特許第5961436号(P5961436)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961436
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-97505(P2012-97505)
(22)【出願日】2012年4月23日
(65)【公開番号】特開2013-225793(P2013-225793A)
(43)【公開日】2013年10月31日
【審査請求日】2014年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】507207498
【氏名又は名称】株式会社五洋電子
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100159651
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 成男
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅則
(72)【発明者】
【氏名】細貝 俊明
(72)【発明者】
【氏名】大石 康夫
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 治
(72)【発明者】
【氏名】高木 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】石井 崇人
(72)【発明者】
【氏名】千葉 匡春
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−81773(JP,A)
【文献】 特開2002−359565(JP,A)
【文献】 特開2007−13617(JP,A)
【文献】 特開2002−181580(JP,A)
【文献】 特表2011−524101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数ホッピング方式を用いた近距離無線通信機能を有し、公衆網との間で直接データ通信を行う機能および音声通話機能を有しないナビゲーションシステムとしての第1装置と、前記近距離無線通信機能前記音声通話機能およびハンズフリー機能を有する携帯電話機としての第2装置とを備える無線通信システムに用いられる無線通信装置であって、
前記近距離無線通信機能により無線通信を行う第1通信モジュールと、
公衆網を介してデータ通信を行う第2通信モジュールと、
自装置のサービス属性を前記第2装置のサービス属性に設定し、前記第1装置から前記第2装置への接続要求を当該第2装置になりすまして前記第1通信モジュールにより受信し、前記第1装置との間に自装置をマスタとし前記第1装置をスレーブとするデータ通信用の第1無線リンクを確立する第1無線制御手段と、
自装置のサービス属性を前記第1装置のサービス属性に設定し、前記第2装置から前記第1装置への接続要求を当該第1装置になりすまして前記第1通信モジュールにより受信して、前記第2装置との間に自装置をマスタとし前記第2装置をスレーブとする音声通信用の第2無線リンクを確立する第2無線制御手段と、
前記第1装置からの接続要求に応じて、前記第1装置を、第2装置を介さずに前記第1無線リンクを介して前記第2通信モジュールにより前記公衆網に接続し、前記公衆網との間でデータ通信を行って、受信したデータを前記第1無線リンクを介して前記第1装置へ転送するデータ通信手段と、
前記第2装置のハンズフリー機能によるハンズフリー音声通話を、前記第1装置を介さずに前記第2無線リンクを介して行い、ユーザが発した音声を自装置のマイクロフォンにより入力して前記公衆網へ送信すると共に、前記公衆網から受信した通話相手の受話音声を自装置のスピーカから出力するハンズフリー音声通話手段と
を具備し、
自装置をマスタとして、前記第1装置と前記第2装置のそれぞれを前記近距離無線通信機能によりスレーブとして無線リンクを確立することで前記第1装置と前記第2装置が互いに無線リンクを確立することなく、前記第1装置に代わり前記第2通信モジュールにより前記公衆網との間でデータ通信を行い、前記公衆網から受信したデータを前記第1無線リンクを介して前記第1装置へ転送し、前記第2無線リンクを介して前記第2装置のハンズフリー機能によるハンズフリー音声通話を行う
