(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端子金具は、前記接点パターンを押圧する方向と逆側に変位可能に前記接点部を弾性支持する接点付勢ばねを備えていることを特徴とする請求項1に記載の基板コネクタ。
【背景技術】
【0002】
図14は、基板コネクタの従来例を示したものである。この基板コネクタ100は、下記特許文献1に開示されたものである。
【0003】
この基板コネクタ100は、回路基板200の上に載置される樹脂製のコネクタハウジング110と、該コネクタハウジング110に埋設装備された針状の複数の雄端子金具120と、を備える。
【0004】
各雄端子金具120は、その一端121がコネクタハウジング110内に位置している。そして、雄端子金具120の他端122は、コネクタハウジング110の後端から延出した後、回路基板200側に折り曲げられ、回路基板200に形成されたスルーホール201に挿通される。
【0005】
スルーホール201に挿通された雄端子金具120の他端122は、スルーホール201に形成された接点パターンに半田付けされることで、回路基板200上の接点パターンに導通接続される。また、各雄端子金具120を接点パターンに半田付けすることによって、基板コネクタ100が回路基板200に固定される。
【0006】
この基板コネクタ100には、図示はしていないが、外部機器からのケーブルに接続された機器側コネクタが嵌合接続される。機器側コネクタは、雄端子金具120の一端121に雌雄嵌合する雌端子金具を収容保持した構成である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、前述した基板コネクタ100は、当該基板コネクタ100を回路基板200に取り付ける際に、手間のかかる半田付け作業が必要となるという問題があった。
【0009】
また、外部機器からのケーブルを回路基板200の接点パターンに導通接続させるには、機器側コネクタを基板コネクタ100に嵌合させて、それぞれのコネクタに保持されている端子金具相互を雌雄嵌合させる必要があるが、端子金具相互を雌雄嵌合させる際に、端子相互の衝突やこじりにより端子金具の破損を招くおそれがあった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、回路基板に対して手間のかかる半田付け作業が不要で、しかも、接続時に衝突やこじりによる端子金具の破損を招くおそれがなく、外部機器からのケーブルに接続された端子金具を簡単に回路基板上の接点パターンに導通接続させることのできる基板コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)回路基板の表面に所定の配列ピッチで配列された接点パターンに、外部機器からのケーブルに接続された端子金具を導通接続する基板コネクタであって、
前記接点パターンに当接させる接点部が金具本体の先端に突出して設けられた前記端子金具と、
前記端子金具を、前記接点パターンの配列ピッチに対応した配列ピッチで、且つ、前記接点部が本体先端面から突出するように収容保持するコネクタ本体と、
前記回路基板の表面に所定以上の押圧力が作用すると、その押圧方向に前記回路基板
の全体が変位可能に前記回路基板
の隅部を基板支持ばねを介して弾性支持する基板支持台と、
前記基板支持台に取り付けられて、前記コネクタ本体に収容保持された前記端子金具の接点部が前記回路基板の接点パターンに押圧状態となるように前記コネクタ本体を係止するコネクタ受け部材と、
を備え、
前記コネクタ本体を前記コネクタ受け部材に係止させて、前記接点部を前記接点パターンに押圧接触させることで、前記端子金具を前記接点パターンに導通接続させることを特徴とする基板コネクタ。
【0012】
(2)前記端子金具は、前記接点パターンを押圧する方向と逆側に変位可能に前記接点部を弾性支持する接点付勢ばねを備えていることを特徴とする上記(1)に記載の基板コネクタ。
【0013】
(3)
回路基板の表面に所定の配列ピッチで配列された接点パターンに、外部機器からのケーブルに接続された端子金具を導通接続する基板コネクタであって、
前記接点パターンに当接させる接点部が金具本体の先端に突出して設けられた前記端子金具と、
前記端子金具を、前記接点パターンの配列ピッチに対応した配列ピッチで、且つ、前記接点部が本体先端面から突出するように収容保持するコネクタ本体と、
前記回路基板の表面に所定以上の押圧力が作用すると、その押圧方向に前記回路基板が変位可能に前記回路基板を弾性支持する基板支持台と、
前記基板支持台に取り付けられて、前記コネクタ本体に収容保持された前記端子金具の接点部が前記回路基板の接点パターンに押圧状態となるように前記コネクタ本体を係止するコネクタ受け部材と、
