(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホルダおよび前記ガス検知管は、前記ガス検知管読取器内に前記ガス検知管を正確に配置するための位置決めシステムを備える、請求項1に記載のガス検知管読取器。
前記管情報は、管のタイプ、試薬と反応する標的ガス、ガス濃度範囲の限度値、較正曲線、有効期限、試薬の元の色または無反応色、反応した試薬についての許容される変色範囲、試薬についての曲線の環境補正係数、予想される変色、および反応した試薬の色濃度/色飽和度の中の少なくとも1つを含む、請求項4に記載のガス検知管読取器。
【背景技術】
【0003】
混合ガスの特定のガス成分の濃度を測定するための様々な装置が存在する。ガス検知管またはガス検定管と呼ばれる所定の単純な装置は、通常は、ガラスまたは他の透明な管と、標的化合物と反応することにより試薬の変色を結果的に生じさせることが可能な化学試薬と、を備える。
【0004】
従来のガス検知管は、所定の特定の化学物質または化学物質族に反応する化学試薬を充填されたガラス管である。化学試薬は、ガラス管内に封止され、ガラス管の両端部のガス透過性プラグにより定位置に保持される。いくつかの例においては、化学試薬は、多孔性の化学的中性の固形基体中に含浸された液体であってもよい。化学試薬は、使用するまで各端部にて管を封止することにより、汚染物質および化合物に対して晒されることから保護され、それにより有効期間が長くなる。ガス検知管を使用するためには、先端部を破壊することにより、管を通り試薬を縦断する流路を開く。次いで、サンプリングすべき空気が、例えば定量サンプリングポンプなどを使用して、管を通して引き込まれ、試薬と接触状態になり得る。試薬層は、サンプリングすべき空気が管を通して引き込まれると、標的化合物と迅速に反応することが可能である。試薬の反応量および変色は、サンプリングされたガス中の標的化合物の濃度および引き込まれて試薬を縦断したガスの量に相関する。
【0005】
ガス濃度を測定するためには、既知のガス量が管内に引き込まれてもよく、ガスの濃度のみが、可変的なものとなる。この場合に、試薬の変色の長さまたは変色度は、標的化合物の濃度に対応する。ステイン長または変色長によりガス濃度を測定する検知管は、信頼性が高く、使用が容易である。現行においては、生じた色の強度または濃度の測定に依拠する検知管は、ガスの濃度を示すための適切な一連の色基準の作成が困難であることにより、使用されていない。
【0006】
ステイン長検知管のバッチの製造後に、既知の濃度の標的ガスが、ガス検知管を通過することにより、バッチ固有の較正曲線が展開され、これにより対応するガス濃度に対してステイン長が相関づけられる。この較正曲線は、サンプリングされた量の中のガスの濃度の視覚的読取りを可能にするために、検知管に組み込まれる。検知管は、初の導入以来、別個に印刷された目盛りを有する。例えばJ.B.Littlefieldの特許文献1を参照されたい。検知管内の試薬の変色の前縁は、常に良好に画定されるわけではないため、変色の拡散的前部の長さを上回る距離をおいた目盛り区切りがマーキングされる場合がある。そのため、目盛りの分解能が低くなり、より近年においては、目盛りが管の表面上に直接印刷される。例えば、Dreager(商標)、Gastec(商標)、Kitagava(商標)、Auer(商標)、MSA(商標)、RAY(商標)、および検知管の他の製造業者は、管の上に目盛りの始点を有し、第1の目盛り区切りは、第1の入力プラグの端部から3〜5mmの位置にマーキングされる。チャネリング効果により管の各側でそれぞれ異なる長さで見える恐れがあるため、区切りは、管の周囲にリングとして印刷され、濃度を表す数字は、リングの近傍にまたはリングの破断部分内にある。公知の技術の欠点は、かような検知管においては、管の上の濃度ライン、濃度量、および他のマークが、ステイン長の光学的読取りを妨げるため、電子デバイスによる読取りが不可能である点である。例えば、マーキングが、デバイスにより変色として解釈される場合がある。
【0007】
ガス検知管によるガス濃度の読取りのはるかにより正確かつ客観的な方式の必要性が、長年にわたり存在してきた。Heim等は、特許文献2において、印刷物を一切伴わない、検知管に基づくステイン長管電子読取器を示している。この検知管は、警報デバイスとしての役割を果たし、ある一定期間にわたり定期的に応答を求められる。Leichnitz等は、特許文献3において、表面の可読部上に目盛りを有さない管と、較正データを含むこの管についての全ての固有データを電子読取器に導入する被印刷手段とを示している。電子読取器のみにより読み取られるように製造されたこれらの管には、重大な欠点が存在する。また、これらの管は、視覚的に読み取ることができない
【0008】
現在の技術による比色読取りデバイスは、さらにより具体的には光学式電子式読取器向けに設計されたデバイスの方向へと展開されている。Mayの特許文献4は、電子読取専用の管状デバイスの構成を示している。Stark等の特許文献5、Rieger等の特許文献6、およびBather等の特許文献7は、変色ゾーンの電子読取専用の管状デバイスの展開例を示している。しかし、かかるデバイスは、非常に特殊であり、専用の電子手段を用いずに読み取ることは不可能である。
【0009】
試薬の比色反応により示される全ての変色は、周囲条件、すなわち温度、相対湿度、および気圧によりある程度左右される。
【0010】
温度補正係数および相対湿度補正係数は、典型的には、個々の試薬および標的化合物ごとに製造業者により提示される。較正曲線と同様に、補正係数は、バッチベースで算出され得る。補正係数は、検知管内のステイン長により示される濃度に対して適用されるべきであり、標的ガス実濃度をより正確に測定するために適用されるべきである。大気圧は、2つの要素、すなわち海抜高度および天候因子を有する。高度要素は、一般的には、大気圧の測定において天候因子(通常は1%よりもはるかに低い)よりもより大きな因子である。天候因子は、無視し得るものと見なされ得る。しかし、ガス検知器の海抜高度は、実濃度の測定に対して重大な結果をもたらす場合がある。いくつかの例においては、測定された濃度が、実濃度を大幅に下回る場合がある。
【0011】
【表1】
【0012】
また、典型的な検知管は、温度の上昇により変色に対する感度の上昇を示す。したがって、ガス検知管は、温度に対する補償も必要となり得る。以下の表の表2は、は、空気中の1,1トリクロロエチレンの濃度を測定するための、Gastec(商標)ガス検知管の温度補正係数を示す。
【0013】
【表2】
【0014】
以下の表の表3は、空気中のヒドラジンの濃度を測定するための、Gastec社により製造された特定のガス検知管の補正係数を示す。
【0015】
【表3】
【発明を実施するための形態】
【0028】
