(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連絡部を形成している部分(BR)は、前記ロータ(11)の磁性体を形成している金属シートパケットの単一の金属シートの厚さの約1.5倍を超過する磁性体長さ(L)を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の回転電気機械。
前記連絡部を形成している部分(BR)は、前記ロータ(11)の外縁面より奥まって形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電気機械。
前記ロータ(11)は、前記第2のスロット(E3)の各々の両側のそれぞれに、前記ロータ(11)の慣性の低減に寄与し、かつ磁力線にほぼ並ぶように配置されている少なくとも1つの第3のスロット(E4)を有していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転電気機械。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照して、いくつかの実施形態に関する以下の説明を読むことによって、本発明の他の特性および利点が明らかになると思う。
【0020】
図1は、本発明による磁束弱め可能な回転電気機械の特定の一実施形態の構造を示している。この回転電気機械は、永久磁石が埋め込まれた、磁束収束タイプの回転電気機械であり、ステータ10およびロータ11を備えている。
【0021】
本発明による回転電気機械の一例は、例えば「マイルドハイブリッド」として知られているタイプの自動車に応用される、8〜10kWの出力の駆動エンジンである。この特定の一実施形態によれば、駆動エンジンは、60個のリセス101を有するステータ10と、総計10個の交互に配置されたN極とS極とを有するロータ11とを備えている。ロータ11は、約100mmの直径、および約50mmの軸方向の長さを有している。ロータ11は、長さ(L
25)×高さ(h
a)×幅(l
a)=50mm×25mm×5mmの寸法を有する、概ね矩形形状の10個の永久磁石PMを備えている。
【0022】
ステータ10およびロータ11は、従来どおりに、磁性体を形成している金属シートパケットを備えている。
【0023】
ステータ10のリセス101は、ステータ巻線(図示せず)を受容するために設けられており、隣接し合う2つのリセス101間には、ステータの歯が形成されている。リセス101は、実施形態に応じて、大きな歯上に巻かれる集中巻線、または分布巻線を受容するように形成されている。
【0024】
ロータ11は、多重に細裂したシリンダ状の全体形状を呈しており、各細裂部は、ロータの1つの磁極に相当している。
【0025】
磁束収束タイプのロータ構造が得られるように、永久磁石PMは放射状に配置されている。いくつかの実施形態において、永久磁石PMを、ロータ11の半径方向に関して、わずかにアンバランスに配置してもよい。永久磁石PMは、ネオジム・鉄・ボロン(NdFeB)系、サマリウム・鉄(SmFe)系、またはサマリウム・コバルト(SmCo)系などの希土類永久磁石、または焼結フェライトまたは接合フェライトから得られる永久磁石であることが好ましい。
【0026】
ロータ11の面端は開口しており、駆動シャフトAを受けるようになっている中心孔を有している。本発明においては、駆動シャフトAは、想定される応用に応じて、磁性体で作られていても、非磁性体で作られていてもよい。
【0027】
ロータ11は、さらに、磁極毎に反復して形成されており、概ねロータの全長にわたって軸方向に延びるスロットE1、E2、E3を有している。
【0028】
ロータ11の組み立てに寄与するように、スロットE1、E2、E3の形成されていない最後の金属シートを、ロータ11の両面端に設けてもよい。ロータ11の組み立てのために、さらに、金属シートパケットの端部にはんだ付け点(図示せず)が、また中心孔と平行に貫通連接棒(図示せず)が設けられている。貫通連接棒は、応用例に応じて、磁性体で作られている場合もあるし、非磁性体で作られている場合もある。ロータ11の金属シートパケットを貫通する貫通連接棒の通路として、スロットE3を用いることができると有利である。
【0029】
この特定の実施形態においては、スロットE1、E2、E3は、各々10個である。この数は、ロータ11の磁極の数N=10と一致している。
【0030】
次に、
図2および
図3も参照して、スロットE1、E2、E3について、詳細に説明する。
