特許第5961186号(P5961186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5961186最大用量止め具を有する用量設定機構を備えた注射デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961186
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】最大用量止め具を有する用量設定機構を備えた注射デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   A61M5/315 550C
   A61M5/315 550P
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-545222(P2013-545222)
(86)(22)【出願日】2011年12月16日
(65)【公表番号】特表2014-502530(P2014-502530A)
(43)【公表日】2014年2月3日
(86)【国際出願番号】EP2011073078
(87)【国際公開番号】WO2012084720
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年11月14日
(31)【優先権主張番号】10196230.6
(32)【優先日】2010年12月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ・バトラー
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド・マーティン・リーク
【審査官】 藤田 和英
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/084164(WO,A1)
【文献】 特表2006−501036(JP,A)
【文献】 特表2008−531150(JP,A)
【文献】 特表2006−519074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00 − 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス用の用量設定機構であって
ウジング(11);
用量を設定するためにハウジング(11)に対して可動である用量設定部材(4、5);
少なくとも部分的にハウジング(11)内に位置し、そして用量を設定する間、回転部材及び並進部材を有する螺旋経路に沿ってハウジング(11)に対して軸方向に移動する駆動スリーブ(3)
用量を投薬するためのピストンロッド(2)であって、ここでピストンロッド(2)は、用量設定部材(4、5)と直接接触せず、用量設定部材(4、5)とピストンロッド(2)の間に配置される駆動スリーブ(3)と直接接触するピストンロッド(2);
を含んでなり
こで、ハウジング(11)及び駆動スリーブ(3)は、駆動スリーブ(3)上に形成された第1の突出部(9a)及びハウジング(11)上に形成された第2の突出部(12)を含む対応する停止手段(9a、12)を備え、そしてその停止手段は、用量を設定する間、駆動スリーブ(3)の軸方向への動きを制限するように配置され、それによって第1突出部(9a)と第2の突出部(12)の間の軸方向の距離に相当する最大設定可能用量を規定し、そしてここで用量設定部材(4、5)及び駆動スリーブ(3)は、用量を設定する間、回転的に連結されるが、用量を投薬する間、用量設定部材(4、5)が駆動スリーブ(3)に対して自由に回転できるように該連結が解除される、上記用量設定機構。
【請求項2】
第2の突出部(12)がハウジング(11)の内側に、第1突出部(9a)が駆動スリーブ(3)の外側に備えられる、請求項1に記載の用量設定機構。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の用量設定機構であって、用量設定部材(4、5)とピストンロッド(2)は、用量設定部材(4、5)とピストンロッド(2)が、用量を投薬する間、互いに動けるように、用量を投薬する間、デカップルされる、上記の用量設定機構。
【請求項4】
さらに、薬剤を含有するリザーバを含んでなり、そのリザーバはハウジング(11)に
