特許第5961378号(P5961378)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961378
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】両軸受リールのドラグ調整装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/033 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   A01K89/033 501
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-280861(P2011-280861)
(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公開番号】特開2013-128456(P2013-128456A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】武智 邦生
【審査官】 木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−094628(JP,A)
【文献】 実開平04−100385(JP,U)
【文献】 特開2010−104262(JP,A)
【文献】 特開2008−170974(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0259988(US,A1)
【文献】 米国特許第06648256(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/00−89/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両軸受リールのリール本体に対して回転自在なスプールを制動するレバードラグ機構のドラグ調整装置であって、
前記スプールが自由回転可能なドラグフリー状態に対応したフリー位置と前記ドラグ機構の最大ドラグ状態に対応した最大位置との間で前記リール本体の側面に前記スプールの回転軸回りに揺動自在に装着される装着部と、前記装着部から先端部に向かって延びる操作部と、前記操作部の長手方向の中央より前記装着部側に設けられたレバー側接触部と、を有し、前後方向に揺動操作可能なドラグ調整レバーと、
前記フリー位置と前記最大位置との間の中間位置で前記リール本体の側面に進退自在に装着された位置決め部材を有する中間位置決め機構と、
を備え、
前記位置決め部材は、
前記レバー側接触部に接触可能な接触部と、
前記ドラグ調整レバーを操作する手指で前記位置決め部材を退入操作するための押圧操作部と、
を有し、
前記中間位置決め機構は、
前記位置決め部材の退入方向をガイドする第1ガイド部と、
前記第1ガイド部と間隔をあけて配置され、前記第1ガイド部材とともに前記位置決め部材の退入方向をガイドする第2ガイド部と、
をさらに有する、
両軸受リールのドラグ調整装置。
【請求項2】
前記レバー側接触部は、前記操作部の基端部に形成されている、請求項1に記載の両軸受リールのドラグ調整装置。
【請求項3】
前記レバー側接触部は、前記操作部の少なくとも前記位置決め部材が接触する部分が凹んで形成された凹部である、請求項1又は2に記載の両軸受リールのドラグ調整装置。
【請求項4】
前記中間位置決め機構は、前記リール本体の側面と前記位置決め部材との間に装着され、前記位置決め部材を進出方向に付勢するばね部材をさらに有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の両軸受リールのドラグ調整装置。
【請求項5】
前記第1ガイド部は、前記リール本体の側面を貫通し、前記位置決め部材の前記リール本体の側面との対向面に立設され、周囲に前記ばね部材が装着されている、請求項4に記載の両軸受リールのドラグ調整装置。
【請求項6】
前記第2ガイド部は、前記リール本体の側面を貫通し、前記位置決め部材の前記リール本体の側面との対向面に立設され、前記第1ガイド部と間隔をあけて配置されている、請求項5に記載の両軸受リールのドラグ調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両軸受リールのドラグ調整装置、特に、両軸受リールのリール本体に対して回転自在なスプールを制動するレバードラグ機構のドラグ力を調整する両軸受リールのドラグ調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