を備え、
前記コネクタ本体を前記コネクタ受け部材に係止させて、前記接点部を前記接点パターンに押圧接触させることで、前記端子金具を前記接点パターンに導通接続させ、
前記コネクタ受け部材は、前記コネクタ本体の一側面側に装備された連結用軸部を回動自在に支持する軸支持部と、前記コネクタ本体の前記軸支持部を支点とした回動操作により前記コネクタ本体に収容保持された前記端子金具の前記接点部が前記接点パターンに押圧接触した時に前記コネクタ本体の前記一側面と反対側の他側面側に装備された係合部と係合して前記コネクタ本体を固定する本体係止部と、
を備えることを特徴とす
る基板コネクタ。
【0014】
上記(1)の構成によれば、外部機器からのケーブルに接続された端子金具と、回路基板上の接点パターンとの導通接続は、コネクタ本体を回路基板上のコネクタ受け部材に結合して、コネクタ本体に収容保持されている端子金具の接点部を回路基板の表面に突き合わせることによって実現する。そのため、外部機器からのケーブルを回路基板の接点パターンに導通接続する際に、回路基板に対して手間のかかる半田付け作業が不要である。
【0015】
しかも、外部機器からのケーブルに接続された端子金具と、回路基板上の接点パターンとの導通接続は、互いの突き合わせによる接触によって行っており、接続時に衝突やこじりの発生原因となる端子金具相互の雌雄嵌合が存在しないため、接続時に衝突やこじりによる端子金具の破損を招くおそれもない。
【0016】
従って、外部機器からのケーブルに接続された端子金具を簡単に回路基板上の接点パターンに導通接続させることができる。
【0017】
また、上記(1)の構成によれば、端子金具の接点部が押圧接触させられる回路基板は、基板支持台によって、端子金具による押圧方向に
回路基板全体が変位可能に
回路基板の隅部が基板支持ばねを介して弾性支持されている。そのため、例えば組立誤差等で端子金具の接点部の突出量にバラツキが生じていても、回路基板
全体の変位によって、接点パターンに作用する押圧力を既定値以下に抑止することができ、端子金具による過度の押圧によって回路基板に撓みが生じることを防止することができ、回路基板の撓みによって端子金具と接点パターンとの導通接続が不安定になることを防止することができる。
【0018】
上記(2)の構成によれば、端子金具の接点部は、接点付勢ばねにより、接点パターンを押圧する方向と逆側に変位可能に弾性支持されている。そのため、コネクタ本体や端子金具における寸法誤差や組立誤差の影響でコネクタ本体に収容保持されている複数の端子金具相互間に突出量のバラツキが発生している場合でも、それぞれの端子金具における突出量のバラツキを、接点部の弾性変位により吸収して、いずれの端子金具も同等に接点パターンに押圧接触させることができる。
【0019】
即ち、複数の端子金具の接点部を、いずれも、略同等の押圧接触力で接点パターンに導通接続させることができ、接点パターンと端子金具との接続信頼性を向上させることができる。
【0020】
上記(3)の構成によれば、コネクタ受け部材へのコネクタ本体の結合は、コネクタ本体の一側面側の連結用軸部をコネクタ受け部材の軸支持部に係止させた後、前記軸支持部を回動支点としてコネクタ本体を回動させて、コネクタ本体の他側面側の係合部を、コネクタ受け部材の本体係止部に係合させればよく、コネクタ本体とコネクタ受け部材との結合作業を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明による基板コネクタによれば、外部機器からのケーブルに接続された端子金具と、回路基板上の接点パターンとの導通接続は、コネクタ本体を回路基板上のコネクタ受け部材に結合して、コネクタ本体に収容保持されている端子金具の接点部を回路基板の表面に突き合わせることによって実現する。そのため、外部機器からのケーブルを回路基板の接点パターンに導通接続する際に、回路基板に対して手間のかかる半田付け作業が不要である。
【0022】
しかも、外部機器からのケーブルに接続された端子金具と、回路基板上の接点パターンとの導通接続は、互いの突き合わせによる接触によって行っており、接続時に衝突やこじりの発生原因となる端子金具相互の雌雄嵌合が存在しないため、接続時に衝突やこじりによる端子金具の破損を招くおそれもない。
【0023】
従って、外部機器からのケーブルに接続された端子金具を簡単に回路基板上の接点パターンに導通接続させることができる。
【0024】
また、本発明による基板コネクタによれば、端子金具の接点部が押圧接触させられる回路基板は、基板支持台によって、端子金具による押圧方向に変位可能に弾性支持されている。そのため、例えば組立誤差等で端子金具の接点部の突出量にバラツキが生じていても、回路基板の変位によって、接点パターンに作用する押圧力を既定値以下に抑止することができ、端子金具による過度の押圧によって回路基板に撓みが生じることを防止することができ、回路基板の撓みによって端子金具と接点パターンとの導通接続が不安定になることを防止することができる。
