(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961392
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】衣類投入機における袖吸引整形装置
(51)【国際特許分類】
D06F 89/00 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
D06F89/00
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-17044(P2012-17044)
(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公開番号】特開2013-153956(P2013-153956A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】597090907
【氏名又は名称】東都フォルダー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 洋左右
【審査官】
栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−218099(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/124009(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 67/04
D06F 71/40
D06F 71/28
D06F 71/29
D06F 73/00
D06F 89/00
D06F 89/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を整形体に着せ掛けて整形し、その背後に配置された投入コンベアに預け渡して工程に投入する衣類投入機において、
衣類を着せ掛ける整形体に対してその左右に位置し、衣類の袖を整形するために、袖を吸引する袖吸引整形部を具備し、
上記袖吸引整形部は、袖の受け入れのための、整形体のほぼ左右側方に位置する受け入れ位置と、整形のために袖を外方へ引き延ばす開き位置との間を移動可能であり、
また、上記袖吸引整形部は、袖の長さに応じて位置調節可能な可動部を整形体寄りの端部に具備した構成を有しており、
上記可動部は、受け入れ位置で、その内方端部が整形体に接近又は離間する方向へ、スライドによる進退動作で位置調節可能に、袖吸引整形部に設けられている
衣類投入機における袖吸引整形装置。
【請求項2】
整形体は、整形のために着せた衣類の袖に通す、出没可能な左右の袖支え部材を有しており、袖吸引整形部の可動部は、整形体への前進状態において、上記袖支え部材の出入する整形体の左右側部にほぼ達するように設けられている請求項1記載の衣類投入機における袖吸引整形装置。
【請求項3】
袖吸引整形部は、受け入れ位置では投入コンベアの搬送面に伏せた状態となり、開き位置では上記投入コンベアの搬送面から離れた状態となる外方端部にて、支持体に回転可能に軸支されている請求項1記載の衣類投入機における袖吸引整形装置。
【請求項4】
袖吸引整形部は、支持体に回転可能に軸支された吸引部ケースと、内外方向へスライドして進退可能に上記吸引部ケースの内方に設けられた可動部とを有し、上記可動部の駆動手段として、スライドシリンダーが吸引部ケースに設けられている請求項3記載の衣類投入機における袖吸引整形装置。
【請求項5】
可動部は、袖吸引整形部の受け入れ位置では吸引部ケースのケース構造の一部を構成し、開き位置では袖の受け入れのときに上記ケース構造の一部を開く、開閉式の蓋部材を備えている請求項3記載の衣類投入機における袖吸引整形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類を整形体に着せ掛けて整形し、その背後に配置された投入コンベアに預け渡して工程に投入する衣類投入機において、特に袖部分に関係する整形を効果的に行なうための袖吸引整形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衣類を整形状態で投入するため、衣類投入機の正面に、伸縮腕を有する人形型の整形体を配置したものは特許第16453735号(特公平3−17520号)以来公知になっている。