特許第5961178号(P5961178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961178
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】細胞培養装置のための密閉アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   C12M1/00 G
   C12M1/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-540976(P2013-540976)
(86)(22)【出願日】2011年11月18日
(65)【公表番号】特表2013-543738(P2013-543738A)
(43)【公表日】2013年12月9日
(86)【国際出願番号】US2011061298
(87)【国際公開番号】WO2012071249
(87)【国際公開日】20120531
【審査請求日】2014年10月28日
(31)【優先権主張番号】61/415,970
(32)【優先日】2010年11月22日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ベアー,アダム ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ハイジ エム
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル,マシュー ディー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】シート,ポール ケヴィン
【審査官】 竹内 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04763804(US,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02444081(FR,A1)
【文献】 西独国特許出願公開第02536097(DE,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00−3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞培養装置のための密閉アセンブリにおいて、
前記細胞培養装置の細胞培養チャンバと連絡する開口を定める環状側壁を有するポートであって、前記側壁が、(i)ツイストキャップの内側ネジすじと協働するよう構成された外側ネジ山および(ii)環状に突出するスナップキャップ係合特徴を備えた、ポート;および
開口を定める頂部および該頂部から伸長する環状側壁を有するスナップキャップであって、該スナップキャップの側壁が、前記ポートの前記環状に突出するスナップキャップ係合特徴と係合するよう構成された内側に環状に突出する要素を備え、完全に係合すると、前記スナップキャップが人の力だけでは前記ポートから容易に取り外せない、スナップキャップ、
を備えたことを特徴とする密閉アセンブリ。
【請求項2】
前記ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴が、上面および下面を有しており、
前記係合特徴の下面が110度未満の角度で前記ポートの側壁から伸長し、
前記スナップキャップの内側に環状に突出する要素が、上面および下面を有しており、
前記スナップキャップの内側に環状に突出する要素の上面が、引張力が前記キャップに与えられると前記ポートの係合特徴の下面と係合するよう構成され、
前記スナップキャップの前記内側に環状に突出する要素の上面が、110度未満の角度で前記側壁の表面から伸長する、
ことを特徴とする請求項記載の密閉アセンブリ。
【請求項3】
前記ポートの開口に収容されるよう構成される近位端部および前記ポートの外側にとどまるよう構成される遠位端部を有するストッパをさらに備え、前記遠位端部が、前記開口で前記ポートの側壁の内径よりも大きい外形を有するフランジを備え、
前記スナップキャップの下面が、前記スナップキャップが前記ポートに完全に係合すると、前記ポートの頂部に対して前記ストッパのフランジを押し付けるように構成される、
ことを特徴とする請求項または記載の密閉アセンブリ。
【請求項4】
細胞培養チャンバ;および
前記細胞培養チャンバと連絡する開口を定める環状側壁を有するポート、
を備える細胞培養装置であって、
前記側壁が、(i)ツイストキャップの内側ネジすじと協働するよう構成された外側ネジ山および(ii)環状に突出するスナップキャップ係合特徴、を備え、
前記係合特徴が、上面、および前記スナップキャップが前記ポートから外れるのを防ぐためにスナップキャップの特徴に係合するよう構成された下面を有し、
前記係合特徴の下面が、110度未満の角度で前記側壁から伸長する、
ことを特徴とする細胞培養装置、
