特許第5961456号(P5961456)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961456
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】歯磨剤用顆粒の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/27 20060101AFI20160719BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20160719BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20160719BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20160719BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   A61K8/27
   A61K8/25
   A61K8/19
   A61K8/02
   A61Q11/00
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-139223(P2012-139223)
(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公開番号】特開2014-1187(P2014-1187A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
(74)【代理人】
【識別番号】100089185
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 誠
(72)【発明者】
【氏名】松元 樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 秀徳
(72)【発明者】
【氏名】小野田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 宏樹
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−099701(JP,A)
【文献】 特開2012−131736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/27
A61K 8/02
A61K 8/19
A61K 8/25
A61Q 11/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水不溶性粉末材料、亜鉛化合物、及び珪酸塩を含有してなる顆粒であって、水不溶性粉末材料が、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、及びシリカから選ばれる1種又は2種以上であり、珪酸塩が珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムから選ばれる1種又は2種であり、該顆粒中、水不溶性粉末材料の含有量が50〜96質量%、亜鉛の含有量が0.5〜7質量%、珪酸塩の含有量が3〜40質量%であり、平均湿式崩壊強度が31〜90%である、歯磨剤用顆粒。
【請求項2】
水不溶性粉末材料の含有量が60〜96質量%、珪酸塩の含有量が3〜30質量%である、請求項1に記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項3】
珪酸塩に対する亜鉛の質量比(亜鉛/珪酸塩)が0.02〜2である、請求項1又は2に記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項4】
水不溶性粉末材料が、軽質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウムから選ばれる1種又は2種である、請求項1〜3のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項5】
水不溶性粉末材料に対する珪酸塩の質量比(珪酸塩/水不溶性粉末材料)が、0.03〜1.0である、請求項1〜のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項6】
亜鉛が酸化亜鉛である、請求項1〜のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項7】
水不溶性粉末材料の含有量が60〜94質量%である、請求項1〜のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項8】
355μm以上の顆粒の質量頻度が5〜20質量%、90μm以下の顆粒の質量頻度が3〜25質量%である、請求項1〜のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒。
【請求項9】
請求項1〜のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒を含有する、歯磨剤。
【請求項10】
下記工程(1)及び(2)を有する、請求項1〜のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
工程(1):水不溶性粉末材料と亜鉛化合物とを含む混合物に、珪酸塩の水溶液を添加して顆粒化する工程であって、水不溶性粉末材料と珪酸塩の水溶液と亜鉛化合物とを容器回転型造粒機を用いて混合し顆粒化する工程
工程(2):工程(1)で得られた顆粒を乾燥する工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯磨剤用顆粒、それを含有する歯磨剤、及び歯磨剤用顆粒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、虫歯や歯周病の原因となる歯垢を効率よく除去し、触知できるような顆粒を配合した歯磨剤が知られている。これらの顆粒は、歯の表面のエナメル質や歯肉等に傷を与えないようするために、実質的に球状凝集粒子とされ、薬剤、酵素剤、研磨剤等の機能性材料を含有させたものや、その視覚的効果を狙ったものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、水不溶性粉末材料を水不溶性無機結合剤で結着させ、噴霧乾燥法により、一定の大きさと強度とした顆粒を含有する歯磨剤が開示されている。
特許文献2には、平均粒径が150〜800μmで平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトと、改質ミント油等とを含有する歯磨組成物が開示されており、顆粒ゼオライトとして、無水ケイ酸、酸化チタンを含有し、焼結により顆粒状に調製されたものが開示されている。
特許文献3には、有機及び/又は無機の結合剤を実質的に含まず、互いに化学的及び/又は物理的に異なる2種類の水不溶性微粒子材料の凝集体を乾燥した顆粒からなる練歯磨等の経口組成物が開示されている。
一方、亜鉛化合物は歯垢形成抑制効果を有することが知られているが、その効果を高めるため配合量を多くすると、亜鉛による渋みや金属味で歯磨剤の香味が損なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−299211号公報
【特許文献2】特開2008−266251号公報
【特許文献3】特表平10−506885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、顆粒の結合剤としては、各種の水溶性結合剤や水不溶性結合剤が使われてきた。しかし、水溶性結合剤を用いて調製された顆粒は、乾燥状態で使用する場合には支障がないが、水分が多量に存在する歯磨剤では強度が低下し、歯磨剤製造時の混合過程で顆粒が崩壊したり、顆粒が軟化するため、口腔内では触知しづらく、顆粒の存在感が十分ではなかった。
