(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
レンズ(3)およびミラー(5)は、第3の明瞭な縁すなわち各帯の水平下縁を付与するように計算され、一方で、上縁はぼかされることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の照明モジュール。
不透明な隔壁(9)が、ミラー、レンズ、および発光装置からなる2つの隣接アセンブリの間に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明装置。
ミラー(5)が、組み合わされるレンズ(3)の光軸(y−y)に直交する母線を有する円筒形であり、この母線が、水平であることを特徴とする請求項5に記載の照明モジュール。
ミラー(5)が、組み合わされるレンズ(3)の光軸(y−y)を通る垂直面では、組み合わされる発光装置(4)の前端(O)と、この光軸(y−y)の第1の点(F)との間で無収差であり、一方で、ミラー(5)は、この光軸(y−y)を通る水平面では、組み合わされる発光装置の前端(O)と、この光軸(y−y)の第2の点(F2)との間で無収差であることを特徴とする請求項8に記載の照明モジュール。
ミラー(5)は、発光装置(4)の後端を、このミラーによる発光装置の像の光軸(y−y)から離れた縁(I)に変換するように計算され、この離れた縁が、ぼやけた上縁であり、光軸が、組み合わされるレンズの光軸であることを特徴とする請求項8または9に記載の照明モジュール。
ミラーが、波形の下部を含み、この波形部は、振幅が1ミリメートル未満、周期が少なくともこの振幅の10倍であり、波形部の高さが、最大でも、このミラー(5)の全高の25%であることを特徴とする請求項10に記載の照明モジュール。
組み合わされるレンズ(3)が、回転凸型の出力面(3a)と、垂直母線を有する円筒形の入力面(3b)とを有することを特徴とする請求項1、8〜11のいずれか一項に記載の照明モジュール。
カットオフラインビーム(10)を有する主要光学系と、ハイビームを形成するためにカットオフライン(10)の上に並置される垂直帯(W1.1、W1.2…W6.1、W6.2)を生成する請求項1〜12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのモジュールとを含むことを特徴とする、道路用のビーム選択式ヘッドランプ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特に、垂直縁が明瞭であって、高さと幅を変更可能な垂直照明帯を得られるモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、少なくとも2つの発光装置と、ビームを形成するための光学系とを含む、自動車のヘッドランプのための照明モジュールにあり、
−発光装置が、間隔をあけられており、
−光学系が、各発光装置が少なくとも1つの異なるレンズに組み合わされるように配置された複数のレンズを含み、
−ミラーが、組み合わされる発光装置からレンズに向かって送られる光線を反射するように各レンズの後方に配置され、
−レンズとミラーが、組み合わされる各発光装置によって、所定の高さおよび幅の明瞭な垂直縁を有する光帯を発生するように計算されていることを特徴とする。
【0007】
このようにして、本発明による装置は、走行条件に応じて、非照明ゾーンと照明ゾーンとの間の垂直カットオフラインの明瞭性を得ながら、幾つかの光帯だけを消灯または点灯することによって光ビームを発生することができる。
【0008】
有利には、各発光装置が、組み合わされるレンズの光軸に対して横方向にオフセット可能にされている。これにより、本発明による装置が照明する道路に、より均質なビームを得ることができる。
【0009】
有利には、前記光帯が、垂直縁の間で均質な照明を有することができる。これにより、光帯を組み合わせて、特に横方向に光帯を分布することによって、均質な全体ビームを形成することができる。
【0010】
有利には、前記光帯の最大光度が、前記光帯の全体に対して光軸をずらされている。これにより、所定の方向に照明範囲を配置することができる。たとえば、装置が道路を照明する状況で取り付けられている場合、最大光度の光軸を下方にずらすことによって、得られるビームに対して水平線にいっそう近い範囲を与えることが有利である。
【0011】
有利な1つの実施形態によれば、発光装置がほぼ長方形である。
【0012】
