【実施例1】
【0025】
図1は、本実施例の遊技システムを示すシステム構成図であり、本実施例の遊技システムは、
図1に示すように、遊技場に設置された遊技機であるパチンコ遊技機1
(パチンコ機1ともいう)と、例えば、パチンコ遊技機1のメーカーサイトを形成する、インターネットに接続されたサーバコンピュータ1000と、遊技者が携行する携帯電話端末1001と、から構成され、携帯電話端末1001は、サーバコンピュータ1000から、該携帯電話端末1001に動作可能なアプリケーションプログラムであって、パチンコ遊技機1に表示される特別図柄の表示結果(セグパターン番号)を含む2次元バーコードを読み取る(入力する)ことで、該表示結果(セグパターン番号)が該当する遊技状態(確変(高確)状態・非確変(低確)状態)を遊技者に示唆する判別アプリをダウンロード可能とされている。
【0026】
サーバコンピュータ1000は、CPU、RAMなどを備えた一般的なピュータにて構成されており、インターネットを介して携帯電話端末1001からアクセス可能とされていて、所定のURLが付された遊技機のメーカーサイトにおいてパチンコ遊技機1のスペック等の情報の配信や、携帯電話端末1001で実行可能な上記判別アプリを含む各種のアプリケーションプログラムの配信などを行う。
【0027】
ここで、本実施例にて用いた遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図2はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0028】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
【0029】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0030】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示(可変表示)に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示(可変表示)を行う演出図柄可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板
80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置
9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
【0031】
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、複数種類の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、複数種類の記号を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、複数種類の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、複数種類の記号を可変表示するように構成されている。
【0032】
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ記号であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、0〜9、00〜99等の数字やアルファベット等の文字を可変表示するように構成されていてもよい。
【0033】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
【0034】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0035】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
【0036】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
【0037】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
【0038】
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0039】
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
【0040】
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0041】
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0042】
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
【0043】
なお、この実施例では、
図2に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
【0044】
また、
図2に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
【0045】
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
【0046】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a
、8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施例では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
【0047】
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0048】
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
【0049】
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
【0050】
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
【0051】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
【0052】
装飾LED25(向かって右側)の下方位置には、起動時(停電復旧時)において後述する確変フラグがセットされている高確状態であるときに点灯されることで高確状態であることを報知する高確報知LED24が設けられている。
【0053】
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作部50が設けられている。
図2(b)に示すように、操作部50には、遊技者が押圧操作することが可能とされ、内部にLED50bを内在することで点灯可能な透明樹脂部材から成る押圧操作部49が設けられている。なお、押圧操作部49の下方には、押圧操作部49の押圧操作を検出するための操作スイッチ50aが設けられている(
図4参照)。
【0054】
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0055】
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0056】
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、
図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
【0057】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0058】
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0059】
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0060】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0061】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
【0062】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタや確変フラグの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータ(進行状態データ)と定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
【0063】
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
【0064】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
【0065】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報や、確変状態や時短状態等の遊技状態の発生を示す情報や、高確報知LED24が点灯されているときに出力され、起動時(停電復旧時)において高確状態であることを示す情報(起動高確情報)等の情報出力信号をホールコンピュータや、パチンコ遊技機1の上方位置にパチンコ遊技機1に対応して設置されている呼び出しランプ(図示略)等の外部装置に対して出力する情報出力回路53も主基板31に搭載されている。
【0066】
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
【0067】
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、
図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
【0068】
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
【0069】
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
【0070】
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
【0071】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0072】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。
図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、
図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
【0073】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
【0074】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25や、高確報知LED24に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
【0075】
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0076】
また、演出制御用CPU101は、入出力ポート106を介して操作部50に接続されており、該入出力ポート106を介して操作部50内のLED50bを駆動する信号を出力するとともに、操作部50内の操作スイッチ50aから遊技者の押圧操作に応じて出力される操作信号が入力される。
【0077】
次に、遊技機の動作について説明する。
図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0078】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0079】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
【0080】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0081】
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0082】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
【0083】
尚、CPU56は、これら電力供給停止前の遊技状態を示すデータのうち、確変フラグがセットされているか否かを判定し、確変フラグがセットされている場合には、高確報知LED24を点灯させるための高確報知フラグをセットする高確報知フラグ設定処理を実施する(ステップS42+)
【0084】
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
【0085】
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0086】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
【0087】
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0088】
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
【0089】
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
【0090】
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0091】
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、当りとしない場合の普通図柄の停止図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0092】
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
【0093】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、
図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0094】
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41、高確報知LED24の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行し、高確報知LED24については、高確報知フラグがセットされているときに高確報知LED24を点灯する制御を実行する。
【0095】
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
【0096】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0097】
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0098】
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
【0099】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、起動高確情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。尚、起動高確情報は、高確報知フラグがセットされていることに応じて情報出力回路53から、パチンコ遊技機1の上方位置に設けられている図示しない呼び出しランプに対して出力される。
【0100】
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0101】
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
【0102】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
【0103】
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
【0104】
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
【0105】
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0106】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0107】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0108】
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
【0109】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定のセグパターン記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り演出図柄(確変大当りB図柄と同じ演出図柄。例えば「355」や「787」等のチャンス目図柄)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(セグパターン記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
【0110】
ここで、小当りとは、後述する確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.1秒間の開放を5回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化せずに、小当り前の遊技状態が維持される。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、確変大当りBとは、確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.1秒間の開放を5回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(但し、大当り遊技後の遊技状態は時短状態にはならない、つまり、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立しにくい状況となり、始動条件の成立状況は通常状態と共通であるため、見た目上は通常状態と変わらない)。つまり、この実施例では、確変大当りBと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が5回行われると、確変状態に移行する確変大当りBであるか、確変状態に移行しない小当りであるかを識別できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0111】
図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。
図7に示すように、この実施例では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スペシャルPA3−1(ノーマルリーチまたはスペシャルリーチ)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。なお、
図7に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スペシャルPA3−1を用いる場合にも、再変動が3回行われる。
【0112】
また、
図7に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スペシャルPA3−2(ノーマルリーチまたはスペシャルリーチ)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−6、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、
図7において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、
図7に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スペシャルPA3−2を用いる場合にも、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
【0113】
なお、この実施例では、
図7に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の可変表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の可変表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
【0114】
また、この実施例では、非リーチPA1−3が特殊PG1−2と、非リーチPA1−4が特殊PG1−3と同一の変動パターンを含むものとされており、はずれにおいても、確変大当りBや小当り時と同様の変動演出態様が実施される場合があるため、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者が認識し難くされている。
【0115】
このように本実施例では、確変大当りBまたは小当りの当選時に選択される複数の変動パターン(特殊PG1−1〜3、2−1〜2)のうちの2つの変動パターン(特殊PG1−2,1−3)の演出態様および確変大当りB遊技状態/小当り遊技状態において実行される演出態様からなる一連の演出態様が、はずれの時に選択される複数の変動パターンのいずれか(非リーチPA1−3,4)の演出態様と同じとされているため、非リーチPA1−3,4または特殊PG1−2,3のいずれの変動パターンにもとづく演出態様であるかを特定することを困難とすることができる。言い換えると、非リーチPA1−3,4、特殊PG1−2,3にもとづく変動パターンは、確変大当りB、小当り、はずれのいずれの場合にも選択される変動パターンであるため、確変大当りBや小当りが発生した場合でも、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者に悟られ難くでき、その結果、確変大当りBや小当りのみを発生させる場合に比較して、確変大当りBが発生に伴って遊技状態が確変状態に移行していることを、より一層、遊技者に悟られ難くできるようになっている。
【0116】
なお、この実施例では、非リーチPA1−3および特殊PG1−2、非リーチPA1−4および特殊PG1−3のみが変動演出態様が同じ変動パターンとされていたが、他の変動パターンにおいても、はずれ時と確変大当りBまたは小当り時とで同じ変動パターンを設定してもよい。
【0117】
また、この実施例では、はずれ時において、確変大当りBまたは小当り時に選択される複数の変動パターンのうち、いずれかと同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしていたが、必ずしも同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしなくてもよい。すなわち、はずれ時において確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンと同じ演出態様の変動パターンが選択されなくても、特殊PG1−1〜3、2−1〜2を、確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンとしていることで、特殊PG1−1〜3、2−1〜2のいずれかの変動パターンが選択された場合、少なくとも遊技者が確変大当りBの発生を特定することは困難となるため、確変大当りBが発生してその後の遊技状態が確変状態に移行することを遊技者に悟られないようにすることができる。
