本発明は、意匠性が良好で、キャップ取り外し工具を挿入し易い車両用内装部品を提供する目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車体に設けられるトリム部材と、
前記車体と前記トリム部材の少なくとも一方に取り付けられる機能部材本体と、
該機能部材本体に対して着脱可能なキャップとを備え、
前記トリム部材は、基材と、該基材の表面に設けられた弾性変形可能な表皮材とを有し、
前記キャップ縁部に近接した前記トリム部材の基材の少なくとも表面側に前記キャップ縁部とは反対側へ凹んだ凹部が形成され、
前記キャップ縁部に沿った前記表皮材が前記凹部の形状を隠している、態様を有する。
【0008】
すなわち、キャップ縁部に近接したトリム部材の基材に形成された凹部の形状がキャップ縁部に沿った表皮材に隠されている。この凹部に合わせてキャップ縁部に近接したトリム部材にキャップ取り外し工具を当てると、凹部の形状を隠す表皮材が弾性変形し、工具を用いてキャップを取り外すことができる。工具使用後は、表皮材が弾性により元の形状に戻って凹部の形状を隠す。従って、上記態様は、意匠性が良好で、キャップ取り外し工具を挿入し易い車両用内装部品を提供することができる。
【0009】
ここで、トリム部材は、内装用の部材であればよく、ドアトリム、ルーフトリム、ピラーガーニッシュ、ラゲージサイドトリム、後部扉の内装材、等が含まれる。また、トリム部材は、分割不能な単一物でもよいし、分割可能な複数の構成物でもよい。
機能部材は、何らかの機能を有する内装用の部材であればよく、ドアグリップ、小物入れ、アシストグリップ、等が含まれる。
キャップ縁部には、トリム部材に近接していない部分が含まれてもよい。
基材の凹部は、基材の厚み方向全体にわたってキャップ縁部とは反対側へ凹んだ凹部でもよいし、裏面側を残して表面側がキャップ縁部とは反対側へ凹んだ凹部でもよい。
キャップ縁部に沿った表皮材は、キャップ縁部に接触してもよいし、キャップ縁部との間に目立たない隙間があってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、意匠性が良好で、キャップ取り外し工具を挿入し易い車両用内装部品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
【0013】
(1)本技術の概要:
まず、
図1〜7を参照して本技術の概要を説明する。
【0014】
車両用内装部品10は、基本要素として、車体(3)に設けられるトリム部材12と、車体(3)とトリム部材12の少なくとも一方に取り付けられる機能部材本体40と、該機能部材本体40に対して着脱可能なキャップ50とを備える。トリム部材12は、基材23と、該基材23の表面23aに設けられた弾性変形可能な表皮材26とを有する。キャップ縁部51aに近接したトリム部材12の基材23の少なくとも表面23a側にキャップ縁部51aとは反対側(離れる方向D1)へ凹んだ凹部24が形成されている。キャップ縁部51aに沿った表皮材26は、凹部24の形状を隠している。凹部の形状を隠すとは、凹部の形をはっきりとは分からないようにすることを意味する。本態様は、意匠性が良好で、キャップ取り外し工具T1を挿入し易い車両用内装部品10を提供することができる。
【0015】
キャップ縁部51aに沿った表皮材26は、表面26aがキャップ縁部51aに対向するように一般部27から基材23の裏面23b側へ曲げられてもよい。表面26aがキャップ縁部51aに対向するように弾性変形可能な表皮材26が一般部27から基材23の裏面23b側へ曲げられているので、本態様は、より意匠性が良好で、キャップ50を取り外す作業に必要な力を軽減する車両用内装部品10を提供することができる。
【0016】
前記キャップ縁部51aに近接したトリム部材は、アームレスト20でもよい。表皮材26は、基材23よりも軟質な材料で形成されてもよい。アームレスト20に必要な肘つきの耐荷重性は、比較的硬質な基材23によって満足される。工具挿入時には、比較的硬質な基材23の凹部24の外縁部24bに支えられることで比較的軟質な表皮材26のみが弾性変形する。従って、本態様は、工具T1を用いてキャップ50を取り外すための好適な構造を提供することができる。
【0017】