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記第1装置が有する近距離無線通信機能の第1規格と前記第2装置が有する近距離無線通信機能の第2規格とが異なる場合に、前記第1通信モジュールは、前記第1規格と前記第2規格とに互換性を有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カーナビゲーションシステム等に用いられる無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムは、現在では広く一般に普及し、現在地から目的地までの経路案内を基本機能としている。また、この基本機能の他に車両付加価値向上、更には競合他社との差別化のために様々な拡張機能が考案され提供されている。このようにカーナビゲーションシステムの機能面では大きく基本機能と拡張機能に二分化される。
【0003】
基本機能は製品必須機能であり、GPS(Global Positioning System)により現在位置情報を取得し、この情報と連動し地図画面、音声案内を通じて行先案内を実施する。この拡張機能としては広域通信網を利用しデータセンターと連携して、リアルタイムに、きめ細かなサービスを提供するリアルタイムVICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)サービスなどが代表例として挙げられる。また更なる拡張機能としては前述の基本機能を拡張したものの他に、運転中のドライバを補助する携帯電話を利用したハンズフリーサービスや、携帯音楽プレーヤーを利用したエンターティメントサービスなど多種多様化している。このような状況の中、後追いによって機能の拡張又は導入をしようとした場合に、費用面だけでなく、物理的制約等の技術面において断念せざるをえない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−166695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、様々な拡張機能が開発されても、新車販売時に車両に搭載されるカーナビゲーションシステムはそのオプション選択枠の範囲内でしか拡張機能を導入することができず、車両のようにライフサイクルの長い商品に対しては、新たな付加価値を提供しようとも既に搭載されたカーナビゲーションシステムに付随する機能に限定される要素が多く、機能追加に対応できない場合にはカーナビゲーションシステム自体を交換することでしか対応出来ない状態になっている。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、既存の機器に手を加えることなく、既存機能を保持しつつ新たな機能を付加することができる無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明に係る無線通信装置の第1の態様は、周波数ホッピング方式を用いた近距離無線通信機能を有し、公衆網との間で直接データ通信を行う機能および音声通話機能を有しないナビゲーションシステムとしての第1装置と、前記近距離無線通信機能音声通話機能およびハンズフリー機能を有する携帯電話機としての第2装置とを備える無線通信システムに用いられる無線通信装置であって、前記近距離無線通信機能により無線通信を行う第1通信モジュールと、公衆網を介してデータ通信を行う第2通信モジュールと、自装置のサービス属性を前記第2装置のサービス属性に設定し、前記第1装置から前記第2装置への接続要求を当該第2装置になりすまして前記第1通信モジュールにより受信し、前記第1装置との間に自装置をマスタとし前記第1装置をスレーブとするデータ通信用の第1無線リンクを確立する第1無線制御手段と、自装置のサービス属性を前記第1装置のサービス属性に設定し、前記第2装置から前記第1装置への接続要求を当該第1装置になりすまして前記第1通信モジュールにより受信して、前記第2装置との間に自装置をマスタとし前記第2装置をスレーブとする音声通信用の第2無線リンクを確立する第2無線制御手段と、前記第1装置からの接続要求に応じて、前記第1装置を、前記第2装置を介さずに前記第1無線リンクを介して前記第2通信モジュールにより前記公衆網に接続し、前記公衆網との間でデータ通信を行って、受信したデータを前記第1無線リンクを介して前記第1装置へ転送するデータ通信手段と、前記第2装置のハンズフリー機能によるハンズフリー音声通話を、前記第1装置を介さずに前記第2無線リンクを介して行い、ユーザが発した音声を自装置のマイクロフォンで検出して前記公衆網へ送信すると共に、前記公衆網から受信した通話相手の受話音声を自装置のスピーカから出力するハンズフリー音声通話手段とを具備し、自装置をマスタとして、前記第1装置と前記第2装置のそれぞれを前記近距離無線通信機能によりスレーブとして無線リンクを確立することで前記第1装置と前記第2装置が互いに無線リンクを確立することなく、前記第1装置に代わり前記第2通信モジュールにより前記公衆網との間でデータ通信を行い、前記公衆網から受信したデータを前記第1無線リンクを介して前記第1装置へ転送し、前記第2無線リンクを介して前記第2装置のハンズフリー機能によるハンズフリー音声通話を行うものである。