両軸受リールには、スプールの糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構が装着されている。ドラグ機構のうちレバードラグ機構は、操作性やドラグ調整の正確性がスタードラグ機構より優れているため、大型の両軸受リールに使用されている。
【0003】
この種のレバーラグ機構のドラグ力を調整するドラグ調整装置は、従来、リール本体に揺動自在に装着されたドラグ調整レバーと、ドラグ調整レバーの揺動によりスプール軸を軸方向に移動させる移動機構と、ドラグ操作レバーの揺動に応じて発音してクリック感を付与する発音機構とを備えている。
【0004】
このようなレバードラグ機構を有する両軸受リールでは、ドラグ調整レバーのフリー位置と最大位置との間には、通常は釣り糸の引っ張り強度の1/3程度を目安に設定されるストライク位置(中間位置)が設定されているものが知られている。このストライク位置にドラグ調整レバーを位置決めするために、中間位置決め機構が設けられている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
この種の中間位置決め機構は、フリー位置と最大位置との間のストライク位置でリール本体の上面に進退自在に装着された位置決め部材と、位置決め部材を進出方向に付勢するばね部材とを有している。中間位置決め機構は、ドラグ調整レバーをフリー位置からストライク位置に向けて揺動操作したとき、リール本体の上面に突出した位置決め部材がドラグ調整レバーの先端部に接触してドラグ調整レバーをストライク位置で位置決めすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4−100388号公報
【特許文献2】実公平5−25424号公報
【特許文献3】特公昭49−16319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来の中間位置決め機構では、リール本体の上面に突出した位置決め部材がドラグ調整レバーの先端部に接触してドラグ調整レバーをストライク位置で位置決めしている。この中間位置決め機構では、位置決め部材はリール本体の上面に突出して設けられているので、位置決め部材に釣り糸が絡みつくおそれがある。さらに、この中間位置決め機構では、ドラグ調整レバーの先端部に位置決め部材が接触するようになっているので、ドラグ調整レバーの先端部に位置決め部材の当たりを形成する必要がある。このため、ドラグ調整レバーの先端部を釣人が操作しやすい形状に形成するのは非常に困難である。
【0008】
本発明の課題は、両軸受リールのドラグ調整装置において、位置決め部材に釣り糸が絡みつくのを防止するとともに、ドラグ調整レバーを操作しやすい形状に形成できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明1に係る両軸受リールのドラグ調整装置は、両軸受リールのリール本体に対して回転自在なスプールを制動するレバードラグ機構のドラグ力を調整する両軸受リールのドラグ調整装置であって、ドラグ調整レバーと、中間位置決め機構とを備えている。ドラグ調整レバーは、装着部と、操作部とを有している。装着部は、スプールが自由回転可能なドラグフリー状態に対応したフリー位置とドラグ機構の最大ドラグ状態に対応した最大位置との間でリール本体の側面にスプールの回転軸回りに揺動自在に装着される。操作部は、装着部から先端部に向かって延び、前後方向に揺動操作可能な部分である。中間位置決め機構は、フリー位置と最大位置との間の中間位置でリール本体の側面に進退自在に装着された位置決め部材を有している。中間位置決め機構は、ドラグ調整レバーをフリー位置から中間位置に向けて揺動操作したとき位置決め部材が操作部の長手方向の中央より装着部側に設けられた接触部に接触してドラグ調整レバーを中間位置で位置決め可能であるとともに、ドラグ調整レバーを操作する手指で位置決め部材を退入操作可能な機構である。
【0010】