キャップ縁部51aに対応した部分42の機能部材本体40が挿入される開口部21がトリム部材12に形成されてもよい。該開口部21の周縁部21aの基材23に凹部24が形成されてもよい。本態様は、キャップ縁部51aに対応した部分42の機能部材本体40がトリム部材12の凹部24近傍の開口部21に挿入されるので、意匠性の良好な車両用内装部品10を提供することができる。
【0018】
(2)車両用内装部品の構成:
図1は、自動車1のサイドドア2に設けられるドアトリム(車両用内装部品10の例)を車室C1側から見た正面図である。図中、UPは上、DOWNは下、FRONTは前、REARは後、を表している。
図2は、内装部品10のドアグリップ(機能部材)30の下部付近を示している。
図2の下部には、アームレスト20の開口部21の下部付近において表皮材26の背後の基材23を示している。符号D1はキャップ縁部51aから離れる方向を示し、符号D5は凹部24の底部に沿った前後方向を示している。
図3(a)は、キャップ50の外観を示している。
図3(b)は、ドアグリップ本体(機能部材本体40)の外観を示している。
図4は、ドア2の要部を
図1のA1−A1の位置で切断した断面図である。符号D3は車外方向を示し、符号D4は車室方向を示している。
図5(a)は、ドアグリップ30を取り外したドア2の要部を
図1のA1−A1の位置で切断した断面図である。
図5(b)は、キャップ50のみを取り外したドア2の要部を
図1のA1−A1の位置で切断した断面図である。
図6(a)は、内装部品10の工具挿入部近傍を
図2のA2−A2の位置で切断した端面図である。
図6(b)は、内装部品10の工具挿入部を
図2のA3−A3の位置で切断した端面図である。
図6(a),(b)は、背景の図示を省略している。
なお、各部の表裏は、車室C1から見たときを基準として表す。従って、アームレスト基材23の表面23a、アームレスト表皮材26の表面26a、機能部材本体40の表面40a、及び、キャップ50の表面50aは、各部の車室側の面を表す。
【0019】
図1に示す自動車1は、道路上で使用されるように設計及び装備された路上走行自動車とされ、座席を囲む車室C1を有する乗用自動車とされている。車室C1の側面部には、ドア2及びピラーが配置されている。このドア2に内装部品10が装着されている。
【0020】
ドア2は、
図1,4に示すように、ドアパネル(車体)3、ドアウィンドウ4、内装部品10、等が設けられている。ドアパネル3は、鋼板製といった金属製の車体パネルの一種である。ドアウィンドウ4は、ガラス製といった透光材製の板状部材である。内装部品10は、トリム部材12とドアグリップ(機能部材)30を含む。トリム部材12は、ドアトリム本体14とアームレスト20に分割され、ドアパネル3に設けられる。すなわち、アームレスト20は、ドアトリム本体14とともにドアトリムを構成する。ドアグリップ30は、乗員が手をかけてドア2を開閉するための機能部材であり、機能部材本体40とキャップ50に分割される。
図4に示すドアグリップ30はドアパネル3とトリム部材12の両方に取り付けられているが、ドアグリップ30はトリム部材12に取り付けられずにドアパネル3に取り付けられてもよいし、ドアパネル3に取り付けられずにトリム部材12に取り付けられてもよい。
【0021】
本技術を適用可能なトリム部材は、ドアトリム以外にも、車室C1の天井部を形成するルーフトリム81、サイドドア2の前後に設けられるピラーガーニッシュ82、荷室の側面部を形成するデッキサイドトリム、後部扉の内装材、等でもよい。機能部材は、ドアグリップ以外にも、小物入れ31、アシストグリップ86、等でもよい。
図1には、小物入れ31がドアパネル3とトリム部材12の少なくとも一方に取り付けられ、アシストグリップ86がルーフパネルとルーフトリム81の少なくとも一方に取り付けられていることが示されている。むろん、機能部材の取付位置は、これらに限定されない。
【0022】