【0031】
スロットE1は、永久磁石PMのための、概ね長方形の受け部を形成している。スロットE1は、永久磁石PMによって完全には占められておらず、ロータ11の磁性体および永久磁石PM内の磁束の通路を制御するために、磁気抵抗および磁気障壁の機能を果たす、空いて残された部分を有している。
【0032】
スロットE1は、リセスE10を介して、ロータ11の外縁で開口している。リセスE10は、ロータ11の全長にわたって軸方向に延びており、したがって、隣接し合う2つの磁極を空間的に隔てている。したがって、隣接し合う2つの磁極に、それぞれ第1および第2の先端部B1、B2が形成されている。第1の先端部B1と第2の先端部B2とは、対向し合っており、永久磁石PMに及ぼされる遠心力の作用に対抗して、永久磁石PMを、その受け部に保持するように作られている。
【0033】
さらに、磁気抵抗空間E11が、永久磁石PMの上面と先端部B1、B2の下面との間に設けられている。この磁気抵抗空間E11は、スロットE1のうちの、永久磁石PMによって占められていない空き空間である。
【0034】
図3は、先端部B1およびB2の内部への、永久磁石PMの実装状態の詳細を示している。
図3におけるこの実装状態は、細片LMが設けられている、特定の一実施形態に対応している。
【0035】
細片LMは、永久磁石PMの上面と、先端部B1、B2の下面との間に配置されている。細片LMは、例えばガラス繊維樹脂中にエポキシ樹脂が充填されているタイプの充填プラスチック、複合材料、または変形可能な非磁性金属材料で作られている。この細片LMは、永久磁石PMの上面および先端部B1、B2に及ぼされる機械的作用を分散させ、また永久磁石PMのいかなる変位も、変形によって吸収する機能を有している。本発明の発明者によってなされた試験において、永久磁石PMに加えられる遠心力は、相当に大きくなることが示された。回転電気機械が超高回転速度に達すると、遠心力の効果によって、永久磁石PMは、ロータ11の回転軸(駆動シャフト)から遠ざかろうとし、先端部B1、B2は、ロータ11の外部に向かって変形する危険性が生じる。細片LMは、機械的応力の、先端部B1、B2間へのより良好な分散に寄与し、また永久磁石PMのいかなる変位も、変形によって吸収し、それによって、永久磁石PMの破損および/または先端部B1、B2の変形の危険性を減少させる。上述の試験において、このような機能を十分に果たすためには、細片LMは、少なくとも0.1mmの厚さを有することが望ましいことが示されている。
【0036】
本発明によれば、先端部B1、B2の下面は、永久磁石PMの上面に相対的に傾斜角αで傾斜している。応用例に応じて、例えばα=0.1〜15°の範囲の角度を有する面取りを行うことによって、この傾斜を得ることができる。
【0037】
図3に示すように、傾斜角αを有するこの面取りに関連して、半径Rの丸み付けによって、機械的な補強を行うことが好ましい。この丸み付けは、先端部B1、B2の面取りされた下面と、永久磁石PMの受け部の内壁を形成している、概ね半径方向に延びている対応する面との間でなされている。半径Rは、先端部B1、B2の深さL
Bの0.2〜0.9倍の範囲の値を有することが好ましい。例えば半径Rは、約0.5〜約1.5mmの範囲の値を有する。
図3に示すように、この実施形態においては、永久磁石PMの端部と、半径Rの丸み付け部とが接触しないように、永久磁石PMの上部に、面取り部CFまたはその均等物(丸み付け部)が形成されている。用語「面取り」は、丸み付けなどの均等物も包含するから、以下の説明および請求項においては、面取り部CFという言い方のみが用いられる。
【0038】
本発明の発明者によってなされた試験において、本発明が適用される種類の回転電気機械においては、0〜20000rpmの回転速度範囲において生じる遠心力に対して、上述の範囲の傾斜角αおよび半径Rで、最適な耐性が得られ、満足な結果が生じることが示された。
【0039】
細片LMは、機械的な力を、2つの先端部B1、B2に分散させ、またその厚さが十分に厚ければ、永久磁石PMの端部の面取りが不必要になる場合もある。
【0040】
リセスE10および磁気抵抗空間E11によって生み出される磁気抵抗によって、また後述する、永久磁石PMに生じる分極へのそれらの関与によって、端部における永久磁石PMの局所的減磁(消磁を含む)が防止されることに留意されたい。
【0041】
