(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項16記載の装置において、前記第1の列は、前記第4の列と前記第3の列との間に固定され、前記第2の列は、前記第5の列と前記第3の列との間に固定されるものである装置。
【背景技術】
【0003】
脊髄電気刺激法は、埋め込み電極アレイを使って慢性痛を制御する技術である。その電極アレイは、通常、脊髄付近の硬膜外腔内の定位置に埋め込まれる。信号発生器は、埋め込み電極アレイを通じて脊髄に電流パルスを送る。前記電流パルスは、痛みの知覚を阻害する上で役立つしびれを誘発する。
【0004】
図1には脊柱1が示されており、脊柱1は、腰椎2、胸椎3、頸椎4、および仙椎5の4つのセクションまたはタイプに分類された複数の脊椎を有する。頸椎4には、第一頸椎(C1)〜第七頸椎(C7)が含まれる。第七頸椎のすぐ下には、第一胸椎(T1)〜第十二胸椎(T12)を含む12の胸椎3のうちの第一胸椎がある。第十二胸椎3のすぐ下には、第一腰椎(L1)〜第五腰椎(L5)を含む5つの腰椎2のうちの第一腰椎があり、第五腰椎は、成人では自然状態で癒合した仙椎5(S1〜S5)につながっている。
【0005】
図2では、代表的な胸椎10が示されており、これは全般的に腰椎2および頸椎4と共通するいくつかの特筆すべき特徴を有する。脊椎10の前面を形成する骨の厚い楕円形部分が、椎体12である。椎体12は骨質の椎弓13につながっており、椎弓13を通過して脊髄神経19が通っている。椎弓13は脊椎10の後部を形成しており、椎体12の側部から延出した短く頑丈な突起である2つの椎弓根14と、両側の椎弓板15とから成る。椎弓根14から突出し三角形状に結合した幅広の平板は、中空の弧状通路である脊柱管16を形成している。棘突起17は、両側椎弓板15の接合部から突出している。横突起18は、椎弓根14と両側椎弓板15の接合部から突出する。椎弓の構造は、脊柱管を貫通する脊髄20および脊髄神経19を保護する。
【0006】
脊髄20の周囲には、脳脊髄液(cerebrospinal fluid:CSF)22を含む硬膜21がある。硬膜外腔24は、脊柱管の最も外側の部分である。これは、硬膜外の周辺脊椎により形成された脊柱管内の空間である。
【0007】
図1、2、および3を参照すると、先行技術に係る脊髄電気刺激用の電極アレイ配置が示されている。電極アレイ30は、硬膜外腔24内で硬膜21と脊柱管16の壁との間に、両側椎弓板15および棘突起17に最も近い脊柱管の背面側に配置される。
【0008】
図4は、エラストマーハウジング36内に密閉された電極接点セット35を含む先行技術の電極アレイ30を示したものである。電極アレイ30は、電気パルス発生器32に接続された電極リードセット31を有する。前記電気パルス発生器は、体外にあっても、または皮下に埋め込まれてもよい。各電極接点は前記電極リードセット31内に別個の導電体を有し、各接点への電流を独立して伝導および制御する。
【0009】
しびれの解剖学的分布は、前記電極アレイにより生成される刺激電場と、脊髄内の神経経路との空間的関係に依存する。その分布は、前記電極アレイの1若しくはそれ以上の電極で電流を変えることにより変更できる。また、前記電極アレイのアノード(陽極)およびカソード(陰極)の構成を変更しても前記分布が変化し、したがって誘発されるしびれの解剖学的パターンも変化する。
【0010】
前記電流パルスは適切な強度にすることが重要である。電流が過剰な場合は不快感が生じる。電流が不十分な場合は、痛みが十分に軽減されない。身体が動いた場合、特に曲げとねじれが生じると、前記埋め込まれた電極アレイに対して脊髄が動くため、望ましくない不快な変化が刺激に生じてしまう。
【0011】
人体中の埋め込み型装置を制御する方法およびシステムは存在する。例えば、Eckerらの米国特許出願第2010/0105997号では、コントローラおよび複数のセンサーモジュールを含む体内埋め込み型医療装置について開示している。センサーには、特定の波長で光を発する少なくとも1つの光源が含まれ、その光は血液で灌流された組織を通じて散乱し、検出器が患者の血流から反射されてくる光を検出する。
【0012】
Bradleyらの米国特許第7,684,869号では、電極間インピーダンスを使って脊柱内のリードと他のリードとの相対位置を決定するシステムについて開示している。Bradleyらは、電極間インピーダンスを使用すると、刺激エネルギーを調整できることをさらに開示している。
【0013】
Moffittらの米国特許出願第2009/0118787号では、電極間で伝えられて刺激領域を生じる電気エネルギーについて開示している。前記刺激領域の位置を決定するため、患者からの生理学的情報が取得および分析される。前記刺激領域は電子的に変位される。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第7,539,543号明細書
(特許文献2) 米国特許第7,684,869号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2010/0105997号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2009/0118787号明細書
(特許文献5) 米国特許出願公開第2007/0027514号明細書
(特許文献6) 米国特許出願公開第2009/0270960号明細書
(特許文献7) 米国特許第5,824,021号明細書
(特許文献8) 米国特許第6,058,331号明細書
(特許文献9) 米国特許第6,120,467号明細書
(特許文献10) 米国特許第6,169,924号明細書
(特許文献11) 米国特許第6,587,724号明細書
(特許文献12) 米国特許第6,622,048号明細書
(特許文献13) 米国特許第6,871,099号明細書
(特許文献14) 米国特許第7,127,296号明細書
(特許文献15) 米国特許第7,162,304号明細書
(特許文献16) 米国特許第7,216,000号明細書
(特許文献17) 米国特許第7,263,402号明細書
(特許文献18) 米国特許第7,330,762号明細書
(特許文献19) 米国特許第7,333,857号明細書
(特許文献20) 国際公開第2007/059362号
(特許文献21) 米国特許第7,359,751号明細書
(特許文献22) 米国特許第7,463,927号明細書
(特許文献23) 米国特許第7,650,190号明細書
(特許文献24) 米国特許第7,805,197号明細書
(特許文献25) 米国特許第7,801,621号明細書
(特許文献26) 米国特許第5,556,421号明細書
(特許文献27) 米国特許出願公開第2010/0022861号明細書
(特許文献28) 米国特許出願公開第2005/0222628号明細書
(特許文献29) 米国特許出願公開第2010/0106220号明細書
(特許文献30) 米国特許第6,937,882号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) SCOTT PRAHL,Tabulated Molar Extinction Coefficient for Hemoglobin in Water,http://omlc.ogi.edu/spectra/hemoglobin/summary.html,March 4,1998,pp.1−7.
