特許第5961442号(P5961442)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961442
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】断熱構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/64 20060101AFI20160719BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   E04B1/64 E
   E04B1/76 400M
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-109935(P2012-109935)
(22)【出願日】2012年5月11日
(65)【公開番号】特開2013-237999(P2013-237999A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2014年8月4日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、環境省、地球温暖化対策技術開発事業「既存住宅における断熱性向上のための薄型断熱内装建材に関する技術開発」委託契約業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100143926
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 公敏
(74)【代理人】
【識別番号】100149504
【弁理士】
【氏名又は名称】沖本 周子
(72)【発明者】
【氏名】遠田 正和
(72)【発明者】
【氏名】田村 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】鍜治 良明
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−032127(JP,A)
【文献】 特開2001−132131(JP,A)
【文献】 特開平10−259639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B1/62−1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外空間と屋内空間とを区画する既存の壁体の屋内側の壁面に沿わせるように断熱パネルを設け、該断熱パネルの上下端部のそれぞれに該断熱パネルの幅方向に沿うように造作材を設け、前記断熱パネルの上下端部の両方または一方に、吸湿材を収容させた吸湿材収容部を設けた構造とされており、
前記吸湿材収容部は、前記造作材の屋外側となる裏面側に位置するように、かつ前記断熱パネルの屋外側となる裏面側に連通するように設けられていることを特徴とする断熱構造。
【請求項2】
屋外空間と屋内空間とを区画する既存の壁体の屋内側の壁面に沿わせるように断熱パネルを設け、該断熱パネルの上下端部のそれぞれに該断熱パネルの幅方向に沿うように造作材を設け、前記断熱パネルの上下端部の両方または一方に、吸湿材を収容させた吸湿材収容部を設けた構造とされており、
前記吸湿材は前記吸湿材収容部に対して着脱可能とされ、前記造作材に、前記吸湿材を前記吸湿材収容部に対して着脱可能とする開閉部を設けたことを特徴とする断熱構造。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記吸湿材を収容させた前記吸湿材収容部を、前記断熱パネルの上端部に設けたことを特徴とする断熱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の壁体の屋内側の壁面に沿わせるように配設される断熱パネルを用いた断熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住居等の建物の断熱性を向上させる方法としては、建物の屋外空間と屋内空間とを区画する壁体の外側に断熱部材を施工する外張断熱工法や、上記壁体の内部に断熱材を施工する充填断熱工法が知られているが、これらの断熱工法には大掛かりな工事が必要であった。
そこで、近時においては、断熱性を向上させるために、建物の屋外空間と屋内空間とを区画する既存の壁体の屋内側に断熱パネルを配設することが行われている。
また、このような断熱パネルの上下端部を見栄え良く納めるために、適宜廻り縁や幅木等の造作材を設けることも考えられる。例えば、下記特許文献1では、天井と壁との間の隅部に沿って設けられる回り縁内部の収納空間に吸湿剤を収納し、該回り縁の前壁部に通気孔を設けた構造とされた除湿構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−48311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような断熱パネルを既存の壁体の壁面に沿わせて設けた場合には、屋内側に設けられた断熱パネルが屋外側と屋内側との断熱境界となる。この断熱パネルの裏面側(屋外側)に、例えば、冬季等において、高温高湿の室内空気が流入すれば、結露が生じることが考えられる。
