(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アルキル(メタ)アクリレート(a1)’由来の構成単位(a1)及び官能基含有モノマー(a2)’由来の構成単位(a2)を有し、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位の含有量がそれぞれ3.0質量%以下であるアクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)、及びオキサジン系化合物からなるフォトクロミック性染料(C)を含有する粘着剤組成物であって、
フォトクロミック性染料(C)の配合量が、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.40〜8.00質量部であり、
光の透過性を調節する目的で貼付され、屋外もしくは屋内で使用される着色シートに用いられる、粘着剤組成物。
官能基含有モノマー(a2)’由来の構成単位(a2)の含有量が、アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、0.01〜35質量%である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤組成物は、アルキル(メタ)アクリレート(a1)’由来の構成単位(a1)及び官能基含有モノマー(a2)’由来の構成単位(a2)を有し、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位の含有量がそれぞれ3.0質量%以下であるアクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)、及びオキサジン系化合物からなるフォトクロミック性染料(C)を含有する粘着剤組成物であって、フォトクロミック性染料(C)の配合量が、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.40〜8.00質量部である。
本発明者らは、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位の含有量がそれぞれ3.0質量%以下であるアクリル系共重合体(A)を、特定量のオキサジン系化合物からなるフォトクロミック性染料(C)と共に含有する粘着剤組成物が、アクリル系共重合体(A)が有する優れた粘着力を発現させつつ、上述の耐候性の低下を抑え得ることを見出し、本発明を完成させている。
【0012】
なお、本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、さらに酸化防止剤や、紫外線吸収剤等のその他の配合剤を含有することができる。
以下、本発明の粘着剤組成物に含まれる、アクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)、フォトクロミック性染料(C)、及びその他の配合剤について詳述する。なお、本発明において、例えば「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方を意味し、他の類似用語も同様である。
【0013】
〔アクリル系共重合体(A)〕
本発明で用いるアクリル系共重合体(A)は、アルキル(メタ)アクリレート(a1)’(以下、「モノマー(a1)’」ともいう)由来の構成単位(a1)及び官能基含有モノマー(a2)’(以下、「モノマー(a2)’」ともいう)由来の構成単位(a2)を有し、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位の含有量がそれぞれ3.0質量%以下の共重合体である。また、アクリル系共重合体(A)は、モノマー(a1)’及び(a2)’以外のその他のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
以下、アクリル系共重合体(A)の各構成単位について説明する。
【0014】
(構成単位(a1))
本発明で用いるアクリル系共重合体(A)は、粘着力向上の観点から、アルキル(メタ)アクリレート(a1)’由来の構成単位(a1)を含有する。
【0015】
モノマー(a1)’としては、粘着力向上の観点から、炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、炭素数4〜8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
【0016】
より具体的なモノマー(a1)’としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのモノマー(a1)’は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0017】
これらの中でも、粘着力向上の観点から、ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、上述のモノマーを2種以上組み合わせて用いる場合、粘着剤層を薄膜化しても十分な粘着力を得る観点から、ブチル(メタ)アクリレート由来の構成単位を、モノマー(a1)’由来の構成単位中、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%含有することが好ましい。
【0018】
構成単位(a1)の含有量は、十分な粘着力を得る観点から、アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、好ましくは55〜99.99質量%、より好ましくは65〜99.97質量%、更に好ましくは68〜99.9質量%、より更に好ましくは75〜99.9質量%である。
【0019】
(構成単位(a2))
本発明で用いるアクリル系共重合体(A)は、粘着力向上の観点から、官能基含有モノマー(a2)’由来の構成単位(a2)を含有する。
本発明において、「官能基含有モノマー」の「官能基」とは、後述の架橋剤(B)と反応し、架橋起点となり得る官能基又は架橋促進効果を有する官能基を示す。
このような官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、シアノ基、ケト基、窒素元素含有環等が挙げられる。
【0020】