(非特許文献1) URS UTZINGER,Oxygen saturation,http://www2.engr.arizona.edu/〜bme517/supporting%20documents/PulseOximeter/Pulse%20Oxi%20Meter%20Laboratory.htm#_Toc67647950,2002,pp.1−24.
【発明を実施するための形態】
【0020】
刺激電極と脊髄面間の距離は、1)IR発光部と光検出器セット間の光路長(光は脊髄から反射される)、2)脊髄の幾何学的構造、3)IR発光部の光学的発散、および4)光路における発色団の存在に依存する関数から推定できる。
【0021】
脊髄を取り囲む硬膜自体は、近赤外光に半透明である。近赤外光は、脊髄により散乱および反射される。脳脊髄液は、無視できる程度に近赤外光を散乱させるが、近赤外光の有意な反射体としては作用しない。前記発光部からの光は、薄く比較的血管がない硬膜を透過して脳脊髄液CSFに入り、CSF中で非常にわずかな散乱光が生じる。脊髄に入射する光は散乱し、その一部は反射され、別の一部は発色団により吸収される。
【0022】
流体媒体における光吸収はランベルト・ベールの法則で説明でき、これにより一定範囲の発色団および濃度に関する光吸収が妥当な正確さで記述できる。ランベルト・ベールの法則によると、ある発色団濃度の流体の吸光度は、流体中の光路長および発色団濃度に応じて次式のように線形変化する。
【0024】
式中、
ε
λ=波長λにおける発色団のモル吸光係数または消散係数(1M溶液の厚さ1cmの試料の光学密度)
b=試料の光路長(センチメートル単位)
c=試料中の化合物濃度(モル濃度度単位、mol L−1)
【0025】
波長λにおける吸光度(A
λ)は、流体を透過する光のエネルギーIと入射光のエネルギーI
0との比に次のように関係している。
【0027】
デオキシヘモグロビンおよびオキシヘモグロビンの消散係数スペクトルはよく知られている。
【0028】
脊髄内の光路長は、楕円形状をした脊髄の幾何学的構造およびその法線ベクトルと、発光部および検出器ペアの光軸との相対関係に依存する。
【0029】
CSF中では散乱が少なく、屈折率が光路上で有意に変化しないため、CSF中の光路長は名目上の幾何学的光路長にほぼ等しい。CSFによる光吸収は、その主な成分であるH
20の吸光度により近似できる。CSF光路長に対するシステムの感度は、水の消散係数曲線の950〜1000nm付近における局部最大値の光波長を使って最適化できる。
【0030】
発光部の波長を考慮すると、主な発色団であるデオキシヘモグロビンおよびオキシヘモグロビンの消散係数も考慮しなければならない。脊髄内の血流変化が及ぼす影響を最小限に抑えるには(これらは準静的に非有意と考えられているが)、これら発色団種の等吸収波長を好ましくは約805nmに選択することができる。
【0031】
脊髄に対する発光部−検出器ペアの幾何学的構造は、最も変動しやすいパラメータである。この変化は、脊柱管内の電極配置位置、脊柱管の直径、脊髄の形状、脊髄の内径、および脊柱側弯症または脊柱後弯症による脊椎の湾曲といった要因から生じる。したがって、この幾何学的パラメータが、システムをin situ、in vivoで較正しなければならない主な理由である。次に、極端な体位(extremes of body position)で得られたデータから、種々の方法で脊髄の位置を推定することができる。
【0032】
幾何学的構造の影響は、発光部および検出器の光軸間の角度を脊髄面の法線ベクトルに対して最小化することにより、最小限に抑えられる。
【0033】
入射光線および反射光線に対する発光部の光線発散は、検出される光強度に影響を及ぼす。
【0034】
脳への痛覚伝達を一貫して軽減するには、脊髄が動いても脊髄の標的細胞群で一定の電場を維持することが望ましい。患者が前方0°へ体を曲げると、その脊髄は脊柱管内の軌道内で前方へ移動する。同じ電場密度を維持するには、各電極ペアの刺激パルス振幅が等しく増加する必要がある。患者が右方へ90°体を曲げると、その脊髄は脊柱管内の軌道内で右方へ移動する。その場合は、前記電極ペアの右側電極の電極刺激パルスの振幅を低下させ、左側電極の電極刺激パルスの振幅を上昇させる必要がある。患者が後方へ180°体を曲げると、その脊髄は脊柱管内の軌道内で後方へ移動する。その場合は、脊髄全体にわたり一定の電場を保つため、電極刺激パルス振幅を低下させる必要がある。患者が左方へ270°体を曲げると、患者の脊髄はその軌道内で左方へ移動する。その場合は、前記電極ペアの左側電極の電極刺激パルスの振幅を低下させ、右側電極の電極刺激パルスの振幅を上昇させる必要がある。
【0035】
図5aおよび5aは、脊髄が脊柱管中の360°の軌道内で動いたとき、脊髄の水平方向の断面全体にわたり任意の点で一定の電場を維持するため、左右電極でそれぞれ生成する必要がある相対電場強度を示したものである。
【0036】
以下、
図6a〜6dを参照して、脊髄が動いているときの前記IR発光部と、前記光検出器と、前記電極との間の位置関係を説明する。
