特許第5961306号(P5961306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5961306船舶用マイマイガ防除システム及び船舶用マイマイガ対策案決定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5961306
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】船舶用マイマイガ防除システム及び船舶用マイマイガ対策案決定方法
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/00 20060101AFI20160719BHJP
   B63B 49/00 20060101ALI20160719BHJP
   G06Q 50/28 20120101ALI20160719BHJP
【FI】
   A01M1/00 Q
   B63B49/00 Z
   G06Q50/28
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-89101(P2015-89101)
(22)【出願日】2015年4月24日
【審査請求日】2015年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101938
【氏名又は名称】イカリ消毒株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 敬
(72)【発明者】
【氏名】亀澤 一公
(72)【発明者】
【氏名】谷川 力
(72)【発明者】
【氏名】富岡 康浩
(72)【発明者】
【氏名】小田 清治
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/149509(US,A1)
【文献】 特開2007−86878(JP,A)
【文献】 特開2008−301771(JP,A)
【文献】 米国特許第5396729(US,A)
【文献】 特開2009−273376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00
B63B 49/00
G06Q 50/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光特性に対応するマイマイガの誘引度数を含むマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを、少なくとも含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータ(50)に入力するための入力手段(23)と、
船の光特性を計測した光情報を上記コンピュータ(50)に入力する光計測手段(26)と、
上記入力手段(23)にて入力されたマイマイガ発生リスク情報と、上記光計測手段(26)からの光情報とを、記憶する記憶手段(20)とを、備え、
上記マイマイガ発生リスク情報と上記光情報に基づいて船を所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域(Ti)毎に少なくとも光に起因するマイマイガの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析手段(27)と、
上記対象区域(Ti)毎のマイマイガの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズ(Fi)で評価するリスクレベル評価手段(28)と、
上記対象区域(Ti)毎のフェーズ(Fi)に対応してマイマイガ対策案の決定を行う対策案決定手段(21)を、
備えたことを特徴とする船舶用マイマイガ防除システム。
【請求項2】
上記光計測手段(26)は、海洋側及び上空から船を撮影する光分析計測器付き無人航空機(29)を備えている請求項1記載の船舶用マイマイガ防除システム。
【請求項3】
上記マイマイガ発生リスク情報には、過去のマイマイガ発見事例を蓄積したマイマイガ防除経験情報が付加されている請求項1又は2記載の船舶用マイマイガ防除システム。
【請求項4】
光特性に対応するマイマイガの誘引度数を含むマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを、少なくとも含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータ(50)に入力して記憶させる第1情報入力工程(1)と、船の光特性を計測した光情報をコンピュータ(50)に入力して記憶させる第2情報入力工程(2)とを、備え、
上記第1情報入力工程(1)にて入力されるマイマイガ発生リスク情報と、上記第2情報入力工程(2)にて入力される光情報と、に基づいて、船を所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域(Ti)毎に少なくとも光に起因するマイマイガの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析工程(3)と、
上記対象区域(Ti)毎にマイマイガの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズ(Fi)で評価するリスクレベル評価工程(4)と、