このドラグ調整装置では、位置決め部材は、リール本体の側面に進退自在に装着され、ドラグ調整レバーは、操作部の長手方向の中央より装着部側に設けられ、位置決め部材が接触してドラグ調整レバーを中間位置で位置決め可能な接触部を有している。ここでは、位置決め部材は、リール本体の側面に設けられているので、リール本体の上面に設ける場合に比して、位置決め部材に釣り糸が絡みつきにくくなる。さらに、ここでは、接触部は、操作部の長手方向の中央より装着部側に設けられているので、従来のように操作部の先端部に接触部を設ける必要がなくなるので、操作部の先端部を釣人が操作しやすい形状に形成することができる。
【0011】
発明2に係るドラグ調整装置は、発明1のドラグ調整装置において、接触部は、操作部の基端部に形成されている。この場合、接触部は、操作部の根元部分である操作部の基端部に設けられているので、さらに、位置決め部材に釣り糸が絡みつくのを防止できるとともに、ドラグ調整レバーを操作しやすい形状に形成できる。
【0012】
発明3に係るドラグ調整装置は、発明1又は2のドラグ調整装置において、接触部は、操作部の少なくとも位置決め部材が接触する部分が凹んで形成された凹部である。この場合、接触部が凹部になっているので、位置決め部材が接触部に接触しやすくなる。
【0013】
発明4に係るドラグ調整装置は、発明1から3のいずれかのドラグ調整装置において、中間位置決め機構は、リール本体の側面と位置決め部材との間に装着され、位置決め部材を進出方向に付勢するばね部材をさらに有している。この場合、ばね部材によって、位置決め部材が進出方向に付勢されているので、位置決め部材の退入操作を行いやすくなる。
【0014】
発明5に係るドラグ調整装置は、発明4のドラグ調整装置において、中間位置決め機構は、リール本体の側面を貫通し、位置決め部材のリール本体の側面との対向面に立設され、周囲にばね部材が装着される第1ガイド部をさらに有している。この場合、第1ガイド部によって、位置決め部材の退入方向がガイドされるので、位置決め部材の退入操作を行いやすくなる。
【0015】
発明6に係るドラグ調整装置は、発明5のドラグ調整装置において、中間位置決め機構は、リール本体の側面を貫通し、位置決め部材のリール本体の側面との対向面に立設され、第1ガイド部と間隔をあけて配置される第2ガイド部をさらに有している。この場合、2つの第1ガイド部及び第2ガイド部を設けることによって、位置決め部材がこじて傾きにくくなるので、位置決め部材の退入操作をさらに行いやすくなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、両軸受リールのドラグ調整装置において、位置決め部材は、リール本体の側面に進退自在に装着され、ドラグ調整レバーは、操作部の長手方向の中央より装着部側に設けられ、位置決め部材が接触してドラグ調整レバーを中間位置で位置決め可能な接触部を有しているので、位置決め部材に釣り糸が絡みつくのを防止できるとともに、ドラグ調整レバーを操作しやすい形状に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
図2】前記両軸受リールの断面図。
図3】前記両軸受リールの中間位置決め機構の拡大斜視図。
図4】前記中間位置決め機構の位置決め部材の拡大斜視図。
図5】前記位置決め部材の拡大断面図。
図6】他の実施形態の図5に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、図1及び図2に示すように、中型のレバードラグリールである。レバードラグリールは、筒状のリール本体1と、リール本体1の中心部に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されたスプール軸2と、スプール軸2に回転自在かつ軸方向移動不能に支持されたスプール3と、リール本体1の側方に配置されたハンドル4とを備えている。また、レバードラグリールは、図2に示すように、ハンドル4の回転をスプール3に伝達する回転伝達機構6と、スプール3の糸繰り出し方向の回転を制動するレバードラグ機構9とをリール本体1の内部に備えている。
【0019】
リール本体1は、図1に示すように、金属製の左右1対の皿状の第1側板10a及び第2側板10bと、第1側板10a及び第2側板10bを前後及び下部で連結する連結部11a、連結部11b、連結部11cと、第1側板10aの外方を覆うように第1側板10aと一体形成された第1カバー部材12aとを有する金属製のフレーム5を備えている。