ドアトリム本体14の裏面には、ドアパネル3への固定用のクリップを取り付けるためのクリップ取付部が形成されている。クリップ取付座に取り付けられた装着用クリップをドアパネル3の嵌合孔に圧入してドアパネル3に係止させることにより、ドアパネル3の車室側にトリム本体14が取り付けられる。トリム本体14は、複数に分割されてもよいし、分割不能な単一物でもよい。トリム本体14には、合成樹脂の射出成形品といった成形品等を用いることができる。この合成樹脂には、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、これらの合成樹脂にエラストマーを添加した改質樹脂、これらの樹脂に着色剤といった添加剤を添加した材料、等を用いることができる。好ましくは、指定の条件のもとで、曲げ試験、又はそれが適用できない場合には引張試験における弾性率が70MPaよりも大きいという軟質でない合成樹脂が用いられる。また、これらの材料からなる内装基材の車室側の面に表皮材が積層されてトリム本体14が形成されてもよい。この表皮材には、軟質ポリ塩化ビニル(PVC)、不織布、織物、編物、等が用いられる。
なお、材料が軟質であるか硬質であるかは、上記弾性率により評価することができる。
【0023】
アームレスト20は、ドアトリム本体14に固定され、トリム本体14の上下方向の中央付近で乗員が肘を掛けて姿勢を楽に保つことができるように車室側へ膨出している。アームレスト20は、自動車の側突時に接触する乗員に加わる負荷を軽減する機能も有する。このアームレスト20にかけてトリム本体14の上部から橋渡しするようにドアグリップ30がドアパネル3とトリム本体14に取り付けられている。
【0024】
図2,4等に示すアームレスト20は、基材23と表皮材26を有し、キャップ縁部51aに対応した部分42の本体40が挿入される開口部21が形成されている。開口部21は、ドアグリップ30と接する位置にある。この開口部21の周縁部21aにおいてキャップ縁部51aに近接したアームレスト20の基材23には、キャップ縁部51aから離れる方向D1、すなわち、キャップ縁部51aとは反対側へ凹んだ切欠状の凹部24が形成されている。凹部24は、略直角の角部24a,24aを有する切欠部とされ、アームレスト20に近接したキャップ縁部51aの一部が前記方向D1へ凹んでいる。この凹部24は、少なくとも一部がキャップ縁部51aに面する位置に形成されており、
図6(c)に示すようなキャップ取り外し工具T1を表皮材26の弾性変形により挿入可能にする。
【0025】
基材23には、合成樹脂の射出成形品といった成形品等を用いることができる。この合成樹脂には、PP、ABS、これらの合成樹脂にエラストマーを添加した改質樹脂、これらの樹脂に着色剤といった添加剤を添加した材料、等を用いることができる。好ましくは、上述した弾性率が70MPaよりも大きいという軟質でない合成樹脂が用いられる。
なお、基材が軟質であると、アームレストに必要な肘つきの耐荷重性が満足されない虞がある。また、工具挿入時に基材が変形し、工具を引き抜いた後で基材が元の形に完全には復元できず、アームレストとキャップ縁部との隙間が広がる虞がある。基材が比較的硬質であると、アームレストに必要な肘つきの耐荷重性が満足される。また、工具挿入時には、基材の変形が抑制され、比較的軟質な表皮材が弾性変形する。
【0026】
比較的硬質の基材23の表面23aは、弾性を有する表皮材26で覆われている。キャップ縁部51aに沿った比較的軟質の表皮材26は、凹部24を面一状に覆っている。面一状とは、凹部24を覆う部分の表皮材26の表面26aと周辺の基材23を覆う部分の表皮材26の表面26aとがほぼ合わせられた状態を意味する。すなわち、凹部24の形状は、キャップ縁部51aに沿った弾性変形可能な表皮材26で隠されている。これにより、車室C1から見て凹部24の形状が分からず、車両用内装部品としての意匠性が良好である。
また、
図4に示すように、キャップ縁部51aに沿った表皮材26は、キャップ50の表面50aとも面一状とされている。これにより、内装部品10は、トリム本体12の表面26aからキャップ表面50aへ自然に繋がる良好な意匠を有する。
【0027】
図6(a),(b)に示すように、キャップ縁部51aに沿った表皮材26は、表面26aがキャップ縁部51aに対向するように一般部27から基材23の裏面23b側へ曲げられている。この部分の表皮材26の縁部28は、キャップ縁部51aに接触している。従って、内装部品10の意匠性が良好である。
【0028】