取り付けられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の用量設定機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反復用量カートリッジから、薬剤の注射による投与を供するペン型注射器のような薬物送達デバイス用の用量設定機構に向けられている。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、使用者が用量を設定してもよい場合の注射器を開示している。薬物送達デバイスの主たるアセンブリ及びその駆動機構は特許文献1に開示され、さらなる詳細について言及している。そのような注射器は、正式な医学訓練の無い人々による定期的な注射が行われる適用を有する。これは、糖尿病を有する人々の間で益々一般的であり、そこでは、自己医療は、そのような人々が彼らの糖尿病の有効な管理を行うことを可能にする。これらの環境は、この種のペン型注射器に対する多くの必要条件を定める。
【0003】
注射器は、構造が堅牢であり、さらにパーツの操作に関して及び使用者によるその操作の理解の双方で使い易くなければならない。糖尿病患者の場合、多くの使用者は、身体的に衰弱しているだろうし、そしてまた視力障害を有しているかもしれない。注射器が再使用可能であるよりはむしろ使い捨てにされる予定の場合、注射器は、製造コストが安く、廃棄するのが容易(好ましくは、リサイクリングに好適)でなければならない。
【0004】
そのような医療デバイスの製造においては、共通のデバイス基盤をベースにした製品ファミリーを生産することがしばしば有利である。例えば、製造工程の簡略化又は用具のコスト削減はそのような利点である。
【0005】
また、或る場合には、薬物送達デバイスの設定可能な最大用量は、送達される薬物それぞれにとって適切でない可能性がある。1つの例は、長時間作用型インスリン及び短時間作用型インスリンであり得る。別の例は、そのような薬物送達デバイスを使ってあまりに高い用量を設定することから子供たちを防ぎ得る。
【0006】
従って、薬物送達デバイスの基本骨格に、適切な最大設定可能用量が選択でき、標準のデバイスと比較して変更する努力が最小限であり且つ交換部材が最少である、確実な機構を備える必要がある。
【0007】
特許文献2では、用量設定リミッタは、医療注射器の用量設定ダイヤルとして形成されそして回転式用量設定ノブの上に嵌め込まれる第1の部材を有するように説明される。最大許容可能用量は、医療注射器のハウジングから分離した用量設定リミッタによって、さらなる部材をそのさらなる部材上のマーカーが目盛上の所望の最大許容可能用量の印に置かれるまで回転させることによって、事前に選択される。第1の部材を時計回りにダイヤルを回すとき、第1の部材上に備えられた突出部はさらなる部材上に設置された別の突出部と当接する(abut)ことになり、先に事前選択した所望の用量に到達し、それによって設定されているよりも大きな用量を防止する。用量設定中の全ての運動は、運動の軸方向の部材(component)の無い回転運動である。従って、使用者が用量設定ノブを動かしてもよい最大距離は、最大距離を小さくするか又はデバイスの寸法全体を大きくするかのいずれかである約360度に制限される。
【0008】
さらに、特許文献3は、用量設定部材及びハウジングを含む用量設定機構を開示している。用量設定部材は、恒久的に回転式に用量設定部材に連結され、そして用量設定部材に対してその軸方向の位置に調整されればよい第1の停止部材が備えられる。また、ハウジングは、現在の最大用量がさらなる用量を設定できないように設定されているなら、第1の停止部材と当接する第2の停止部材が備えられる。
特許文献4には、内面にねじ山を備え、そのねじ山が管状用量制限部材の外周表面上で第1のねじ部分と協動する管状の遠位ハウジングを含む用量設定機構が記載されている。管状の用量設定部材は、用量制限部材の内側に同軸に配置される。取り外し可能なロック部材は、遠位ハウジングに取り付けられ、そしてその内周面に1つの伸長したリブを含み、事前設定の段階で一定の位置に用量制限部材をロックするために用量制限部材の突出部と相互作用する。用量を設定する間、設定される用量を限定するために、管状の用量制限部材の停止面は用量設定部材の外ねじの末端面と相互作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1603611B1号
【特許文献2】国際公開公報第01/54757A1号
【特許文献3】国際公開公報第2006/089767A1号
【特許文献4】国際公開公報第2010/097125A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、薬物送達デバイス(注射デバイス)の最大用量の変更が可能な改良された用量設定機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これは、請求項1で定義されるような用量設定機構によって得られる。本発明に記載の用量設定機構は、ハウジング、用量を設定するためにハウジングに対して移動可能な用量設定部材、及び少なくとも部分的にハウジング内に位置し、用量設定する間ハウジングに対して第1の軸方向に移動する追加エレメントを含む。好ましくは、ハウジング及び追加エレメントは、用量設定する間、追加エレメントの第1の軸方向への運動を制限するように配置される対応する停止手段が備えられ、それによって最大設定可能用量を規定する。言い換えれば、一方のハウジング上又は内に備えられた停止手段と、他方の追加エレメント上又は内に備えられた停止手段の直接の接触又は当接(abutment)は、用量設定する間、ハウジングに対して追加エレメントのさらなる軸方向運動を阻止し、それは順に、高い用量の設定を未然に防ぐ。従って、停止手段の位置は、用量設定機構の最大設定可能用量を事前設定する必要に応じて選択されればよい。