図2に、より詳細に示すように、スロットE1は、ロータ11の駆動シャフトの近傍の底部分に、磁気抵抗空間E12を有している。磁気抵抗空間E12は、この実施形態においては、永久磁石PMによって占められずに空いていて、空気で満たされており、磁気抵抗を生み出すことによって、永久磁石PMの局所的減磁を阻止している。
【0042】
スロットE2は、本質的に、ロータの中心部分を通る磁束、言い換えると、永久磁石PMの底部とロータの駆動シャフトAとの間の磁性体内の磁束の磁束弱め制御を行うための磁気抵抗および磁気障壁の機能を有している。これらのスロットE2は、この特定の実施形態においては、空気で満たされていることに注意されたい。応用例によっては、磁性材料、または低比透磁率を有する非磁性材料で、スロットE2が満たされる場合がある。
【0043】
スロットE3は、いくつかの機能を果たす。概括的に言うと、それらの機能は、本質的に、スロットE2と同様の、ロータの中心部分を通る磁束の磁束弱め制御、およびロータ11の慣性の低減に寄与することである。この実施形態において、リセスE10、磁気抵抗空間E11、E12、およびスロットE2と同様に、これらのスロットE3は、空気で満たされている。応用に応じて、低密度ではあるが、非磁性材料または磁性材料で、これらのスロットE3を満たす場合がある。
【0044】
この例においては、スロットE3は、連続する2つの永久磁石PMの間の中央に、かつ対称的な形状を呈し、ロータ11内に放射状に配置されているように示されているが、本発明の別の実施形態においては、スロットE3は、特にその上部において、永久磁石PMの間の中央に配置されていなくてもよく、また対称的な形状を呈していなくてもよいことに留意されたい。
【0045】
図2に詳細に示すように、符号E4を付されている別のスロットが、各磁極において、スロットE3の両側部に配置されている。スロットE4は、ロータ11の慣性の低減に寄与し、かつ永久磁石PMの磁束の通過を可能な限り妨害しないように、スロットE4間の磁力線に並ぶように配置されている。この実施形態においては、スロットE4は、スロットE3の各側方に2個ずつ存在する。より一般的には、スロットE4の数は、応用および利用可能領域に応じて変更することができる。スロットE4の数は、例えば1〜8個の範囲で変更することができるが、本発明のおいて、2個または3個が妥当である。
【0046】
さらに、金属シートを切るための実務的基準として、金属シートの厚さの、場合に応じて1〜2倍の材料幅が必要であることに注意されたい。このことは、言い換えると、例えばロータの隣接し合う2個のスロット間、またはスロットとロータの外縁との間に、単一の金属シートの厚さの少なくとも1〜2倍の材料幅がなければならないということを意味する。したがって、例えば厚さ0.35mmの金属シートの場合には、残されるべき最小材料幅は、0.35〜0.7mmの範囲にある。
【0047】
この実施形態においては、スロットE3は、上部台形部分E30および下部部分E31を有している。概括的に言うと、上部台形部分E30は、ロータ11の慣性を低減させることができる。しかしながら、上部台形部分E30は、アーマチュアの磁気反応に影響を与える。したがって、上部台形部分E30を、アーマチュアの制御に関与するような大きさにすることもできる。下部部分E31は、スロットE3のうちの、ロータ11の中心部分を通る磁束の磁束弱め制御に関与する部分である。下部部分E31は、磁気抵抗空間E12およびスロットE2と共同で、ロータ11の中心部分における磁力線の通過を制御することができる。
【0048】
本発明によれば、各磁極における磁力線の分散に関する研究から、下部部分E31およびスロットE2を定めることによって、最適の規模を有する磁束弱め磁気回路を得ることができる。この磁束弱め磁気回路は、ステータ巻線に短絡状態が出現した際に、永久磁石PMを囲むように磁束を通過させるような規模、すなわち、高速時に、永久磁石による磁束を打ち消すように、短絡電流に等しい最大電流がステータ巻線に注入されるような規模でなければならない。
【0049】
しかしながら、この磁束弱め磁気回路において、永久磁石PMの不可逆的な減磁を生じ得る、あまりにも大きな減磁場が永久磁石PMに出現することは防止されなければならない。したがって、永久磁石PMの適切な分極が得られるように、磁束弱め磁気回路を計算しなければならない。
【0050】
ステータ巻線が短絡状態にあるときの、永久磁石PMの周囲の等価磁気回路が、
図4に示されている。
【0051】
ステータ巻線が短絡状態にある場合には、永久磁石PMの磁力線LC(