一方、特許文献1のように、水不溶性無機結合剤を用いて調製された顆粒は、比較的容易に粒子強度を高めることができるが、水不溶性無機結合剤は高価である。
特許文献2のように、焼結法により顆粒ゼオライトを製造する場合は、顆粒の崩壊強度の調整が困難である。
特許文献3には、結合剤を実質的に含まず、水で凝集した凝集物をオーブン又はロータリーキルンで乾燥することによる顆粒の製造例が記載されているが、好適な崩壊強度を発現させるための乾燥操作(処理温度及び/又は処理時間)の負荷が大きく、処方の自由度や、コスト、生産性の点で満足できるものではなかった。
本発明は、良好な湿式崩壊強度を有することで、歯磨剤中での形態、強度を保持しつつ、歯垢を効果的に除去し、更には、歯垢形成を抑制する効果を併せ持つ、使用感に優れた歯磨剤用顆粒、それを含有する歯磨剤、及び歯磨剤用顆粒の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、水不溶性粉末材料と珪酸塩ナトリウム又はカリウムと亜鉛化合物とを含有する歯磨剤用顆粒が、良好な湿式崩壊強度を有することで、歯磨剤中での形態、強度を保持しつつ、使用感に優れ、歯垢を効果的に除去し、更には、歯垢形成を抑制する効果を併せ持つことを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕に関する。
〔1〕水不溶性粉末材料、亜鉛化合物、及び珪酸塩を含有してなる顆粒であって、珪酸塩が珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムから選ばれる1種又は2種であり、該顆粒中、亜鉛の含有量が0.5〜7質量%、珪酸塩の含有量が3〜60質量%であり、平均湿式崩壊強度が31〜90%である、歯磨剤用顆粒。
〔2〕前記〔1〕の歯磨剤用顆粒を含有する、歯磨剤。
〔3〕下記工程(1)及び(2)を有する、前記〔1〕の歯磨剤用顆粒の製造方法。
工程(1):水不溶性粉末材料と亜鉛化合物とを含む混合物に、珪酸塩の水溶液を添加して顆粒化する工程
工程(2):工程(1)で得られた顆粒を乾燥する工程
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、良好な湿式崩壊強度を有することで、歯垢を効果的に除去し、更には、歯垢形成を抑制する効果を併せ持つ使用感に優れた歯磨剤用顆粒、それを含有する歯磨剤、及び歯磨剤用顆粒の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[歯磨剤用顆粒]
本発明の歯磨剤用顆粒は、水不溶性粉末材料、亜鉛化合物、及び珪酸塩を含有してなる顆粒であって、該顆粒中、亜鉛の含有量が0.5〜7質量%、珪酸塩の含有量が3〜60質量%であり、珪酸塩が珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムから選ばれる1種又は2種であり、平均湿式崩壊強度が31〜90%であることを特徴とする。
【0009】
本発明の歯磨剤用顆粒は、優れた湿式崩壊強度を有し、水中でも形態強度を保持できるため、顆粒の使用感、歯垢除去効果に優れている。本発明の歯磨剤用顆粒が湿式崩壊強度に優れるのは、結合剤として用いる珪酸塩のネットワーク構造が、亜鉛化合物により強化されたためと考えられる。
以下、本発明の歯磨剤用顆粒に用いられる各成分、歯磨剤用顆粒の製造方法、及び該顆粒を含有する歯磨剤について順次説明する。
【0010】
[水不溶性粉末材料]
本発明に用いられる水不溶性粉末材料としては、歯の研磨剤に通常用いられるものを用いることができ、具体的には無機材料が好ましい。ここで、「水不溶性」とは、水100gに対する溶解量(20℃)が1g以下であることを意味する。
水不溶性粉末材料の具体例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び酸化チタン等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
水不溶性粉末材料の平均粒子径は、顆粒崩壊後の歯の汚れ除去力及び異物感を感じさせないという観点から、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜20μm、特に好ましくは5〜15μmである。
これらの中でも、顆粒化した際の物性やコストの観点から、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、及びシリカから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
また、炭酸カルシウムは、軽質炭酸カルシウムでも重質炭酸カルシウムでもよい。軽質の炭酸カルシウムは、純度、均質性の観点から好ましい。重質の炭酸カルシウムはコストの観点から好ましい。また、これら双方を混合して用いることもできる。
水不溶性粉末としてシリカを用いる場合、顆粒崩壊後の歯の汚れ除去力及び異物感を感じさせないという観点から、その平均粒子粒径は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜20μm、特に好ましくは5〜15μmである。
【0012】
水不溶性粉末としてゼオライトを用いる場合、天然のものは夾雑物を含み均質性に欠けるので、合成のもの、すなわち合成ゼオライトが好ましく、中でもA型ゼオライトが好ましい。
ゼオライトの粒子の平均粒子径は0.1〜20μm程度のものが通常用いられるが、10μm以下の低研摩性の粒子を造粒しても歯の表面に強く吸着した着色ペリクルを除くに十分な研摩力を生じさせて、歯を白くし、顆粒の崩壊後は、研摩力が減少し、長時間の歯磨き操作でも歯を傷つけない(低為害性)という特長を付与することができる。
ゼオライトの平均粒径が小さければイオン交換能が高まり、歯垢除去効果、歯石予防効果がさらに高まるという利点がある。この場合、一次粒径が小さい程イオン交換能が高くなり、歯垢除去効果は上がるが、研摩効果との兼ね合いから、用いるゼオライトの平均粒径は0.5〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好ましく、3〜7μmが更に好ましい。
【0013】
水不溶性粉末材料の平均粒子径は、顆粒崩壊後の歯の汚れ除去の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは0.8μm以上であり、異物感を減らす観点から、その上限は、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。水不溶性粉末材料の平均粒子径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは0.8〜5μmである。
平均粒子径は、実施例記載の方法により測定することができる。
【0014】
[亜鉛化合物]
本発明では、歯垢形成抑制効果を付与する観点、及び珪酸塩のネットワーク構造を強化して湿式崩壊強度を高める観点から、亜鉛化合物が用いられる。亜鉛化合物としては、特に制限はなく、無機又は有機の亜鉛化合物を用いることができる。
無機の亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、水酸化亜鉛、亜リン酸亜鉛、リン酸亜鉛、二リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、硫化亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、ハロゲン化亜鉛等が挙げられる。これらの中では、湿式崩壊強度の向上や入手の容易性の観点から、酸化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等が好ましく、酸化亜鉛がより好ましい。
有機の亜鉛化合物としては、炭酸亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等が挙げられ、乳酸亜鉛、クエン酸亜鉛、炭酸亜鉛がより好ましい。