【0012】
追加エレメントは、用量設定する間、ハウジングに対して軸方向運動を行う用量設定機構のどの部材であってもよい。好ましくは、追加エレメントは、用量を投薬する間もまた、ハウジングに対して軸方向運動を行う。軸方向運動は、真直ぐな並進変位又は、例えば、螺旋経路に沿った動きの並進部材の何れかであればよい。用量設定機構では、例えば表示部材(番号スリーブ)、駆動部材(駆動スリーブ)、ナット部材、歯止め部材、クラッチ部材、回転防止部材、スプリング部材、一方向性カップリングなど、いくつかの構成部材が、用量設定する間、ハウジングに対して軸方向運動を行ってもよい。本発明に関して、そのような構成部材の少なくとも1つが停止手段を備える。
【0013】
用量設定部材は、一般に使用者が用量をダイヤルするために操作しなければならないエレメントである。従って、用量設定部材は、例えばノブ又はグリップの形態で提供されればよい。また、用量設定部材は、例えば、ダイヤルされたユニット数に対応する数字をウィンドウに示す番号スリーブの形態で、設定された用量を表示するためのさらなる手段を含んでもよい。
【0014】
本発明の好ましい実施態様によると、停止手段は、追加エレメント上に形成された突出部又は凹部及びハウジング上に形成された対応する停止部材を含む。追加エレメントは少なくとも部分的にハウジング内に位置しているので、突出部又は凹部は追加エレメントの外面に形成されればよく、そして対応する停止部材は、例えば管状ハウジングの内面に形成されればよい。
【0015】
好ましくは、用量設定する間、追加エレメントの動きは、第1の軸方向への並進変位である。本発明によると、並進変位は、動きの軸方向部材だけを含む、即ち、例えば螺旋経路上の付加的な回転運動は無い。追加エレメントは、最大設定可能用量を定義する溝の長さを備えたハウジング上の対応する軸方向の溝に導かれる少なくとも1つの外側の突出部を有するスプリング様又はワッシャ様エレメントであってもよい。もし用量設定機構又は薬物送達デバイスが、欧州特許第1603611B1号に示されるものと同じように設計されるなら、そのようなスプリング様又はワッシャ様エレメントは、管状駆動スリーブ上にそしてこの駆動スリーブのフランジと追加エレメントを持つクラッチ手段の正面との間に配列されればよく、クラッチ手段を、用量ダイヤルスリーブと駆動スリーブが用量を設定するために連結する位置に付勢する。用量ダイヤルスリーブと駆動スリーブは、ノブ又はボタンを押すことによってデカップルされればよく、その作用はスプリング様又はワッシャ様エレメントの圧縮をもたらす。
【0016】
本発明の代わりの実施態様によれば、それらの設定の間、追加エレメントの動きは、第1の軸方向の回転部材及び並進部材を有する螺旋経路に沿った動きである。ハウジングの停止エレメントは、ハウジングの内面に位置する第1の突出部として備えられればよく、そして追加エレメントは、この追加エレメント上に備えられる第2の突出部を持つスリーブ様エレメント、例えば欧州特許第1603611B1号に記載されているような駆動スリーブであればよい。第1の突出部と第2の突出部の間の距離は、最大設定可能用量を規定する。言い換えれば、停止手段の1つ又は両者の変動は、最大設定可能用量の事前選択を可能にする。たとえ用量設定する間の動きが回転部材を含み得るとしても、停止手段は、軸方向での当接の故に作動する。
【0017】
用量設定部材と追加エレメントが一斉に動くように、用量設定部材と追加エレメントが用量設定する間に連結するように、用量設定機構を、設計することが好ましい。好ましくは、この同調した動きは、用量設定部材と追加エレメントの回転である。しかしながら、用量設定部材と追加エレメントの間の相対的な軸方向運動は、例えば、もし用量設定部材と追加エレメントが異なるピッチの螺旋経路に沿って動くなら、可能となる。
【0018】
もし用量設定部材と追加エレメントが、用量設定部材が、例えば追加エレメントに対して自由に回転できるように用量が投薬される間、デカップルされるなら、さらに好ましい。言い換えれば、用量が投薬される間、用量設定部材は螺旋経路に沿って後ろに戻されるが、追加エレメントは、運動の回転部材無しに軸方向に押されてもよい。用量設定部材と追加エレメントがデカップルした状態では、これら2つの構成部材の間の相対的な軸方向運動もまた、可能にされてもよい。