図2に示されている)は、回転電気機械のステータを通過しない。したがって、これらの磁力線LCは、永久磁石PMの周囲に形成されている磁気回路の高い磁気抵抗R
h、および低い磁気抵抗R
b1およびR
b2によって閉じ込められる。
【0052】
高い磁気抵抗R
hは、先端部B1、B2、およびリセスE10を通る磁力線LCの通路の磁気抵抗である。低い磁気抵抗R
b1は、隣接し合う2つの磁極にわたって、永久磁石PMの底部の両側のスロットE2を通る磁力線LCの通路の磁気抵抗である。低い磁気抵抗R
b2は、隣接し合う2つの磁極にわたって、スロットE2とスロットE1の対向端との間の鉄の狭窄部Sを通る磁力線LCの通路の磁気抵抗である。
【0053】
先端部B1、B2によって形成されている狭窄部、および狭窄部Sは、いずれも飽和モードで機能する。
【0054】
図4に示すように、この等価磁気回路は、内部磁気抵抗R
aおよび磁気抵抗R
fに直列に接続された起磁力源F.M.Mを有している。磁気抵抗R
fは、並列に接続された3つの磁気抵抗R
h、R
b1、R
b2から成る回路に概ね等価な総合磁束弱め回路の磁気抵抗である。
【0055】
次に、
図5も参照しながら、ステータ巻線が短絡状態にあるときの永久磁石PMの機能について説明する。
【0056】
例えばNdFeB系の近年の永久磁石においては、磁化曲線は、
図5に示すように、概ね直線形状を呈している。この直線は、次の式によって表わされる。
B
a=μ
a・H
a+B
r (1)
この式において、B
aは、永久磁石PMの磁気誘導(磁束密度)であり、H
aは、永久磁石PMに印加される磁界であり、B
rは、永久磁石PMの残留磁気誘導であり、μ
aは、永久磁石PMの透磁率である。
【0057】
本発明の発明者によってなされた試験において、永久磁石PMの不可逆的な減磁を避けるためには、動作点Pを、次の式を満たすように定めることが望ましいことが示された。
B
a=B
r/λ (2)
この式において、λは、最小値λ
minと最大値λ
maxとの間の値を有する定数である。最小値λ
minおよび最大値λ
maxは、NdFeB系の永久磁石PMの場合には、次のように定められる。
λ
min=1.7
λ
max=2.5
【0058】
より一般的には、λは、永久磁石のタイプに応じて、1.3〜4の範囲の値を有する。
【0059】
λ=2に近い値が、ステータ巻線が短絡状態にあるときの永久磁石PMに対して、最も妥当であるように思われる。
【0060】
説明を簡単にするために、永久磁石PMの透磁率μ
aは、真空の絶対透磁率μ
0=4π・10
-7H/mにほぼ等しいと仮定する。
【0061】
永久磁石PMのような矩形形状の磁石の内部磁気抵抗は、近似的に次の式によって与えられる。
R
a=l
a/(μ
0・h
a・L
25) (3)
この式において、
図2に示すように、l
a、h
a、L
25は、それぞれ永久磁石PMの幅、高さ、長さである。
【0062】
永久磁石PMの究極の消磁を発生させる(磁気誘導を0にする)保磁力H
cは、第一近似として、次のように与えられる。
H
c=B
r/μ
a (4)
【0063】
永久磁石PMによって生じる磁束φ
aは、磁気誘導と断面積との積によって、すなわち次の式によって与えられる。
φ
a=B
a・L
25・h
a (5)
【0064】
磁束φ
aは、次の比からも与えられる。
φ
a=FMM/(R
a+R
f) (6)
【0065】
永久磁石PMの起磁力FMMは、第一近似として、次のように与えられる。
FMM=B
r・l
a/μ
a (7)
【0066】
式(5)、(6)、(7)から、次の式が得られる。
B
a・L
25・h
a=(B
r・l
a/μ
a)/(R
a+R
f) (8)
【0067】
式(8)から、次の式が得られる。
R
a+R
f=〔l
a/(μ
a・L
25・h
a)〕(B
r/B
a) (9)
【0068】
式(2)および式(3)を式(9)に代入することによって次の式が得られる。
R
a+R
f=R
a・λ (10)
【0069】
この式から、次の比が得られる。
R
f/R
a=λ−1 (11)
【0070】
λは、最小値λ
minと最大値λ
maxとの間になければならないから、次の不等式が得られる。
λ
min−1≦R
f/R
a≦λ
max−1 (12)
【0071】
λ
min=1.7およびλ
max=2.5であるNdFeB系の永久磁石PMの場合には、次の不等式が得られる。
0.7≦R
f/R
a≦1.5 (13)
【0072】
より一般的には、永久磁石のタイプに応じて、次の不等式が得られる。