【0118】
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
(6)ランダム6(MR6):特別図柄の停止図柄を決定する(停止図柄決定用)
【0119】
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
【0120】
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
【0121】
なお、この実施例では、確変大当りAである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、ノーマルリーチとスペシャルリーチおよびスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「はずれ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチCおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチCおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、ノーマルリーチとスペシャルリーチおよびスーパーリーチC以外のスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、全てのスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−8とに種別分けされている。
【0122】
図6に示されたタイマ割込処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数および(6)の当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
【0123】
図9(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、
図9(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、
図9(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。
図9(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
【0124】
図9(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の可変表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の可変表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、
図9(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、
図9(c)に記載されている各数値が設定されている。また、
図9(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
【0125】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が
図9(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が
図9(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、
図9(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、
図9(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0126】
なお、この実施例では、
図9(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には23分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には40分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の可変表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の可変表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
【0127】
つまり、第1特別図柄表示器8aの可変表示が実行されるのは、遊技状態が通常状態または確変状態(高確低ベース状態)のときであり、確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにするために小当りの発生確率を高めているのに対し、第2特別図柄表示器8bの可変表示が実行されるのは、遊技状態が確変・時短状態(高確高ベース状態)のときであり、この場合は確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにする必要はないので、小当りの発生確率を抑えている。
【0128】
また、本実施例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの可変表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示器8bの可変表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
【0129】
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/23)は、確変大当りBに決定する割合(1/443(低確時)、1/43(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
【0130】
図9(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の可変表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の可変表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
【0131】
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して28個の判定値が割り当てられ(40分の28の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して12個の判定値が割り当てられている(40分の12の割合で確変大当りBと決定される)。従って、この実施例では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りB」となる確率は「確変大当りA」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の可変表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の可変表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合は同じである。なお、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の可変表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の可変表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
【0132】
また、この実施例では、
図9(d)に示すように、第2特定遊技状態としての5ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態(確変大当りB)と比較して、ラウンド数が多い第1特定遊技状態(確変大当りA)を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ5ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
【0133】
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、可変表示を75回終了するまで(始動回数が75回となるまで)確変状態が継続する。ただし、時短状態は、大当り終了後、可変表示を72回終了したとき(始動回数が72回となってとき)に終了して低ベース状態に移行され、高確率状態のみ可変表示を75回終了するまで(始動回数が75回となるまで)継続される。従って、この実施例では、大当り終了後、72回目の可変表示を終了してから75回目の可変表示を終了するまでの間、高確率状態のみとされ、高ベース状態とはならない(高確低ベース状態である)。
【0134】
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短い5ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、可変表示を所定回数(本実施例では75回)終了するまで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行(低ベース状態である場合には低ベース状態が維持)され、高確率状態のみ可変表示を75回終了するまで継続される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、75回目の可変表示を終了するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
【0135】
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く(高速開放)、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
【0136】
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ5回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の5回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
【0137】
尚、本実施例では、確変大当りの発生後に移行する確変状態が所定の変動回数である75回の変動で終了し、低確状態に移行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変状態が次の大当りが発生するまで継続するようにしても良い。
【0138】
また、確変状態において確変大当りBが発生した場合には、高確低ベース状態ではなく、時短制御を実施する高確高ベース状態に移行するようにしても良い。
【0139】
大当り種別判定テーブル131aには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当りA」、「確変大当りB」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
【0140】
図10(a)は、確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0141】
確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0142】
これら判定値の数としては、
図10(a)に示すように、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、確変大当りAとなる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチまたはスペシャルリーチが多く決定されるように設定されている。
【0143】
また、
図10(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、
図10(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
【0144】
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
【0145】
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
【0146】
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
【0147】
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
【0148】
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
【0149】
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
【0150】
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
【0151】
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
【0152】
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
【0153】
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる
【0154】
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
【0155】
図11(a),(b)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0156】
各はずれ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0157】
なお、
図11(a)〜(b)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCのいずれか)を伴う可変表示が実行されることがわかる。
【0158】
また、
図11(a)示す通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
【0159】
なお、
図11に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bを用いる場合を示しているが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
【0160】
なお、この実施例では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ
用変動パターン種別判定テーブルA135aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ
用変動パターン種別判定テーブルB135bとの2種類のテーブルを用いた例を示しているが、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
【0161】
また、この実施例では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の可変表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
【0162】
なお、この実施例では、
図11に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合に、
図11(b)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
【0163】
図12(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
【0164】
なお、
図12(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、
図12(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、
図12(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
【0165】
図13は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
【0166】
尚、この実施例のはずれ変動パターン判定テーブル138aでは、スーパーCA2−7には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在しないのに対し、スーパーCA2−8には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在する。
【0167】
図14および
図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図14および
図15に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、
図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
【0168】
コマンド8C01(H)〜8C08(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別や小当り種別を通知するための演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C08(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C08(H)を表示結果指定コマンドという。
【0169】
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
【0170】
コマンド8EXX(H)は、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bに可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄の図柄(セグパターン)を指定する演出制御コマンド(特別図柄指定コマンド)である(それぞれセグパターン番号XXに対応)。つまり、後述する
図16に示された表示され得る図柄(セグパターン)のそれぞれに対して付された一意なセグパターン番号を通知することにより、該セグパターン番号で特定されるセグパターンが表示結果として表示されることが通知される。
【0171】
つまり、このように特別図柄指定コマンドが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技制御用マイクロコンピュータ560において表示結果が決定されたときに出力されることで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、当該可変表示において第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに導出表示される特別図柄の図柄(セグパターン)を把握することができるようになっている。
【0172】
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
【0173】
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
【0174】
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
【0175】
コマンドA001(H)は、大当り開始画面(ファンファーレ画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(確変大当りA開始指定コマンド:ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、大当り遊技の開始を指定するものであるが、大当り遊技であることを特定しにくい大当り開始画面(図示略)を表示することを指定する演出制御コマンド(確変大当りB開始指定コマンド:ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、小当り遊技の開始を指定するものであるが、小当り遊技であることを特定しにくい小当り開始画面(図示略)を表示することを指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド:ファンファーレ3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するように構成してもよい。
【0176】
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
【0177】
コマンドA301(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りAであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りBであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定するとともに、小当りであったことを指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するように構成してもよい。
【0178】
なお、本実施例では、上記コマンドA002(H)にて指定する大当り開始画面とコマンドA003(H)にて指定する小当り開始画面とは同一の開始画面であり、また、コマンドA302(H)にて指定する大当り終了画面とコマンドA303(H)にて指定する小当り終了画面とは同一画面である。詳しくは、これら大当り/小当り開始画面および大当り/小当り終了画面は、前述した非リーチPA1−3,4の後半において表示される画面(図示略)と同じ態様の表示画面とされており、確変大当りBまたは小当りのいずれが発生したかの特定を困難とするとともに、確変大当りBが発生して遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行した可能性があることを示唆する画面とされている。
【0179】
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変(高確)状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、時短状態が終了したことを通知する演出制御コマンド(時短終了指定コマンド)である。
【0180】
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回可変表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
【0181】
コマンドB2XX(H)は、確変状態の残り回数(あと何回可変表示を終了するまで確変状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(確変回数指定コマンド)である。コマンドB2XX(H)における「XX」が、確変状態の残り回数を示す。
【0182】
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
【0183】
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生して保留記憶が実施されるごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず
図14に示す図柄指定コマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドにもとづいて、予告対象の可変表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かを予告する後述する保留予告を実行する。なお、本実施例では、確変大当りBおよび小当りについての保留予告は実行しない、つまり確変大当りAについての保留予告のみを実行するようになっているので、確変大当りBおよび小当りの発生が保留予告により遊技者に把握され易くなってしまうことを回避できる。
【0184】
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、
図14および
図15に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
【0185】
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
【0186】
この実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
【0187】
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取り込みを指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0188】
図14および
図15に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
【0189】
図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果として導出表示する特別図柄を決定するための使用する表示図柄パターン決定用テーブルを示す図である。本実施例では、
図16に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の表示図柄として、各々を識別可能な102パターン(複数種類)の表示図柄が定められている。
【0190】
具体的には、表示図柄パターン0(セグパターン番号0)の図柄が確変大当りAに対応し、表示図柄パターン1〜50(セグパターン番号1〜50)までが確変大当りBに対応し、表示図柄パターン51〜100(セグパターン番号51〜100)までが小当りに対応し、表示図柄パターン101がはずれに対応した表示図柄とされている。つまり、確変大当りB図柄及び小当り図柄としてそれぞれ50種類の表示図柄が登録されている。
【0191】
表示図柄パターン決定用テーブルに示すように、各表示図柄パターンは、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bが有する8つのセグメントのうち点灯させるセグメントの組合せが異なるパターンであるため、各々は識別可能とされているが、確変大当りBや小当りに対応する表示図柄が100パターン(100種類)存在しており、確変大当りBや小当りに対応するチャンス目の組合せが「135」、「334」、「545」、「787」、「776」の5種類しかない演出図柄に比べて種類が多いため、特別図柄表示器に表示結果として導出表示されたパターンの表示図柄が、確変大当りBに対応する表示図柄であるか小当りに対応する表示図柄であるかを識別することが困難とされている。
【0192】
また、これら各表示図柄にはパターン毎に所定数の判定値が割り当てられており、確変大当りBに当選しているときにおける可変表示において抽出したランダム6の値に対応するセグパターンの表示図柄が、表示結果として決定されるようになっている。
【0193】
本実施例では、ランダム6の数値範囲である0〜599までの判定値のうち、確変大当りBの表示図柄パターン1、11、21、31、41の5つのパターンには判定値が3ずつ割り当てられ、これら以外の他の確変大当りBの表示図柄パターンには判定値が13ずつ割り当てられている。つまり、確変大当りBの場合における表示図柄パターン1、11、21、31、41の決定割合は15/600であり、これら表示図柄パターン1、11、21、31、41以外の他の表示図柄パターンの決定割合は585/600であることで、表示図柄パターン1、11、21、31、41は、これら以外の他の表示図柄パターンよりも決定割合が低く(出現しにくい)、後述する判別アプリにおいて特典が付与されるスペシャルセグとしての表示図柄パターンとされている。また、パターン33は後述する判別アプリにおいて特典が付与されるラッキーセグとしての表示図柄パターンとされているとともに、これらスペシャルセグやラッキーセグ以外のセグは全てノーマルセグとされている。
【0194】
また、小当りの場合については、ランダム6の数値範囲である0〜599までの判定値のうち、小当りの表示図柄パターン51〜100までの50パターンそれぞれに判定値が12ずつ均等に割り当てられている。つまり、非確変大当りの場合には各表示図柄パターン51〜100それぞれの決定割合は全て12/600である。
【0195】
このように導出表示される特別図柄は、確変大当りBに対応する表示図柄として表示図柄パターン1〜50、小当りに対応する表示図柄として表示図柄パターン51〜100を有しており、確変大当りBに当選していることで可変表示結果を確変大当りBの大当り図柄にする旨の判定がなされたときに抽出されたランダム6の値(0〜599)に対応するパターンの表示図柄が決定されるようになっている。
【0196】
そして、確変大当りBに対応する表示図柄である表示図柄パターン1〜50に関しては、表示図柄パターン1、11、21、31、41に対して割り当てられているランダム6の各判定値数(3)が、他の表示図柄パターンに対して割り当てられているランダム6の各判定値数(13)よりも少ないことで、可変表示結果を確変大当りBの図柄にする旨の判定がなされたときに、確変大当りBの表示図柄パターン1、11、21、31、41が他の確変大当りBの表示図柄パターンよりも低い割合で決定されるようになっている。このように各表示図柄パターンの表示図柄の出現率を異ならせることで、表示図柄の導出表示状況に興味を持たせることができる。
【0197】
このように本実施例では、確変大当りB及び小当りのいずれが発生した場合、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに、表示図柄パターン1〜100のうちいずれかの表示図柄(特別図柄)が停止表示されるとともに、演出表示装置9に、前述したチャンス目のうちいずれかの演出図柄の組合せが停止表示される。このとき、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止表示された表示図柄から、確変大当りB及び小当りのいずれが発生したかを特定することは、表示図柄パターンが多いことから困難とされている。
【0198】
また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは8セグメント表示器であることから256パターンの表示図柄を表示可能であるが、表示図柄の種類は表示可能な256パターンの一部(半分以下)である102パターンとされていることで、これら102パターンの組合せを特定することが困難とされている。
【0199】
さらに、確変大当りBと小当りに対応する表示図柄パターン1〜100のうち、確変大当りBに対応する表示図柄数と小当りに対応する表示小当りのうちパターン数が少ない方の表示図柄のみを特定することにより他方のパターンが容易に特定されてしまうことがないようになっている。
【0200】
尚、本実施例では、各々が識別可能な表示図柄パターンの種類(数)を多くする(100パターンとする)ことで、確変大当りB及び小当りのうちいずれに対応する表示図柄パターンであるかを判別し難くしていたが、例えば各識別情報の数は少なくても、各識別情報を目視しても瞬時に識別できない類似表示態様を有する複数種類の識別情報を適用してもよい。
【0201】
図17および
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
【0202】
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
【0203】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0204】
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0205】
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0206】
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
【0207】
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
【0208】
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
【0209】
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0210】
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0211】
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
【0212】
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
【0213】
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0214】
ここで、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理について、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を例に説明する。尚、ステップS312の第2始動口スイッチ通過処理も第1始動口スイッチ通過処理と同様であるので、説明を省略する。
【0215】
第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
【0216】
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする。
【0217】
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
【0218】
保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
【0219】
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。なお、この処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
【0220】
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施例では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
【0221】
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの可変表示結果を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する。そして、CPU56は、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御(入賞時判定結果指定コマンドの送信セット)を行うとともに、入賞時判定結果指定コマンドに次いで第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御(第1保留記憶数指定コマンドの送信セット)を行う。
【0222】
図19および
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
【0223】
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定した後(ステップS54)、保留特定領域(
図19(A)参照)に設定されている1番目のデータを削除して、2番目以降の各データの順序を1つ
ずつ繰り上げてシフトして(2番目→1番目、3番目→2番目、4番目→3番目…)保留特定領域のデータを更新する(S55−)。
【0224】
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の可変表示または第2特別図柄の可変表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の可変表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の可変表示を優先して実行するようにしてもよい。
【0225】
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
【0226】
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
【0227】
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
【0228】
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
【0229】
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
【0230】
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
【0231】
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
【0232】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(
図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0233】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(低確状態または通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなる(10倍)ように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における
図9(a)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における
図9(a)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図9(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0234】
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りAまたは確変大当りBとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の可変表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
【0235】
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のNo)、CPU56は、小当り判定テーブル(
図9(b),(c)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図9(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、
図9(b)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、
図9(c)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(ステップS63)。
【0236】
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のNo)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
【0237】
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。
【0238】
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当りA」または「確変大当りB」)を大当りの種別に決定する。この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
【0239】
そして、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「確変大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
【0240】
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる表示図柄パターン101の「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別が確変大当りAである場合には、確変大当りAに対応する表示図柄パターン0の「F」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別が確変大当りBである場合には、ランダム6の乱数値を抽出し、確変大当りBに対応する表示図柄パターン1〜50のうちから該抽出したランダム6の乱数値に対応する表示図柄パターンを停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当りに対応する表示図柄パターン51〜100のうちから該抽出したランダム6の乱数値に対応する表示図柄パターンを停止図柄に決定する。このように、大当り図柄を複数種類の大当り記号のうちから決定するとともに、小当り図柄を複数種類の小当り記号のうちから決定することで、遊技者に大当りであるか小当りであるかを特別図柄によって特定しにくくすることができる。
【0241】
なお、本実施例では、遊技球の入賞時において実施される入賞時判定処理において変動パターン種別の決定を行い、特別図柄の可変表示の開始時において大当りか否かの判定および変動パターンの決定を行うが、遊技球の入賞時において大当りか否かの判定を行い、特別図柄の可変表示の開始時に変動パターンの決定を行うようにしてもよい。
【0242】
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
【0243】
図21は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認するとともに、大当りフラグがセットされている場合にCPU56は、更に、大当り種別バッファに記憶されているデータにより、大当りが確変大当りAであるか否かを判定する(ステップS91)。
【0244】
大当りが確変大当りAである場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132a(
図10(a)参照)を選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
【0245】
一方、大当りが確変大当りAでない場合、つまり、確変大当りBである場合には、ステップS94に進んで、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132b(
図10(b)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
【0246】
また、大当りフラグがセットされていない場合にCPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132b(
図10(b)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
【0247】
小当りフラグもセットされていない場合にCPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りAまたは確変大当りBとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の可変表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS95のYes)、CPU56は、ステップS98に移行する。
【0248】
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のNo)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のNo)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA135a(
図11(a)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
【0249】
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のYes)または合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のYes)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブルB135b(
図11(b)参照)を選択した後(ステップS98)、ステップS102に移行する。
【0250】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
【0251】
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137a、137b(
図12参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138a(
図13参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0252】
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
【0253】
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
【0254】
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S101の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
【0255】
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS140に移行する(ステップS133)。
【0256】
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS133a)、セットされている場合には、大当り遊技状態において遊技状態を一旦通常状態に移行させるが、後述する大当り終了処理において大当り遊技状態の終了後の遊技状態を決定する際に、大当り前の遊技状態が確変状態であったか否かが判るようにするために、大当り前の遊技状態が確変状態であったことを示す大当り前確変フラグをセットする(ステップS133b)。
【0257】
次いで、確変フラグや時短フラグや高確報知フラグがあった場合にはそれらをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りAである場合には確変大当りA開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りBである場合には確変大当りB開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りA、確変大当りBのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。
