特許第5961172号(P5961172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961172
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】増加した製造速度での酢酸の製造
(51)【国際特許分類】
   C07C 51/12 20060101AFI20160719BHJP
   C07C 53/08 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   C07C51/12
   C07C53/08
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-533876(P2013-533876)
(86)(22)【出願日】2011年10月3日
(65)【公表番号】特表2013-543508(P2013-543508A)
(43)【公表日】2013年12月5日
(86)【国際出願番号】US2011054576
(87)【国際公開番号】WO2012050996
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年10月1日
(31)【優先権主張番号】12/902,661
(32)【優先日】2010年10月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512225379
【氏名又は名称】セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(74)【代理人】
【識別番号】100173635
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 樹里
(72)【発明者】
【氏名】トーレンス,ジー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ジノービル,レイモンド
【審査官】 村守 宏文
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−533478(JP,A)
【文献】 特表2009−520778(JP,A)
【文献】 特表2007−526308(JP,A)
【文献】 特開平10−245360(JP,A)
【文献】 特開平10−273470(JP,A)
【文献】 特表2006−511589(JP,A)
【文献】 特表2010−527927(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0270651(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 51/12
C07C 53/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酢酸の製造方法であって、
反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を少なくとも1種類の反応物質と反応させて酢酸を含む反応生成物を生成させ、ここで、該反応媒体は、水、酢酸、酢酸メチル、ハロゲン促進剤、及び触媒を含み;
フラッシャー内において、反応生成物を、液体再循環流、並びに、酢酸、ハロゲン促進剤、酢酸メチル、及び水を含む粗生成物流に分離し;
液体再循環流の少なくとも一部を、1以上のポンプによって反応器に導入し;そして
フラッシャーの下部部分に、少なくとも1種類の反応物質の一部を供給する、ここで、該フラッシャーの下部部分は、該反応生成物を該フラッシャーに供給する箇所の下方である
工程を含み;
液体再循環流が該少なくとも1種類の反応物質を含み、少なくとも1種類の反応物質メタノールである方法
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、該ポンプの上流に供給する少なくとも1種類の反応物質の該一部が、反応器に供給する少なくとも1種類の反応物質の0.1重量%〜50重量%である方法
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、該少なくとも1種類の反応物質の該一部を供給する前に、少なくとも1種類の反応物質の一部を10℃〜30℃の温度に冷却することを更に含む方法
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
排気回収ユニット内において1以上の蒸気流を捕捉し;
少なくとも1種類の反応物質を含むスクラビング溶媒を用いて1以上の蒸気流をスクラビングして回収流を生成させ;そして
回収流の少なくとも一部を、1以上のポンプの少なくとも1つの上流に供給する;
ことを更に含む方法
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、該反応生成物の一部をポンプアラウンドループに排出し;そして
少なくとも1種類の反応物質の他の部分をポンプアラウンドループに供給する;
ことを更に含む方法
【請求項6】
酢酸の製造方法であって、