【0020】
フレーム5の連結部11cには、レバードラグリールを釣竿に装着するための竿装着部11dが一体形成されている。第1側板10a、第2側板10b、連結部11a、連結部11b、連結部11c及び第1カバー部材12aは、金属の切削加工により一体成形されている。
【0021】
リール本体1は、図1に示すように、第2側板10bの外方を覆う、金属製の第2カバー部材12bを有している。また、第1側板10a及び第2側板10bは、スプール3が通過可能な開口を有している。第1カバー部材12aの内部には、スプール軸2の左端を軸方向移動自在かつ回転不能に支持するボス部12cが形成されている。第1カバー部材12aの内部には、図2に示すように、スプール3の回転に応じて発音するスプール発音機構8が設けられている。
【0022】
スプール発音機構8は、図2に示すように、スプール3の回転に応じて発音可能であり、かつ発音可能状態と発音不能な発音解除状態とに切り換え可能な機構である。スプール発音機構8は、図2に示すように、スプール3と連動して回転する凹凸部材60と、凹凸部材60と接離する方向に移動自在に装着された操作部材61と、操作部材61に揺動自在に装着された発音部材62と、発音部材62を凹凸部材60方向に付勢する図示しない付勢部材と、第1カバー部材12aに形成された図示しない長穴に装着され操作部材61を発音可能位置又は発音解除位置に位置決めするための弾性部材製のカラー部材65とを有している。
【0023】
ハンドル4側の第2カバー部材12bには、図1及び図2に示すように、径方向及び軸方向外方に突出する膨出部12dが形成されている。膨出部12dには、図2に示すように、回転伝達機構6が設けられている。膨出部12dの下方には、ハンドル4のハンドル軸20を支持するための第1支持筒部12eが軸方向外方に突出して形成されている。
【0024】
スプール軸2は、図2に示すように、第1カバー部材12aのボス部12cと、第2カバー部材12bにより軸方向移動自在かつ回転不能に支持されている。スプール軸2の左端部には、径方向に沿って貫通する回り止めピン2aが装着されており、第1カバー部材12aのボス部12cには、回り止めピン2aに係合する図示しない回り止めスリットが径方向に沿って形成されている。
【0025】
スプール軸2は、外周面に配置された2つの第1軸受16a、第2軸受16bによりスプール3を回転自在に支持している。第1軸受16aは、皿ばねの形態の第1ばね部材17aにより、軸方向内側(図2では右側)に付勢され、第2軸受16bは、コイルばねの形態の第2ばね部材17bにより軸方向内側(図2では左側)に付勢されている。また、第1軸受16a、第2軸受16bの軸方向内側面は、スプール3及びスプール軸2により内側への移動が規制されている。これにより、スプール軸2とスプール3とは、軸方向に一体的に移動可能である。スプール軸2は、レバードラグ機構9により軸方向にスプール3とともに移動する。
【0026】
スプール3は、図2に示すように、糸巻胴部3aと糸巻胴部3aの両端に一体形成されたフランジ部3bとを有している。右側のフランジ部3bの端面には、レバードラグ機構9を構成する摩擦ディスク41がねじにより固定されている。
【0027】
ハンドル4は、図2に示すように、スプール軸2の下方にスプール軸2と平行に配置された筒状のハンドル軸20の突出端に固定されている。ハンドル軸20は、リール本体1に回転自在に支持されている。ハンドル軸20には、図2に示すように、内部を軸方向に貫通する貫通孔20bが形成されている。
【0028】
回転伝達機構6は、図2に示すように、高低2速に切り換え可能な変速操作機構7を備えている。変速操作機構7は、図2に示すように、ハンドル4のハンドル軸20に回転自在に支持された高速巻き取り用の第1メインギア18及び低速巻き取り用の第2メインギア19と、第1メインギア18及び第2メインギア19にそれぞれ噛み合う状態でスプール軸2に回転自在に装着された第1ピニオンギア21及び第2ピニオンギア22と、第1メインギア18及び第2メインギア19のいずれか一方とハンドル軸20とを結合し回転を伝達する係合片23と、係合片23の図2左側に配置され係合片23及び後述する第2圧縮ばね24bを介して操作軸25を軸方向外方(図2右側)に付勢する第1圧縮ばね24aと、係合片23の図2右側に配置され係合片23を第2メインギア19側に付勢する第2圧縮ばね24bと、係合片23の位置を第1メインギア18に係合する高速位置(図2では、高速位置の係合片23を実線で示す)又は第2メインギア19に係合する低速位置(図2では、低速位置の係合片23を2点鎖線で示す)の一方に設定する操作軸25とを有している。
