特許第5961465号(P5961465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961465
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】連結装置
(51)【国際特許分類】
   A01B 59/043 20060101AFI20160719BHJP
   A01B 35/04 20060101ALI20160719BHJP
   A01B 63/16 20060101ALI20160719BHJP
   A01B 49/00 20060101ALI20160719BHJP
   A01B 33/16 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   A01B59/043 Z
   A01B35/04 A
   A01B63/16 Z
   A01B49/00
   A01B33/16
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-160896(P2012-160896)
(22)【出願日】2012年7月19日
(65)【公開番号】特開2014-18156(P2014-18156A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年3月10日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小出 盛人
(72)【発明者】
【氏名】山宮 壮将
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 政和
(72)【発明者】
【氏名】倉田 泰徳
【審査官】 中澤 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−295904(JP,A)
【文献】 特開2001−112303(JP,A)
【文献】 特開2010−239875(JP,A)
【文献】 特開2012−010604(JP,A)
【文献】 米国特許第04073346(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 59/043
A01B 33/16
A01B 35/04
A01B 49/00
A01B 51/00−61/04
A01B 63/14−67/00
A01B 71/00−79/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車の走行により形成される走行跡凹部の外側方に位置する土盛上り部の土を前記走行跡凹部側である内方側に寄せる作業機側土寄せ体を備える農作業機と、前記走行車とを連結する連結装置であって、
前記走行車に装着され、前記農作業機が脱着可能に取り付けられる装置本体と、
この装置本体に設けられ、前記農作業機の前方で前記農作業機の作業を補助する補助部品とを備え、
前記補助部品は、前記走行車の走行により形成される前記走行跡凹部の内側方に位置する土盛上り部の土を前記走行跡凹部側である外方側に寄せる土寄せ体であり、
前記土寄せ体は、前記作業機側土寄せ体よりも前方の位置で、前記土盛上り部の土を前記走行跡凹部側である外方側に寄せる
ことを特徴とする連結装置。
【請求項2】
土寄せ体は、
走行車の走行により形成される走行跡凹部の内側方に位置する土盛上り部の土を前記走行跡凹部側である外方側に寄せる土寄せ板と、
この土寄せ板を補強する補強板とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の連結装置。
【請求項3】
補強板は、土寄せ板の内面に重畳的に固着されている
ことを特徴とする請求項2記載の連結装置。
【請求項4】
土寄せ体は、装置本体の下部における左右両側にそれぞれ脱着可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の連結装置。
【請求項5】
土寄せ体は、作業状態および非作業状態に選択的に切り換え可能である
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行車と農作業機とを連結する連結装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された連結装置が知られている。
【0003】
この従来の連結装置は、例えばトラクタ等の走行車とロータリ等の農作業機とを連結するものである。この連結装置は、走行車の3点リンクヒッチ部に装着されるフレーム体を備えている。フレーム体の上部には、農作業機のトップピンと係脱可能に係合する上部係合受部が設けられている。フレーム体の下部には、農作業機のロワピンと係脱可能に係合する左右1対の下部係合受部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭62−35288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、上記従来の連結装置を使用することにより、農作業機を走行車に容易に連結できるものの、この従来の連結装置は、走行車と農作業機とを連結するためだけの専用品に過ぎない。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、走行車と農作業機とを連結するための専用品ではなく、補助部品によって農作業機の作業を補助できる連結装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の連結装置は、走行車の走行により形成される走行跡凹部の外側方に位置する土盛上り部の土を前記走行跡凹部側である内方側に寄せる作業機側土寄せ体を備える農作業機と、前記走行車とを連結する連結装置であって、前記走行車に装着され、前記農作業機が脱着可能に取り付けられる装置本体と、この装置本体に設けられ、前記農作業機の前方で前記農作業機の作業を補助する補助部品とを備え、前記補助部品は、前記走行車の走行により形成される前記走行跡凹部の内側方に位置する土盛上り部の土を前記走行跡凹部側である外方側に寄せる土寄せ体であり、前記土寄せ体は、前記作業機側土寄せ体よりも前方の位置で、前記土盛上り部の土を前記走行跡凹部側である外方側に寄せるものである。