反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を少なくとも1種類の反応物質と反応させて酢酸を含む反応生成物を生成させ、ここで、該反応媒体は、水、酢酸、酢酸メチル、ハロゲン促進剤、及び触媒を含み;
反応生成物の一部をポンプアラウンドループに排出し;そして
少なくとも1種類の反応物質の一部をポンプアラウンドループに供給する;
工程を含む方法
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、該ポンプアラウンドループに供給する少なくとも1種類の反応物質の該一部が、反応器に供給する少なくとも1種類の反応物質の0.5重量%〜20重量%である方法
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、該少なくとも1種類の反応物質がメタノールである方法
【請求項9】
請求項6に記載の方法であって、排気回収ユニット内において1以上の蒸気流を捕捉し;
少なくとも1種類の反応物質を含むスクラビング溶媒を用いて、1以上の蒸気流をスクラビングして回収流を生成させ;そして
回収流の少なくとも一部を、1以上のポンプの少なくとも1つの上流に供給する;
ことを更に含む方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2010年10月12日出願の米国出願12/902,661(その全部を参照として本明細書中に包含する)に対する優先権を主張する。
[0002]本発明は、一酸化炭素から酢酸を製造する方法に関し、特に少なくとも1種類の反応物質を反応器再循環ポンプの上流及び/又はポンプアラウンドループに供給する改良された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]酢酸を合成するための広範囲に用いられて成功している商業的プロセスは、一酸化炭素によるメタノールの接触カルボニル化を含む。触媒反応は、ロジウム及び/又はイリジウム、並びにハロゲン促進剤、通常はヨウ化メチルを含む。反応は、その中に触媒を溶解させた液体反応媒体を通して一酸化炭素を連続的にバブリングすることによって行う。反応媒体は、酢酸メチル、水、ヨウ化メチル、及び触媒も含む。メタノールをカルボニル化するための従来の商業的プロセスとしては、米国特許3,769,329、5,001,259、5,026,908、及び5,144,068(これらの全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。他の従来のメタノールカルボニル化プロセスとしては、Jones, J.H. (2002), "The CativaTM Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105(この全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)において議論されているCativa(商標)プロセスが挙げられる。
【0003】
[0004]酢酸の製造においては、システムの能力に関して幾つかの制限がある可能性がある。1つのかかる制限は、反応器に供給することができる反応物質の量である。供給を増加させることは、より高い産出量を取り扱うためにポンプの能力を増加させる必要がある可能性がある。配管、基礎、及び設備を再構成すること、並びに関連する再構成のための停止時間のために、より大きな容量のポンプへの切り替えが経済的に魅力のないものになる。また、これらのポンプは、通常はより高価な高圧ポンプである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許3,769,329
【特許文献2】米国特許5,001,259
【特許文献3】米国特許5,026,908
【特許文献4】米国特許5,144,068
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Jones, J.H. (2002), "The Cativa Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0005]酢酸を製造する能力を向上させる必要性が継続して未だに存在する。本発明はかかる必要性を満足する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006]本発明は、一酸化炭素から酢酸を製造する方法に関し、特に、少なくとも1種類の反応物質を反応器再循環ポンプの上流及び/又はポンプアラウンドループに供給する改良された方法に関する。例えば、第1の態様においては、本発明方法は、反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を少なくとも1種類の反応物質と反応させて酢酸を含む反応生成物を生成させ;フラッシャー内において、反応生成物を、液体再循環流、並びに、酢酸、ハロゲン促進剤、酢酸メチル、及び水を含む粗生成物流に分離し;液体再循環流の少なくとも一部を、1以上のポンプによって反応器に導入し;そして、1以上のポンプの少なくとも1つの上流に反応物質の一部を供給する;工程を含み;液体再循環流は少なくとも1種類の反応物質を含む。幾つかの態様においては、少なくとも1種類の反応物質の一部はフラッシャーの下部部分に供給する。他の態様においては、少なくとも1種類の反応物質の一部は液体再循環流に供給する。
