(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961152
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ガス配送システムのための燃料電池ハイブリッド発電システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0606 20160101AFI20160719BHJP
H01M 8/06 20160101ALI20160719BHJP
H01M 8/0612 20160101ALI20160719BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20160719BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20160719BHJP
H01M 8/10 20160101ALI20160719BHJP
H01M 8/12 20160101ALI20160719BHJP
【FI】
H01M8/06 R
H01M8/06 B
H01M8/06 G
H01M8/04 J
H01M8/00 Z
H01M8/10
H01M8/12
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-213204(P2013-213204)
(22)【出願日】2013年10月10日
(62)【分割の表示】特願2009-511170(P2009-511170)の分割
【原出願日】2007年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-139918(P2014-139918A)
(43)【公開日】2014年7月31日
【審査請求日】2013年11月7日
(31)【優先権主張番号】11/435,054
(32)【優先日】2006年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502197161
【氏名又は名称】フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】508337721
【氏名又は名称】エンブリッジ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ENBRIDGE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】スコック, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】タイクローブ, ディヴィッド, ジョナサン
【審査官】
清水 康
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−121699(JP,A)
【文献】
特開2002−050387(JP,A)
【文献】
特開2001−283882(JP,A)
【文献】
特開平06−318464(JP,A)
【文献】
特開平10−012255(JP,A)
【文献】
特開2004−355838(JP,A)
【文献】
特開2004−303649(JP,A)
【文献】
特開2005−240863(JP,A)
【文献】
特表2001−516935(JP,A)
【文献】
特開2005−222897(JP,A)
【文献】
特開2002−083619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00 − 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ガスが輸送/配送され、その後、ガス配送ライン又はガス輸送ラインに対応するより低圧に減圧され、且つ、前記高圧ガスが減圧される前に前記高圧ガスを予熱するために予熱器が使用されるガス輸送システム又はガス配送システムにおいて使用するための燃料電池ハイブリッド発電システムであって、
前記予熱された高圧ガスを受け取り、前記予熱された高圧ガスのガス圧力を低下させて低圧ガスを生成し、当該低圧ガスを前記ガス配送ライン又はガス輸送ラインへ提供し、電気出力を発生するように構成されたエネルギー回収発電機と、
(i)DC電気出力を発生し、廃棄酸化剤ガスを含有する排気ガスを排出するように構成された複数の燃料電池モジュールと、(ii)当該燃料電池モジュールへ提供される燃料及び水を処理するように構成された燃料処理反応炉と、を備えた燃料電池発電装置と、