上記対象区域(Ti)毎のフェーズ(Fi)に対応してマイマイガ対策案を決定する対策案決定工程(5)と、
を具備することを特徴とする船舶用マイマイガ対策案決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用マイマイガ防除システム及び船舶用マイマイガ対策案決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アジア型マイマイガ(以下、AGMという。)は、日本、中国、韓国等に分布する森林害虫である。米国、カナダ、ニュージーランド及びチリに於ては、AGMが未発生で、日本、中国、韓国などから来る船舶や積荷に付着したAGMの卵塊が持ち込まれ、国内に侵入することを警戒している。例えば、米国及びカナダは、AGM規制対象地域へAGM飛翔期間に寄港した船舶に対し、AGM卵塊の検査・除去を行った上で公認検査機関が発給するAGM不在証明書の提示を要求し、かつ、不在証明書発給後、現地の港に入港するまでの間に、船員による点検の実施を要請している。米国及びカナダによる検査でAGM卵塊が発見された場合、沖合検査、入港拒否等の措置がとられることもあった。
【0003】
過去の経験から、AGMは、光に引き寄せられる性質があり、特に、紫外線波長の光に強く誘引されることが判っている(特許文献1及び特許文献2参照)。
例えば、図10のように、船上で作業面45を照らすだけでいい照明40の漏れ光41が港湾の敷地外まで到達し、港湾外から多くのAGMを誘引すると考えられている。即ち、照明40を正しくコントロールして漏れ光41を減らすことができれば、AGMの飛来は相当数低減される。従来、船舶に於けるマイマイガ対策として、図11に示すように、照明40にフード42を被せ、光を作業面45に集中させることで、余分な漏れ光を無くして、AGMの飛来を防止する対策が採られていた。あるいは、図12に示すように、照明40にルーバー43を設置して配光を制御することもあった。また、図示省略するが、AGMを強く誘引する紫外線波長の光を低減するフィルターを照明40に取付けるUVカットの対策もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−51681号公報
【特許文献2】特開2007−37429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来、上述のようなマイマイガ対策が、人の勘と経験に頼って行われていた。従って、マイマイガ対策案を立案した人によっては、効果が十分でなく、AGMが飛来して、貨物やコンテナ、船のライトや壁面に卵塊が産みつけられることがあった。また、マイマイガ対策をする必要が無い箇所に、過剰なマイマイガ対策を行うことで、無駄なコストが増大するという欠点があった。
さらに、船の光をコントロールすることにより、AGMの飛来を抑制するのが前提であるが、それだけでは、AGMの防除は完全とはいえず、船上でAGMに卵を産ませないマイマイガ対策案の構築が必要であった。
【0006】
そこで、本発明は、AGMの防除対策を行うべき対象区域に対して、適切な場所に適正な品質をもって、必要かつ十分なAGM対策を実施することが可能な船舶用マイマイガ防除システム及び船舶用マイマイガ対策案決定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る船舶用マイマイガ防除システムは、光特性に対応するマイマイガの誘引度数を含むマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを、少なくとも含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータに入力するための入力手段と、船の光特性を計測した光情報を上記コンピュータに入力する光計測手段と、上記入力手段にて入力されたマイマイガ発生リスク情報と、上記光計測手段からの光情報とを、記憶する記憶手段とを、備え、上記マイマイガ発生リスク情報と上記光情報に基づいて船を所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域毎に少なくとも光に起因するマイマイガの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析手段と、上記対象区域毎のマイマイガの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズで評価するリスクレベル評価手段と、上記対象区域毎のフェーズに対応してマイマイガ対策案の決定を行う対策案決定手段を、備えたものである。
【0008】
また、上記光計測手段は、海洋側及び上空から船を撮影する光分析計測器付き無人航空機を備えているものである。
また、上記マイマイガ発生リスク情報には、過去のマイマイガ発見事例を蓄積したマイマイガ防除経験情報が付加されているものである。
【0009】