このような結露の発生を防止するためには、断熱パネルと既存の壁体との間に空隙が形成されないように、断熱パネルを全面に亘って既存の壁体の屋内側の壁面に密着させることが考えられる。しかしながら、既存の壁体の屋内側の壁面には不陸等がある場合があり、断熱パネルを全面に亘って既存の壁体の屋内側の壁面に密着させることは困難であることが考えられる。また、断熱パネルの上下端部と造作材とを全面に亘って密着させることも困難であり、これらの間にも僅かな隙間が生じることが考えられ、該隙間や上記空隙を介して高温高湿の室内空気が断熱パネルの裏面側に流入することが考えられる。
上記特許文献1に記載された除湿構造では、回り縁の前壁部の通気孔を介して回り縁廻りの空気の除湿を行うことは可能ではある。しかしながら、上記のように断熱パネルの上下端部と造作材との隙間を介して断熱パネルの裏面側に流入する水蒸気を効果的に吸湿する観点等からは更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、既存の壁体と、その屋内側に配設される断熱パネルとの間における結露の発生を抑制し得る断熱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る断熱構造は、屋外空間と屋内空間とを区画する既存の壁体の屋内側の壁面に沿わせるように断熱パネルを設け、該断熱パネルの上下端部のそれぞれに該断熱パネルの幅方向に沿うように造作材を設け、前記断熱パネルの上下端部の両方または一方に、吸湿材を収容させた吸湿材収容部を設けた構造とされており、前記吸湿材収容部は、前記造作材の屋外側となる裏面側に位置するように、かつ前記断熱パネルの屋外側となる裏面側に連通するように設けられていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る断熱構造は、屋外空間と屋内空間とを区画する既存の壁体の屋内側の壁面に沿わせるように断熱パネルを設け、該断熱パネルの上下端部のそれぞれに該断熱パネルの幅方向に沿うように造作材を設け、前記断熱パネルの上下端部の両方または一方に、吸湿材を収容させた吸湿材収容部を設けた構造とされており、前記吸湿材は前記吸湿材収容部に対して着脱可能とされ、前記造作材に、前記吸湿材を前記吸湿材収容部に対して着脱可能とする開閉部を設けたことを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記吸湿材を収容させた前記吸湿材収容部を、前記断熱パネルの上端部に設けてもよい
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る断熱構造によれば、既存の壁体と、その屋内側に配設される断熱パネルとの間における結露の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る断熱構造の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図である。
図2】(a)、(b)は、いずれも本発明の他の実施形態に係る断熱構造の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図である。
図3】(a)、(b)は、いずれも図2に対応させた同断熱構造を模式的に示す一部省略概略斜視図である。
図4】同断熱構造の一変形例を模式的に示す一部省略概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る断熱構造の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る断熱構造1は、屋外空間Aと屋内空間Bとを区画する既存の壁体2の屋内側の壁面2aに沿わせるように断熱パネル10を設けた構造とされている。
既存の壁体2としては、一般的な鉄筋コンクリート造や鉄骨造、木造軸組構造、木造枠組壁構造からなる壁体2としてもよい。
【0011】
断熱パネル10は、略矩形平板状とされており、本実施形態では、断熱パネル10の裏面10aを既存の壁体2の壁面2aに沿わせるように、既存の壁体2に対して配設した例を示している。
断熱パネル10は、複数枚を横並びに隣接させて、既存の壁体2の壁面2aを略覆うように、壁面2aの左右方向の略全域に亘って配設されている。また、これら複数枚の断熱パネル10は、互いに略同幅寸法とされている。なお、壁体2の壁面2aの左右寸法に応じて、例えば、複数枚の断熱パネル10のうちの一枚の幅寸法を他の断熱パネル10の幅寸法と異ならせたものとしてもよい。
【0012】
また、本実施形態では、これら断熱パネル10を、その上端部と天井3との間に隙間を設けるように、かつ、その下端面10cを床4に当接させるように、配設した例を示している。
なお、断熱パネル10は、釘等の固定止具や接着剤等により、既存の壁体2に対して固定するようにしてもよい。