【0025】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る基板コネクタの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1〜
図13は本発明に係る基板コネクタの一実施形態を示したもので、
図1は本発明の一実施形態の基板コネクタの分解斜視図、
図2は
図1に示した端子金具の斜視図、
図3は
図2に示した端子金具の分解斜視図、
図4は
図1に示したコネクタ本体の他側面側から視た斜視図、
図5は一実施形態のコネクタ本体の端子収容孔における端子金具の係止構造を示すコネクタ本体の要部の拡大図、
図6は一実施形態のコネクタ本体の一側面側の連結用軸部をコネクタ受け部材の一側面側の軸支持部に係止させた状態の側面図、
図7は
図6に示したコネクタ受け部材とコネクタ本体との縦断面図、
図8は
図7のA部の拡大図、
図9は
図7のB部の拡大図、
図10は一実施形態のコネクタ本体とコネクタ受け部材との結合が完了した状態の側面図、
図11は
図10に示したコネクタ本体とコネクタ受け部材の縦断面図、
図12は
図11のC部の拡大図、
図13は
図11のD部の拡大図である。
【0029】
この一実施形態の基板コネクタ1は、
図1に示すように、回路基板10の片側の表面に所定の配列ピッチで配列された複数の接点パターン11に、外部機器からのケーブル(不図示)に接続された複数の端子金具30を導通接続するコネクタである。
【0030】
本実施形態の基板コネクタ1が接続される回路基板10は、多層の回路基板で、中間層に回路パターンや電子回路が形成されている。
【0031】
外部機器からのケーブルに接続される端子金具30は、金属板のプレス成形品で、
図2及び
図3に示すように、金具本体31と、接点部材32と、接点付勢ばね33と、を備えている。
【0032】
金具本体31は、
図2及び
図3に示すように、後端側から順に、ケーブルの被覆部に加締め付けられる被覆固定片31aと、ケーブルの導体に加締め付けられる導体圧着片31bと、導体圧着片31bの先端側に一体形成された角筒状の箱部31cと、を備えている。
【0033】
箱部31cは、
図5に示すように、先端側に接点抜け止め部31dが折り曲げ形成され、後端側にばね受け片31eが折り曲げ形成されている。また、箱部31cの一側壁には、
図5に示すように、位置決め片31fが切り起こし形成されている。
【0034】
接点抜け止め部31dは、角筒の開口を狭めるように、箱部31cの先端部の上下に折り曲げ形成されている。
【0035】
ばね受け片31eは、角筒の後端の開口を閉じるように、箱部31cの後端部に折り曲げ形成されている。
【0036】
箱部31cの位置決め片31fは、
図5に示すように、当該端子金具30を後述のコネクタ本体4の端子収容孔41に挿入装着した際に、端子収容孔41内の位置決め用段差41aに当接して、挿入方向への位置決めを果たす。
【0037】
接点部材32は、接点パターン11に当接させる丸棒状の接点部32aと、ばね受け用軸部32bと、接点部32aとばね受け用軸部32bとの間に張り出し形成された抜け止め用の鍔部32cと、を備えている。
【0038】
接点部材32は、
図5に示すように、箱部31cの内部に摺動可能に収容される。接点部材32は、鍔部32cを、箱部31cの内部側から接点抜け止め部31dに当接することで、箱部31cから抜け止めされる。
【0039】
接点付勢ばね33は、圧縮コイルばねで、
図5に示すように、箱部31c内に収容される。箱部31c内の接点付勢ばね33は、一端をばね受け片31eに当接すると共に、他端を鍔部32cに当接させることで、接点部材32を箱部31cの先端側に付勢する。
【0040】
接点部材32の接点部32aは、接点付勢ばね33によって、金具本体31の先端に突出する方向(接点パターン11を押圧する方向)に付勢される。接点部材32の接点部32aは、接点付勢ばね33の付勢力によって、
図2に示すように、箱部31cの先端から突出した状態に維持される。更に、接点部材32の接点部32aは、接点付勢ばね33の付勢力によって、接点パターン11を押圧する方向と逆側に変位可能に弾性支持される。
【0041】
本実施形態の基板コネクタ1は、
図1に示すように、コネクタ本体4と、基板支持台5と、コネクタ受け部材6と、を備える。
【0042】
コネクタ本体4は、
図1及び
図4に示すように、複数の端子収容孔41と、連結用軸部42と、係合部43と、を備えている。
【0043】