また、本発明に係る船舶用マイマイガ対策案決定方法は、光特性に対応するマイマイガの誘引度数を含むマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを、少なくとも含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータに入力して記憶させる第1情報入力工程と、船の光特性を計測した光情報をコンピュータに入力して記憶させる第2情報入力工程とを、備え、上記第1情報入力工程にて入力されるマイマイガ発生リスク情報と、上記第2情報入力工程にて入力される光情報と、に基づいて、船を所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域毎に少なくとも光に起因するマイマイガの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析工程と、上記対象区域毎にマイマイガの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズで評価するリスクレベル評価工程と、上記対象区域毎のフェーズに対応してマイマイガ対策案を決定する対策案決定工程と、を具備する方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の船舶用マイマイガ防除システムによれば、人の勘と経験に頼らず、マイマイガの虫害が発生する危険性の度合いによって、対象区域毎に最適のマイマイガ対策案の種類又は性能、及び、数量を、確実かつ容易に決定できる。このように、僅かな入力によって、自動的に適正な品質及びコストのマイマイガ対策案を決定できる。海洋上を移動する船舶に於て、AGMの発生を能率的に防止でき、全世界的にAGM虫害を抑制できる。
【0011】
また、船舶用マイマイガ対策案決定方法によれば、人の勘と経験に頼らず、マイマイガの虫害が発生する危険性の度合いによって、対象区域毎に最適のマイマイガ対策案の種類又は性能、及び、数量を、確実かつ容易に決定できる。このように、僅かな入力によって、自動的に適正な品質及びコストのマイマイガ対策案を決定できる。海洋上を移動する船舶に於て、AGMの発生を能率的に防止でき、全世界的にAGM虫害を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の船舶用マイマイガ防除システムを示したブロック図である。
図2】本発明の船舶用マイマイガ対策案決定方法を示したブロック図である。
図3】船を左舷側から見た側面図である。
図4】船を右舷側から見た側面図である。
図5】船を上空から見た平面図である。
図6】他の船の側面図である。
図7】別の船の側面図である。
図8】さらに他の船の側面図である。
図9】無人航空機の一例を示す斜視図である。
図10】従来例を説明する簡略図である。
図11】マイマイガ対策の一例を示す簡略図である。
図12】マイマイガ対策の他の例を示す簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1に示すように、本発明の船舶用マイマイガ防除システムは、貿易船や客船等の船舶に於て、アジア型マイマイガ(AGM)の防除の必要がある対象区域に対し、適度な正しいマイマイガ対策案を選定するためのシステムである。
本発明の船舶用マイマイガ防除システムは、光特性に対応するマイマイガの誘引度数を含むマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを、少なくとも含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータ50に入力するための入力手段23を有している。
【0014】
マイマイガの生態要因は、船の航路上のAGM規制対象地域毎のAGMの生態に関する情報であって、上述の光特性に対応するマイマイガの誘引度数の他、AGM規制対象地域毎のAGM飛翔期間、産卵の時季等、虫害を発生させる虞れの高いAGMのハイリスク期間等である。
【0015】
船舶要因とは、船の種類と積荷、船体構造等である。船の種類としては、例えば、バラ積み船、コンテナ船、客船、自動車運搬船等の種類があり、これらの船の積荷は、貨物やコンテナ、植物、鉱物、機械製品、食品、自動車等である。船体構造としては、照明の種類、数、位置、搬入口の大きさ、位置、周辺の明るさ、さらに、クレーンや格納庫を有しているか否か等である。
【0016】
航海要因とは、船の航海計画、即ち、航路と、航海日数と、航路上の気温・湿度等の気候と、海水温度、航路に対応する季節と、寄港地域の周辺環境等である。
マイマイガ発生リスク情報には、マイマイガ生態要因と船舶要因と航海要因の他、AGMが船舶に虫害を発生させるような各種の要因が含まれており、その要因毎にリスク点数が設定されている。
【0017】
また、船の光特性を計測した光情報をコンピュータ50に入力する光計測手段26を有している。
光計測手段26は、紫外線のみを透過するフィルターを取付けたカメラ、照明などから出る光の波長を感知する分光器、物体から放射される赤外線を分析するサーモグラフィー等を用い、船の照明から出る紫外線(UV)、照明の照度・輝度・光束、及び、船体の色温度・温湿度・熱線、及び、被照射面の照り返し(反射)光等を計測する。さらに、船体に付着する有機物の有無等を観察する。
【0018】
コンピュータ50は、入力手段23にて入力されたマイマイガ発生リスク情報と光計測手段26からの光情報を記憶する記憶手段20とを、備えている。
記憶手段20にはマイマイガ発生リスク情報と光情報がリスクデータベースとして予め入力されている。
マイマイガ発生リスク情報には、過去のマイマイガ発見事例を蓄積したマイマイガ防除経験情報が付加されている。なお、マイマイガ防除経験情報とは、船舶に於て、過去にAGMの卵塊又は幼虫を発見した場所の事例である。