ガス検知管は、試料ガス中の少なくとも1つの標的ガス、類似の官能基を含む標的ガス族、または標的ガス類(集合的には「標的ガス」)の濃度を測定するために使用し得る。ガス検知管は、典型的には、透明な管内に化学試薬を備える。ガス検知管は、特定の標的ガスの存在を示す1つ以上の化学試薬を備えてもよい。ガス検知管用の典型的な化学試薬は、ガス検知管の入口からガス検知管の出口まで多孔性固形物を通してガスを流し得る通路を有する多孔性固形物を含むか、または、化学試薬は、多孔性固形物質の表面上に位置する。化学試薬は、試薬が化学試薬と接触状態になると変色し(「比色反応」)、通常、化学試薬および標的ガスは、反応の結果として変色をもたらす。試料がガス検知管を通過することにより、標的ガスは、標的ガスがサンプリングされたガスから消尽するまで、化学試薬との間で比色反応を引き起こす。ガス検知管において使用するための多数の試薬は公知であり、これらのガス検知管の実施形態に適用可能である。試料は、通常はサンプリングポンプによりガス検知管を通して引き込まれる。一般的な試料ポンプには、既知の空気量を正確にかつ繰り返し引き込むことが可能な手持ち式ピストンポンプまたはベローズポンプが含まれる。
【0029】
典型的には、化学試薬は、試薬の各端部に位置する2つの多孔性固形プラグにより管内の定位置に固定される。標的ガスを含むガスが、ガス検知管の入口を通して引き込まれると、入口付近の化学試薬が、変色を開始し、標的ガスの濃度が、ガス検知管の可読範囲外である場合には、管の出口付近の化学試薬は、無変化に留まる。管内の試薬の変色部の長さ(「ステイン長」)は、ガス検知管を通過した標的ガスの合計量に対応する。既知の量のガスが管を通過すると、標的ガスの濃度を測定することができる。従来のガス検知管は、化学試薬を覆うガラス管の上に印刷された目盛りを有し、この目盛りは、既知の量のサンプリングされたガスに対する標的ガスの濃度を概算するために使用され得る。それぞれのガス検知管は、標的ガスの可読濃度範囲を有し、ガス濃度範囲が、試料の量に対して超過する場合には、化学試薬は、その全長にわたり変色し、標的ガスの濃度は、従来的には測定できない場合があり、または、標的ガスの濃度が、過度に低い場合には、化学試薬は、標的ガスの濃度を測定するのに十分な変色を記録しない場合がある。それらのような例においては、適切な濃度範囲を有する異なる管が使用することができ、または、目盛り内の読取りができるようにサンプリングされるガスの量を増減することができる。いくつかのガス検知ポンプおよびガス検知管システムについては、最大で5倍増のサンプリング量が推奨される。この場合には、ガス検知管の目盛りは、個々の試料量を考慮して調節しなければならない。
【0030】
本発明のガス検知管の実施形態は、電子式ガス検知管読取器により電子的に、または透明な本体の延在部上の1つ以上の目盛りとステイン長とのユーザによる単純な比較により視覚的に、読み取ることができる。これらのガス検知管の特定の実施形態は、封止された透明な管と、封止された透明な本体内において標的ガスと比色反応することが可能な化学試薬と、電子可読印および視覚可読印の両方を備える本体から延在する少なくとも1つの長尺延在部とを備える。従来のガス検知管とは異なり、これらの印は、透明な本体上には位置せず、したがってステイン長の電子読取りの妨げにならない。実施形態は、ステイン長の光学式電子式読取りのために試薬の少なくとも一部分の可視性を阻害するマークまたは陰影部を備えない、透明な管表面または透明な本体表面を備えるガス検知管を備える。
【0031】
ガス検知管の実施形態は、本体の表面に接着される透明なプラスチックカバーをさらに備えてもよい。延在部は、この透明なプラスチックカバーから形成されてもよく、または延在部は透明なプラスチックカバーにより覆われてもよい。
【0032】
[ガス検知管]
ガス検知管は、透明な管を備えてもよい。保管中および使用前には、この透明な管は、封止された管であってもよい。本明細書においては、「管」は、任意の断面形状の流路を画成する導管を意味する。断面形状は、円形、楕円形、矩形、正方形、多角形、または任意の所望の断面形状であってもよい。本明細書においては、「封止された管」は、管の外部環境に対して実質的に晒されない内部体積を封止された管内に画成するように閉鎖された管を意味する。この管は、管を封止するために単純に管の端部を加熱し締め付けることにより、キャップ、隔膜、または管を封止するための他の手段を使用することにより、封止されてもよい。ガス検知管の実施形態は、ガラスまたは、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンおよびポリプロピレンのコポリマー、ポリエステル、ならびに他の透明な材料などの透明なプラスチックから作製された透明な管を備えてもよい。
【0033】
他の実施形態においては、ガス検知管は、透明な管と、透明な管の表面に接着された透明なプラスチックとを備えてもよい。例えば、透明な管の外側表面が、無色透明の接着剤層により接着された薄い光学的には透明の形状合致するプラスチックにより包囲されていてもよい。ガス検知管は、1つ以上の延在部または「目盛り翼状部」を有してもよい。印がガス検知管読取器により光学的に読み取られることとなるいくつかの実施形態においては、延在部は、印刷された目盛り用のポケットを備えるかまたは形成してもよく、ポケットは、照明およびコード化された情報の読取りを可能にする透明な窓を備える。
【0034】
[延在部]
ガス検知管は、1つ以上の延在部または目盛り翼状部をさらに備えてもよい。延在部は、透明な管の表面から外方に延在し、ガス検知管を用いたサンプリングの結果として得られるステイン長を読み取るための目盛りを印刷、エッチング加工、エンボス加工、装着、カプセル封入、保持、または他の態様で提供するための表面を形成する。延在部または目盛り翼状部は、透明な管の表面から実質的に垂直に、または透明な管の表面に対して接線方向に延在してもよい。本明細書においては、「実質的に垂直」は、90度+/−10度以内の範囲を意味する。目盛りが延在部の上に印刷されることにより、透明な管は、サンプリングされた管内の試薬の変色またはステイン長の電子的読取りを妨げるいかなるマークまたは陰影部も備えなくてもよい。延在部は、典型的には、管内の試薬の利用可能な長さと少なくとも同様の長さである。いくつかの実施形態においては、ガス検知管は、透明な管に装着された長尺矩形形体であり、2つの多孔性プラグの間の距離と少なくとも同様の距離だけ管の長さ部分に沿って延びる延在部を備える。視覚および電子式ガス検知管読取器の両方による読取りが可能なガス検知管の実施形態においては、延在部または目盛り翼状部の上の印は、目盛り上に印刷された視覚可読目盛りおよび電子可読情報の両方を備える。2つ以上の延在部および目盛り表示器を備えるガス検知管の実施形態においては、いずれの延在部も、視覚可読目盛りおよび電子可読情報の両方を備えてもよく、または視覚可読目盛りおよび電子可読情報の一方のみを備えてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態においては、ガス検知管は、印を備える目盛り指示器を受けるためのポケットを備えてもよい。ポケットは、目盛り指示器が環境に晒されるのを保護することができる。ポケットは、目盛り指示器を挿入した後に、接着剤などにより封止されてもよい。
【0036】