【0019】
好ましくは、用量設定機構はさらに、用量投薬のためのピストンロッドを含む。このピストンロッドは、ハウジング内に誘導されればよく、そしてカートリッジ内に位置する用量投薬のためのピストンに作用すればよい。本発明によれば、ピストンロッドは、用量設定部材と直接接触していない。例えば、駆動スリーブであり得る追加エレメントは、用量設定部材とピストンロッドの間に置かれる。
【0020】
また、ピストンロッドと用量設定部材は、用量設定部材とピストンロッドが用量投薬する間、互いに動くように、用量を投薬する間、デカップルされればよい。この相対的運動は、ピストンロッドと用量設定部材が異なる回転速度で回転する回転部材を含んでもよい、及び/又は、相対的運動は、ピストンロッドと用量設定部材が一つの軸方向又は異なる軸方向に異なる速度で動く並進部材を含んでもよい。
【0021】
ありとあらゆる例、又は本明細書で提供される例示的な用語(例えば、「のような」)の使用は、単に本発明をより良く浮き彫りにすることを意図するものであり、請求されない限り本発明の範囲を限定するものではない。本明細書の如何なる用語も、任意の請求されない要件が本発明の実施に必須であることを示すとは解釈されない。
【0022】
以下に、本発明は、実施例によって及び略図を参照して説明されることになる:
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】欧州特許第1603611B1号に開示されているものに類似の用量設定機構を示す。
図2】発明の第1の実施態様による用量設定機構の断面図を示す。
図3】本発明の第2の実施態様による用量設定機構の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図1に示された、欧州特許第1603611B1号に開示されたデバイスに類似した薬物送達デバイスを参照して本発明の特徴を説明する。
【0025】
本発明はこの特定の薬物送達デバイスを参照して説明されるが、用量設定機構は、他の可変用量注射デバイスに適応可能であってもよく、そこでは最大用量は同じような様式で制限される。言い換えれば、それは、如何なる薬物送達デバイスにも等しく適用されてもよく、ここで最大用量の停止は、お互いの方向に動きそして最大用量に達したときに接触する2つの別々の構成部材の機能によって決定される。これは、回転式に動く構成部材、例えばダイヤル式(diallable)可変用量ペン、又は軸方向に移動する構成部材、例えばプル・プッシュ(pull-push)式固定用量ペン、の双方への適用もあり得る。その上、本発明は、使い捨ての薬物送達デバイスに関して記述されるが、再使用可能な薬物送達デバイスに対しても適用可能である。
【0026】
図1に示される駆動機構1は、ハウジング(示されていない)を含む。医薬品を含有するカートリッジ(リザーバ)は、ハウジングに取り付けられそして任意の好適な手段で保持される。カートリッジ及びその保持手段は、図1には示されていない。カートリッジは、医薬品の多数の用量を含んでもよく、そして一般には変位可能なピストンも含む。ピストンの変位は、カートリッジから針(同様に、示されていない)を経由して医薬品を放出させる。ハウジング又はハウジング内に固定された挿入部分は、ねじ山付き丸い開口部が備えられる。螺旋状のねじ山は、ハウジングの円筒形の内面に沿って伸びる。
【0027】
駆動機構1は、さらにピストンロッド2、駆動スリーブ3、用量ダイヤルノブ5を備えた用量ダイヤルスリーブ4、ボタン6、スプリング部材7、ナット8及びクラッチ手段(示されていない)を含む。スプリング部材7は、駆動スリーブ3上に形成されたフランジ9aとクラッチ手段の前面の間に設けられる。ハウジング又は別のウィンドウ部分10は、用量ダイヤルスリーブ4の外面と係合する螺旋雌ねじが備えられ得る。
【0028】
ピストンロッド2は、一般に円形の断面をもつ。ピストンロッドの1つの末端は、ねじと係合される又はハウジングの円形の開口部若しくはその挿入部に形成される第1のねじ山が備えられる。図1の上端のピストンロッド2は、管状駆動スリーブ3内に形成された雌ねじに係合する第2のねじ山が備えられる。第1のねじ山と第2のねじ山は反対の位置に配置され、そして異なるピッチを有し得る。
【0029】