ほぼ長方形とは、発光面が互いにほぼ直角をなす連続する3辺を有する発光装置を意味する。第4の辺は、直角をなさず、この第4の辺に向かい合った辺と平行でないようにすることができる。また、連続辺によって直角を形成することもできる。この第4の辺は、照明モジュールから送られるビームが、ハイビームを形成するためのロービームの相補的ビームであるとき、好適には、発光装置の後縁である。ほぼ正方形の発光装置は、ほぼ長方形の発光装置の定義に含まれる。これによって、本発明による光帯をいっそう容易に形成することができる。
【0013】
本出願において、照明モジュールとは、たとえばロービーム機能や、ハイビームタイプの照明を形成するためにロービーム照明機能を補完する相補的な照明機能など、所定の1つの機能を有する光ビームを発生する光源と光学系とのアセンブリを意味する。ビームは、それ自体が複数の基本ビームから構成可能にされている。
【0014】
好適には、レンズおよびミラーは、第3の明瞭な縁すなわち各帯の水平下縁を付与するように計算され、一方で、上縁はぼかされる。ぼやけた上縁は、たとえば、ハロゲン光源によって得られる従来のハイビームに近づくことができる。
【0015】
有利には、本発明による照明モジュールは、隣接する発光装置から送られる帯の垂直縁が並置されるビームを生成する。
【0016】
有利には、レンズおよびミラーが、各発光装置によって得られる光帯の歪形を生成するように計算される。特に、発光装置に組み合わされるレンズとミラーとのアセンブリは、生成する光帯を垂直に膨らませるように計算される。この変形実施形態により、垂直方向に光軸をずらされた、すなわち、この光帯の中心から離れた光度を有する光帯が得られる。好適には、最大光度が、光帯の下方に向かって配置される。
【0017】
好適には、不透明な隔壁が、ミラー、レンズ、および発光装置からなる2つの隣接アセンブリの間に設けられている。これによって、妨害ビームの形成を回避することができ、隔壁は、一方のアセンブリから他方のアセンブリに向かう直接光線または反射光線を吸収する。変形実施形態によれば、発光装置から送られてミラーに当たらずにレンズに直接到達する光線をブロックすることをめざす直接光の遮蔽板が、同様に、ミラー、レンズ、および発光装置からなる各アセンブリの内部に設けられる。
【0018】
本発明は、ほぼ長方形の発光装置から送られる各光帯に対して、好適には2つの垂直縁と1つの下縁との3つの明瞭な縁と、それよりもぼやけていて最大光度の光軸が中心からずらされている1つの上縁とを得ることができる。これらの縁は、中央帯および側面帯に対しては無差別に明瞭である。
【0019】
上記の結果は、こうしたすべての発光装置に共通な単一の投光システムにそれぞれ組み合わされる、間隔をあけた長方形の発光装置を検討することによってのみ得られる。その理由は次のとおりである。
−さもなければ、像が明瞭になるので、接合していない光帯で垂直分離部が明瞭になり、4つの縁が明瞭になることが考えられる。
−あるいは、すべてがぼやけ、すべての縁がぼやけてしまう。
【0020】
いずれの場合にも、発光装置を検討する場合、投光システムの複雑性および寸法の観点からフィールド収差を下げることが非常にコスト高になるので、側面帯が中央帯よりもぼやけてしまう。
【0021】
好適には、発光装置が、発光ダイオードすなわちDEL(英語ではLED)の半導体素子であり、この半導体素子は、電圧を印加されると発光する。この半導体素子は、チップと呼ばれる。
【0022】
変形実施形態によれば、発光装置が、少なくとも1つの方向に並べた複数チップのマトリクスから形成可能にされており、隣接するチップが、光を送らないゾーンにより分離される。
【0023】
1つの実施形態によれば、チップのマトリクスが長方形を有し、長方形の長い方の方向にチップが並べられる。1つの実施形態によれば、完全な照明モジュールの光ビームの中心に近い基本光ビームを送る、レンズ、リフレクタ、および発光装置を組み合わせたアセンブリに対して、この長い方の方向が、対応する組み合わせレンズの光軸とアラインメントされる。それに対して、光ビームの両側に横方向に配置される基本ビームの場合、この長い方の方向が、対応する組み合わせレンズの光軸に直交する。
【0024】
好適には、ミラーが、組み合わされるレンズの光軸に直交する母線を有する円筒形であり、この母線が、一般には水平である。この光軸を通る垂直面では、ミラーが、組み合わされる発光装置の前端と、この光軸の第1の点Fとの間で
無収差であり、一方で、この光軸を通る水平面では、組み合わされる発光装置の前端と、この光軸の第2の点F2との間で
無収差である。
【0025】
有利には、ミラーは、発光装置の後縁を、このミラーによる発光装置の像の光軸から離れた縁に変換するように計算され、この離れた縁が、ぼやけた上縁であり、光軸が、組み合わされるレンズの光軸である。
【0026】