【0037】
図6aを参照すると、脊髄20は、脊柱管内で前方0°の位置にある。電極アレイ40は、硬膜21の外側に埋め込まれている。IR発光部42は、その中央が光軸125に整合するように配置される。電極41Lおよび41Rは、その動作可能な範囲内に標的細胞19が入るように硬膜へ向かって配置される。光検出器43Lおよび43Rは、その動作可能な範囲内に脊髄20が入るように配置される。標的細胞19は、脊髄20内で任意の、ただし脊髄に対し一定の位置に位置決めされる。
【0038】
動作時、IR発光部42は光軸125と角度121を成す光線48を生じる。光線48は、脊髄20から反射され、光検出器43Rに入って電流を生じる。また、IR発光部42は光軸125と角度122を成す光線49を生じる。光線49は、脊髄20から反射され、光検出器43Lに入って電流を生じる。電極41Rにより生じる電場は、標的細胞19に達するように生成される。同様に、電極41Lにより生じる電場は、標的細胞19に達するように生成される。振幅A
LおよびA
Rは、左側および右側の電極双方をそれぞれ駆動する電流である。どちらも比較的高い。光線48は、IR発光部42と光検出器43R間で距離D
1を移動する。光線49は、IR発光部42と光検出器43L間で距離D
2を移動する。前記距離D
1およびD
2はほぼ等しく、どちらも比較的長い。前記光検出器により生じる光電流は、ほぼ等しい。
【0039】
図6bを参照すると、角度128の回転および直線移動127により脊髄が右90°の位置にシフトされている。
【0040】
動作時、IR発光部42は光軸125と角度121を成す光線48を生じる。光線48は、脊髄20から反射され、光検出器43Rで受け取られる。また、IR発光部42は光軸125と角度122を成す光線49を生じる。光線48は、脊髄20から反射され、光検出器43Rで受け取られる。光線49は、脊髄20から反射され、光検出器43Lで受け取られる。電極41Lから前記標的細胞への距離は、電極41Rからの距離と比べると比較的長い。したがって、電極43Lの電流振幅は、前記電極43Rのそれと比べて比較的高い。光線48が移動する全距離は、距離D
3である。光線49が移動する全距離は、距離D
4である。距離D
3は、距離D
4および距離D
2より短く、比較的小さいことがわかる。距離D
4は、距離D
1および距離D
2にほぼ等しい。光検出器43Lにより生じる光電流は、光検出器43Rにより生じる光電流と比べて比較的低い。
【0041】
図6cを参照すると、脊髄20は、0°の位置に対する直線移動126により、脊柱管内で後方180°の位置にある。
【0042】
動作時、IR発光部42は光軸125と角度121を成す光線48を生じる。光線48は、脊髄20から反射され、光検出器43Rに入る。また、IR発光部42は光軸125と角度122を成す光線49を生じる。光線49は、脊髄20から反射され、光検出器43Lで受け取られる。左側電極41Lおよび右側電極41Rから前記標的細胞への距離は、どちらも比較的短い。したがって、電極A
LおよびA
Rへの電流の振幅は、
図6aおよび6bと比べて比較的低い。光線48は、IR発光部42と光検出器43R間で距離D
5を移動する。光線49は、IR発光部42と光検出器43L間で距離D6を移動する。距離D
5およびD
6はほぼ等しいことがわかる。さらに、距離D
5およびD
6は、距離D
1およびD
2より短い。双方の光検出器により生じる光電流は、
図6aの光検出器により生じる光電流と比べて比較的高い。
【0043】
図6dを参照すると、角度130の回転および直線移動129により脊髄の位置がシフトされている。この270°シフトされた位置は、患者が体を左に曲げた場合に対応する。
【0044】
動作時、IR発光部42は光軸125と角度122を成す光線49を生じる。また、IR発光部42は光軸125と角度121を成す光線48を生じる。光線49は、脊髄20から反射され、光検出器43Lで受け取られる。光線48は、脊髄20から反射され、光検出器43Rで受け取られる。左側電極41Lから前記標的細胞への距離は、右側電極41Rから当該標的細胞への距離と比べると比較的短い。したがって、電極41Lの電流振幅は、右側電極43Rの電流と比べて比較的低い。光線49が移動する全距離は、距離D
8である。光線48が移動する全距離は、D
7である。距離D
7は距離D
8より長いことがわかる。また、距離D
7は、距離D
1および距離D
2にほぼ等しいことがわかる。さらに、距離D
8は、距離D
6および距離D
5にほぼ等しいことがわかる。光検出器43Lにより生じる光電流は、光検出器43Rにより生じる光電流と比べて比較的高い。
【0045】
(それぞれ光検出器43Lおよび43Rから)受信される光電流信号P
LとP
R間の相対関係と、電極に必要な電流信号の電流振幅A
LおよびA
Rは、脊柱管内の脊髄の前記4つの極端な位置について、次の表で要約できる。
【0047】
各光検出器ペアに関連付けられた光学的な比は、検出される光強度に対してレシオメトリックに(横方向の動きについて)および比例的に(前後の動きについて)決定される脊髄位置の関数に相関する。