【0008】
[0007]反応媒体は、好ましくは、水、酢酸、酢酸メチル、ハロゲン促進剤、及び触媒を含む。反応物質は、好ましくは、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0009】
[0008]第2の態様においては、本発明方法は、反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を少なくとも1種類の反応物質と反応させて酢酸を含む反応生成物を生成させ;フラッシャー内において、反応生成物を、液体再循環流、並びに、酢酸、ハロゲン促進剤、酢酸メチル、及び水を含む粗生成物流に分離し;液体再循環流の少なくとも一部を、1以上のポンプによって反応器に導入し;そして、1以上のポンプの少なくとも1つの上流に少なくとも1種類の反応物質の一部を供給する;工程を含み;液体再循環流は少なくとも1種類の反応物質を含み、この方法は、排気回収ユニット内において1以上の蒸気流を捕捉し;少なくとも1種類の反応物質を含むスクラビング溶媒を用いて1以上の蒸気流をスクラビングして回収流を生成させ;そして、回収流の少なくとも一部を、1以上のポンプの少なくとも1つの上流に供給する;ことを更に含む。
【0010】
[0009]第3の態様においては、本発明方法は、反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を少なくとも1種類の反応物質と反応させて酢酸を含む反応生成物を生成させ;フラッシャー内において、反応生成物を、液体再循環流、並びに、酢酸、ハロゲン促進剤、酢酸メチル、及び水を含む粗生成物流に分離し;液体再循環流の少なくとも一部を、1以上のポンプによって反応器に導入し;そして、1以上のポンプの少なくとも1つの上流に少なくとも1種類の反応物質の一部を供給する;工程を含み;液体再循環流は少なくとも1種類の反応物質を含み;この方法は、反応生成物の一部をポンプアラウンドループに排出し;そして、少なくとも1種類の反応物質の他の部分をポンプアラウンドループに供給する;ことを更に含む。
【0011】
[0010]第4の態様においては、本発明方法は、反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を少なくとも1種類の反応物質と反応させて酢酸を含む反応生成物を生成させ;反応生成物の少なくとも一部をポンプアラウンドループに排出し;そして、少なくとも1種類の反応物質の一部をポンプアラウンドループに供給する;工程を含む。
【0012】
[0011]第5の態様においては、本発明方法は、反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を少なくとも1種類の反応物質と反応させて酢酸を含む反応生成物を生成させ;反応生成物の一部をポンプアラウンドループに排出し;そして、少なくとも1種類の反応物質の一部をポンプアラウンドループに供給する;工程を含み;この方法は、排気回収ユニット内において1以上の蒸気流を捕捉し;少なくとも1種類の反応物質を含むスクラビング溶媒を用いて1以上の蒸気流をスクラビングして回収流を生成させ;そして、回収流の少なくとも一部を、1以上のポンプの少なくとも1つの上流に供給する;ことを更に含む。
【0013】
[0012]下記において、添付の図面を参照して本発明を詳細に記載する。図面において、同じ番号は同様の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】[0013]図1Aは、少なくとも1種類の反応物質をフラッシャーに供給する代表的なスキームを示す。
図1B】[0014]図1Bは、少なくとも1種類の反応物質を含む回収流をフラッシャーに供給する代表的なスキームを示す。
図2A】[0015]図2Aは、少なくとも1種類の反応物質を液体再循環流に供給する代表的なスキームを示す。
図2B】[0016]図2Bは、少なくとも1種類の反応物質を含む回収流を液体再循環流に供給する代表的なスキームを示す。
図3A】[0017]図3Aは、少なくとも1種類の反応物質をポンプアラウンドループに供給する代表的なスキームを示す。
図3B】[0018]図3Bは、少なくとも1種類の反応物質を含む回収流をポンプアラウンドループに供給する代表的なスキームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
序論:
[0019]本発明は、概して、反応器再循環ポンプの上流、及び/又はポンプアラウンドループに少なくとも1種類の反応物質を供給することによって酢酸を製造することに関する。反応物質は、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、反応物質はメタノールを含む。反応器再循環ポンプの上流とは、液体再循環流をカルボニル化反応器に戻すポンプより前の任意の位置を指す。カルボニル化システムは幾つかの反応器再循環ポンプを含む可能性があり、更なる反応物質を任意のこれらのポンプの上流に供給することができることを理解すべきである。好ましくは、反応物質は、フラッシャー、及び/又はフラッシャーからの液体再循環流に供給する。他の態様においては、反応物質はポンプアラウンドループに供給することができる。本発明の幾つかの態様は、有利なことに、反応物質を、カルボニル化反応器に加えて、メタノールカルボニル化プロセスの所定の位置に導入することが可能である。1つの特定の理論には縛られないが、本発明は、カルボニル化反応器内における利用できる反応物質の量を増加させることによって、酢酸の全製造量を向上させる。