さらなる実施形態においては、ガス検知管は、2つの延在部を備えてもよい。第2の延在部は、ガス検知管の上に印を設けるための追加的な表面エリアまたは第2のポケットを提供してもよい。追加の印は、例えば、異なる測定単位を持つ目盛り、異なる量のサンプリングされたガスに対する目盛り、バーコード、または他の電子可読情報などを含んでもよい。延在部は、同一のまたは異なる形状であってもよく、同一のまたは異なるサイズであってもよく、同一平面内に位置してもよく、異なる平面内に位置してもよく、または実質的に平行な平面内に位置してもよい。ガス検知管の実施形態においては、延在部および透明な管は、単体部として、または一体的に装着される別個の部分として形成されてもよい。透明な管および延在部は、例えば透明な管および延在部の両方に接着された透明なカバーにより、または接着剤により、またはそれらの部分を一体的に融着することにより、一体的に装着されてもよい。
【0037】
既述のように、ガス検知管のいくつかの実施形態は、視覚および電子式ガス検知管読取器の両方による読取りが可能であり、延在部は、ガス検知管を電子式ガス検知管読取器内に正確に配置するための位置決めシステムを備えてもよい。位置決めシステムは、読取器内においてガス検知管を位置合わせすることが可能な任意の構成要素であってもよい。例えば、位置決めシステムは、延在部または透明な管の少なくとも一方を受けるとともに固定することが可能な停止部および/または凹部を備えてもよく、あるいは、ピンおよび凹部を単に備えてもよい。ピンおよび凹部の一方が、ガス検知管の上に配置され、ピンおよび凹部の他方が、電子式ガス検知管読取器の上に配置されてもよい。例えば、目盛り翼状部の一方は、ガス検知管読取器の読取りヘッド内のピンと位置合わせされ得る長円形凹部を備えてもよく、これにより、読取りのための管の正確かつ再現可能な位置決めが実現される。
【0038】
[透明なカバー]
ガス検知管のいくつかの実施形態は、透明なカバーをさらに備えてもよい。このカバーは、透明な管および/または延在部の少なくとも一部分をカプセル封入してもよい。透明なカバーは、管および/または延在部の外側の少なくとも一部分に対して共形合致し得るプラスチックであってもよい。透明なプラスチックは、物理的手段、収縮包装、または接着剤の中の少なくとも1つにより、本体に対して接着される。接着剤は、永続的に無色透明な接着層であってもよい。しかし、透明なプラスチックは、ガス濃度の視覚的または電子的な読取りのいずれかを行うための試薬のステイン長の読取りを妨げるべきではない。
【0039】
透明なカバーは、ポケットを形成してもよく、あるいは延在部をカプセル封入してもよく、および/または透明な管に対して延在部を固定してもよい。ポケットは、延在部上の任意の目盛りが化学試薬に隣接する定位置に保持され得るように、管の主軸に沿って固定されてもよい。目盛りは、情報およびデータの提示における可読性および柔軟性を高めるように、両側面に目盛りマークを有する単一側部型または両側部型のものであってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態においては、透明なカバーまたは透明な管は、無反応の化学試薬の色と同様に、または化学試薬の比色反応後に予想される色に対して補色的に、色付けされてもよい。したがって、透明なカバーの色を使用することにより、光学式可読ガス検知管読取器の照明光よび反射光をフィルタリングして、反応した試薬層と無反応の試薬層との間の色のコントラストを強め、光学式読取器の精度を高めることができる。コントラストが強まることにより、試薬の反応部分がより明確に画定され、管内のステイン長の端部がより容易に識別できる。この設計により、追加的なフィルタリング色または補色を変色した試薬層に重畳することが可能となり、それにより、元の試薬と反応した試薬との間の色コントラストの視覚的読取りおよび光学的読取りが向上する。
【0041】
また、透明なカバーは、保管または輸送のために箱内においてガス検知管をより固定的に保持するための粘着性表面を備えてもよい。
【0042】
[印刷された目盛り]
ガス検知管は、印および/または目盛りを備える。印は、好ましくは、試薬の可視性が阻害されないように延在部または目盛り翼状部の上に位置してもよい。視覚可読印は、少なくとも、管に試料を通過させた後にガス検知管により生じたステイン長を測定するために使用され得る。ステイン長は、試料内の標的ガスの非補正濃度に相当する。印および/または目盛りは、例えば延在部上に直接的に印刷される、エンボス加工される、もしくはエッチングされる、ラベルもしくはカードを用いて延在部に貼り付けられる、および/または延在部のポケット内に挿入されるなど、任意の手段により延在部の上に組み込まれてもよい。目盛りは、不透明な好ましくは白色の材料から作製され、ガス検知管の主軸に対して平行に位置決めされる。各目盛りの区切りは、レーザプリンタおよびインクジェットプリンタを含む任意の実現可能な技術により印刷、エンボス加工、またはエッチングされてもよい。そのため、ガス検知管の生産におけるバッチ間の製造差が、特定のタイプの管に関する他の標準的な情報と共にエンコードおよび印刷され得る。ガス検知管の実施形態が、光学式電子式ガス検知管読取器により電子的にまたは光学的に読み取られるようにするために、電子可読情報または光学可読情報は延在部の上に含まれてもよい。光学可読印は、光学式読取器により読み取られ、デジタル情報に変換され、中央演算処理装置により理解され得る。
【0043】
視覚的な管の読取りおよび電子的または光学的な管の読取りの両方が可能なガス検知管の実施形態においては、使用ごとの印が、相互の妨げとなるべきではない。例えば、あるセットの情報が、表面に位置してもよく、他のセットの情報が、裏面かまたは同一側面上の異なるエリアに位置してもよい。電子コード化情報または光学コード化情報は、管のタイプ、露出範囲、較正曲線、有効期限、試薬の元の色または無反応色、特定のエッジング後の変色の許容範囲、予想される変色、および自動的な光学式電子式読取りに必要な反応した試薬材料および反応していない試薬材料の濃度/飽和度を含んでもよい。
【0044】
電子可読情報または光学可読情報に加えて、印刷された目盛りは、視覚可読情報を含む。視覚可読情報は、管のタイプ、露出範囲、推奨されるサンプリングストローク、有効期限、パーツ番号、およびロット番号を含んでもよいが、それらに限定されない。目盛りは、例えば読取器内に管を導入する方向および/または管により空気をサンプリングする方向などを示す矢印などの印をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態においては、電子可読情報または光学可読情報は、比較的狭いエリアに位置してもよく、および/または視覚可読情報とは異なるエリアに配置されてもよい。電子可読情報は、例えば光学的に読取り可能であってもよく、電子的に読取り可能であってもよく、および/または無線自動識別(RFID)などにより無線により読取り可能であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態においては、印刷された目盛りは、管に透明なカバーを接着するために使用される同じ接着剤により延在部のポケットに、またはポケット内に接着されてもよい。したがって、目盛りは、比色反応における変色から試料中のガスの濃度を効果的に測定することが可能となるように、試薬に対する適切な箇所に固定的に位置決めされ得る。製造プロセスの際に、目盛りの各ゼロの始点は、管の入口に隣接する試薬保持プラグの端部から試薬層を分離するラインと正確に位置合わせされてもよい。