(i)前記燃料電池モジュールの前記DC電気出力をAC電気出力へ変換するように構成されたDC/AC変換器と、(ii)前記エネルギー回収発電機の前記電気出力と前記燃料電池モジュールの前記変換された電気出力とを連結して、連結電気出力を発生するように構成された連結器と、を備えた電気構体と
を具備し、
前記燃料電池モジュールは、前記廃棄酸化剤ガスを含有する排気ガスを介して廃熱を提供するように構成され、当該廃熱の第1の部分は前記エネルギー回収発電機へ提供される前記高圧ガスを加熱するために前記予熱器へ提供され、該廃熱の第2の部分は前記燃料処理反応炉へ提供される
ことを特徴とする燃料電池ハイブリッド発電システム。
【請求項2】
前記燃料電池モジュールは、前記低圧ガス及び酸化剤供給ガスを受け取り、当該低圧ガス及び酸化剤供給ガスの電気化学変換により前記電気出力を発生するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池ハイブリッド発電システム。
【請求項3】
前記高圧ガスを予熱するために前記燃料電池発電装置の前記廃熱を提供する当該燃料電池ハイブリッド発電システムにおいて、燃焼装置は存在しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池ハイブリッド発電システム。
【請求項4】
高圧ガスが輸送/配送され、その後、ガス配送ライン又はガス輸送ラインに対応するより低圧に減圧され、且つ、前記高圧ガスが減圧される前に前記高圧ガスを予熱するために予熱器が使用されるガス輸送システム又はガス配送システムにおいて使用するための燃料電池ハイブリッド発電システムであって、
前記予熱された高圧ガスを受け取り、前記予熱された高圧ガスのガス圧力を低下させて低圧ガスを生成し、当該低圧ガスを前記ガス配送ライン又はガス輸送ラインへ提供し、電気出力を発生するように構成されたエネルギー回収発電機と、
DC電気出力を発生するように構成された燃料電池発電装置と、
(i)前記燃料電池発電装置の前記DC電気出力をAC電気出力へ変換するように構成されたDC/AC変換器と、(ii)前記エネルギー回収発電機の前記電気出力と前記燃料電池発電装置の前記変換された電気出力とを連結して、連結電気出力を発生するように構成された連結器と、を備えた電気構体と
を具備し、
前記電気構体は、当該燃料電池ハイブリッド発電システムの動作パラメータが、複数の動作モードであって、(i)当該燃料電池ハイブリッド発電システムの電気歩留まりが最適化される第1のモードと、(ii)前記エネルギー回収発電機からの出力が優先される第2のモードと、(iii)前記燃料電池発電装置の出力が優先される第3のモードとを含む複数の動作モードの一つとなるように制御する制御ユニットを備える
ことを特徴とする燃料電池ハイブリッド発電システム。
【請求項5】
前記電気構体は、前記発生した連結電気出力の少なくとも一部を当該燃料電池ハイブリッド発電システムの外部での使用のために提供することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池ハイブリッド発電システム。
【請求項6】
前記電気構体は、前記発生した連結電気出力の少なくとも一部を当該燃料電池ハイブリッド発電システムの少なくとも一つの構成要素に供給することを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池ハイブリッド発電システム。
【請求項7】
前記電気構体は、前記連結電気出力が外部のユーザが所望とする最低レベルに安定的に維持されるように、前記エネルギー回収発電機の前記電気出力を前記燃料電池発電装置の制御された前記電気出力で補充して、前記連結電気出力を発生することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の燃料電池ハイブリッド発電システム。
【請求項8】
高圧ガスが輸送/配送され、その後、ガス配送ライン又はガス輸送ラインに対応するより低圧に減圧されるガス配送システムにおいて使用するためのステーションであって、
前記高圧ガスを予熱する予熱器と、
請求項1から7のいずれか1項に記載の燃料電池ハイブリッド発電システムと
を備えることを特徴とするステーション。
【請求項9】
高圧ガスを輸送するための上流側ガス輸送/配送パイプラインと、
請求項8に記載のステーションと
を備えることを特徴とするガス配送システム。
【請求項10】
高圧ガスが輸送/配送され、その後、ガス配送ライン又はガス輸送ラインに対応するより低圧に減圧されるガス配送システムと共に使用するための方法であって、