好適な1つの実施形態によれば、ミラーが、波形の下部を含み、この波形部は、振幅が1ミリメートル未満で好適には0.3ミリメートル未満であり、周期が少なくともこの振幅の10倍であって、波形部の高さが、最大でも、このミラーの全高の25%である。高さとは、垂直軸に沿って考慮された素子について測定された距離を意味する。
【0027】
1つの実施形態によれば、組み合わされるレンズが、回転凸型の出力面と、垂直母線を有する円筒形の入力面とを有する。本出願において、組み合わされるレンズという表現は、発光装置/リフレクタ/レンズからなるアセンブリのレンズを意味する。
【0028】
好適には、
−組み合わされるレンズが、光軸を通る垂直面による断面において、第1の点Fと無限遠との間で
無収差である。
−このレンズは、光軸を通る水平面による断面において、第2の点F2と無限遠との間で
無収差である。
【0029】
本発明は、また、カットオフラインビームを有する主要光学系と、ハイビームを形成するためにカットオフラインの上に並置される垂直帯を生成する少なくとも1つの上記のようなモジュールとを含むことを特徴とする、道路用のビーム選択式ヘッドランプに関する。長方形の発光装置から送られる光帯の各々が、3つの明瞭な縁すなわち2つの垂直な縁と1つの下方の縁とを有している場合、カットオフラインビームと、ハイビームを形成するための光帯からなるビームとのこのような重ね合わせによって、光帯からなるビームの点灯時にカットオフラインビームに光を付加しすぎないようにされる。
【0030】
隣接する明瞭な垂直縁を一致させることによって得られる垂直帯の並置によって、帯の間で特に支障となる暗い垂直線をなくすことができる。
【0031】
有利には、ヘッドランプが、異なる高さおよび幅の光帯を与える、レンズ、ミラー、発光装置からなる複数のアセンブリを有する1つのモジュールを含み、従来のハイビームの容量を再現するために光帯が光軸から離れると光帯の高さが減少し、一方で光帯の幅は、光帯が光軸から離れると増加する。これによって、運転状況でのハイビームの特徴に悪影響を及ぼさずに、必要な光帯の数を最小化することができる。選択的なハイビームすなわちSHB(Selective High Beam)機能に対する要求の分析によれば、実際、ビームにおける光帯の寸法の離散化(discr・tisation)は、角度的に一定であってはならず、車両の長手方向の軸との角度差が増すときに、より広幅になることが望ましい。これにより、LEDの数と基本的な光帯の数を少なくするばかりでなく、車両の長手方向の軸との角度差が増すときに光度を減少することもできるので、従来のハイビームの光度特性が再現される。
【0032】
有利には、組み合わされる発光装置、リフレクタ、レンズからなる様々なアセンブリの光学的な設計パラメータを変えることによって、このような光帯の高さおよび幅の変更を、同じ発光装置で得られる。その結果、本発明による装置のコストが下がり、装置の実現が簡素化される。
【0033】
本発明は、上記の構成以外に幾つかの他の構成からなるが、それについては、添付図面を参照しながら記載された少しも限定的ではない実施形態に関して、より明確に以下に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、間隔をあけた少なくとも2つの長方形の発光装置から形成される光源によって、発光装置の間の垂直分離部がなくなるように並置された明瞭な垂直縁を有する光帯を得られるモジュールを提供することができる。さらに、垂直縁の間の照明が均質であること、最大エネルギゾーンが光帯の下部にあること、また、水平下縁が明瞭であることが望ましい。
【0036】
最適設計では、照明すべき光帯の(垂直および水平方向の)寸法が互いに異なる。
【0037】
従来の投光システムでは、異なる特徴の帯を形成するために、複数の焦点を有するだけでなく互いに異なる適切な寸法の個々の光源を有することが必要である。実際、焦点を合わせても光帯のアスペクト比(高さ/幅の比)を変えることはできないが、本発明によれば、発光装置のタイプを変える必要なしにこのような変更を行うことが望まれる。単一のマトリクス光源の場合、すなわち、発光装置が複数のチップを含む場合、光源の寸法を変えることからなる解決方法だけが唯一可能である。しかしながら、このような不規則な寸法を有する発光装置の光源は、(全く特殊であって他の用途を容易には見出せないので)簡単には入手できない。そのため、各光帯に対して複数の発光装置を点灯することにより所望の発光形態に近いものにできるように、(マトリクス状の)多数の小型発光装置を有する光源を有することが必要不可欠である。その場合、幾つかの発光装置は不要であり、あるいは、所望のビーム形態への近似が概算で行われる。実際には、現時点で、単に数十個の発光装置を有する光源でみられるのは、このようなケースである。
【0038】