【0258】
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回や5回)および大当り種別に応じた開放時間をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
【0259】
ステップS140では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされている場合には、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値を−1する(ステップS153)。そして、CPU56は、減算後の確変回数カウンタの値にもとづいて確変回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS154)。次いで、CPU56は、減算後の確変回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS155)、確変フラグをリセットするとともに、高確報知フラグがセットされている場合には該高確報知フラグをリセットする(ステップS156)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS157)。
【0260】
ステップS155において減算後の確変回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合(すなわち、確変・時短状態に制御されている場合)には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値にもとづいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行った後(ステップS143)、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
【0261】
ステップS145にて時短フラグをリセットした場合、またはステップS140のNo,S141のNo,S144のNoの場合、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば5回)および小当りに対応した開放時間(確変大当りBと同じ開放時間)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
【0262】
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のN)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS195)。
【0263】
特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し、大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットするともに、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う。ここで、確変大当りAであった場合には確変大当りA終了指定コマンドを送信し、確変大当りBであった場合には小当り/確変大当りB終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し、処理を終了する。
【0264】
大当り終了表示タイマが設定されている場合には、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する。経過していなければ処理を終了する。
【0265】
大当り終了表示時間を経過していれば、CPU56は、大当りの種別が確変大当りAであるか否かを確認する。具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りAであれば、CPU56は、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットするとともに、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば72回)をセットし、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
【0266】
次いで、CPU56は、遊技状態を確変状態に移行させるために確変フラグをセットするとともに、確変回数をカウントするための確変回数カウンタに所定回数(例えば75回)をセットし、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
【0267】
尚、この遊技状態を確変状態に移行させる段階、つまり、起動時以外の遊技中において確変(高確)状態に移行する場合には、起動時において電力供給停止前に確変フラグがセットされている場合と異なり、高確報知フラグをセットしないので、高確報知LED24が点灯されて確変(高確)状態であることが報知されてしまうことがないとともに、起動高確情報が情報出力回路53から出力されて呼び出しランプにより確変(高確)状態であることが報知されてしまうこともない。
【0268】
また、確変大当りBである場合には、大当り前確変フラグがセットされているか否かを確認する。大当り前確変フラグがセットされていなければ、遊技状態を確変状態に移行させるために確変フラグをセットするとともに、確変回数をカウントするための確変回数カウンタに所定回数(例えば75回)をセットし)、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。一方、大当り前確変フラグがセットされている場合には、大当り前確変フラグをリセットしてから、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットするとともに、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば72回)をセットし、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行った後、遊技状態を確変状態に移行させるために確変フラグをセットするとともに、確変回数をカウントするための確変回数カウンタに所定回数(例えば75回)をセットし)、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
【0269】
すなわち、通常状態(低確低ベース状態)において確変大当りBが発生した場合は、確変回数が更新(セット)され、確変状態(高確低ベース状態)または確変・時短状態(高確高ベース状態)において確変大当りBが発生した場合は、時短回数および確変回数が更新(セット)される。
【0270】
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
【0271】
また、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する。経過していなければ処理を終了する。
【0272】
そして、 小当り終了表示時間を経過していれば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
【0273】
一方、小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う。
【0274】
そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し、処理を終了する。
【0275】
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。
図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0276】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
【0277】
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)とともに、パスワードの受付けや出力等を行うためのメニュー画面を表示するメニュー処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
【0278】
図24は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。
図24に示すように、この実施例では、潜伏示唆演出種別決定用乱数SR1を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
【0279】
潜伏示唆演出種別決定用乱数SR1は、確変大当りB並びに小当りの状態が終了する際に、潜伏示唆演出が実施される場合において、実施する潜伏示唆演出において移行するモードの種別を昼モードまたは夜モードのいずれかに決定するための乱数である。
【0280】
尚、これらSR1の各乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、
図24に示す乱数更新処理(ステップS706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(
図24に示された範囲における最大値)を越えると下限値(
図24に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
【0281】
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図示しない図柄変動制御パターンテーブルを初めとする、各種演出の演出制御パターンを含む演出制御パターンテーブルや、各大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む当り演出制御パターンテーブル(図示略)が記憶されている。本実施例の図柄変動制御パターンテーブルには、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、各変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データといった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
【0282】
また、当り演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、操作ボタン制御データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
【0283】
なお、これら各種演出制御パターン各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
【0284】
これらプロセステーブルには、例えばプロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
【0285】
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU101における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU101において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
【0286】
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ27L、27Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、スピーカ27L、27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
【0287】
演出制御用CPU101は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様でスピーカ27L、27Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
【0288】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、
図25に示す、潜伏示唆演出決定用テーブルA並びに潜伏示唆演出決定用テーブルBが記憶されている。潜伏示唆演出決定用テーブルAには、潜伏示唆演出種別決定用乱数SR1の乱数値範囲である1〜100の内、
図25(a)、(b)に示す判定値数となるように、背景画像として明るい昼状態の背景(昼ステージ)が演出表示装置9における背景画像として表示されるモードである昼モードと、暗い夜状態の背景(夜ステージ)が演出表示装置9における背景画像として表示されるモードである夜モードのそれぞれに対応して、「確変大当りB」と「小当り」毎に、個別に設定されている。
【0289】
図25(a)に示す潜伏示唆演出決定用テーブルAは、
図29に示すように、潜伏示唆演出において、遊技者により操作部50が操作されたときに使用されるテーブルであり、
図25(b)に示す潜伏示唆演出決定用テーブルBは、潜伏示唆演出において、遊技者により操作部50が操作されないときに使用されるテーブルである。
【0290】
潜伏示唆演出決定用テーブルAには、
図25(a)に示すように、「確変大当りB」に対応する判定値として、「昼モード」に30個、「夜モード」に70個の判定値が割り当てられているとともに、「小当り」に対応する判定値として、「昼モード」に90個、「夜モード」に10個の判定値が割り当てられている。
【0291】
潜伏示唆演出決定用テーブルBには、
図25(b)に示すように、「確変大当りB」に対応する判定値として、「昼モード」に70個、「夜モード」に30個の判定値が割り当てられているとともに、「小当り」に対応する判定値として、「昼モード」に85個、「夜モード」に15個の判定値が割り当てられている。
【0292】
つまり、遊技者が操作部50を操作した場合においては、潜伏示唆演出決定用テーブルAが使用されることで、確変大当りBが発生して確変状態に移行する場合には夜モードが決定されやすいとともに、小当りが発生して確変状態に移行しない場合には昼モードが決定されやすく、これらモードの種別によって、確変状態となるのか或いは確変状態にならないのかが、解りやすく示唆される。
【0293】
また、遊技者が操作部50を操作しない場合においては、潜伏示唆演出決定用テーブルBが使用されることで、確変大当りBが発生して確変状態に移行する場合並びに小当りが発生して確変状態に移行しない場合のいずれにおいても、昼モードが決定されやすく、これらモードの種別によって、確変状態となるのか或いは確変状態にならないのかが、解り難く示唆される。
【0294】
すなわち、操作部50を操作した場合の方が、操作部50を操作しない場合よりも、確変状態となるのか或いは確変状態にならないのかが、モードの種別によって解りやすくなるので、遊技者による操作部50の操作を喚起できるようになっている。
【0295】
図38は、
図23に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0296】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
【0297】
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
【0298】
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
【0299】
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0300】
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0301】
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
【0302】
当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0303】
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
【0304】
図27は、演出制御プロセス処理における当り終了演出処理(ステップS806)を示すフローチャートである。当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS891に移行する。大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されていない場合には、確変大当りA終了指定コマンドを受信したことを示す確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンドを受信したことを示す確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、または小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否か確認する(ステップS881)。
【0305】
確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされている場合には、セットされている当り終了指定コマンド受信フラグに応じて、当り終了演出タイマに大当り終了表示時間或いは小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS882)、演出表示装置9に、当り終了指定コマンド受信フラグに対応した終了報知画面を表示する制御を行う(ステップS883)。
【0306】
つまり、確変大当りA終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確変大当りAに対応する終了報知画面を表示し、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確変大当りBに対応する終了報知画面を表示し、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、小当りに対応する終了報知画面を表示して処理を終了する。
【0307】
ステップS891では、大当り(小当り)終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り(小当り)終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り(小当り)終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS892)。大当り(小当り)終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、セットされている確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかをリセットした後(ステップS893)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
【0308】
一方、大当り(小当り)終了演出時間が経過していない場合には、ステップS895に進み、セットされている終了指定コマンド受信フラグの種別に基づいて、発生した当りが確変大当りAであるか否かを判定する。
【0309】
時短制御を伴う確変状態に移行する確変大当りAである場合には、ステップS896に進んで、モード移行演出処理を実施して、背景画像を夜モードに移行させて処理を終了する一方、確変大当りAではない場合(確変大当りBまたは小当りである場合)には、ステップS897に移行して、
図28に示す潜伏示唆演出処理を実施することで、昼モードまたは夜モードよって確変であるか否かを示唆した後、当該処理を終了する。
【0310】
ここで、
図28を用いて、ステップS897の潜伏示唆演出処理について説明すると、潜伏示唆演出処理において演出制御用CPU101は、まず、2次元コード表示中タイマのカウント中であるか否か、つまり、
図29に示すように、2次元コードを表示中であるか否かを判定する(ステップS701)。2次元コード表示中タイマのカウント中である場合(2次元コードの表示中)には、ステップS710に進み、2次元コード表示中タイマのカウント中でない場合(2次元コードの表示前)には、ステップS702に進んで、ボタン操作受付け中フラグがセットされているか否か、つまり、操作部50の操作を受付け中であるか否かを判定する。
【0311】
ボタン操作受付け中フラグがセットされていなければステップS703に進み、
図29(b)に示すボタン操作案内画面を表示した後、ボタン操作受付け中フラグをセットする(ステップS704)とともに、操作受付け中タイマのタイマカウントをスタートする(ステップS705)。
【0312】
潜伏示唆演出処理が最初の割込によって実施されることによりステップS704にてボタン操作受付け中フラグがセットされている場合、つまり、
図29(b)のボタン操作案内画面が表示されて、操作部50の操作が有効とされている状態においては、ステップS720に進み、操作部50の操作受付けの有無を判定する。
【0313】
このボタン操作案内画面は、
図29(b)に例示すように、「確変かな?ボタンを押してね!!」のメッセージを所定のキャラクタが話す画面が、操作部50の画像とともに含まれており、操作部50の操作を遊技者に促す。
【0314】
そして、操作部50の操作受付けが有った場合には、ステップS730に進んで、潜伏示唆演出決定用テーブルAに基づいてモードの種別を決定してステップS724に進む。
【0315】
ステップS730においては、潜伏示唆演出種別決定用乱数SR1を抽出し、該抽出した潜伏示唆演出種別決定用乱数SR1と潜伏示唆演出決定用テーブルAに記憶されている判定値とに基づいて「昼モード」または「夜モード」のいずれかに、当該当りの種別(確変大当りBまたは小当り)に応じて、前述したように決定される。
【0316】
一方、操作部50の操作受付けが無かった場合には、ステップS721に進んで、操作受付け中タイマを−1した後、該操作受付け中タイマがタイマアップしたか否かを判定し、
タイマアップしていない場合には、当該割込時における処理を終了する。
【0317】
操作受付け中タイマがタイマアップしている場合、つまり、操作受付け中タイマにセットされている受付け期間内に操作部50が操作されなかった場合には、ステップS722でYesと判定されてステップS723に進み、潜伏示唆演出決定用テーブルBに基づいてモードの種別を決定してステップS724に進む。
【0318】
ステップS723においては、潜伏示唆演出種別決定用乱数SR1を抽出し、該抽出した潜伏示唆演出種別決定用乱数SR1と潜伏示唆演出決定用テーブルBに記憶されている判定値とに基づいて「昼モード」または「夜モード」のいずれかに、当該当りの種別(確変大当りBまたは小当り)に応じて、前述したように決定される。
【0319】
ステップS724においては、ステップS723またはステップS730にて決定したモードの背景画像に、演出表示装置9の表示画面の背景を変更した後、表示図柄指定コマンドから特定される当該当りとなった可変表示において導出表示された表示結果の特別図柄の表示図柄パターンと、当該潜伏示唆演出において操作部50の操作の有無情報を含む2次元コードを有する、
図29(c)に示す2次元コード出力画面を表示する(ステップS725)。
【0320】
具体的には、ステップS723またはステップ730において夜モードに決定されている場合には、
図29(c−1)に示すように、背景画像が夜の画像に更新される(夜モードの場合には、そのまま夜モードを維持される)とともに、「やった、確変かもね!」のメッセージを所定のキャラクタが話す画面が、2次元コードとともに表示される一方、ステップS723またはステップ730において昼モードに決定されている場合には、
