特許第5961253号(P5961253)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5961253スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961253
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/092 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   F16D65/092 D
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-509587(P2014-509587)
(86)(22)【出願日】2012年5月17日
(65)【公表番号】特表2014-518992(P2014-518992A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】CN2012000677
(87)【国際公開番号】WO2013091274
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2013年11月6日
(31)【優先権主張番号】201110432900.X
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201120541157.7
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513144637
【氏名又は名称】ユーディリ(グアンヂョウ)オート パーツ.シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】Util(Guangzhou)Auto Parts.Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096080
【弁理士】
【氏名又は名称】井内 龍二
(72)【発明者】
【氏名】オスカー フィネス
【審査官】 谷口 耕之助
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−528247(JP,A)
【文献】 特表2002−537527(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0228184(US,A1)
【文献】 米国特許第06276045(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 65/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧装置に連結された上型台座、
該上型台座の下部に平行に取り付けられる上型板、
油圧装置に連結された下型台座、
及び該下型台座の上部に平行に取り付けられる下型板を含んで構成され、
一つの成形上型と一つのワーク定位下型を含んで構成され、
前記成形上型は前記上型板に取り付けられ、刀片滑動板、左刀片、右刀片、左インナースライダー、右インナースライダー、左アウタースライダー及び右アウタースライダーを含んで構成され、
前記左インナースライダー、前記右インナースライダーは、前記刀片滑動板の下部に対称、かつ水平に、滑動可能に取り付けられ、
前記左刀片、前記右刀片は、前記左インナースライダー、前記右インナースライダーの下表面にそれぞれ水平に固装され、
スプリングが前記左インナースライダー、前記右インナースライダーの間に取り付けられ、
前記左アウタースライダー、前記右アウタースライダーが、前記左インナースライダー、前記右インナースライダーの外側にそれぞれに取り付けられ、
前記ワーク定位下型が前記下型板に取り付けられ、中央に空洞を有するキャビティダイ、該キャビティダイの前記空洞に配設された製品浮きブロックと、該製品浮きブロックを浮動させる浮動スプリングを含んで構成され、
ワーク定位ダイキャビティーが前記キャビティダイの前記空洞に前記製品浮きブロックを降下させることによって形成され、
押杆が前記下型板の下部に設置され、
前記左アウタースライダー、前記右アウタースライダーに対応する左支持ブロック、右支持ブロックが前記下型台座に固装され、
前記左支持ブロック、前記右支持ブロックが縦方向に前記下型板に穿装されていることを特徴とするスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置。
【請求項2】
リミットロッドが前記下型台座の一側辺に垂直に固装されていることを特徴とする請求項1記載のスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置。
【請求項3】
前記左アウタースライダー、前記右アウタースライダーと前記左インナースライダー、前記右インナースライダーがすべて楔形ブロックであり、その接触面が下端に向けて内側へ傾斜していることを特徴とする請求項1記載のスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置。
【請求項4】
下トレー板が前記下型板の下表面に固装され、前記押杆がこの下トレー板の下面に固装されていることを特徴とする請求項1記載のスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置。
【請求項5】