【0048】
光検出器43Lおよび光検出器43Rからの電流信号の比は、左右に関する脊椎位置を表す。
【0050】
前記光電流信号の強度は、前後に関する脊椎位置を表す。全強度は、次式で表せる。
【0052】
以下、
図7を参照して、当該システムの埋め込み型構成要素の好適な一実施形態を説明する。脊髄電気刺激装置45は、パルス発生器および信号処理装置(pulse generator and signal processor:PGSP)50と、電極アセンブリ40とを含む。主リード51は、電極アセンブリ40をPGSPユニット50に接続する。PGSPユニット50は、前記電極および前記IR発光部に電力を供給し、当該システムの電気的構成要素を収容する。PGSPユニット50は、光検出器信号を収集して処理し、その光検出器信号に基づいて前記電極の電流(または電圧)を調整する。PGSPユニット50は、無線通信リンク52により、皮膚境界56を越えてSCSコントローラ53に接続される。このSCSコントローラは、PS−SCS刺激装置を経皮的に起動および調整できるように構成される。また、PSGPユニット50は、無線通信リンク55により、皮膚境界54を越えて較正ユニット54に接続される。較正ユニット54は、較正中に患者のフィードバックを受け入れ、PGSP50に送信するようにプログラムされる。
【0053】
以下、
図8aを参照して、電極アセンブリ40aの第1の好適な一実施形態を説明する。IR発光部42は、エラストマーハウジング46a内の中央に配置される。垂直線上に配列された電極アレイ41Lおよび41Rは、前記IR発光部の両側に配置される。光検出器43Lおよび43Rは、前記IR発光部と水平方向に位置合わせされ、前記電極アレイ41Lおよび41Rの左および右にそれぞれ配置される。各電極は主リード51に含まれる電極リードセット内に別個の導電体を有し、各接点への電流を独立に制御する。当該電極アセンブリの構成要素は、エラストマーハウジング46a内に密閉される。
【0054】
以下、
図8bを参照して、電極アセンブリ40aの第2の好適な一実施形態を説明する。垂直線上に配列された電極アレイ41Lおよび41Rは、前記IR発光部の両側に配置される。IR発光部および光検出器は、IR発光部・検出器ペアとして単一の一体型装置にパッケージ化される。IR発光部・検出器ペア45LおよびIR発光部・検出器ペア45Rは、前記電極アレイ41Lおよび41Rの左および右にそれぞれ配置される。各電極は主リード51に含まれる電極リードセット内に別個の導電体を有し、各接点への電流を独立に制御する。当該電極アセンブリの構成要素は、エラストマーハウジング46a内に密閉される。
図8Bでは、前記IR発光部・検出器ペアの物理的位置が前記電極アレイのやや外側にあることを示している。その代替実施形態では、前記IR発光部検出器ペアを前記電極アレイに配列して、または前記電極アレイの内側に設置できる。別の代替実施形態では、左右のIR発光部・検出器ペア間に、IR発光部・検出器ペアを1つ中央配置できる。
【0055】
発光部(photoemitter)およびフォトダーリントン検出器を有する適切な単一の一体型装置は、Optek Technology, Inc.社製の部品番号OPB707Aである。
【0056】
図9は、代替実施形態、電極アセンブリ40bを示したものである。電極アセンブリ40bは、2セットの電極41Lおよび41Rと、直線上に並んだIR発光部セット42aと、2セットのIR光検出器44Lおよび44Rとを含む。IR発光部セット42Aは、前記エラストマーハウジングの中央付近で垂直線上に位置することが好ましい。前記電極セット41Lおよび41Rは、前記IR発光部の両側で垂直な列に配置される。電極の数は、前記エラストマーハウジングの寸法に応じて異なる。IR光検出器44Lおよび44Rは、前記2セットの電極の両側に配置される。各電極は主リード51に含まれる電極リードセット内に別個の導電体を有し、各接点への電流を独立に制御する。当該電極アセンブリの構成要素は、エラストマーハウジング46b内に密閉される。
【0057】
図10は、代替実施形態、電極アセンブリ440を例示したものである。電極アセンブリ440は、2セットの電極441Lおよび441Rと、送光用の光学レンズセット442と、集光用の光学レンズ443Lおよび光学レンズ443Rとを含む。光ファイバーは各前記レンズで終端処理され、主リード451へと配線処理される。光学レンズ442は、前記光ファイバーから脊髄へ向かって均一に光を送るように作用する。好適な実施形態において、前記レンズは、前記エラストマーハウジングの外形奥行きを軽減し光を均一に拡散させるフレネルレンズである。光学レンズ443Lおよび443Rは、受け取られた光を効率的に集めてコリメートするコレクタ(集光器)として作用する。各電極接点には主リード451内に別個の導電体が設けられ、各電極への電流を独立して制御する。
【0058】