図29(c−2)に示すように、背景画像が昼の画像に更新(昼モードの場合には、そのまま維持)されるとともに、「残念、かも!」のメッセージを所定のキャラクタが話す画面が、2次元コードとともに表示される。
【0321】
そして、2次元コード表示中タイマをセットして、該セットした2次元コード表示中タイマのタイマカウントをスタートさせた後(ステップS726)、当該割込時における処理を終了する。
【0322】
このようにして、2次元コード表示中タイマがカウント中である場合、つまり、
図29(c−1)または
図29(c−2)の画面が表示されている場合には、ステップS701にてYesと判定されてステップS710に進み、2次元コード表示中タイマを−1した後、該2次元コード表示中タイマがタイマアップしたか否かを判定し、タイマアップしていない場合には、当該割込時における処理を終了する一方、タイマアップした場合には、ステップS712に進んで、
図29(c−1)または
図29(c−2)の2次元コードを含む画面表示を終了して、当該処理を終了する。
【0323】
このように、本実施例の潜伏示唆演出処理においては、操作部50の操作の有無に応じて夜モードまたは昼モードを決定し、決定したモードに移行することで、確変であるか否かを示唆する演出を実施するとともに、直前の可変表示における特別図柄の表示結果である表示図柄パターンと、当該潜伏示唆演出において操作部50の操作の有無情報を含む2次元コードが表示出力される。
【0324】
次に、本実施例に使用される携帯電話端末1001について説明すると、携帯電話端末1001は、無線通信機能とともに、インターネット網のサーバコンピュータへのアクセス機能を有する公知の携帯電話端末を好適に利用することができ、これら携帯電話端末1001には、
図1に示すように、基地局との無線通信を実施するための無線通信部1002や、各種の情報やアプリケーションプログラムによる各種の表示等が表示可能な表示部1003、制御プログラムに基づいて携帯電話端末1001の動作を制御するとともに、アプリケーションプログラムを実行可能とされた制御マイクロプロセッシングユニット(MPU)1004と、携帯電話端末1001の電話番号や端末IDの各種の情報やサーバコンピュータ1000からダウンロードした判別アプリ等の各種アプリケーションプログラム等のデータが記憶されるメモリ1005、テンキー等から成る入力部1006、パチンコ遊技機1に表示される2次元コードを撮像する撮像部1007が設けられている。
【0325】
判別アプリでは、パチンコ遊技機1の第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに表示された表示図柄パターンを特定可能な表示図柄パターン番号を含む2次元バーコードを読み取る(入力する)ことで、該表示結果(セグパターン番号)に該当する遊技状態が確変(高確)状態または非確変(低確)状態のいずれかあるかを遊技者に示唆する示唆演出としてのバトル演出を実施した後、最終的に遊技状態が確変(高確)状態または非確変(低確)状態のいずれかあるかが遊技者に報知されるようになっている。
【0326】
また、入力された表示図柄パターンが確変大当りに該当する表示図柄パターンであった場合、その表示図柄パターンはセグコレクションとして記憶(蓄積)される。セグコレクションでは、後述する確変大当りBに該当する50個全ての表示図柄パターンを収集できるようになっており、入力された表示図柄パターンの個数や番号等が、後述する所定の付与条件を満たした場合、それらに応じた種々の特典が遊技者に付与されるようになっている。
【0327】
サーバコンピュータ1000からダウンロードしてメモリ1005に記憶される判別アプリには、
図34に示す表示図柄パターンテーブルや、
図35に示す当選判定テーブルや、
図36に示す特典テーブルが含まれている。
【0328】
本実施例の表示図柄パターンテーブルは、
図34に示すように、パチンコ遊技機1の第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに表示された確変大当りBと小当りとに対応する100の特別図柄の表示図柄パターン毎に、対応する遊技結果による遊技状態、種別、入力回数が記憶されている。
【0329】
パチンコ機1から出力される2次元バーコードには、表示図柄パターンの番号が含まれており、確変大当りBまたは小当りとなった可変表示における表示結果として表示された表示図柄パターンを、該2次元バーコードに含まれる番号から特定することができる。
【0330】
また、該当遊技状態の項目には、「確変」、「非確変」のデータが格納されており、本実施例では、パチンコ遊技機1における
図16の表示図柄パターン決定用テーブルと同じく、パターン1〜パターン50までが「確変」の表示図柄パターンとされ、パターン51〜パターン100までが「非確変」の表示図柄パターンとされており、2次元バーコードに含まれる番号から特定された表示図柄パターンが、「確変」である確変大当りBに対応する表示図柄であるのか、「非確変」である小当りに対応する表示図柄であるのかを特定することができる。
【0331】
また、種別の項目には、表示図柄パターンの種別として、「スペシャル」、「ラッキー」、「ノーマル」の各データが格納される。スペシャルの表示図柄パターンは、パチンコ遊技機1において前述したように、パターン番号が、1、11、21、31、41であって、他のパターンに比較して表示される確率が低いパターンである。ラッキーの表示図柄パターンは、パターン番号が33であって、特別な特典が付与されるパターンである。
【0332】
入力回数は、確変の表示図柄パターンが入力された回数が格納され、当該確変の表示図柄パターンを含む2次元バーコードが入力(読み取り)される毎に1が加算更新されることにより、各確変の表示図柄パターンが入力された回数が集計されるとともに、各確変の表示図柄パターンが既に入力されたものであるか否かを特定できるようになっている。尚、これら入力回数は、加算されるのみではなく、該表示図柄パターンに登録されていない入力データが所定回数入力(非登録パターンが所定回数入力)された場合には、入力回数の最も多いもの(入力回数が同一であれば、番号の若いもの)を削除して「0」に更新するようにしても良い。
【0333】
本実施例の当選判定テーブルは、
図35(a)に示すように、入力回数がない(入力回数=0)場合に使用される当選判定テーブルAと、
図35(b)に示すように、入力回数がある場合に使用される当選判定テーブルBとから構成されている。
【0334】
各当選判定テーブルA、Bには、
図35に示すように、「確変(操作有り)」、「確変(操作無し)」、「非確変(操作有り)」、「非確変(操作無し)」のそれぞれに対応付けて、「当選」と「落選」に対応する各判定値が、
図35に示す判定値数となるように格納されており、該判定値と判別アプリに含まれる乱数生成モジュールプログラムにより生成された1〜100の範囲内の乱数値とに基づいて当選、落選が決定される。
【0335】
これら判定値の数(判定値数)としては、入力回数がない場合(入力回数=0)である場合に使用される当選判定テーブルAの場合には、「確変(操作有り)」に対して最も多い「80」の判定値が「当選」、「20」の判定値が「落選」に割り当てられ、「確変(操作無し)」に対して「70」の判定値が「当選」、「30」の判定値が「落選」に割り当てられ、「非確変(操作有り)」に対して「20」の判定値が「当選」、「80」の判定値が「落選」に割り当てられ、「非確変(操作無し)」に対して「10」の判定値が「当選」、「90」の判定値が「落選」に割り当てられている。
【0336】
また、入力回数が有る場合(入力回数>0)に使用される当選判定テーブルBの場合には、「確変(操作有り)」に対して「100」の判定値が全て「当選」に割り当てられ、「確変(操作無し)」に対して「90」の判定値が「当選」、「10」の判定値が「落選」に割り当てられ、「非確変(操作有り)」に対して「50」の判定値が「当選」、「50」の判定値が「落選」に割り当てられ、「非確変(操作無し)」に対して「25」の判定値が「当選」、「75」の判定値が「落選」に割り当てられている。
【0337】
つまり、入力回数の有無にかかわらず、表示図柄パターンが確変の表示図柄パターンである場合には、「落選」に割り当てられている判定値数よりも多くの判定値が「当選」に割り当てられていることで、確変の表示図柄パターンである場合には当選に決定されやすい一方、表示図柄パターンが非確変の表示図柄パターンである場合には、「当選」に割り当てられている判定値数が、「確変」の場合に割り当てられている判定値数よりも少ないことで、非確変の表示図柄パターンである場合には、確変の場合よりも「落選」に決定され易くなっている。
【0338】
また、当選判定テーブルA、Bのいずれにおいても、「確変(操作有り)」並びに「非確変(操作有り)」に対応する「当選」の判定値数が、「確変(操作無し)」並びに「非確変(操作無し)」に対応する「当選」の判定値数よりも多く割り当てられていることで、パチンコ機1における潜伏示唆演出において操作部50を操作することで、「操作有り」と特定される場合には、「操作無し」と特定される場合よりも「当選」に決定され易くなっている。
【0339】
また、当選判定テーブルAと当選判定テーブルBを比較することで解るように、入力回数が有る場合(入力回数>0)に使用される当選判定テーブルBの方が、入力回数が無い場合(入力回数=0)に使用される当選判定テーブルAよりも、「当選」に対して多くの判定値が割り当てられていることで、入力回数が無い場合よりも入力回数が有る場合の方が「当選」に決定され易くなっている。
【0340】
尚、本実施例では、当選判定テーブルを入力回数の有無のみに対応する2つの当選判定テーブルのみと
しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら当選判定テーブルを、入力回数が2〜5に対応する当選判定テーブルや、入力回数が6以上に対応する当選判定テーブルのように、より多くの当選判定テーブルを使用するようにしても良い。
【0341】
本実施例の特典テーブルは、
図36に示すように、特典が付与される各付与条件に対応付けて、当該付与条件が成立したときに付与される特典の内容が格納されている。
【0342】
具体的には、
図36に示すように、入力(読み取り)回数が1以上となった表示図柄パターンの数(コレクション数)が10個、20個、30個となることに応じて、携帯電話端末1001にて利用可能な待ち受け画面がサーバコンピュータ1000から1回に限りダウンロード可能とされるとともに、「初級」「中級」「上級」のうちからいずれかの称号が付与される。
【0343】
また、種別がラッキーである表示図柄パターン(パターン33)を入力した場合には、パチンコ遊技機1におけるプレミアムリーチの画像データをサーバコンピュータ1000から1回に限りダウンロード可能とされる。
【0344】
また、種別がスペシャルである表示図柄パターン(パターン1、11、21、31、41)を入力した場合には、各表示図柄パターンに対応する表示図柄パターン、例えば、パターン1であれば、表示図柄パターン2〜6までの5つの表示図柄パターンが未入力であっても、コレクション数に追加されるとともに、該表示図柄パターン2〜6の表示パターンが確変の表示図柄パターンであることが公開される。尚、表示図柄パターン11の場合には表示図柄パターン12〜16が公開され、表示図柄パターン21の場合には表示図柄パターン22〜26が公開され、表示図柄パターン31の場合には表示図柄パターン32〜36が公開され、表示図柄パターン41の場合には表示図柄パターン42〜46が公開される。
【0345】
また、表示図柄パターンが所定の組合せ、例えば、表示図柄パターン1〜10が全て連続して入力されている状態となったときには、携帯電話端末1001にて利用可能な着信メロディが、サーバコンピュータ1000から1回に限りダウンロード可能とされる。
【0346】
尚、これら以外の表示図柄パターンの組合せが特典の付与条件とされており、これらの付与条件と付与特典とが特典テーブルに記憶されている。
【0347】
ここで、本実施例の携帯電話端末1001において実施される判別アプリの処理内容について、
図38のフローチャートに基づいて説明する。
【0348】
まず、携帯電話端末1001において所定に起動操作を実施することで、判別アプリを起動すると、制御MPU1004は、まず、
図34の表示図柄パターンテーブルや各種の演出用データ等の存在確認処理等を含む所定の起動処理を実施した後(ステップS30)、
図30(a)に示す2次元コードを読み取るためのコード読み取り画面を表示する(ステップS31)。
【0349】
そして、ステップS32とステップS47を巡回実施することで、データ入力画面からのデータ入力が有るか、或いは所定の終了操作が有るかを監視する待機状態に移行する。
【0350】
この待機状態において所定の終了操作がなされた場合には、ステップS47において「Yes」と判断されて該判別アプリを終了する。
【0351】
本実施例のコード読み取り画面には、
図30(a)に示すように、遊技中のパチンコ機1において当りとなったときに第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに表示された特別図柄の表示図柄パターン番号とボタン操作の有無の操作情報がシンボル化された2次元コードが、撮像部1007にて撮像されて表示されるようにして、「読み取り」に対応する「0」を入力する。
【0352】
このように、読み取り操作があった場合には、ステップS32において「Yes」と判断されてステップS32+に進み、2次元コードの読み取りが良好に実施できたか否か、つまり、2次元コードにシンボル化されている表示図柄パターン番号と操作情報の復号が問題なく完了できたか否かを判定し、読み取りが良好に実施できなかった場合には、ステップS31に戻る一方、読み取りが良好に実施できた場合にはステップS33に進み、
図34に示す表示図柄パターンテーブルを使用して、読み取った番号に対応する表示図柄パターン、つまり、パチンコ遊技機1から表示出力された表示図柄パターンと、潜伏示唆演出における操作の有無とを特定するとともに、該特定した表示図柄パターンに対応する該当遊技状態のデータから、該特定した表示図柄パターンが属する遊技状態が、確変大当りの遊技結果により発生する「確変(高確)」或いは通常大当りの遊技結果により発生する「非確変(低確)」のどちらであるのかを判定する。
【0353】
尚、これら表示図柄パターンを特定する場合において、読み取りデータ(番号)に該当する表示図柄パターンが表示図柄パターンテーブルに存在しない場合、すなわち、遊技者がパチンコ遊技機1に表示されたセグメントパターンではなく、任意に創作した表示図柄パターンの2次元コードを入力した場合には、前述したように、表示図柄パターンテーブルにおける入力回数の最も多いものを1つ削除するようにしても良く、そのようにすることで、表示図柄パターンのコレクション数が減少するペナルティが実施されることで、パチンコ遊技機1にて表示されていないセグメントパターンの入力による不正なコレクション数の増加を抑止できるようにしても良い。
【0354】
該判定の結果が「確変(高確)」である場合、つまり、パチンコ遊技機1において確変大当りの遊技結果となることにより、遊技状態として遊技者にとって有利な確変状態に移行する場合には、さらに、当該特定した表示図柄パターンの種別がノーマルであるか否かを判定する(ステップS34)。
【0355】
該判定において表示図柄パターンの種別がノーマルでない場合、つまりスペシャル或いはラッキーの表示図柄である場合には、ステップS48に進み、実行するバトル演出の対戦において味方キャラクタが勝利することで、有利な確変状態である事を示唆する演出Aを決定した後、該特定した表示図柄パターンに対応する入力回数に1を加算更新してステップS39に進む。
【0356】
一方、ステップS34の判定において表示図柄パターンの種別がノーマルである場合には、読み取った操作情報から特定した操作の有無と、抽出した乱数と、
図35に示す当選判定テーブルとに基づいて当選・落選を決定する抽選処理を実施し、該抽選に当選した場合には、ステップS48に進んで、実行する演出パターンの種別として信頼度の最も高い演出Aを決定した後、上記したステップS49を経由してステップS39に進む一方、抽選に落選した場合には、ステップS37に進んで、実行する演出パターンの種別として演出Aよりも信頼度の低い演出Bを決定した後、ステップS38に進む。
【0357】
つまり、読み取ったデータにより特定された表示図柄パターンの種別がスペシャル或いはラッキーである場合には、全て当選と見なされて信頼度の高い演出Aが決定される一方、入力データにより特定された表示図柄パターンの種別がノーマルである場合には、抽選に落選することで信頼度の低い演出Bが決定されるので、パチンコ遊技機1に表示された表示図柄パターンの種別によって信頼度が異なる演出が携帯電話端末1001において実施されることになる。
【0358】
尚、ステップS35の抽選処理においては、特定した表示図柄パターンの入力回数が0であるか否かを特定し、入力回数が0である場合には、当選判定テーブルAを使用対象テーブルとして設定し、入力回数が0でない場合には、当選判定テーブルBを使用対象テーブルとして設定する。
【0359】
そして、判別アプリに含まれる乱数生成モジュールプログラムにより生成された1〜100の範囲内の乱数値が、使用対象に設定された当選判定テーブルAまたは当選判定テーブルBにおいて、操作情報から「操作有り」と特定した場合には、「確変(操作有り)」に対応する「当選」、「落選」のいずれの判定値に該当するかにより、当選であるか落選であるかを決定し、操作情報から「操作無し」と特定した場合には、「確変(操作無し)」に対応する「当選」、「落選」のいずれの判定値に該当するかにより、当選であるか落選であるかを決定する。
【0360】
具体的には、本実施例に用いた例えば当選判定テーブルAにおいては、
図35(a)に示すように、特定された表示図柄パターンが確変の表示図柄パターンであって、操作情報から操作有りが特定された場合においては、当選と判定される判定値数が80とされ、落選と判定される判定値数が20とされており、当選と決定される確率が高くなっているものの、落選と決定される場合がある。
【0361】
また、ステップS33の判定の結果が「非確変(低確)」である場合、つまり、パチンコ遊技機1において小当りの遊技結果となることにより、遊技状態として遊技者にとって有利な確変状態に移行しない場合には、ステップS42に進んで抽選処理を実施する。
【0362】
ステップS42の抽選処理においては、上記したステップS35と同様に、特定した表示図柄パターンの入力回数が0であるか否かを特定し、入力回数が0である場合には、当選判定テーブルAを使用対象テーブルとして設定し、入力回数が0でない場合には、当選判定テーブルBを使用対象テーブルとして設定する。
【0363】
そして、判別アプリに含まれる乱数生成モジュールプログラムにより生成された1〜100の範囲内の乱数値が、使用対象に設定された当選判定テーブルAまたは当選判定テーブルBにおいて、操作情報から「操作有り」と特定した場合には、「非確変(操作有り)」に対応する「当選」、「落選」のいずれの判定値に該当するかにより、当選であるか落選であるかを決定し、操作情報から「操作無し」と特定した場合には、「非確変(操作無し)」に対応する「当選」、「落選」のいずれの判定値に該当するかにより、当選であるか落選であるかを決定する。
【0364】
具体的には、本実施例に用いた例えば当選判定テーブルAにおいては、
図35(a)に示すように、特定された表示図柄パターンが非確変の表示図柄パターンであって、操作情報から操作有りが特定された場合においては、当選と判定される判定値数が20とされ、落選と判定される判定値数が80とされており、落選と決定される確率が高くなっているものの、当選と決定される場合がある。
【0365】
ステップS42の抽選に当選した場合には、ステップS43において「Yes」と判定してステップS37に進み、実行する演出パターンの種別として演出Aよりも信頼度の低い演出Bを決定した後、該特定した表示図柄パターンに対応する入力回数に1を加算更新して(ステップS38)、ステップS39に進む。
【0366】
このステップS39においては、ステップS37またはステップS48にて決定された演出Aまたは演出Bの演出を実行する。そして、各演出が実施された後、
図31(f)に示すように、演出の最終画面に設けられた「詳細」または「戻る」の操作部の操作待ち状態に移行し(ステップS40、ステップS41)、「戻る」の操作部が操作された場合には、ステップS31に戻る一方、「詳細」の操作部が操作された場合には、
図32(b)や
図32(e)に示すセグ詳細画面を表示するセグ詳細表示処理へ移行する。
【0367】
尚、ステップS39における演出実行処理では、特定した当該表示図柄パターンの入力回数を
図34に示す表示図柄パターンテーブルから特定し、特定した入力回数が0である場合、つまり、今まで未入力の表示図柄パターンである場合には、
図11(e)に示す格闘表示を含む通常長さの演出表示が実施される一方、特定した入力回数が0でない場合、つまり、既に入力されたことのある表示図柄パターンである場合には、
図11(e)に示す格闘表示を含まない短縮された演出表示が実施される。
【0368】
一方、ステップS42の抽選に落選した場合には、ステップS43において「No」と判定してステップS44に進み、実行する演出パターンの種別として演出Bよりも確変信頼度の低い演出Cを決定した後、ステップS45に進む。
【0369】
このステップS45においては、ステップS44にて決定された演出Cの演出を実行する。そして、演出Cが実施された後、
図31(g)に示すように、演出の最終画面に設けられた「戻る」の操作部の操作待ち状態に移行し(ステップS46)、「戻る」の操作部が操作されることでステップS31に戻る。
【0370】
ここで、本実施例において実施される演出A、演出B、演出Cの信頼度について、
図17に基づき、「操作有り」、「入力回数無し」の場合を例に、具体的に説明すると、本実施例においては、前述したように、確変である信頼度が、演出A>演出B>演出Cの順となっており、このように各演出の信頼度となることを示したのが
図37である。
【0371】
まず、本実施例において演出A、演出B、演出Cは、前述したように、表示図柄パターンの種類によって決定されるので、これら表示図柄パターンの種類毎に、個々の表示図柄パターンの入力(読み取り)割合と、各演出の出現率を示したのが
図37に示す表である。
【0372】
具体的に、表示図柄パターンが確変の表示図柄パターンであって、種別がノーマルではないスペシャル若しくはラッキーである場合(非ノーマルである場合)は、
図34の表示図柄パターンテーブルに示されるように、全ての表示図柄パターンの数である100個のうち、6つの表示図柄パターンであるので、これら確変の表示図柄パターンであって、種別が非ノーマルである表示図柄パターンが入力される割合は6/100である。
【0373】
同様に、確変の表示図柄パターンであって、種別がノーマルである表示図柄パターンが入力される割合は44/100である。
【0374】
また、非確変の表示図柄パターンも、
図34の表示図柄パターンテーブルに示されるように、確変の表示図柄パターンと同じく50個の表示図柄パターンとされているので、非確変の表示図柄パターンが入力される割合は、50/100である。
【0375】
また、演出Aの出現比率は、確変の表示図柄パターンであって、種別が非ノーマルである表示図柄パターンである場合には、前述したように、抽選されることなく演出Aが決定されるので100%であり、確変の表示図柄パターンであって、種別がノーマルである表示図柄パターンである場合には、抽選により80%が当選して演出Aが決定されるので、出現比率は80%であり、非確変の表示図柄パターンである場合には演出Aが決定されることはないので、出現比率は0%である。
【0376】