なお、本発明において、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマーは、官能基含有モノマー(a2)’に該当する。ただし、本発明で用いるアクリル系共重合体(A)は、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位の含有量がそれぞれ3.0質量%以下に調整されていることを特徴とする。これらのモノマー由来の構成単位の含有量がそれぞれ3.0質量%を超えると、得られる粘着剤組成物の耐候性が低下し、特に、長時間使用された後、フォトクロミック性能の低下や、紫外線非照射の環境下でも変色した状態が恒常化してしまうという弊害が生じる。
【0021】
ここで、カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸及びその無水物、2−カルボキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
【0022】
一方、第1級アミノ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル等が挙げられる。
【0023】
カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位のそれぞれの含有量は、アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、3.0質量%以下であるが、長時間使用された後でも、フォトクロミック性能の低下を抑制しつつ、紫外線非照射の環境下での変色が恒常化することを防ぎ得る、優れた耐候性を有する粘着剤組成物とする観点から、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは1.7質量%以下、より好ましくは1.2質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは実質0質量%である。本発明において「実質0質量%」とは、意図的に含有しないことを意味する。
【0024】
なお、得られる粘着剤組成物の粘着力を向上させる観点から、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位を含有してもよい。
粘着力を向上させる観点から、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位のそれぞれの含有量は、アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上である。
【0025】
以上より、得られる粘着剤組成物の耐候性及び粘着力をバランスよく向上させる観点から、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位の含有量は、アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、好ましくは0.01〜3.0質量%、より好ましくは0.04〜2.5質量%、更に好ましくは0.08〜1.7質量%である。
【0026】
カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー以外のモノマー(a2)’としては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ケト基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマー等が挙げられる。
【0027】
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール類等が挙げられる。
【0028】
エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0029】
シアノ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
【0030】
ケト基含有モノマーとしては、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトン(メタ)アクリレート、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アリルアセトアセテート、ビニルアセトアセテート、アセトアセチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
【0032】
これらのモノマー(a2)’は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、凝集力を維持し、粘着力を向上させる観点から、ヒドロキシ基含有モノマーが好ましく、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類がより好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
【0033】
構成単位(a2)の含有量は、十分な粘着力を発現させる観点から、アクリル系共重合体(A)の全構成単位に対して、好ましくは0.01〜35質量%、より好ましくは0.03〜32質量%、更に好ましくは0.1〜12質量%である。
なお、上記構成単位(a2)の含有量には、カルボキシル基含有モノマー及び第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位の含有量も含まれるが、これらモノマー由来の構成単位の含有量の上限値は、上述のとおり、3.0質量%を超えることはない。
【0034】
(その他の構成単位)
なお、アクリル系共重合体(A)は、構成単位として、上記モノマー(a1)’及び(a2)’以外のその他のモノマー由来の構成単位を含んでもよい。
その他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、ビニリデンクロリド等のハロゲン化オレフィン類、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマー等が挙げられる。
これらのモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
以上のモノマーからアクリル系共重合体(A)を合成する方法としては、特に限定されず、溶媒の存在下又は不存在下で、公知の重合方法により合成することができる。