前記高圧ガスが減圧される前に、前記高圧ガスを予熱器により予熱するステップと、
エネルギー回収発電機を使用して、前記予熱された高圧ガスの圧力を低下させて低圧ガスを生成し、当該低圧ガスを前記ガス配送ライン又はガス輸送ラインへ提供し、電気出力を発生するステップと、
燃料電池発電装置の複数の燃料電池モジュールを使用して、DC電気出力を発生し、廃棄酸化剤ガスを含有する排気ガスを排出するステップと、
前記燃料電池発電装置の燃料処理反応炉を使用して、前記燃料電池モジュールへ提供される燃料及び水を処理するステップと、
前記燃料電池モジュールの前記DC電気出力をAC電気出力へ変換するステップと、
前記エネルギー回収発電機の前記電気出力と前記燃料電池モジュールの前記変換された電気出力とを連結して、連結電気出力を発生するステップと、
前記燃料電池モジュールからの廃熱を、前記廃棄酸化剤ガスを含有する前記排気ガスを介して提供するステップであって、当該廃熱の第1の部分は前記エネルギー回収発電機へ提供される前記高圧ガスを加熱するために前記予熱器へ提供され、該廃熱の第2の部分は前記燃料処理反応炉へ提供される、ステップと
を具備することを特徴とする方法。
【請求項11】
高圧ガスが輸送/配送され、その後、ガス配送ライン又はガス輸送ラインに対応するより低圧に減圧されるガス配送システムと共に使用するための燃料電池ハイブリッド発電システムにおける方法であって、
前記高圧ガスが減圧される前に、前記高圧ガスを予熱器により予熱するステップと、
エネルギー回収発電機を使用して、前記予熱された高圧ガスの圧力を低下させて低圧ガスを生成し、当該低圧ガスを前記ガス配送ライン又はガス輸送ラインへ提供し、電気出力を発生するステップと、
DC電気出力を発生するために燃料電池発電装置を使用するステップと、
前記燃料電池発電装置の前記DC電気出力をAC電気出力へ変換するステップと、
前記エネルギー回収発電機の前記電気出力と前記燃料電池発電装置の前記変換された電気出力とを連結して、連結電気出力を発生するステップと
を具備し、
当該燃料電池ハイブリッド発電システムの動作パラメータが、複数の動作モードであって、(i)当該燃料電池ハイブリッド発電システムの電気歩留まりが最適化される第1のモードと、(ii)前記エネルギー回収発電機からの出力が優先される第2のモードと、(iii)前記燃料電池発電装置の出力が優先される第3のモードとを含む複数の動作モードの一つとなるように制御される
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関し、特に、ガス・ディストリビューション(配送)システムのための燃料電池ハイブリッド発電システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガス配送システムにおいて、例えば本出願の譲受人であるEnbridge, Inc.などの公益事業体により供給される天然ガスは、超高圧の輸送パイプライン及び配送パイプラインを介して輸送される。ガスを配送するために、この超高圧ガスは、通常は下流側圧力の2〜20倍の高さである上流側圧力から通常は50〜80psigである低い圧力まで減圧される。それらの超高圧パイプラインは、都市ゲートステーション(都市関門局)へガスを配達するか、又は都市センターの中で地区ステーション(地区局)へガスを配達する。天然ガスのユーザ又は顧客に向けて低圧でガスを配送できるように、ステーションはガス圧力を低下させる。通常、都市ゲートステーション又は地区ステーションは「減圧ステーション」又は「圧力低下ステーション」と呼ばれる。それらのステーションは、超高圧ガスから所望の低圧への必要な減圧を実行しなければならない。
【0003】
通常、ガス圧力の低下は、各減圧ステーションにおいて減圧弁を介して達成される。圧力の低下に伴って、定エンタルピー膨張に起因する冷媒効果が起こる。この効果は、任意の気体化合物(プロパン、圧縮空気など)が非常に大きな圧力低下と大容量の流量とを同時に受けた場合に起こる冷却に類似している。プロパンバーベキューの動作によって、これを物理的に表現できる。プロパンバーベキューにおいては、加圧されたプロパンが貯蔵シリンダから排出される場合、プロパンは圧力低下を受ける。大容量流量条件の下で、この冷媒効果は貯蔵シリンダの外面を低温にする。極端な条件においては、冷媒効果の結果、シリンダの周囲に霜が堆積する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、大量のガス流れが非常に大きな圧力降下を受ける天然ガスパイプラインにおいても、同じ冷却効果又は冷媒効果が起こる。