このタイプの衣類投入機は、浴衣型衣類の整形投入に大きな効果を挙げており、その後も、整形体本体の幅を調整する左右の胴幅板を備えた特許第3091446号、胴幅板、伸縮腕、襟部材等から成るサイズ調整要素を備えた特許第4201674号と、継続的に開発がなされて来た。さらに、衣類を投入コンベアへ預け渡すために、整形体を傾斜させ(特許第3229861号)、投入コンベア側で衣類を挟持する等の対策も施されている(特許第4201675号)。
【0003】
上記のような多年に亘る技術開発の結果、衣類の整形投入に、いわゆる人形型の整形体を使用することは不可欠というべきものになっている。ところがいまだ完全という訳ではなく、例えば、浴衣等の袖の長い衣類を基準とすると、甚平等の袖の短い特定の衣類に対しては吸引力が不足する傾向となり、そのままでは綺麗に整形出来ないというような問題が残っている。なお、上記の問題は、大人用の衣類を基準とした場合に、小人用の衣類を処理する場合にも当て嵌まる。
【0004】
なお、投入コンベアの正面に伸縮腕を有する人形型の整形体を配置したものは、近年、他社開発に係る衣類投入機も見受けられる状況であるが、その内容は、本質的には前記特許に係る発明と変わっていないということができる。また、上記のような衣類の袖の整形に関する問題についても、認識されていないようであり、吸引力の不足を補う技術的対策や示唆などは、現在までのところ提案されていない。
【0005】
【特許文献1】特許第16453735号(特公平3−17520号)
【特許文献2】特許第3091446号
【特許文献3】特許第4201674号
【特許文献4】特許第4201675号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の実情に鑑みてなされたもので、その課題は、衣類の袖の長さに拘らず、適切な吸引力を袖部分に及ぼして衣類の整形品質の向上を図ることである。また、本発明の他の課題は、袖の付け根から袖口まで満遍なく吸引力を作用させることが可能な衣類投入機における袖吸引整形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、衣類を整形体に着せ掛けて整形し、その背後に配置された投入コンベアに預け渡して工程に投入する衣類投入機において、衣類を着せ掛ける整形体に対してその左右に位置し、衣類の袖を整形するために、袖を吸引する袖吸引整形部を具備し、上記袖吸引整形部は、袖の受け入れのための、整形体のほぼ左右側方に位置する受け入れ位置と、整形のために袖を外方へ引き延ばす開き位置との間を移動可能であり、また、上記袖吸引整形部は、袖の長さに応じて位置調節可能な可動部を整形体寄りの端部に具備した構成を有
しており、上記可動部は、受け入れ位置で、その内方端部が整形体に接近又は離間する方向へ、スライドによる進退動作で位置調節可能に、袖吸引整形部に設けられているものとするという手段を講じたものである。
【0008】
本発明の衣類投入機における袖吸引整形装置は、袖の長さの長短に拘らず十分な吸引力を作用させて、整形品質の向上を図るという目的を有している。袖には大人用と小人用のような衣類のサイズの相違による長短、浴衣等と甚平のような衣類の種類の相違による長短の差がある。本発明は、これらのサイズの差や種類の相違等を超えて適用できる装置を提供するものである。
【0009】
そのため、本発明の装置は整形体と、袖を吸引する袖吸引整形部とを具備しており、上記袖吸引整形部は袖の受け入れのための、整形体のほぼ左右側方に位置する受け入れ位置と、整形のために袖を外方へ引き延ばす開き位置との間を移動可能であるが、これらはいわゆる人形型の整形体を使用する上で必要な要素と考えて良い。また、衣類受け渡しのために、投入コンベア正面のコンベアの上部を後方へ傾斜させ、かつ、その正面の傾斜に合わせるように整形体を傾斜可能とする構成も同様に必要な要素である。加えて、整形体には、これまでに開発された改良技術が適用される。
【0010】