また、断熱パネル10は、その裏面10aの全面を壁面2aに密着させることが好ましいが、壁体2の壁面2aに生じた不陸等により、断熱パネル10と壁体2の壁面2aとの間に空隙が生じることが考えられ、図1及び図2では、この空隙を誇張して図示している。
【0013】
また、断熱パネル10は、例えば、表裏の面材と、これらの各対向面の四周端部に沿うように設けられた枠材と、これら四周枠材内に充填、収容された断熱材と、を備えた構造とされたものとしてもよい。
なお、断熱パネル10の表裏の面材や枠材としては、木質系材料や、石膏ボード等の無機質系材料等から形成されたものとしてもよい。
また、断熱パネル10の断熱材としては、各種フォーム系(発泡系)断熱材や繊維系断熱材等を採用してもよく、または、例えば、グラスファイバー等の繊維で芯材を形成し、その芯材を金属フィルム等の包装材で外装して真空吸引することにより形成された真空断熱材を採用してもよい。
【0014】
また、本実施形態に係る断熱構造1は、断熱パネル10の上下端部の両方または一方に、吸湿材12を収容させた吸湿材収容部11を設けている。
本実施形態では、断熱パネル10の上端部に、吸湿材12を収容させた吸湿材収容部11を設けている。
また、本実施形態では、吸湿材収容部11を、断熱パネル10の上端面に、上方に向けて開口するように設けている。図例では、吸湿材収容部11を、断熱パネル10の上端面における断熱パネル10の厚さ方向の略中央部位に、断熱パネル10の幅方向(左右方向)に沿って設けた例を示している。
この吸湿材収容部11は、吸湿材12の収容が可能なように形成されている。
【0015】
吸湿材12は、例えば、粒状の吸湿剤を、透湿性を有した袋状や箱状の収容体に充填、収容させた構成とされたものとしてもよい。このような粒状の吸湿剤としては、例えば、シリカゲルやゼオライト等の無機系吸湿剤や、合成高分子系吸湿剤等の有機系吸湿剤等を採用するようにしてもよい。また、吸湿剤としては、乾燥等させることで、再吸湿可能とされたものとしてもよい。また、吸湿剤としては、水蒸気を吸放湿可能としたものとしてもよい。
また、吸湿材12は、上記のような粒状の吸湿剤を直接的に吸湿材収容部11に収容した構成とされたものとしてもよい。この場合は、その上方側を、透湿性を有したシート体等で覆うようにしてもよい。
なお、吸湿材12を収容させた吸湿材収容部11を、断熱パネル10の幅方向の略全域に亘って設けるようにしてもよい。この場合は、吸湿材12を、断熱パネル10毎に設けるようにしてもよく、または、複数枚の断熱パネル10に跨るように吸湿材12を設けた態様としてもよい。さらには、それぞれに吸湿材12を収容させた複数の吸湿材収容部11を、各断熱パネル10の幅方向に沿って互いに間隔を空けて設けるようにしてもよい。
【0016】
また、断熱構造1は、断熱パネル10の上下端部のそれぞれに、断熱パネル10の幅方向に沿うように造作材13,16を設けている。
上側の造作材13としての廻り縁13は、側面視略矩形状で比較的に長尺の略帯板状とされており、断熱パネル10と天井3との入隅部に沿うように、横並びに配設された複数枚の断熱パネル10の幅方向の略全域に亘って配設されている。
また、廻り縁13は、その裏面を断熱パネル10の前面10bに当接させるように、かつ、その上端面を天井3に当接させるように、配設されている。
【0017】
下側の造作材16としての幅木16は、側面視略矩形状で比較的に長尺の略帯板状とされており、断熱パネル10と床4との入隅部に沿うように、横並びに配設された複数枚の断熱パネル10の幅方向の略全域に亘って配設されている。
また、幅木16は、その裏面を断熱パネル10の前面10bに当接させるように、かつ、その下端面を床4に当接させるように、配設されている。
【0018】
なお、これら上下の造作材としての廻り縁13及び幅木16は、その長さ寸法が横並びに配設された複数枚の断熱パネル10の幅方向の略全域に亘る長さ寸法とされたものとしてもよい。または、複数枚の断熱パネル10の幅方向の略全域に亘る長さ寸法よりも短い寸法とされたものを複数本設けた構造としてもよい。さらには、各断熱パネル10の幅寸法と略同寸法の長さとされたものを、断熱パネル10毎に設けた構造としてもよい。
また、これら上下の造作材としての廻り縁13及び幅木16は、釘(フィニッシュネイル)やねじ等の固定止具によって、断熱パネル10や、天井3、床4等に対して固定するようにしてもよい。なお、これら上下の造作材としての廻り縁13及び幅木16の固定態様としては、このような固定止具による固定態様に代えて、または加えて、粘着テープ等の粘着材や接着剤等によって固定する態様としてもよい。
また、上下の造作材としての廻り縁13及び幅木16は、木質系材料や合成樹脂系材料等から形成されたものとしてもよい。
【0019】
上記構成とされた本実施形態に係る断熱構造1によれば、既存の壁体2と、その屋内側に配設される断熱パネル10との間における結露の発生を抑制することができる。
つまり、断熱パネル10の上下端部の両方または一方に、吸湿材12を収容させた吸湿材収容部11を設けている。