表皮材26の材料は、基材23よりも軟質の材料、例えば、軟質プラスチック、エラストマー、ゴム、これらの材料に着色剤といった添加剤を添加した材料、等を用いることができる。表皮材26が軟質材料で形成されると、工具挿入時に比較的硬質な基材23の凹部24の外縁部24bに支えられることで比較的な軟質な表皮材26のみが弾性変形する。また、梃子の原理の支点として工具T1を支えるのに十分な弾性力が得られ、工具挿入後に十分な復元力が得られる。特に、表皮材26が軟質ポリ塩化ビニル(PVC)で形成されると、工具挿入時に傷つき難いので、凹部24に合わせて表皮材26とキャップ縁部51aとの僅かな隙間CL1に工具T1を挿入したときに破れ等の傷の発生が抑制される。
【0029】
ドアグリップ30の本体40の表面40aには、キャップ50を嵌め合わせるための開口部41が形成されている。本体40には、車体への取付部46、トリム本体14の上部への取付部47、及び、トリム本体14の下部への取付部48が設けられている。車体への取付部46は、ねじSC1の挿通孔を有し、車外方向D3へねじ込まれるねじSC1によりドアパネル3に固定される。トリム本体上部への取付部47は、ねじSC1と螺合するねじ孔を有し、車室方向D4へねじ込まれるねじSC1によりトリム本体14の上部に固定される。螺合とは、ねじを嵌め合わせることを意味する。トリム本体下部への取付部48も、ねじSC1と螺合するねじ孔を有し、車室方向D4へねじ込まれるねじSC1によりトリム本体14の下部に固定される。すなわち、
図4に示す本体40は、アームレスト20には取り付けられず、ドアパネル3及びトリム本体14に取り付けられる。
【0030】
本体40には、合成樹脂の射出成形品といった成形品等を用いることができ、金属を併用することもできる。前記合成樹脂には、PP、ABS、これらの合成樹脂にエラストマーを添加した改質樹脂、これらの樹脂に着色剤といった添加剤を添加した材料、等を用いることができる。好ましくは、上述した弾性率が70MPaよりも大きいという軟質でない合成樹脂が用いられる。
【0031】
キャップ50は、上記開口部41を塞ぐ一般部52と、縁部51において車外方向D3へ突出した複数の係合部53とを有し、本体40に対して着脱可能である。一般部52は、開口部41を覆う略板状に形成されている。各係合部53の先端部は、一般部52を基準として外側へ出て上記開口部41の周縁部41aに係止する凸部とされている。トリム部材12に近接した縁部51aにおいて車外方向D3へ突出した係合部53aの先端部は、基材凹部24側へ出て本体40に係止する凸部とされている。キャップ50には、合成樹脂の射出成形品といった成形品等を用いることができる。前記合成樹脂には、PP、ABS、これらの合成樹脂にエラストマーを添加した改質樹脂、これらの樹脂に着色剤といった添加剤を添加した材料、等を用いることができる。従って、係合部53は、開口部41の周縁部41aを乗り越える弾性を有する。これにより、本体40に対してキャップ50を取り付け可能であり、取り外し可能である。
【0032】
上述した内装部品10を形成するには、例えば、以下のようにすればよい。
まず、キャップ縁部51aに対応した部分42の本体40を車室C1側からアームレスト開口部21に挿入し、トリム本体14の上部に取付部47をねじSC1で固定し、トリム本体14の下部に取付部48をねじSC1で固定する。その後、ドアパネル3に取付部46をねじSC1で固定する。本体40の開口部41にキャップ50の複数の係合部53を挿入していくと、各係合部53の外向きの凸部が開口部41の周縁部41aを乗り越えて係止する。これにより、キャップ縁部51aとアームレスト開口部21の周縁部21aとが互いに面するようにキャップ50が本体40に取り付けられる。
【0033】
(3)車両用内装部品の作用、及び、効果:
図6(a),(b)に示すように、通常時の基材23の表面23aは、凹部24が形成されているか否かに関わらず、弾性を有する表皮材26によって面一状に覆われている。すなわち、キャップ縁部51aに近接したトリム部材12の基材23に形成された凹部24の形状がキャップ縁部51aに沿った表皮材26に隠されている。
【0034】
メンテナンス時などトリム本体14ひいてはドアグリップ30をドアパネル3から取り外すときには、本体40からキャップ50を取り外す必要がある。この場合、