および請求項からいずれか1項記載の密閉アセンブリを備える細胞培養システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年11月22日に出願された米国仮特許出願第61/415,970号に米国特許法第119条(e)の下で優先権を主張し、その内容は参照により全体として基礎とされここに組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、細胞培養装置に関し、より詳しくは、そのような装置のためのポートおよび密閉アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
細胞培養装置は、細胞、培養培地、または他の液体を細胞培養チャンバに導入するためのポートを有する。細胞培養チャンバの汚染を防止するために、液体または細胞を導入しない場合はポートをふさぐためにしばしばキャップが使用される。多くの場合、キャップにはネジすじがあり、ポート上の外側のネジ山と係合してポート上にキャップをねじ込める。そのようなツイストキャップの利点は、容易に取り外して細胞チャンバポートを利用できる点である。研究または開発の初期段階では、キャップを繰り返して取り付けおよび取り外し、培養チャンバからサンプルを得るまたは培養チャンバに物質または液体を導入することがしばしば所望である。
【0004】
しかしながら、開発の後期または規制当局の許可のための検証において、培養チャンバは、密閉または密封されることがしばしば所望または必要とされる。ツイストキャップをそのような目的に使用できるが、キャップが適切に据え付けられたこと;例えば斜めでない、またはキャップが誤って外れないこと、を確保するのはしばしば困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、初期の研究または開発および開発の後期または検証のために、異なる培養装置がしばしば使用される。初期段階では、容易に取外しできるキャップを有する装置を使用し、後期段階では、取外しがより容易でないキャップを有する装置が使用される。しかしながら、これらの段階の間に培養装置を交換することは、第1の培養装置中で得られた結果は第2の異なる培養装置中で繰返し観察されないかもしれないので、しばしば所望でない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、とりわけ、ツイストキャップまたはスナップキャップに係合するよう構成されたポートを有する細胞培養装置について説明する。多くの実施の形態において、ポートおよびツイストキャップは、ポートに関してキャップを容易に取外しおよび取付けできるよう構成される。反対に、スナップキャップおよびポートは、スナップキャップが一旦ポートと完全に係合すると、人の力だけでは、仮にできたとしてもポートから容易に取り外すことができないように構成される。取外し可能なキャップおよび取外しできないキャップに係合するようにポートを構成することにより、システムの開閉が所望である初期研究のため、および絶えず密閉されたシステムが所望または要求されるより厳しい検証のために、同じ培養装置が使用され得る。
【0007】
ここに記載される様々の実施の形態において、細胞培養装置は、細胞培養チャンバ、および細胞培養チャンバと連絡する開口を定める環状側壁を有するポートを備える。ポートの環状側壁は、(i)ツイストキャップの内側ネジすじと協働するよう構成された外側ネジ山および(ii)スナップキャップと協働するよう構成された環状に突出するスナップキャップ係合特徴、を有する。係合特徴は、スナップキャップがポートから抜け落ちないよう、スナップキャップの特徴に係合するよう構成される上面および下面を有する。係合特徴の下面は、110度未満の角度でポートの側壁から伸長する。
【0008】
ここに記載される多くの実施の形態において、細胞培養装置のための密閉アセンブリは、ポートおよびスナップキャップを備える。ポートは、細胞培養装置の細胞培養チャンバと連絡する開口を定める環状側壁を有する。側壁は、(i)ツイストキャップの内側ネジすじと協働する外側ネジ山および(ii)環状に突出するスナップキャップ係合特徴、を有する。スナップキャップは、頂部、および頂部から伸長する環状側壁を有する。スナップキャップの側壁は、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴と係合するように構成された内側に環状に突出する要素を有し、完全に係合すると、人の力だけではスナップキャップをポートから容易には取り外せない。ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴は、上面および下面を有してもよく、係合特徴の上面は、110度未満の角度でポートの側壁から伸長する。スナップキャップの内側に環状に突出する要素は、上面および下面を有してもよく、スナップキャップの内側に環状に突出する要素の上面は、キャップに引抜き力が加わると、ポートの係合特徴の下面と係合するように構成される。スナップキャップの内側に環状に突出する要素の上面は、110度未満の角度で側壁の表面から伸長してもよい。
【0009】