そして、上記袖吸引整形部は、袖の長さに応じて位置調節可能な可動部をその内方の整形体寄りの端部に装備した構成を有する。上記整形体は、整形のために着せ掛けた衣類の袖に通す、出没可能な左右の袖支え部材を有しており、袖吸引整形部の可動部は、整形体へ最も前進したときには、上記袖支え部材の出入する整形体の左右側部にほぼ達するように設けられることが望ましい。なお、人形型の整形体はいわゆる伸縮腕を有するが、伸縮腕とはいうものの出たり入ったりしているというべきであるので、本発明では、以後、出没可能な袖支え部材と改める。
【0011】
可動部を進退させるように構成することで、袖の長さの長短に拘らず袖部分に十分な吸引力を作用させられるようになる。その結果、整形体に着せ掛けられた衣類に対して、可動部の先端がほぼ接し得るようになるので、袖の付け根から袖口まで満遍なく吸引力を及ぼし、袖部分に関係する整形を効果的に行なうことができる。袖部分の整形が完成することで衣類上部の形状が安定し、その結果衣類下部の形状も整うので、袖部分の整形は衣類全体の形状保持に重要である。
【0012】
袖吸引整形部は、開き位置では上記投入コンベアの搬送面から離れた状態となり、受け入れ位置では投入コンベアの搬送面に伏せた状態となるように、外方端部で支持体に回転可能に軸支する構成とされ、これにより、袖吸引整形部は、衣類の袖部分を投入コンベアへ預け渡す手段となる。また、可動部は、受け入れ位置で、その内方端部が整形体に接近又は整形体から離間する方向へ、スライドによる進退動作で位置調節可能に、袖吸引整形部に設けることができる。可動部を進退させる手段は様々であるが、スライドという手段を取ることで、目的とする進退範囲にて迅速かつ正確に作動させることができる。
【0013】
袖吸引整形部は、支持体に回転可能に軸支された吸引部ケースと、内外方向へスライドして進退可能に上記吸引部ケースの内方に設けられた可動部とを有し、上記可動部の駆動手段として、スライドシリンダーを吸引部ケースに設けることができる。この吸引部ケースは、吸引力を衣類の袖に効果的に作用させるために吸引気流を逃さない構造とするが、それ自体が吸引管路を構成するもののほか、吸引コンベアを吸引管路の一部に利用して構成するものも含む。
【0014】
可動部は、袖吸引整形部の吸引部ケースのケース構造の一部を構成し、受け入れ位置では、袖の受け入れのために上記ケース構造の一部を開く、開閉式の蓋部材を備えることができる。蓋部材は、袖吸引整形部の開き位置では、ケース構造の一部として吸引気流をケースの内方の端部にまで及ぼし、袖を確実に吸引できるようにする。蓋部材の開閉には、吸引部ケースのケース構造において、袖を内部に配置し易くする目的がある。蓋部材は、ケースの外方へ向かって開き、内方へ向かって閉じる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、衣類のサイズの相違や、衣類の種類の相違による袖部分の長短の差又は形状の差に拘らず、適切な吸引力を袖に及ぼして衣類の整形品質の向上を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、整形体に着せ掛けた衣類の袖の付け根から袖口まで満遍なく吸引力を作用させることが可能な衣類投入機における袖吸引整形装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図示の実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。各図は本発明に係る衣類投入機における袖吸引整形装置の一例を示している。図において、10は衣類を工程に投入するために用いられる衣類投入機、11は衣類を搬送する投入コンベアであって、衣類投入機10の上部に配置され、側面から見てほぼ逆L字型に設けられた、第1、第2のコンベア12、13から成っている(
図1、
図2参照)。
【0017】
第1コンベア12は、整姿された衣類を搬送できるだけの全幅をそなえており、第2コンベア13の下部に位置している。これに対して、上部に位置する第2コンベア13は、衣類のほぼ胴体部分に相当するだけの幅を備えており、その下面は第1コンベア12の上面にほぼ接触し、かつ、正面側の端部13aが第1コンベア12に対し、図示しない機構により開閉して衣類を受け入れるようになっている。14は吸引ボックスであり、第1コンベア12が摺動するようにその下側に位置し、搬送中の衣類を吸引保持するために多数の吸引孔を、第1コンベア12の搬送面側に有している。