亜鉛化合物の水への溶解度は、好ましくは2mg/100mL(15℃)以下である。また、歯垢形成抑制効果の観点から、粉末状又は微粒子状の形態を有する亜鉛化合物を用いることが好ましい。これらの観点から、無機の亜鉛化合物が好ましく、酸化亜鉛がより好ましい。
【0015】
[珪酸塩]
本発明において、珪酸塩は、顆粒に優れた湿式崩壊強度を付与するために用いられる。この珪酸塩は、本発明方法における工程(2)のように、必要に応じて顆粒を適宜乾燥することで、顆粒の湿式崩壊強度を高める機能も有する。珪酸塩の種類と、その量を調整することにより、顆粒の湿式崩壊強度を適宜調整することができる。
珪酸塩は、珪酸ナトリム及び珪酸カリウムから選ばれる1種又は2種であり、珪酸ナトリウムが好ましい。
珪酸ナトリウムとしては、メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3)、オルト珪酸ナトリウム(Na4SiO4)、二珪酸ナトリウム(Na2Si25)、四珪酸ナトリウム(Na2Si49)及びそれらの水和物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
珪酸ナトリウムは、一般にNa2O・nSiO2・mH2Oの分子式で表される。係数n(Na2Oに対するSiO2の分子比)はモル比と呼ばれ、下記式(1)で表すことができる。
モル比=質量比(SiO2質量%/Na2O質量%)×(Na2Oの分子量/SiO2の分子量) (1)
珪酸ナトリウムとしては、通常、JIS K1408に記載の珪酸ソーダ1号、2号、3号の他、種々のモル比の水ガラスを使用することができる。
珪酸ナトリウムの物性は前記モル比によって異なるが、医薬部外品原料規格への適合性、及び得られる顆粒のpHの観点から、前記モル比は、好ましくは2.0〜4.0、より好ましくは2.4〜3.5、更に好ましくは3.0〜3.3である。
【0016】
[他の配合成分]
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内で、必要に応じて、本発明で用いられる水不溶性粉末材料(研磨剤)及び珪酸塩(結合剤)以外に水不溶性無機結合剤、水不溶性有機結合剤、有機繊維、薬用成分、着色剤等を配合することができる。
本発明方法で用いることができる水不溶性無機結合剤としては、水酸基を有する、ケイ素系化合物、アルミニウム系化合物、カルシウム系化合物、マグネシウム系化合物等を用いることができる。具体的には、コロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、アルミナゾル、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる油脂としては、ワックス、パラフィン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる高分子や樹脂としては、(i)キサンタンガム、デキストリン、ゼラチン等の多糖類、及びそれらの誘導体、(ii)ゴム系ラテックス等、(iii)アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ヒドロキシメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、マレイン酸エステル、メチルビニルエーテル、α−オレフィン等の単独重合体、及びそれらの共重合体等が挙げられる。
また、有機繊維としては、例えばセルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン等が挙げられ、これらの中では、顆粒の歯垢除去性の点からセルロースが特に好ましい。
【0017】
薬用成分としては、虫歯予防剤、抗微生物剤、酵素、抗炎症剤等が挙げられ、具体的には、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化錫、モノフルオロリン酸ナトリウム、ビタミンE、ビタミンC、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、塩化ナトリウム等の抗炎症剤;乳酸アルミニウム、アズレン、グリチルレチン酸、β−グリチルレチン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、酢酸dl−トコフェロール、硝酸カリウム等の知覚過敏予防剤;トリポリリン酸ナトリウム、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;ジヒドコレステロール、クロルヘキシジン、エピジヒドコレステロール、イソプロピルメチルフェノール、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、ヒノキチオール、アラントイン、トラネキサム酸、プロポリス、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、トリクロサン等の殺菌剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤等が挙げられる。
【0018】
着色剤としては、酸化チタン、群青等が挙げられ、これらの着色剤を添加することにより審美的効果を付加することができる。
上記の他の配合成分は、単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
【0019】
[歯磨剤用顆粒の製造方法]
本発明の歯磨剤用顆粒の製造方法に特に制限はないが、下記工程(1)及び(2)を有する方法によれば、優れた湿式崩壊強度を有する歯磨剤用顆粒を効率的に製造するころができる。
工程(1):水不溶性粉末材料と亜鉛化合物とを含む混合物に、珪酸塩の水溶液を添加して顆粒化する工程
工程(2):工程(1)で得られた顆粒を乾燥する工程
【0020】
<工程(1)>
工程(1)は、水不溶性粉末材料と亜鉛化合物、及び必要に応じてその他の材料を、珪酸塩の水溶液を結合剤として添加し造粒して顆粒化する工程である。
顆粒化の方法としては、一般に用いられている造粒法、例えば、転動造粒、攪拌造粒、流動層造粒等の方法が挙げられる。これらの中でも、攪拌翼を有さない容器回転型造粒機を用いることが、歯磨剤中での形態、強度を保持しつつ、良好な崩壊性(即ち、良好な湿式崩壊強度)を有することで歯垢を効果的に除去し同時に、亜鉛化合物を顆粒内部に閉じ込めることができ、にがみや金属味を抑制することができるため好ましい。
工程(1)において用いる珪酸塩水溶液中の固形分は、結合剤として水不溶性粉末材料を顆粒化させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、ハンドリング性及び液滴として噴霧し、粗大粒子を抑制する観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
なお、珪酸塩水溶液中の固形分は、実施例記載の方法により求めることができる。
【0021】
容器回転型造粒機を用いる方法では、通常の噴霧乾燥方法と比較して、亜鉛化合物のにがみを抑制できるが、これは、噴霧乾燥方法等では、乾燥工程で、亜鉛化合物が顆粒表面近傍に移動しやすのに対して、容器回転型造粒機を用いた場合では、亜鉛化合物を顆粒内部に閉じ込め易くなるためと考えられる。
更に、容器回転型造粒機を用いる造粒においては、粉体を均一に流動せしめることが可能であり、更に、回転による粒子の持ち上げ及び自重による滑り・落下を伴う混合機構のため、粉体に加えられるせん断力が抑制される。すなわち、容器回転型造粒機を用いる造粒法は非圧密な造粒法であるため、顆粒内部に存在する珪酸塩の水溶液が乾燥し易く、それにより得られる脱水物が、顆粒内部で強固になり、上記の効果を得ることができると考えられる。
従って、工程(1)は、容器回転型造粒機を用いて、水不溶性粉末材料と亜鉛化合物とを含む混合物に、珪酸塩水溶液を添加して顆粒化する工程が好ましく、該珪酸塩水溶液を、ノズルを用いて液滴として供給して顆粒化する工程であることがより好ましい。