ガスパイプラインに対するこの冷却効果は大量の霜を形成する。霜は、パイプラインシステムの保全性に悪影響を及ぼし且つ/又は地方自治体の道路認可基準の範囲内にある任意のパイプライン付近の舗装道路を動かしてしまうため、そのような冷却効果は望ましくない。この非常に急激な冷却は、輸送されるガス又は燃料の中の水和物(水分)に関しても制御の問題を引き起こす。それらの問題を排除するために、通常、ガス供給会社は、超高圧ガスが減圧ステーションへ配達される前にガスを予熱する。通常、この予熱は、天然ガスボイラを介して熱を供給される熱伝達流体ループ(通常はグリコールループ)を有する予熱器又は熱交換器にガスを通すことにより達成される。予熱器の熱伝達流体ループの加熱された熱流体は、超高圧ガスを十分に加熱するので、減圧ステーションにおいて超高圧ガスが減圧される時点で、ガスの温度は、凍結温度を超える温度、すなわち32°F又は0℃を超える温度に維持される。
【0005】
超高圧天然ガスを減圧ステーションへ配達する前にガスを加熱する必要があるため、相当に大きなエネルギーが要求され、そのためガス配送システムの総効率が低下することは明らかである。また、減圧ステーションでガス圧力が低下することにより非常に大きなエネルギーが発生するが、今日に至るまで、このエネルギーは利用されず無駄になっていた。
【0006】
従って、本発明の目的は、超高圧ガス配送/輸送ラインから供給されるガスの圧力を低下するための有効且つ費用効率のよい方法を提供することを目的とするガス配送システムにおいて使用するためのシステム及び方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、ガス圧力を低下する際に発生されるエネルギーがシステム効率を向上するために利用される上述の種類のシステム及び方法を提供することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、大気中への汚染物質放出量の削減に寄与する構成要素を利用する上述の種類のシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に説明される本発明の実施形態においては、超高圧ガスが輸送/配送され、その後、ガス配送ライン又はガス輸送ラインに対応する低圧に減圧され且つ超高圧ガスが減圧される前に超高圧ガスを加熱するために予熱器が使用されるガス配送システムで使用可能である燃料電池ハイブリッド発電システム及び方法において、上記の目的及び他の目的は実現される。特に、燃料電池ハイブリッド発電システムはエネルギー回収発電機を有する。エネルギー回収発電機は、予熱された超高圧ガスに応答し、電気出力を発生する一方で低圧ガスを生成するために、予熱された超高圧ガスのガス圧力を低下するように構成される。発電システムには燃料電池発電装置が更に含まれる。燃料電池発電装置は、廃熱を生成する一方で電気出力を発生するように構成される。燃料電池発電装置は、予熱器が超高圧ガスを加熱できるように、予熱器が廃熱を利用できるように更に構成される。発電システムの電気ユニット又は電気構体は、エネルギー回収発電機及び燃料電池発電装置の電気出力に応答し、連結電気出力を発生する。オプションで、燃料電池発電装置は、発電装置の燃料供給源として低圧(又は高圧)ガスの一部を利用するように更に構成される。
【0010】
本発明のある特定の実施形態においては、エネルギー回収発電機は、膨張によって超高圧ガスの圧力を低下し、その結果、機械的出力を生成する回転膨張装置の形態をとる。機械的出力は発電機を駆動する。それらの実施形態のうちいくつかの実施形態においては、燃料電池発電装置は、低圧ガスにより供給される入力燃料を内部改質するように構成される燃料電池モジュールを利用する。オプションで、燃料電池モジュールは内部改質型燃料電池のスタックを含んでもよく、更に、オプションで、それらの燃料電池は内部改質型溶融炭酸塩燃料電池であってもよい。
【0011】
また、いくつかの実施形態においては、電気アセンブリ(構体)の連結電気出力は、配電網及び/又は負荷により利用可能にされる。更に、ある特定の実施形態においては、予熱器は、超高圧ガスを加熱する熱伝達流体ループを有する熱交換器を利用し、発電装置の排気ガスは、発電装置の廃熱の少なくとも一部を形成する酸化剤排気ガスを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の上記の特徴及び面並びに他の特徴及び面は、添付の図面と関連させて以下の詳細な説明を読むことにより更に明らかになるであろう。
【0013】