また、演出Bの出現比率は、確変の表示図柄パターンであって、種別が非ノーマルである表示図柄パターンである場合には、前述したように、抽選されることなく演出Aが決定されるので0%であり、確変の表示図柄パターンであって、種別がノーマルである表示図柄パターンである場合には、抽選により20%が落選して演出Bが決定されるので、出現比率は20%であり、非確変の表示図柄パターンである場合には、抽選により20%が当選して演出Bが決定されるので、出現比率は20%である。
【0377】
また、演出Cの出現比率は、確変の表示図柄パターンであって、種別が非ノーマルである表示図柄パターンである場合には、前述したように、抽選されることなく演出Aが決定されるので0%であり、確変の表示図柄パターンであって、種別がノーマルである表示図柄パターンである場合には、演出Cが決定されることはないので、出現比率は0%であり、非確変の表示図柄パターンである場合には、抽選により80%が落選して演出Cが決定されるので、出現比率は80%である。
【0378】
そして、各演出の確変信頼度は、
図37に示すように、確変となるときに各演出が出現する確率を、各演出が出現する全確率にて除した値であることから、
図37に示す各表示図柄パターンの入力割合と出現比率とに基づいて、各演出の信頼度を算出することができる。
【0379】
具体的には、演出Aが出現する全確率は、確変の表示図柄パターンであって種別が非ノーマルである表示図柄パターンである場合の入力割合(6/100)に出現比率(100%)を乗じた値と、確変の表示図柄パターンであって種別がノーマルである表示図柄パターンである場合の入力割合(44/100)に出現比率(80%)を乗じた値と、非確変の表示図柄パターンである場合の入力割合(50/100)に出現比率(0%)を乗じた値と、の合計である。確変において演出Aが出現する確率は、確変の表示図柄パターンであって種別が非ノーマルである表示図柄パターンである場合の入力割合(6/100)に出現比率(100%)を乗じた値と、確変の表示図柄パターンであって種別がノーマルである表示図柄パターンである場合の入力割合(44/100)に出現比率(80%)を乗じた値との合計である。この場合、
図37に示すように、非確変の表示図柄パターンである場合の入力割合(50/100)に出現比率(0%)を乗じた値は0であるために、分母と分子の値が同一となるので、演出Aの信頼度は100%である。つまり、演出Aが出現した場合には、必ず確変であることになる。
【0380】
次に、演出Bが出現する全確率は、確変の表示図柄パターンであって種別が非ノーマルである表示図柄パターンである場合の入力割合(6/100)に出現比率(0%)を乗じた値と、確変の表示図柄パターンであって種別がノーマルである表示図柄パターンである場合の入力割合(44/100)に出現比率(20%)を乗じた値と、非確変の表示図柄パターンである場合の入力割合(50/100)に出現比率(20%)を乗じた値と、の合計である。確変において演出Bが出現する確率は、確変の表示図柄パターンであって種別が非ノーマルである表示図柄パターンである場合の入力割合(6/100)に出現比率(0%)を乗じた値と、確変の表示図柄パターンであって種別がノーマルである表示図柄パターンである場合の入力割合(44/100)に出現比率(20%)を乗じた値との合計である。これらの値から演出Bの確変信頼度は、およそ46、8%となり、演出Aの100%よりも低い信頼度となる。つまり、演出Bは、非確変の表示図柄パターンにおいても決定されて出現する場合があるので、演出Aに比較して信頼度が低くなる。
【0381】
次に、演出Cについては、
図37に示すように、そもそも、確変の表示図柄パターンであって種別が非ノーマルである表示図柄パターンである場合と、確変の表示図柄パターンであって種別がノーマルである表示図柄パターンである場合とにおける出現比率が共に0であるので、確変となるときに演出Cが出現する確率が0であるので、演出Cの確変信頼度は、演出Bの確変信頼度よりも低い0%である。つまり、演出Cが出現した場合には、必ず非確変であることになる。
【0382】
このように、本実施例では、演出Aの確変信頼度が100%、演出Bの確変信頼度が47%、演出Cの確変信頼度が0%となっており、確変信頼度は、演出A>演出B>演出Cの順である。このように、本実施例では、演出Aの確変信頼度が100%、演出Bの確変信頼度が47%、演出Cの確変信頼度が0%としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの信頼度は、適宜に設定すれば良い。
【0383】
尚、
図37においては、「操作有り」、「入力回数なし」の場合について例示したが、「操作無し」、「入力回数なし」の場合、「操作有り」、「入力回数有り」の場合、「操作無し」、「入力回数有り」の場合についても、同様にして信頼度を算出することができる。
【0384】
次に、本実施例の携帯電話端末1001において実施される判別アプリの動作状況の一例について、
図30〜
図33にもとづいて説明する。
【0385】
まず、携帯電話端末1001において所定の起動操作を実施することにより判別アプリを起動すると、2次元コードを読み取るためのコード読み取り画面が表示される(
図30(a)参照)。そしてコード読み取り画面には、撮像部1007にて撮像された、パチンコ機1の演出表示装置9に表示された2次元コードが表示される。
【0386】
尚、本実施例では、表示図柄パターン番号がシンボル化された2次元コードを使用するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに停止表示された表示図柄パターンを、8つのセグメントのそれぞれに割り当てられた数字キーによりセグパターンを入力するデータ入力画面を用いて、遊技者が表示図柄パターンを入力するようにしても良い。
【0387】
そして、撮像部1007にて撮像された2次元コードの全体を表示させた後、「読み取り」に対応する「0」が入力された場合、判別アプリにおいて、該表示されている2次元コードの読み取りが実施されるとともに、読み取りによって特定された表示図柄パターンが確変大当りの表示図柄パターンであるか否かを判定する判定処理が実施され、その判定結果に対応する演出A〜C(バトル演出)のいずれかが実行されるようになっている(
図31(b)〜(d)参照)。
【0388】
演出A〜Cは、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変(高確)状態若しくは非確変(低確)状態のいずれであるかを示唆する示唆演出であって、
図30及び
図31に示すように、遊技者キャラクタ(ドラムくん)と敵キャラクタ(覆面レスラー)とが対戦し(
図30(e)参照)、最終結果が「勝利」となれば確変大当りである可能性があることが遊技者に示唆され(
図31(f)参照)、「敗北」となれば非確変大当りであることが遊技者に報知される(
図31(g)参照)。
【0389】
本実施例では、後述するように、入力された表示図柄パターンが確変大当りの表示図柄パターンである場合には、バトルの結果勝利する演出Aまたは演出Bのいずれかが実行され、また、入力された表示図柄パターンが非確変大当りの表示図柄パターンである場合には、バトルの結果勝利する演出Bまたはバトルの結果敗北する演出Cのいずれかが実行される。すなわち、演出Aは遊技状態が確変(高確)状態であることが確定する演出であり、演出Cは遊技状態が非確変(低確)状態であることが確定する演出であり、演出Bは遊技状態が確変(高確)状態であるか非確変(低確)状態であるかが分からない演出である。
【0390】
また、演出Aの敵キャラクタは覆面の柄が桜柄であり(
図30(b)参照)、演出Bの敵キャラクタは覆面の色が青色であり(
図30(c)参照)、演出Cの敵キャラクタは覆面の色が白色であり(
図30(d)参照)、これら色や柄の違いによって勝利期待度が異なることが示唆される。
【0391】
次いで、
図32(a)に示すように、バトルの結果勝利した場合、勝利画面下に表示される「詳細」操作部を選択することで、遊技状態が確変(高確)状態であるか否かが遊技者に報知される。
【0392】
具体的には、入力された表示図柄パターンが確変大当りBの表示図柄パターンである場合には、
図32(b)に示すように、入力されたセグが表示されるとともに、その下に「確変」「ラッキー!やったね!」というメッセージが表示され、遊技状態が確変(高確)状態であることが報知される。さらに、そのメッセージの下に「セグコレクション」操作部が表示され、その操作部を選択することにより、
図32(c)に示すセグコレクション画面に移行する。
【0393】
セグコレクション画面では、確変大当りBに対応する表示図柄パターン1〜50のうち15パターンが選択表示可能とされており、今回入力された表示図柄パターンが例えばパターン17であった場合、その周辺のパターン11〜25が表示される。そして、今回入力された表示図柄パターン17は、例えば反転表示されることで特定可能に表示されるとともに、既に入力されているパターンも表示されるようになっている。
【0394】
このように判別アプリでは、入力された表示図柄パターンはセグコレクションに記憶され、50個全ての表示図柄パターンを収集することができるとともに、入力された表示図柄パターンの個数や番号等が、
図36に示すいずれかの条件を満たした場合、条件に対応する特典が遊技者に付与される。
【0395】
また、
図32(a)に示すように、バトルの結果敗北した場合、敗北画面下に表示される「詳細」操作部を選択することで、遊技状態が非確変(低確)状態であることが遊技者に報知される。
【0396】
具体的には、入力された表示図柄パターンが非確変大当りの表示図柄パターンである場合には、
図32(e)に示すように、入力されたセグが表示されるとともに、その下に「小当り(非確変)」「残念…また挑戦してね!!」というメッセージが表示され、遊技状態が確変(高確)状態ではないことが報知される。この場合、「セグコレクションへ」のキーは表示されない。すなわち、本実施例では、入力された表示図柄パターンが非確変大当りの表示図柄パターンである場合には、セグコレクションには記憶されないようになっている。
【0397】
また、
図32(a)に示すように、バトルの結果勝利した場合でも、入力された表示図柄パターンが非確変大当りの表示図柄パターンである場合には、
図32(e)に示す画面が表示され、遊技状態が確変(高確)状態ではないことが報知される。
【0398】
図32(c)のセグコレクション画面に移行した場合において、例えば今回表示図柄パターンが入力されたことによって、入力回数が1以上となった表示図柄パターンの数(コレクション数)が10個、20個、30個となった場合、
図33(a)に示されるダウンロード画面に移行して、携帯電話端末1001にて利用可能な待ち受け画面がサーバコンピュータ1000から1回に限りダウンロード可能とされるとともに、「初級」「中級」「上級」のうちからいずれかの称号が付与される。
【0399】
具体的には、表示図柄パターンの数が10個となると、△△待受がダウンロード可能となるとともに、利用者の称号が「見習い」(
図32(c)参照)から「初級」(
図33(b)参照)に変更される。表示図柄パターンの数が20個となると、△△待受よりも人気が高い○○待受がダウンロード可能となるとともに、利用者の称号が「初級」から「中級」に変更される。表示図柄パターンの数が30個となると、○○待受よりも人気が高い確変セグ一覧待受がダウンロード可能となるとともに、利用者の称号が「中級」から「上級」(
図33(a)参照)に変更される。
【0400】
このように、コレクション数が所定数を越える毎に待受画像データや称号などの特典が新たに付与されるとともに、特典の一例である待受画面データの質も向上していくことで、遊技者は新たな特典が付与されることを期待して、パチンコ遊技機1での遊技意欲が高まるため、パチンコ遊技機1の稼動が向上するだけでなく、コレクション数を増加させるためにより多くのセグを入力するようになるので、判別アプリの利用機会を効果的に増加させることができる。
【0401】
また、
図32(c)のセグコレクション画面に移行した場合において、例えば種別がスペシャルである表示図柄パターン(パターン1、11、21、31、41)が入力された場合には、セグコレクション画面において、例えば
図33(b)に示されるように表示図柄パターン21が入力された場合には、その時点で表示図柄パターン22〜26までの5つの表示図柄パターンが未入力であっても、コレクション数に追加されるとともに、該表示図柄パターン22〜26の確変大当りに対応する表示図柄パターンが一度に複数公開される。
【0402】
尚、表示図柄パターン1の場合には表示図柄パターン2〜6が公開され、表示図柄パターン11の場合には表示図柄パターン12〜16が公開され、表示図柄パターン31の場合には表示図柄パターン32〜36が公開され、表示図柄パターン41の場合には表示図柄パターン42〜46が公開される。
【0403】
また、特に図示はしないが、このような特典として、例えば種別がラッキーである表示図柄パターン(パターン33)を入力した場合には、パチンコ遊技機1におけるプレミアムリーチの画像データをサーバコンピュータ1000から1回に限りダウンロード可能とされる。
【0404】
また、表示図柄パターンが所定の組合せ、例えば、表示図柄パターン1〜10が全て連続して入力されている状態となったときには、携帯電話端末1001にて利用可能な着信メロディが、サーバコンピュータ1000から1回に限りダウンロード可能とされる。
【0405】
以上、本実施例1によれば、パチンコ機1から出力される2次元コードと、遊技履歴情報蓄積記憶手段を成す携帯電話端末1001の表示図柄パターンテーブルに記憶されている遊技者の入力回数(蓄積履歴)とに基づいて、示唆演出である、例えば演出Aや演出Bが実施される割合が異なる、つまり、入力回数(蓄積履歴)によっては、演出Aや演出Bが実施される場合もあれば、演出Aや演出Bが実施されずに演出Cが実施される場合もあるようになるので、これら有利・不利の示唆に関する遊技者の興趣を向上することができる。
【実施例3】
【0423】
次に、実施例3に係る遊技用システムを、
図40〜
図42を参照して説明する。尚、本実施例3は、遊技者が、獲得した特別図柄のデータを含む遊技履歴データを特定可能なパスワードを、遊技開始時等にパチンコ機1に入力して遊技し、確変大当りBや小当りが発生したときに、当該遊技者が獲得している特別図柄のデータに基づく実施例1における演出種別抽選処理(ステップS35、S42)を含む演出種別決定処理をパチンコ機1にて実施し、該演出種別決定処理により決定した演出種別のデータを含む2次元コードを、
図29(c)に示す2次元コード出力画面にて出力することで、これらパチンコ機1にて決定された演出A〜演出Cのいずれかの演出が携帯電話端末1001にて実施される点を特徴としており、その他の構成であるパチンコ遊技機1や、携帯電話端末1001の構成等は、実施例1と同一であるので、これら重複する構成の説明を省略する。
【0424】
尚、本実施例3のパチンコ機1の演出制御用マイクロコンピュータ100に搭載されているROMには、上記したように、演出制御用CPU101が演出種別決定処理を実施できるようにするために、実施例1において携帯電話端末1001に記憶されていた、
図35に示す当選判定テーブルA、Bが記憶されているとともに、各表示図柄データの種別(「スペシャル」、「ラッキー」、「ノーマル」)を判別するための
図34の表示図柄パターンテーブルが記憶されている。
【0425】
また、本実施例のパチンコ機1は、
図40に示すように、個々の遊技者の遊技履歴データを特定可能なパスワードを入力可能とされているとともに、遊技の終了時においては、新たな遊技履歴データを含む2次元コードを出力可能とされており、これらの機能について説明する。
【0426】
尚、演出制御用マイクロコンピュータ100に搭載されているRAMの所定記憶領域には、遊技者の遊技履歴(始動回数、大当り回数、演出パラメータ等)を格納するための遊技履歴テーブルや、各確変の表示図柄パターン番号に対応付けて獲得回数が格納される獲得回数テーブルが設けられており、これら遊技履歴テーブルに、入力されたパスワードから特定される遊技履歴のデータが格納されるとともに、獲得回数テーブルに入力されたパスワードから特定される獲得回数が格納され、遊技を実施することによって、遊技履歴テーブルや獲得回数テーブルの各データが更新され、遊技終了時において該遊技履歴テーブル並びに獲得回数テーブルに記憶されている遊技履歴のデータに基づく2次元コードが表示出力される。
【0427】
これら遊技履歴データを特定可能なパスワードの入力や、遊技履歴データを含む2次元コードを表示させる場合には、遊技を実施していない状態において、所定操作(例えば、操作部50の操作を所定時間以上継続する長押し操作)を実施することにより演出表示装置9に表示される
図40(a)に示すメニュー画面からパスワードの入力を選択し、遊技履歴を管理する管理サーバ(サーバコンピュータ1000と同一であっても個別であっても良い)にて発行されたパスワードを入力することにより、遊技により変化した演出パラメータや総始動回数や総大当り回数等の遊技情報を引き継いで遊技を行うことが可能となっている。
【0428】
パスワードは、
図41に示すように、遊技者を個々に識別可能な遊技者識別情報となる遊技者IDや、機種を特定可能な機種情報や大当り回数や演出パラメータ等の遊技履歴データと、各確変の表示図柄パターン(確変の特図パターン)の獲得回数を含む獲得特図データとを含む2進数データを、所定配列の2進数データに対応付けられた所定長(本実施例では16文字)の記号列に変換したものである。
【0429】
本実施例3のパチンコ機1の演出表示装置9に表示されるメニュー画面には、
図40(a)に示すように、「パスワード入力」、「パスワード出力」、「個人遊技データ」、「戻る」の4つの選択項目が設けられており、操作部50を操作することで、選択対象の項目(太枠で表示)を変更することができるようになっているとともに、該選択対象の項目に関する説明が、別ウインドウに内に表示されるようになっている。
【0430】
遊技者は、操作部50を操作して所望の項目を太枠で表示された選択対象とした後、操作部50を長押しすることで該項目の選択が確定され、選択が確定された項目に応じた処理が実施される。
【0431】
具体的には、「パスワード入力」の項目を選択した場合には、パスワードの入力を受付けるためのパスワード入力処理が実施され、「パスワード出力」の項目を選択した場合には、遊技情報テーブルに記憶されている各データに基づいてパスワードを生成して出力するためのパスワード出力処理が実施され、「個人遊技データ」の項目を選択した場合には、遊技情報テーブルに記憶されている各データを演出表示装置9に表示するための個人遊技データ表示処理が実施され、「戻る」の項目を選択した場合には、当該メニュー操作処理を終了する処理が実施される。
【0432】
「パスワード入力」の項目を選択した場合において実施されるパスワード入力処理では、
図40(b)に示すパスワード受付け画面が表示されて、管理サーバにおいて発行された、該管理サーバにて管理されている当該遊技者に遊技履歴を特定可能なパスワードの受付けが実施される。
【0433】
パスワード受付け画面には、
図40(b)に示すように、入力したパスワード(記号列)が表示されるパスワード入力部と、入力する記号を選択するために記号一覧が表示された入力選択部と、パスワード入力部に表示された記号列を入力するパスワードとして確定する際に操作する「進む」の選択入力部と、パスワード入力処理を終了してパスワード受付け画面に戻る際に操作する「戻る」の選択入力部とが設けられている。
【0434】
このパスワード受付け画面において遊技者は、操作部50を操作して、パスワード入力部に表示させる記号を入力選択部から選択していき、パスワード入力部に入力するパスワードを表示させた後、「進む」の選択入力部を選択入力することで、該パスワード入力部に表示された記号列が入力するパスワードとして確定され、パスワード解析処理が実施される。
【0435】
「パスワード出力」の項目を選択した場合において実施されるパスワード出力処理では、
図40(c)に示すように、その時点において遊技情報テーブルに記憶されている各種の遊技情報のデータ並びに獲得回数テーブルに記憶されている各確変の表示図柄パターンの獲得回数データや、遊技者IDや機種情報に基づいて生成されたパスワードと、これら遊技情報テーブルに記憶されている各種の遊技情報のデータ並びに獲得回数テーブルに記憶されている各確変の表示図柄パターンの獲得回数データを管理サーバの遊技者データベースに反映させるための2次元バーコードとを含むパスワード出力画面が表示される。
【0436】
「個人遊技データ」の項目を選択した場合において実施される個人遊技データ出力処理では、その時点において遊技情報テーブルに記憶されている各データを含む図示しない個人遊技データ画面が演出表示装置9に表示されることで、遊技情報テーブルに記憶されている総始動回数や総大当り回数や演出パラメータ等の各データを、パチンコ遊技機1において確認することができる。
【0437】
尚、演出パラメータは、パチンコ機1にて実施される各種の演出において出現する各種キャラクタのレベル等の特定するためのデータである。
【0438】
ここで、本実施例3において使用されるパスワードとパスワード解析処理について、説明する。尚、演出制御用マイクロコンピュータ100に搭載されているROM(図示せず)には、
図41(a)に示すように、パスワードを構成する記号(英数字:10種類、ローマ字(大文字):26種類、ローマ字(小文字):26種類の合計62種類)に対応して0〜61の数値が定められているパスワード解析テーブルが記憶されている。
【0439】
演出制御用CPU101は、まず、パスワード受付け画面にて受付けた記号列が、パスワードのフォーマットに該当する所定記号数(16記号)であるか否かを判定し、受付けた記号列が16記号でない場合には、受付けた記号列がパスワードではないものとして当該処理を終了する。
【0440】
一方、受付けた記号列が16記号である場合には、パスワード受付け画面にて受付けたパスワードが、まず、該パスワード解析テーブルを参照して対応する数値(十進数)に置き換えられる。次いで、置き換えた数値(十進数)をさらに6桁(6ビット)の2進数に変換し、各記号に対応する2進数の先頭ビット(具体的には、1ビット目、7ビット目、13ビット目、19ビット目、…)に割り当てられた値(16ビット)を遊技者IDとして抽出して、所定の記憶領域(遊技者ID記憶領域)に格納(記憶)する。
【0441】
そして、上位10記号に対応する2進数の数値列から、上記した遊技者IDに対応する先頭ビットを除いた50ビットのデータを遊技履歴データとして抽出する。
【0442】
この遊技履歴データには、当該パスワードを出力した機種を特定可能な機種情報や、総始動回数、総大当りA回数、総大当りB回数、総小当り回数、総確変回数、演出パラメータ、追加演出情報等の各種データが含まれている。
【0443】
更に、下位6記号に対応する2進数の数値列から、上記した遊技者IDに対応する先頭ビットを除いた30ビットのデータを獲得特図データとして抽出する。
【0444】
これら獲得特図データには、確変の各特別図柄(確変大当りBに対応する50の表示図柄パターン番号)毎に当該遊技者が獲得した回数のデータが含まれている)。
【0445】
そして、これら抽出したデータに基づいて、遊技履歴テーブルや獲得回数テーブルを更新する。
【0446】
尚、上記では、
図41を用いて、入力されたパスワードから遊技者ID、遊技履歴データ、獲得特図データを抽出する流れを説明したが、これらの処理を逆に実施することで、遊技者ID、遊技履歴データ、獲得特図データから出力するパスワードを生成することができる。つまり、遊技履歴データ(50ビット)、獲得特図データ(30ビット)を5ビット毎に区分け、その5ビット毎の先頭位置に、遊技者ID(16ビット)を順次追加し、該追加後の各6ビットを、パスワード解析テーブルに基づいて、対応する記号に変換することで、出力するパスワードを生成することができる。
【0447】