【0008】
請求項2記載の連結装置は、請求項1記載の連結装置において、土寄せ体は、走行車の走行により形成される走行跡凹部の内側方に位置する土盛上り部の土を前記走行跡凹部側である外方側に寄せる土寄せ板と、この土寄せ板を補強する補強板とを有するものである。
【0009】
請求項3記載の連結装置は、請求項2記載の連結装置において、補強板は、土寄せ板の内面に重畳的に固着されているものである。
【0010】
請求項4記載の連結装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の連結装置において、土寄せ体は、装置本体の下部における左右両側にそれぞれ脱着可能に設けられているものである。
【0011】
請求項5記載の連結装置は、請求項1ないし4のいずれか一記載の連結装置において、土寄せ体は、作業状態および非作業状態に選択的に切り換え可能であるものである
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、走行車と農作業機とを連結するための専用品ではなく、補助部品によって農作業機の作業を補助できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る連結装置によって走行車と農作業機とが連結された連結状態を示す側面図である。
図2】同上連結状態の平面図である。
図3】同上連結状態の底面図および圃場表面部のイメージ図である。
図4】同上連結装置の後面図(進行方向後方からみた図)である。
図5】同上連結装置の側面図である。
図6】同上連結装置の底面図である。
図7】同上連結装置の部分後面図である。
図8】同上連結装置の補助部品を取り外した状態の部分後面図である。
図9】同上補助部品の側面図である。
図10】本発明の他の実施の形態に係る連結装置の後面図である。
図11】同上連結装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1ないし図3において、1は走行車であるトラクタ(農用トラクタ)で、このトラクタ1と農作業機2とが、連結装置であるクイックカプラー装置(オートヒッチ)3によって互いに連結されている。
【0016】
トラクタ1は、例えばエンジンおよび操縦席等にて構成された車両本体5を備えている。車両本体5の前部には左右1対の前輪(前タイヤ)6が回転可能に設けられ、車両本体5の後部には前輪6よりも幅広の左右1対の後輪(後タイヤ)7が回転可能に設けられている。
【0017】
そして、車両本体5のエンジン出力に基づいて前輪6および後輪7が回転してトラクタが圃場表面部上を進行方向へ走行すると、その圃場表面部には、トラクタの走行方向(進行方向)に沿った前後方向の平行な2本の走行跡凹部(タイヤ跡凹部)8が凹溝状に形成されるとともに、左右の各走行跡凹部8の両側方に位置するように土盛上り部9が凸状に形成される(図3参照)。
【0018】
また、トラクタ1は、車両本体5から後方に向かって突出する油圧駆動式の作業機昇降支持手段である3点リンクヒッチ部11を備えている。3点リンクヒッチ部11は、車両本体5の後端部に上下方向に回動可能に設けられた1本のトップリンク12と、車両本体5の後端部に上下方向に回動可能に設けられた左右1対で2本のロワリンク13とを有している。なお、トラクタ1は、車両本体5から後方に向かって突出するPTO軸15を備えており、このPTO軸15によって車両本体5のエンジンからの動力の一部を外部に取り出すことが可能となっている。
【0019】
そして、図1ないし図3に示されるように、トラクタ1の後部の3点リンクヒッチ部11には、例えば土作業等の作業(農作業)をする農作業機2がクイックカプラー装置3を介して脱着可能に連結されている。つまり、トラクタ1の3点リンクヒッチ部11にクイックカプラー装置3が装着され、この装着されたクイックカプラー装置3に対して農作業機2が脱着可能に取り付けられている。
【0020】
農作業機2は、例えばトラクタ1の3点リンクヒッチ部11に連結され、そのトラクタの走行により圃場上を前方(進行方向)に移動しながら耕耘整地作業(土作業)をする折畳み式の代掻機である。
【0021】
農作業機2は、トラクタの3点リンクヒッチ部11にクイックカプラー装置3を介して連結された左右方向長手状の中央作業部21と、この中央作業部21の左右方向両端部に回動支点を中心として上下方向に回動可能に設けられその回動により折畳非作業状態および展開作業状態に選択的に切り換えられる左右1対の延長作業部(サイド作業部)22とを備えている。
【0022】
中央作業部21は、クイックカプラー装置3に脱着可能に取り付けられて支持された機体23と、この機体23に回転可能に設けられトラクタ1のPTO軸15側からの動力によって回転しながら耕耘作業をする耕耘体24と、機体23の耕耘カバー部26の後端部に上下方向に回動可能に設けられ耕耘体24の後方で整地作業をする板状の整地体25とを有している。
【0023】