用いる溶媒としては、例えば、酢酸エチル、トルエン等を挙げられる。
なお、重合反応に際し、重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等を挙げられる。
また、重合条件としては、特に限定されないが、重合温度50〜90℃で、反応時間2〜30時間の条件で行われることが好ましい。
【0036】
アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量としては、粘着力向上の観点から、好ましくは18万〜150万、より好ましくは20万〜120万、更に好ましくは25万〜105万である。18万以上であれば、粘着剤組成物の凝集力が向上し、十分な粘着力が得られる。また、150万以下であれば、形成した粘着シートの粘着剤層の弾性率が高くなりすぎず、粘着力の低下を抑えることができる。
なお、本発明において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値を意味する。
【0037】
なお、アクリル系共重合体(A)の共重合形態については、特に制限はなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
また、本発明において、上記のアクリル系共重合体(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
上記アクリル系共重合体(A)の含有量は、粘着剤組成物の総量に対して、好ましくは70〜99.5質量%、より好ましくは85〜99.0質量%、更に好ましくは90〜98.0質量%である。70質量%以上であれば、優れた粘着力を有する粘着剤組成物とすることができる。
【0039】
〔架橋剤(B)〕
本発明の粘着剤組成物は、凝集力を高めて所望の粘着力を得る観点から、アクリル系共重合体(A)が有する官能基と反応する架橋剤(B)を含有する。
架橋剤(B)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、及び金属キレート系架橋剤等が挙げられる。
【0040】
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等の多価イソシアネート化合物、これらの化合物のトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、イソシアヌレート環を含むイソシアヌレート型変性体等の変性体が挙げられる。
【0041】
エポキシ系架橋剤としては、分子中に2個以上のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物であれば、特に限定されないが、分子中に2個以上のグリシジル基を有する多官能性エポキシ化合物が好ましい。
上記の多官能性エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル及びそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル及びそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸グリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル及びポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ又はトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジ又はトリグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン等のジグリシジルアミン等が挙げられる。
【0042】
アジリジン系架橋剤としては、例えば、1,1’−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、1,1’−(ヘキサメチレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、2,4,6−トリアジリジニル−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパン−トリス−(2−アジリジニルプロピオネート)等が挙げられる。
【0043】
金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属にアセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物等が挙げられる。
【0044】
これらの架橋剤(B)は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、高い粘着力を発現させる観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
【0045】
架橋剤(B)の配合量は、高い粘着力を発現させる観点から、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜8質量部、より好ましくは0.05〜5質量部、更に好ましくは0.1〜3質量部である。
【0046】
〔フォトクロミック性染料(C)〕
本発明で用いるフォトクロミック性染料(C)は、フォトクロミック性能を有するものであり、オキサジン系化合物からなる。本発明の粘着剤組成物は、フォトクロミック性染料(C)として、オキサジン系化合物を含有することで、長時間使用された後でも、フォトクロミック性能の低下を抑制しつつ、紫外線非照射の環境下での変色が恒常化することを防ぎ得る、優れた耐候性を発現させることができる。また、有色から無色への色調変化の速度が速い粘着剤組成物とすることができる。
本発明において、オキサジン系化合物とは、酸素原子、窒素原子をそれぞれ1原子ずつ含む6員環複素環を少なくとも含む化合物を意味する。
【0047】
オキサジン系化合物としては、例えば、ナフトスピロオキサジン等が挙げられる。