【0019】
さらに、マイマイガ発生リスク情報と光情報に基づいて、少なくとも船の光に起因するAGMの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析手段27を有している。
図3に示すように、誘引リスク分析手段27では、船を所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域Ti(T,T,T,T,T,T,T,T,T,T10…)毎にAGMの誘引の虞れを分析する。具体的には、マイマイガ生態要因が含有する光特性に対するAGMの誘引度数を踏まえ、船の光特性により、AGMの誘引され易い対象区域Tiには高いリスク点数を割り当てる。
【0020】
誘引リスク分析手段27の分析結果を受けて、対象区域Ti毎のAGMの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズFiで評価するリスクレベル評価手段28と、対象区域Ti毎のフェーズFiに対応してマイマイガ対策案の決定を行う対策案決定手段21を、備えている。
リスクレベル評価手段28は、下記の表1に示すように、マイマイガ虫害の発生する危険性の度合いによってフェーズF〜フェーズFを6段階に設定している。なお、AGMの虫害が発生する危険性の評価は、対象区域Ti毎に複数要因によるリスク点数を合算して、そのリスク点数の合計点数によって、6段階のフェーズF〜フェーズFに振り分けている。
【0021】
【表1】
【0022】
対策案決定手段21は、船の出航前の事前対策として、対象区域Ti毎に、UVカット・配光制御の実施、防虫加工の施工、フェロモン・トラップ、忌避剤、防虫網の設置等のマイマイガ対策が必要であるか否か判定すると共に、必要に応じて上記のマイマイガ対策の種類とその組合わせ、マイマイガ対策の性能、及び、数量を決定する。
また、対策案決定手段21は、AGMに対する出航前の事前対策実行後の上記対象区域Ti毎の虫害の発生の危険性と、事前対策実行後の虫害の発生の危険性との変化を反映して、事前対策実行後に於てなお危険性の高い複数の対象区域Tiを重要管理点(CCP:critical control point)として設定し、下記の表2に示すように、船の出航後の追加防除対策、及び、予防的対策を新たに決定する。重要管理点は、危険性の高い順に1〜10の対象区域Tiに対し設定されるのが好ましい。
【0023】
【表2】
【0024】
具体的には、追加防除対策とは、エアーの吹付け、水洗、清掃、及び、AGMの卵塊除去である。また、予防的対策とは、防虫灯・誘虫灯の設置、防虫スプレーの散布等である。
なお、コンピュータ50は、決定したマイマイガ対策案を表示するための表示手段24を有している。
【0025】
光計測手段26は、図9に示すように、遠隔操作によって飛行可能な光分析計測器付き無人航空機(ドローン)29を備え、無人航空機29によって、図4図5に示すように、海洋側及び上空から船を撮影する。
無人航空機29には、光分析計測器30が搭載され、光分析計測器30にて得た光情報を無線通信によってコンピュータ50に入力するよう構成されている。
【0026】
次に、本発明の船舶用マイマイガ対策案決定方法について説明する。
図2に示すように、光特性に対応するマイマイガの誘引度数を含むマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを、少なくとも含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータ50に入力して記憶させる第1情報入力工程1と、船の光特性を計測した光情報をコンピュータ50に入力して記憶させる第2情報入力工程2とを、備えている。
【0027】
次に、第1情報入力工程1にて入力されるマイマイガ発生リスク情報と、第2情報入力工程2にて入力される光情報と、に基づいて、船を所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域Ti毎に少なくとも光に起因するマイマイガの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析工程3と、対象区域Ti毎にマイマイガの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズFiで評価するリスクレベル評価工程4と、対象区域Ti毎のフェーズFiに対応してマイマイガ対策案を決定する対策案決定工程5と、を具備している。
【0028】
図3では、1つの例として、クレーンを有するバラ積み船を、所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域Tiを設定しているが、図6のように、コンテナ船に対象区域Tiを設定する場合には、図例のように所定のマス目に区割りしたグリッドを形成しても良い。また、同様に、図7に示す(大型)客船や、図8に示す自動車運搬船に、所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域Tiを設定しても良い。
【0029】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、マイマイガ対策案は上述した以外のもので良い。