密閉アセンブリはさらに、ポートの開口に収容されるよう構成された近位端部およびポートの外側にとどまるよう構成された遠位端部を有するストッパを備える。遠位端部は、開口においてポートの側壁の内径よりも大きい外径のフランジを有する。スナップキャップの頂部の下面は、スナップキャップがポートと完全に係合すると、ポートの頂部に対してストッパのフランジを押し付けるように構成される。これにより、ある実施の形態においてストッパはポートの側壁にも押し付けられ得る。
【0010】
ここに記載されるアセンブリ、装置、物品および方法は、従来の細胞培養システムに対して1つ以上の利点を提供し得る。例えば、単一の細胞培養装置を初期の研究および開発のために容易に取外しできるキャップと共に使用し、同じ装置を後期の検証のために容易に取外しできない異なるキャップと共に使用できることにより、そのような目的のために異なる培養装置を使用することによる潜在的な異常結果が生じない。ここに記載されるアセンブリ、装置、物品および方法の様々の実施の形態のこのおよび他の利点は、ここに提示される開示を読むことにより当業者に容易に明らかとなるであろう。
【0011】
ここに提示される概略的な図面は、必ずしも一定の縮尺ではない。図面で使用される同様の番号は、同様の構成要素、工程などを指す。しかしながら、所定の図面である構成要素を指すための番号の使用は、同一の番号が付けられた別の図面の構成要素を制限することは意図されていないことが理解されよう。さらに、構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号の構成要素が同じまたは同様ではあり得ないことを示すことは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】細胞培養装置のある例の概略平面図
図2】線2−2で取られた図1に示される装置の実施の形態の概略断面図
図3】細胞培養装置のポートの概略側面図
図4】線4−4で取られた図1に示される装置のポートの実施の形態の概略断面図
図5】細胞培養装置のポートの概略側面図
図6A】細胞培養装置のポートに少なくとも部分的に挿入され得るストッパの実施の形態の概略側面図
図6B】細胞培養装置のポートに少なくとも部分的に挿入され得るストッパの実施の形態の概略平面図
図7】ストッパおよびストッパのルーメンに収容される管の実施の形態の概略断面図
図8】細胞培養装置のポートに係合するよう構成されたスナップ方式のキャップの実施の形態の概略側面図
図9図8に示されるスナップ方式のキャップの実施の形態の概略平面図
図10図8に示されるキャップの実施の形態の概略断面図
図11】ポート、ストッパ、スナップ方式のキャップ、および管を示す細胞培養装置の密閉アセンブリの概略断面図
図12】キャップがポート上に完全に配置されポートと係合することを示す、スナップ方式のキャップおよびポートの協働する係合特徴の概略拡大図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明において、その一部を形成し、装置、システムおよび方法のいくつかの特定の実施の形態が例として示されている、添付の図面を参照する。他の実施の形態が考えられ、本開示の範囲または精神から逸脱せずに行ってもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈すべきではない。
【0014】
ここに使用される全ての科学的および技術的用語は、他に特定されない限り、当該技術分野において一般に使用される意味を有する。ここに与えられる定義は、本願明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものであり、本開示の範囲を制限することを意味するものではない。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるように、単数形は、明らかにそうではないと文脈が示していない限り、複数の対象を有する実施の形態を包含する。
【0016】
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるように、「または」という用語は、明らかにそうではないと文脈が示していない限り、「および/または」を含む意味で一般に用いられる。
【0017】
ここに使用されるように、「有する」、「有している」、「含む」、「含んでいる」、「備える」、「備えている」などは、制限のない意味で使用されており、一般に、「含むが、それに限定されない」ことを意味する。「構成される」および「実質的に構成される」なる用語は、「備えている」などの用語に包含されることが理解されるであろう。例えば、ポート、キャップおよびストッパを備えている細胞培養装置のための密閉アセンブリは、ポート、キャップおよびストッパから構成または実質的に構成されてもよい。
【0018】