図1は、ガス配送システム100と関連して使用される燃料電池ハイブリッド発電システム10を概略的に示す。ガス配送システム100は、超高圧ガス輸送ライン又は超高圧ガス配送ライン101を含む。ライン101は、通常、超高圧の天然ガスを1つ以上の減圧ステーション102へ輸送する。減圧ステーション102において、超高圧ガスはライン101から取り出され、通常は約50〜60psigである低圧まで減圧される。その後、低圧ガスは、減圧ステーション102から1つ以上のガス配送ライン103に結合される。ガス配送ライン103は、ユーザの場所までガスを配達するか又はユーザの場所まで配達するためにガスを利用可能な状態にする。
【0014】
減圧ステーション102において、燃料電池ハイブリッド発電システム10は、ライン101からステーションに供給される超高圧ガスの圧力を低下する。発電システム10は燃料電池発電装置11を採用する。図示される実施形態の場合、燃料電池発電装置11は、ガス配送ライン103からガスを供給され、このガスを発電装置の燃料供給ガスとして利用するように構成される。特に、燃料電池発電装置11は、この燃料供給ガス及び酸化剤供給ガスを使用し、電気化学変換によって電気出力を発生する。電気出力は、電気構体又は電気ユニット13に供給される。
【0015】
燃料電池発電装置11における電気化学変換処理は、放出物質が0に近い廃熱を更に生成する。この廃熱は予熱器ユニット14に供給される。予熱器14は、ライン101からの超高圧ガスが燃料電池ハイブリッド発電システム10により減圧される前に超高圧ガスを加熱するために使用される。図示される実施形態の場合、予熱器は、ガス配送システム100に含まれるものとして示される。しかし、予熱器14が配送システム100に設置されない場合には、予熱器14を発電システム10に含めることができる。
【0016】
超高圧ガスが予熱された後、ガスは、適切なライン又は配管を経て発電システム10のエネルギー回収発電機12に結合される。エネルギー回収発電機12は、予熱された超高圧ガスの圧力を所望の低圧まで減圧し、そのガスを配送ライン103へ配達する。この減圧と同時に、減圧の結果として、エネルギー回収発電機は電気出力を更に発生する。この電気出力も電気構体13に供給される。
【0017】
電気構体13は、燃料電池発電装置11及びエネルギー回収発電機12の電気出力を調整し且つ最適化する。その後、システムは、1つ以上の電気負荷及び/又は消費者により最終的に使用される配電網が連結出力を利用できるようにする。
【0018】
図1のガス配送システム100において、特に、燃料電池ハイブリッド発電システム10の使用により実現される減圧ステーション102によって、ガス配送システム100の総効率は改善される。特に、エネルギー回収発電機12において、ガスの減圧に伴って有用な電力が発生され、この電力は、最終的に使用するために電気構体13に結合される。エネルギー回収発電機12からの電力は、燃料電池発電装置11の安定した一定の電力により更に補足される。それらの電力を連結した結果、電気構体13から出力される連結電力を所望の最低レベルに確実に維持できる。また、燃料電池発電装置11からの廃熱は予熱器14において利用されるので、予熱のためにボイラを使用する必要が少なくなるか又はボイラは完全に不要になる。更に、燃料電池発電装置の放出物質が0に近い廃熱は、ボイラの任意の放出物質を相殺するように作用する。構体13は、放出物質の減少及びシステムの燃料効率を最適化する補助システム制御部として機能する。
【0019】
図2は、本発明のある特定の実施形態において使用可能である燃料電池発電装置11及び電気構体13を示す概略図である。図示されるように、発電装置11は、DC電力部を形成する複数の燃料電池モジュール11Aを含む。各モジュール11Aは、オプションで、改質をほとんど又は全く伴わない燃料供給源である天然ガス、メタン又は他の炭化水素燃料によって直接動作するように構成される。それらのガスは、燃料電池モジュール自体の中で直接改質可能である。この目的のために、各モジュール11Aは、燃料電池の1つ以上の内部改質型スタックを含むことができる。使用可能な内部改質型燃料電池の例は、溶融炭酸塩内部改質型燃料電池である。
【0020】
燃料供給ガスを改質する燃料電池モジュールを使用する場合、発電装置11の内部又はシステム中の他の場所に別個の改質装置を設ける必要は少なくなる。発電装置11がガス配送システム100と共に使用される場合、配送ライン103からの低圧天然ガスを燃料電池モジュール11Aの燃料供給ガスとして使用できるので、発電装置11における直接改質も非常に大きな利点である。
【0021】