尚、本実施例では、これらパスワードとともに、該パスワードとパスワードに変換されている遊技履歴データ、獲得特図データを管理サーバの遊技者データベースに反映させるためのデータ登録ページのURLアドレスがシンボル化された2次元コードを生成して、
図40(c)に示すように、パスワード出力画面として表示することで、遊技者が携行する携帯電話
端末1001にて該2次元コードを読み取ることで、自動的に管理サーバにアクセスして図示しないデータ登録ページの配信を受け、該データ登録ページに設けられているパスワード入力部に、2次元コードにシンボル化されているパスワードが自動的に入力されることで、遊技者データベースへの遊技履歴データ、獲得特図データの反映を簡便に実施できるようになっている。
【0448】
ここで、
図42、
図43に基づいて、本実施例3のパチンコ遊技機1において確変大当りBまたは小当りが発生した場合に、携帯電話
端末1001にて示唆演出が実施される流れについて説明する。
【0449】
図42に示すように、パチンコ機1においては、遊技者が遊技を開始するときに、前述したように、管理サーバにて発行されたパスワードを入力することで、獲得特図テーブルに、当該遊技者の獲得特図の回数が反映されている。
【0450】
このように当該遊技者の獲得特図の回数が獲得特図テーブルに反映されている状態において、遊技者の遊技により確変大当りBまたは小当りが発生した場合には、パチンコ機1において
図43に示す潜伏示唆演出2が実施されることで、該潜伏示唆演出2において決定された演出種別(演出A〜演出Cのいずれか)を含む2次元コードが、
図29(c)に示す2次元コード出力画面にて出力され、該2次元コードを携帯電話
端末1001にて読み取ることにより、該2次元コードにて指定された演出種別の演出が、携帯電話
端末1001において判別アプリによって実施される。
【0451】
ここで、本実施例3の潜伏示唆演出2について、主に、実施例1の潜伏示唆演出と異なる部分である、ステップS725Aの演出種別決定処理について説明する。
【0452】
本実施例3の潜伏示唆演出2では、
図43に示すように、ステップS723またはステップS730にて決定されたモード(昼モードまたは夜モード)に背景画像を更新した後(ステップS724)、ステップS725Aに進んで、携帯電話端末1001にて実施する演出種別を決定する演出種別決定処理を実施する。
【0453】
この本実施例3の演出種別決定処理においては、表示図柄指定コマンドから特定される当該当りとなった可変表示において導出表示された表示結果の特別図柄の表示図柄パターンがノーマルの確変表示図柄パターンか否かを、表示図柄パターンテーブル(
図34参照)を用いて判定し、ノーマルの確変表示図柄パターンではない場合、つまり、スペシャルかラッキーの確変表示図柄パターンである場合には、実施する演出の種別として演出Aを決定し、ノーマルの確変表示図柄パターンである場合には、前述した実施例1におけるステップS35において実施したように、当該表示図柄パターンの入力回数が存在しない場合には、当選判定テーブルAを使用した抽選を実施し、当該表示図柄パターンの入力回数が存在する場合には、当選判定テーブルBを使用した抽選を実施する抽選処理を実施して、当選した場合には演出Aを決定し、落選した場合には演出Bを決定する。また、表示図柄指定コマンドから特定される表示図柄パターンが確変の表示図柄パターンでない場合には、前述したステップS42において実施したように、当該表示図柄パターンの入力回数が存在しない場合には、当選判定テーブルAを使用した抽選を実施し、当該表示図柄パターンの入力回数が存在する場合には、当選判定テーブルBを使用した抽選を実施する抽選処理を実施して、当選した場合には演出Bを決定し、落選した場合には演出Cを決定する。
【0454】
そして、ステップS725bに進んで、ステップS725Aにて決定した演出種別のデータを含む2次元コードを有する、
図29(c)に示す2次元コード出力画面を表示する(ステップS725B)。
【0455】
遊技者は、このように2次元コード出力画面に表示された2次元コードを、携帯電話端末1001の判別アプリにて読み取ることにより、読み取ったデータから特定される演出(演出A、演出B、演出Cのいずれか)が、実施例1の場合と同様に実施される(
図30〜
図33参照)。
【0456】
尚、本実施例3では、パスワードを入力することで、各遊技者が、以前の遊技において獲得した確変の特別図柄の獲得回数である、獲得特図テーブルのデータに基づいて表示図柄パターンの入力回数が存在するか否かにより、異なる当選判定テーブルを使用することで、当選の割合が異なるようにしていることで、当該遊技中のパチンコ機1の遊技以前における遊技にて獲得した獲得回数によっても、当選の割合が異なるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パスワードを入力することなく、当該パチンコ機1での遊技において獲得した確変の特別図柄の獲得回数のみを獲得特図テーブルに記憶しておき、該獲得特図テーブルの獲得回数、つまり、当該遊技中のパチンコ機1にて獲得した特別図柄の獲得回数のみに基づいて抽選処理を実施するようにしても良い。
【0457】
以上、本実施例3によれば、可変表示の表示結果が確変の表示図柄パターン若しくは非確変の表示図柄パターンのいずれであるのかと、遊技履歴情報蓄積記憶手段となる獲得特図テーブルに記憶されている確変の各特別図柄の入力回数(蓄積履歴)とに基づいて、示唆演出が実施される割合が異なる、つまり、入力回数(蓄積履歴)によっては、演出Aや演出Bが実施される場合もあれば、演出Aや演出Bが実施されずに演出Cが実施される場合もあるようになるので、これら有利・不利の示唆に関する遊技者の興趣を向上することができる。
【0458】
また、各実施例によれば、遊技者が有利状態であるのか、不利状態であるのかを既に知得している可能性がある、過去において表示された表示結果と同一の表示結果となった場合、つまり入力回数が存在する場合にあっては、当選判定テーブルAに比較して判定値の割り当て数が多い当選判定テーブルBを使用することで、高い割合にて示唆演出となる演出Aや演出Bが実施されるようになるので、例えば、遊技者が不利状態である非確変であることを既に知得しているにも係わらずに、有利状態である確変であることを示唆する示唆演出Aや示唆演出Bが無駄に実施されてしまうことで、有利・不利の示唆に関する遊技者の興趣が著しく低下してしまうことを回避することができる。
【0459】
また、各実施例によれば、所定項目の遊技情報である、操作情報による操作の有無によっても、携帯電話端末1001において示唆演出である演出Aや演出Bが実行または決定される割合が変化するようになるので、示唆演出が実行または決定されるように、これら所定項目の遊技情報を得ようとする遊技者の遊技意欲を喚起できるようになるので、遊技機の稼働促進に資することができるとともに、遊技者は、操作部50の操作によって演出に関与できるだけではなく、携帯電話端末1001における示唆演出の実行にも、該操作部50の操作によって関与することができるようになるので、より一層、有利・不利の示唆に関する遊技者の興趣を向上することができる。
【0460】
また、実施例1によれば、携帯電話端末1001において、2次元コードから特定される表示図柄パターンが、確変の表示図柄パターンであるのか、或いは、非確変の表示図柄パターンであるのかが特定されるようになるので、実施例2のように、これらの判定を実施するためのサーバコンピュータ1000へのアクセスが、携帯電話端末1001による通信が不能であることにより困難な状況にあっても確実に示唆演出を実施できる。
【0461】
また、実施例2によれば、サーバコンピュータ100
0において、2次元コードから特定される表示図柄パターンが、確変の表示図柄パターンであるのか、或いは、非確変の表示図柄パターンであるのかが特定されるようになるので、これらの判定を行うためのデータを個々の携帯電話端末1001に持たせる必要がないので、携帯
電話端末1001において必要とされる記憶容量を削減できるばかりか、これら判定を行うためのデータが解析されてしまう不都合を防止できるとともに、これら判定に用いるデータを変更する際においては、個々の携帯電話端末1001のデータを更新する必要がなく、サーバコンピュータ1000のデータを更新するのみで良いので、これらの更新を容易に実施することができる。
【0462】
また、各実施例によれば、確変の表示図柄パターンの種別(ノーマルか、非ノーマル(ラッキー、スペシャル)に応じて示唆演出である、例えば演出Aの実施割合が異なるようになるので、確変の表示図柄パターンに対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0463】
また、各実施例によれば、確変の表示図柄パターン1〜50の種別がスペシャルであるのか、ラッキーであるのか応じて異なる特典が付与されるようになるので、表示図柄パターンに対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0464】
また、各実施例によれば、1以上の入力回数が記憶されている表示図柄パターンの数または組合せにより特典が付与されるようになるため、これら特典が付与を受けるために遊技者は表示図柄パターンを入力しようとするので、遊技者の遊技意欲を喚起できるとともに、これら表示図柄パターンに対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0465】
また、各実施例によれば、表示図柄パターン1〜100のいずれにも該当しない不適切な表示図柄パターンを入力すると、入力回数が削除されてしまうので、これら不適切な識別情報の入力を抑止することができる。
【0466】
また、各実施例によれば、スペシャルの表示図柄パターンを入力することで、遊技者が未入力の表示図柄パターンについても、遊技者にとって有利な確変の表示図柄パターンであることを知得することができるので、これら確変の表示図柄パターンであることを知得した表示図柄パターンが表示されるのではないかとの期待を遊技者に与えることができるので、パチンコ遊技機1の興趣を向上できる。
【0467】
また、各実施例によれば、パチンコ遊技機1において表示され易い種別がノーマルの確変表示図柄パターンと、表示され難い種別がスペシャルの確変表示図柄パターンとが存在するようになるので、確変表示図柄パターンに対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0468】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0469】
例えば、実施例では、携帯電話端末1001において実施する示唆演出として、演出A〜演出Cを実施するようにしているが、演出Cを実施しない構成、つまり演出Cに決定された場合には、いずれの演出も実施しないようにしても良い。
【0470】
また、前記実施例では、携帯電話端末1001における2次元コードの読み取りを制限していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら2次元コードの読み取りを、所定期間である例えば1日において上限回数(例えば5回)の範囲内に制限することで、コレクションに加えることのできる表示図柄パターンの数を制限することで、翌日以降の当該遊技者の遊技を喚起できるようにしても良い。
【0471】
また、携帯電話端末1001における2次元コードの読み取りを、遊技場の営業時間に限り読み取り可能とし、遊技場の営業時間以外においては2次元コードの読み取りを制限することで、遊技者による不適切な2次元コードの読み取りを防止するようにしても良い。
【0472】
また、前記実施例では、複数の2次元コードの読み取りを連続して実施することが可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述したように、パチンコ遊技機1においては、大当りが、例えば1分等の短時間に連続して発生することはあり得ないので、これら期間的にあり得ない2次元コードの読み取りを、入力履歴等に基づいて判断して入力を制限するようにしても良い。具体的には、確変状態に移行する場合には、大当りの終了直後に再度大当りが発生することで大当り遊技状態に制御されている期間内に2次元コードの読み取りが2つ連続する可能性はあっても3つ連続する可能性は皆無であることから、大当り遊技状態に制御されている期間(例えば5分)内における3つ以上の2次元コードの読み取りを制限するようにすれば良い。
【0473】
また、前記実施例では、遊技者が間違って入力する場合もあるため、これら入力間違いを考慮して、表示図柄パターンテーブルに登録されている表示図柄パターン以外の入力データを入力した場合には、何らのペナルティを課さないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、表示図柄パターンテーブルに登録されていない表示図柄パターン番号を含む2次元コードが読み取りされた場合には、例えば、入力回数が最も多い確変の表示図柄パターンの入力回数を削除(0に更新)するようにしても良い。尚、この場合には、同一の未登録の表示図柄パターンが連続して入力された場合や、異なる未登録の表示図柄パターンが複数回(例えば3回)入力された場合において表示図柄パターンテーブルにおける全ての表示図柄パターンの入力回数を削除(0に更新)するようにしても良い。
【0474】
また、前記実施例では、演出A、演出Bの場合、つまり、格闘に勝利する演出であることを条件に入力回数が加算されることで、当該表示図柄パターンがコレクションに追加されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出の決定時においてプレミア演出とするか否かの抽選をさらに実施し、プレミア演出に当選してプレミア演出が実施される場合においてのみ入力回数が加算されることでコレクションへの追加がなされるようにしても良い。
【0475】
また、前記実施例では、表示図柄パターンのコレクションに応じた称号が昇格しても演出の内容が変化しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら称号(レベル)が昇格することに応じて、演出の内容が変化するようにすることで、遊技者の昇格意欲を向上できるようにしても良い。
【0476】
また、前記実施例では、異なる表示図柄パターンである連続する表示図柄パターン1〜1等が全て入力されたことを条件に特典の付与を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
図34における表示図柄パターン22のように、同一の表示図柄パターン22が所定回数である3回以上入力されたことを条件に、特典を付与するようにしても良い。
【0477】
また、前記実施例では、表示図柄パターンテーブルにおいて非確変の表示図柄パターンの入力回数を集計していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら非確変の表示図柄パターンの入力回数も集計しておき、これら非確変の表示図柄パターンの総数や確変の表示図柄パターンとの比率等に応じて、特典の付与や称号の付与(例えば、非確変の表示図柄パターンの総数が25以上になった場合には、大負けチャンピオンの称号を付与する等)を実施するようにしてもよい。
【0478】
また、非確変の表示図柄パターンは全てノーマルの種別としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら非確変の表示図柄パターンにアンラッキーの種別の表示図柄パターンを設けて、該アンラッキーの種別の表示図柄パターンが入力されたときに、称号の降格やコレクションの削除等を実施するようにしても良い。
【0479】
また、前記実施例では、入力された表示図柄パターンがパチンコ遊技機1において表示されるときにおいて演出表示装置9に表示される演出と、携帯電話端末1001に表示される演出とに関連性を持たせていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1において表示する表示図柄パターンを決定する際に、各表示図柄パターンに対応して演出表示装置9に表示するキャラクタを決定して、該決定したキャラクタによる演出表示を実施するとともに、携帯電話端末1001においても、入力データから特定した表示図柄パターンに対応するキャラクタを特定して、該特定したキャラクタによる演出A〜演出Cを実施することで、パチンコ遊技機1における演出と携帯電話端末1001における演出とが連動するようにしてもよい。
【0480】
また、前記実施例では、表示図柄パターン決定用テーブルを1つのみとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、期間(例えば、遊技機の発表後1ヶ月まで、発表後1ヶ月〜3ヶ月、発表後3ヶ月以降等)に対応付けられ、表示図柄パターンの内容が異なる複数の表示図柄パターン決定用テーブルを記憶しておくとともに、パチンコ遊技機1に日時情報を出力可能な時計手段であるリアルタイムクロック(RTC)を搭載し、該リアルタイムクロック(RTC)から出力される日時情報が該当する期間の表示図柄パターン決定用テーブルを使用して表示図柄パターンを決定するようにすることで、各期間毎に表示図柄パターンが変化することで、改めて表示図柄パターンをコレクションする必要が生じるようにして、発売後の期間が経過することによって遊技機に対する遊技者の興味が薄れてしまうことを防止できるようにしても良い。
【0481】
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1のメーカーサイトを形成するサーバコンピュータ1000において判別アプリを配信したり、判定結果を配信したりしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら判別アプリの配信や判定結果の配信を、パチンコ遊技機1のメーカー以外のサーバコンピュータにて実施するようにしても良い。
【0482】
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1の第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに表示される表示図柄パターン番号を含む2次元コードを読み取る携帯を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述したように、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの各セグメントを携帯電話端末1001の各テンキーに割り当てて、これらテンキーにて表示図柄パターンを入力したり、携帯電話端末1001に設けられているカメラにて第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bに表示される表示図柄パターンを撮像することで、判別アプリが表示図柄パターンを画像認識するようにしたり、入力する番号を演出表示装置9に表示することで、遊技者が表示された番号を読み上げて音声にて入力するようにしたり、或いは、携帯電話端末1001に入力する入力データを赤外線にて出力する赤外線通信部をパチンコ遊技機1に設けて、該赤外線通信部から送信される入力データを携帯電話端末1001に入力するようにしても良い。
【0483】
また、前記実施例では、判別アプリにおいて、入力された表示図柄パターンが確変大当りBまたは小当りのいずれに対応するパターンであるかを判別していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、入力された表示図柄パターンが、遊技者にとって有利な第1遊技状態及び第1遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態であって第1遊技状態と識別困難な第2遊技状態のいずれに対応する表示図柄パターンなのかを判別できるものであればよい。
【0484】
具体的には、例えば入力された表示図柄パターンが、第1大当り遊技状態及び該第1大当り遊技状態よりも大当り中に獲得できる獲得球数が多い(例えばラウンド数が多い、大入賞口のラウンドあたりの開放時間が長い等)第2大当り遊技状態のいずれに対応するパターンであるかを判別するものであってもよいし、大当り後の遊技状態が、ともに高ベース状態に制御される場合において、確変状態であるか非確変状態であるかを判別するものであっても良いし、大当り後の遊技状態が、ともに高ベース状態に制御される場合において、高ベース状態に制御される可変表示回数が多い第1時短状態と高ベース状態に制御される可変表示回数が少ない第2時短状態のいずれに対応するパターンであるかを判別するものであってもよいし、大当り遊技状態の終了後に時短(高ベース)状態及び非時短(低ベース)状態のいずれに制御される表示図柄パターンであるか否かを判別するものであってもよい。
【0485】
また、前記実施例では、本発明の遊技機の一例として、遊技用価値としてパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、メダルや遊技球等の遊技媒体やクレジット等の遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされるとともに、前記可変表示装置とは別個に、前記可変表示装置の可変表示に伴って所定の演出表示を行う演出表示装置等を備えるスロットマシンにも適用可能である。
【0486】
また、前記実施例では、携帯端末として携帯電話端末1001を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら携帯端末としては、遊技者が携行可能なコンピュータ端末であって、サーバコンピュータ1000にアクセス可能な通信機能や入力データの入力機能を有するものであれば良い。
【0487】
また、前記実施例では、青色覆面の敵キャラクタが登場する演出Bにおいては判定中が表示されるあおり演出となる格闘演出に必ず勝利し、白色覆面の敵キャラクタが登場する演出Cにおいては判定中が表示されるあおり演出となる格闘演出に必ず敗北するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、青色覆面の敵キャラクタが登場する演出Bにおいて所定割合で格闘演出に敗北する場合があり、白色覆面の敵キャラクタが登場する演出Cにおいて格闘演出に所定割合で勝利する場合があるようにすることで、これら登場する敵キャラクタの種別によっては、最終的に勝利となるのか或いは敗北となるのかを判別し難くすることで、31(e)に示す格闘演出において、勝敗がどちらになるのかという遊技者の心境を、より一層効果的に高揚させることができるようにしても良い。
【0488】
また、本発明における第1遊技状態と第2遊技状態としては、遊技者が、いずれの遊技状態であるのかを識別困難に演出を制御することが好ましいが、必ずしも第1遊技状態と第2遊技状態との期間がほぼ同一である必要はなく、例えば、上記した、ラウンド数が異なる(例えば5ラウンドと10ラウンド)ことで、遊技者が獲得できる遊技媒体数が異なる場合においても、各ラウンドにおいて大入賞口の開放制御が同一の制御内容であることで、第2遊技状態である5ラウンドが終了するまでは第1遊技状態と識別が困難である状態も含まれる。つまり、第1遊技状態と識別困難な第2遊技状態としては、双方の遊技状態に、同一の制御内容が実施される期間が少なくとも含まれていれば良い。
【0489】
また、前記実施例では、格闘演出に勝利する演出Aや演出Bの割合を、格闘演出に敗北する演出Cを実施することで、変化させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述したように、演出Cを実施することなく、演出Aや演出Bの割合のみを変化させるようにしても良いし、演出Cだけではなく、その他の種類の演出Dや演出Eを実施することにより、演出Aや演出Bの割合が変化するようにしても良い。
【0490】
また、前記実施例では、遊技機としてパチンコ機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について、
図44〜
