(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961240
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ポンプ付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20160719BHJP
B65D 47/34 20060101ALI20160719BHJP
B05B 11/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D47/34 D
B05B11/00 101D
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-227709(P2014-227709)
(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公開番号】特開2016-88600(P2016-88600A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2015年10月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508209646
【氏名又は名称】後藤 昭三
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】後藤 昭三
【審査官】
西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3061108(JP,U)
【文献】
特開2003−312799(JP,A)
【文献】
実開平07−040509(JP,U)
【文献】
実開平05−040187(JP,U)
【文献】
特開2012−017108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B05B 11/00
B65D 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物を排出するためにポンプを内蔵したキャップを容器本体の開口部に取付けたポンプ付き容器において、
前記容器本体の底部から前記開口部へ通じる連通路を前記容器本体に形成するとともに、前記容器本体に形成した前記連通路と前記キャップに内蔵した前記ポンプとを前記容器本体の開口部に形成した連結口を介して連通させ、前記容器本体の開口部の開口の側方に前記開口とは別に前記連結口を形成し、
前記キャップに前記容器本体の開口部へ回動不能に挿入される挿入体を設けるとともに、前記回動不能に挿入される挿入体に前記連結口と連通する連結管を形成し、前記挿入体に前記容器本体に螺着される螺着体を回動自在に設けたことを特徴とするポンプ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容物を排出するためにポンプを内蔵したキャップを容器本体の開口部に取付けたポンプ付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、液状の石鹸類や洗剤類などの容器として、ポンプ付き容器が広く利用されている。
【0003】
従来のポンプ付き容器は、容器本体の上端の開口部にキャップを着脱自在に取付けるとともに、キャップにポンプを内蔵し、ポンプの吸引パイプの下端部を容器本体の底部に配置した構成となっている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、ポンプ付き容器では、キャップに内蔵したポンプを操作することで、容器本体の収容物を底部から吸引パイプで吸い上げて排出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−315744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来のポンプ付き容器では、吸引パイプの下端部が容器本体の底部からずれてしまうと、容器本体の底部の収容物を良好に排出することができず、容器本体の底部に収容物が残留してしまい収容物を使い切ることができなかった。
【0007】
また、上記従来のポンプ付き容器では、容器本体を傾けて使用する場合などのように容器本体の周部に収容物が移動した状態では、吸引パイプで収容物を吸い上げることができず、容器本体の周部に収容物が残留してしまい収容物を使い切ることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、収容物を排出するためにポンプを内蔵したキャップを容器本体の開口部に取付けたポンプ付き容器において、前記容器本体の底部から前記開口部へ通じる連通路を前記容器本体に形成するとともに、前記容器本体に形成した前記連通路と前記キャップに内蔵した前記ポンプとを
前記容器本体の開口部に形成した連結口を介して連通させ
、前記容器本体の開口部の開口の側方に前記開口とは別に前記連結口を形成し、前記キャップに前記容器本体の開口部へ回動不能に挿入される挿入体を設けるとともに、前記回動不能に挿入される挿入体に前記連結口と連通する連結管を形成し、前記挿入体に前記容器本体に螺着される螺着体を回動自在に設けることにした。
【発明の効果】
【0010】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0011】
すなわち、本発明では、収容物を排出するためにポンプを内蔵したキャップを容器本体の開口部に取付けたポンプ付き容器において、前記容器本体の底部から前記開口部へ通じる連通路を前記容器本体に形成するとともに、前記容器本体に形成した前記連通路と前記キャップに内蔵した前記ポンプとを連通させることにしているために、容器本体の内部の収容物を良好に排出することができ、容器本体に収容物が残留することがなく、収容物を使い切ることができる。
【0012】