前記左刀片、前記右刀片の表面に規則的に分布する引っ掻き歯が設けられ、その密度が六個/平方ミリメートルであることを特徴とする請求項1記載のスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置。
【請求項6】
前記左刀片と前記右刀片とが内向き水平方向に同期移動しながら原料表面に挿入され、その引っ掻き歯の位置が交錯して設置されていることを特徴とする請求項1記載のスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車部品技術の領域に関し、特に自動車ブレーキ片を構成するスチールバックの双方向同期引っ掻き模様形成装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中、小型自動車ブレーキ片は一般的にスチールバック、摩擦片を含んで構成され、摩擦片は増強材料、接着剤と充填剤などの摩擦材料がくっつけられて形成される。スチールバックの働きは摩擦片を支え、荷重を受け、鋼板の打ち抜きから制作される。ブレーキをかけるとき、スチールバックはブレーキペンチに押され、摩擦片とブレーキディスクあるいはドラムと接触し、摩擦力を作用させて自動車のスピードを減らす。自動車のブレーキシステムのなかで、ブレーキ片が最も重要な安全部品であり、すべてのブレーキ効果の良し悪しがブレーキ片によって決まり、それ故、スチールバックと摩擦材料との貼合わせ堅固度、及びスチールバックの強度がその中の重要な要素となっている。
【0003】
現在、市場に流通しているスチールバックは主に以下の三種類に分類される。
刺起しスチールバック、この方法は専用の数値制御設備を採用し、同じではない工程の編成を通して、スチールバックの表面に刺を起す。この種スチールバックの引っ掻き歯の密度は低く、引っ掻き歯の堅固度は高くなく、歯落ちしやすく、スチールバックの生産効率も低く、大規模ロット生産に適さない。
【0004】
沈孔スチールバック、この方法はスチールバックの表面に一定数量の沈孔(盲穴)を打ち抜き、スチールバックへの摩擦材料の接着時に、摩擦材料を沈孔(盲穴)に入れ込む。これによってブレーキ片の剪断強度を増大させている。しかし、沈孔(盲穴)は加工の工程において、製品の外観と平面度に影響を与える。
【0005】
網鎖スチールバック、この方法はスチール網を直接スチールバックに溶接するもので、一定程度、スチールバックと摩擦材料の剪断強度を増大させることができる。しかし、刺起しスチールバックと比べ、剪断強度は低い。ただ一定範囲内で活用することはできる。
【0006】
本件出願人は先にこの種スチールバック自動引っ掻き模様形成装置(中国特許出願CN101979200A)を発明した。先の発明では、スチールバックに双方向引っ掻き歯を形成でき、加工速度が速く、安定しており、歯元が堅固で、製品の剪断強度が高いという長所がある。しかし、前記スチールバック自動引っ掻き模様形成装置は同じスチールバック原料に対し、双方向引っ掻き歯の形成のために、加工工程が二度必要であり、即ち、まず一方向の引っ掻き歯を加工形成し、次に他の一方向の引っ掻き歯を加工形成する必要があった。それ故、依然として加工効率のさらなる向上を持つ必要があった。尚且つ、現有の2ステップ引っ掻き歯加工方法は引っ掻き歯の高度差が生じやすく、製品の外観と使用性能に影響を及ぼしかねないといった課題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願CN101979200A号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、この種双方向引っ掻き歯の形成にワンステップ成形を実現し、加工効率が高く、歯高が均等で、歯元が堅固で、歯落ちしにくく、大量ロット生産に適し、適用範囲が広いスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置及びその使用方法を提供することにある。
【0009】
本発明は、その技術問題を解決するのに以下の技術方案を採用し、実現した。
この種スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置は、油圧装置に連結された上型台座、この上型台座の下部に平行に取り付けられる上型板、油圧装置に連結された下型台座、この下型台座の上部に平行に取り付けられる下型板を含んで構成される。この装置の特徴は、一つの成形上型と一つのワーク定位下型を含んで構成されることにあり、前記成形上型は、前記上型板に取り付けられ、刀片滑動板、左刀片、右刀片、左インナースライダー、右インナースライダー、左アウタースライダー及び右アウタースライダーを含んで構成される。前記左インナースライダー、前記右インナースライダーは前記刀片滑動板の下部に対称、かつ水平に、滑動可能に取り付けられる。前記左刀片、前記右刀片は前記左インナースライダー、前記右インナースライダーの下表面にそれぞれ水平に固装される。スプリングが前記左インナースライダー、前記右インナースライダーの間に取り付けられ、前記左アウタースライダー、前記右アウタースライダーは前記左インナースライダー、前記右インナースライダーの外側にそれぞれに取り付けられる。前記ワーク定位下型は、前記下型板に取り付けられ、中央に空洞を有するキャビティダイ、該キャビティダイの前記空洞に配設された製品浮きブロックと、該製品浮きブロックを浮動させる浮動スプリングを含んで構成される。前記キャビティダイの前記空洞に前記製品浮きブロックを降下させることによってワーク定位ダイキャビティーが形成される。押杆が前記下型板の下部に設置され、前記左アウタースライダー、前記右アウタースライダーに対応する左支持ブロック、右支持ブロックが前記下型台座に固装される。前記左支持ブロック、前記右支持ブロックは縦方向に前記下型板に穿装される。