【0007】
上記第1の態様によれば、無線技術を応用することで、既存の第1装置について物理的な機器交換や改修、さらに無線通信装置の設置に伴うであろう配線等の設置に伴うコストの負担も必要とせず、既存機器サービスを保持しつつ、新機能・新サービスが提供可能となる。
【0008】
この発明に係る無線通信装置の第2の態様は、上記第1の態様において、前記第1装置はナビゲーションシステムであり、前記第2装置はハンズフリー機能を有する携帯電話機であることを特徴とする。
上記第2の態様によれば、無線通信装置を用いることで、例えば、既存のナビゲーションシステムを機器交換又は改修することなく、既存のダイヤルアップ接続機能を保持しつつ、携帯電話機を利用した新たなハンズフリー機能を付加することが可能となる。
【0009】
この発明に係る無線通信装置の第3の態様は、上記第1又は第2の態様において、前記第1装置が有する近距離無線通信機能の第1規格と前記第2装置が有する近距離無線通信機能との第2規格とが異なる場合に、前記第1通信モジュールは、前記第1規格と前記第2規格とに互換性を有することを特徴とする。
【0010】
上記第3の態様によれば、無線通信装置で無線通信規格のバージョン等の差異を補完することにより、例えば、携帯電話機のバージョンに合わせてナビゲーションシステムのバージョンアップ等をする必要がない。
【発明の効果】
【0011】
すなわちこの発明によれば、既存の機器に手を加えることなく、既存機能を保持しつつ新たな機能を付加することができる無線通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る無線通信装置を用いた無線通信システムの一実施形態を示す図。
図2図1に示す無線通信システムの無線リンク確立処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照してこの発明に係る実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る無線通信装置を用いた無線通信システムの一実施形態である。無線通信装置3は、周波数ホッピング方式を用いた近距離無線通信機能を有するナビゲーションシステム1(第1装置)と、上記近距離無線通信機能および音声通話機能を有する携帯電話機2(第2装置)とを備える無線通信システムに用いられる。
なお、以降においては、第1通信モジュールは近距離無線通信部とし、第2通信モジュールは公衆網通信モジュールとして説明する。
【0014】
周波数ホッピング方式を用いた近距離無線通信機能としては、例えば、2.4GHz帯の無線周波数を使用するBluetooth(登録商標)規格を採用するものとする。Bluetoothは、マスタ/スレーブ方式を採用し、マスタとなる機器を中心に半径10m程度までのピコネットと呼ばれる無線サービスエリアを形成する。マスタは、この無線サービスエリア内に存在する最大7台までの機器をスレーブとして無線接続することができる。
【0015】
なお、本実施形態では、携帯電話機2等を利用したデータ通信のためのダイヤルアップ機能のみを有するデータ通信専用のナビゲーションシステム1に対して、無線通信装置3を用いてハンズフリー機能を新たな付加価値としてアドオンする例について説明する。
図1において、ナビゲーションシステム1は、現在地から目的地までの経路案内を基本機能とし、さらにBluetooth通信機能に対応する近距離無線通信部11、および公衆網通信可能な機器の携帯電話機2等のダイヤルアップ機能を利用してVICS情報や天気情報等を提供する情報提供サービス部12を有する。また、このナビゲーションシステム1は、例えば、車載機として構成され、車両バッテリから電源が供給されるものとする。
【0016】
携帯電話機2は、Bluetooth通信機能に対応する近距離無線通信部21、ハンズフリー通話機能を提供するハンズフリーサービス部22、および公衆網WANを介して音声通話を可能にする公衆網通信部23を有する。
無線通信装置3は、Bluetooth通信機能に対応する近距離無線通信部31、公衆網WANにダイヤルアップ接続してデータ通信を可能にする公衆網通信モジュール32、無線制御部33、データ通信部34、およびハンズフリー音声通話部35を有する。さらに、無線通信装置3には、ハンズフリー通話用のマイクロホンおよびスピーカが接続される。また、無線通信装置3は、ナビゲーションシステム1と電源供給コードで接続され、ナビゲーションシステム1の電源投入に連動してこの電源供給コードから電源が供給されるものとするが、車両バッテリから直接に電源が供給される構成、又は無線通信装置3が個別に電源を備える構成であってもよい。