ナフトスピロオキサジンとしては、例えば、1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、6’−インドリノ−1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、5−クロル−1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、6’−ピペリジノ−1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、1−ベンジル−3,3−ジメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、1,3,5,6−テトラメチル−3−エチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ナフト−(2,1−b)(1,4)−オキサジン]、1,3,5,6−テトラメチル−3−エチルスピロ[インドリン−2,3’−(3H)−ピリド−(3,2−f)(1,4)−ベンゾオキサジン]等が挙げられる。
また、市販品としては、例えば、「T1259(製品名、東京化成工業社製)」等が挙げられる。
これらのオキサジン系化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0048】
本発明の粘着剤組成物におけるフォトクロミック性染料(C)の配合量は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、0.40〜8.00質量部である。0.40質量部未満であると、得られる粘着剤組成物に対して、十分なフォトクロミック性能を発現させることができない。また、8.00質量部を超えると、得られる粘着剤組成物の耐候性が低下し、特に、長時間使用された後において、フォトクロミック性能の低下や、紫外線非照射の環境下でも変色した状態が恒常化してしまうという弊害が生じる。
フォトクロミック性染料(C)の配合量は、上記観点から、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.50〜6.00質量部、より好ましくは0.55〜4.80質量部、より好ましくは0.60〜4.20質量部、更に好ましくは0.65〜3.40質量部、より更に好ましくは0.72〜3.00質量部である。
【0049】
加えて、粘着剤組成物中に含まれるアクリル系共重合体(A)の構成単位中に第1級アミノ基含有モノマー由来の構成単位を含む場合、当該フォトクロミック性染料(C)の配合量は、得られる粘着剤組成物の上述の耐候性を向上させる観点から、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、より好ましくは2.50質量部以下、より好ましくは1.80質量部以下、更に好ましくは1.30質量部以下にすることが好ましい。
【0050】
なお、本発明の効果を損なわない範囲において、本発明の粘着剤組成物は、オキサジン系化合物以外のフォトクロミック性染料を含有してもよい。
【0051】
〔その他の配合剤〕
本発明の粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわず、粘着力等の特性を阻害しない範囲で、さらにその他の配合剤を含有してもよい。
その他の配合剤としては、例えば、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、樹脂安定剤、充填剤、顔料、増量剤、赤外線/近赤外線吸収剤、防腐・防かび剤、防錆剤、可塑剤、高沸点溶剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0052】
(粘着付与剤)
本発明で用いる粘着剤組成物には、得られる粘着剤組成物の粘着力を更に向上させる観点から、さらに粘着付与剤を含有してもよい。
粘着付与剤としては、公知の粘着付与剤が挙げられるが、粘着剤組成物の耐候性を良好とし、フォトクロミック性能を維持する観点から、水素化石油樹脂が好ましい。
本発明において、水素化石油樹脂とは、水素化触媒を使用して、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等の石油樹脂を水素化したものを意味する。
【0053】
水素化石油樹脂としては、例えば、水添テルペン系樹脂、水添ロジン及び水添ロジンエステル系樹脂、不均化ロジン、不均化ロジンエステル系樹脂、石油ナフサの熱分解で生成するペンテン、イソプレン、ピペリン、1.3−ペンタジエン等のC5留分を共重合して得られるC5系石油樹脂の水添加樹脂である水添ジシクロペンタジエン系樹脂、部分水添芳香族変性ジシクロペンタジエン系樹脂、石油ナフサの熱分解で生成するインデン、ビニルトルエン、α−又はβ−メチルスチレン等のC9留分を共重合して得られるC9系石油樹脂を水添した樹脂、上記したC5留分とC9留分の共重合石油樹脂を水添した樹脂等が挙げられる。
【0054】
粘着付与剤を含有する場合、粘着付与剤の配合量としては、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは5〜60質量部、より好ましくは10〜40質量部、更に好ましくは15〜25質量部である。5質量部以上であれば、得られる粘着剤組成物に対して、更に粘着力を向上させることができる。また、60質量部以下であれば、得られる粘着剤組成物から形成される粘着シートの粘着剤層に十分な柔軟性を付与することができ、ジッピングの発生を抑制することができる。
【0055】
(酸化防止剤)
本発明の粘着剤組成物は、さらに酸化防止剤を配合することができる。本発明の粘着剤組成物は、酸化防止剤を配合しても、フォトクロミック性能等を損なうことがない。同時に、酸化防止剤を配合することにより、高湿熱に対する耐久性に優れた粘着剤組成物とすることができる。
【0056】
酸化防止剤としては、粘着剤組成物の高湿熱に対する耐久性を向上させる観点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、分岐状のアルキル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤がより好ましく、ヒンダードフェノール基のベータ位が2つともt−ブチル基であるヒンダードフェノール系酸化防止剤が更に好ましい。
ヒンダードフェノール基のベータ位が2つともt−ブチル基であるヒンダードフェノール系酸化防止剤は、長時間の駆動や屋外での駆動環境下で用いる場合において、特に耐久性の向上という酸化防止剤としての性能に優れている。
【0057】