各燃料電池モジュール11Aは廃熱を更に生成する。この廃熱は酸化剤排気ガスを含み、
図2に示されるように、燃料電池モジュール11Aから熱回収ユニット11Bに結合される。熱回収ユニット11Bは、この廃熱をフルー(排気)ガスとして排出する。先に述べたように、この排気ガスは、ライン101からの超高圧ガスを予熱するために予熱器14により使用される。廃熱が排出される前に、同様に発電装置11に含まれる燃料/水処理ユニット11Cにおいて処理された後の供給燃料及び供給水を処理するために、廃熱の一部が使用される。燃料/水処理ユニット11Cは、燃料及び水を処理するための燃料清浄化反応炉及び他の燃料処理反応炉(例えば天然ガスをピークカットする脱酸反応炉)を含む。
【0022】
燃料電池モジュール11Aへ配達するための適切な温度の燃料/蒸気混合物を生成するために、処理後の燃料及び水は更に処理される。この目的のために、ユニット11Bは、関連する局所制御装置を有するパッケージ化触媒反応炉及び低温酸化剤(空気)供給送風機を含む。
【0023】
図2の発電装置11として使用できる燃料電池発電装置は、本出願の譲受人の中の一社であるFuelCell Energy, Inc.によりDFC(R) 3000の製品名で現在製造されている。この譲受人によりDFC(R) 1500及びDFC300MAの製品名で製造されている他の発電装置も、発電装置11として使用するのに適する。
【0024】
また、内部改質型溶融炭酸塩燃料電池は、燃料電池モジュール11Aにおいて使用可能な燃料電池の1つの種類の例であるが、本発明の原理は、あらゆる種類の燃料電池に適用されることを意図する。従って、モジュール11Aにおいて内部改質が実行されるか又は実行されないかに関わらず、他の種類の高温燃料電池及び低温燃料電池の双方を使用することは本発明の意図の範囲内である。使用可能な燃料電池の例は、固体酸化物燃料電池、燐酸燃料電池及びPEM燃料電池を含むが、それらに限定されない。
【0025】
モジュール11Aが非内部改質型燃料電池を含む場合、供給燃料が燃料電池モジュールに供給される前に供給燃料を改質するために、燃料電池発電装置11又はシステム中の他の場所に追加の改質機器が追加されなければならないであろう。
【0026】
次に、電気構体13は、
図2に示されるように、電力調整ユニット13A、システム制御ユニット13B及び発電装置13Cを含む。電力調整ユニット13Aは、
図3に更に詳細に示される。電力調整ユニット13Aは、燃料電池モジュール11AのDC出力をAC出力に変換するDC/AC変換器13AAを含む。
図3に示されるように、エネルギー回収発電機12の電気出力は、DC/AC変換器13AAの出力端子に更に供給され、そこで変換器の出力と連結される。その後、連結出力は、AC負荷及び/又は配電ユニット201に供給される。配電ユニット201はAC出力を送電線システム202に結合し、AC出力は最終的に消費者により使用される。
【0027】
尚、電力調整システム13Aは、
図3に示される形態とは異なる形態で構成されてもよい。従って、例えば、エネルギー回収発電機12のAC出力がDC/AC変換器13AAの出力端子に供給される代わりに、AC出力がDC出力に変換され、その後、DC/AC変換器13AAの入力端子において燃料電池モジュールの出力と連結されることも可能であろう。別の代替構成は、DC出力が変換器13AAの入力端子に供給される前にDC出力のレベルを上げるために、燃料電池モジュール11Aの出力端子にDC/DC変換器を含める構成であろう。第3の代替構成は、特に小型のエネルギー回収発電機に対応し、エネルギー回収発電機からのDC出力を供給し、この出力をDC/AC変換器13AAの入力端子において燃料電池モジュール11Aの出力と連結する構成であろう。
【0028】
電気構体13の発電装置13Cは、燃料電池発電装置11の熱回収ユニット及び他の機器に電力を供給する機器を含む。図示されるように、発電装置13Cは、この電力をエネルギー回収発電機12からのAC電力の一部から取り出す。図示されてはいないが、燃料電池モジュールの電気出力の一部からも追加電力を取り出すことができる。発電装置13Cは、電圧降下中又は停電中に制御システム及び他の発電装置構成要素に対する電力を維持するためのバックアップとして、バッテリにより支援される無停電電源装置を更に含む。
【0029】
制御システムユニット13Cは、システムの種々の構成要素を制御する基本制御装置を含む。特に、エネルギー回収発電機の電力プロファイルは、回収されるパイプラインガスエネルギーからの資源の可用性の変動に関連して出力が可変である風力発電と同様である。燃料電池発電装置の燃料電池スタックからの電気が結合されるので、燃料電池ハイブリッド発電システム10は、電気構体13における最適化制御システムによって発電システム自体の発電プロファイルを安定させることができる。制御システムは、
