(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961352
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ニードルアセンブリまたは医療用注射器と共に使用する皮膚係合部材
(51)【国際特許分類】
A61M 5/42 20060101AFI20160719BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20160719BHJP
A61M 5/158 20060101ALI20160719BHJP
A61M 25/02 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
A61M5/42 500
A61M5/32 510K
A61M5/32 530
A61M5/158 500H
A61M5/158 500N
A61M25/02 504
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-181546(P2011-181546)
(22)【出願日】2011年8月23日
(65)【公開番号】特開2012-71112(P2012-71112A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2014年5月13日
(31)【優先権主張番号】12/861,258
(32)【優先日】2010年8月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トッド ライアン アンドレオーニ
【審査官】
安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−341095(JP,A)
【文献】
特開2008−246190(JP,A)
【文献】
特表2007−511325(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第02463034(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/158− 5/42
A61M 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における注射部位周りの皮膚の初期炎症反応を最小限に抑えるために本体部材と、
該本体部材から延在する針と、該針の末端を選択的に覆うためのシールドであって該本体部材の末端に対し移動可能とされるシールドと、を含むニードルアセンブリまたは医療用注射器と共に使用するための皮膚係合部材であって、
本体と、
前記針による注射中、前記患者の皮膚に係合するための前記本体に画定される表面と、
前記針の貫通路を得るように構成される前記本体の中に形成された開口部と、
前記開口部の回りに相対回転可能に前記本体を前記シールドに対し回転自在に取り付けるための回転自在な取付用要素であって、該本体が前記シールドに対し軸線方向に固定される回転自在な取付用要素と、
を含む皮膚係合部材。
【請求項2】
前記表面は、平坦である請求項1に記載の皮膚係合部材。
【請求項3】
前記開口部は、前記本体における中心に配置される請求項1に記載の皮膚係合部材。
【請求項4】
前記取付用要素は、前記ニードルアセンブリまたは前記医療用注射器に形成される穴にスナップ係合するように形成される少なくとも1つの突出するスナップフィンガを含む請求項1に記載の皮膚係合部材。
【請求項5】
前記シールドは、前記本体部材に対し回転自在に変位可能である請求項1に記載の皮膚係合部材。
【請求項6】
前記針は、前記開口部を貫通する請求項1に記載の皮膚係合部材。
【請求項7】
前記シールドは、前記本体部材に対し軸方向に変位可能である請求項1に記載の皮膚係合部材。
【請求項8】
前記シールドは、該シールドを移動させるための駆動力を発生させるための駆動要素を含む請求項1に記載の皮膚係合部材。
【請求項9】
前記駆動要素は、ばねからなる請求項8に記載の皮膚係合部材。
【請求項10】
本体部材と、該本体部材から延在する針と、該針の末端を選択的に覆うために該本体部材の末端に対し移動可能とされるシールドと、を含むニードルアセンブリまたは医療用注射器と共に使用するための皮膚係合部材であって、
前記針による注射中、患者の皮膚に係合するための係合面を有し、前記針の貫通路を得るように構成される前記本体の中に形成された開口部を有する本体と、
前記開口部の回りに相対回転可能に前記本体を前記シールドに対し回転自在に取り付けるための回転自在な取付用要素であって、該本体が前記シールドに対し軸線方向に固定される回転可能な取付用要素と、
を含む皮膚係合部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射中の患者の注射部位周りの皮膚の初期炎症反応を最小限に抑えるためにニードルアセンブリまたは医療用注射器と共に使用する皮膚係合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
注射中に患者の皮膚に係合する特定の医療用注射器が知られている。例えば、ペン型注射器は、典型的には、注射針を確実に適切に挿入するように患者の皮膚を押圧する。患者の皮膚は、適切な注射深さを確保し、および/または、注射中の安定性をもたらす止め具として働くことができる。
【0003】
患者の皮膚に係合する場合、患者の注射部位周りの皮膚が、それに接した相対的な動きによって初期炎症反応を起こすことがある。例えば、特定の針シールドは、注射中に受動的に作動して、患者の皮膚に接して回転自在に変位する。注射後に針を引き抜く際には、作動した針シールドは、シールド位置にある。しかし、患者の皮膚に当たってシールドが回転すると、不快にさせるか、または、初期炎症反応を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で皮膚係合部材が、ニードルアセンブリまたは医療用注射器の針による注射中、患者の注射部位周りの皮膚の初期炎症反応を最小限に抑えるためにそのニードルアセンブリまたは医療用注射器と共に使用に供せられる。皮膚係合部材は、本体と、針による注射中、患者の皮膚に係合するための本体に画定される表面と、針の貫通路を得るように構成される本体の中に形成された開口部と、患者の皮膚に係合しながら、表面が、開口部の回りに回転自在であるように、本体をニードルアセンブリまたは医療用注射器に回転自在に取り付けるための回転可能な取付用要素と、を含む。有利なことには、主題発明に関して、皮膚係合部材は、患者の皮膚と係合するように配置することができ、注射中、加えられる圧力のせいで、皮膚係合部材の回りに注射器を回転させることができる状態で、皮膚に当たって概して固定された位置に保持することができる。従って、患者における注射部位周りの皮膚の初期炎症反応が、最小限に抑えられ得る。