【0016】
[0020]定常状態の運転条件下において、カルボニル化反応器へ供給することができる反応物質の量は制限される可能性がある。1つの可能性がある制限は、供給流のための供給ポンプの能力である可能性がある。而して、反応器が増加した製造能力を有するようにすることはできるが、必要量の供給流を提供することが困難である可能性がある。本発明の幾つかの態様は、供給流による以外に、複数の位置において反応物質を導入することによって、カルボニル化反応器に供給される反応物質の全量を増加させることができる。
【0017】
[0021]一態様においては、反応物質の源は、カルボニル化反応器に供給する新しい反応物質であってよい。幾つかの態様においては、更なる量のこれらの新しい反応物質を反応器再循環ポンプの上流に供給することができる。幾つかの態様においては、更なる量のこれらの新しい反応物質をポンプアラウンドループに供給することができる。
【0018】
[0022]本発明の他の態様においては、排気流を、少なくとも1種類の反応物質を含むスクラビング溶媒でスクラビングして低沸点成分を回収することができる。これらの低沸点成分は、スクラビング溶媒と一緒に戻り流を形成する。戻り流は、反応物質の源として用いて、フラッシャー、液体再循環流、及び/又はポンプアラウンドループに供給することができる。
【0019】
[0023]理論には縛られないが、記載したようにして少なくとも1種類の反応物質を加えることによって、粗酢酸生成物中のアセトアルデヒド及びプロピオン酸のような幾つかの不純物を減少させることができると考えられる。不純物を減少させることによって、分離及び精製効率を更に向上させることができる。本発明の幾つかの態様は、下記の式1によって記載されるように、カルボニル化フラッシャー中における酢酸メチルの濃度を増加させ、それによってヨウ化水素と酢酸メチルとの反応をヨウ化メチルに向けてシフトさせることによってヨウ化水素濃度を減少させると考えられる。したがって、フラッシャー中における減少したヨウ化水素濃度によって、下記の式2によって記載されるようなアセトアルデヒドの形成が減少する。カルボニル化システムにおいてアセトアルデヒドが減少することによって、過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)及びプロピオン酸のような不純物の形成が減少する。
【0020】
【化1】
【0021】
[0024]本発明の態様の実例を下記に記載する。明確にするために、実際の実施の全ての特徴は本明細書には記載していない。勿論、任意のかかる実際の態様の開発においては、開発者の具体的な目標を達成するために、1つの実施と他の実施とで変化するシステム関係及びビジネス関係の制約の遵守のような数多くの実施に固有の決定を行わなければならないと認識される。更に、かかる開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それでも本開示の利益を享受する当業者には日常的な業務であろうことが認められる。
【0022】
[0025]本発明は、例えば、反応溶媒、メタノール及び/又はその反応性誘導体、第VIII族触媒、少なくとも限定濃度の水、及び場合によってはヨウ化物塩を含む均一接触反応系中における一酸化炭素によるメタノールのカルボニル化に関連して評価することができる。
【0023】
[0026]好適な第VIII族触媒としてはロジウム及び/又はイリジウム触媒が挙げられる。ロジウム触媒を用いる場合には、ロジウム触媒は、ロジウムが、当該技術において周知なように[Rh(CO)アニオンを含む平衡混合物として触媒溶液中に存在するような任意の好適な形態で加えることができる。本明細書中に記載するプロセスの反応混合物中に場合によって保持されるヨウ化物塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の可溶性塩、或いは第4級アンモニウム又はホスホニウム塩、或いはこれらの混合物の形態であってよい。幾つかの態様においては、触媒共促進剤は、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、又はこれらの混合物である。塩共促進剤は、ヨウ化物塩を生成する非ヨウ化物塩として加えることができる。ヨウ化物触媒安定剤は、反応システム中に直接導入することができる。或いは、反応システムの運転条件下においては、広範囲の非ヨウ化物塩前駆体が、反応媒体中のヨウ化メチル又はヨウ化水素酸と反応して対応する共促進剤のヨウ化物塩安定剤を生成するので、ヨウ化物塩をその場で生成させることができる。幾つかの態様においては、液体反応媒体中のロジウム触媒の濃度は100ppm〜6000ppmの範囲であってよい。ロジウム触媒反応及びヨウ化物塩の生成に関する更なる詳細については、米国特許5,001,259、5,026,908、5,144,068、及び7,005,541(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)を参照。