なお、工程(1)を行うに先立って、予め水不溶性粉末のみを造粒機に仕込み、混合するのが好ましい。この工程を行うことにより水不溶性粉末はより均一に分散混合され、バッチの違いによらず安定した性能の歯磨剤用顆粒を得ることができる。混合は、0.5〜10分間行うのが好ましく、1〜5分間行うのがより好ましい。
【0022】
(容器回転型造粒機)
容器回転型造粒機としては、ドラム型造粒機及びパン型造粒機が好ましい。ドラム型造粒機としては、ドラム状の円筒が回転して処理を行うものであれば特に限定されない。水平又はわずかに傾斜させたドラム型造粒機の他に円錐ドラム型造粒機、多段円錐ドラム造粒機等も使用可能である。これらの装置は、バッチ式、連続式いずれの方式でもよい。
なお、水不溶性粉末材料を含む粉体と容器回転型造粒機の内壁との間の壁面摩擦係数が小さく、粉体に十分な上昇運動力を加えることが困難な場合は、容器内壁に混合を補助するための複数個の邪魔板(バッフル)を設けることが好ましい。邪魔板を設けることにより、粉体に上昇運動を付与することが可能となり、粉末混合性及び固液混合性が向上する。
【0023】
容器回転型造粒機の運転条件としては、造粒機内の水不溶性粉末材料をできるだけ均一に流動させ、撹拌できる条件であれば特に制限されない。優れた湿式崩壊強度等を有する顆粒を得る観点から、下記式(2)で定義されるフルード数を0.005以上とすることが好ましく、0.01以上とすることがより好ましく、非圧密の顆粒を得る観点から、その上限は、1.0以下とすることが好ましく、0.6以下とすることがより好ましい。
フルード数:Fr=V2/(R×g) (2)
V:周速[m/s]
R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s2
なお、本体胴部の回転によって顆粒化が進行するドラム型造粒機又はパン型造粒機においては、V及びRは本体胴部の値を用い、主翼や解砕翼を備えた横型又は竪型造粒機においては、V及びRは主軸の値を用い、解砕翼を備えたパン型造粒機においては、V及びRは解砕翼の値を用いることとする。
【0024】
(多流体ノズル)
本発明においては、粗大粒子の形成を抑制する観点から、珪酸塩水溶液を多流体ノズルを用いて供給することが好ましい。多流体ノズルを用いることにより、その液滴を微細化して分散させることができる。
多流体ノズルとは、液体と微粒化用気体(エアー、窒素等)を独立の流路を通してノズル先端部近傍まで流通させて混合・微粒化するノズルであり、二流体ノズル、三流体ノズル、四流体ノズル等を挙げることができる。また、珪酸塩水溶液と微粒化用気体の混合部は、ノズル先端部内で混合する内部混合型、又はノズル先端部外で混合する外部混合型のいずれであってもよい。
【0025】
このような多流体ノズルとしては、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製、株式会社共立合金製作所製、株式会社いけうち製等の内部混合型二流体ノズル、スプレーイングシステムスジャパン株式会社製、株式会社共立合金製作所製、株式会社アトマックス製等の外部混合型二流体ノズル、藤崎電機株式会社製の外部混合型四流体ノズル等が挙げられる。
【0026】
また、珪酸塩の水溶液の液滴径は、珪酸塩の水溶液の流量と微粒化用気体の流量のバランスを調整することにより、所望の範囲に調整することができる。すなわち、液滴径を小さくする場合は、一定流量の珪酸塩水溶液に対して、微粒化用気体の流量を増加させればよく、また、一定流量の微粒化気体に対して、珪酸塩水溶液の流量を低下させればよい。
例えば、二流体ノズルを用いる場合、微粒化用気体の流量の調整は、微粒化用気体の噴霧圧の調整により行うのが容易である。微粒化用気体噴霧圧としては、液分散の観点から0.1MPa以上が好ましく、設備負荷の観点から1.0MPa以下が好ましい。また、珪酸ナトリウムの噴霧圧としては特に制限はないが、設備負荷の観点から、例えば1.0MPa以下が好ましい。
【0027】
珪酸塩水溶液の液滴径の違いが、得られる顆粒の収率や粗粒率に与える影響を検討した結果、湿式崩壊強度と歯磨剤用顆粒として好適な粒度の顆粒をバランスよく得る観点から、珪酸塩水溶液の液滴径の平均粒径は、好ましくは210μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下であり、生産性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上である。
滴径を小さくするほど珪酸塩水溶液の流量が低下し生産性が低下するが、例えば多流体ノズルを複数個使用しノズル一本当たりの流量を低下させることで、液滴の微細化を維持しつつ添加速度を上げることができる。多流体ノズルは1本以上であればよいが、2〜20本用いることもできる。
なお、当該珪酸塩水溶液の液滴径の平均粒径は体積基準で算出されるものであり、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定される値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
【0028】
水溶性珪酸塩の水溶液を多流体ノズルを用いて供給する際の該水溶液の温度は、噴霧の安定性の観点から、5〜50℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。
本発明の工程(1)において、水不溶性粉末材料を顆粒化する観点から、水不溶性粉末材料に対する珪酸塩水溶液中の固形分の質量比(珪酸塩水溶液中の固形分/水不溶性粉末材料)は、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.04以上、更に好ましくは0.05以上であり、粗大粒子を減らして、収率を高める観点から、該質量比は、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.2以下である。該質量比は、好ましくは0.03〜1.0、より好ましくは0.04〜0.5であり、更に好ましくは0.05〜0.2である。
【0029】
本発明の工程(1)において、珪酸塩水溶液に対する亜鉛の質量比(亜鉛/珪酸塩水溶液中の固形分)は、湿式崩壊強度を高めて、歯垢形成抑制効果を高める観点から、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上であり、亜鉛による渋味や金属味を抑制する観点から、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.8以下である。
珪酸塩の水溶液の添加速度は、粗大粒子の形成を抑制し、適度な崩壊強度、優れた湿式崩壊強度を付与する観点から、当該水不溶性粉体材料100質量部に対して好ましくは35質量部/分以下、より好ましくは20質量部/分以下、更に好ましくは10質量部/分以下であり、その下限は好ましくは1質量部/分以上、より好ましくは1.5質量部/分以上、更に好ましくは2質量部/分以上である。上記の範囲は、JIS K1408に記載の珪酸ソーダ1号、2号又は3号を用いる場合に好適である。
また、珪酸塩(固形分)の添加速度は、上記と同様の観点から、当該水不溶性粉体材料100質量部に対して好ましくは19質量部/分以下、より好ましくは11質量部/分以下、更に好ましくは5.5質量部/分以下であり、その下限は好ましくは0.6質量部/分以上、より好ましくは0.8質量部/分以上、更に好ましくは1.1質量部/分以上である。
【0030】
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で得られた顆粒を、乾燥する工程である。驚くべきことに、珪酸塩の水溶液を用いていながら、乾燥操作を行うことにより、顆粒の湿式崩壊強度の向上も確認され歯磨製剤中での安定性を向上させ得ることを見出した。詳細な理由は定かではないが、乾燥に伴い珪酸塩の脱水縮合が進行し珪酸塩のネットワーク構造が発達して湿式崩壊強度が向上したと考えられる。
【0031】