【0046】
印は、異なるサンプリング量についての目盛りを含んでもよい。例えば、有意な比色反応が、ピストンサンプリングポンプの1回のストロークなど、サンプリングすべきガスの第1の量から得られない場合には、さらなる量のサンプリングすべきガスが、ガス検知管に引き込まれてもよい。比色反応は、変色が生じない場合には、または変色が可読濃度目盛りへと延伸しない場合には、特定のガス検知管に対して有意なものとなり得ない。そのような例においては、さらなる量のガスが、ガス検知管に引き込まれてもよく、変色を観察するために例えばさらに4回のピストンのストロークを用いてもよい。変色が依然として生じない場合には、さらに5回のストロークが必要となる場合があるが、あらゆるタイプのガス検知管において、そのようなガス濃度の線形近似が可能となるわけではない。
【0047】
適切なタイプの管に関して、印は、試薬に可読ステイン長を生じさせるのに必要な所要の空気量に対して適切な4つの目盛りマークを含んでもよい。追加の目盛りが、延在部の両側面に位置してもよい。また、印は、ppmおよび/またはmg/m
3などの(それらに限定されない)異なる単位においてガス濃度を測定するための目盛りを含んでもよい。印が延在部または目盛り翼状部の上に施されることにより、ガス検知管の実施形態は、多数の目盛り、より大きなサイズの目盛り、ガス濃度読取値のより高い分解能、ならびに試薬のタイプ、補償係数、有効期限、および管の使用に関する他の情報を含む追加的な情報などの、情報を組み込むための表面を大幅に広く有することができる。
【0048】
[印]
検知器のいくつかの実施形態は、ガス検知管の使用者により視覚的におよび/またはガス検知管読取器により電子的にもしくは光学的に読み取ることのできる印を備えてもよい。例えば、ガス検知管は、ガス濃度の視覚的読取りのために2〜4つの異なる目盛りを備えてもよい。これらの目盛りは、それぞれの量が異なる単位の目盛りを有する場合には、ピストンポンプの1回のストロークについての目盛り、ピストンポンプの5回のストロークについての目盛りなど、異なる試料量を含んでもよい。視覚可読情報は、管のタイプ、露出範囲、推奨されるサンプリング量、有効期限、パーツ番号およびロット番号、ならびにサンプリングの際の流れ方向の表示を含む情報群から選択される情報の少なくとも一部分をさらに含んでもよい。
【0049】
目盛りに加えて、ガス検知管は、例えばデータ可読光学式電子式ガス検知管読取器の較正用の電子可読情報または光学可読情報をさらに備えてもよい。光学可読情報は、バーコード中に含まれてもよく、または、この情報の他のコード化された情報が、典型的には視覚可読情報および光学可読情報の両方であってもよい。しかし、電子可読印も視覚可読印も、サンプリング前の試料の色の、またはサンプリング後の試料の変化の光学的読取りまたは視覚的読取りの妨げとなるべきではない。ガス検知管のいくつかの実施形態においては、印は、管のタイプ、試薬と反応する標的ガス、ガス濃度範囲の限度値、較正曲線、有効期限、試薬の元の色または無反応色、許容される変色範囲、曲線の環境補正係数、予想される変色、および反応した試薬の色濃度/色飽和度などの、電子可読情報を含む。
【0050】
いくつかの実施形態においては、目盛り区切りは、試薬の全長の少なくとも80〜95%の範囲に対応し、光学コード化情報は、ガス濃度の視覚的読取りを阻害しないように、この範囲の外部に刻印される。印は、元の試薬の色および標的ガスとの接触後の試薬の色をさらに含んでもよい。
【0051】
[ガス検知管読取器]
本発明の実施形態は、検知管上の電子可読情報および/または光学可読情報、ならびにガス検知管内のステイン長を読み取ることが可能なガス検知管読取器を備える。ガス検知管読取器の実施形態は、ガス検知管を受けるためのホルダと、ガス検知管から電子コード化情報または光学コード化情報を読み取ることが可能な情報読取器と、ガス検知管内のステイン長を測定することが可能な光学読取器と、中央演算処理装置とを備えてもよい。本明細書においては、中央演算処理装置(CPU)は、コンピュータプログラムの命令を実行し、システムの基本的な算術演算、論理演算、および入出力演算を実施する、コンピュータシステムの一部分である。また、中央演算処理装置という用語は、分散処理システムおよび複数の中央演算処理装置の両方を含む。CPUは、ガス検知管からの光学読取情報または電子読取情報を記憶することが可能なコンピュータメモリデバイスと通信状態にある。本明細書においては、コンピュータメモリは、コンピュータまたは他のデジタル電子デバイスにおいて使用するためのプログラムおよび/またはデータを一時的にまたは永続的に記憶するために使用される物理デバイスを指す。コンピュータメモリストレージデバイスは、RAM、DRAM、SRAM、テープ、磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ、コンパクトディスク、DVD、および/またはアドレス可能半導体メモリの中の少なくとも1つであってもよい。メモリの一部分が、例えばキャニスタ識別表示、キャニスタ内の化学吸収剤、化学吸収剤に吸収または吸着され得る化合物、キャニスタ内の化学吸収剤の量、化学吸収剤の概算的な処理能力、ある特定の標的化合物に対する化学吸収剤の処理能力、キャニスタの製造日、および/またはキャニスタの有効期限などの(それらに限定されない)、より永続的なキャニスタまたはガスマスクに関する情報を記憶するためのリードオンリーメモリであってもよい。他のデジタルメモリは、リード/ライトメモリであってもよい。「メモリ」という用語は、例えば一次メモリとしてだけでなくコンピュータおよび他のデジタル電子デバイス内において他の目的においても使用される、アドレス可能半導体メモリ、すなわちシリコンベーストランジスタから構成される集積回路としばしば関連付けられる。
【0052】
ホルダは、ガス検知管の透明な管を受けるための相補的形状部であってもよい。また、ホルダは、電子読取器内にガス検知管を正確に配置するための位置決めシステムを有してもよい。位置決めシステムは、ガス検知管の構成要素と協働することにより、ガス検知管読取器のホルダ内にガス検知管を再現可能かつ正確に配置することを可能にする構成要素を有し、この構成要素は、先述のように読取器内におけるガス検知管の位置合わせを可能にする任意の構成要素であってもよい。
【0053】
光学式電子式ガス検知管読取器の他の実施形態は、相対湿度、温度、および気圧による読取りに対する影響を補償することが可能である。ガス検知管読取器のかかる実施形態は、温度センサ、圧力センサ、または相対湿度センサから選択される少なくとも1つの環境センサを備えてもよく、各センサは、中央演算処理装置と通信状態にある。ガス検知管読取器の中央演算処理装置は、ステイン長から試料中の標的ガスの濃度を評価し、ガス検知管ごとおよび環境センサの出力ごとに指定される補償係数を使用してガス濃度を補正することが可能である。
【0054】