PGSPユニット50は、電池から受電することが好ましい。一代替実施形態において、PGSPユニット50は、静電容量型(コンデンサ型)または電磁誘導型装置から電力を得る。さらに、PGSPユニット50内の前記電池、前記静電容量型装置、または電磁誘導は較正できる。通信リンク52または55は、さらに、PGSPユニット50の電池または静電容量型装置を充電する手段として機能する。
【0059】
以下、
図11aを参照して、PSGPユニット50を説明する。PSGPユニット50は、オンボードメモリ72を含むCPU 70を有する。CPU 70は、パルス変調器62およびパルス発生器60に接続される。変調器62は、パルス発生器60にも接続される。また、CPU 70は、光変調器68および光信号処理装置64に動作可能に接続される。光変調器68は、赤外発光部ドライバ66に接続される。赤外発光部ドライバ66は、前記電極アセンブリ内の前記IR発光部に接続される。
【0060】
IR発光部ドライバ66は、IR発光部79にも接続される。光ファイバー接続を必要とする諸実施形態では、IR発光部79を効果的にファイバー81に結合するための適切なレンズおよびコネクタが赤外発光部79に含まれる。ファイバー81は、前記電極アレイ内の送光レンズに接続される。
【0061】
CPU 70は、光信号処理装置64にも接続される。光信号処理装置64は、電極アセンブリ40内の前記光検出器セットに接続される。パルス発生器60は、電極アセンブリ40内の前記電極セットに接続される。
【0062】
前記電極に対してパルスを生成するため、前記CPUは、オンボードメモリ72に格納された較正テーブルを照合してパルス幅P
Wと、それぞれ左側および右側の電極のパルス振幅A
LおよびA
Rとを決定する。パルスの幅および周波数は、パルス変調器62に送信され、そこで修正された矩形波信号が生成される。その修正された矩形波信号は、パルス発生器60に渡される。CPU 70は、前記左右電極用の振幅をデジタル形式でパルス発生器60に渡す。次いでパルス発生器60は、A
LおよびA
Rに基づき、修正された矩形波を増幅して左側および右側の修正された矩形波を形成し、これらを前記左側および右側の電極にそれぞれ送信する。
【0063】
当該好適な実施形態の刺激波形は、振幅および持続時間(幅)を有する修正された矩形波である。パルス幅は、20から1000マイクロ秒までのものが効果的であると示されている。パルス波形の周波数は、20〜120ヘルツが効果的であると示されている。出力振幅は、0(ゼロ)〜±20mAまたは0(ゼロ)〜±10Vであることが好ましいが、患者の感受性に応じてこれらの範囲を超えてもよい。
【0064】
光信号処理装置64は、前記光検出器セットから信号を受信し、その光信号をフィルタリングして、前記IR発光部の振幅、パルス幅、および周波数と相関させる。光信号処理装置64には、同期ゲート検出(例えば、ロックイン増幅器タイプ)機能または検出された光の信号対雑音比を改善する他の復調機能を含めることができる。
【0065】
IR検出器77は、光信号処理装置64に接続される。IR検出器77は、ファイバー82からの入射光パルスを電気信号に変換し、この電気信号は光信号処理装置64により処理される。IR検出器77は、IR検出器77をファイバー82に結合するレンズを含む。前記IR光検出器セットの感度は、Kingbright Corporation製の部品APA3010P3Btと同様である。
【0066】
CPU 70は、光変調器68に接続される。光変調器68は、CPU 70により設定および送信されるパラメータに基づいて、前記IR発光部に伝達されるIR発光波形を生成する。IR発光部ドライバは、光変調器68およびCPU 70の双方に接続される。動作時には、IR光パルスを送るため、前記CPUが光変調器を起動して適切な波形を生成し、これを前記IR発光部ドライバが伝達する。前記IR発光部ドライバは、前記IR発光部に前記波形を伝達する。IR発光部79が使用される場合は、ファイバー81内へパルスが送出される。
【0067】
CPU 70が設定するIR発光波形は、いくつかの形態をとる。例えば、IR発光部のパルス幅は、電力消費量を最小限に抑えるため非常に短い。単一のIR発光部パルスは、1セットの電極刺激パルス用に生成できる。前記IR発光部セットからのIR光の一般的な波長は940nmである。前記IR発光部の一般的な出力強度は1〜2mWであり、適切な部品は、Advanced Photonix,Inc.製の部品番号PDI−E900である。
【0068】
CPU 70は、RF送受信機71を介し、較正およびプログラミングユニット54ならびにSCSコントローラ53と経皮的に通信する。
【0069】
以下、
図11bを参照して、SCSコントローラ53を説明する。SCSコントローラ53は、RF送受信機902と、ディスプレイ(表示装置)904と、入出力装置906と、メモリ908とに接続されたプロセッサ900を含む。この好適な実施形態において、ディスプレイ904は、当該システムの現在の動作状態を示すようなっている低電力液晶ディスプレイである。I/O装置906は、プロセッサ900により常に監視される単純な押しボタン接点アレイである。メモリ908は、プロセッサ900に接続されたオンボードメモリである。この好適な実施形態において、RF送受信機902は、低電力送信機・受信機の組み合わせである。