乾燥法については、棚乾燥、流動層乾燥、減圧乾燥、マイクロ波乾燥等が挙げられる。中でも、設備的な観点から、棚乾燥、流動層乾燥が好ましい。
乾燥中の顆粒の崩壊を抑制する観点から、強いせん断力をできるだけ与えない乾燥方式が好ましい。例えば、バッチ式では、電気式棚乾燥機や熱風乾燥機で乾燥させる方法、バッチ式流動層で乾燥させる方法等が挙げられ、連続式では、流動層やロータリー乾燥機、スチームチューブドライヤー等が挙げられる。
乾燥温度は、乾燥速度を考慮して適宜決定することができるが、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。また、熱負荷の観点から、その上限は、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましく、90℃以下が最も好ましい。
乾燥に用いる熱媒の温度は、顆粒の温度を制御する観点から、顆粒の最高温度より20℃以上高くない温度が好ましく、15℃以上高くない温度がより好ましい。また、乾燥速度の観点から、顆粒の最高温度より5℃以上高い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましい。
乾燥時間は、製造に用いた珪酸塩水溶液の有効分や量、乾燥機の種類や乾燥温度により異なるが、湿式崩壊強度が本発明の好ましい範囲となるように適宜調整を行う。乾燥時間は、好ましくは10分〜24時間程度、より好ましくは20分〜20時間程度、更に好ましくは30分〜12時間程度である。電気式棚乾燥の場合は、好ましくは10分〜24時間程度、より好ましくは30分〜12時間程度であり、流動層乾燥の場合は、好ましくは10分〜5時間程度、より好ましくは20分〜2時間程度である。
【0032】
得られる顆粒中の水分量は、湿式崩壊強度を高める観点から、好ましくは4質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、生産性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。顆粒中の水分量は、実施例記載の方法により求めることができる。湿式崩壊強度は、水不溶性粉末材料の種類に依存するが、同じ種類では、水分量が少ない方が、湿式崩壊強度は高くなる。
【0033】
[歯磨剤用顆粒]
本発明の歯磨剤用顆粒は、前記の方法により好適に得ることができ、水不溶性粉末材料、珪酸塩、及び亜鉛化合物の含有量は以下のとおりである。
本発明の歯磨剤用顆粒中、水不溶性粉末材料の含有量は、清掃力を高める観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上であり、顆粒組成の自由度の観点から、その上限は、好ましくは96質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは94質量%以下である。歯磨剤用顆粒中、水不溶性粉末材料の含有量は、好ましくは40〜96質量%、より好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは60〜94質量%である。本発明において、歯磨剤用顆粒中の各成分の含有量や質量比は、顆粒製造時の配合量から求めた計算値を用いることができる。また、珪酸塩量は、実施例記載の方法により求めた固形分量である。
【0034】
本発明の歯磨剤用顆粒中、珪酸塩の含有量は、崩壊強度等を高める観点から、3質量%以上であり、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、造粒機内の付着を抑制し、粗粒率を低下させ、収率を向上させる観点から、その上限は、60質量%以下であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。歯磨剤用顆粒中、珪酸塩の含有量は、3〜60質量%であり、好ましくは4〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは5〜30質量%、より更に好ましくは5〜20質量%である。
【0035】
本発明の歯磨剤用顆粒中、水不溶性粉末材料を顆粒化する観点から、水不溶性粉末材料に対する珪酸塩の質量比(珪酸塩/水不溶性粉末材料)は、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.04以上、更に好ましくは0.05以上であり、粗大粒子を減らして、収率を高める観点から、該質量比は、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.2以下である。該質量比は、好ましくは0.03〜1.0、より好ましくは0.04〜0.5であり、更に好ましくは0.05〜0.2である。
【0036】
通常、顆粒の崩壊強度、歯磨剤中での安定性を高めるためには乾燥等の熱処理を多く行う必要があるが、驚くべきことに亜鉛化合物を配合することにより顆粒の湿式崩壊強度を向上させることができる。
歯磨剤用顆粒中の亜鉛化合物の含有量は、歯垢形成抑制効果の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上である。また、亜鉛による渋味や金属味を抑制する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
歯磨剤用顆粒中の亜鉛の含有量は、歯垢形成抑制効果の観点から、0.5質量%以上であり、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上である。また、亜鉛による渋味や金属味の観点から、亜鉛の含有量は7質量%以下であり、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。また、歯磨剤用顆粒中の亜鉛の含有量は、0.5〜7質量%であり、好ましくは1〜6質量%、より好ましくは1.5〜5質量%である。
亜鉛化合物を用いた場合の歯磨剤用顆粒中の亜鉛の含有量は、下記式(3)で算出できる。
歯磨剤用顆粒中の亜鉛の含有量=[亜鉛化合物の含有量×65.38(亜鉛の原子量)]/亜鉛化合物の分子量 (3)
【0037】
歯磨剤用顆粒中の、珪酸塩の含有量に対する亜鉛の含有量の質量比(亜鉛/珪酸塩)は、歯垢形成抑制効果を高める観点から、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上であり、亜鉛による渋味や金属味を抑制する観点から、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.8以下である。質量比(亜鉛/珪酸塩)は、好ましくは0.02〜2、より好ましくは0.05〜1.5、更に好ましくは0.1〜1、より更に好ましくは0.1〜0.8である。
【0038】
任意成分である結合剤、薬用成分、着色剤の含有量は、崩壊感触の観点から、水不溶性粉末材料、亜鉛化合物、及び珪酸塩の固形分の合計量100質量部に対して3質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましく、配合しなくともよい。すなわち、本発明の顆粒中、水不溶性粉末材料、亜鉛化合物、及び珪酸塩の合計量が、97〜100質量%が好ましく、98〜100質量%がより好ましく、99〜100質量%が更に好ましく、実質100質量%が更により好ましい。
【0039】
<歯磨剤用顆粒の特性>
本発明の歯磨剤用顆粒の平均粒子径は、十分な清掃性を有する観点から好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上、更に好ましくは100μm以上であって、口腔中での異物感を抑制する観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは350μm以下、更に好ましくは300μm以下である。歯磨剤用顆粒の平均粒子径は、好ましくは50〜500μm、より好ましくは75〜350μm、更に好ましくは100〜300μmである。
なお、平均粒子径は、実施例に記載の方法で測定することができる。
【0040】