図46を用いて簡単に説明する。
【0491】
図44は、この発明が適用されたスロットマシン1001の正面図であり、スロットマシン1001は、前面が開口する筐体1001aと、この筐体1001aの側端に回動自在に枢支された前面扉1001bと、から構成されている。
【0492】
スロットマシン1001の筐体1001aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール1002L、1002C、1002R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図44に示すように、これらリール1002L、1002C、1002Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1001bに設けられた透視窓1003から見えるように配置されている。
【0493】
本実施例のスロットマシン1001においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部1004から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ1006を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(
図44参照)が有効となり、スタートスイッチ1007の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0494】
入賞ラインとは、各リール1002L、1002C、1002Rの透視窓1003に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、
図44に示すように、各リール1002L、1002C、1002Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール1002L、1002C、1002Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール1002L、1002C、1002Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール1002Lの上段、リール1002Cの中段、リール1002Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール1002Lの下段、リール1002Cの中段、リール1002Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0495】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ1007を操作すると、各リール1002L、1002C、1002Rが回転し、各リール1002L、1002C、1002Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ1008L、1008C、1008Rを操作すると、対応するリール1002L、1002C、1002Rの回転が停止し、透視窓
1003に表示結果が導出表示される。
【0496】
そして全てのリール1002L、1002C、1002Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール1002L、1002C、1002Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口1009(
図44参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール1002L、1002C、1002Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0497】
図45は、スロットマシン1001の構成を示すブロック図である。スロットマシン1001には、
図45に示すように、遊技制御基板1040、演出制御基板1090、電源基板1101が設けられており、遊技制御基板1040によって遊技状態が制御され、演出制御基板1090によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板1101によってスロットマシン1001を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0498】
電源基板1101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1001を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板1040及び遊技制御基板1040を介して接続された演出制御基板1090に供給されるようになっている。
【0499】
また、電源基板1101には、前述したホッパーモータ1034b、払出センサ1034c、満タンセンサ1035a、設定キースイッチ1037、リセット/設定スイッチ1038、電源スイッチ1039が接続されている。
【0500】
遊技制御基板1040には、前述したMAXBETスイッチ1006、スタートスイッチ1007、ストップスイッチ1008L、1008C、1008R、精算スイッチ1010、リセットスイッチ1023、打止スイッチ1036a、自動精算スイッチ1036b、投入メダルセンサ1031、ドア開放検出スイッチ1025、リールセンサ1033L、1033C、1033Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述した払出センサ1034c、満タンセンサ1035a、設定キースイッチ1037、リセット/設定スイッチ1038が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0501】
また、遊技制御基板1040には、前述したクレジット表示器1011、遊技補助表示器1012、ペイアウト表示器1013、1〜3BETLED1014〜1016、投入要求LED1017、スタート有効LED1018、ウェイト中LED1019、リプレイ中LED1020、BETスイッチ有効LED1021、左、中、右停止有効LED1022L、1022C、1022R、設定値表示器1024、流路切替ソレノイド1030、リールモータ1032L、1032C、1032Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述したホッパーモータ1034bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板1040に搭載された後述のメイン制御部1041の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0502】
遊技制御基板1040には、メインCPU1041a、ROM1041b、RAM1041c、I/Oポート1041dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部1041、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路1042、一定周波数のクロック信号を乱数回路1042に供給するパルス発振器1043、遊技制御基板100
4に直接または電源基板1101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路1044、リールモータ1032L、1032C、1032Rの駆動制御を行うモータ駆動回路1045、流路切替ソレノイド1030の駆動制御を行うソレノイド駆動回路1046、遊技制御基板1040に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路1047、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部1041に対して出力する電断検出回路1048、電源投入時またはメインCPU1041aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU1041aにリセット信号を与えるリセット回路1049、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
【0503】
メインCPU1041aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM1041bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する各種の制御処理を行うととともに、遊技制御基板1040に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM1041bは、メインCPU1041aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM1041cは、メインCPU1041aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート1041dは、メイン制御部1041が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0504】
また、メイン制御部1041には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM1041cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0505】
メインCPU1041aは、I/Oポート1041dを介して演出制御基板1090に、各種のコマンドを送信する。
【0506】
演出制御基板1090には、演出用スイッチ1056が接続されており、この演出用スイッチ1056における十字キーの各方向に対応する検出信号が入力されることで、演出制御基板1090が遊技者による操作の有無や操作による指定方向を把握できるようになっている。
【0507】
また、演出制御基板1090には、スロットマシン1001の前面扉1001bに配置された画像用液晶パネル1051(
図44参照)を有する演出表示装置1050と、
図26に示すように、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054(
図45参照)、前述したリールLED1055等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板1090に搭載された後述のサブ制御部1091による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0508】
また、本実施例では、演出制御基板1090に搭載されたサブ制御部1091により、画像用液晶パネル1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、リールLED1055等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部1091とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板1090または他の基板に搭載し、サブ制御部1091がメイン制御部1041からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部1091が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部1091及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0509】
また、本実施例では、演出装置として画像用液晶パネル1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、リールLED1055を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
【0510】
演出制御基板1090には、メイン制御部1041と同様にサブCPU1091a、ROM1091b、RAM1091c、I/Oポート1091dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部1091、演出制御基板1090に接続された画像用液晶パネル1051の表示制御を行う表示制御回路1092、演出効果LED1052、リールLED1055の駆動制御を行うLED駆動回路1093、スピーカ1053、1054からの音声出力制御を行う音声出力回路1094と、電源投入時またはサブCPU1091aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU1091aにリセット信号を与えるリセット回路1095、演出制御基板1090に接続された演出用スイッチ1056から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路1096、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置1097、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU1091aに対して出力する電断検出回路1098、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU1091aは、遊技制御基板1040から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板1090に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0511】
スロットマシン1001は、全てのリール1002L、1002C、1002Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
【0512】
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0513】
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール1002L、1002C、1002Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ1007の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ1007の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAMに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
【0514】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0515】
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
【0516】
メイン制御部1041がストップスイッチ1008L、1008C、1008Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ1008L、1008C、1008Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓1003の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0517】
いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
【0518】
また、本実施例におけるスロットマシン1001は、遊技状態が所定状態であるときに、サブ制御部1091により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(いわゆるAT)に演出状態が制御されるようになっており、これらAT状態においては、内部当選した小役をほぼ確実に入賞させることができるので、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
【0519】
図46は、スロットマシン1001において発生する役の一例を示しており、スロットマシン1001には、特別役としてのミッションボーナス1とミッションボーナス2や、上記したAT状態に移行するAT入賞役1、AT入賞役2が発生可能とされている。
【0520】
ミッションボーナス1は、リール1002L、1002C、1002Rの表示結果が、黒7−BER−特殊リプレイ1の図柄の組合せになったときに発生し、その後、総払出枚数がA枚となることで終了する。ミッションボーナス2は、リール1002L、1002C、1002Rの表示結果が、黒7−BER−特殊リプレイ2の図柄の組合せになったときに発生し、その後、総払出枚数がB枚となることで終了する。ここで、スロットマシン1001においては、A>Bとされており、ミッションボーナス1の方が遊技者にとって有利なボーナスである。
【0521】
尚、特殊リプレイ1と特殊リプレイ2は、いずれもリプレイ図柄であり、図柄の一部のみが異なるだけで、ほぼ同様の図柄とされており、遊技者が、いずれの図柄であるのかを識別し難い図柄とされていることで、表示結果が、ミッションボーナス1であるのかミッションボーナス2であるのかを判別し難い識別困難役とされている。
【0522】
また、AT入賞役1は、リール1002L、1002C、1002Rの表示結果が、チェリー−ベル1−ベル1の図柄の組合せになったときにAT状態に移行し、その後、所定ゲーム数Cの消化によりAT状態が終了する。AT入賞役2は、リール1002L、1002C、1002Rの表示結果が、チェリー−ベル1−ベル2の図柄の組合せになったときにAT状態に移行し、その後、所定ゲーム数Dの消化によりAT状態が終了する。ここで、スロットマシン1001においては、C>Dとされており、AT入賞役1の方が遊技者にとって有利なAT役である。
【0523】
尚、ベル1とベル2は、いずれもベル図柄であり、図柄の一部のみが異なるだけで、ほぼ同様の図柄とされており、遊技者が、いずれの図柄であるのかを識別し難い図柄とされていることで、表示結果が、AT入賞役1であるのかAT入賞役2であるのかを判別し難い識別困難役とされている。
【0524】
サブ制御部1091は、内部抽選においてミッションボーナス1またはミッションボーナス2の当選が決定されているときに、予め設定されている複数の演出のうちから、例えば、複数のゲームに亘って演出表示装置1050に、特定のキャラクタAが登場して対戦を行う共通の連続演出を実施する場合がある。
【0525】
サブ制御部1091は、内部抽選においてAT役1またはAT役2の当選が決定されているときに、予め設定されている複数の演出のうちから、例えば、特定のキャラクタBが登場して対戦を行う共通の連続演出を実施する場合がある。
【0526】
また、サブ制御部1091は、ミッションボーナス1やミッションボーナス2の表示結果や、AT役1やAT役2の表示結果が導出表示されたときに、前述したパチンコ機1の演出制御用マイクロコンピュータ100と同じく、遊技者にとって有利なミッションボーナス1であるのか否かや、遊技者にとって有利なAT役1であるのか否かを、演出用スイッチ1056の操作に応じて演出表示装置1050の背景の変化により示唆する示唆演出を実施し、該示唆演出において、
図44に示すように、リール1002L、1002C、1002Rの表示結果(パチンコ機1の表示図柄パターンに相当)を特定可能な表示結果情報や、該示唆演出における演出用スイッチ1056の操作情報とを含む2次元コードを演出表示装置1050に表示出力するようになっており、遊技者は、パチンコ機1の場合と同様に、該表示された2次元コードを携帯電話端末1001により読み取ることで、スロットマシン1
001で発生した役が、有利なミッションボーナス1やAT役1であるのか否かを示唆する演出が、当該時点までに同じ表示結果の読み取りの履歴が存在するか否かによって、異なる割合にて実施される。
【0527】
このように、スロットマシン1001のメイン制御部1041が、パチンコ機1における遊技制御用マイクロコンピュータ560に相当し、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様の処理を実施可能とされているとともに、スロットマシン1001のサブ制御部1091が、パチンコ機1における演出制御用マイクロコンピュータ100に相当し、前述した演出制御用マイクロコンピュータ100と同様の処理を実施可能とされている。
【0528】
つまり、スロットマシン1
001は、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行うことが可能な可変表示手段と、前記可変表示手段に1の表示結果が表示されるまでに、第1特別表示結果と第2特別表示結果とを含む複数の表示結果のうち、いずれの表示結果の表示を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段にて決定された決定結果に基づいて前記可変表示手段に表示結果を表示させる制御を行う可変表示制御手段と、前記可変表示手段に前記第1特別表示結果が表示されたことに基づいて遊技者にとって有利な第1遊技状態に制御するとともに、前記可変表示手段に前記第2特別表示結果が表示されたことに基づいて前記第1遊技状態よりも遊技者にとって不利な第2遊技状態に制御する遊技制御手段と、前記可変表示に伴って所定の演出表示を行う演出表示手段と、前記第1特別表示結果が決定されたことに基づく演出と、前記第2特別表示結果が決定されたことに基づく演出と、を共通演出となるように表示する制御を行う演出表示制御手段と、前記表示結果が前記第1特別表示結果であるか或いは前記第2特別表示結果であるかを特定可能な表示結果情報を少なくとも含む遊技履歴情報を出力する遊技履歴情報出力手段と、を備えた遊技機である。
【0529】
尚、事前決定手段が「いずれの表示結果の表示を許容するか否かを決定する」ことには、個々の表示結果について個別に表示を許容するか否かを決定するのみではなく、個々の表示結果のうちから、表示を許容する表示結果を1つのみ決定することが含まれる。
【0530】
尚、上記したスロットマシン1001においては、リール1002L、1002C、1002Rをスロットマシン1001の中央に大きく配置し、スロットマシン1001の上部位置に、リール1002L、1002C、1002Rよりも小さな演出表示装置1050を配置する形態を例示したが、リール1002L、1002C、1002Rの図柄の識別をより困難とするために、リール1002L、1002C、1002Rの大きさを小さくして、スロットマシン1001の上部位置に配置するとともに、スロットマシン1001の中央に該リール1002L、1002C、1002Rよりも大きな演出表示装置1050を配置して、該演出表示装置1050に、リール1002L、1002C、1002Rの変動表示と同様の変動表示を、パチンコ機1の場合と同様に、リールの図柄とは異なる飾り図柄にて実施し、前述したミッションボーナス1やミッションボーナス2の表示結果がスロットマシン上部の小さいリール1002L、1002C、1002Rに表示されるときや、前述したAT役1やAT役2の表示結果スロットマシン上部の小さいリール1002L、1002C、1002Rに表示されるときに、同じ飾り図柄の組合せを演出表示装置1050に表示する演出を実施して、ミッションボーナス1やミッションボーナス2のいずれが発生したのかや、AT役1やAT役2のいずれが発生したのかを、より一層判別し難くしても良い。
【0531】
以上、他の遊技機としてスロットマシン1を例示したように、本発明の遊技機は、パチンコ機1に限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシンであっても良いし、更には、これら遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。