端子収容孔41は、端子金具30が挿入装着される孔で、後端から先端に向かって貫通形成されている。端子収容孔41は、接点パターン11の配列ピッチに対応した配列ピッチで、複数の端子金具30を収容保持する。それぞれの端子収容孔41には、
図5に示すように、端子金具30を位置決めする位置決め用段差41aと、抜け止め用ランス41bとが備えられている。
【0044】
位置決め用段差41aは、
図5に示すように、端子金具30の位置決め片31fとの当接により、端子金具30の先端側への移動を規制し、端子金具30の接点部32aが当該コネクタ本体4の本体先端面4aから所定長だけ突出した状態に位置決めする。
【0045】
抜け止め用ランス41bは、
図5に示すように、端子金具30の箱部31cの後端の段差に係合することで、端子金具30の抜け止めをする。
【0046】
前述の連結用軸部42と係合部43は、コネクタ本体4をコネクタ受け部材6に結合する手段である。
【0047】
連結用軸部42は、
図1及び
図4に示すように、コネクタ本体4の一側面側に装備されている。この連結用軸部42は、後述のコネクタ受け部材6の一側面側に装備された軸支持部63に回動自在に係合する軸である。コネクタ本体4は、連結用軸部42を軸支持部63に係合させることで、一側面側が回動自在にコネクタ受け部材6に結合される。
【0048】
係合部43は、
図4に示すように、コネクタ本体4の他側面側に装備された突起である。係合部43が装備されたコネクタ本体4の他側面は、連結用軸部42が装備されたコネクタ本体4の一側面と反対側の側面である。
【0049】
基板支持台5は、上面側を開放した箱型の筐体で、底壁部5aと、この底壁部5aの周囲に立設された周壁部5bと、を備えている。この基板支持台5は、回路基板10を収容する。この基板支持台5は、
図1に示すように、底部の4隅に、ばね支持穴51が装備されている。それぞれのばね支持穴51には、基板支持ばね52が配置される。本実施形態の場合、基板支持ばね52は、圧縮コイルばねである。基板支持ばね52は、基板支持台5に収容される回路基板10の底面を支える。基板支持ばね52は、回路基板10の表面に所定以上の押圧力が作用すると、その押圧方向に回路基板10が変位可能に回路基板10を弾性支持する。
【0050】
即ち、本実施形態の基板支持台5は、回路基板10の表面に所定以上の押圧力が作用すると、その押圧方向に回路基板10が変位可能に、基板支持ばね52を介して回路基板10を弾性支持する。
【0051】
コネクタ受け部材6は、基板支持台5の開放部を覆うように、基板支持台5に取り付けられる。このコネクタ受け部材6は、
図6及び
図7に示すように、基板支持台5の周壁部5bの上面に突き合わせられる支持台連結部61と、コネクタ本体4が嵌合可能な筒状部62と、支持台連結部61の一側面側に装備された軸支持部63と、支持台連結部61の他側面側に装備された本体係止部64と、を備える。軸支持部63が装備される支持台連結部61の一側面と、本体係止部64が装備されるコネクタ受け部材6の他側面は、互いに反対側の側面である。
【0052】
支持台連結部61は、例えば、接着剤による接着、或いは、熱融着による接着、或いは係止突起の係合による結合など、公知の連結技術により、突き合された周壁部5bに結合されて、基板支持台5に一体化される。
【0053】
筒状部62は、コネクタ本体4の先端外周が嵌合する角筒状に形成されている。
【0054】
軸支持部63は、コネクタ本体4の連結用軸部42を回動自在に支持する切り欠き溝である。
【0055】
図6に示すように、コネクタ本体4の連結用軸部42を軸支持部63に嵌め込むと、コネクタ本体4は一側面側がコネクタ受け部材6に回動可能に支持された状態になる。
【0056】
本体係止部64は、コネクタ本体4の他側面側に装備されている係合部43と係合することで、コネクタ本体4の他側面側を固定する凹部である。この本体係止部64は、コネクタ本体4の軸支持部63を支点とした回動操作(
図6に矢印Rで示す方向の回動動作)によりコネクタ本体4に収容保持された端子金具30の接点部32aが接点パターン11に押圧接触した時に、コネクタ本体4の係合部43と係合して、コネクタ本体4を固定する。
【0057】
コネクタ本体4の連結用軸部42をコネクタ受け部材6の軸支持部63に係合させても、
図6及び
図7に示すように、コネクタ本体4の他側面側が筒状部62に嵌入していない状態では、
図8に示すように、コネクタ本体4の一側面側に近い位置に保持された端子金具30の接点部材32は、回路基板10の接点パターン11に接触可能であるが、コネクタ本体4の他側面寄りに保持された端子金具30の接点部材32は、接点パターン11に接触していない。また、この状態では、接点部32aは接点パターン11に充分に押圧接触しておらず、