従って、断熱パネル10と上下の造作材13,16との間や、既存の壁体2の屋内側の壁面2aと断熱パネル10との間に隙間や空隙等が生じているような場合にも、これらを介して流入する水蒸気を断熱パネル10の上下端部の両方または一方に設けられた吸湿材12によって吸湿することができる。これにより、断熱パネル10の裏面10a側における結露の発生を抑制することができる。
また、断熱パネル10の上下端部に断熱パネル10の幅方向に沿うように造作材13,16を設けているので、吸湿材12や吸湿材収容部11が目立ち難くなり、見栄えを損なうことがない。
【0020】
また、本実施形態では、吸湿材12を収容させた吸湿材収容部11を、断熱パネル10の上端部に設けているので、上記のような隙間等を介して流入する水蒸気をより効果的に吸湿することができ、断熱パネル10の裏面10a側における結露の発生をより効果的に抑制することができる。
つまり、冬季等においては、屋内側では上向きの気流が生じ、断熱パネル10の裏面10a側では下向きの気流が生じるため、水蒸気が断熱パネル10の上端側から流入し易くなることが考えられる。本実施形態では、吸湿材12を収容させた吸湿材収容部11を、断熱パネル10の上端部に設けているので、流入元において水蒸気を吸湿することができ、効率的に吸湿することができる。
【0021】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図2及び図3は、第2実施形態に係る断熱構造の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る断熱構造1Aは、吸湿材収容部11A及び吸湿材12A、廻り縁13Aの構造が、上記第1実施形態に係る断熱構造1とは主に異なる。
吸湿材収容部11Aは、断熱パネル10Aの幅方向の略全域に亘って設けられており、本実施形態では、断熱パネル10Aの上方及び前方に向けて開口した形状とされている。また、吸湿材収容部11Aは、吸湿材12Aを着脱可能な構造とされている。(図2(b)及び図3(b)参照)。
【0022】
吸湿材12Aは、図2に示すように、吸湿材収容部11Aに対して、断熱パネル10Aの前方から着脱可能とされている。
なお、吸湿材12Aとしては、着脱時における取り扱い性等の観点から、上記したような保形性を有した箱状の収容体に粒状の吸湿剤を収容させた構成とされたものとしてもよい。
また、吸湿材12Aは、吸湿材収容部11Aに着脱可能に載置されるのみでもよく、または、これら吸湿材収容部11A及び吸湿材12Aに互いに係合する係合部を設け、吸湿材12Aが係合保持される構造としてもよい。また、吸湿材12A及び吸湿材収容部11Aのそれぞれに、接合及び剥離可能とされた面ファスナー等を設け、吸湿材12Aが意図せずに吸湿材収容部11Aから脱落等することを抑制するようにしてもよい。
【0023】
また、本実施形態では、廻り縁13Aに、吸湿材12Aを吸湿材収容部11Aに対して着脱可能とする開閉部14を設けている(図3も参照)。
廻り縁13Aは、壁体2に固定される本体部と、該本体部の下端側に設けられた開閉部14と、を備えている。
図例では、廻り縁13Aの本体部を、壁体2に固定された造作材下地5対して固定した例を示している。
造作材下地5は、その厚さ寸法が、断熱パネル10Aの厚さ寸法と略同寸法とされ、壁体2の壁面2aと廻り縁13Aの本体部との間のスペーサー、及び廻り縁13Aの本体部の固定下地として機能する。
なお、このような造作材下地5を設けた態様に代えて、廻り縁13Aの本体部自体に、壁体2の壁面2aにその裏面が当接されるスペーサー部を設けるようにしてもよい。
【0024】
開閉部14は、側面視略矩形状で比較的に長尺の略帯板状とされており、当該廻り縁13Aの長手方向の略全長に亘って設けられている。また、開閉部14は、本体部の下端縁に設けられた軸部15を回動支点として、本体部に回動自在に連結されており、前方側に開閉する構造とされている。本実施形態では、開閉部14は、軸部15の軸方向を、廻り縁13Aの長手方向に沿わせるように、かつ開閉部14の上端に沿わせるように設け、開閉部14の下端側が断熱パネル10Aの前面10Abに対して接離する構成とされている。
また、開閉部14は、図2(a)及び図3(a)に示すように、閉鎖状態で、その裏面が、吸湿材12A及び断熱パネル10Aの前面10Abに当接、または、近接するように配設され、少なくとも吸湿材12Aの前面側を覆う構造とされている。
また、開閉部14は、図2(b)及び図3(b)に示すように、開放状態で、吸湿材収容部11Aの前方開口を開放させ、吸湿材収容部11Aに対して吸湿材12Aの着脱が可能なように形成されている。
なお、図例では、廻り縁13Aの本体部と開閉部14とを軸部15を介して回動自在に連結した例を示しているが、蝶番等の連結部材によって開閉部14を本体部に対して回動自在に連結した態様としてもよい。また、このように本体部と開閉部14とを別体とした態様に代えて、当該廻り縁13Aを合成樹脂系材料から一体的に形成し、本体部と開閉部14との境界部位にヒンジ部となる折曲溝を設けた態様としてもよい。