【0010】
リミットロッドが前記下型台座の一側辺に垂直に固装される。
【0011】
前記左アウタースライダー、前記右アウタースライダーと前記左インナースライダー、前記右インナースライダーはすべて楔形ブロックであり、その接触面は下端に向けて内側へ傾斜している。
【0012】
下トレー板が前記下型板の下表面に固装され、前記押杆がこの下トレー板の下面に固装される。
【0013】
前記左刀片、前記右刀片の表面に規則的に分布する引っ掻き歯が設けられ、その密度は六個/平方ミリメートルである。
【0014】
前記左刀片と前記右刀片が一緒に滑動挿入され、その引っ掻き歯の位置が交錯して設置されている。
【0015】
前記スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置の使用方法は以下のステップを含んでいる。
ステップ1:原料を前記キャビティダイと前記製品浮きブロックとの間に形成されるワーク定位ダイキャビティーへ入れる。
ステップ2:前記油圧装置を作動させ、前記上型台座を前記下型台座の方向に移動させる。
ステップ3:前記左刀片、前記右刀片に原料製品を貼り合わせ、前記押杆が油圧装置の窒素ガススプリングの働きで前記下型板へ反作用力を伝達する。前記左右刀片の引っ掻き歯を前記原料製品に挿入するために、垂直方向の作用力を提供する。同時に、前記下型台座に固定された前記左支持ブロック、前記右支持ブロックが前記左アウタースライダー、前記右アウタースライダーに作用し、前記左アウタースライダーと前記右アウタースライダーが上に押される。これによって、前記左インナースライダーと前記右インナースライダーが内へ動く。したがって、前記左刀片と前記右刀片が押されて内向き水平に動き、前記原料製品の表面に引っ掻き歯が形成される。
ステップ4:前記左刀片と前記右刀片は運動の過程で前記原料の表面にどんどん深く入っていき、前記上型板と前記下型板が完全に閉じるまで進行する。この時、前記左刀片と前記右刀片の前記原料に入る深さが設定値に到達する。
ステップ5:前記上型台座が前記油圧装置に駆動されて下に向かって移動を続け、この時、前記左刀片と前記右刀片は垂直方向の作用を停止する。前記左支持ブロック、前記右支持ブロックは継続して前記左アウタースライダー、前記右アウタースライダーを押し動かし、上へ向けて移動させる。前記左刀片と前記右刀片は継続して水平方向に沿って移動し、前記原料の表面の歯は前記左刀片と前記右刀片との作用の下だんだん高さを増し、極限状態まで到達し、双方向引っ掻き歯が形成される。
ステップ6:前記上型台座が前記油圧装置に駆動されて上昇し、前記左刀片と前記右刀片はスプリングの作用の下、元の位置に戻り、製品の引っ掻き歯形成の一周期が終了する。
ステップ7:引っ掻き歯が形成された製品を取り出し、上述の1から7までのステップを継続する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の優れた点と有益な効果は、
1.本スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置は、同期相対運動する左刀片、右刀片を採用し、これら左刀片、右刀片の歯による双方向同期加工を実現し、製品の引っ掻き模様形成をワンステップで完成させ、製造スピードをより速くし、効率をさらに高めた。
【0017】
2.本スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置は、製品の歯の高さを容易に制御でき、双方向の歯の高度差をより小さくでき、製品の外観をより美しくでき、歯の排列をより均等、より整然とできる。左右の歯を同時に形成するため、歯の強度をより強く、より安定したものにでき、歯落ちしにくく、加工後のブレーキ片完成品の剪断強度をより強くできる。
【0018】
3.本スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置は、双方向の歯を同時加工し、装置に作用する横力が互いに相殺され、引っ掻き歯製品に対する横向きの作用力が減少し、製品の寸法がより安定する。
【0019】
4.本スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置は、金型の構造が簡単であり、安定性が高く、維持補修もより容易なものとなる。
【0020】
5.本スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置は、金型の下型部分が固定され、製品が下型の中に置かれ、製品の自動送りに便利である。
【0021】
6.本発明は双方向同期させて歯を引っ掻くという方法を採用したため、製品の歯の密度、強度が高く、排列が均等かつ整然としており、ブレーキ片製品の剪断強度が大きいという優れた点があり、しかも、生産効率が高く、全生産工程がより安定し、歯元が堅固で、歯落ちしにくく、大量ロット生産に適している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置の初期状態を示す断面図である。
図2】本発明に係るスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置の作動状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明に係るスチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置及びその使用方法をより詳細に説明する。