ガス検知管を用いた実濃度のより正確な推定値の決定は、環境係数に対する補償を組み込むべきである。光学式電子式ガス検知管読取器の一実施形態は、各ガス検知管から較正データおよび補償データを読み取ることが可能である。較正データおよび補償データ、ならびに測定された濃度および補償された濃度は、光学式電子式ガス検知管読取器上のディスプレイに表示されてもよく、および/または表示および記録のために別の処理ユニットに通信されてもよい。表示されるまたは通信されるデータは、読取器内の管のタイプ、標的ガス、管の測定可能な濃度範囲、内標準導入時の管の合格/不合格、ならびに/あるいは有効期限、測定された濃度、相対湿度、温度、気圧を含むがそれらに限定されない周囲環境条件、推定される濃度を決定するために測定されたガス濃度に対して適用される補償の合計%、および他の所望の情報を含んでもよいが、それらに限定されない。ガス検知管読取器の一実施形態においては、ガス検知器から読み取られた光学コード化情報または電子コード化情報は、正確な管が使用されていることを確認するためにサンプリング前に表示されてもよく、その後、周囲環境条件についての測定データおよび管の合格を確認するために表示されてもよい。
【0055】
ガス検知管読取器の実施形態は、サンプリングポンプを備えてもよく、またはサンプリングポンプから独立した別個のユニットであってもよい。ガス検知管読取器の実施形態は、光学可読情報および試薬を照明することが可能な少なくとも1つの照明源を有する、ガス検知管用のホルダを備える。好ましくは、照明源は、赤色、緑色、および青色のそれぞれを、別個にまたは組み合わせて発光することにより、白色光を生成する。また、ガス検知管読取器は、各色を個別にまたは白色光として混合された色として読み取ることが可能な光センサを備える。いくつかの実施形態においては、ガス検知管読取器は、例えば手動により250メートルまたは500メートルの増分で様々な海抜高度へと調節可能なキーパッドまたはダイヤルなどの、サンプリング位置の海抜高度を入力するための手段を備えてもよい。この場合に、各増分ステップは、読み取られる濃度値の目盛りの約3%が約250メートルに、または約6%が500メートルに相当する。
【0056】
ある特定の実施形態においては、ガス検知管読取器は、読取りヘッドの各側部上に少なくとも2つの光センサと1つの照明光源とを備える。読取りヘッドは、2つの半部(シェル)を備え、これらは、一体的にヒンジ固定されて、ガス検知管を受けるためのホルダを形成する。シェルは、光センサおよび光源に隣接してガス検知管を正確に配置するための位置決めシステムを備える。いくつかの実施形態においては、第1の光センサが、化学試薬の入り口部分の非常に近い位置に配置される。このセンサは、入口プラグに近いエリアにおけるサンプリング前の化学試薬の色を読み取るために使用され得る。サンプリング期間の前に、このセンサの信号は、ガス検知管に関する電子コード化情報または光学コード化情報から決定されるようなこの信号の予想レベルと比較される。入口近くの試薬の色が、許容範囲外である場合には、ガス検知管読取器は、その管が使用されるべきものでない旨を示す。これにより、この管による標的ガス濃度の正確な測定が依然として可能となることが確保される。ガス検知管が、不適切に保管されると、その使用期間は、短くなる場合がある。
【0057】
第2の光センサが、変色試薬の長さに沿って配置されてもよい。第2のセンサからの情報信号は、第1のセンサの信号と共に集約され、したがって試薬層に沿った色強度についての情報を供給する。実際には、第1のセンサは、電子的に隔離され、第2の主要センサとは別個に読取りを行うことが可能である、主要センサの非常に短い長さ方向部分であるか、または、その信号は、第2のセンサの信号に加算され得る。
【0058】
比色管は、濃度から一次従属性を有することが可能であるか(一次比色管(ステイン長))、または、体積部全体が、開始時においては特定の色により大きく漸進的に変化し、管の目盛りの端部においてはより小さく漸進的に変化することが可能である。規定量後の色が読取り可能な目盛りの範囲内となる正規の例においては、読取りシステムは、第1のセンサおよび第2のセンサからの信号と、全ての長さ方向変色または全ての変色(露出からより従属的である色強度または色濃度のいずれかとしての色結果)とを統合し、光学コードにより生成される較正曲線データに対してこれらの変化を比較する。
【0059】
光源およびセンサのラインは、相互に対して約45度の角度で配置されてもよい。例えば、センサの1つのラインと、光源(それぞれが、別個のRGB色光を生成することが可能な)の2つのラインとが、各顎状部内に位置する。下顎状部23には、目盛り翼状部14a中の特殊開口またはノッチの中へとクリック作動する可動ピンロックが存在する。開口31が、一方の目盛り翼状部14aのみに配置されることにより、管は、誤って配置されない、または誤って配列されない。
【0060】
ポンプが作動し、空気が管を通り流れ始めると、試薬層15は、対象物質の第1の部分により変化し始める。標的物質を含む空気が、この試薬層内を流れ始めた直後に、センサ56および57は、信号の統合および光学コード較正により既に導入されたデータとの比較を開始する。典型的なサンプリングの実施においては、ピストンポンプの1回のみのストロークが、予想されるガス濃度範囲について標的ガス濃度を読み取るのに必要となる。サンプリングの際に、第1のセンサおよび第2のセンサからの出力が、統合される。センサ56および57からの統合された信号および調節可能ダイヤル51(高度についての補正を導入する)からの信号は、中央演算処理装置(CPU)に転送され、真の較正曲線にしたがって比色管から光学的に読み取られた信号を補償するとともにこのような信号を読み取るように処理される。
【0061】
管の較正が、制御され安定した周囲条件内における生産後に初めに実施されることにより、管から読み取られるガス濃度は、サンプリング時の温度および相対湿度の違いに対して補正されるべきである。周囲温度用、相対湿度用、および気圧用の環境センサは、中央演算処理装置と通信して、ガス検知管読取器から読み取られた較正データおよび検証データにしたがって出力を処理する。
【0062】
次いで、測定されたガス濃度が、気圧または高度、周囲空気温度、および相対湿度に基づき補正されてもよい。標的ガスの補正されたガス濃度は、ppmまたはmg/m
3の濃度単位として液晶ディスプレイ(LCD)80上に示されてもよい。
【0063】
試料ガスの濃度が低く、通常量の試料をガス検知管に通過させた後(例えばピストンタイプのサンプリングポンプの1回のストローク後)に試薬に関して有意な変色が測定または観測されない状況においては、このガス検知管読取器は、変色を殆どまたは全く検出せず、さらに多量のサンプリング量が標的ガス濃度の適切な読取りを行うために必要とされることを示す場合がある。ガス検知管読取器が、有意かつ読取り可能な変色を観測する場合にはサンプリングは停止されてもよく、合計サンプリング量が統合される。このようにすることで、低濃度の標的ガスを測定するために、ガス検知管を使用することができる。しかし、いくつかのタイプのガス検知管は、所定範囲未満の濃度を測定するために使用することができない。
【0064】