歯磨剤用顆粒の平均湿式崩壊強度は、歯磨剤に配合して使用したとき、口の中での顆粒を触知でき、歯垢除去効果を認識する観点から、31%以上であり、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上であり、異物感をほとんど感じないようにする観点から、90%以下であり、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下である。平均湿式崩壊強度は、31〜90%であり、好ましくは35〜80%、より好ましくは40〜75%である。
なお、平均湿式崩壊強度は、実施例に記載の方法により測定される。
【0041】
本発明の歯磨剤用顆粒の355μm以上の顆粒の質量頻度は、口腔内で異物感を抑制する観点から、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、顆粒配合の清掃効果の観点から、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。355μm以上の顆粒の質量頻度は、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは8〜18質量%、更に好ましくは10〜18質量%である。
また、本発明の歯磨剤用顆粒の90μm以下の顆粒の質量頻度は、顆粒の認知性の観点から、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、18質量%以下が更に好ましく、生産性の観点から、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上が更に好ましい。90μm以下の顆粒の質量頻度は、好ましくは3〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%、更に好ましくは8〜18質量%である。
【0042】
さらに、本発明の歯磨剤用顆粒の顆粒崩壊後の歯磨剤の10倍希釈液のpHと顆粒崩壊前の歯磨剤の10倍希釈液のpHとの差(崩壊後pH−崩壊前pH)は、好ましくは0.1〜1.0であり、より好ましくは0.2〜0.8であり、更に好ましくは0.2〜0.5である。この性質により、通常の汚れ除去効果に優れるだけでなく、本発明の歯磨剤用顆粒が崩壊した時にpHが局所的に上昇するため、歯垢のタンパク質をアルカリにより変性させて、歯垢の粘着構造を破壊するため歯垢除去効果も著しく優れているものと考えられる。また、この性質により、本発明の歯磨剤顆粒を含有する歯磨剤は、歯磨剤自体のpHを高めることなく、アルカリの歯垢除去効果を奏することが可能であるため、歯磨剤中のアルカリに弱い成分、例えば、香料等の変質防止の点でも好ましい。
なお、顆粒崩壊後の歯磨剤の10倍希釈液のpH及び顆粒崩壊前の歯磨剤の10倍希釈液のpHは、実施例に記載の方法で測定することができる。
【0043】
以上のとおり、本発明の歯磨剤用顆粒は、吸水率、及び崩壊時pH上昇性を併せ持つことから、歯磨中に水の存在下で崩壊するのに一定の時間を要し、当該顆粒崩壊部位にて局所的にpHを高く維持することができる。本発明の歯磨剤用顆粒は、かかる特性に基づき、通常の汚れ除去効果に優れるだけでなく、タンパク質を含有する歯垢除去効果も著しく優れているものと考えられる。
上記したような平均粒径、崩壊強度等を有する顆粒は、水不溶性粉末材料、亜鉛化合物、及び水溶性珪酸塩の種類、配合量、及び製造条件を適宜変化させることによって製造することができる。
【0044】
[歯磨剤]
本発明の歯磨剤用顆粒や本発明方法により得られた顆粒は、歯垢の除去、及び触知性の観点から、歯磨剤中に好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上配合することが好ましく、歯への損傷防止の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下配合することが好ましい。前記組成の顆粒を配合した歯磨剤を使用すると、口腔内で顆粒の触知ができて、みぞれ状の感触(シャリシャリ感)を与えるが、徐々に崩壊していき、清掃効果感を認知できるという特徴を有し、また優れた歯垢除去効果を奏する。
【0045】
歯磨剤の調製は常法により行うことができる。この際、歯磨剤に通常使用される他の成分、例えば、粘結剤、湿潤剤、甘味剤、界面活性剤、防腐剤、香料、薬用成分、着色剤、その他一般に使用されている、炭酸カルシウム等の歯磨剤用研磨剤、賦形剤等を配合することができる。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、増粘性シリカ、モンモリロナイト、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、グアガム、ペクチン等が挙げられる。
湿潤剤としては、ソルビット、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット、エリスリトール等が挙げられ、甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、タイマチン(ソーマチン)、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。
【0046】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、アシルグルタミン酸ナトリウムやアシルサルコシン酸ナトリウム等のアシルアミノ酸の塩、ラウリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸の塩類、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
防腐剤としては、パラベン、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル、p−オキシ安息香酸プロピル、p−オキシ安息香酸ブチル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
香料としては、メントール及びメントールを含む天然物;バジル、カンファー、キャラウェイ、カルダモン、コリアンダー、ゼラニウム、ジンジャー、ローレル、ラベンダー、メース、ナツメグ、ペッパー、ローズ、ローズマリー、タイム、イランイラン、ジャスミン、バニラ、ヒソップ、ラバンジン、オリス、キャロットシード、ダバナ、エレミ、オスマンタスの精油及び抽出物;ボルネオール及びその誘導体;ヘリオトロピン;α−、β−、γ−、δ−イオノン及びこれらの誘導体;チモール、バニリン、エチルバニリン、マルトール並びにエチルマルトール等が挙げられる。
薬用成分及び着色剤としては、前記のものが挙げられる。
上記成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の歯磨剤用顆粒の製造方法、及びその方法により得られる歯磨剤用顆粒を開示する。
<1> 水不溶性粉末材料、亜鉛化合物、及び珪酸塩を含有してなる顆粒であって、珪酸塩が珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムから選ばれる1種又は2種であり、該顆粒中、亜鉛の含有量が0.5〜7質量%、好ましくは1〜6質量%、より好ましくは1.5〜5質量%であり、珪酸塩の含有量が3〜60質量%、好ましくは4〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは5〜30質量%、より更に好ましくは5〜20質量%であり、平均湿式崩壊強度が31〜90%、好ましくは35〜80%、より好ましくは40〜75%である、歯磨剤用顆粒。
【0048】