本発明の粘着剤組成物において酸化防止剤を配合する場合、酸化防止剤の配合量としては、粘着剤組成物の高湿熱に対する耐久性を向上させる観点から、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.03〜0.5質量部、更に好ましくは0.04〜0.3質量部である。0.01質量部以上であれば、得られる粘着剤組成物の耐久性を十分に向上させることができる。一方、1.0質量部以下であれば、他の成分と分離して析出することを抑制することができる。
【0058】
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、オキサゾリアックアシッドアミド化合物、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。市販品としては、Tinuvin765(BASS社製、ヒンダードアミン系化合物)等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物において紫外線吸収剤を配合する場合、紫外線吸収剤の配合量としては、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜3.0質量部、より好ましくは0.03〜2.0質量部、更に好ましくは0.04〜1.0質量部である。
【0059】
(光安定剤)
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾフェノン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物において光安定剤を配合する場合、光安定剤の配合量としては、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部である。
【0060】
(樹脂安定剤)
樹脂安定剤としては、例えば、イミダゾール系樹脂安定剤、ジチオカルバミン酸塩系樹脂安定剤、リン系樹脂安定剤、硫黄エステル系樹脂安定剤等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物において樹脂安定剤を配合する場合、樹脂安定剤の配合量としては、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜3質量部である。
【0061】
[粘着シート]
本発明の粘着シートは、上述の本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有するものであり、基材や剥離材上に当該粘着剤層を有する粘着シートが好ましい。本発明の粘着シートの構成は、特に限定されず、
図1(a)に示された粘着シート1aのように、基材11上に粘着剤層12を形成した粘着シートに限られない。
例えば、
図1(b)示された粘着シート1bのように、基材11上に形成した粘着剤層12上に、更に別の基材11’が形成された粘着シートや、
図1(c)に示された粘着シート1cのように、基材11上に形成した粘着剤層12上に、剥離可能な剥離材13を形成した粘着シート等が挙げられる。
また、
図1(d)に示された粘着シート1dのように、基材を用いずに、粘着剤層12を、剥離材13と別の剥離材13’とで挟持した粘着シートとしてもよい。なお、粘着シート1dにおいて、剥離材13と剥離材13’とは、同じ種類の剥離材を用いてもよく、互いに異なる種類の剥離材を用いてもよいが、剥離材13と剥離材13’との剥離力差が異なるように調整することが好ましい。
【0062】
粘着シートの粘着剤層の厚さとしては、用途等に応じて適宜選定されるが、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜60μm、更に好ましくは3〜40μmである。粘着剤層の厚さが0.5μm以上であれば、被着体に対し良好な粘着力が得られる。一方、100μm以下であれば、生産性の面で有利であり、取り扱い易い粘着シートとなり得る。
【0063】
(基材)
基材としては、特に限定されず、粘着シートの使用目的に応じて適宜選定される。
基材としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂、これらの混合物又は積層物からなるプラスチックフィルム又はプラスチックシート;上質紙、アート紙、コート紙、グラシン紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙等の各種紙類;各種合成紙;アルミニウム箔、銅箔、鉄箔等の金属箔;不織布等の多孔質材料からなる基材等が挙げられる。なお、プラスチックフィルム及びプラスチックシート等は、未延伸でもよいし、縦又は横等の一軸方向あるいは二軸方向に延伸されていてもよい。
用いる基材の着色の有無については問わないが、紫外線を十分に透過する基材が好ましく、可視光領域においても無色透明である基材がより好ましい。
【0064】
なお、基材には、更に、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤等が含有されていてもよい。
また、基材の表面又は裏面には、印刷、印字等を施してもよい。そのために、基材には、感熱記録層、熱転写、インクジェット、レーザー印字等が可能な印字受像層、印刷性向上層等が設けられてもよい。なお、不透明な基材に印刷・印字等された基材を用いた粘着シートは、該粘着シートの粘着剤層越しに印刷面を観察するような用途に使ってもよい。
【0065】
基材としてプラスチック系材料を用いる場合、基材と粘着剤層との密着性を向上させるために、必要に応じて、基材表面に対し酸化法や凹凸化法等の表面処理を施すことが好ましい。
酸化法としては、特に限定されず、例えば、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、クロム酸酸化(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
また、凹凸化法としては、特には限定されず、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選定されるが、粘着剤層との密着性の向上効果や操作性の観点から、コロナ放電処理法が好ましい。また、プライマー処理を施すこともできる。
【0066】
基材の厚さは、特に制限はないが、取り扱い易さの観点から、通常10〜250μm、好ましくは15〜200μm、より好ましくは20〜150μmである。
【0067】
(剥離材)
剥離材としては、基材上に剥離剤を塗布して製造したものが挙げられ、両面剥離処理をされた剥離シートや、片面剥離処理された剥離シート等を用いることができる。