0.3≦R
f/R
a≦3 (14)
【0073】
λ=2に対応するR
f/R
a=1を選択することが好ましい。
【0074】
本発明によれば、永久磁石の各タイプに対して、最小値λ
minおよび最大値λ
maxを決定することができる。したがって、回転電気機械のために選択された永久磁石PMの内部磁気抵抗R
aがわかれば、不等式(12)から、総合磁束弱め回路の磁気抵抗R
fを決定することができる。総合磁束弱め回路の磁気抵抗R
fの値が決定されると、所望の性能を得るように、総合磁束弱め回路の磁気抵抗R
fの、磁気抵抗R
h、R
b1、R
b2間への分配を最適化することができる。
【0075】
次に、
図6a、
図6b、
図7〜10を参照して、ロータ11の、スロットE3の両側の磁性体の連絡部を形成している部分BR(以下、単に連絡部分BRと呼ぶ)の最適化について説明する。
【0076】
本発明の発明者によってなされた試験によって、この連絡部分BRにおける、ロータの金属シートパケットの寸法が、一方では、ロータ11の慣性モーメントを低減させるために、他方では、回転電気機械に求められる最大トルクを得ることを確実にするために重要であることが示された。
【0077】
相異なる2つの実施形態を表わしている
図6aおよび
図6bに示すように、連絡部分BRの寸法は、その高さHおよび長さLによって定められる。
【0078】
このような連絡部分BRは、ロータ11の機械抵抗のために必要である。
図6aおよび
図6bの実施形態においては、スロットE3が、ロータ11の外縁面のいずれの点においても開口しないように、連絡部分BRは、ロータ11の軸方向の全長にわたって連続している。
図6bの実施形態においては、連絡部分BRは、ロータの外縁面から奥まっており、連絡部分BRの領域で、ステータ10とロータ11との間に、より広いギャップが得られている。本発明の図示しない実施形態において、例えば2つに1つの金属シートにおいて、スロットE3を、ロータ11の外縁面で外部に開口させることにより、連絡部分BRを不連続にすることができる。
【0079】
連絡部分BRが奥まっている
図6bの実施形態、および不連続な連絡部分BRを有する上述の実施形態は、起磁力の高調波成分を減少させることによって鉄損を低減させるために、いくつかの応用例において関心を引くものになり得ることに注意されたい。上述の実施形態において、
図1、
図6a、
図6bに示されている、ロータ11とステータ10との間の各ギャップも、起磁力の高調波成分の低減、したがって鉄損の低減に寄与する。
【0080】
連絡部分BRの高さHの関数としての、トルクCおよび慣性Iの曲線を表わしている
図7および
図8に示すように、本発明の発明者によってなされた試験によって、永久磁石PMの幅l
aのほぼ1倍(1×l
a)未満にとどまらなければならない、連絡部分BRの高さHにおいて、最大トルク(C
max)と最小慣性(I
min)との良好な兼ね合いが得られることが判明した。
【0081】
図7に示すように、最大トルク(C
max)は、(1×l
a)の高さHにおいて得られている。さらに、
図8も参照すると、高さHを、(1×l
a)を超えて増やしていくと、トルクの上昇を伴うことなく、慣性Iが増加するだけであることが明らかである。
【0082】
実務的な面において、上述の説明における、金属シートを切るための基準を考慮すると、連絡部分BRの高さHは、単一の金属シートの厚さのおよそ1倍と、永久磁石の幅l
aのおよそ1倍との間にある。したがって、例えば金属シートの厚さが0.35mmであり、永久磁石の幅が5mmである場合には、本発明による連絡部分BRの高さは、約0.35〜約5mmの範囲にある。
【0083】
図9および
図10は、連絡部分BRの長さLの関数としての、トルクCおよび慣性Iの曲線を示している。本発明の発明者によってなされた試験によって、最大トルクと最小慣性との間の性能の最良の兼ね合いが、永久磁石PMの幅l
aの約1.5倍(1.5×l
a)未満の、連絡部分BRの長さLにおいて得られることが示された。実務的な面において、連絡部分BRがとり得る最小の長さLは、金属シートの厚さの約1.5倍、すなわち、金属シートの厚さが0.35mmの場合には、約0.520mmになる。
【0084】
本明細書においては、特定の実施形態に関連付けて、本発明を説明している。本発明は、電気自動車およびハイブリッド自動車のための、電気駆動エンジンに特に好ましく適用しうる。しかしながら、本発明は、自動車分野以外の分野にも適用しうることは明白である。