駆動スリーブ3は、ピストンロッド2の周囲に伸びる。一般に駆動スリーブは、図1のその下端に設けられた2つのフランジ9a、9bを備えた円筒状である。2つのフランジ9a、9bは、2つのフランジの間の駆動スリーブの外側部に設けられた螺旋外ねじをもつそれらの駆動スリーブに沿って間隔が開けられる。ナットは、駆動スリーブとハウジングの間に設置され、そして駆動スリーブの2つのフランジの間に配置される。ナット8は、ハーフ・ナット(half-nut)又はフル・ナット(full-nut)の何れでもよい。ナットは、駆動スリーブ3の外ねじと係合する雌ねじを有する。ナット8の外面とハウジングの内面は、ナット8とハウジングの間の相対的な回転を阻止し、一方、その間の相対的な縦運動を可能にするために、縦方向のスプラインを使って、一緒にキー固定される(keyed)。
【0030】
スプリング部材7は、図1で、駆動スリーブ3の周りに、上部フランジ9aのナット8から見て外方に向いた側面に配置される。金属スプリング7は、波状の又は湾曲したワッシャとして形成され得る。スプリング7の外面とハウジングの内面は、スプリング7とハウジングの間の相対的な回転を阻止し、一方、その間の相対的な縦運動を可能にするために、縦方向のスプラインを使って、一緒にキー固定される。
【0031】
クラッチ手段(示されていない)は、用量ダイヤルスリーブ4内の駆動スリーブ3の周りに配置されるスリーブとして設計され得る。クラッチ手段は、図1で、その下部にスプリング7を係合させる手段、及び図1で、その上部に用量ダイヤルスリーブ4及び/又は用量ノブ5を係合させる手段を有し得る。用量設定機構のさらなる構成部材を係合させるためのそのような手段としては、対応する歯を挙げることができる。スプリング7は、クラッチ手段が用量ダイヤルスリーブ4及び/又は用量ノブ5と係合するのを付勢する。さらに、クラッチ手段および駆動スリーブ3は、駆動スリーブ3がクラッチ手段の回転に従い、その一方、その間の相対的な縦運動を可能にするように一緒にキー固定されればよい。スプリング7とクラッチ手段の間の係合は、好ましくは、もしクラッチ手段が用量ダイヤルスリーブ4又は用量ノブ5と係合しているなら、クラッチ手段はスプリング7に対して相対的な回転運動を行えばよい様に設計される。
【0032】
用量ノブ5は、用量ダイヤルスリーブ4に固定された用量ダイヤルグリップとして設計される。用量ノブ5は、使用者が用量ノブ5を回すことによって、用量をダイヤルすることが可能なグリップ可能な表面を有し、それは従って用量設定部材を形成する。用量ダイヤルスリーブ4及び用量ノブ5の両者は、図1の上側に、クラッチ手段に作用してクラッチ手段をスプリング7の力に抗して駆動スリーブのフランジ9aの方に押すことを可能にするボタン6のピンを受け取るための中央開口部を有する。
【0033】
図1に示された機構に従って、駆動機構の操作を今から説明する。
【0034】
用量をダイヤルするためには、使用者は、用量ノブ5を回す。スプリング部材7は、図1の上方に軸方向の力をクラッチ手段に加える。スプリング部材7によって及ぼされた力は、回転のためにクラッチ手段を用量ノブ5と連結させる。用量ノブ5が回転されたとき、関連した用量ダイヤルスリーブ4、駆動スリーブ3及びクラッチ手段全てが一致して回転する。
【0035】
ダイヤルされた用量の可聴式及び触知式のフィードバックは、スプリング7及びクラッチ手段によってもたらされる。スプリング7はハウジングに対して回転できないので、スプリングはクラッチ手段の歯などを変形させ、例えば歯の付いたスプリング7を飛び越えて聴取可能な及び触知可能な「クリック」の発生を可能にする。
【0036】
用量ダイヤルスリーブ4の螺旋ネジ及び駆動スリーブ3の螺旋雌ねじは、同じリード(lead)を有する。これは、用量ダイヤルスリーブ4がハウジング又はその挿入部10のねじ山に沿って進むのと同じ速度で駆動スリーブ3がピストンロッド2のねじ山に沿って進むことを可能にする。ピストンロッド2の回転は、ピストンロッド2のねじ山が反対方向であるため、阻止される。ピストンロッド2のさらなるねじ山は、ハウジング又はその挿入部のねじ山と係合し、それだから、用量はダイヤルされるけれども、ピストンロッド2はハウジングに対して動かない。
【0037】
ハウジングにキー固定されたナット8は、駆動スリーブ3の回転によって駆動スリーブ3の外ねじに沿って進められる。使用者がカートリッジの送達可能な体積と等価の医薬品の量をダイヤルした場合、ナット8は、それが駆動スリーブ3の上部フランジ9aと当接する位置に到達する。ナット8の表面に形成された放射状の止め具が駆動スリーブ3のフランジ9aの表面の放射状止め具と接触し、ナット8及び駆動スリーブ3の両者のさらなる回転を阻止する。
【0038】
万一使用者が不注意に目的の用量よりも大きな量をダイヤルしてしまったら、駆動機構1は、医薬品をカートリッジから投薬すること無しに用量を訂正することができる。用量ノブ5を逆方向に回転させる。これは、システムを逆に作動させる。
【0039】