【0025】
なお、開閉部14及び吸湿材12Aまたは断熱パネル10Aの前面10Abのそれぞれに、接合及び剥離可能とされた面ファスナー等を設けるようにしてもよい。
また、吸湿材12Aの交換時期を知らせるための表示部を、吸湿材12Aの前面側等に設けるようにしてもよい。このような表示部としては、例えば、吸湿により生じる色の変化により吸湿材12Aの交換時期を知らせる態様のものとしてもよい。
【0026】
上記構成とされた本実施形態に係る断熱構造1Aにおいても、上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、造作材(廻り縁)13Aに、吸湿材12Aを吸湿材収容部11Aに対して着脱可能とする開閉部14を設けている。従って、この開閉部14を開閉して吸湿材12Aを吸湿材収容部11Aから着脱することができ、吸湿材12Aの交換等を容易に行うことができる。また、上記したように、乾燥等させることで、再吸湿可能とされたものを吸湿材12Aの吸湿剤として採用した場合には、吸湿材12Aを容易に再利用することもできる。
【0027】
次に、本実施形態に係る断熱構造1Aの一変形例について、図4を参照しながら説明する。
なお、上記した各例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本変形例では、吸湿材12Bを収容させた吸湿材収容部11Bを断熱パネル10Bの幅方向の略全域に亘って設けずに、断熱パネル10Bの幅方向中央側部位にのみ設けている。
また、本変形例に係る断熱構造1Bは、廻り縁13Bに、各断熱パネル10Bに設けられた吸湿材収容部11Bに応じた位置となるように長手方向に間隔を空けて複数の開閉部14Aを設けた構造とされている。また、廻り縁13Bは、これら複数の開閉部14A間に、本体部から延びるように、断熱パネル10Bの前面10Bbに当接される当接部を設けた構造とされている。
【0028】
本変形例に係る断熱構造1Bによれば、廻り縁13Bに、長手方向に沿って間隔を空けて複数の開閉部14A,14Aを設け、開閉部14A間に当接部を設けている。従って、例えば、上記した例のように、廻り縁13Aの長手方向の略全長に亘って開閉部14を設けた場合と比べて、廻り縁13Bと断熱パネル10Bとの密着性をより向上させることができる。つまり、廻り縁13Bの当接部を断熱パネル10Bの上端部の前面10Bbに当接させることができるので、これらの密着性を向上させることができる。また、この廻り縁13Bの当接部を固定止具や接着剤等によって断熱パネル10Bの前面10Bbに固定することもでき、廻り縁13Bをより安定的に固定することができる。
【0029】
なお、上記した各例に係る断熱構造1A,1Bでは、吸湿材12A,12Bを、吸湿材収容部11A,11Bに対して前方側から着脱可能とした例を示しているが、この態様に限定されない。例えば、前方側に開閉可能とされた開閉部14,14Aを、廻り縁13A,13Bの上端側に設けて、吸湿材12A,12Bを吸湿材収容部11A,11Bに対して上方側から着脱可能とした態様としてもよい。
また、上記した各例に係る断熱構造1A,1Bでは、廻り縁13A,13Bの開閉部14,14Aを、廻り縁13A,13Bの長手方向に軸方向を沿わせた回動支点(軸部15)廻りに回動自在とした例を示しているが、この態様に限定されない。例えば、廻り縁13A,13Bの開閉部14,14Aを、廻り縁13A,13Bの幅方向に軸方向を沿わせた回動支点(軸部15)廻りに回動自在としてもよい。また、廻り縁13A,13Bの開閉部14,14Aとしては、上記した各例のような回動自在とされた開き扉状のものに限られない。例えば、引戸状とされた開閉部14,14Aとしてもよく、または、廻り縁13A,13Bの本体部に対して着脱自在とされた蓋状の開閉部14,14Aとしてもよい。
さらには、廻り縁13A,13Bに、吸湿材12A,12Bを吸湿材収容部11A,11Bに対して着脱可能とする開閉部14,14Aを設けずに、廻り縁13A,13B自体を固定対象に対して着脱自在とした態様としてもよい。このようなものでも、廻り縁13A,13Bを脱離させることで、吸湿材12A,12Bの交換等が可能となる。
【0030】
また、上記各実施形態では、断熱パネル10,10A,10Bの上端部のみに吸湿材12,12A,12Bを収容させた吸湿材収容部11,11A,11Bを設けた例を示しているが、この態様に限定されない。吸湿材12,12A,12Bを収容させた吸湿材収容部11,11A,11Bを、断熱パネル10,10A,10Bの上下端部の両方、または下端部のみに設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1,1A,1B 断熱構造
10,10A,10B 断熱パネル
11,11A,11B 吸湿材収容部
12,12A,12B 吸湿材
13,13A,13B 廻り縁(上側の造作材)
16 幅木(下側の造作材)
14,14A 開閉部
2 壁体
2a 屋内側の壁面
A 屋外空間
B 屋内空間
図1
図2
図3
図4