図6(c)に示すように、マイナスドライバーといったキャップ取り外し工具T1の薄い先端をキャップ縁部51aとアームレスト開口部21の周縁部21aとの隙間CL1に挿入してキャップ縁部51aを押す方向D2(方向D1とは反対方向)へ力を加えることになる。このとき、凹部24に合わせて工具T1を周縁部21aに当てると、工具T1に押されて表皮材26が弾性変形して凹部24の内側、すなわち、キャップ縁部51aから離れる方向D1へ撓み、工具T1が車外方向D3へ深く挿入される。このようにキャップ縁部51aと凹部24との間に充分な空間が存在するため、ドライバー等の汎用工具であっても挿入が容易である。
また、表面26aがキャップ縁部51aに対向するように表皮材26が一般部27から基材23の裏面23b側へ曲げられているので、意匠性が良好であり、且つ、梃子の原理の支点として働く際にキャップ縁部51aを押す方向D2へ大きな力が働く。これは、前述のように表皮材が基材の裏面側に曲げられていないと表皮材が車外方向D3へ撓み易くなってD2の方向への力が働き難いためである。本技術の内装部品は、前述のように表皮材が基材の裏面側に曲げられているので、キャップ縁部51aを押す方向D2とは逆の方向D1へ表皮材26が大きく撓み、梃子の原理の支点として働く際に表皮材26の復元力がD2の方向へ大きく働く。
【0035】
なお、上記凹部24が無い場合、キャップ縁部とアームレスト開口部の周縁部との隙間に汎用工具を挿入し難いため、作業性が悪く、作業コストが高くなる原因となる。また、工具が滑ると、キャップやアームレストに滑り傷がついてしまい、商品価値が落ちてしまう虞がある。キャップ縁部とアームレスト開口部の周縁部との隙間に簡単に挿入することのできる高価な専用工具を安価な汎用工具の代わりに用意することは、コスト高の原因となる。さらに、キャップ縁部とアームレスト開口部の周縁部との隙間を広くすると、車両用内装部品としての意匠性が低下してしまう。上記凹部24を備えた本技術は、これらの不都合を解消することができる。
【0036】
工具挿入後、弾性変形した表皮材26を支点として工具T1の先端に方向D2の力を加えると、係合部53aが本体開口部41の周縁部41aとの係止から解放される。このとき、撓んだ表皮材26が梃子の原理の支点として働くので、工具T1のずれが抑制され、小さな力で容易にキャップ50を本体40から取り外すことができる。
【0037】
キャップ取り外し後に工具T1を隙間CL1から引き抜くと、表皮材26が弾性により元の面一状に戻って凹部24の形状を隠す。このため、キャップ50を繰り返し着脱しても傷や破損による商品価値の低下を招き難い。
【0038】
以上説明したように、本技術は、特別な部品の追加や専用工具を必要とせず、コスト安の構成でありながらキャップ50の取り外し時に工具T1が挿入し易く、且つ、意匠性が良好である車両用内装部品を提供することができる。もっとも、専用工具も工具T1に含まれ、専用工具を使用する場合も工具を挿入し易い効果が得られる。
また、自動車1の側突時に凹部24が基材23の弱体部として働くことで乗員への衝撃を吸収することができるので、本技術は、側突性能の向上を図ることができる。
【0039】
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、機能部材本体は、トリム本体とともにアームレストにも取り付けられてもよいし、トリム本体に取り付けられずにアームレストに取り付けられてもよい。また、本技術のトリム部材は、トリム本体とアームレストの組合せ以外にも、トリム本体を含まないアームレストでもよいし、アームレストを含まないトリム本体でもよい。
機能部材本体が挿入される開口部は、アームレスト以外にも、トリム本体等でもよい。また、機能部材本体は、トリム部材の開口部に挿入されずに車体とトリム部材の少なくとも一方に取り付けられてもよい。
機能部材本体に対してキャップを着脱可能にする構造は、キャップの各係合部53の先端部に形成した外向きの凸部以外の構造でもよい。例えば、キャップ縁部51から外側へ出ないで車外方向へ延出した環状部位でも、機能部材本体の開口部41の周縁部41aに合っていれば、機能部材本体に対してキャップを着脱可能にする構造を構成する。
キャップ縁部に沿った表皮材は、一般部から基材の裏面側に曲げられなくてもよく、例えば、キャップ縁部に沿って切断されていてもよい。