【0024】
[0027]イリジウム触媒を用いる場合には、イリジウム触媒に、液体反応組成物中に可溶の任意のイリジウム含有化合物を含ませることができる。イリジウム触媒は、液体反応組成物中に溶解するか、或いは可溶性の形態に転化させることができる任意の好適な形態で、カルボニル化反応のための液体反応組成物に加えることができる。液体反応組成物に加えることができる好適なイリジウム含有化合物の例としては、IrCl、IrI、IrBr、[Ir(CO)I]、[Ir(CO)Cl]、[Ir(CO)Br]、[Ir(CO)、[Ir(CO)Br、[Ir(CO)、[Ir(CH)I(CO)、Ir(CO)12、IrCl・3HO、IrBr・3HO、Ir(CO)12、イリジウム金属、Ir、Ir(acac)(CO)、Ir(acac)、酢酸イリジウム、[IrO(OAc)(HO)][OAc]、及びヘキサクロロイリジウム酸[HIrCl]が挙げられる。酢酸塩、シュウ酸塩、及びアセト酢酸塩のようなイリジウムの塩素を含まないコンプレックスが、出発材料として通常用いられる。液体反応組成物中のイリジウム触媒の濃度は、100〜6000ppmの範囲であってよい。イリジウム触媒を用いるメタノールのカルボニル化は周知であり、米国特許5,942,460;5,932,764;5,883,295;5,877,348;5,877,347;及び5,696,284(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)に概して記載されている。
【0025】
[0028]第VIII族金属触媒成分と組み合わせて、ハロゲン共触媒/促進剤が一般的に用いられる。ハロゲン促進剤としてはヨウ化メチルが好ましい。好ましくは、液体反応組成物中のハロゲン促進剤の濃度は、1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%の範囲である。
【0026】
[0029]ハロゲン促進剤は、塩安定剤/共促進剤化合物(第IA又は第IIA族の金属の塩、第4級アンモニウム、ホスホニウム塩、或いはこれらの混合物を挙げることができる)と組み合わせることができる。ヨウ化物又は酢酸塩、例えばヨウ化リチウム又は酢酸リチウムが特に好ましい。
【0027】
[0030]米国特許5,877,348(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような他の促進剤及び共促進剤を、本発明の触媒系の一部として用いることができる。好適な促進剤は、ルテニウム、オスミウム、タングステン、レニウム、亜鉛、カドミウム、インジウム、ガリウム、水銀、ニッケル、白金、バナジウム、チタン、銅、アルミニウム、スズ、アンチモンから選択され、より好ましくはルテニウム及びオスミウムから選択される。具体的な共促進剤は、米国特許6,627,770(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
【0028】
[0031]促進剤は、液体反応組成物、及び/又は酢酸回収段階からカルボニル化反応器に再循環される任意の液体プロセス流中におけるその溶解度限界以下の有効な量で存在させることができる。用いる場合には、促進剤は、好適には、0.5:1〜15:1、好ましくは2:1〜10:1、より好ましくは2:1〜7.5:1の促進剤と金属触媒とのモル比で液体反応組成物中に存在させる。好適な促進剤濃度は400〜5000ppmである。
【0029】
[0032]一態様においては、第1の反応器103内におけるカルボニル化反応の温度は、好ましくは150℃〜250℃、例えば155℃〜235℃、又は160℃〜220℃である。カルボニル化反応の圧力は、10〜200bar、好ましくは10〜100bar、最も好ましくは15〜50barである。酢酸は、通常は、約160〜220℃の温度及び約15〜約50barの全圧において液相反応で製造される。
【0030】
[0033]分離システムは、好ましくは、反応器内並びにシステム全体における水及び酢酸の含量を制御し、及び場合によっては過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)の除去を制御する。PRCとしては、例えば、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒドなど、並びにこれらのアルドール縮合生成物のような化合物を挙げることができる。
【0031】
[0034]一般に、本発明のカルボニル化システムは、反応区域100及び精製区域(図示せず)を含む。図1A〜3Bは、本発明の幾つかの態様にしたがって酢酸を製造するためのカルボニル化システムの代表的な反応区域100を示す。更に、本発明の幾つかの態様にしたがって用いることができる更なるカルボニル化システムとしては、米国特許7,223,886、7,005,541、6,6657,078、6,339,171、5,731,252、5,144,068、5,026,908、5,001,259、4,994,608、及び米国公開2008/0287706、2008/0293966、2009/0107833、2009/0270651(これらの全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。示されている反応区域100は例示のものであり、本発明の範囲内において他の構成要素を用いることができることを理解すべきである。
