特許第5961325号(P5961325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中山大洋▲電▼机制造有限公司の特許一覧

<>
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000002
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000003
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000004
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000005
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000006
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000007
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000008
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000009
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000010
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000011
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000012
  • 特許5961325-一種の永久磁石ローター構造 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961325
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】一種の永久磁石ローター構造
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20060101AFI20160719BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20160719BHJP
   H02K 1/24 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   H02K1/27 501M
   H02K1/27 501D
   H02K1/27 501K
   H02K1/22 A
   H02K1/24
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-549983(P2015-549983)
(86)(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公表番号】特表2016-502397(P2016-502397A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】CN2014072702
(87)【国際公開番号】WO2015027696
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2015年6月29日
(31)【優先権主張番号】201320539733.3
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511184040
【氏名又は名称】中山大洋▲電▼机制造有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】潘明攀
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−199448(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/014260(WO,A1)
【文献】 米国特許第6800977(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
H02K 1/22
H02K 1/24
H02K 15/03
H02K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローターコア(1)及び永久磁石(2)を含み、ローターコア(1)が幾つかの永久磁石チャック(11)を含み、隣の二つの永久磁石チャックの間に、永久磁石取付用径方向溝(12)を形成し、径方向溝(12)の開口部の両側永久磁石チャック(11)から止鈎(13)が突起し、それに、前記永久磁石(2)が第一永久磁石(21)及び第二永久磁石(22)を含み、第一永久磁石(21)の片側がN極強磁性面(211)であり、その他の側がS極弱磁性面(212)であり、第二永久磁石(22)の片側がN極弱磁性面(221)、その他の側がS極強磁性面(222)であり、第一永久磁石(21)及び第二永久磁石(22)が交互に径方向溝内に取り付けられ、隣の二つの径方向溝(12)の第一永久磁石(21)のN極強磁性面(211)と第二永久磁石(22)のN極弱磁性面(221)が同じ永久磁石チャック(11)の両側面にぴったりとくっつけられてN極磁極を形成し、隣の二つの径方向溝(12)の第一永久磁石(21)のS極弱磁性面(212)と第二永久磁石(22)のS極強磁性面(222)が同じ永久磁石チャック(11)の両側面にぴったりとくっつけられてS極磁極を形成することを特徴とする一種の永久磁石ローター構造。
【請求項2】
第一永久磁石(21)頂部の第一菱形辺(2110)位置に第一標記(2111)が設置され、第二永久磁石(22)頂部の第二菱形辺(2220)位置に第二標記(2221)が設置されていることを特徴とする請求項 1に記載の一種の永久磁石ローター構造。
【請求項3】
第一菱形辺(2110)がN極強磁性面(211)に位置し、第二菱形辺(2220)がS極強磁性面(222)に位置していることを特徴とする請求項 2に記載の一種の永久磁石ローター構造。
【請求項4】
末端から見ると、すべての第一標記(2111)及び第二標記(2221)が交互に均一に分布していることを特徴とする請求項 2又は3の何れかに記載の一種の永久磁石ローター構造。
【請求項5】
前記第一永久磁石(21)の片側のN極強磁性面(211)がS極弱磁性面(212)の磁場強度より少なくとも5%強く、第二永久磁石(22)の片側のN極弱磁性面(221)がS極強磁性面(222)の磁場強度より少なくとも5%弱いことを特徴とする請求項 4 記載の一種の永久磁石ローター構造。
【請求項6】
ローターコア(1)と永久磁石(2)が射出成型層(3)により接続されることを特徴とする請求項 1、2又は3の何れかに記載の一種の永久磁石ローター構造。
【請求項7】
前記の射出成型層(3)が前端パネル(31)、後端パネル(32)及び中間接続カラム(33)を含み、中間接続カラム(33)の両端がそれぞれ前端パネル(31)と後端パネル(32)に接続することを特徴とする請求項 6 に記載の一種の永久磁石ローター構造。
【請求項8】
第一菱形辺(2110)がS極弱磁性面(212)に位置し、第二菱形辺(2220)がN極弱磁性面(221)に位置していることを特徴とする請求項 2 に記載の一種の永久磁石ローター構造。
【請求項9】
第一永久磁石(21)と第一標記(2111)、それに、第二永久磁石(22)と第二標記(2221)は全部一体成型になったことを特徴とする請求項 2又は3の何れかに記載の一種の永久磁石ローター構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一種の永久磁石ローター構造に係る。
【背景技術】
【0002】
現在、直径方向磁気ブッシュが嵌められているローターがあり、その構造は図1で示すようであり、ローターコアA1及び永久磁石A2を含み、ローターコアA1が幾つかの永久磁石チャックA11を含み、隣の二つの永久磁石チャックA11の間に、永久磁石A2取付用径方向溝A12を形成し、径方向溝A12の開口部の両側永久磁石チャックA11から止鈎A13が突起し、永久磁石A2が塊状であり、一側がN極磁性面であり、その他の側がS極磁性面であり、永久磁石チャックA11の両側面がそれぞれ隣の両ブロックの永久磁石A2のN極磁性面とぴったりとくっつけられて形成N極磁極100を形成し、永久磁石チャックA11の両側面がそれぞれ隣の両ブロックの永久磁石A2のS極磁性面とぴったりとくっつけられてS極磁極200を形成する。
【0003】
但し、実際応用中、磁気ブッシュ未加工品は、磁区定位のプロセスで、図2で示すように、位置決めコイルが永久磁石A2に対して磁区定位を行う時、コイル側に近い磁性面の磁場強度が強く、コイル側から遠く離れる磁性面の磁場強度が強く、そのうえ、測定・計算した結果、強磁性面の磁場強度が弱磁性面の磁場強度より少なくとも5%高い。嵌めこみ式ローターについて、そのローターの各磁極は、二枚の永久磁石A2が一つの永久磁石チャックA11の両側面に貼り付けられることによって形成する。当該永久磁石チャックA11両側を形成するものが皆二つの強磁性面又は二つの弱磁性面である場合、確実に二磁極の磁場強度の不一致性を引き起こす。
【0004】
実際生産中、メーカは以上の問題を無視し、同じ永久磁石A2のN極磁性面及びS極磁性面の磁場強度を一致と見なしてローターを組み立てる為、ローター運転時、変動・振動が大きく、不規則な逆起電力波形を発生させたので、間接的にコントロールの不正確性及び低い効率性を引き起こした。
【0005】