「実質的に構成される」とは、構成、物品、システム、装置または方法に関する場合、構成、物品、システム、装置または方法が、記載される構成、物品、システム、装置または方法の構成要素または工程のみを含み、必要に応じて、構成、物品、システム、装置または方法の基本的および新規な特性に大きく影響しない他の構成要素または工程を含むことを意味する。
【0019】
例えば「上部」、「底部」、「左」、「右」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、および他の方向および位置付けなど、ここに言及される任意の方向は、図面に関する明確性のために本明細書で説明されており、実際の装置またはシステムあるいはその装置またはシステムの使用を制限するものではない。ここに記載される装置、物品またはシステムの多くは、多くの方向および位置付けで使用されてもよい。
【0020】
本開示は、とりわけ、ツイストキャップまたはスナップキャップを係合するよう構成されたポートを有する細胞培養装置を説明する。多くの実施の形態において、ポートおよびツイストキャップは、ポートに関してキャップを容易に取外しおよび取付けできるように構成される一方で、スナップキャップおよびポートは、スナップキャップが一旦ポートと完全に係合すると、人の力だけでは、仮にできたとしてもポートから容易に取り外すことができないように構成される。取外し可能なキャップおよび比較して取外しできないキャップに係合するようにポートを構成することにより、システムの開閉が所望である初期研究のため、および絶えず密閉されたシステムが所望または要求されるより厳しい検証のために、同じ培養装置を使用し得る。
【0021】
ここに記載される密閉アセンブリは、任意の適切な細胞培養システムに使用してもよい。密閉アセンブリまたはその構成要素を組み込むために、例えば、ジャー、フラスコ、ボトル、プレート、ビーカ、管、バッグ、潅流チャンバ、バイオリアクタ、コーニング社のCellSTACK(登録商標)培養チャンバ装置、および発酵槽を容易に適合できる。
【0022】
例として図1を参照すると、ここに記載されるように、ポート100を組み込む細胞培養装置10の例の概略平面図が示される。記載される細胞培養装置10は、上面15および上面から伸長する2つのポート100を有する。2つのポートが図示されているが、細胞培養装置10は、任意の適切な数のポート100を含んでもよいことが理解されるであろう。ポート100は装置10の上面15から伸長するものとして示されるが、1つ以上のポート100は、装置の内側チャンバへのアクセスを提供するように装置10の任意の適切な位置に配置されてもよいこともまた理解されるであろう。
【0023】
次に図2を参照すると、図1の細胞培養装置のある実施の形態の線2−2で取られた概略断面図が示される。図示される装置10は、上壁12、下壁14、および側壁16で定められる細胞培養チャンバ20を含む。培養チャンバ20の上壁12は、図示される実施の形態における装置の頂部としても作用する。1つ以上のポート100(例えば図1参照)が、チャンバ20と連絡してチャンバへのアクセスを提供する。もちろん、図2に示される装置10はかなり単純な装置であって、より複雑な装置、例えば複数の細胞培養チャンバ、気管チャンバ、または隣接細胞培養チャンバに液体を導入するためのチャンバを有する装置を、ここに記載されるポートまたは密閉アセンブリを備えるように変更してもよい。いずれにせよ、ここに記載されるポートは、細胞培養装置の1つ以上のチャンバへのアクセスを提供する。
【0024】
次に図3−4を参照すると、ツイストキャップまたはスナップ方式キャップに係合するよう構成された細胞培養装置ポート100のある実施の形態の概略側面および断面図が示される。ポート100は、ツイストキャップの内側ネジすじと係合および協働するよう構成された外側ネジ山110を有する環状側壁130を有する。環状に突出するスナップキャップ係合特徴120は、側壁130から伸長し、スナップ方式キャップと係合および協働するよう構成される。図3−4に示される実施の形態において、スナップキャップ係合特徴120は、ネジ山110よりも細胞培養装置の表面15により近接して配置される。さらに、環状に突出するスナップキャップ係合特徴120の最大外径(od2)は、外側ネジ山110の最大外径(od1)よりも大きい。これにより、図10に関して以下でさらに説明されるように、ネジ山がスナップキャップの前進を妨げることなく、スナップキャップの協働係合要素がネジ山110を超えて前進することが可能となる。
【0025】
図4に示される実施の形態において、ポート100の環状側壁130は、ポートの外側および培養装置の1つ以上のチャンバと連絡するルーメン140を定める。図示されるルーメン140はテーパ状であり、ポートの外側開口により近くでより大きい内径(id1)および細胞培養装置により近くでより小さい内径(id2)を有する。そのようなテーパにより、ストッパの使用が所望の場合、ストッパとポート100の側壁130の内表面との間の密閉係合が改良され得る。もちろん、多くの適切なストッパを、そのようなテーパ状内壁を有しないポートと共に使用してもよい。
【0026】