【0017】
無線制御部33は、ナビゲーションシステム1から携帯電話機への接続要求を携帯電話機2になりすまして近距離無線通信部31により受信して、ナビゲーションシステム1との間にデータ通信用の無線リンク(第1無線リンク)を確立する。また、無線制御部33は、携帯電話機2からナビゲーションシステムへの接続要求をナビゲーションシステム1になりすまして近距離無線通信部31により受信して、携帯電話機2との間に音声通信用の無線リンク(第2無線リンク)を確立する。この処理の詳細については後述する。
【0018】
データ通信部34は、ナビゲーションシステム1からのダイヤルアップ接続要求に応じて、上記確立されたデータ通信用の無線リンクを介してナビゲーションシステム1を公衆網通信モジュール32により公衆網WANに接続する。
ハンズフリー音声通話部35は、上記確立された音声通信用の無線リンクを介して携帯電話機2を用いたハンズフリー通話を行う際に、ユーザが発した音声をマイクロホンにより入力し、通話相手の受話音声をスピーカにより出力する。
【0019】
次に、このように構成された無線通信システムの動作について説明する。図2は、図1に示す無線通信システムの無線リンク確立処理を示すフローチャートである。なお、ナビゲーションシステム1は、データ通信専用であるため、公衆網に接続される機器となる携帯電話機と認識される機器への無線接続しか行わないものとする。
【0020】
図2において、ナビゲーションシステム1の電源がONされると、これに連動して無線通信装置3の電源がONされる(ステップS1)。一方、携帯電話機2の電源がONされる(ステップS2)。なお、ここではナビゲーションシステム1と無線通信装置3が連動して電源ONされ、後に携帯電話機2の電源がONされる手順で説明しているが、携帯電話機2の電源ONのタイミングは特に限定されるものではなく、例えば携帯電話機2が電源ONを維持した状態で、ナビゲーションシステム1と無線通信装置3が電源ONされる手順も想定される。
先ず、無線通信装置3の無線制御部33は、自装置のデバイスタイプを携帯電話機のデバイスタイプに設定し(Device Class=“CELL Phone”)、接続要求待ち状態(Status=“Page Scan Enable”)に設定し、周期的に受信周波数を切り替えながら接続要求を待ち受ける(ステップS3)。なお、このときタイマを設定しておき、所定時間内に接続要求を受信できずにタイムアウトとなった場合は、ステップS11に移行する。
【0021】
ナビゲーションシステム1は、自装置の近距離無線通信における無線サービスエリア内に存在するリモートデバイスを検出(Page Scan)する(ステップS4)。接続要求待ちの無線通信装置3が検出された場合には、ナビゲーションシステム1は、無線通信装置3を対象デバイスである携帯電話機(Device Class=“CELL Phone”)として認識する。同様に、携帯電話機2についても、自装置の近距離無線通信における無線サービスエリア内に存在するリモートデバイスの検出(Page Scan)を行う(ステップS5)。ここで、接続要求待ちの無線通信装置3が検出された場合には、携帯電話機2は、無線通信装置3を周辺の同種デバイス(Device Class=“CELL Phone”)として認識し、対象デバイス(Device Class=“Audio/Video”)の検出を繰り返す。
【0022】
ナビゲーションシステム1は、検出された無線通信装置3に対し、ダイヤルアップ接続を行うためのDUN(Dial-Up Networking Profile)リンクの接続要求を送信する(ステップS6)。無線通信装置3からナビゲーションシステム1へ接続応答(DUNプロファイルで動作可能)が送信されると(ステップS7)、ナビゲーションシステム1と無線通信装置3との間でDUNリンクが確立する(ステップS8)。そして、このDUNリンクが確立後、無線通信装置3は、このリンクの従属関係を確認し、自装置がマスタで無い場合は、自装置をマスタに切り替え(ステップS9)、ナビゲーションシステム1をスレーブに切り替える(ステップS10)。
【0023】
次に、無線通信装置3は、ナビゲーションシステム1との間の無線リンク確立処理が完了またはタイムアウト時点で、携帯電話機2との接続処理へ移行する。無線通信装置3の無線制御部33は、自装置のデバイスタイプをナビゲーションシステムのデバイスタイプに設定し(Device Class=“Audio/Video”)、接続要求待ち状態(Status=“Page Scan Enable”)に設定し、周期的に受信周波数を切り替えながら接続要求を待ち受ける(ステップS11)。なお、このときタイマを設定しておき、所定時間内に接続要求を受信できずにタイムアウトとなった場合は、ステップS18に移行する。