また、ガス検知管は、ガス検知管の濃度範囲を超えるガスの濃度を測定してもよい。濃度範囲が、試薬のタイプおよび量に対してガス検知管の範囲を超える場合には、試薬は全て、サンプリングされた量が終了する前に比色反応を生じる場合がある。かかる例においては、経時的な光センサの信号が分析されることにより、標的ガスのガス濃度が推定されてもよい。100%の変色に対する統合された信号は、100%の変色が達成された時間と共に処理される。このデータは、較正曲線と比較され、完全反応時のサンプリング量を測定するためのサンプリングポンプの真空/時間性能曲線に倣って、中央演算処理装置が、補償されていないガス濃度を算出してもよい。かかる例においては、標的ガスの合計量は、既知であり(試薬の処理能力)、試料量が推定される。この量が推定されると、濃度は容易に測定することができる。他の実施形態においては、ガス検知管読取器は、サンプリングされた量の直接的な測定を行うための流量計を備える。
【0065】
そのため、このガス検知管読取器は、視覚読取り用の目盛り上に印刷された濃度スパン範囲外の標的ガス濃度の読取りを可能にすることにより、多数のタイプのガス検知管の適用可能範囲を拡張することができる。
【0066】
ガス検知管読取器の他の実施形態は、サンプリングポンプとガス検知管との間にポンプ圧力センサを備えてもよい。ポンプ圧力センサの出力は中央演算処理装置と通信状態にあり、ガス検知管の流量を推定するために使用されてもよい。ポンプ圧力センサは、例えば10〜30秒の期間の後にポンプ圧力センサがそれに続く圧力上昇を示さない場合には、低サンプリング流量状況または無サンプリング流量状況を示してもよい。低流量状況または無流量状況は、例えばガス検知管の先端部が取り外されなかった場合、またはガス検知管が適切に設置されなかった場合などに生じ得る。また、ポンプ圧力センサは、圧力がサンプリング前の開始圧力に戻った場合には、サンプリングサイクルの終了を示してもよく、サンプリング前の検査モードにおいて漏れ確認を行うために使用されてもよい。ポンプ圧力センサは、ポンプ吸入口と読取器の管読取り出口との間において流体連通してもよい。かかる実施形態においては、ガス管読取器は、ガス検知管の出口用の封止機構を備えてもよい。この封止機構は、Oリング、ゴムソケット、または気密性を確保する他の装着具であってもよく、ポンプ圧力センサと流体連通する非常に小さな死容積を有する空洞部を形成している。
【0067】
ガス検知管読取器ホルダは、読取器ホルダ内に管を固定することが可能である。ホルダは、管読取りセンサおよび光学コード読取りデバイスに対して管の調節およびガス検知管のゼロ化を行うことを可能にする調節機構をさらに備えてもよい。
【0068】
標的ガスの濃度を測定する方法の実施形態は、光学式電子式ガス検知管読取器内に管を配置することと、ガス検知管から情報を電子的に読み取ることとを含む。この方法は、ガス検知管のサンプリング前検査を実施することと、管の合格または不合格を報告することとをさらに含んでもよい。さらに、この方法は、ガス検知管に既知の量のガス試料を引き込むことと、ステイン長を光学的に読み取ることとを含んでもよい。該当する場合には、サンプリング後に、光学式電子式ガス検知管読取器の表示器が、測定されたガス濃度および測定されたガス濃度に対して適用すべき補償係数を含むがこれらに限定されない情報を表示してもよい。それぞれの補償係数は、例えば温度、相対湿度、および気圧または高度を含むがそれらに限定されない周囲条件センサの測定から決定される。
【0069】
[実施例:ガス検知管およびガス検知管読取器]
ガス検知管10の実施形態が、
図1A〜
図1Eおよび
図2に図示される。ガス検知管10は、封止された透明な管11と、封止された透明な管11内の気体化合物と比色反応し得る化学試薬15と、管11から延在する少なくとも1つの長尺延在部14と、延在部14の上の少なくとも1つのステイン長測定目盛りとを備える。
【0070】
図1A〜
図1Eの実施形態は、
図1Bおよび
図1Cの円形、ならびに
図1Dおよび
図1Fの多角形を含む、透明な管11の様々な断面エリアを図示する。管11の表面には、何も記載されておらず、ステイン長の視覚的読取りまたは電子的読取り用の試薬15のエリアにマークを有さない。ガス検知管10は、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンおよびポリプロピレンのコポリマー、ポリエステル、等の少なくとも1つの不活性材料を含む透明な管11を備える。類似する翼状部(「目盛り翼状部」)14および14aの目盛りを備える延在部14は、管11の主軸に対して長手方向に平行に配置される。管11は、視覚的におよび電子的に読み取ることができる。視覚的読取りは、目盛り翼状部14および14aの上に印刷された区切りを有する場合によっては4つである目盛りの中の1つを使用することにより可能となる。目盛りは、各目盛り翼状部14および14aの両側面(上部および下部)上に印刷することが可能である。目盛りの区切りは、異なる測定単位および/またはサンプリングピストンポンプのサンプリングストローク回数などの異なるサンプリングモードに関係するものが可能である。
図1Aにおいては、2つの測定単位が、1回のサンプリングストロークについて目盛り14においてはppmでおよび目盛り14aにおいてはmg/m
3で印刷されているのが示される。目盛り14および14aの裏面には、例えば、同一の単位が、2回、3回、5回、または10回のサンプリングストローク向けに使用されてもよい。管11の表面上の試薬のエリアには、ラインは存在しない。ガス検知管は、透明なカバー16をさらに備えてもよい。従来のガス検知管は、試薬を覆うように管の上に直接的にラインを有する目盛りを備える。かかる従来の目盛りは、視覚的読取りを阻害するもしくは誤らせる恐れがあり、または光学的電子的読取りのための光照明および反射光を損なう恐れがある。
【0071】
ガス検知管10の実施形態は、保管および輸送においてガス検知管10を安定化させるための接着剤18を備えてもよい。例えば、目盛り翼状部14および14aの一方が、管ホルダ19の表面に対して接着剤18により装着されてもよい。
図1の断面
図1Cに示すような比色管11の好ましい実施形態の別の変形例は、翼状目盛りを1つだけ有する。
【0072】
ガス検知管の別の実施形態が、ストローク回数17d、濃度測定単位17e、有効期限、およびパーツ識別番号(PIN)を含む、翼状目盛り上に印刷された情報をより詳細に図示する図sに示される。さらに、読取値の電子的読取り用および電子的補正用のデータを含む光学可読情報17が、目盛り翼状部14および14aの上に印刷される。目盛り14および14aの第1の区切りは、プラグ材料12の後方端部から所定の較正距離をおいた位置から始まる。翼状目盛り14の上には、円形または楕円形の形状を有する側部ノッチ、凹部、または小孔31が(
図4および
図5においてさらに示す、管がガス検知管の読取りヘッド20内に挿入された場合に、ワイヤロックナット30または同様の手段と対合するように)存在する。凹部、孔、またはノッチ31により、ガス検知管読取器のホルダの顎状部またはシェル内に管11を正確に位置決めすることが可能となる。読取りヘッドの光センサおよび光学センサは、
図3の斜視図においてさらに示される。
【0073】
図3は、本発明の光学式電子式読取器の読取りヘッドの一実施形態を図示する。読取りヘッド20は、2つの主要部分、すなわち上方顎状部22および下方顎状部23を備える。これらの顎状部は、閉じられると、断面