多数の投光システムの場合、さまざまな焦点を使用することが可能である。しかし、簡単な投光システムでは、形成される光帯のアスペクト比を変えることはできず、利用可能なLEDに応じて(特に色の均質性を理由として適切な種類の中から選択することが必要である)、ごくわずかな数のアスペクト比だけが考えられる。経済的には望ましいことであるが、すべての装置に対して同じLEDを使用することは不可能である。
【0039】
側面縁のみ、また、好適には下方の縁も、非常に明瞭でなければならないが、(長方形または正方形と仮定される)発光装置の像の良好な明瞭性と形態とを得るには、高性能の光学系が必要不可欠である。
【0040】
図3は、本発明に従って、上記の要求事項を満たすレンズ、リフレクタ、発光装置からなるアセンブリNの一部を示す、概略的な軸方向垂直断面図である。
【0041】
本発明によれば、上縁はぼやけていてもよく、これは、従来のハイビームに近づけるために望まれる。さらに、イメージ投光システムでは、基本ビームの中心に向かって最大光度を配置するが、最大光度は、基本ビームの下方に向けて配置することが望ましい。
【0042】
この
図3では、照明モジュールの要素として、基本ビームを生じるアセンブリNだけを示した。このアセンブリは、長方形の発光装置4に組み合わされるレンズ3を含む。発光装置4は、レンズの光軸y−yに対して距離hだけ横方向にオフセットされている。
【0043】
ミラーまたはリフレクタ5は、凹面で示されているが、特に平面または凸面のような異なるものにしてもよく、(光の投影方向から見て)レンズの後方に配置され、発光装置4から送られる光線をレンズ3に向かって反射するようにしている。
【0044】
レンズ3とミラー5は、後で詳しく説明するように、光軸をずらして下方にオフセットされる最大光度で所定の高さと幅の明瞭な垂直縁を有する光帯を発生するように計算される。好適には、下方の縁が同様に明瞭であり、上方の縁が、それよりもぼやけている。さらに、垂直縁の間では照明が均質である。
【0045】
長方形の発光装置4は、レンズ3の軸y−yに平行に配置され、軸y−yに平行な寸法Lsを有する。発光装置4の前縁は、レンズ3の後方の距離ρのところに配置される。レンズ3の垂直断面の焦点Fは、レンズ後方の距離fのところに配置される。
【0046】
距離ρと高さhは、設計上のパラメータであり、距離fは中間値であって、最初から分かっているものとみなす(fは、この構成では、直径Dおよび焦点Fの
無収差レンズと仮定されるレンズの焦点に対応する)。垂直帯を得るために、光帯すなわち、照明モジュールにより発生するビームの中心付近にある基本ビームを生じるアセンブリNの、複数のチップを並べた長方形の発光装置の場合、Lsは、一般に、発光装置の長い方の寸法に対応する。照明モジュールが車両に取り付けられる場合、この基本ビームが、車両の長手方向の軸の付近に配置されるビームに対応する。
【0047】
レンズ3の光軸y−yを通る垂直面による凹型ミラー5の断面を
図3に示した。ミラー5の断面と光軸y−yとの交点をPで示す。
【0048】
最初に、交点Pが、公知の任意の1点であるとみなす。発光装置4の前縁に配置される点Oは、基準座標系の原点である。
図3の面における1つの点の座標は、原点Oを起点として、光軸y−yに平行な軸に沿って横座標で、光軸y−yに垂直な軸z−zに沿って縦座標で表わされる。
【0049】
図3では、原点Oと焦点Fとの間で
無収差である、交点Pを通るリフレクタ5の表面の断面が構成されている(焦点Fは、原点Oの仮想像である)。交点Pと焦点Fの座標は、次のようになる。
【0050】
光路は一定であって、原点Oと焦点Fとの間でKに等しく、これを次のように表わす。
【数3】
【0051】
Mは、
図3の面におけるリフレクタ5の断面の座標y、zの現行の点である。
【数4】
K’=K
2+h
2+(f−ρ)
2と仮定すると、
以下が得られる。
【数5】
これは、
図3の面におけるリフレクタ5の断面を示す等式であり、y(z)は、等式(A)を満たす唯一の解に対応する。
図3の面におけるリフレクタの有効端を以下により決定する。
【数6】
これは、z軸における等式である。
【0052】
さらに、点Pにおいて、リフレクタによる発光装置の(レンズ3から最も遠い)端Xの像Iがレンズの焦点面で占有する位置を計算し、あるいは、その逆に、この像が以下のような疑似倍率G等になるようにするための点Pを見つけることができる。
【数7】
は、所定値を有する。
→
すなわちn
pは、点Pにおけるリフレクタ5の法線である。
n
p→は、FP→/FP−OP→/OPと同一直線上にあり、n
p→はIP→/IP−XP→/xpと同一直線上にある。
すなわち、点PにおいてFIで想像されるOXは、次のようになる。
【数8】
(y