図3の磁極は、永久磁石の強磁性面と強磁性面とのマッチング、それに、弱磁性面と弱磁性面とのマッチングという二種の組み合わせ方式である。図4の磁極は、永久磁石の強磁性面と強磁性面とのマッチング、弱磁性面と弱磁性面とのマッチング、それに強磁性面と弱磁性面とのマッチングという三種の組み合わせ方式である。図3及び図4の二種の状況は、モータ運行に対して非常に不利である。なぜかというとローターの磁場が不均一であることとなる。実際運行プロセスで、これによりモータに明らかな電磁騒音と振動が発生し、これで間接的にコントロールの不正確性と低い効率性を引き起こした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一種の永久磁石ローター構造を提供することによって、磁場分布を一層均一にし、モータ運行時の振動及び騒音を低減することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、一種の永久磁石ローター構造を提供することによって、永久磁石の放置を一層速く且つ便利にし、放置の間違いを低減し、効率を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、下記の技術案を通じて実現する。
【0009】
一種の永久磁石ローター構造であり、ローターコア及び永久磁石を含み、ローターコアが幾つかの永久磁石チャックを含み、隣の二つの永久磁石チャックの間に、永久磁石取付用径方向溝を形成し、径方向溝の開口部の両側永久磁石チャックから止鈎が突起し、前記永久磁石が第一永久磁石及び第二永久磁石を含み、第一永久磁石の片側がN極強磁性面であり、その他の側がS極弱磁性面であり、第二永久磁石の片側がN極弱磁性面、その他の側がS極強磁性面であり、第一永久磁石及び第二永久磁石が交互に径方向溝内に取り付けられ、隣の二つの径方向溝の第一永久磁石のN極強磁性面と第二永久磁石のN極弱磁性面が同じ永久磁石チャックの両側面にぴったりとくっつけられてN極磁極を形成し、隣の二つの径方向溝の第一永久磁石のS極弱磁性面と第二永久磁石のS極強磁性面が同じ永久磁石チャックの両側面にぴったりとくっつけられてS極磁極を形成する。
【0010】
前記第一永久磁石頂部の第一菱形辺位置に第一標記が設置され、第二永久磁石頂部の第二菱形辺位置に第二標記が設置されている。
【0011】
前記第一菱形辺がN極強磁性面に位置し、第二菱形辺がS極強磁性面に位置している。
【0012】
前記を末端から見ると、すべての第一標記及び第二標記が交互に均一に分布している。
【0013】
前記第一永久磁石の片側のN極強磁性面がS極弱磁性面の磁場強度より少なくとも5%強く、第二永久磁石の片側のN極弱磁性面がS極強磁性面の磁場強度より少なくとも5%弱い。
【0014】
前記ローターコアと永久磁石が射出成型層(3)により接続される。
【0015】
前記射出成型層が前端パネル、後端パネル及び中間接続カラムを含み、前記中間接続カラムの両端がそれぞれ前端パネルと後端パネルに接続する。
【0016】
前記第一菱形辺がS極弱磁性面に位置し、第二菱形辺がN極弱磁性面に位置している。
【0017】
前記第一永久磁石と第一標記、それに、第二永久磁石と第二標記は全部一体成型になった。
【発明の効果】
【0018】
既存の技術と比較して、本発明の利点は下記の通りである。
【0019】
(1)本発明の永久磁石が第一永久磁石及び第二永久磁石を含み、第一永久磁石の片側がN極強磁性面であり、その他の側がS極弱磁性面であり、第二永久磁石の片側がN極弱磁性面、その他の側がS極強磁性面であり、第一永久磁石及び第二永久磁石が交互に径方向溝内に取り付けられ、隣の二つの径方向溝の第一永久磁石のN極強磁性面と第二永久磁石のN極弱磁性面が同じ永久磁石チャックの両側面にぴったりとくっつけられてN極磁極を形成し、隣の二つの径方向溝の第一永久磁石のS極弱磁性面と第二永久磁石のS極強磁性面が同じ永久磁石チャックの両側面にぴったりとくっつけられてS極磁極を形成する。これで各磁極の磁場強度を殆ど一致にし、磁場分布を一層均一にし、モータ運行時の振動及び騒音を低減する。
【0020】
(2)第一永久磁石頂部の第一菱形辺位置に第一標記が設置され、第二永久磁石頂部の第二菱形辺位置に第二標記が設置されている。これで、永久磁石の放置を一層速く且つ便利にし、放置の間違いを低減し、効率を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】現有の永久磁石ローター構造の見取図である。
図2】永久磁石の磁区定位プロセスの見取図である。
図3】現有の永久磁石ローターの磁極配置構造の見取図である。
図4】現有のその他の一種の永久磁石ローターの磁極配置構造の見取図である。
図5】本発明における実施形態一の構造見取図である。
図6】本発明における実施形態一の分解見取図である。
図7】本発明における実施形態一の第一永久磁石の立体図である。