【0018】
15は吸引作用を得るための吸引装置であり、その吸引側には、上記吸引ボックス14に通じるダクト16と左右のダクト17、18が接続され、左右のダクト17、18は整形体20の上方左右に配置される左右の袖吸引整形部21、22に通じている。上記左右のダクト17、18は、袖吸引整形部21、22の前後方向への移動を妨げないように、可動的に設けられている。なお、19は搬出コンベアであり、第1コンベア12の排出側に配置されている。
【0019】
整形体20は、本発明開発の段階では、前述したように胴幅板、伸縮腕、襟部材等から成るサイズ調整要素を備えることが普通になっている。従って、それらの要素は本発明にも同様に適用されるが、本発明の説明においては説明を省略し、特に、袖吸引整形装置に直接必要な要素として、整形体20に着せた衣類Wの袖Sに通す、出没可能な左右の袖支え部材23、24を示すに止める。その左右の袖支え部材23、24は、整形体20の内部に設けた出没機構25、26によって袖を延ばす方向へ進出し、かつ、整形体20の内部へ没入するように設けられている(
図3参照)。
【0020】
図示の整形体20は襟部材27を有し、衣類Wを着せ掛けて整形し、その背後に配置された投入コンベア11の正面に配置される。整形体20は、衣類Wを投入コンベア11に預け渡すために、支持柱体28によって昇降可能、かつ、傾斜可能に、基台29に設けられている。支持柱体28は、その内部に装備した装置によって昇降可能とされ、かつ、基台29との間に設けた装置によって傾斜可能とされ、これらの昇降動作と傾斜動作により投入コンベア11の前端の預け渡し口の方向へ整形体20を接近させるように構成されている(
図4参照)。
【0021】
整形体20に対して、その左右に前記の袖吸引整形部21、22が設けられている。左右の袖吸引整形部21、22は対称的に形成されているので、その一方22に付いてのみ
図5、
図6を参照して説明する。図示の場合、支持体30に回転可能に軸支された吸引部ケース31を有し、前記のダクト17、18に接続される接続口32が吸引部ケース31の下部に設けられている。なお、上記支持体30は投入機本体に設けられている(
図7等参照)。上記吸引部ケース31は、吸引気流が流れる上記接続口32と整形体側の吸引口33に通じており、全体が気密的に形成されている。
【0022】
吸引部ケース31は、衣類の袖を内部にて整形するために、想定される最大の大きさ及び形状の袖を吸引し得るだけの大きさ及び形状の扁平な吸引部分を、内側の吸引口33に有している。このような吸引部ケース31の内方即ち整形体寄りの吸引口33の端部に、可動部35が設けられている。可動部35は、整形体20の方向へ移動した前進状態において、上記袖支え部材23、24の出入する整形体20の左側部L及び右側部Rに、ほぼ達するように設けられている(
図5、
図6参照)。
【0023】
可動部35は、上記吸引部ケース31の内方の端部の内側に、スライド可能に嵌め合わされている。図示の例では、可動部35のスライドのために、上下各一組のスライド機構34、36が設けており、それにより、内外方向へ摺動して進退可能に構成されている。上部スライド機構34は可動部35の外部上面と吸引部ケース31の内部上面との間に、下部スライド機構36は可動部35の外部下面と吸引部ケース31の内部下面との間に、夫々取り付けられている。こうして、可動部35は、袖吸引整形部21、22の受け入れ位置にて、整形体20の左側部L及び右側部Rに、僅かな隙間D1を残してほぼ達する最近接位置まで進出可能であり(
図5A)、かつまた、整形体20の左側部L及び右側部Rから、大きな隙間D2を残して離れた最遠隔位置まで後退可能になっている(
図5B)。
【0024】
上記可動部35は、ピストンシリンダーより成る駆動機構37によって進退可能に駆動されており、駆動機構37はシリンダー部分を吸引部ケース31に取り付け、ピストン先端部を可動部35に取り付けられている。また、可動部35は、袖吸引整形部21、22の受け入れ位置ではケース構造の一部を構成し、開き位置では袖の受け入れのためにケース構造の一部を開く、開閉式の蓋部材38を備えている。蓋部材38は外方の端部38aにて吸引部ケース31にヒンジ結合され、外方(正面側)へ開くもので、その駆動のために、吸引部ケース31にピストンシリンダーより成る駆動機構39を上下方向に設置し、そのピストンの動きを、先端部に設けたベルクランクより成るリンク39aにて向きを変え、開閉を行っている。