【0030】
以上のように、本発明に係る船舶用マイマイガ防除システムは、光特性に対応するマイマイガの誘引度数を含むマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを、少なくとも含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータ50に入力するための入力手段23と、船の光特性を計測した光情報をコンピュータ50に入力する光計測手段26と、入力手段23にて入力されたマイマイガ発生リスク情報と、光計測手段26からの光情報とを、記憶する記憶手段20とを、備え、マイマイガ発生リスク情報と光情報に基づいて船を所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域Ti毎に少なくとも光に起因するマイマイガの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析手段27と、対象区域Ti毎のマイマイガの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズFiで評価するリスクレベル評価手段28と、対象区域Ti毎のフェーズFiに対応してマイマイガ対策案の決定を行う対策案決定手段21を、備えたので、人の勘と経験に頼らず、マイマイガの虫害が発生する危険性の度合いによって、対象区域Ti毎に最適のマイマイガ対策案の種類又は性能、及び、数量を、確実かつ容易に決定できる。このように、僅かな入力によって、自動的に適正な品質及びコストのマイマイガ対策案を決定できる。海洋上を移動する船舶に於て、AGMの発生を能率的に防止でき、全世界的にAGM虫害を抑制できる。
【0031】
また、光計測手段26は、海洋側及び上空から船を撮影する光分析計測器付き無人航空機29を備えているので、短時間、かつ、低コストで、船の光特性を海洋側及び上空から計測できる。船全体の光特性を調査でき、適切な場所に適正な品質をもって、必要かつ十分なマイマイガ対策案を実施できる。
【0032】
また、マイマイガ発生リスク情報には、過去のマイマイガ発見事例を蓄積したマイマイガ防除経験情報が付加されているので、光等の条件だけではAGMの発生を予想できないような場所に、過去の経験を活かして最適のマイマイガ対策案を実施でき、抜け目なく、能率的に、AGMの発生を防止できる。
【0033】
また、本発明に係る船舶用マイマイガ対策案決定方法は、光特性に対応するマイマイガの誘引度数を含むマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを、少なくとも含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータ50に入力して記憶させる第1情報入力工程1と、船の光特性を計測した光情報をコンピュータ50に入力して記憶させる第2情報入力工程2とを、備え、第1情報入力工程1にて入力されるマイマイガ発生リスク情報と、第2情報入力工程2にて入力される光情報と、に基づいて、船を所定のマス目に区割りしたグリッドから成る対象区域Ti毎に少なくとも光に起因するマイマイガの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析工程3と、対象区域Ti毎にマイマイガの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズFiで評価するリスクレベル評価工程4と、対象区域Ti毎のフェーズFiに対応してマイマイガ対策案を決定する対策案決定工程5と、を具備するので、人の勘と経験に頼らず、マイマイガの虫害が発生する危険性の度合いによって、対象区域Ti毎に最適のマイマイガ対策案の種類又は性能、及び、数量を、確実かつ容易に決定できる。このように、僅かな入力によって、自動的に適正な品質及びコストのマイマイガ対策案を決定できる。海洋上を移動する船舶に於て、AGMの発生を能率的に防止でき、全世界的にAGM虫害を抑制できる。
【符号の説明】
【0034】
1 第1情報入力工程
2 第2情報入力工程
3 誘引リスク分析工程
4 リスクレベル評価工程
5 対策案決定工程
20 記憶手段
21 対策案決定手段
23 入力手段
26 光計測手段
27 誘引リスク分析手段
28 リスクレベル評価手段
29 無人航空機
50 コンピュータ
Ti 対象区域
Fi フェーズ
【要約】      (修正有)
【課題】船舶用マイマイガ防除システムを提供する。
【解決手段】光特性に対応するマイマイガの生態要因と、船の種類と積荷による船舶要因と、航路と航海日数と気候と季節による航海要因とを含むマイマイガ発生リスク情報をコンピュータに入力するための入力手段23と、船の光特性を計測した光情報を入力する光計測手段26と、入力されたマイマイガ発生リスク情報と光計測手段26からの光情報とを記憶する記憶手段20と、光に起因するマイマイガの誘引の虞れを分析する誘引リスク分析手段27と、対象区域毎のマイマイガの虫害が発生する危険性を複数段階のフェーズで評価するリスクレベル評価手段28と、対象区域毎のフェーズに対応してマイマイガ対策案の決定を行う対策案決定手段21を備えた船舶用マイマイガ防除システム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12