目的の用量がダイヤルされた場合、使用者は次に、ボタン6を駆動機構1の第1の末端(図1の下端)の方向に押し下げてこの用量を投薬する。ボタン6は、クラッチ手段に圧力を加え、それを用量ノブ5に対して軸方向に変位させる。これは、クラッチ手段を用量ノブ5から解除する。しかし、クラッチ手段は、回転が駆動スリーブ3に対してキー固定されたままである。用量ノブ5及び関連する用量ダイヤルスリーブ4は今、(ハウジングの螺旋ねじによって誘導される)自由に回転できる。
【0040】
クラッチ手段の軸方向運動は、スプリング部材7を変形させ、そして例えばクラッチ手段の下端の歯をスプリング7と連結させて、それらの間の相対的な回転を阻止する。これは、駆動スリーブ3のハウジングに対する回転を阻止するが、しかしそれに対して軸方向に依然自由に運動できる。
【0041】
ボタン6に加えられた圧力は、従って、用量ノブ5及び関連する用量ダイヤルスリーブ4をハウジングの中に回転させる。この圧力のもとに、クラッチ手段、スプリング7及び駆動スリーブ3は、軸方向に、図1の駆動機構1の下端の方向に動くが、それらは回転しない。ハウジング又はその挿入部にねじ込みされた開口部にもかかわらず、駆動スリーブ3の軸方向運動はピストンロッド2を回転させ、それによってカートリッジ内のピストンを進め、医薬品をカートリッジから放出させる。選択された用量は、用量ノブ5がハウジングに当接する位置に戻るとき完全に送達される。
【0042】
ボタン6から圧力が取り除かれた場合、スプリング部材7の変形は、クラッチ手段が駆動スリーブ3に沿って戻るのを促し、クラッチ手段を用量ノブ5と再連結させるために使われる。駆動機構は、従って、次の用量をダイヤルするのに備えてリセットされる。
【0043】
本発明の第1の実施態様は、図1に関して上に記載された構成部材で、基本的に図2に示されるものと一致する構成部材を使って図2の断面図に示される。従って、同じ部材を命名するために同じ参照番号が使われている。図2では、管状ハウジング11は用量ダイヤルスリーブ4及び駆動スリーブ3を包囲するように示される。
【0044】
管状ハウジング11の内側に、フランジ様突出部12が設けられ、ハウジング11内の駆動スリーブ3の軸方向運動を制限するための第1の停止手段を形成する。突出部12は、もし用量を設定する間に駆動スリーブ3が図2の上向き方向に動くなら、駆動スリーブのフランジ9aがフランジ12と当接するように設計される。言い換えれば、使用者は、図1に関して上に記載されたように用量をダイヤルすればよく、それは駆動スリーブ3を、ピストンロッド2上のねじ山及び駆動スリーブ3内の対応するねじ山によって規定される螺旋経路に沿って動かせる。しかし、このダイヤル運動の間に駆動スリーブ3が移行できる距離は、ハウジング11のフランジ12によって制限される。ダイヤルする用量はフランジ12によって制限されるので、駆動スリーブ3のフランジ9aに対するフランジ12の位置が、用量設定機構1の最大設定可能用量を規定する。
【0045】
フランジ12の位置及び/又は駆動スリーブ3のフランジ9aの位置は、用量設定機構1のための異なる最大設定可能用量を事前選択するために変えられてもよい。
【0046】
図2に示される実施態様の代わりとして、駆動スリーブ3の追加エレメントは、最大設定可能用量を規定するために、フランジ12と当接させるための停止手段として用いられてもよい。
【0047】
本発明の第2の実施態様は図3に示され、この場合も概して図1に示される用量設定機構に対応する。図3に示される実施態様は、追加のフランジ12がハウジング11の内側に備えられず、従って駆動スリーブ3がハウジング11内で自由に動くことができる点において、図2の実施態様と異なる。
【0048】
図1に関して上述したように、スプリング7とハウジング11の内面は、スプリング7とハウジング11の間の相対的な回転を阻止し、一方、それらの間の相対的な縦運動を可能にするために、縦方向に向いたスプラインを使って一緒にキー固定される。図3に示される実施態様では、そのスプラインは、スプリング7の外面に形成された突出部13及びハウジング11の内面に形成された縦の溝14を含む。溝14の長さは制限され、従ってハウジング11に対してスプリング7の限定された縦運動だけが可能である。言い換えれば、突出部13と溝14は対応する停止手段を形成し、それは用量をダイヤルする間の用量設定機構の動きを制限する。それ故、溝14の長さは、用量設定機構1の最大設定可能用量を規定する。
【0049】
本明細書で使われる用語の「薬剤」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含有する医薬製剤を意味し、
ここで、1つの実施態様では、薬学的に活性な化合物は、1500Daまでの分子量を有する、及び/又は、ペプチド、タンパク質、多糖、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体又はそのフラグメント、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又は上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり;