【0025】
ここで、吸引部ケース31の作動機構に付いて、
図7、
図8を参照して説明を補足しておく。図中40はリンクであり、一端部は投入機本体に設けられた前記の支持体30に軸受け部43にて回転可能に軸支され、他端部は吸引部ケース31の第1軸41に回転可能に軸支されている。吸引部ケース31は上記第1軸41と第2軸42を両端部に有し、第2軸42はコンベア面12aとほぼ平行に設けられた案内部44と係合しつつ、それに沿って、左右方向へ移動可能に設けられている。45はピストンシリンダーより成る駆動機構であり、そのシリンダー側端部45aにて投入機本体側の支持体46に取り付け、ピストン側端部45bを吸引部ケース31の第2軸42の近くに軸支している。吸引部ケース31は、この機構により、整形体20のほぼ左右側方に位置する
図7の受け入れ位置と、整形のために袖を外方へ引き延ばす
図8の開き位置との間を移動する。
【0026】
このような構成を有する、本発明の衣類投入機における袖吸引整形装置の作用について説明する。衣類Wを整形体20に着せ掛ける段階において、整形体20は
図1に示す低い位置にある。作業者は衣類Wを整形体20に着せ掛け、前を閉じ、両袖S、Sが袖支え部材23、24にて広げられると、整形体20は投入コンベア11の方へ傾斜し、かつ、上昇する。このとき、第2コンベア13の端部13aは第1コンベア12に対して開いており、そこに襟部材27の部分が入り込む(
図11参照)。同時に、左右に配置された袖吸引整形部21、22の、開いているそれぞれの蓋部材38の部分にて袖部Sが吸引口33の内部に配置され、その後、第2コンベア13の端部13aが閉じて衣類Wを保持し、蓋部材38は閉じる。
【0027】
図9ないし
図13は、袖Sの幅が短い衣類W1に関するものである。吸引部ケース31の内方の端部の可動部35は内方の位置にスライドして、整形体20の方向へ移動し、上記袖支え部材23、24の出入する、整形体20の左側部L及び右側部Rに僅かな隙間D1を残してほぼ達した最近接位置にある。この状態において、袖吸引整形部21、22が吸引作動し、左右の袖S、Sを吸引部ケース31の外方へそれぞれ吸引し(
図12)、袖吸引整形部21、22が外方へ開いて、袖S、Sを引っ張るので、袖Sは吸引気流によって左右外方へ引き伸ばされ、原形に近い形状に忠実に整形される(
図13)。このあと、袖支え部材23、24は袖Sから整形体内に引っ込み、袖吸引整形部21、22が
図8の状態に開き、整形体20は下降して着せ掛け位置に戻る。よって、衣類W1は投入コンベア11に預けられて次工程に搬送される(
図14)。
【0028】
図15ないし
図18は、袖Sの幅が長い衣類W2に関するものである。衣類W2を整形体20に着せ掛けるときも、整形体20は
図1に示す低い位置にある。作業者は衣類W2を整形体20に前記と同様に着せ掛け、次いで、整形体20は投入コンベア11の方へ傾斜し、かつ、上昇する。このとき、第2コンベア13の端部13aは第1コンベア12に対して開いており、そこに襟部材27の部分が入り込む(これは袖Sの長短に関係しないので、
図11を参照のこと。)。本発明では、袖Sの長い衣類W2に対応して、左右に配置された袖吸引整形部21、22の可動部35が左右外方へ移動し、その吸引口33の内方端部が整形体20の左側部L及び右側部Rから、大きな隙間D2を残して離れた最遠隔位置まで後退させられる。この状態で、開いているそれぞれの蓋部材38にて長い袖部Sが吸引口33の内部に配置され、その後、第2コンベア13の端部13aが閉じて衣類Wを保持し、蓋部材38は閉じる。
【0029】
このとき、吸引部ケース31は外方の位置にスライドして、内方の端部の可動部35と整形体20との間隔は開き、上記袖支え部材23、24の出入する整形体20の左側部L及び右側部Rから、長い袖Sの分だけ離れた状態にある。この状態において、袖吸引整形部21、22が吸引作動し、左右の袖S、Sを吸引部ケース31の外方へそれぞれ吸引するので、袖Sは吸引気流によって左右外方へ引き伸ばされ(