pにおける等式)
【0053】
原点Oから出て交点Pでリフレクタ5に達する光線の支持体は、反射後、焦点Fを通過し、Xから出て交点Pでリフレクタ5に達する光線の支持体は、反射後、点Iを通過する。
【0054】
図3に示したように、原点Oを出て任意の1点Mでリフレクタ5に到達する光線のすべての支持体は、反射後、点Fを通る。
【0055】
この実施例では、リフレクタ5が、光軸y−yに直交する水平母線を有する、水平軸を持つ円筒形である。リフレクタ5は、原点Oと焦点Fの間で
無収差リフレクタの
図3の垂直面における(上記で計算した)軌跡を断面として許容する。次に、水平面における交点Pの付近で円筒リフレクタ5の挙動を検討する。すなわち、交点Pを通り、実際のミラーと同じ法線を有する平面リフレクタを考慮することによって、このような水平面において発光装置4の原点Oの像F2を計算する(交点Pにおける法線は、
図4に垂直面で示された構成により決定され、画像は、仮定される平面ミラーに関しては対称により得られる)。
【0056】
その場合、実際の出力レンズ3について、
無収差になるように構成する。
−焦点Fと、垂直断面における無限遠との間(
図3)では、焦点Fから出ているように思われる光線が、レンズの光軸y−yに平行にレンズから出る。
−F2と、水平断面における無限遠との間(
図5)では、F2から出ていると思われる水平面の光線が、この光軸y−yにほぼ平行である。
【0057】
限定的ではない例によれば、最初に、光軸y−yに直交する平面入力面と、回転凸型の出力面3aとを有する焦点Fの(回転)凸面
無収差レンズを計算する。
【0058】
次いで、所望の水平断面3b(
図5)を計算し、出力面3aは、上記の結果により課される。
図5に示したように、レンズ3の光軸y−yを通る水平断面において、点F2から出ていると思われる光線は、実際のレンズ3から光軸y−yに平行に出ている。なぜなら、レンズ3は、F2と、水平面の無限遠との間で
無収差であるからである。
【0059】
その場合、レンズの実際の入力面3bは、上記で計算した断面を有する垂直軸を持つ円筒形である。光軸y−yを通る部分垂直断面を
図6aに示した。円筒面3bの断面は、垂直母線である。
【0060】
結果は、中心e
p(
図6a)の厚さに依存するので、縁で厚さを決めることにより(この厚さは、部品の実際の構成を考慮することにより課される)、この任意の値を除去する。
【0061】
nとは、レンズの材料の屈折率である。iとは(
図6a)、入力面3bで焦点Fから送られる光線の入射角度である。rとは、レンズ3の材料における屈折角である。λとは、光軸y−yに平行に出るまでレンズの材料内で屈折される光線の軌道の長さである。面3bにおける光線の入射点Cの座標は、z
cにより表わされる。その場合、次のように関係式を表わすことができる。
【数13】
【0062】
レンズは、焦点Fと無限遠との間で
無収差であるので、焦点Fから出てレンズに出現する光線に対応する波面は、実際には、光軸y−yに直交する面である。特に、これらの波面の1つ(S)を考慮する。
【0063】
光路は、焦点Fから出て波面(S)に達するすべての光線に沿って一定である。
【数14】
【0064】
Q
vは、考慮された光線に対するレンズの出力点である。
【数15】
【0065】
従って、垂直面では、点Q
vでレンズから出て光軸y−yに平行な光線が、この光軸から一定の距離(h+z
c+λsin r)だけ離れている。
【0066】
上記の面で計算される入力面は、
図6bに示したように水平面で湾曲しており、点F2は、異なるパラメータに対して、
図5の位置とは異なる位置を占有している。
水平面では、光軸y−yに平行で、この光軸から上記の
図6aと同じ距離(h+z
c+λsin r)だけ離れている光線を同様に考慮する。この光線に沿って選択されたレンズの出力面に配置される点をQ
hとし、対応する入力点をEとする。光線が光軸y−yに平行に出るまでEとQ
hとの間でレンズの材料内で屈折する光線の軌道の長さをμで示す。さらに、点Q
hにおける材料内の屈折角は、Q
vに対する場合と同様であり、すなわちrである。
【数16】
【0067】
レンズは、F2と無限遠との間で無点非収差であるので、光路は、F2を出て波面(S)に達するすべての光線に沿って一定である。
【数17】
【0068】
これは、軌道の長さμの二次方程式である。
【0069】
最小の厚さは、縦座標の一点x
E=D/2にある。このような最小の厚さが決められると、等式は、e
pにおける1つの式になる。
【0070】
あとは、中間値fとGを決定するだけである。
【0071】
投影に対して望まれる垂直角度の寸法γ(
図3)と水平角度の寸法η(
図5)とを決定する。
【数18】
【0072】
ここで、h