ここで、さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、糖尿病又は糖尿病性網膜症のような糖尿病に伴う合併症、深部静脈又は肺血栓性塞栓症などの血栓性塞栓性疾患、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、花粉症、アテローム性動脈硬化症及び/又は関節リウウマチの処置及び/又は予防のために有用であり;
ここで、さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、糖尿病又は糖尿病性網膜症のような糖尿病に伴う合併症の処置及び/又は予防のための少なくとも1つのペプチドを含み;
ここで、さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3若しくはエキセンジン−4又はエキセンジン−3若しくはエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0050】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンが、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位におけるLysは、Proで代替されてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0051】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0052】
エキセンジン−4は、例えば、配列がH−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチド、エキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0053】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0054】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体;
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0055】
ホルモンは、例えば、Rote Liste,ed. 2008, Chapter 50に記載されているような、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トレプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調整活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0056】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカンのヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン又は超低分子量ヘパリン若しくはそれらの誘導体、又はスルホン化された、例えば、上述の多糖類のポリスルホン化形態、及び/又は、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0057】
抗体は、球状の血漿タンパク質(〜150kDa)であり、それは基本構造を共有する免疫グロブリン類としても知られる。それらはアミノ酸残基に結合した糖鎖を有するので、それらは糖タンパク質である。それぞれの抗体の基本的機能単位は、免疫グロブリン(Ig)モノマー(単一のIg単位を含む)であり;分泌される抗体は、IgAのように2つのIg単位を持つダイマー、硬骨魚IgMのような4つのIg単位を持つテトラマー、又は哺乳類IgMのような5つのIg単位を持つペンタマーでもあり得る。
【0058】
Igモノマーは、4本のポリペプチド鎖、システイン残基間のジスルフィド結合によって連結された2本の同じ重鎖及び2本の同じ軽鎖、から成る「Y」の形をした分子である。各々の重鎖は約440アミノ酸長であり、各々の軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖及び軽鎖は、それぞれそれらの折り畳みを安定化する鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから成る。これらのドメインは、約70〜110アミノ酸を含み、それらのサイズ及び機能に従って異なるカテゴリー(例えば、可変又はV,及び定常又はC)に分類される。それらは、特徴的な免疫グロブリン折り畳みを有し、その中で2つのβシートは「サンドイッチ」の形を創り、保存されたシステイン及び他の荷電アミノ酸の間の相互作用によって一緒に保持される。