凹部を隠す表皮材は、凹部の形がはっきりとは分からなければよく、周辺の基材を覆う表皮材から目立たない範囲で若干凹んでいてもよい。また、凹部を隠す表皮材の表面とキャップ縁部との隙間も、凹部の存在がはっきりとは分からなければよく、周辺の基材を覆う表皮材の表面とキャップ縁部との隙間よりも目立たない範囲で若干広がっていてもよい。
【0040】
さらに、凹部24の長手方向、すなわち、凹部24の底部に沿った方向D5の中心等、凹部24の位置に合わせて、線条といった目印を表皮材26に形成してもよい。これにより、より正確に凹部24に合わせて工具T1を隙間CL1に挿入することができる。また、凹部24の長手方向の中心に合わせて目印を表皮材26に形成すると、工具挿入時に表皮材26の撓み量を最大限確保することができるため、キャップ50をさらに容易に取り外すことができる。
【0041】
図7(a)は、変形例に係るアームレストの開口部付近における基材23を示している。
図7(b)は、基材23を
図7(a)のA4の位置で切断した端面図である。この基材23の凹部24は、裏面23b側へ凹んでいる。従って、キャップ縁部51aに近接したトリム部材12の基材23の表面23a側にキャップ縁部51aとは反対側(離れる方向D1)へ凹んだ凹部24が形成されていることになる。
この変形例も、凹部24の形状が表皮材26に隠されるので、意匠性が良好である。また、凹部24に合わせてキャップ縁部51aとアームレスト開口部21の周縁部21aとの隙間CL1にキャップ取り外し工具T1を容易に挿入することができる。
【0042】
図7(c)は、別の変形例に係るアームレストの開口部付近における基材23を示している。この基材23の凹部24の角部24a,24aは、丸くされている。この変形例も、意匠性が良好で、キャップ取り外し工具T1を挿入し易い内装部品を提供することができる。
【0043】
図7(d)は、さらに別の変形例に係るアームレストの開口部付近における基材23を示している。この基材23の凹部24の角部24a,24aは、凹部24の底部に沿った方向D5の両端から延びるノッチ形状とされている。
図7(d)に示すノッチ形状(24a,24a)は、キャップ縁部51aから離れるほど互いに方向D5へ離れる向きとされている。
ノッチ形状を有する凹部24も、弾性変形可能な表皮材26によって面一状に覆われる。その上、自動車1の側突時にノッチ形状が起点となることにより凹部24が基材23の弱体部として働き易くなる。従って、本変形例は、側突性能をさらに向上させることができる。
【0044】
図7(e)は、さらに別の変形例に係るアームレストの開口部付近における基材23を示している。この基材23の凹部24は、キャップ縁部51aから離れるほど方向D5に広がる略台形形状とされている。この凹部24も、表皮材26によって面一状に覆われる上、自動車1の側突時に角部24aが起点となることにより基材23の弱体部として働き易くなる。従って、本変形例も、側突性能をさらに向上させることができる。
【0045】
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、意匠性が良好で、キャップ取り外し工具を挿入し易い車両用内装部品等の技術を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1…自動車、2…ドア、3…ドアパネル(車体)、4…ドアウィンドウ、
10…内装部品、12…トリム部材、14…トリム本体、
20…アームレスト、21…開口部、21a…周縁部、
23…基材、23a…表面、23b…裏面、24…凹部、24a…角部、
26…表皮材、26a…表面、27…一般部、28…縁部、
30…ドアグリップ(機能部材)、31…小物入れ、
40…本体(機能部材本体)、40a…表面、41…開口部、41a…周縁部、
42…キャップ縁部に対応した部分、46〜48…取付部、
50…キャップ、50a…表面、51…縁部、51a…トリム部材に近接した縁部、
52…一般部、53,53a…係合部(凸部)、
81…ルーフトリム、82…ピラーガーニッシュ、86…アシストグリップ、
D1…キャップ縁部から離れる方向、D2…キャップ縁部を押す方向、
D3…車外方向、D4…車室方向、D5…凹部の底部に沿った方向。