基材としては、例えば、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
【0068】
剥離材の厚さは、特に制限ないが、通常20〜200μm、好ましくは25〜150μmである。
【0069】
(粘着シートの製造方法)
本発明の粘着シートの製造方法としては、特に制限は無く、例えば、本発明の粘着剤組成物に対して、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の有機溶媒を配合して、粘着剤組成物の溶液を調整し、基材上又は剥離材の剥離処理面上に、公知の塗布方法により、当該溶液を塗布及び乾燥し、粘着剤層を形成させて、粘着シートを得る方法等が挙げられる。
また、基材上に上記の方法で形成した粘着剤層と、別の基材とを貼り合わせれば、
図1(b)に示された粘着シート1bを作製することができる。他に、基材又は剥離材上に上記の方法で形成した粘着剤層と、上述の剥離材の剥離処理面とを貼り合わせれば、
図1(c)に示された粘着シート1cや、
図1(d)に示された粘着シート1dとすることができる。
【0070】
粘着剤組成物の溶液の固形分濃度としては、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは10〜45質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。当該固形分濃度が10質量%以上であれば、塗布性が良好となる。一方、60質量%以下であれば、適度な粘度となり、優れた塗布作業性を有する粘着剤組成物の溶液とすることができる。
【0071】
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等の公知の方法が挙げられる。また、基材や剥離材の剥離層面に粘着剤組成物を有機溶媒に溶解した溶液を塗布した後、形成される粘着剤層中に溶媒や低沸点成分が残留することを防ぐために、80〜150℃の温度で30秒〜5分間加熱し乾燥させることが好ましい。
【実施例】
【0072】
[実施例1]
(1)粘着剤組成物の調製
アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)及びアクリル酸(AA)からなるアクリル系共重合体(BA/AA=99.0/1.0(質量%)、重量平均分子量29万、固形分濃度48質量%)を用い、該アクリル系共重合体の固形分100質量部に対し、架橋剤として、トリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、製品名「コロネートL」、固形分濃度75質量%)を2.21質量部(固形分比)、及びフォトクロミック性染料として、下記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)を0.96質量部(固形分比)添加して混合し、メチルエチルケトンで希釈して、固形分濃度25質量%の粘着剤組成物の溶液を調製した。
(2)粘着シートの作製
基材として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、製品名「ルミラー」)を用い、当該PETフィルム上に、上記の粘着剤組成物の溶液を乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、120℃で2分間加熱し、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層の表面に、剥離シート(剥離材)として、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、製品名「SP−PET380101」)の剥離処理面を貼付して、粘着シートを作製した。
【0073】
【化1】
【0074】
[実施例2]
実施例1の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系染料(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0075】
[実施例3]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)及びアクリル酸(AA)からなるアクリル系共重合体(BA/AA=99.9/0.1(質量%)、重量平均分子量22万、固形分濃度47質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0076】
[実施例4]
実施例3の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、実施例3と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0077】
[実施例5]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)、メチルアクリレート(MA)、及び4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)からなるアクリル系共重合体(BA/MA/4HBA=79.0/20.0/1.0(質量%)、重量平均分子量90万、固形分濃度30質量%)を用い、該アクリル系共重合体の固形分100質量部に対し、架橋剤として、キシレンジイソシアネート系架橋剤(綜研化学社製、製品名「TD−75」、固形分濃度30質量%)を0.13質量部、及びフォトクロミック性染料として、上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)を0.96質量部(固形分比)添加した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0078】
[実施例6]
実施例5の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、実施例5と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0079】