【0029】
第1ピニオンギア21は、図2に示すように、たとえば非磁性のステンレス合金等の耐蝕性を有する金属製の筒状部材である。第1ピニオンギア21は、右端がスプール軸2の外側で膨出部12dに装着された第4軸受16dに回転自在に支持されている。また、第1ピニオンギア21の左端は、レバードラグ機構9のドラグディスク42に一体回転可能に係合している。第2ピニオンギア22は、第1ピニオンギア21と同様な材質の筒状部材であり、左端がドラグディスク42に一体回転可能に係合している。係合片23は、ハンドル軸20のスリット内に回転不能に配置されている。操作軸25は、図2に示すように、ハンドル軸20の貫通孔20bに挿通されている。操作軸25の図2右側の端部は、ハンドルアーム4aの軸方向外方(図2右側)に突出しており、操作軸25を図2左方向に押し込むことが可能である。操作軸25は、ハンドル軸20の突出端にねじ込まれたハンドル4をハンドル軸20に固定するためのナット部材29により軸方向に移動自在に支持されている。
【0030】
変速操作機構7は、図2に示すように、ハンドル4と、ナット部材29を含むハンドル軸20と、第1圧縮ばね24a、操作軸25と、ロック部材30と、ロック部材付勢部材としてのばね部材35と、台座部材31と、ケース部材32とを有している。
【0031】
ハンドル4は、図2に示すように、長手方向と交差する方向に貫通孔4cが形成されたハンドルアーム4aと、ハンドルアーム4aの先端部に回転自在に装着されたハンドル把手4bとを有している。ハンドルアーム4aは、金属製の板状部材であって、基端部に形成された非円形の貫通孔4cにハンドル軸20を構成するナット部材29が一体回転可能に装着される。ハンドル軸20の基端部は、図2に示すように、貫通孔20bの内周部に雌ねじ部20aが形成されており、ナット部材29の雄ねじ部29aが螺合することによって、ハンドル軸20とナット部材29とが一体回転可能である。ナット部材29は、ハンドルアーム4aに固定される台座部材31の非円形孔に相対回転不能に係合する外形が6角形の頭部を有している。ナット部材29の中央部には貫通孔が形成されており、操作軸25の軸部25aが移動自在に挿通される。
【0032】
レバードラグ機構9は、図2に示すように、スプール3の図2右端に装着された摩擦ディスク41と、摩擦ディスク41と対向して配置されたドラグディスク42と、スプール軸2を軸方向に往復移動させるための移動機構43とを有している。
【0033】
摩擦ディスク41は、図2に示すように、たとえば、カーボングラファイトや繊維強化樹脂等の耐摩耗性材製のワッシャ状の円板部材であり、周方向に間隔を隔てて配置された複数本の取付ボルトにより、スプール3の右側のフランジ部3bの外側面に固定されている。
【0034】
ドラグディスク42は、図2に示すように、第1ピニオンギア21及び第2ピニオンギア22に一体回転可能に係合するディスク本体45と、ディスク本体45に複数本の取付ボルトにより固定され、摩擦ディスク41に対向して配置されるたとえばステンレス製の制動ディスク46とを備えている。ディスク本体45は、たとえば、アルミダイキャスト製の円板状の部材であり、スプール軸2に第3軸受16cにより回転自在に支持されている。ディスク本体45のスプール3に対向する面には、制動ディスク46が固定されている。
【0035】
移動機構43は、図1から図3に示すように、第2カバー部材12bの第2支持筒部12fの外周部に揺動自在に設けられたドラグレバー80と、ドラグレバー80の図1時計回りの揺動に応じてスプール軸2を引っ張って図2右方に移動させる引張機構81と、スプール軸2を図2左方に付勢してドラグレバー80の図1反時計回りの移動に応じてスプール軸2を図2左方に移動させるための第2ばね部材17bと、ドラグレバー80を中間位置で位置決め可能であるとともにドラグレバー80を操作する手指で位置決め部材90を退入操作可能な中間位置決め機構82と、第2支持筒部12fに支持されるスプール軸2の端部に装着されドラグレバー80の制動力を調整するためのドラグ調整つまみ83とを有している。