【0024】
携帯電話機2は、自装置の無線サービスエリア内に存在するリモートデバイスを検出(Page Scan)する(ステップS12)。接続要求待ちの無線通信装置3が検出された場合には、携帯電話機2は、無線通信装置3を対象デバイスであるナビゲーションシステム(Device Class=“Audio/Video”)として認識する。
【0025】
携帯電話機2は、検出された無線通信装置3に対し、ハンズフリー音声通話を行うためのHFP(Hands Free Profile)リンクの接続要求を送信する(ステップS13)。無線通信装置3から携帯電話機2へ接続応答(HFPプロファイルで動作可能)が送信されると(ステップS14)、携帯電話機2と無線通信装置3との間でHFPリンクが確立する(ステップS15)。そして、このHFPリンクが確立後、無線通信装置3は、このリンクの従属関係を確認し、自装置がマスタで無い場合は、自装置をマスタに切り替え(ステップS16)、携帯電話機2をスレーブに切り替える(ステップS17)。
【0026】
このような無線リンク確立処理を行った後に、無線通信装置3は運用状態となる(ステップS18)。このように無線通信装置3を用いることで、既存のナビゲーションシステム1を機器交換又は改修することなく、既存のダイヤルアップ接続機能を保持しつつ、新たなハンズフリー機能を付加することができる。
【0027】
以上述べたように、本実施形態では、Bluetooth無線確立に伴う従属関係確立、及び上位サービス属性であるサービスプロファイルの交換情報を適宜に可変に対応することで、機器間での相互接続において適切に機能追加が可能となる。つまり、Bluetoothが規定する従属関係「ピコネット方式」を応用し、上記手順を用いることで、既存機能に手を加えることなく新規機能追加(アドオン)が可能となる。
【0028】
従来、ナビゲーションシステム本体に機能追加拡張する際、既存設備においては、物理的な機能拡張インターフェース(接点)が必要最低限に留められており、ネットワーク・トポロジー構成、保証も必要最小限となっていた。また、通信規格拡張に伴う、プロトコルバージョンアップデート手段が無かった。この結果、機器全交換の必要性が生じ、コスト負担が増加するという問題があった。
【0029】
これに対し、上記実施形態では、無線通信を利用することで、高価な既存のナビゲーションを交換等することなく、更に機材設置に伴うであろう配線等の設置に伴うコストが不要となり、追加機能に必要な費用が最小限となる。ユーザが所望する機能のみを追加することができ、その機能の対価のみが発生するため費用対効果として最良となり、不要な付加品がない。
【0030】
また、例えば、ナビゲーションシステム1と携帯電話機2との間で無線通信規格のバージョン等が異なる場合でも、無線通信装置3でそれぞれのバージョンに対応できるように複数の近距離無線通信部または双方のバージョンに互換性を有する近距離無線通信部を備えるようにする。無線通信装置3で無線通信規格のバージョン等の差異を補完することにより、例えば、携帯電話機2のバージョンに合わせてナビゲーションシステム1のバージョンアップ等をする必要がない。
【0031】
したがって、上記実施形態によれば、相互接続が保証されている無線技術を応用することで物理的な機器交換をすることなく、更には既存機器サービスを損失することなく新機能・新サービスが提供できる。さらに無線通信装置3において転送データや転送伝文を圧縮することで物理的転送量を少なくして転送性能を上げるなど、追加側にて性能や効率の改善を期待することが可能となる。
【0032】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ハンズフリー機能を新たな機能として追加する例を説明したが、これに限らず、上記無線通信装置3を利用して、例えば、携帯音楽プレーヤーを利用したエンターティメントサービスやファイル転送サービス(静止画、動画、電話帳など)等を追加することもできる。
【0033】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…ナビゲーションシステム、11…近距離無線通信部、12…情報提供サービス部、2…携帯電話機、21…近距離無線通信部、22…ハンズフリーサービス部、23…公衆網通信部、3…無線通信装置、31…近距離無線通信部、32…公衆網通信モジュール、33…無線制御部、34…データ通信部、35…ハンズフリー音声通話部。
図1
図2