sは、光学系の光軸に垂直な軸に沿った発光装置の側面である。
【数19】
【0073】
ここで、第2の項(γとηとの選択により決定されるので、設計パラメータとみなすことができる)は、光学系により実施される垂直変形δである。
【0074】
ところで、y
F2は、同様にG、f、および設計上の複数パラメータにのみ依存するy
pの関数である。従って、関数G(f)を(数的に)証明することができる。
【0075】
上記の等式(*)は、その場合、数的に解かれるfの式である。
【0076】
最後に、設計上のパラメータは、h、ρ、D、γ、ηである。L
sとh
sは、発光装置または光源4の選択を介して決定され、n(屈折率)は、レンズ3の材料選択を介して決定される。
(光学系の実施形態)
【0077】
角度幅η=1度の照明帯W(
図7)を得ようとしている。対応する光学系S1(
図9)は、寸法約5mm×1mmの「LED multichip」(マルチチップ)タイプの長方形の発光装置4.1を含んでおり、光学系は、直径40mmの視表面を有するレンズ3.1に対して寸法決定されている。
【0078】
光源から送られて、中間ミラーに当たらずに出力レンズに向けて配向される光線をブロックすることをめざした直接光の遮光板8.1が、有利には設けられることに留意されたい。
【0079】
さらに、(長方形の発光装置自体から直接送られるのではなくチップの周囲に配置された非発光素子から送られる)あまりに多くの妨害光が、照明帯の周囲に拡散される光輪(halo)を発生しながら照明帯の側面縁の明瞭性を損なう場合、LEDの出力で付加的な遮光板を使用することが望ましいことがある(直接光の必要不可欠な遮光板8.1に内蔵されると仮定することができる)。
【0080】
図1を参照すると、長方形の発光装置が、5つの正方形のチップを並べた1列を含むLED(発光ダイオード)から構成されており、この発光装置からなる光源から送られて、従来のイメージ投光システムで得られる像から形成される垂直光帯をみることができる。
図1に示された像は、たとえば、発光装置、リフレクタ、レンズからなるアセンブリにより形成される基本照明ビームを、このアセンブリに直交して配置されたスクリーンに投影したものである。チップの大きさは、1mm×1mmとすることができる。チップの像は、垂直軸Vに沿って垂直にアラインメントされている。チップの間に存在する分離部は、低照明ゾーン1の形態をとる像内にあり、さまざまなチップの像を分離する。最大光度は、1つのチップの各像に対して、ほぼ点であるゾーン2のレベルにある。5つのチップを有するLEDの図は、
図1と同様であり、分離部は、ゾーン1に対応する光を放出しない。
図2のグラフでは、横座標(V)に示された像内のある1点の高さに応じて、縦座標(E)に示された光エネルギを示しており、分離部1に対応するエネルギ中空部1aと、最大値2に対応するピーク2aとが見られる。
【0081】
それに対して、
図7は、本発明によるミラー、レンズ、発光装置のアセンブリS1により得られる垂直光帯を示し、
図8は、右から左に向かって増加する横座標Vに示された垂直方向に沿って、光帯における光エネルギ分布を縦座標Eに示している。各チップの間の分離部は、光帯からなくなっている。光帯Wの垂直縁は明瞭である。光帯は、高さVa.1とVb.1との間に分布されている。下方の縁も同様に明瞭である。
図8のピーク2.a.1により示されているエネルギE
maxの最大ゾーンは、光帯の下部に配置されている。
【0082】
図9に示されているように、1つのモジュールは、長方形の発光装置4.2、ミラー5.2、およびレンズ3.2の組み合わせによる少なくとも1つの第2のアセンブリと、直接光の遮光板8.2とを含む。隣接する発光装置間の干渉を回避するために、不透明な隔壁9が、同一モジュールの2つの隣接アセンブリの間で、たとえば垂直面に設けられる。各発光装置4.1、4.2から送られる光帯は並置される。
【0083】
本発明による1つのモジュールのアセンブリNによって、光帯Wの下方に最大光度E
maxを配置すると同時に、ビームの「下方のカットオフライン」を上げながら離隔するにつれて(
図8の右から左にE
maxからVb.1に向かって移動する)、光度を徐々に下げることができる。
【0084】
本発明に記載された光学系のこのような特徴は、厚さを顕著に増すことなく、下部ビーム(たとえばロービーム)への「ボリューム」の付加を優先しており、これは、ハイビームに対して望ましい。
【0085】
同様に、アセンブリ(特に焦点)の設計パラメータを変えることによって、照明される他の光帯W2.1、W2.2、W3.1、W3.2、W4.1、W4.2(