図3Bにおいて示される、ガス検知管11としっかり嵌る円筒状空洞部またはホルダを形成することとなる。下方顎状部においては、位置決めシステムが、開口32を備える。管が上部シェル22と下部シェル23との間の空洞部内に導入される際に、この開口32の中でピンロック30が上下に移動することにより、目盛り翼状部14a上の孔31内にクリック作動することが可能となる。したがって、この管は、さらなる照明および読取りのために正確に配置される。
【0074】
各顎状部には、2つの長い照明源58が、ホルダの円筒状空洞部の内部の比色ガス検知管を照明するために位置決めされる。
図3Bに示すように、読取りヘッドの断面図は、空洞部内における管の位置を示す。上方照明ラインおよび下方照明ラインは共に、光センサ56および57のラインの主軸に対して約90度および約45度の角度を有する軸を有する。したがって、源58から発せられる光は、試薬層15の表面を照明し、さらに深く浸透する。反射光の量は、層における光の吸収度および分散度によって決定される。吸収度および分散度は共に、少なくとも部分的には、特定の色反応から得られる試薬の変色により決定される。線形光源および線形センサを用いた色読取りの性質は、ステイン長の視覚的読取りまたは電子的読取りとは異なるタイプの読取りを提案する。線形センサが、所定の長さにわたる変色を合計反射光の%として観測する限りにおいては、電子的較正のために、変色の輪郭のはっきりした前縁および後縁は不要となる。光学センサからの反射信号は、変色が輪郭のはっきりした前部を有するかまたは全量において漸進的に変化するかにかかわらず、照明された長さにわたる変色を統合する。所定のサンプリング量においては、反射された変色および/または濃度変化についての信号は、サンプリングされた濃度に比例する。これは、主要較正モードの、すなわち所定のサンプリング量の基礎となる。ガス検知管読取器の実施形態は、標的ガスに晒された後の試薬のステイン長および色または色強度の両方に基づき、標的ガスの濃度を測定することが可能である。
【0075】
センサ56および57により生成された信号は、試薬からの反射光の濃度に比例し得る。この信号に基づき、CPUは、濃度値を生成して、較正曲線からの値に対して生成された信号を比較する。これらの値は、1つの翼状部14上に重畳され、
図3の光学読取り手段70により読み取られた、光学コード化情報17によりCPUに供給される。光学コード読取りプロセスは、上方顎状部22と下方顎状部23との間に形成された円筒状空洞部内に読取りヘッドの前方スロットを通して管を挿入する時に実行され得る。読取りヘッド内に挿入する前の管の図が、
図4に示される。挿入後の管は、
図5に示される。挿入された管は、ロックナット30により固定され、読取りヘッド内に位置決めされる。また同時に、他の補償信号が生成され、CPU50に転送されて、
図4、
図5、および
図6に示すダイヤル51からの高度補正と、温度センサ28からの信号と、湿度センサ24からの信号と、についての信号を送る。温度用のセンサ28および相対湿度用のセンサ24は、読取りヘッドの前方部分の近傍に配置され、周囲空気へのアクセスを有する。この実施形態においては、サンプリング作業に関する海抜高度がサンプリングプロセスを実施する人員により入力され、これにより高度に関する信号が手動電位差計/ダイヤル51により生成されかつ生成され得る。天候因子による局部圧力の小さな偏差は、通常は局所的気圧の1%をはるかに下回り、無視してもよい。
【0076】
図5Aのポンプ圧力用のおよび圧力降下(環境圧力センサからの)用のセンサ25は、ポンプの前方ゴムソケットまたは他のシール27とポンプピストンの前部43との間の空間に流体連通する。ポンプ圧力センサは、CPU50に電気的に接続される。ポンプ圧力センサ25は、真空についての信号を生成し、2つの機能、すなわち例えば、ピストンがポンプ検査のためにロック状態に戻された場合に所定の圧力降下についての信号を送る機能、およびソケット27が破壊された先端部を有さない管11を装填されたか否かを判定する機能を有する。圧力検査において、圧力信号が所定の時間にわたり変化しない場合には、CPUはLCDディスプレイ80に良好な封止を示し、ポンプおよびシステムが信頼できるものと見なされ、サンプリングが実施可能であることを示す音信号を送出してもよい。また、CPUは、圧力信号がサンプリング作業の際に変化しない場合には、機能不全についての信号を送出することも可能である。
【0077】
ポンプ圧力センサ25のもう1つの機能は、サンプリングストロークの終了を示し、それについての信号をCPUに送出することである。例えば、センサ25は、サンプリング期間の間の急激な圧力降下(裂開または他の原因による機能不全)についての信号を送出する追加的な機能を有してもよく、ポンプ圧力センサは、ポンプのストローク数を計数し、試料量を算出してもよい。
【0078】
管がその正規の濃度スパン内において使用される既述の主要サンプリングモード以外においては、以下の2つの他のモードが可能である。
− 濃度が、1回のストロークについて較正された露出濃度スパンよりも大幅に高い場合には、CPUは、反射信号が100%の色飽和度を示した時点において、この信号の統合を停止する。1つ(または複数)のストロークサイクルの時間が、光学コードにより導入されることにより、CPUは、(較正により測定された)100%の色飽和度に必要なサンプリング量に基づき濃度を評価する。LCDディスプレイは、その値が概算値であることを示す記号(星)と共に、濃度値を示す。
− 濃度が非常に低く、変色についての信号が通常のストロークサイクルの間に生成されない場合には、CPUは、さらに多くのストローク(所定の管がこのタイプの概算の実施が可能である場合には、2〜10回)を促すことができる。最終的な濃度は、所定の色結果を達成するためのより多量のサンプリング量に基づき、CPUにより算出される。濃度値は、その値が概算値であることを示す記号と共に表示される。
【0079】
異なるセンサからの信号が、測定される濃度値に対して影響を有することが知られている周囲条件を補償するために使用されてもよい。管の較正および検証プロセスの際に得られる係数、ならびにシステムの気密性についてのデータを伴う各補正データが、CPUに転送されて、濃度および補正係数などの他の観測可能なパラメータについての信号と共に処理される。
図4および
図6に示す通信ボタン82、83、および84を押すことにより、測定された温度の値、相対湿度の値、およびある温度の絶対含水量に対して算出された値が、ディスプレイ80上に表示され、高度補正ダイヤル51により入力された値も表示される。
【0080】
前述の実施形態は、
図4にアセンブリとして示す、および
図5に側断面図として示す、ピストンタイプハンドポンプと共に使用されるように連結および設計される。読取りヘッド20は、ハンドポンプ41の延在部として設計され、ソケット42によりハンドポンプ41に連結される、円筒状筐体21内に封入される。正面が図示される翼状部14は、分離する上方顎状部および下方顎状部である(この位置においては図示されない)。端部が破壊された管11は、ポンプ41内の真空化された空間に流体連通し、圧力降下センサ25を有するゴム入口27内に位置決めされる。