<2> 珪酸塩に対する亜鉛の質量比(亜鉛/珪酸塩)が0.02〜2、好ましくは0.05〜1.5、より好ましくは0.1〜1、更に好ましくは0.1〜0.8である、前記<1>に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<3> 水不溶性粉末材料が、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、及びシリカから選ばれる1種又は2種以上、好ましくは軽質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウムから選ばれる1種又は2種、更に好ましくは重質炭酸カルシウムである、前記<1>又は<2>に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<4> 水不溶性粉末材料に対する珪酸塩の質量比(珪酸塩/水不溶性粉末材料)が、0.03〜1.0、好ましくは0.04〜0.5、より好ましくは0.05〜0.2である、前記<1>〜<3>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<5> 亜鉛が酸化亜鉛である、前記<1>〜<4>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
【0049】
<6> 水不溶性粉末材料の含有量が40〜96質量%、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜94質量%である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
<7> 355μm以上の顆粒の質量頻度が5〜20質量%、好ましくは8〜18質量%、より好ましくは10〜18質量%であり、90μm以下の顆粒の質量頻度が3〜25質量%、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは8〜18質量%である、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
【0050】
<8> 前記<1>〜<7>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒を含有する、歯磨剤。
<9> 下記工程(1)及び(2)を有する、前記<1>〜<7>のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
工程(1):水不溶性粉末材料と亜鉛化合物とを含む混合物に、珪酸塩の水溶液を添加して顆粒化する工程
工程(2):工程(1)で得られた顆粒を乾燥する工程
<10> 工程(1)が、水不溶性粉末材料と珪酸塩の水溶液と亜鉛化合物とを容器回転型造粒機を用いて混合し顆粒化する工程である、前記<9>に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
【実施例】
【0051】
以下の実施例及び比較例において、「%」は特記しない限り「質量%」である。なお、各物性値の測定は、以下の方法により行った。
【0052】
(1)珪酸塩の固形分の測定
試料2.5gをスポイトを用いてアルミ製の直径11.5cmの容器上に1滴が直径5〜10mm程度の液滴となるよう(液滴同士が極力重ならないよう)に滴下散布し、その後、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、湿量基準水分測定モードにて温度105℃、Autoの条件(測定値の変化量が、30秒間で0.05%以内になったときを最終測定値とみなして測定を終了)で測定した揮発自由水分を除くことで算出した。
(2)顆粒水分量の測定
試料2gをアルミ製の直径11.5cmの容器上に均一に散布し、その後、上記と同じ条件で測定した。
(3)水不溶性粉末の平均粒子径の測定
水不溶性粉末の平均粒子径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−920)にて、溶媒:水、屈折率:1.2、循環3minの条件で測定した。
【0053】
(4)顆粒の質量頻度
JIS Z8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の篩を用いて5分間振動させた後、篩分け法による篩下質量分布について50%平均径を算出し、これを平均粒子径とする。
具体的には、JIS Z8801−1規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの顆粒を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した当該顆粒の質量を測定し、各篩上の当該顆粒の質量頻度(%)を算出する。
【0054】
(5)顆粒の平均湿式崩壊強度
まず、JISZ8801−1規定の500、355、250、180、150、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、150〜180μm粒度の顆粒をサンプルとした。次に、スクリュー管(株式会社マルエム製、No.6)に、ステンレス球(直径4mm)を15g、顆粒サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、1度逆さにした。その後、30分間静置し、錠剤摩損試験機(萱垣医理科工業株式会社製)にて、75r/minで2分30秒間回転させた。
得られた顆粒サンプルを150μmの篩で濾過し、105℃、30分間乾燥した後、デシケーターで常温に冷まし、150μmの篩をミクロ型電磁振動機(筒井理化学器械株式会社製、ミクロ型電磁振動ふるい器、M−2)にて振動強度5.5、1分間振盪させ、その後秤量した。以下の計算式にて算出した値を平均湿式崩壊強度とした。
平均湿式崩壊強度(%)=(150μm篩に残留する顆粒質量÷初期サンプル質量)×100
【0055】
(6)珪酸ナトリウム水溶液の噴霧液滴径
珪酸ナトリウム水溶液の平均液滴径(体積平均粒径)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、スプレーテック)を用いて測定した。具体的には、レーザーから30cm離れた場所にスプレーノズル先端を設置し、レーザーに対して垂直且つ噴霧液滴群の中心をレーザーが貫通するように珪酸ナトリウム水溶液を噴霧し30秒間噴霧を継続して測定を行った。
【0056】
(7)顆粒配合の有無によるpHの変化
顆粒配合歯磨剤を2g取り、乳鉢で完全にすり潰し、イオン交換水を20mL投入した後、得られた液をpHメーターで測定し、安定した(約1分程度)時点の値を顆粒崩壊生地のpHの値とした。
顆粒抜き歯磨剤は、JISZ8801−1規定の45μmの篩を用いて歯磨剤をろ過した後、歯磨剤を2g取り、イオン交換水を20mL投入し、得られた液をpHメーターで測定し、安定した(約1分程度)時点の値を顆粒抜き生地のpHの値とした。
【0057】
実施例1〜3
表1に示す配合割合で、水不溶性粉末材料として重質炭酸カルシウム(株式会社カルファイン製、商品名:ACE−25)、亜鉛化合物として、酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、商品名:微細酸化亜鉛)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ、固形分:55.1%)を外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。なお、バッチサイズは8kgとした。添加後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気式棚乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥を行った。乾燥後、顆粒を目開き500μmの篩で分級して、篩を通過した歯磨剤用顆粒を得た。
表1に顆粒の製造条件を示し、表2に得られた顆粒の組成と物性を示す。
【0058】
実施例4
表1に示す配合割合で、水不溶性粉末材料として重質炭酸カルシウム(三共精粉株式会社製、商品名:カルシーF#9860)を用いた以外は、実施例1〜3と同様に造粒し、流動層乾燥機(株式会社大河原製作所製、商品名:コンダクションフロー)を用いて100℃で15分間乾燥を行った。乾燥後、顆粒を目開き500μmの篩で分級して、篩を通過した歯磨剤用顆粒を得た。結果を、表1及び2に示す。