【0070】
以下、
図11cを参照して、較正およびプログラミングユニット54を説明する。較正およびプログラミングユニット54は、オンボードメモリ1008と、入出力装置1006および1007と、RF送受信機1002と、ディスプレイ(表示装置)1004とに接続されたプロセッサ1000を含む。ディスプレイ1004は、当該好適な実施形態において、低電力液晶ディスプレイである。入出力装置1006および入出力装置1007は、前記プロセッサにより絶えず監視される単純な押しボタンスイッチである。メモリ1008は、プロセッサ1000に搭載されている。RF送受信機1002は、低電力送信機・受信機の組み合わせである。
【0071】
以下、
図12a、11a、11b、および11cを参照して、前記PS−SCS刺激装置の動作の方法80を説明する。前記好適な実施形態において、方法80は、PGSP 50のCPU 70のメモリ72に常駐するコンピュータプログラムの形態をとる。作動させると、このプログラムは、連続したサイクルを形成する。工程81において、RF送受信機71は、SCSコントローラ53から受信されるべき動作コード信号に変化がないか、絶えずポーリングされる。3つの選択肢、「開始?」、「較正?」、「停止?」のうち1つが常に存在する
工程83において、動作変更コード「開始?」が受信されると、当該方法は工程92へ進む。工程92では、CPU 70が光変調器68を起動し、次いで光変調器68がIR発光部ドライバ66を起動して電流パルスセットを生成し、前記IR発光部に送信する。工程93では、光検出器で結果的に生じた電流レベルPD
LおよびPD
Rが光信号処理装置64により測定され、CPU 70に渡される。工程95では、CPUが前記電極に送信すべきパルス列の振幅A
LおよびA
Rを推定する。工程99では、任意選択的に、前記CPUが前記電極に送信すべき前記パルス列のパルス幅P
Wおよび周波数P
fの値を設定する。工程152では、前記CPUが前記パルス変調器を起動して前記電極に送信すべき前記パルス列の波形を生成し、パルス発生器60を起動して前記パルス列を生成する。工程154では、前記CPUがPD
L、PD
R、A
L、A
R、P
W、およびP
fの値をメモリに格納して後で読み出せるようにする。次に、この方法は工程81に戻る。
【0072】
工程83において、動作変更コードが「開始?」でなかった場合、当該方法は工程85へ進む。工程85において、前記CPUは、前記動作変更コードが「較正?」かどうかを決定する。「較正?」である場合、この方法は工程87に進む。工程87では、前記CPUがメモリに格納された履歴ログを較正ユニット55に送信する。工程89において、前記CPUは、以降より詳しく説明する較正ルーチンに入る。次に、この方法は工程81に戻る。
【0073】
工程85において、動作変更コードが「較正?」でなかった場合、当該方法は工程91へ進む。工程91において、前記CPUは、前記動作変更コードが「停止?」かどうかを決定する。「停止?」である場合、この方法は工程81に戻る。「停止?」でない場合、この方法は工程92へ進み、上述のように続行する。
【0074】
当該好適な実施形態において、前記パルスの幅および周波数は所与の患者について一定に保たれ、前記左右電極の振幅のみ変更される。
【0075】
以下、
図12bを参照し、工程95において振幅値を推定する代替実施形態を説明する。この実施形態では、前記CPUがそれまでの振幅A
LおよびA
Rから時間平均を算出して電極振幅を推定する。工程96では、前記CPUがA
LおよびA
R値履歴セットと、所定の加重(重み付け)値をメモリから取得する。
【0078】
式中、
w
k=現在の時刻kにおけるA
Lの値A
L(k)および過去の時刻におけるA
Lの値A
L(k−1)、A
L(k−2)、...に対する所定の加重。
A
L=左側の電極の振幅
【0081】
式中、
w
k=現在の時刻kにおけるA
Rの値A
R(k)および過去の時刻におけるA
Rの値A
R(k−1)、A
R(k−2)、...に対する所定の加重。
A
R=右側の電極の振幅
【0082】
以下、
図12cを参照し、工程95において振幅値を推定する代替方法を説明する。
【0083】
工程100において、前記CPUが次式に基づいて距離係数dPを計算する。
【0085】
式中、
PD
L=左側の光検出器電流の測定値
PD
R=右側の光検出器電流の測定値
P
L=左側の光検出器電流の較正テーブル値
P
R=右側の光検出器電流の較正テーブル値
【0086】
dPは、前記較正テーブルの患者の姿勢1〜4に対応する行ごとに算出される。工程102では、前記較正テーブルで最小距離係数dPを有する行に対応する値A
LおよびA
Rが推定される。
【0087】
以下、
図12dを参照し、振幅値を推定する代替方法、工程95を説明する。
【0088】
工程105では、前記CPUが前記較正テーブルを照合して、前記測定値P
Lに最も近く、かつこれを囲む連続したPD
L値ペア[PD
L TOP,PD