図16)、前記と同様に忠実に原形に近い形状に整形される(
図16、
図17)。このあと、袖支え部材23、24は袖Sから整形体内に引っ込み、袖吸引整形部21、22が
図8の状態に開き、整形体20は下降して着せ掛け位置に戻る。よって、衣類W2は投入コンベア11に預けられて次工程に搬送される(
図18)。
【0030】
このように、本発明の袖吸引整形装置によれば、袖Sの幅が短い衣類W1に関する整形では、吸引部ケース31の内方の端部の可動部35は内方の位置にスライドして、整形体20の左側部L及び右側部Rに僅かな隙間D1を残してほぼ達するように整形体20の方向へ移動させ、短い袖Sがその付け根付近まで吸引部ケース31に入り込むようになるので、十分に吸引力を作用させることができる。また、袖Sの幅が長い衣類W2に関する整形では、吸引部ケース31は外方の位置にスライドして、整形体20の左側部L及び右側部Rから、大きな隙間D2を残して離れ、内方の端部の可動部35と整形体20との間隔が開くので、長い袖Sも伸ばした状態としてその主要部分に十分に吸引力を作用させることができる。
【0031】
上記の説明では、短い袖に対する吸引整形と、長い袖に対する吸引整形の身について説明し、標準の長さの袖に対する吸引整形については、敢えて説明していないが、それは従来のものが標準長さの袖に対するものであるからである。本発明の装置による袖の吸引整形では、袖の長さをパラメーターとして可動部の位置を調整することで、長い袖、短い袖及びそれらの間の標準長さの袖に対する吸引整形に対応することができる。従って、本発明は、衣類のサイズの相違や種類の相違による袖部分の長短の差又は形状の差に拘らず、適切な吸引力を袖に及ぼし、最適の形態への整形に一歩近付けるものである。なお、上記の説明によって示唆されることであるが、本発明の装置の作動は、センサー、マイコン等を用いてシークエンス制御によって自動的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明に係る袖吸引整形装置を適用した衣類投入機の一例を示す正面説明図である。
【
図3】同上における袖支え部材の作用を示す正面説明図である。
【
図5】本発明に係る袖吸引整形装置の一例を示すもので、Aは可動部の前進状態の正面説明図、Bはその平面図である。
【
図6】本発明に係る袖吸引整形装置の一例を示すもので、Aは可動部の後退状態の正面説明図、Bはその平面図である。
【
図7】同じく袖吸引整形部の閉じている状態を示す平面説明図である。
【
図8】同じく袖吸引整形部の開いている状態を示す平面説明図である。
【
図9】本発明の装置による短い袖の衣類を整形する前の状態を示す正面説明図である。
【
図10】同じく短い袖の整形状態を示す説明図である。
【
図11】同じく短い袖の衣類の投入状態を示すもので、Aは側面説明図、Bはその拡大図である。
【
図12】同じく短い袖の衣類の投入状態を示す正面説明図である。
【
図13】同じく短い袖が整形されている状態を示す側面説明図である。
【
図14】同じく短い袖の衣類の投入状態を示す側面説明図である。
【
図15】本発明の装置による長い袖の衣類を整形する前の状態を示す正面説明図である。
【
図16】同じく長い袖が整形されている状態を示す正面説明図である。
【
図17】同じく長い袖の衣類の投入状態を示す正面説明図である。
【
図18】同じく長い袖の衣類の投入状態を示す側面説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10 衣類投入機
11 投入コンベア
12 第1コンベア
13 第2コンベア
14 吸引ボックス
15 吸引装置
16、17、18 ダクト
19 搬出コンベア
20 整形体
21、22 袖吸引整形部
23、24 袖支え部材
25、26 出没機構
27 襟部材
28 支持柱体
29 基台
30 支持体
31 吸引部ケース
32 接続口
33 吸引口
34、36 スライド機構
35 可動部
37、39 駆動機構
38 蓋部材
40 リンク
41 第1軸
42 第2軸
43 軸受け部
44 案内部
45 駆動機構
46 支持体