次に図5を参照すると、ツイストキャップまたはスナップ方式キャップに係合するよう構成された細胞培養装置ポート100の実施の形態の概略側面図が示される。記載される実施の形態において、ツイストキャップの内側ネジすじと係合および協働するよう構成された外側ネジ山110は、スナップ方式キャップと係合および協働するよう構成されたスナップキャップ係合特徴120よりも、細胞培養装置の表面に近接して配置される。この実施の形態において、環状に突出するスナップキャップ係合特徴120の最大外径(od2)は、外側ネジ山110の最大外径(od1)よりも小さい。これにより、特徴120がポート100に関してツイストキャップの前進を妨げることなく、外側ネジ山110と協働および係合するよう構成されたツイストキャップの内側ネジすじが、スナップキャップ係合特徴120を超えて前進することが可能となる。もちろん、スナップキャップが特徴120に適切に係合することができツイストキャップがネジ山110に適切に係合することができれば、ネジ山110およびスナップキャップ係合特徴120は、互いに関して任意の適切な位置に配置されてもよい。
【0027】
次に、図6Aおよび6Bを参照すると、ここに記載される密閉アセンブリと共に使用され得るストッパ200の実施の形態の概略側面および平面図が示される。ストッパ200は、細胞培養装置のポートに収容され密閉係合するよう構成される。図示されるストッパ200は、ポートのルーメンに収容されるよう構成される近位端部210、およびポートの外側にとどまるよう構成される遠位端部220を有する。近位端部210は、ストッパ200の本体240から外側に伸長する1つ以上の環状リング250(2つが図示される)を備えてもよい。環状リング250は、ポートの環状側壁の内表面に密閉係合するよう構成されてもよい。
【0028】
図示されるストッパ200の遠位端部220は、ストッパの本体240から半径方向外向きに伸長する環状フランジ230を含む。フランジ230の下面は、ポートの上面に密閉係合するよう構成される。したがって、フランジ230の外径は、ポートの外側開口においてポートの環状側壁の内径よりも大きい。スナップキャップ(例えば図11に関して以下にさらに説明される)のようなキャップの下面は、キャップがポートと完全に係合する場合にポートの上面に対してフランジを押し付けるよう構成される。
【0029】
図6Aに示される実施の形態に記載されるストッパ200の遠位端部220は、ストッパ200がポートと密閉係合される際に、ポートを介して培養装置中に気体または液体を導入するための管を密閉収容するよう構成されるルーメン270(図6B参照)を定める遠位延長部260を含む。ガラス管、金属管またはプラスチック管のような任意の適切な管をこの目的に使用してよい。
【0030】
次に図7を参照すると、図6Aおよび6Bに示されるストッパ200の実施の形態の概略断面図が示される。図7において、管300は、ストッパ200の遠位延長部260により定められるルーメン270(図6B参照)中に挿入されることが示される。図示される実施の形態において、ストッパ200の内部は、管300がストッパ200内にさらに近位挿入されることを防ぐために、ルーメン中に突出する環状段部を形成する。管300は、細胞培養装置のエンドユーザによりストッパ中に挿入されてもよく、製造メーカにより予め挿入されてもよい。摩擦力により、ストッパ200に関して管300が保持されてもよい、または、管は、ストッパ200に接着、溶接または別の方法で固定されてもよい。ある実施の形態において、管300は、ストッパ200の一部として成形され、ストッパ200と管300との間の潜在的な漏出点を減少する。図7に示される実施の形態において、ストッパ300の内部形状は、ストッパ300およびポート100の領域の周りに液体が留まるのを減少するよう設計され、完全なまたはほぼ完全な液体除去を可能にする。
【0031】
次に図8−10を参照すると、スナップ方式キャップ400の実施の形態の概略側面、平面および断面図が示される。図示されるスナップキャップは、開口410を定める頂部405を有し、それを介してストッパの遠位延長部が突出してもよい。キャップ400は、環状側壁415、または頂部405から伸長するスカートを含む。1つ以上のギャップ430が、キャップの頂部405に遠い端部において側壁415中に組み込まれる。延長部425は、隣接するギャップ430の間に形成される。延長部425は、弾性的におよび半径方向外側に変形可能である。環状突出要素440は、側壁415から、図示されるケースでは側壁延長部425から、内側に伸長する。図11−12に関して以下により詳細に説明されるように、内側に環状に突出する要素440は、ポートのスナップキャップ係合特徴と協働する。好ましくは、スナップキャップ400がポートと完全に係合すると、キャップ400は人の力だけでは取り外せない。すなわち、スナップキャップ400は半永久的なキャップとして作用し、絶えず密閉された細胞培養装置を提供する。
【0032】