L BOTTOM]を見つける。工程110では、前記CPUが、前記最も近いPD
L値ペアに対応したA
L値ペア[A
L TOP,A
L BOTTOM]を見つける。工程115では、前記CPUが内挿方程式を適用して次のようにA
Lの推定値を見つける。
【0090】
式中、
A
L=前記左側の電極パルス電流の推定値
PD
L TOP=前記較正テーブルから得られるブラケットで囲んだ前記光検出器電流値の上限
PD
L BOTTOM=前記較正テーブルから得られるブラケットで囲んだ前記光検出器電流値の下限
A
L TOP=PD
L TOPに対応して前記較正テーブルから得られる前記電極パルス電流値の上限
A
L BOTTOM=PD
L BOTTOMに対応して前記較正テーブルから得られる前記電極振幅ペアの下限値
【0091】
工程117では、前記CPUが前記較正テーブルを照合して、前記測定値P
Rに最も近く、かつこれを囲む連続したPD
R値ペア[PD
R TOP,PD
R BOTTOM]を見つける。工程119では、前記CPUが、前記最も近いPD
R値ペアに対応したA
R値ペア[A
R TOP,A
R BOTTOM]を見つける。工程120では、前記CPUが内挿方程式を適用して次のようにA
Rの推定値を見つける。
【0093】
式中、
A
R=前記右側の電極パルス電流の推定値
PD
R TOP=前記較正テーブルから得られるブラケットで囲んだ前記光検出器電流値の上限
PD
R BOTTOM=前記較正テーブルから得られるブラケットで囲んだ光検出器電流値の下限
A
R TOP=PD
R TOPに対応して前記較正テーブルから得られる前記電極パルス電流値の上限
A
R BOTTOM=PD
R BOTTOMに対応して前記較正テーブルから得られる前記電極振幅ペアの下限値
【0094】
図12aを参照すると、当該好適な実施形態において、パルスの幅および周波数は所与の患者について一定に保たれ、前記左右電極の振幅のみ変更される。一代替実施形態では、工程150が実施され、電極ごとに前記較正テーブルに格納された較正値に基づいてパルス幅およびパルス周波数が変更される。
【0095】
以下、
図13aおよび13bを参照して、前記SCS刺激装置を較正する方法を説明する。
【0096】
図13a、11a、および11cを参照すると、前記プロセッサは、較正制御プログラムによる要求を受けた時点で、較正方法300の工程を実行するようにプログラムされる。工程520では、A
LおよびA
Rのレベルがそれぞれの所定範囲の最小値に設定される。工程525では、前記パルス発生器が、前記CPUにより、それぞれA
LおよびA
Rの最小レベルで前記左右電極の各々にパルス列を送信するよう指示される。工程530では、患者からのしびれ知覚フィードバックが求められる。
【0097】
前記患者のフィードバックに基づくとしびれのレベルが最適でない場合は、当該方法が工程532へ進む。工程532では、前記プロセッサが前記入出力装置を監視し、A
L、A
R、またはA
LおよびA
Rの双方を調整する必要があるか、またはしびれのレベルが十分かを決定する。A
Lを現在のレベルから増加または減少させる必要がある場合は、工程533でA
Lの値が離散量だけ調整される。A
Lのレベルが最大または最小のレベルにある場合は、工程534で前記較正およびプログラミングユニットによりアラートが発せられる。A
Rを現在のレベルから増加または減少させる必要がある場合は、工程535でA
Rの値が離散量だけ調整される。A
Rのレベルが最大または最小のレベルにある場合は、工程536で前記較正およびプログラミングユニットによりアラートが発せられる。工程534および工程536の前記アラートは、視覚的に示しても、音声で示しても、または視覚および音声の双方で示してもよい。
【0098】
調整後は、前記工程525が繰り返され、新たなレベルのA
LおよびA
Rでパルス列が各電極に送達される。工程530では、患者のしびれフィードバックが再び求められる。前記患者のフィードバックによるとまだしびれのレベルが最適でない場合は、当該方法が必要に応じて工程533、534、535、および536を繰り返す。工程532において、前記患者フィードバックに基づきしびれのレベルが十分と判断された場合は、当該方法が工程538へ進む。
【0099】
工程538では、前記CPUが値A
Lを格納する。工程539では、前記CPUが値A
Rを格納する。工程540では、前記CPUが前記左側の光検出器からの電流P
Lを表す光信号フィードバックを前記光信号処理装置から測定する。工程550では、前記CPUが前記右側の光検出器からの電流P
Rを表す光フィードバック信号を前記光信号処理装置から測定する。工程560および565では、前記CPUが前記較正テーブルにP
LおよびP
Rを格納する。工程570では、制御を前記較正制御プログラムに戻すことにより、当該較正方法の工程が完了する。
【0100】
図13bおよび11cを参照すると、較正ユニット54の前記プロセッサは、さらに、患者の物理的動きと連携して以下の較正制御プログラム400用の方法工程を実行するようにプログラムされる。
【0101】