図10a)が得られる。この用途では、ハイビームタイプの分布を得ようとしているので、連続する光の像(または光帯)の高さが、好適には、車両の軸から離れれば離れるほど徐々に減少する。実際には、最も中央の光帯の角度高さは、(ヘッドランプの出力で)8ルクスのレベルが垂直方向に最小でも約6度の角度高さに配置されるように調節されるが、これは、ハイビームに対して望まれる「ボリューム」に関して自動車メーカーの仕様書に適合させることをめざす一般的な推奨事項である。そのため、隣接する光帯の高さは低くされ、一方で、光帯の幅は、最も中央にある光帯の幅に等しいか、それよりも太くされる。従って、垂直縁の明瞭性により、
図7で提案されているように、最も中央の像に対する最低幅がたとえば1度の、本発明により得られる連続光帯を並置することができる。
【0086】
本発明に記載された計算方法によれば、幅が1度よりもずっと狭い光帯を得ることが容易であるとしても、選択的照明システムの解像度を増すというこの選択は、実際には常に望ましいとは限らない。事実、通常のハイビームの全体幅に匹敵するビームの全体幅を発生するには、非常に多数のサブシステム(従って光源)を用いなければならない。この機能のコストは、こうした機能に対して実際に利用可能なヘッドランプの容積への組み込みが必然的に困難である問題は別としても、著しく高くなる。これらの2つの制約を考慮した場合、たとえば装置の製造コストを下げるために、実際には、連続する光帯の個々の幅と光帯の総数とを調節することにより、同様にハイビームのために望まれる「ボリューム」に関する通常の仕様書に従って、8ルクスのレベルに対して最小でも約±10度に等しい角度幅の水平範囲をカバーするようにする。
【0087】
図10bに示されたアセンブリまたは光学系S1…S4は、
図10aのビームを生成するために使用されるものである。これらの光学アセンブリは、同一照明モジュールの一部をなす。
図10bでは、発光装置、リフレクタ、レンズからなるアセンブリの間の分離隔壁9等(
図9)は、簡素化のために示されていない。中央ビーム(開放度1度)のためのアセンブリS1は、
図10aの光帯Wに対応する。レンズ3.2、ミラー5.2、および発光装置4.1と同様の発光装置4.2からなるアセンブリS2は、中央ビームを取り巻くビームW2.1およびW2.2に対応する。最も縁にあるアセンブリS4(開放度2度)は、帯W4.1、W4.2に対応する。
【0088】
同じ発光装置であるが、幅が著しく異なるビームを発生する発光装置を光源として用いる本発明による2つのアセンブリまたはシステムは、論理的には、特にパラメータhおよびρに対して、寸法もまた著しく異なる。1つの同じ平面ですべて同じ光源を保持するという制約が加わった場合、垂直軸と、光軸y−yに平行な車両の軸(従って、特にヘッドランプにおける深度)とに沿ってサブシステムを相対的に配置しなければならないが、これは可能ではあっても、ヘッドランプのスタイルに対して提供されるフレキシビリティが少ない。1つの妥協策は、少なくとも2つのタイプの光源を使用して、ヘッドランプ内部の構成の十分なフレキシビリティを可能にしながらLEDを同一平面上に有するような、本発明に従って実現されるサブシステム群を形成することにある。
【0089】
図3の2に示された変形実施形態によれば、発光装置4に組み合わされるミラー5が、
図3の2では交点Pの下に示された波形の下部を有する。波形部の振幅は1ミリメートル未満であり、周期は、少なくともこの振幅の10倍より大きく、波形部分の高さは、最大でも、このミラー3の全高の25パーセントである。振幅は、基準平滑面に対する最大差Δに対応する。
【0090】
図3の2に示された実施例では、変調周期が2ミリメートルであり、基準平滑面との最大差Δが0.03ミリメートルである。変調振幅は、ここでは、次の形状をとる減衰正弦波として変化する。
A.exp(−k.z).sin(z/L)
【0091】
ここで、zは、ミラーにおける高度(変数)である。
【0092】
A、kおよびLは定数である(変調パラメータ)。
【0093】
図3の2では、図を明確にするという配慮から、基準平滑面における差Δが、図で見てとれるように約150倍にされている。他の素子は、
図3に対して変更がないので、ここでは、それらの説明を省く。
【0094】
ミラー上のこの波形によって、光帯を変調することができる。この変調を
図7の2と
図8の2に示した。
図7の2は、
図3の2に示したような波形部分を有するミラーを備えた、ミラー、レンズ、発光装置からなるアセンブリS1によって得られる垂直光帯W’を示している。
図8の2は、右から左に向かって増加する横座標Vに示された垂直方向に沿って、光帯における光エネルギ分布を縦座標Eに示している。波形部分のない実施形態における垂直光帯と光帯の光エネルギ分布とをそれぞれ示す
図7および
図8との比較を可能にするために、これらの図のいくつかの基準を