【0081】
側方断面
図5Bにおいては、管11はロックピン30により空洞部内に正確に位置決めされて図示される。光学コード17は、光学コード読取り手段70により読み取られる。また、エネルギー供給源60およびCPU50が図示され、センサ24および28が読取器の前方に位置する。ピンヘッド29を押し下げることにより、ロックピン30は下方に進み、管11の挿入が可能となる。この挿入の初めに、光学読取り手段70が光学コード17を読み取ることとなる。目盛り翼状部の両側の上方顎状部および下方顎状部は、ここでは単純化のために図示しない。
【0082】
ピストンタイプポンプ41と組み合わされる読取器の読取りおよびデータ統合のプロセス、ならびに主要な相互接続が、
図6において電子概略図として図示される。
【0083】
ポンプ真空サイクルのプロセス、ならびに読取りおよび統合の瞬間が、
図7A〜
図7Cに図示される。サンプリングプロセスが予想される濃度スパンにしたがったものである場合には、変色は、1つ以上の所定のストローク数の終了後に読み取られる。管上に印刷された視覚的情報および光学コード化情報は、ストローク数を適合化するように促す(1回のストロークが最も一般的な例と見なされる)。2つの基本的なスタイルのハンドポンプ(ベローズポンプおよびピストンポンプ)についての
図7Aの時間ラップの関数として真空を表す曲線は、それぞれ異なる。この相違は、両ポンプスタイルの特徴である真空タイプに起因するものである。
図7Aに示すように、ピストンポンプは、その初めに高い真空度を生成し、全時間のストロークの間に大気圧まで漸減的に低下する。ベローズポンプスタイルは、ストロークの終了まで持続するより低いおよび中程度の真空を生成する。真空レベルにより制御される流体速度が、ストローク中に異なることにより、両ポンプスタイルに関する較正曲線は、いくつかの違いを有する。両ポンプについての真空曲線の下の統合エリアは、サンプリング量を表し、通常はストローク当たり100mlで同一である。この
図7Aにおいては、視覚的読取り用の管較正スパンを超過する非常に高い濃度を読み取るプロセスが図示される。変色が100%まで上昇し、変色の統合プロセスが停止した際の位置をそれぞれ示す2つの点B/B1が示される。サンプリングされる量は、同一タイプの管であっても異なり得る。これは、非常に高濃度にて、点B−実線(ピストンポンプ)が点B1−破線(ベローズポンプ)とは異なる時間ラップを有する理由を説明するものとなる。
【0084】
CPUは、点B/B1に対応する時間ラップを使用して、光学コード17により転送された予備露出データに基づき、推定される濃度データを生成する。
【0085】
図7Bの非常に低濃度では、推奨される1回(または複数回)のストロークのサンプリング量は、第1のセンサ56(
図3)からの検出が可能な色を生成するのに十分ではない場合がある。サンプリングは停止されてもよく、または、読取器は、サンプリング量を増加させること(より多くのサンプリングストローク)により、ある特定の管によるこの低濃度の測定が可能となる場合には、さらなるストロークをLCDディスプレイ上において促すことが可能である。このプロセスは、センサ56からの第1の可読信号が十分なものとなるまで、複数回のストロークを要する場合がある。サンプリングは、
図7Bの点C/C1にて停止する。適切な較正がなされる場合には、読取りは上首尾なものとなり得る。あらゆるタイプの管により、かような較正および近似が可能となるわけではない。
【0086】
図7Cは、ピストンポンプについての真空確認プロセスを説明する。真空は、センサ25により確認される(
図5および
図6)。真空は、点Dと点Eとの間の曲線により示される所定期間にわたって安定的であるべきである。真空が、点FなどE未満の任意の点にまで降下すると、シールは真空気密ではなく、サンプリングは正確なものとならない場合がある。読取器は対応する音信号および光信号を生成する。センサ25により検出された真空がサンプリングサイクル中にゼロまで急激に降下すると、読取器はサンプリングプロセスを中断し、聴覚的信号および/または視覚的信号を生成するべきである。
【0087】
較正は、あらゆるタイプの条件にて非常に上首尾なものとなり得る。較正条件が、使用されるポンプのタイプについての光学コード17により導入される場合には、1つのおよび同一のタイプの管が、異なるタイプのポンプと共に使用可能および読み取り可能となる。
【0088】
同タイプの読取りアプローチを、ベローズポンプまたはピストンポンプなどの比色管と共に使用される任意のタイプのサンプリングポンプと共に使用することは本発明の趣旨に含まれる。いずれの主要な特徴または概略図も、読取器にポンプを連結する様式および較正の様式を除けば、変更される必要はない。ベローズポンプが、サンプリングプロセスにおける駆動力であるはるかに低いがより持続的な真空を送る限りにおいては、管の較正曲線のみが、変更される必要がある。
【0089】
本発明は、それぞれ固有の特徴および固有の利点を有する2つの部品、すなわち管および管読取器からなるシステムを示す。この比色管の設計により、管は、視覚的に、または市場で入手可能ないずれの管でも不可能である提案した電子式読取器によって、サンプリングおよび読取りを行うことが可能となる。翼状目盛りを有するこの設計は、異なるサンプリング条件および異なる測定単位に対して最大で4つの目盛りを与えるため、有利となる。この設計により、管は、使用上の安全性がはるかにより高いものとなり、輸送および包装が容易になり得る。また、この設計は、円筒状表面の反射を回避することにより読取りを容易にする平坦な側部を有する管を提案する。この設計は、安全性が高く、製造コストを低下させる製造特徴を有する、透明なプラスチックの使用を想定している。
【0090】
有利には、管読取器のこの設計は、特定の露出量に対応する色の読取り以外に、最終的な結果をはるかにより確実なものにする、温度、湿度、および高度についての補正係数の自己導入を提案する。この管読取器により、目盛り上に印刷された較正スパンを超える非常に低い濃度および非常に高い濃度の読取りが可能となる。
【0091】
説明したガス検知管、ガス検知管読取器、および方法の実施形態は、本明細書において開示した特定の実施形態、構成要素、方法ステップ、および材料に限定されない。なぜならば、かかる構成要素、プロセスステップ、および材料は、変更し得るからである。さらに、本明細書において使用される術語は、専ら例示的な実施形態を説明するために使用されるに過ぎず、限定的なものとして意図されない。なぜならば、本発明の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるからである。
【0092】
したがって、例示の実施形態を参照として本発明の実施形態を説明したが、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲内において変更および修正を行うことが可能であることが、当業者には理解されよう。したがって、本発明の様々な実施形態の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきでなく、以下の特許請求の範囲および全ての均等物によってのみ規定されるべきである。