【0024】
図1図2に示したように、スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置は、油圧装置に連結された上型台座7、この上型台座7の下部に平行に取り付けられる上型板5、前記油圧装置に連結された下型台座1、この下型台座1の上部に平行に取り付けられる下型板13を含んで構成される。この装置は、一つの成形上型と一つのワーク定位下型を含んで構成され、前記成形上型は上型板5に取り付けられ、刀片滑動板13、左刀片11、右刀片18、左インナースライダー10、右インナースライダー15、左アウタースライダー9及び右アウタースライダー16を含んで構成されている。左インナースライダー10、右インナースライダー15は刀片滑動板13の下部に対称、かつ水平に、滑動可能に取り付けられる。規則的に分布する引っ掻き歯が左刀片11、右刀片18の表面に形成されており、その密度は6個/平方ミリメートルに設定されている。左刀片11、右刀片18が左インナースライダー10、右インナースライダー15の下表面に一緒に水平に滑動挿装され、その引っ掻き歯の位置が交錯するように設置される。スプリング12が左インナースライダー10、右インナースライダー15の間に取り付けられ、左アウタースライダー9、右アウタースライダー16は左インナースライダー10、右インナースライダー15の外側にそれぞれに取り付けられる。左アウタースライダー9、右アウタースライダー16の外側と上型板5との間にストッパー6が取り付けられ、このストッパー6の頂部と上型台座7との間にライナー8が取り付けられる。左アウタースライダー9、右アウタースライダー16と左インナースライダー10、右インナースライダー15はすべて楔形ブロックであり、その接触面は下端に向けて内側へ傾斜している。左アウタースライダー9の底部に調整ブロック4が設置される。
【0025】
ワーク定位下型は下型板3に取り付けられ、キャビティダイ21、製品浮きブロック22及び浮動スプリング24を含んで構成され、キャビティダイ21と製品浮きブロック22との間でワーク定位ダイキャビティーが形成される。
【0026】
押杆23が下型板3の下部に設置される。下トレー板20が下型板3の下表面に固装され、押杆23がこの下トレー板20の底部に固装される。この押杆23の下部に前記油圧装置の窒素ガススプリングが設置されている。
【0027】
左アウタースライダー9、右アウタースライダー16に対応する左支持ブロック2、右支持ブロック19が下型台座1に固装され、左支持ブロック2、右支持ブロック19は縦方向に下型板3に穿装される。リミットロッド17が下型台座1の一側辺に垂直に固装される。
【0028】
スチールバック双方向同期引っ掻き模様形成装置の使用方法は以下のステップを含んでいる。
ステップ1:引っ掻き模様製品25の原料をキャビティダイ21と製品浮きブロック22との間に形成されるワーク定位ダイキャビティーへ入れる。
ステップ2:油圧装置を作動させ、上型台座7を下型台座1の方向に移動させる。
【0029】
ステップ3:左刀片11、右刀片18に原料製品を貼り合わせ、押杆23が油圧装置の窒素ガススプリングの働きで下型板3へ反作用力を伝達する。左右刀片11,18の引っ掻き歯を前記原料製品に挿入するために、垂直方向の作用力を提供する。同時に、下型台座1に固定された左支持ブロック2、右支持ブロック19が左アウタースライダー9、右アウタースライダー16に作用し、左アウタースライダー9と右アウタースライダー16が上に押される。これによって、左インナースライダー10と右インナースライダー15が内へ動く。したがって、左刀片11と右刀片18が押されて内向き水平に動き、前記原料製品の表面に引っ掻き歯が形成される。
【0030】
ステップ4:左刀片11と右刀片18は運動の過程で前記原料の表面にどんどん深く入っていき、上型板5と下型板3が完全に閉じるまで進行する。この時、左刀片11と右刀片18の前記原料に入る深さが設定値に到達する。
ステップ5:上型台座7が前記油圧装置に駆動されて下に向かって移動を続け、この時、左刀片11と右刀片18は垂直方向の作用を停止する。左支持ブロック2、右支持ブロック19は継続して左アウタースライダー9、右アウタースライダー16を押し動かし、上へ向けて移動させる。左刀片11と右刀片18は継続して水平方向に沿って移動し、前記原料の表面の歯は左刀片11と右刀片18との作用の下でだんだん高さを増し、リミットロッド17が上型台座7に接触する点に達すると(図2中、H=0)、上型台座7の下方への動きが止まり、歯の高さは極限状態に到達し、双方向引っ掻き歯が形成される。
【0031】
ステップ6:上型台座7が前記油圧装置に駆動されて上昇し、左刀片11と右刀片18はスプリング12の作用の下、元の位置に戻り、製品の引っ掻き歯形成の一周期が終了する。
ステップ7:引っ掻き模様が形成された製品25を取り出し、上述の1から7までのステップを継続する。
【符号の説明】
【0032】
1 下型台座
2 左支持ブロック
3 下型板
4 調整ブロック
5 上型板
6 ストッパー
7 上型台座
8 ライナー
9 左アウタースライダー
10 左インナースライダー
11 左刀片
12 スプリング
13 刀片滑動板
14 刃片ライナー
15 右インナースライダー
16 右アウタースライダー
17 リミットロッド
18 右刀片
19 右支持ブロック
20 下トレー板
21 キャビティダイ
22 製品浮きブロック
23 押杆
24 浮動スプリング
25 引っ掻き模様製品
図1
図2