図7の2と、
図8の2に転記している。光帯W’は、実線で示された等ルクスの曲線が示す集中光ゾーンと、その周囲の破線で示された拡散ゾーンとを有する。
【0095】
図からわかるように、光帯における最大のE’
maxの光度と配置は、この波形の影響をほとんど受けていない。
図8の2がわずかに上方にオフセットされており、波形部のないミラーの光度ピークの位置2a.1に比べて、光度がやや減少していることに気づく。
【0096】
一般に、ミラーが波形部を有するとき、光帯W’における最大光度点E’
maxの光度の低下は、10%未満であり、好適には5%未満である。同様に、この点E’
maxの位置のオフセットは1度未満であり、好適には0.5度未満である。
【0097】
同様に、光帯W’の低い方の高さVa’1は、
図7に示された光帯Wの下方の高さVa.1に比べて下方にややオフセットされている。そのため、光帯W’の下方の縁が比較的明瞭なままである。明瞭性の下降は、有利には、光帯が、ハイビームを形成するためにロービームを補完するときに使用される。同様に、光帯は、幅方向には拡散されない。従って、光帯の垂直縁は明瞭なままである。
【0098】
それに対して、光帯W’の上方の高さVb’.1は、
図7に示された光帯Wの上方の高さVb.1に比べて著しく上方に拡散されている。これにより、上方に向かって光帯をより段階的に減衰し、上縁に向かって弱めることができる。そのため、光帯の全体がロービームに重ねられる場合、それによって生じるハイビームは、放電ランプで得られる従来のハイビームにいっそう近いものになる。
【0099】
これは、ミラーの波形部が下部に配置されているので、光源に最も近いミラーの部分が発生する大きい像を広げることができるためである。波形部の上に配置される非波形部は、最大光度の周囲にいっそう集中される、いっそう小さい像を発生する。これらの、より小さい像は拡散されない。そのため、光帯の最大部の配置と光度はほとんど影響を受けない。
【0100】
図11は、本発明による右側のヘッドランプ6の概略的な正面図であり、たとえばロービームヘッドランプ等のカットオフラインを有する主要ビームを与える光学系からなる基本素子7を含み、また、車両の長手方向の軸に向かって内側には、
図9と同様の垂直帯を付与可能なミラー、レンズ、発光装置からなる複数のアセンブリNを含む照明モジュールMoとを含んでいる。各帯の主要部分は、選択的なハイビームを付与するために主要ビームのカットオフラインの上に配置されている。さらに、他のドライバに対して支障となる可能性のある光帯の自動消灯手段(図示せず)が設けられている。
【0101】
図12は、本発明による車両の左側のヘッドランプが垂直スクリーンを照明したところを概略的に示している。このヘッドランプは、水平カットオフラインビーム10を付与する基本光学系と、車両の長手方向の軸に平行な、ヘッドランプの光軸(目盛0°)を通る垂直面の両側に同数で(6個−6個)分配された、本発明によるミラー、レンズ、発光装置からなる12個のアセンブリを有する1つのモジュールとを含んでいる。
【0102】
ミラー、レンズ、発光装置からなる各アセンブリが発生する光帯は、長方形により概略的に示されており、長方形の下方の縁が、カットオフライン10のやや下方(高さ方向に約1度または2度下)にある。鉛直線0°の両側に配置される中央帯W1.1、W1.2は、角度幅1度に対して高さが最大になる。次の帯W2.1およびW2.2は、同じ1度の幅に対してそれよりも高さが低い。帯W3.1およびW3.2は、上記よりも高さが低く、角度幅は2度である。帯W4.1、W4.2は、上記よりも高さが低く、幅は3度である。帯W5.1、W5.2は、それよりもまだ高さが低く、幅は4度である。
【0103】
ビームにおいて幅10°と−10°との垂直限界は、たとえば8ルクスの最小照射に対応し、帯W5.1とW5.2において、0°の軸から離れた方の端に配置される。最後に、最終帯W6.1とW6.2は、4度よりも大きい幅を有し、高さは一段と低くなっている。
【0104】
比較のために、
図12ではさらに、上記の光帯の全体に重ね合わせて、従来のハイビームの等ルクス曲線を概略的に示し、カットオフライン10と垂直軸0°との交点ゾーンに最大照射が現れるところを示した。
【0105】
本発明によれば、アスペクト比を調整可能で、3つの明瞭な縁を有し、最大値が帯の下方に配置されるビームが得られる。ビームは、最適な形状にいっそう近く、必要な光源数を最小にしながら、1つまたは、場合によっては2つのタイプのLEDだけを使用可能である。ミラー5により保証される光線の反射によって、適合する光帯Wn(「ピクセル」とも呼ばれる)のための従来の画像システムと特に組み合わせて、システムの外形寸法を最適化することができる。