特に、前記キャップに前記容器本体の開口部へ回動不能に挿入される挿入体を設けるとともに、前記挿入体に前記容器本体に螺着される螺着体を回動自在に設けた場合には、ポンプに連通路を連通させた状態で容器本体にポンプを内蔵したキャップを容易に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るポンプ付き容器を示す正面断面図(a)、平面断面図(b)。
【
図2】同正面拡大断面図(a)、平面拡大断面図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係るポンプ付き容器の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1及び
図2に示すように、ポンプ付き容器1は、液状の石鹸類や洗剤類などの流動性を有する収容物を収容するための容器本体2と、収容物を容易に排出させることができるようにポンプ機能を設けたキャップ3とで構成している。
【0016】
容器本体2は、円板状の底壁4の周縁上部に円筒状の周壁5を形成し、周壁5の上端部分を上方に向けて漸次縮径するとともに、周壁5の上端部に開口部6を形成している。収容物は、容器本体2の底壁4及び周壁5で囲まれた収容空間に収容される。
【0017】
また、容器本体2は、底壁4の上面(容器本体2の内側面)を中央に向けて下方に傾斜する円錐面とし、底壁4の上面中央部に収容空間と連通する吸引口7を形成するとともに、底壁4の内部に(底壁4と一体的に)吸引口7から周壁5へ向けて上方に傾斜する底壁連通路8を形成している。なお、ポンプ付き容器1(容器本体2)を静置した状態(
図1(a)に示すように、底壁4を下側にして開口部6を上方へ向けた状態)において、吸引口7が収容空間の最下端に位置するようにして、収容物が吸引口7から自重で底壁連通路8へと流入するようにしている。
【0018】
また、容器本体2は、周壁5の内部に(周壁5と一体的に)底壁連通路8から開口部6へ向けて上方に垂直状に伸延する周壁連通路9を形成している。これにより、容器本体2は、底壁連通路8と周壁連通路9とで、容器本体2の底部から開口部6へと通じる連通路10を容器本体2と一体不可分に形成している。なお、連通路10は、全長にわたって同一断面積となるように形成してもよく、また、吸引口7へ向けて漸次段階的又は連続的に断面積が狭くなるように形成してもよい。
【0019】
さらに、容器本体2は、開口部6に平面視で円形ではない形状(ここでは、半円形状。多角形状や楕円形状などでもよい。)の開口11を形成して収容空間の内外を連通させるとともに、開口部6に形成した開口11の側方に連通路10の上端開口となる円形断面を有する連結口12を形成して連通路10の内外を連通させている。なお、容器本体2は、開口部6に開口11とは別に連結口12を設けているために、連結口12から収容物を注入することで容器本体2の底から徐々に収容物を充填させることもできる。
【0020】
キャップ3は、容器本体2に挿入される挿入体13の内部にポンプ14を収容し、ポンプ14の上部に操作部材15を上下摺動可能に取付けている。操作部材15には、ポンプ14に連通する排出流路16を形成している。
【0021】
また、キャップ3は、挿入体13の外側に螺着体17を回動自在に取付けている。螺着体17は、内周下部にネジが形成されており、容器本体2の開口部6の外周部に形成されたネジに着脱自在に螺着される。
【0022】
また、キャップ3は、挿入体13の下端部に容器本体2の連結口12に嵌入される円筒形状の連結管18を形成するとともに、連結管18をポンプ14に連結流路19を介して連通させている。
【0023】
さらに、キャップ3は、挿入体13の下端部に容器本体2の開口11に嵌入される平面視で円形ではない形状(ここでは、半円形状。多角形状や楕円形状などでもよい。)の突起20を形成している。これにより、キャップ3は、突起20を開口11に嵌入させることで、容器本体2の開口部6に回動不能に挿入される。
【0024】
ポンプ付き容器1は、以上に説明したように構成しており、キャップ3に内蔵したポンプ14の操作部材15を押圧することで、ポンプ14を吸引動作させることができ、容器本体2の収容空間に収容した収容物を排出することができる。その際に、収容物は、容器本体2の底壁4の吸引口7から連通路10(底壁連通路8及び周壁連通路9)を介して開口部6の連結口12へと流動し、キャップ3の連結流路19を介してポンプ14へと流動し、さらに、ポンプ14から操作部材15の排出流路16を介して外部に排出される。
【0025】
以上に説明したように、上記ポンプ付き容器1では、容器本体2の底部に開口部6へ通じる連通路10を容器本体2に形成するとともに、容器本体2に形成した連通路10とキャップ3に内蔵したポンプ14とを連通させた構成となっている。
【0026】
そのため、上記構成のポンプ付き容器1では、使用状況によって連通路10の位置が移動したり形状が変形したりすることがなく、また、容器本体2を傾けて使用しても収容物が連通路10に流れ込むために、容器本体2の内部の収容物を良好に排出することができ、容器本体2に収容物が残留することがなく、収容物を使い切ることができる。
【0027】
また、上記ポンプ付き容器1では、キャップ3に容器本体2の開口部6へ回動不能に挿入される挿入体13を設けるとともに、挿入体13に容器本体2に螺着される螺着体17を回動自在に設けた構成となっている。
【0028】
そのため、上記構成のポンプ付き容器1では、ポンプ14に連通路10を連通させた状態で容器本体2にポンプ14を内蔵したキャップ3を容易に取付けることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 ポンプ付き容器 2 容器本体
3 キャップ 4 底壁
5 周壁 6 開口部
7 吸引口 8 底壁連通路
9 周壁連通路 10 連通路
11 開口 12 連結口
13 挿入体 14 ポンプ
15 操作部材 16 排出流路
17 螺着体 18 連結管
19 連結流路 20 突起