【0005】
以下の詳細な説明および添付の図面の検討によって、本発明のこれらおよび他の特徴がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】主題発明に従って形成されたニードルアセンブリの斜視図である。
【
図2】主題発明に従って形成された医療用注射器の部分斜視図である。
【
図3】シールドと共に使用中の主題発明を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
複数の図を参照すると、皮膚係合部材が、示されており、全体を参照番号10で表されている。皮膚係合部材10は、ニードルアセンブリ12または医療用注射器14の針による注射中、患者の注射部位周りの皮膚の初期炎症反応を最小限に抑えるようにニードルアセンブリ12または医療用注射器14と共に使用することができる。皮膚係合部材10は、全体として、本体16と、注射中、患者の皮膚に係合するための本体16に画定される表面18と、その針の貫通路を得るように構成された本体16の中に形成される開口部20と、表面18が開口部20の回りに回転自在であるように本体16をニードルアセンブリ12または医療用注射器14に回転自在に取り付けるための回転可能な取付用要素22と、を含む。
【0008】
本体16の回転可能性のために、皮膚係合部材10は、注射中の患者の注射部位周りの皮膚の初期炎症反応を最小限に抑えるように作動し得る。
【0009】
当業者には理解されるように、ニードルアセンブリ12は、いかなる既知の構成のものであってもよい。非限定的な例として、ニードルアセンブリ12は、患者に刺すために形成される末端28を有する針26に取付けられるハブ24を含み得る。ハブ24は、ペン型注射器のような注射器に取り付けるための複数の要素を含むことができる。本体16は、ハブ24に回転自在に取り付け可能とされる。さらに、針26は、末端28に触れるように開口部20を貫通する。針26の十分な長さは、注射のための適切な深さを可能にするように露出されることが好ましい。さらに、表面18は、ハブ24から離れる針26の末端28と同じ方向に概して向くように形成される。
図1に略図的に示されるように、表面18は、開口部20の回りに回転自在であるように形成され、したがって、本体16が針26の回りに回転自在にできるように形成される。針26の基端30は、必要に応じて特定の用途に合うように形成され得る。
【0010】
医療用注射器14は、いかなる既知のタイプのものでよい。医療用注射器14は、患者に刺すために形成された末端36を有する針34が延在するバレル32を含み得る。本体16は、直接的または間接的にバレル32に回転自在に取り付けられ得る。例えば、本体16は、ニードルアセンブリ12に取り付けられ、そしてまた、ニードルアセンブリ12をバレル32に取り付けることによって、バレル32に間接的に取り付けられ得る。ニードルアセンブリ12と同様に、針34は、好ましくは適切な注射深さのための十分な長さを有するように、本体16から、特に、表面18から末端方向に延びる。表面18は、好ましくは、概して、バレル32から離れる末端36と同じ方向に向く。
図2に略図的に示されるように、表面18は、開口部20の回りに回転するように構成され、したがって、本体16が、針34の回りに回転できる。
【0011】
注射中、皮膚係合部材10は、患者の皮膚に接触せしめられ得る。皮膚係合部材10は、適切な注射深さを確保し、および/または、注射中、安定性をもたらす止め具として作動できる。この構成により、表面18は、患者の皮膚と接触するだろう。針26、34が適切な注射深さにある状態で、注射が、当技術分野で知られているように施され得る。注射中、圧力が表面18に加えられる状態で、ニードルアセンブリ12、または、医療用注射器14における相対的な移動、即ち、変位が、本体16が患者の皮膚に対して概して固定して保持された状態で、本体16に対する回転という結果になり得る。本体16が概して固定されて保持される状態で、患者の皮膚の初期炎症反応は、注射部位周りで最小限に抑えられることができる。
【0012】
本体16は、様々な形状および寸法を有して形成することができるが、好ましくは、円盤形状である。表面18は、好ましくは、患者の皮膚に対する安定した静止面を画定するように形成される。好ましくは、表面18は、平坦である。開口部20が、回転中心軸線をもたらすように本体16の中心に配置されることも好ましい。
【0013】
回転可能な取付用要素22は、本体16とニードルアセンブリ12または医療用注射器14との間の相対的な回転が可能となるように、本体16をニードルアセンブリ12または医療用注射器14に固定するためのいかなる既知の構成のものであってもよい。非限定的な例として、
図4を参照すると、取付け穴38が、ニードルアセンブリ12(例えば、ハブ24)または医療用注射器14に形成され、本体16から突出する1つ以上のスナップフィンガ40と協働するように形成され得る。スナップフィンガ40は、相対的な回転が可能な状態で取付け穴38に関連して軸線方向に固定されるように、取付け穴38に係合するように形成される。当業者に理解されるように、回転自在の取付けにおける他の形態が、主題発明と共に利用可能である。
【0014】
ニードルアセンブリ12または医療用注射器14は、針26、34の末端28、36を選択的にカバーするためのシールド42を備えることができる。当業者には理解されるように、シールド42は、主題発明と合うように構成され得る。非限定的な例として、シールド42は、ニードルアセンブリ12または医療用注射器14の長さに沿って軸線方向に変位可能であるように形成され、例えば、ハブ24またはバレル32に対して軸線方向に変位可能であるように形成され得る。ばね44、または、他の駆動要素が、シールド42を選択的に変位させるための駆動力を発生するために設けられ得る。本体16は、上述と同様な方法でシールド42に回転自在に取り付けられ得る。
【0015】
シールド42は、使用中、回転自在に変位可能であってもよい。例えば、注射中、シールド42は、例えば、作動させるためにハブ24またはバレル32に対して回転せしめられる。本体16は、患者の皮膚に加えられるそのような回動なしにシールド42の回転を可能にする。逆に、シールド42は、本体16が患者の皮膚に対して概して固定されて保持される状態で、本体16に対して回転せしめられ得る。