【0032】
[0035]図1A及び2Aを参照すると、反応区域100は、一酸化酸素供給流101、反応物質供給流102、反応器103、反応器回収ユニット4、フラッシャー120、及び反応器再循環ポンプ121を含む。図1B、2B、及び3Bにおいては、反応区域100に加えて、カルボニル化システムは、排気回収ユニット130、排気流供給流131、及びスクラビング溶媒供給流132も含む。図3A及び3Bおいては、反応区域100はポンプアラウンドループ140を更に含む。
【0033】
[0036]一酸化酸素及び少なくとも1種類の反応物質を、それぞれ供給流101及び102によって反応器103に連続的に供給する。反応物質供給流102は、1以上の高圧ポンプ(図示せず)を通して供給することができる。幾つかの態様においては、高圧ポンプは、反応器103内の運転圧力よりも高い吐出圧力で運転する。幾つかの態様においては、高圧ポンプは、10〜60barg、好ましくは15〜55bargの吐出圧力で運転する。反応物質供給流102は、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を反応器103に供給することができる。好ましい態様においては、反応物質供給流102はメタノール及び酢酸メチルを供給することができる。場合によっては、反応物質供給流102は、カルボニル化プロセスのための新しい反応物質を貯蔵する1以上の容器(図示せず)に接続することができる。更に、示してはいないが、反応条件を維持するのに必要な新しいヨウ化メチル及び触媒を供給するための、反応器103に接続されているヨウ化メチル貯蔵容器及び/又は触媒容器を存在させることができる。
【0034】
[0037]好ましくは反応区域101からの1以上の再循環供給流125を、反応器103に供給することができる。流れ125として1つの再循環供給流が示されているが、別々に反応器103に供給される複数の流れを存在させることができる。他の態様においては、精製区域(図示せず)からの1以上の再循環供給流を反応器103に供給することもできる。再循環供給流は、反応媒体の成分、並びに残留及び/又は同伴触媒及び酢酸を含む可能性がある。場合によっては、反応器103に供給することができる少なくとも1つの新しい水の流れ(図示せず)を存在させることができる。
【0035】
[0038]好ましい態様においては、反応器103は液相カルボニル化反応器である。反応器103は、好ましくは、撹拌容器、或いは撹拌機を有するか又は有しないバブルカラムタイプの容器のいずれかであり、その内部において、反応する液体又はスラリーの内容物を好ましくは自動的に所定のレベルに維持し、これは好ましくは通常運転中は実質的に一定に維持する。反応媒体中において少なくとも0.1重量%〜14重量%の水濃度を維持するために必要に応じて、供給流102からの新しいメタノール、一酸化炭素供給流101、及び再循環流125を、随意的なヨウ化メチル流、触媒流、及び/又は水流と一緒に連続的に導入する。
【0036】
[0039]通常のカルボニル化プロセスにおいては、一酸化炭素を、カルボニル化反応器中、望ましくは内容物を撹拌するために用いることができる撹拌機の下方に連続的に導入する。気体状供給流は、好ましくは、この撹拌手段によって反応液を通して十分に分散させる。気体パージ流106を反応器103から排気して、気体状副生成物の蓄積を阻止し、所定の全反応器圧力における設定一酸化炭素分圧を維持する。反応器の温度を制御することができ、一酸化炭素供給流は所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。気体パージ流106は、回収ユニット104内で酢酸及び/又はメタノールでスクラビングして低沸点成分を回収することができる。気体パージ流106は凝縮して回収ユニット104に供給することができ、これによって低沸点成分108を反応器103の頂部に戻すことができる。低沸点成分108は、酢酸メチル及び/又はヨウ化メチルを含む可能性がある。気体パージ流106中の一酸化炭素は、ライン107内でパージするか、或いはライン107’を通してフラッシャー120の底部に供給してロジウム安定性を向上させることができる。
【0037】
[0040]カルボニル化生成物を、カルボニル化反応器103から、その中の一定のレベルを維持するのに十分な速度で引き抜き、流れ105を通してフラッシャー120に供給する。フラッシャー120内において、熱を加えるか又は加えないで、カルボニル化生成物をフラッシュ分離工程で分離して、酢酸を含む粗生成物流122、及び液体再循環流123を得る。液体再循環流123は触媒含有溶液を含み、これは好ましくは反応器再循環ポンプ121を用いて流れ125を通して反応器に再循環する。幾つかの態様においては、反応器再循環ポンプ121は、反応器103内の運転圧力よりも高い吐出圧力で運転する。幾つかの態様においては、反応器再循環ポンプ121は、10〜60barg、好ましくは15〜55bargの吐出圧力で運転する。上記で議論したように、触媒含有溶液は、主として、酢酸、ロジウム触媒、及びヨウ化物塩を、より少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水と共に含む。粗生成物流122は、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、メタノール、及びPRCを含む。フラッシャー120からの粗生成物流122は、更なる分離及び精製のために精製区域(図示せず)に送る。