【0059】
α、δ、ε、γ及びμで示される5種類の哺乳類Ig重鎖がある。存在する重鎖の種類は、抗体のイソタイプを定義し;これらの鎖は、それぞれIgA、IgD、IgE、IgG及びIgM抗体に見られる。
【0060】
異なる重鎖は、サイズ及び組成が異なり;α及びγは約450アミノ酸を含み、δは約500アミノ酸を含むが、しかし一方、μ及びεは約550のアミノ酸を有する。それぞれの重鎖は、定常領域(CH)及び可変領域(VH)の2つの領域を有する。1つの特徴は、同じイソタイプの全ての抗体で定常領域は基本的に同一であるが、異なるイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α及びδは、3つの直列のIgドメインで構成される定常領域を有し;重鎖μ及びεは4つの免疫グロブリンドメインで構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって生産される抗体によって異なるが、単一のB細胞又はB細胞クローンによって生産される全ての抗体については同一である。それぞれの重鎖の可変領域は大よそ110アミノ酸長であり、単一のIgドメインで構成される。
【0061】
哺乳類では、λ及びκで示される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン:1つの定常ドメイン(CL)と1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖の大よその長さは211から217アミノ酸である。それぞれの抗体は、常に同一である2つの軽鎖を含み;哺乳類では抗体当たりただ1種類の軽鎖、κ又はλが存在する。
【0062】
全ての抗体の一般構造体は非常に似ているが、特定の抗体の固有の特性は、上に詳述したように可変(V)領域によって決定される。より具体的には、3つがそれぞれ軽鎖(VL)そして3つが重鎖(VH)上にある可変ループは、抗原への結合、即ち抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VH及びVLドメイン両者由来のCDRが抗原結合部位に寄与するため、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組み合わせであり、どちらか単独ではない。
【0063】
「抗体フラグメント」は、上で定義したように、少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含有し、そしてフラグメントが誘導される完全な抗体と基本的に同じ機能及び特異性を示す。パパインを使った限定したタンパク分解的消化は、Ig原型を3つのフラグメントに切断する。2つの同じアミノ末端フラグメントで、完全なL鎖及び約半分のH鎖を含むそれぞれは、抗原結合フラグメント(Fab)である。類似したサイズだが鎖間ジスルフィド結合をもつ両重鎖のカルボキシ末端側半分を含む第3のフラグメントは、結晶化可能なフラグメント(Fc)である。Fcフラグメントは、糖質、補体結合部位、及びFcR結合部位を含む。制限されたペプシン消化によって、H−H鎖間ジスルフィド結合を包含するFab片及びヒンジ領域の両者を含む単一のF(ab’)2フラグメントが生じる。F(ab’)2は、抗原結合に関して二価である。さらに、重鎖及び軽鎖の可変領域は、一緒に融合させて一本鎖可変フラグメント(scFv)を形成させることができる。
【0064】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、又は場合により置換されたC6〜bC10ヘテロアリール基を意味する。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17.ed., Alfonso R.Gennaro (Ed.), Mark Publishing Company, Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0065】
薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、水和物である。
【0066】
参照番号一覧
1 用量設定機構;
2 ピストンロッド;
3 駆動スリーブ;
4 用量ダイヤルスリーブ;
5 用量ノブ;
6 ボタン;
7 スプリング;
8 ナット;
9a フランジ(停止手段);
9b フランジ;
10 ウィンドウ部分;
11 ハウジング;
12 突出部(停止手段);
13 突出部(停止手段);
14 溝(停止手段)。
図1
図2
図3