[実施例7]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)からなるアクリル系共重合体(BA/HEA=70.0/30.0(質量%)、重量平均分子量90万、固形分濃度30質量%)を用い、該アクリル系共重合体の固形分100質量部に対し、架橋剤として、トリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、製品名「コロネートL」、固形分濃度75質量%)を4.25質量部(固形分比)、及びフォトクロミック性染料として、上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)を0.96質量部(固形分比)添加した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0080】
[実施例8]
実施例7の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、実施例7と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0081】
[実施例9]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)、イソブチルアクリレート(iBA)、酢酸ビニル(VAc)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びメタクリル酸(MAA)からなるアクリル系共重合体(BA/iBA/VAc/HEMA/MAA=44.0/44.0/5.76/6.20/0.04(質量%)、重量平均分子量80万、固形分濃度37質量%)を用い、該アクリル系共重合体の固形分100質量部に対し、架橋剤として、ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、製品名「コロネートHL」、固形分濃度75質量%)を0.39質量部(固形分比)、及びフォトクロミック性染料として、上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)を0.96質量部(固形分比)添加した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0082】
[実施例10]
実施例9の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、実施例9と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0083】
[実施例11]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)、エチルアクリレート(EA)、酢酸ビニル(VAc)、及びアクリルアミド(AAm)からなるアクリル系共重合体(BA/EA/VAc/AAm=54.0/27.0/17.0/2.0(質量%)、重量平均分子量100万、固形分濃度24.6質量%)を用い、該アクリル系共重合体の固形分100質量部に対し、架橋剤として、トリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、製品名「コロネートL」、固形分濃度75質量%)を3.05質量部(固形分比)、及びフォトクロミック性染料として、上記式(1)で表されるオキサジン系染料(東京化成工業社製、製品名「T1259」)を0.96質量部(固形分比)添加した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0084】
[実施例12]
実施例11の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、実施例11と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0085】
[比較例1]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)及びアクリル酸(AA)からなるアクリル系共重合体(BA/AA=91.0/9.0(質量%)、重量平均分子量80万、固形分濃度34質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0086】
[比較例2]
比較例1の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、比較例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0087】
[比較例3]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)及びアクリル酸(AA)からなるアクリル系共重合体(BA/AA=94.0/6.0(質量%)、重量平均分子量80万、固形分濃度34質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0088】
[比較例4]
比較例3の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、比較例3と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0089】
[比較例5]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)及びアクリル酸(AA)からなるアクリル系共重合体(BA/AA=96.0/4.0(質量%)、重量平均分子量145万、固形分濃度17質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0090】
[比較例6]
比較例5の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(1)で表されるオキサジン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T1259」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、比較例5と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0091】