図8】本発明における実施形態一の第二永久磁石の立体図である。
図9】本発明における実施形態一の射出成型後立体図である。
図10】本発明における実施形態一の射出成型後構造断面図である。
図11】本発明における実施形態二の第一永久磁石の立体図である。
図12】本発明における実施形態二の第二永久磁石の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、具体的な実施形態と附図によって、本発明をさらに且つ詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図5図10で示すように、本発明は、一種の永久磁石ローター構造であり、ローターコア1及び永久磁石2を含み、ローターコア1が幾つかの永久磁石チャック11を含み、隣の二つの永久磁石チャック11の間に、永久磁石2取付用径方向溝12を形成し、径方向溝12の開口部の両側永久磁石チャック11から止鈎13が突起し、前記永久磁石2が第一永久磁石21及び第二永久磁石22を含み、第一永久磁石21の片側がN極強磁性面211であり、その他の側がS極弱磁性面212であり、第二永久磁石22の片側がN極弱磁性面221、その他の側がS極強磁性面222であり、第一永久磁石21及び第二永久磁石22が交互に径方向溝12内に取り付けられ、隣の二つの径方向溝12の第一永久磁石21のN極強磁性面211と第二永久磁石22のN極弱磁性面221が同じ永久磁石チャック11の両側面にぴったりとくっつけられてN極磁極を形成し、隣の二つの径方向溝12の第一永久磁石21のS極弱磁性面212と第二永久磁石22のS極強磁性面222が同じ永久磁石チャック11の両側面にぴったりとくっつけられてS極磁極を形成し、第一永久磁石21頂部の第一菱形辺2110位置に第一標記2111が設置され、第二永久磁石22頂部の第二菱形辺2220位置に第二標記2221が設置され、第一菱形辺2110がN極強磁性面211に位置し、第二菱形辺2220がS極強磁性面222に位置し、末端から見ると、すべての第一標記2111及び第二標記2221が交互に均一に分布し、前記第一永久磁石21の片側のN極強磁性面211がS極弱磁性面212の磁場強度より少なくとも5%強く、第二永久磁石22の片側のN極弱磁性面221がS極強磁性面222の磁場強度より少なくとも5%弱く、ローターコア1と永久磁石2が射出成型層3により接続され、前記射出成型層3が前端パネル31、後端パネル32及び中間接続カラム33を含み、前記中間接続カラム33の両端がそれぞれ前端パネル31と後端パネル32に接続し、第一永久磁石21と第一標記2111、それに、第二永久磁石22と第二標記2221は全部一体成型になった。
【実施例2】
【0024】
本実施形態は、実施形態一の構造と殆ど一致し、唯一の相違点が下記の通りである。第一菱形辺2110がS極弱磁性面212に位置し、第二菱形辺2220がN極弱磁性面221に位置し、図11図12で示すようである。
【0025】
本発明の原理は下記の通りである。
【0026】
(1)本発明での永久磁石2が第一永久磁石21及び第二永久磁石22を含み、第一永久磁石21の片側がN極強磁性面211であり、その他の側がS極弱磁性面212であり、第二永久磁石22の片側がN極弱磁性面221、その他の側がS極強磁性面222であり、第一永久磁石21及び第二永久磁石22が交互に径方向溝12内に取り付けられ、隣の二つの径方向溝12の第一永久磁石21のN極強磁性面211と第二永久磁石22のN極弱磁性面221が同じ永久磁石チャック11の両側面にぴったりとくっつけられてN極磁極を形成し、隣の二つの径方向溝12の第一永久磁石21のS極弱磁性面212と第二永久磁石22のS極強磁性面222が同じ永久磁石チャック11の両側面にぴったりとくっつけられてS極磁極を形成し、これで各磁極の磁場強度を殆ど一致にし、磁場分布を一層均一にし、モータ運行時の振動及び騒音を低減する。
【0027】
(2)第一永久磁石頂部の第一菱形辺位置に第一標記が設置され、第二永久磁石頂部の第二菱形辺位置に第二標記が設置されている。これで、永久磁石の放置を一層速く且つ便利にし、放置の間違いを低減し、効率を向上する。
【符号の説明】
【0028】
1・・・ローターコア
2・・・永久磁石
3・・・射出成型層
11・・・永久磁石チャック
12・・・取付用径方向溝
13・・・止鈎
21・・・第一永久磁石
22・・・第二永久磁石
31・・・前端パネル
32・・・後端パネル
33・・・中間接続カラム
100・・N極磁極
200・・・S極磁極
211・・・N極強磁性面
212・・・S極弱磁性面
221・・・N極弱磁性面
222・・・S極強磁性面
2110・・・第一菱形辺
2111・・・第一標記
2220・・・第二菱形辺
2221・・・第二標記
図1
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図2
図3
図4