【0038】
[0041]本発明にしたがって用いるための精製区域(図示せず)には、軽質留分カラム、乾燥カラム、PRCを除去するための1以上のカラム、保護床、排気スクラバー/吸収器、及び/又は重質留分カラムを含ませることができる。PRC除去カラムは、米国特許6,143,930、6,339,171、及び7,223,886、並びに米国公開2005/0197513、2006/0247466、及び2006/0293537(これらの全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。保護床は、米国特許4,615,806、4,894,477、及び6,225,498(これらの全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
【0039】
[0042]一態様においては、反応物質は、カルボニル化反応器のための供給源のような新しい源から供給することができる。図1Aにおいては、反応物質供給流102からの新しい反応物質を、ライン124を通してフラッシャー120に供給する。随意的な態様においては、流れ124は、反応器103のための供給流102とは別の反応物質の源から得ることができる。一態様においては、反応物質の一部を、流れ124を通してフラッシャー120の下部部分に供給する。好ましくは、流れ124は、60℃未満、例えば40℃未満、又は30℃未満の温度に冷却する。冷却流124は、有利なことには、全液体再循環流123を正味で僅かに冷却し、ポンプ吸込口への有効正味吸込ヘッド(NPSHa)を向上させることによって、反応器再循環ポンプ121を通る流速を増加させることを可能にすることができる。
【0040】
[0043]幾つかの態様においては、流れ124は、カルボニル化生成物流105をフラッシャーに導入する箇所よりも下方の位置でフラッシャー120に供給する。好ましくは、流れ124は、回収ユニット104からのライン107’と同様に、フラッシャー120内に含まれる液体の表面よりも下方の位置でフラッシャー120に導入する。これによって、流れ124の内容物を、精製区域に送られる蒸気粗生成物流122中に繰り越すことなく、流れ123中の液体再循環流と断熱混合することを可能にすることができる。得られる流れをフラッシャー120内で混合し、流れ123を通して反応器再循環ポンプ121に送り、再循環流125を通して反応器103に戻す。
【0041】
[0044]重量%に関しては、フラッシャー120の底部領域に加える反応物質の量(速度)は、フラッシャー120の底部から排出される液体の全流速の0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.5重量%〜8重量%であってよい。反応区域100に供給する反応物質に関しては、フラッシャー120に供給する反応物質の重量%は、反応区域100に供給する反応物質の全量の0.1%〜50%、より好ましくは0.1%〜25%であってよい。
【0042】
[0045]また、図2Aに示すように、新しい反応物質を、ライン124を通して液体再循環流123に供給することもできる。好ましくは、流れ124は、反応器再循環ポンプ121から上流の位置で液体再循環流123に供給する。得られる流れは、再循環流125を通して反応器103に戻す。好ましくは、ライン124を通して新しい反応物質を加える場合には、新しい反応物質は液体再循環流123に加える。好ましくは、新しい反応物質は、反応器再循環ポンプ121の上流で液体再循環流123に加える。重量%に関しては、液体再循環流ライン123に加える反応物質の量は、液体再循環流123の全重量の0.1重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%であってよい。反応区域100に供給する反応物質に関しては、液体再循環流123に供給する反応物質の重量%は、反応区域100に供給する反応物質の全量の0.1%〜50%、より好ましくは0.1%〜25%であってよい。
【0043】
[0046]図2Aにおいては1つの液体再循環流123及び反応器再循環ポンプ121が示されているが、幾つかの態様においては、複数の液体再循環流及び/又はポンプ121を存在させることができる。例えば、液体再循環流の一部を分離し、二次高全揚程(TDH)ポンプを通して反応器に戻すことができる。反応物質を、液体再循環流の分離した部分に供給することができる。
【0044】