様々の実施の形態において、スナップキャップおよびポートは、50、75、100、125または150ポンド(22.68、34.02、45.36、56.7または68.04kg)未満の引張力ではスナップキャップをポートから取り外せないよう構成される。ある実施の形態において、スナップキャップおよびポートは、スナップキャップまたはポートまたはその一部を破壊せずにはスナップキャップをポートから引き抜くことができないよう構成される。
【0033】
スナップキャップ400はフランジ420を備えてよく、図示される実施の形態において、頂部405と同一の広がりを有し、これは、キャップがポートと完全に係合しているか(すなわちポートの周りの位置に適切にはめ込まれたか)を判断する際にキャップ400を引っ張るための表面を提供する目的で使用されてもよい。さらに、スナップキャップ400は環状の戻り止め435を備えてもよく、これは、内側に環状に突出する要素440と頂部405から等距離で側壁415の外側(この場合、側壁延長部425)の周りに伸長する。戻り止め435または他の適切なマーキングを、ギャップ430と組み合わせて、内側に環状に突出する要素440がポートのスナップキャップ係合特徴と適切に係合したことを視覚的に確かめる(例えばスナップキャップが完全に係合し傾いていないことを確かめる)ために使用してもよい。
【0034】
図10に示される内側に環状に突出する要素440は、ポートの外側ネジ山の外径より大きい内径(id)を定め、キャップ400は、外側のネジ山がキャップの前進を妨げないようポートを超えて前進する。ある実施の形態において(図示せず)、スナップキャップは、ポートの外側ネジ山と協働するよう構成された内側ネジすじを備えてもよく、キャップのスナップ要素およびポートが係合するまでねじ込まれてもよい。しかしながら、ある状態では、傾きがしばしばそのようなメカニズムにおけるねじれの問題になるので、そのような内側ネジすじは削除することが所望かもしれない。
【0035】
次に図11を参照すると、細胞培養装置の密閉アセンブリの概略断面図が示され、同様の番号は、図1−10に関して説明され記載されるのと同様の構成要素を指す。図示されるアセンブリは、以下を含む:(i)細胞培養装置10に取り付けられた、一体的に形成された、または別の方法で固定されたポート100、(ii)ポート100のルーメンに収容され、密閉係合されるストッパ200、(iii)ストッパ200のルーメンに収容され、密閉係合される管300、および(iv)ポート100と完全に係合したキャップ400。キャップ400がポート100と完全に係合すると、キャップの頂部405の下面は、ストッパ200のフランジ230と係合してポート100の上面に対して押し付け、液体シールを形成し、ポートの側壁に対してストッパを押し付ける。実施の形態において、管300を介するポートへのアクセスを提供せずにポート100を密閉することが所望である場合、キャップの頂部405は(開口のない)固形物でもよく、ガスケットまたは他の圧縮性材料をストッパのフランジに代えて液体シールを提供してもよい。
【0036】
図11に示されるように、ポート100の環状に突出するスナップキャップ係合特徴120およびキャップの内側に環状に突出する要素440は、協働して、キャップ400がポート100から外れることを防ぐ。
【0037】
ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴120およびキャップの内側に環状に突出する要素440の実施の形態のさらなる詳細が図12に示される。図示される実施の形態において、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴120は、ポートの側壁130から伸長する下面122および上面124を有する。本開示のために、上面124は、細胞培養装置の表面(例えば、図4の表面15)から通常離れた面であり、下面122は、細胞培養装置に通常対向する面である。
【0038】
スナップキャップの内側に環状に突出する要素440は、キャップの側壁425から伸長する下面442および上面444を有する。本開示のために、下面442は、ポートの上を前進するよう構成されるキャップの開口に通常対向する面であり、上面444は、キャップの開口から通常離れた面である。
【0039】
さらに図12を参照すると、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴120の下面122は、角度(α)でポート側壁130から伸長する。スナップキャップの内側に環状に突出する要素440は、略αの角度でキャップ側壁425から伸長する。スナップキャップの内側に環状に突出する要素440とポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴120との間に相互作用を与えてキャップがポートから外れることを防ぐために、αは、90±20度である(すなわち、70から110度の間、例えば80から100度の間)。
【0040】