【0036】
ドラグレバー80は、図1から図3に示すように、スプール3が自由回転可能なドラグフリー状態に対応したフリー位置とドラグ機構の最大ドラグ状態に対応した最大位置との間で第2カバー部材12bの第2支持筒部12fの外周部に揺動自在に装着されており、フリー位置と最大位置との間で揺動するように揺動範囲が規制されている。ドラグレバー80は、スプール軸2の径方向外方に延び第2カバー部材12bの側面に突出した第2支持筒部12fの外周部に揺動自在に装着された装着部80aと、装着部80aの上面から先端部に向かって延び前後方向に揺動操作可能な操作部80bとを有している。
【0037】
装着部80aは、図2に示すように、移動機構43を構成する図示しないカム部材に回転不能に係止されており、操作部80bを揺動操作に応じて、スプール軸2及びスプール3をスプール軸方向に移動させるようになっている。装着部80aは、図1及び図3に示すように、外形が略円形の筒状の部分である。装着部80aの側面中央部には、スプール軸2が装着されており、スプール軸2の端部には、キャップ状のドラグ調整つまみ83が装着されている。装着部80aの上面には、先端部に向かって延びる操作部80bが装着部80aと一体成形されている。
【0038】
操作部80bは、図1から図3に示すように、装着部80aの上面から先端部に向かって延び、前後方向(前方向は、図1時計回りの方向であり、後方向は、図1反時計回りの方向である)に揺動操作可能な部分である。操作部80bは、第2カバー部材12bの側面と、第2カバー部材12bの側面から側方に突出した突出部12gの側面と、僅かな隙間をあけて対向する位置に揺動自在に配置されている。突出部12gの側面は、図3に示すように、第2カバー部材12bの側面より突出し、装着部80aが装着される第2支持筒部12fは、突出部12gの側面より側方に突出するように配置されている。突出部12gの側面には、図3に示すように、後述する位置決め部材90が進退自在に装着され、操作部80bの基端部の前面には、後述する位置決め部材90の接触部90bが接触してドラグレバー80を中間位置で位置決めする接触部80cが形成されている。
【0039】
接触部80cは、図3に示すように、操作部80bの長手方向の中央より装着部80a側の前面に設けられ、位置決め部材90の接触部90bが接触してドラグレバー80を中間位置で位置決め可能な部分である。接触部80cは、操作部80bの根元部分である操作部80bの基端部の前面に形成されている。接触部80cは、位置決め部材90の接触部90bが接触する部分が凹んで形成された凹部であって、位置決め部材90の後面に形成された接触部90bの全部が接触可能に切り欠かれた凹部である。位置決め部材90の接触部90bは、外形が上下方向に長い矩形であり、接触部80cは、内形が位置決め部材90の接触部90bよりやや大きい上下方向に長い矩形となるように形成されており、両者の対向面の全体が接触可能である。
【0040】
中間位置決め機構82は、図1及び図3に示すように、ドラグレバー80をフリー位置から中間位置に向けて揺動操作したとき位置決め部材90が操作部80bの基端部の前面に設けられた接触部80cに接触してドラグレバー80を中間位置で位置決め可能であるとともに、ドラグレバー80を操作する手指で位置決め部材90を退入操作可能な機構である。ドラグレバー80の中間位置は、通常は釣り糸の引っ張り強度の1/3程度を目安に設定されるストライク位置が設定されている。中間位置決め機構82は、図3から図5に示すように、フリー位置と最大位置との間の中間位置で第2カバー部材12bの側面から側方に突出した突出部12gの側面に進退自在に装着された位置決め部材90と、突出部12gの側面と位置決め部材90との間に装着され位置決め部材90を進出方向に付勢する第1ばね部材93と、突出部12gの側面を貫通し位置決め部材90の突出部12gの側面との対向面に立設され周囲に第1ばね部材93が装着される第1ガイド部91と、突出部12gの側面を貫通し位置決め部材90の突出部12gの側面との対向面に立設され第1ガイド部91と間隔をあけて配置される第2ガイド部92とを有している。
【0041】