[比較例7]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)、イソブチルアクリレート(iBA)、酢酸ビニル(VAc)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びメタクリル酸(MAA)からなるアクリル系共重合体(BA/iBA/VAc/HEMA/MAA=44.0/44.0/5.76/6.20/0.04(質量%)、重量平均分子量80万、固形分濃度37質量%)を用い、該アクリル系共重合体の固形分100質量部に対し、架橋剤として、ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、製品名「コロネートHL」、固形分濃度75質量%)を0.39質量部(固形分比)、及びフォトクロミック性染料として、下記式(2)で表されるスピロピラン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T0366」)を0.96質量部(固形分比)添加した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0092】
【化2】
【0093】
[比較例8]
比較例7の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(2)で表されるスピロピラン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T0366」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、比較例7と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0094】
[比較例9]
実施例1の粘着剤組成物において、アクリル系共重合体として、ブチルアクリレート(BA)、エチルアクリレート(EA)、酢酸ビニル(VAc)、及びアクリルアミド(AAm)からなるアクリル系共重合体(BA/EA/VAc/AAm=54.0/27.0/17.0/2.0(質量%)、重量平均分子量100万、固形分濃度24.6質量%)を用い、該アクリル系共重合体の固形分100質量部に対し、架橋剤として、トリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、製品名「コロネートL」、固形分濃度75質量%)を3.05質量部(固形分比)、及びフォトクロミック性染料として、上記式(2)で表されるスピロピラン系化合物(東京化成工業社製、製品名「T0366」)を0.96質量部(固形分比)添加した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0095】
[比較例10]
比較例9の粘着剤組成物において、フォトクロミック性染料として用いた上記式(2)で表されるスピロピラン系染料(東京化成工業社製、製品名「T0366」)の添加量を2.88質量部(固形分比)とした以外は、比較例9と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、該組成物の溶液を用いて粘着シートを作製した。
【0096】
上記のようにして作製した粘着シートの評価方法は以下の通りである。これらの評価結果を表1に示す。
(1)紫外線非照射の環境下での着色の有無の評価
実施例及び比較例で作製した粘着シートを20mm×20mmの大きさに裁断し、剥離シートを除去し、表出した粘着剤層面とガラス板(エヌ・エス・ジー・プレシジョン社製、製品名「コーニングガラス イーグルXG」、150mm×70mm×2mm)とをスキージーを用いて貼り合わせ、評価用サンプルを作製した。
初めに、紫外線を照射していない環境下にて、上記評価用サンプルを目視で観察し、下記基準に基づき、着色されているか否かの評価を行った。なお、当該評価結果は、表1中の「作製直後」の欄に記載している。
さらに耐候性試験機(スガ試験機社製、製品名「紫外線フェードメーターU48」、光源:カーボンアークランプ(以下、「FOM」ともいう))を用いて、当該評価用サンプルを75時間及び150時間照射した。その後、紫外線が照射されていない環境下にて、当該評価用サンプルを目視で観察し、下記基準に基づき、着色されているか否かの評価を行った。なお、当該評価結果は、表1中の「FOM75h」及び「FOM150h」の欄に記載している。
(紫外線非照射の環境下での着色の有無の評価基準)
A+:着色が認められず、無色である。
A:凝視すればわずかな着色が認められるが、ほぼ無色に近い。
B:淡黄、淡赤、淡茶等の淡色の着色が認められる。
C:黄、赤、茶等の着色がはっきりと認められる。
【0097】
(2)フォトクロミック性能の評価
上述のとおり作製した評価用サンプルに対して、紫外線照射装置(アズワン社製、製品名「Handy UV Lamp SLUV−4」)を用いて、紫外線(波長365nm)を5秒間照射し、当該評価用サンプルを目視で観察し、下記基準に基づき、発色するか否かの評価を行った。なお、当該評価結果は、表1中の「作製直後」の欄に記載している。
さらに耐候性試験機(スガ試験機社製、製品名「フェードメーターU48」、光源:カーボンアークランプ)を用いて、当該評価用サンプルを25時間、50時間照射した。その後、評価用サンプルに、上述の紫外線照射装置を用いて、紫外線(波長365nm)を5秒間照射し、当該評価用サンプルを目視で観察し、上記と同様に評価した。なお、当該評価結果は、それぞれ表1中の「FOM25h」及び「FOM50h」の欄に記載している。
(長時間の耐候性の評価基準)
A:十分に発色する。
B:発色する。
C:発色しない(変化なし)。
【0098】
(3)消色時間の評価
上述のとおり作製した評価用サンプルに対して、紫外線照射装置(アズワン社製、製品名「Handy UV Lamp SLUV−4」)を用いて、紫外線(波長365nm)を5秒間照射し、当該評価用サンプルが、紫外線照射前の状態まで色が戻るのに要した時間を測定し、測定時間に応じて、以下の通り評価をした。
A:10秒未満で消色する。
F:10秒以上経っても消色しない。
【0099】
【表1】
【0100】
実施例1〜12の粘着シートは、フェードメーターに75時間投入した後でも着色が抑えられており、紫外線非照射の環境下でも変色が恒常化することを防ぎうる結果であった。
また、フェードメーターに50時間投入した後においても、紫外線照射により発色が確認され、フォトクロミック性能が維持され、優れた耐候性を有していることが分かる。
さらに、消色時間も短く、有色から無色への色調変化の速度が速いことも分かる。
一方、比較例1〜10の粘着シートは、上記の評価のいずれかの点で劣る結果となった。