[0047]他の態様においては、新しい反応物質は、図3Aに示すようにポンプアラウンドループ140に供給することもできる。流れ105の一部をポンプ141に送り、その一部を反応器103に戻す。ポンプアラウンドループ140には、1以上の熱交換器を含ませることもできる。一態様においては、ポンプアラウンドループによって、発熱性カルボニル化反応の熱を制御することができる。図3Aにおいて、ライン124を通る新しい反応物質を、ポンプアラウンドループ140の任意の部分に加えることができるが、好ましくは、反応物質、特にメタノールがポンプアラウンドループ140のポンプ吸込口においてフラッシングされるのを阻止するために、ポンプ141の下流に加える。ポンプ141は、低全揚程ポンプであってよい。他の態様においては、ポンプアラウンドループを、米国特許7,465,823(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているもののような反応器103に接続することができる。1つの特定の理論には縛られないが、反応物質をポンプアラウンドループ140中に導入することによって、ループ内の一酸化炭素との反応活性が増大し、これによって熱交換器(図示せず)を通して回収して酢酸製造プロセス及び/又は他のプロセス内の他の箇所に送ることができるポンプアラウンドループ内のエネルギーが増加する。
【0045】
[0048]重量%に関しては、ポンプアラウンドループ140に加える反応物質の量は、ポンプアラウンドループ140の全重量の0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%であってよい。反応区域100に供給する反応物質に関しては、ポンプアラウンドループ140に供給する反応物質の重量%は、反応区域100に供給する反応物質の全量の0.1〜25%、より好ましくは0.5%〜20%であってよい。
【0046】
[0049]他の態様においては、反応物質は、排気スクラバー/吸収器からの回収流のような処理流の一部として供給することができる。図1B、2B、及び3Bを参照すると、排気回収ユニット130によって捕捉されて回収流134及び気体パージ流133を生成する蒸気流131が示されている。流れ132を通して、スクラビング溶媒を排気回収ユニット130に供給する。一態様においては、スクラビング溶媒は、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を含む。一態様においては、スクラビング溶媒は、反応器103に供給する新しい反応物質から取り出す。回収流134は、スクラビング溶媒、及びヨウ化メチルのような低沸点成分を含む。図1Bにおいは、回収流134は、図1Aにおいて上記したようにフラッシャー120に供給する。回収流はまた、図2Aと同様に、図2Bに示すように液体再循環流123に供給することもできる。更に、回収流はまた、図3Aと同様に、図3Bに示すようにポンプアラウンドループ140に供給することもできる。
【0047】
[0050]勿論、新しい反応物質及び回収流中の反応物質は、反応器再循環ポンプ121の上流及び/又はポンプアラウンドループに共供給することができることを理解すべきである。例えば、図1Aに示すようなメタノールを含む新しい反応物質をフラッシャーに供給して、図2Bに示すような液体再循環流に供給するメタノールを含む回収流と混合することができる。
【0048】
[0051]1つの蒸気流131しか示していないが、本発明のプロセスには1以上の蒸気流を含ませることができる。1以上の蒸気流131は、反応区域100又は精製区域など(しかしながらこれらに限定されない)のシステム内の任意の箇所から取り出すことができる。精製区域において、スクラビングすることができる蒸気流を生成する幾つかの箇所が存在する。これらの箇所としては、軽質留分カラム、PRC除去システム、重質留分カラム、及び乾燥カラム、並びにデカンター、塔頂流受容器、及び貯蔵容器が挙げられる。
【0049】
[0052]幾つかの態様においては、スクラビング溶媒は、排気回収ユニット130中に供給する前に、25℃未満、好ましくは20℃未満の温度に冷却する。回収流134は、好ましくは、40℃未満、例えば30℃未満、又は25℃未満の温度を有する。いかなる特定の理論にも縛られないが、40℃未満の温度の少なくとも1種類の反応物質をフラッシャー液体再循環流に供給することは、目的流中の溶液中に存在する触媒を安定化するのを助ける。一態様においては、回収流134を反応器再循環ポンプ121の上流に加えて、液体再循環流123を冷却する。
【0050】
[0053]本開示の利益を享受する当業者であれば、本明細書に記載する蒸留カラムを設計及び運転して本発明の所望の結果を達成することができる。かかる努力は、場合によっては時間がかかり複雑であるが、それでもなお、本開示の利益を享受する当業者には日常的な業務であろう。したがって、本発明の実施は、特定の蒸留カラムの具体的な特徴、或いは全段数、供給位置、還流比、供給温度、還流温度、カラム温度プロファイルなどのようなその運転特性に必ずしも限定されない。
【0051】
[0054]本発明を詳細に記載したが、本発明の精神及び範囲内の修正は当業者には容易に明らかであろう。上記の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(それらの開示事項を全て参照として本明細書中に包含する)を考慮すると。更に、下記及び/又は特許請求の範囲において示す本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができると理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B