位置決め部材90は、図1図3から図5に示すように、側面視外形が上辺が下辺より長い略台形の柱状部材であって、上辺及び下辺はやや上方に湾曲した形状になっている。位置決め部材90は、側面に設けられドラグレバー80を操作する手指で退入操作可能な押圧操作部90aと、後面に設けられドラグレバー80の接触部80cに接触可能な接触部90bと、押圧操作部90aと逆側の側面に凹んで形成され第1ばね部材93の端部が収納可能な第1収納凹部90cとを有している。位置決め部材90の押圧操作部90aと逆側の側面には、図4及び図5に示すように、第1収納凹部90cの中央部に立設された第1ガイド部91と、第1ガイド部91と間隔をあけて平行となるように立設された第2ガイド部92とが一体成形されている。また、位置決め部材90は、図5に示すように、突出部12gの側面に凹んで形成された装着凹部12hに進退自在に装着されている。装着凹部12hは、装着凹部12hの外形よりやや大きい相似形となる内形が略台形の凹部である。
【0042】
第1ガイド部91は、図5に示すように、装着凹部12hの側面に形成された第1貫通孔12iを貫通し、位置決め部材90の装着凹部12hの側面との対向面に立設され、周囲に第1ばね部材93が装着される略円柱状部材である。第1ガイド部91は、図4及び図5に示すように、第1収納凹部90cの中央部に立設されており、位置決め部材90と一体成形されている。第1ガイド部91は、略円柱状の本体部91aと、本体部91aの先端部外周に形成された雄ねじ部91bとを有している。雄ねじ部91bは、第1貫通孔12iを貫通しており、本体部91aの外周に第1ばね部材93を装着した状態で、装着凹部12hの逆側の側面から装着された第1板状部材94の内周に形成された雌ねじ部94aが螺合することによって、位置決め部材90を進出方向(図5右側方向)に付勢しながら、位置決め部材90を装着凹部12hに対して抜け止めしている。
【0043】
第2ガイド部92は、図5に示すように、装着凹部12hの側面に形成された第2貫通孔12jを貫通し、位置決め部材90の装着凹部12hの側面との対向面に立設される略円柱台形状部材である。第2ガイド部92は、図4及び図5に示すように、第1ガイド部91と間隔をあけて平行に配置されており、位置決め部材90と一体成形されている。第2ガイド部92は、略円柱台形状の本体部92aと、本体部92aの先端部に本体部92aより小径に形成され第2貫通孔12jを貫通する小径部92bと、本体部92aの基端部に本体部92aより大径に形成され位置決め部材90と一体成形された大径部92cとを有している。ここでは、2つの第1ガイド部91及び第2ガイド部92を設けることによって、位置決め部材90の退入操作を行いやすくなる。
【0044】
第1ばね部材93は、図4及び図5に示すように、突出部12gの側面と位置決め部材90との間に装着され、位置決め部材90を進出方向に付勢するコイルばねである。第1ばね部材93は、第1ガイド部91の周囲に圧縮されて装着されており、このため、位置決め部材90を進出方向(図5右側方向)に付勢している。
【0045】
このように構成されたレバードラグリールにおいて、レバードラグ機構9のドラグ力を強弱調整する場合には、ドラグレバー80を揺動させる。ドラグレバー80を図1において最も手前側の揺動位置であるドラグ解放位置に配置すると、レバードラグ機構9において、ドラグディスク42から摩擦ディスク41が離反してドラグ開放状態になり、スプール3が自由回転可能になる。これにより、キャスティングを行える。そこから、図1時計回りにドラグレバー80を揺動操作するとスプール軸方向外方(図2右側)に徐々に移動しスプール軸2及びスプール3が徐々に右側に移動する。この結果、摩擦ディスク41のドラグディスク42への圧接力が強くなり、ドラグ力が強くなる。
【0046】
そして、ドラグレバー80がフリー位置から中間位置に向けて揺動操作したとき、位置決め部材90の接触部90bが操作部80bの基端部の前面に設けられた接触部80cに接触して、ドラグレバー80を中間位置で位置決めされる。中間位置より前にドラグレバー80を揺動させるときは、ドラグレバー80を操作する手指で位置決め部材90を退入操作を行い、位置決め部材90の接触部90bが操作部80bの接触部80cに接触しないようにすればよい。
【0047】