図9に示すように、回路基板10も接点部32aからの押圧方向に変位することはない。
【0058】
図6に示した状態から
図6の矢印Rで示す方向にコネクタ本体4を回動させて、
図10及び
図11に示すように、コネクタ本体4の他側面側の係合部43がコネクタ受け部材6の本体係止部64に係合した状態になると、コネクタ本体4のコネクタ受け部材6への結合が完了する。この状態では、コネクタ本体4に保持されている全ての端子金具30の接点部32aが、
図12に示すように、回路基板10の接点パターン11に押圧接触した状態となる。この状態では、接点部32aは、端子金具30内の接点付勢ばね33を圧縮変形させた状態で、接点付勢ばね33からの付勢力によって接点パターン11に押圧接触している。
【0059】
即ち、本実施形態におけるコネクタ受け部材6は、コネクタ本体4に収容保持された各端子金具30の接点部32aが回路基板10の接点パターン11に押圧状態となるように前記コネクタ本体4を係止する。
【0060】
そして、接点部32aが接点パターン11に押圧接触した状態となることで、端子金具30と接点パターン11との導通接続が完了する。
【0061】
また、複数の接点部32aが押圧接触した回路基板10は、端子金具30からの付勢力によって、
図13に矢印Xで示すように、基板支持ばね52の圧縮変形により押圧方向に変位する。回路基板10は、基板支持ばね52の圧縮変形により押圧方向に変位することで、過大な押圧荷重に起因する撓み変形の発生を防止することができる。
【0062】
以上に説明した一実施形態の基板コネクタ1では、外部機器からのケーブルに接続された端子金具30と、回路基板10上の接点パターン11との導通接続は、コネクタ本体4を回路基板10上のコネクタ受け部材6に結合して、コネクタ本体4に収容保持されている端子金具30の接点部32aを回路基板10の表面に突き合わせることによって実現する。そのため、外部機器からのケーブルを回路基板10の接点パターン11に導通接続する際に、回路基板10に対して手間のかかる半田付け作業が不要である。
【0063】
しかも、外部機器からのケーブルに接続された端子金具30と、回路基板10上の接点パターン11との導通接続は、互いの突き合わせによる接触によって行っており、接続時に衝突やこじりの発生原因となる端子金具相互の雌雄嵌合が存在しないため、接続時に衝突やこじりによる端子金具30の破損を招くおそれもない。
【0064】
従って、外部機器からのケーブルに接続された端子金具30を簡単に回路基板10上の接点パターン11に導通接続させることができる。
【0065】
また、以上に説明した一実施形態の基板コネクタ1では、端子金具30の接点部32aが押圧接触させられる回路基板10は、基板支持台5によって、端子金具30による押圧方向に変位可能に弾性支持されている。そのため、例えば組立誤差等で端子金具30の接点部32aの突出量にバラツキが生じていても、回路基板10の変位によって、接点パターン11に作用する押圧力を既定値以下に抑止することができ、端子金具30による過度の押圧によって回路基板10に撓みが生じることを防止することができ、回路基板10の撓みによって端子金具30と接点パターン11との導通接続が不安定になることを防止することができる。
【0066】
更に、以上に説明した一実施形態の基板コネクタ1では、端子金具30の接点部32aは、接点付勢ばね33により、接点パターン11を押圧する方向と逆側に変位可能に弾性支持されている。そのため、コネクタ本体4や端子金具30における寸法誤差や組立誤差の影響でコネクタ本体4に収容保持されている複数の端子金具30相互間に突出量のバラツキが発生している場合でも、それぞれの端子金具30における突出量のバラツキを、接点部32aの弾性変位により吸収して、いずれの端子金具30も同等に接点パターン11に押圧接触させることができる。
【0067】
即ち、複数の端子金具30の接点部32aを、いずれも、略同等の押圧接触力で接点パターン11に導通接続させることができ、接点パターン11と端子金具30との接続信頼性を向上させることができる。
【0068】
更に、以上に説明した一実施形態の基板コネクタ1では、コネクタ受け部材6へのコネクタ本体4の結合は、コネクタ本体4の一側面側の連結用軸部42をコネクタ受け部材6の軸支持部63に係止させた後、軸支持部63を回動支点としてコネクタ本体4を回動させて、コネクタ本体4の他側面側の係合部43を、コネクタ受け部材6の本体係止部64に係合させればよく、コネクタ本体4とコネクタ受け部材6との結合作業を容易にすることができる。
【0069】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0070】
例えば、回路基板の表面側に配置される引張りばねで、回路基板を弾性支持するようにしても良い。