工程350では、RF送受信機1002が、患者を腹臥位へ動かす要求を示す信号を受信し、これをプロセッサ1000に渡す。工程352では、患者が腹臥位にされる。較正方法300は、
図13aで説明したように、患者が感じるしびれのレベルを最大限に伸ばすように実施される。
【0102】
工程360では、RF送受信機1002が、患者を右側臥位へ動かす要求を示す信号を受信し、これをプロセッサ1000に渡す。工程362では、患者が右側臥位にされる。次に較正方法300は、患者が感じるしびれのレベルを最適化するように実施される。
【0103】
工程370では、RF送受信機1002が、患者を臥位へ動かす要求を示す信号を受信し、これをプロセッサ1000に渡す。工程372では、患者が臥位にされる。次に較正方法300は、患者が感じるしびれのレベルを最適化するように実施される。
【0104】
工程380では、RF送受信機1002が、患者を左側臥位へ動かす要求を示す信号を受信し、これをプロセッサ1000に渡す。工程382では、患者が左側臥位にされる。次に較正方法300は、患者が感じるしびれのレベルを最適化するように実施される。
【0105】
工程380、382、および300の終了後、前記較正プログラムは完了する。
【0106】
較正プログラム400での患者体位の順序は、代替実施形態において変更可能である。代替実施形態では較正プログラム400に患者体位を加えることができ、例えば患者を時計回りに回転させて時計回りの体位に必要なしびれのレベルを較正することもできる。
【0107】
以下、
図13cおよび11bを参照して、前記SCSコントローラの種々の状態を説明する。状態505において、SCSコントローラ53は、待機態勢に入り、連続的にI/Oユニット906をポーリングする。信号を受信すると、プロセッサ900は実行状態507に入り、RF送受信機902に「実行」信号を送信する。次いでRF送受信機は、前記「実行」信号を追加動作のためPGSP 50に送信する。送信後、前記プロセッサは待機状態505に戻る。
【0108】
「停止」信号がI/O装置906から受信されると、信号はプロセッサ900によりRF送受信機902へ渡され、そこからPGSP 50に送信される。次に、前記プロセッサは待機状態505に戻る。
【0109】
工程511で「較正」信号がI/Oユニット906から受信されると、「較正」信号はプロセッサ900によりRF送受信機902へ渡され、そこからPGSP 50に送信される。次に、プロセッサ900は待機状態505に戻る。
【0110】
図14は、前記好適な実施形態用の較正テーブル1150を示したものである。各行には、患者の体位に関する最適な電極設定が、前記電極アセンブリの特定の電極ペアについて記録されている。較正テーブル1150は、7つの列、すなわち患者の体位識別子1152と、左側の光検出器値PD
L1154と、右側の光検出器値PD
R1156と、左側の電極刺激パルス振幅A
L1158と、右側の電極刺激パルス振幅A
R1160と、電極刺激パルス幅P
W1161と、電極パルス周波数P
f1162とを含む。
【0111】
好適な一実施形態における患者の体位識別子1152は、4つの体位、すなわち前(腹臥位−0°)と、右−90°と、後(仰臥位−180°)と、左−270°とを含む。テーブル1150の各行は、これら4つの患者体位の1つに関連付けられている。左側の電極刺激パルス振幅1158および右側の電極刺激パルス振幅1160は、較正中に導出される値であり、患者の体位に対応した異なる脊髄位置用に記録される。当該好適な実施形態において、前記左側の電極刺激パルス振幅1158および右側の電極刺激パルス振幅1160は、各前記電極に送達される刺激エネルギーに直接比例する。
【0112】
代替実施形態では、テーブル1150に行を追加できるよう、追加の物理的位置についても較正を行える。
【0113】
左側の光検出器値PD
L1154は、前記左側の光検出器で測定された強度である。右側の光検出器値PD
R1156は、前記右側の光検出器で測定された強度である。
【0114】
電極刺激パルスの幅1161および周波数1162は、それぞれ一定である。ただし、一代替実施形態では、較正中、所定の範囲で電極刺激パルス幅1161および電極パルス周波数1162が変更され、各患者体位について記録される。
【0115】
図12aの方法80は、1より多くの光検出器ペアを含むSCS電極アセンブリに拡張できる。刺激エネルギーは、前記SCS電極アセンブリの諸セクターにより画成される異なる脊髄領域で送達可能である。
【0116】
本発明を実現する実施形態は他にも種々存在する。前記発光部は、前記電極アレイに埋め込んだIR発光ダイオードであってよく、あるいは、前記IR発光ダイオードを前記発生器装置に搭載し、光ファイバーケーブルを通じて前記刺激装置の電極アレイに連結してもよい。
【0117】
以上、具体的な実施形態を例にとり本発明を説明したが、本開示を当業者が参照した場合、本開示の範囲を逸脱しない範囲で、本発明の変形形態が多数可能になることが理解されるであろう。そのため、本発明は広義に解釈すべきであり、本開示に添付する請求項の要旨にのみ限定されるべきである。