このようなレバードラグリールの中間位置決め機構82では、位置決め部材90は、リール本体1の側面に進退自在に装着され、ドラグレバー80は、操作部80bの基端部に設けられ、位置決め部材90の接触部90bが接触してドラグレバー80を中間位置で位置決め可能な接触部80cを有している。ここでは、位置決め部材90は、リール本体1の側面に設けられているので、リール本体1の上面に設ける場合に比して、位置決め部材90に釣り糸が絡みつきにくくなる。さらに、ここでは、ドラグレバー80の接触部80cは、操作部80bの基端部に設けられているので、従来のように操作部80bの先端部に接触部80cを設ける必要がなくなるので、操作部80bの先端部を釣人が操作しやすい形状に形成することができる。
【0048】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、中型のレバードラグリールを例にあげて説明したが、これに限られるものではなく、中間位置決め機構82を有する両軸受リールであれば、あらゆる両軸受リールに本発明を適用できる。
【0049】
(b) 前記実施形態では、ドラグレバー80の接触部80cは、操作部80bの基端部の前面に設けられていたが、操作部80bの長手方向の中央より操作部80b側であれば、たとえば、操作部80bの基端部の前面から若干陥没した凹部に接触部80cを設けてもよい。
【0050】
(c) 前記実施形態では、第2ガイド部92は、略円柱台形状部材であったが、図6に示すように、装着凹部12hの側面に形成された第2貫通孔12jを貫通し、位置決め部材90の装着凹部12hの側面との対向面に立設され、周囲に第2ばね部材95が装着される略円柱状部材であってもよい。ここでは、第2ガイド部92は、押圧操作部90aと逆側の側面に凹んで形成され第2ばね部材95の端部が収納可能な第2収納凹部90dの中央部に立設されており、位置決め部材90と一体成形されている。第2ガイド部92は、略円柱状の本体部92aと、本体部92aの先端部外周に形成された雄ねじ部92dとを有している。雄ねじ部92dは、第2貫通孔12jを貫通しており、本体部92aの外周に第2ばね部材95を装着した状態で、装着凹部12hの逆側の側面から装着された第2板状部材96の内周に形成された雌ねじ部96aが螺合することによって、位置決め部材90を進出方向(図6右側方向)に付勢しながら、位置決め部材90を装着凹部12hに対して抜け止めしている。ここでは、2つの第1ガイド部91及び第2ガイド部92に対して、2つの第1ばね部材93及び第2ばね部材95を設けることによって、位置決め部材90の退入操作をさらに行いやすくなる。
【符号の説明】
【0051】
1 リール本体
2 スプール軸
2a 回り止めピン
3 スプール
3a 糸巻胴部
3b フランジ部
4 ハンドル
4a ハンドルアーム
4b ハンドル把手
4c 貫通孔
5 フレーム
6 回転伝達機構
7 変速操作機構
8 スプール発音機構
9 レバードラグ機構
10a 第1側板
10b 第2側板
11a 連結部
11b 連結部
11c 連結部
11d 竿装着部
12a 第1カバー部材
12b 第2カバー部材
12c ボス部
12d 膨出部
12e 第1支持筒部
12f 第2支持筒部
12g 突出部
12h 装着凹部
12i 第1貫通孔
12j 第2貫通孔
16a 第1軸受
16b 第2軸受
16c 第3軸受
16d 第4軸受
17a 第1ばね部材
17b 第2ばね部材
18 第1メインギア
19 第2メインギア
20 ハンドル軸
20a 雌ねじ部
20b 貫通孔
21 第1ピニオンギア
22 第2ピニオンギア
23 係合片
24a 第1圧縮ばね
24b 第2圧縮ばね
25 操作軸
25a 軸部
29 ナット部材
29a 雄ねじ部
30 ロック部材
31 台座部材
32 ケース部材
41 摩擦ディスク
42 ドラグディスク
43 移動機構
45 ディスク本体
46 制動ディスク
60 凹凸部材
61 操作部材
65 カラー部材
80 ドラグレバー
80a 装着部
80b 操作部
80c 接触部
81 引張機構
82 中間位置決め機構
83 ドラグ調整つまみ
90 位置決め部材
90a 押圧操作部
90b 接触部
90c 第1収納凹部
90d 第2収納凹部
91 第1ガイド部
91a 本体部
91b 雄ねじ部
92 第2ガイド部
92a 本体部
92b 小径部
92c 大径部
92d 雄ねじ部
93 第1ばね部材
94 第1板状部材
94a 雌ねじ部
95 第2ばね部材
96 第2板状部材
96a 雌ねじ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6