スナップキャップの内側に環状に突出する要素440の下面442およびポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴120の上面124は、協働して、ポートに関するキャップの配置および完全な係合を容易にする。キャップがポートに関して押し下げられると、キャップの内側に環状に突出する要素440の傾斜した下面442は、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴120の傾斜した上面124に係合し、側壁延長部425を半径方向外向きに変形させる。キャップがポートに関して十分な間隔で押されると、側壁延長部425は、緩和した構成を取り戻し、キャップの環状突出要素440は、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴120を通過させる(すなわち、図12に示される完全に係合した構成において)。ポートに関して完全に係合した位置へのキャップの移動を補助するために、キャップの内側に環状に突出する要素440の下面442は、135±15度(すなわち、120から150度の間、例えば130から140度の間)の角度(α)で、キャップ側壁415から伸長する。ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴120の上面124は、略αの角度でポート側壁130から伸長する。
【0041】
もちろん、キャップおよびポートの協働するスナップ特徴の上面および下面は、ポートに関するキャップの配置および係合を容易にする任意の他の適切な態様で構成されてもよい。例えば、配置を容易にするために、表面は角取り、研磨またはコーティングされてもよい。さらなる例として、表面は、ざらざらにしてもよく、ラッチおよびキャッチあるいは他の完全な係合を容易にする(およびしたがってポートからのキャップの取外しを予防または抑制する)協働特徴を含んでもよい。
【0042】
ここに記載されるように、ポートは、硬質プラスチック材料、ガラス、金属等のような任意の適切な材料で作製してよい。適切なプラスチック材料の例として、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン等が挙げられる。好ましくは、ポートは、生体適合性材料から形成される。ある実施の形態において、ポートは、細胞培養装置の筐体と同じまたは同様の材料から形成される。ポートは、細胞培養装置の筐体の一部と一体的に成形されてもよく、細胞培養装置に溶接、接着、または別の方法で固定されてもよい。
【0043】
ここに記載されるように、ストッパは、ゴム材料のような任意の適切な材料で作製してよい。適切なゴム材料の例として、ブチルゴム、シリコンゴム等が挙げられる。好ましくは、ストッパは、生体適合性材料から形成される。ストッパは、成形のような任意の適切な方法で形成してもよい。ある実施の形態において、ストッパの環状リングまたはフランジは適切なゴム材料から作製されるのに対し、本体部は硬質プラスチック材料のような別の材料から形成される。
【0044】
ここに記載されるように、キャップは、硬質プラスチック材料、金属等のような任意の適切な材料で作製してよい。適切なプラスチック材料の例として、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリカーボネート等が挙げられる。好ましくは、キャップは、生体適合性材料から形成される。ある実施の形態において、キャップは、ポートと同じまたは同様の材料から形成される。キャップは、成形のような任意の適切な方法で形成してもよい。
【0045】
本開示は、物品、アセンブリおよび方法を様々の態様で説明する。
【0046】
第1の態様において、細胞培養装置が説明される。細胞培養装置は、細胞培養チャンバおよびポートを備える。ポートは、細胞培養チャンバと連絡する開口を定める環状側壁を有する。側壁は、(i)ツイストキャップの内側ネジすじと協働するよう構成された外側ネジ山、および(ii)環状に突出するスナップキャップ係合特徴、を備える。係合特徴は、スナップキャップの特徴と係合してスナップキャップがポートから外れるのを防ぐよう構成された上面および下面を有する。係合特徴の下面は、110度未満の角度で側壁から伸長する。
【0047】
第2の態様は、第1の態様の細胞培養装置であって、係合特徴の下面が、75度から105度の間の角度で側壁から伸長する。
【0048】
第3の態様は、第1の態様の細胞培養装置であって、係合特徴の下面が、80度から100度の間の角度で側壁から伸長する。
【0049】
第4の態様は、第1の3つの態様のいずれかの細胞培養装置であって、係合特徴の上面が、120度から150度の間の角度で側壁から伸長する。
【0050】
第5の態様は、第1の3つの態様のいずれかの細胞培養装置であって、係合特徴の上面が、130度から140度の間の角度で側壁から伸長する。
【0051】
第6の態様は、第1の5つの態様のいずれかの細胞培養装置であって、環状に突出するスナップキャップ係合特徴が、外側ネジ山により定められる最大外径よりも大きい最大外径を定める。
【0052】