(i)最大年間電気生成のための最適化電気歩留まり
(ii)エネルギー回収発電機からの出力が優先される最適化燃料効率
(iii)燃料電池発電装置からの出力が優先され且つエネルギー回収発電機の出力が燃料電池発電装置の燃料電池の利用可能熱出力に整合される最適化放出物質削減
を含む3つの動作モードのうち1つの動作モードで、燃料電池ハイブリッド発電システムの動作パラメータを確定させる。
【0030】
図4は、本発明のある特定の実施形態、特に、
図2に示される燃料電池発電装置を使用する実施形態と共に使用するのに有用であるエネルギー回収発電機12を示す。図示されるように、ユニット12は、回転膨張装置(ターボエキスパンダ又は往復動エキスパンダ)12Aと、膨張装置の機械的出力により駆動される発電機12Bとを含む。膨張装置の機械エネルギーは、超高圧ガスを膨張することにより取り出され、その結果、圧力は低下する。これにより、発電機が駆動され、電気出力(AC又はDC)が発生される。CryostarによりTG-200/60-EXの商品名で製造されているターボエキスパンダは、
図3の回転膨張装置12Aとして使用できるターボエキスパンダの一例である。一方、発電機12Bは、AlsthomによりF2RTCN450L2Cの商品名で製造されているユニットであってもよい。
【0031】
発電機12として他のエネルギー回収発電機を使用することも、本発明の意図の範囲内である。従って、例えば、種々の製造業者から商用ユニット、早期商用ユニット、デモンストレーション用ユニット又は原型ユニットとして現在生産されている他の膨張回収機械装置、あるいは開発中であるが現時点では生産されていない他の機械装置も使用可能であろう。エネルギーを有用な発電に変換するためにパイプライン減圧ステーション102においてガス圧力の減圧から廃棄エネルギーを回収できる任意の装置は、エネルギー回収発電機12として使用可能である。
【0032】
図1に示される予熱器システム14は、標準的な液体/ガス又はガス/ガス熱伝達流体ループを有する熱交換器を含む標準的な予熱器であってもよい。そのような場合、熱交換器は、熱流体ループを加熱するために発電装置11から廃熱を受け取る。加熱された熱流体は、ループ経路に沿って進み、超高圧ガスへ熱を伝達することにより、ガスの所望の予熱を実行する。その後、熱流体は経路に沿って進み続け、廃熱により再び加熱される。この過程は継続するので、超高圧ガスは、熱交換器を通過している間に継続的に予熱される。
【0033】
図1に示されるように、システム100は、ボイラ104及び減圧弁105を更に含んでもよい。それらの構成要素は、燃料電池ハイブリッド発電システム10の代替品として設けられる。発電システム10の保守中又は他の原因による動作中断中に予熱器14に熱を供給するため及びライン101のガスの減圧を実行するために、それらの構成要素を動作させることができる。
【0034】
全ての例において、上述の構成は、本発明の適用用途を表す多くの可能な特定の実施形態を例示しているにすぎないことが理解される。本発明の趣旨の範囲から逸脱することなく、本発明の原理に従って多くの多様な他の構成を容易に考案できる。従って、例えば、
図1に示される本発明の実施形態においては、燃料電池発電装置は低圧ガス配送ライン103から燃料ガスを供給されるが、燃料電池発電装置は、ライン101から高圧の燃料ガスを供給されてもよいし、あるいはエネルギー回収発電機12用に設計されたか又はそれに組み込まれたシール漏れシステムから燃料ガスを供給されてもよい。また、超高圧ガス及び低圧ガスに関して本明細書中に示される圧力及び圧力範囲は単に例示的な例であることを意図し、本発明はそれらの数値により限定されず、高圧から低圧へのガス圧力の低下及び/又は減圧が存在する任意のシステム及び全てのシステムを含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、ガス配送システムにおいて使用される燃料電池ハイブリッド発電システムを示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の発電システムの燃料電池発電装置及び電気構体を更に詳細に示す図である。
【
図3】
図3は、
図2の電気構体の電力調整システムを更に詳細に示す図である。
【
図4】
図4は、
図1の発電システムのエネルギー回収発電機を更に詳細に示す図である。