【0059】
比較例1
表1に示す配合割合で、水不溶性粉末材料として重質炭酸カルシウム(三共精粉株式会社製、商品名:カルシーF#9860)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ、固形分:55.1%)を外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。なお、バッチサイズは8kgとした。添加後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気式棚乾燥機を用いて、80℃で90分間乾燥を行った。乾燥後、顆粒を目開き500μmの篩で分級して、篩を通過した歯磨剤用顆粒を得た。結果を、表1及び2に示す。
【0060】
比較例2
乾燥を流動層乾燥機(フロイント産業株式会社製、商品名:スパイラフローラボ)を用いて100℃で30分間行った以外は、比較例1と同様の条件にて顆粒を作製した。結果を、表1及び2に示す。
【0061】
比較例3
表1に示す配合割合で、水不溶性粉末材料として重質炭酸カルシウム(株式会社カルファイン製、商品名:ACE−25)、亜鉛化合物として、酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、商品名:微細酸化亜鉛)を邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm)に投入し、ドラム回転数30r.p.m/フルード数0.2/ドラム角度12.6°の条件で混合しながら珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ、固形分:55.1%)を外部混合型二流体ノズル1個(株式会社アトマックス製)を用いて噴霧添加し造粒した。なお、バッチサイズは8kgとした。添加後、1分間混合を継続した後、ドラム型造粒機から排出し、電気式棚乾燥機を用いて80℃で90分間乾燥を行った。乾燥後、顆粒を目開き500μmの篩で分級して、篩を通過した歯磨剤用顆粒を得た。結果を、表1及び2に示す。
【0062】
比較例4
表1に示す配合割合で、水不溶性粉末材料としてゼオライト(ゼオビルダー株式会社製、商品名:ゼオライト(パウダー)と、亜鉛化合物として、酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、商品名:微細酸化亜鉛)と、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学工業株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ、固形分:55.1%)と、適量の水とを、ディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー株式会社製、形式:HS−P3)を用いて混合し、水スラリーを得た。なお、水スラリー調整は、先ず混合槽に水を投入し、次いで珪酸ナトリウム水溶液を投入し、次いで、酸化亜鉛とゼオライトを投入し、混合することによって行った。なお、バッチサイズは150kgである。得られた水スラリーを送風温度190℃で噴霧乾燥した後、室温条件下において、目開き500μmの篩で分級して、篩を通過した歯磨剤用顆粒を得た。結果を、表1及び2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
表2の結果より、顆粒内の同じ水分量である実施例4と比較例2との比較から、亜鉛化合物を含有する本願は、湿式崩壊強度が高いことがわかる。
本発明の顆粒は、湿式崩壊強度において優れており、歯磨剤製造時に崩壊することがなく、また歯磨剤中においても良好な崩壊強度を維持する。
【0066】
[歯磨剤への配合による使用感の評価]
実施例及び比較例で得られた顆粒を評価するために、下記表3に示す配合組成の歯磨剤を常法により調製した。
歯磨剤の調整方法は、室温で顆粒以外の成分を、配合した後、最後に顆粒を配合する工程で行った。
歯磨剤は香料の安定化のために製造後1週間放置した。
得られた歯磨剤を用いて、10名のパネラー(当該技術分野に5年以上従事した研究員)に歯磨きしてもらい、アンケートをすることにより、その使用感を評価した。
(評価項目)
1.渋みの認知度:(渋くない〜渋い評価:5点、4点、3点、2点、1点)
2.粒の認知度:(感じる〜感じない評価:5点、4点、3点、2点、1点)
3.汚れ落ちの認知度 :(落ちた〜落ちない評価:5点、4点、3点、2点、1点)
上記評価の合計点数を表4に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
[歯垢除去効果の評価方法]
歯間モデル(φ4のパスツールピペットを5本並べ接着固定)の溝に赤い口紅(オーブ花王(株):RD305)を塗り込んだ。その後、余分な口紅をハブラシ(毛先が球 花王(株):ふつう)と市販の食器用洗浄剤で赤色が出なくなるまでブラッシング洗浄(刷掃)した。同様に、歯間モデルの溝に赤い口紅を塗り込んだ後、実施例及び比較例の各種歯磨剤をこの歯間モデルの上に1g取り、口紅がハブラシに付着しなくなるまで刷掃を行った。歯間モデルに残った口紅をエタノール90mLで10分間超音波洗浄し、抽出液を540nmにて吸光度測定(Abs)した。なお、上記食器用洗浄剤で刷掃後の歯間モデルについての吸光度測定値を、標準の吸光度測定値とした。
歯垢除去率(%)=(標準の吸光度測定値−歯磨剤で刷掃後の吸光度測定値)/標準の吸光度測定値×100(%)
評価を表4に示す。
【0070】
[歯垢形成抑制効果の評価]
健康な20〜30代の男性9名を被験者として以下の手順に従って評価を行った。
なお、順序効果が出ないように歯磨剤はランダムクロスオーバー法を用い、術者、被験者ともに歯磨剤の中身を知らないダブルブラインドで評価した。
・基準歯垢形成量:歯垢、歯石のスケーリング後、歯科衛生士が通常のハブラシのみを用いてブラッシングを2分間。
・評価品歯垢形成量:歯磨剤1gをハブラシに付け、同一の歯科衛生士によるブラッシングを2分間。
(1)24時間ブラッシング停止。
(2)歯科衛生士により歯垢を赤染め(染色液:プロスペック)して、写真撮影と歯垢の量を測定。(測定部位:上顎全顎、下顎左右4−7の頬側)
(3)被験者各自で自由にブラッシング(歯磨剤不使用)
測定方法:1歯を5分割し各分割面の歯垢の高さ(歯周ポケットプローブを用いて0.5mm単位の高さ)を求める。
歯ブラシのみでブラッシングした場合の歯垢形成量を基準として、実施例1、2、4及び比較例2、3の下式で算出される歯垢形成抑制率を表4に示した。実施例1、2、4の歯磨剤は、比較例2、3の歯磨剤に比べて顕著に高い歯垢形成抑制効果を示した。
(計算法)
歯垢形成抑制率(%)=(ハブラシのみでブラッシングしたときの24時間後の歯垢形成量−歯磨剤を用いてブラッシングしたときの24時間後の歯垢形成量)/ハブラシのみでブラッシングしたときの24時間後の歯垢形成量×100(%)
【0071】
実施例1〜4で得られた顆粒を配合した歯磨剤は、顆粒の口腔内の認知度に優れ、また汚れ落ちの認知度も優れるとの評価を得た。
一方で、比較例1〜2、4で得られた顆粒を配合した歯磨剤は、湿式崩壊強度が低く、顆粒の口腔内の認知度、汚れ落ちの認知度に劣っていた。
また、比較例3で得られた顆粒を配合した歯磨剤は、亜鉛量が多いため、亜鉛のにがみが強く、渋みの認知度が良くなかった。
噴霧乾燥法で得られた比較例4では、実施例1と亜鉛量がほぼ変わらないにも係らず、亜鉛のにがみが強く、渋みの認知度が良くなかった。
【0072】
[歯磨剤への配合によるpHの変化]
実施例2を40℃1週間保存後、これらの歯磨剤から顆粒を抜き出した生地をイオン交換水にて10倍に希釈したものpHと、これらの歯磨剤から顆粒を抜かずに乳鉢で完全にすり潰した生地をイオン交換水にて10倍に希釈したもののpHを測定した結果、顆粒抜き生地のpHは9.66、顆粒崩壊生地のpHは9.93であった。