第7の態様は、第6の態様の細胞培養装置であって、環状に突出するスナップキャップ係合特徴が、外側ネジ山よりも細胞培養チャンバにより近接した位置で側壁に沿って配置される。
【0053】
第8の態様は、細胞培養装置のための密閉アセンブリである。密閉アセンブリは、ポートおよびスナップキャップを備える。ポートは、細胞培養装置の細胞培養チャンバと連絡する開口を定める環状側壁を有し、側壁は、(i)ツイストキャップの内側ネジすじと協働するための外側ネジ山、および(ii)環状に突出するスナップキャップ係合特徴、を備える。スナップキャップは、頂部および頂部から伸長する環状側壁を有し、スナップキャップの側壁は、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴と係合するよう構成された内側に環状に突出する要素を備え、完全に係合すると、スナップキャップは人の力だけではポートから容易に外れない。
【0054】
第9の態様は、第8の態様の密閉アセンブリであり、スナップキャップおよびポートが、75ポンド(34.02kg)未満の引張力ではスナップキャップをポートから取り外すことができないよう構成される。
【0055】
第10の態様は、第8の態様の密閉アセンブリであり、スナップキャップおよびポートが、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴またはスナップキャップの内側に環状に突出する要素を破壊せずには、ポートの開口の軸に沿った方向でキャップを引っ張ることによりポートからスナップキャップを取り外すことができないように構成される。
【0056】
第11の態様は、第8−10の態様のいずれかの密閉アセンブリであり、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴が上面および下面を有し、係合特徴の下面が110度未満の角度でポートの側壁から伸長し、スナップキャップの内側に環状に突出する要素が上面および下面を有し、スナップキャップの内側に環状に突出する要素の上面がキャップに引張力を与えるとポートの係合特徴の下面と係合するよう構成され、スナップキャップの内側に環状に突出する要素の上面が110度未満の角度で側壁の表面から伸長する。
【0057】
第12の態様は、第11の態様の密閉アセンブリであり、ポートの係合特徴の下面が80度から100度の間の角度でポートの側壁から伸長し、スナップキャップの内側に環状に突出する要素の上面が80度から100度の間の角度で側壁の表面から伸長する。
【0058】
第13の態様は、第8−11の態様の密閉アセンブリであり、係合特徴の上面が120から150度の間の角度で側壁から伸長し、スナップキャップの内側に環状に突出する要素の下面が120から150度の角度で側壁の表面から伸長する。
【0059】
第14の態様は、第8−13の態様の密閉アセンブリであり、ポートの環状に突出するスナップキャップ係合特徴が、ポートの外側ネジ山により定められる最大外径よりも大きい最大外径を定める。
【0060】
第15の態様は、第14の態様の密閉アセンブリであり、環状に突出するスナップキャップ係合特徴が、外側ネジ山よりも細胞培養チャンバにより近接した位置で側壁に沿って配置される。
【0061】
第16の態様は、第8−15の態様のいずれかの密閉アセンブリであって、さらに、ポートの開口に収容されるよう構成された近位端部およびポートの外側にとどまるよう構成された遠位端部を有するストッパを備え、遠位端部は、開口においてポートの側壁の内径より大きい外径を有するフランジを備え、スナップキャップの頂部の上面は、スナップキャップがポートと完全に係合すると、ポートの頂部に対してストッパのフランジを押し付けるように構成される。ある実施の形態において、これによりポートの側壁に対してストッパも押し付けられるかもしれない。
【0062】
第17の態様は、第16の態様の密閉アセンブリであり、ストッパが、ポートの側壁の内面に圧縮係合するよう構成される環状リングを備える。
【0063】
第18の態様は、第16の態様の密閉アセンブリであり、ストッパが、ポートの側壁の内面に圧縮係合するよう構成された複数の環状リングを備える。
【0064】
第19の態様は、第8−16の態様のいずれかの密閉アセンブリであり、側壁が、頂部から離れた部分で2つ以上のギャップを備え、2つのギャップの間の側壁の遠位部が、弾性で外側に変形可能な延長部を形成する。
【0065】
第20の態様は、第19の態様の密閉アセンブリであり、スナップキャップの内側に環状に突出する要素が延長部から伸長する。
【0066】
第21の態様は、第8−20の態様のいずれかの密閉アセンブリを備える細胞培養システムである。
【0067】
したがって、細胞培養装置のための密閉アセンブリの実施の形態が開示される。ここに記載された細胞培養装置および方法は、開示されたもの以外の実施の形態にも実施できることが当業者に理解されるであろう。開示された実施の形態は、限定の目的ではなく、説明の目的のために提示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12