機体23は、トラクタ1の3点リンクヒッチ部11にクイックカプラー装置3を介して連結された3点連結部31を有している。3点連結部31は、マスト34に設けられたトップピン32と、ロワアーム35に設けられた左右1対で2本のロワピン33とを有している。
【0024】
また、機体23は、左右方向長手状のフレームパイプ部36を有し、このフレームパイプ部36の左右方向中央部にギアボックス部37が設けられ、このギアボックス部37から入力軸38が前方に向かって突出している。入力軸38は、トラクタ1のPTO軸15に動力伝達手段であるジョイント40を介して接続されている。
【0025】
さらに、耕耘体24は、機体23によって回転可能に支持された左右方向長手状の耕耘軸41を有し、この耕耘軸41に複数の耕耘爪(図示せず)が取り付けられている。整地体25は、機体23の耕耘カバー部26の後端部に回動可能に取り付けられた第1整地板(中央均平板)42を有し、この第1整地板42の後端部に第2整地板(中央レーキ)43が回動可能に取り付けられている。
【0026】
左右の各延長作業部22は、中央作業部21の機体23の左右方向端部に上下方向に回動可能に取り付けられた延長機体46と、この延長機体46に回転可能に設けられ中央作業部21の耕耘体24側からの動力によって回転しながら耕耘作業をする延長耕耘体47と、延長機体46の耕耘カバー部49の後端部に上下方向に回動可能に設けられ延長耕耘体47の後方で整地作業をする板状の延長整地体48とを有している。
【0027】
延長耕耘体47は、延長機体46によって回転可能に支持された左右方向長手状の延長耕耘軸51を有し、この延長耕耘軸51に複数の耕耘爪(図示せず)が取り付けられている。延長整地体48は、延長機体46の耕耘カバー部49の後端部に回動可能に取り付けられた第1延長整地板(サイド均平板)52を有し、この第1延長整地板52の後端部に第2延長整地板(サイドレーキ)53が回動可能に取り付けられている。第2延長整地板53の外端部には、追加整地板(延長レーキ)54が折畳および展開できるように回動可能に取り付けられている。
【0028】
また、農作業機2は、トラクタ1の走行により圃場表面部に形成される走行跡凹部8の外側方に位置する土盛上り部9の土をその走行跡凹部8側(内方側)に寄せる板状の左右1対の作業機側土寄せ体56を備えている。各作業機側土寄せ体56は、中央作業部21の左右方向両端部から前斜め外方に向かって突出している。
【0029】
クイックカプラー装置3は、連結用の専用品ではなく、トラクタ1と農作業機2とを連結するとともに農作業機2の作業を補助するものである。
【0030】
クイックカプラー装置3は、図1ないし図3に示されるように、トラクタ1の後部の3点リンクヒッチ部11に装着され農作業機2が脱着可能に取り付けられた装置本体61と、この装置本体61の下部における左右両側にそれぞれ脱着可能に設けられ作業時に農作業機2の前方で土作業をして農作業機2の土作業を補助する補助部品である土寄せ体62とを備えている。
【0031】
つまり、このクイックカプラー装置3は、トラクタ1の走行により圃場表面部に形成される走行跡凹部8の内側方に位置する土盛上り部9の土をその走行跡凹部8側(外方側)に寄せる板状の左右1対の土寄せ体62を備えている。
【0032】
ここで、装置本体61は、図4ないし図8等に示されるように、上側に頂点を有しかつ下側に水平な底辺を有するような略正三角形状をなす本体フレーム部63を有している。
【0033】
本体フレーム部63の上部には、トラクタ1の3点リンクヒッチ部11のトップリンク12が脱着可能に取り付けられるトップリンク取付部64がトラクタ側である前方に向かって突設されている。トップリンク取付部64には、互いに間隔をおいた複数(例えば3つ)の取付用孔部65が形成されている。
【0034】
そして、複数の取付用孔部65の中から選択された一の取付用孔部65とトップリンク12の先端部の取付用孔部12aとに対して連結ピン(連結部材)66が挿入され、この挿入された連結ピン66の孔に抜止ピン67が嵌入装着されることにより、トップリンク12が連結ピン66を介してトップリンク取付部64に取り付けられる。
【0035】
本体フレーム部63の上部には、農作業機2の3点連結部31のトップピン(係合部)32と係脱可能に係合する上部係合受部68が農作業機側である後方に向かって突設されている。上部係合受部68には、上方に向かって開口する凹部分69が形成されている。そして、農作業機2のトップピン32と上部係合受部68の凹部分69とが互いに係合することにより、トップピン32が上部係合受部68にて保持される。
【0036】
一方、本体フレーム部63の下部における左右方向両端部には、農作業機2の3点連結部31のロワピン(係合部)33と係脱可能に係合する下部係合受部71が農作業機側である後方に向かって突設されている。すなわち、本体フレーム部63の左右方向長手状のアーム部分70の左右方向両端部には、鉛直面に沿った板状の下部係合受部71が固設されている。
【0037】
下部係合受部71には、後方に向かって開口する凹部分72が形成されている。また、下部係合受部71には、フック状の抜止フック73が左右方向の軸74を中心として回動可能に取り付けられ、この抜止フック73はハンドル75の操作によって下部係合受部71に対して軸74を中心に回動する。
【0038】
そして、農作業機2のロワピン33と下部係合受部71の凹部分72とが互いに係合し、この係合状態がロワピン33と係合した抜止フック73によって維持されることにより、ロワピン33が下部係合受部71にて抜止状態に保持される。なお、ハンドル75を操作して抜止フック73を解除方向に回動させることにより、ロワピン33と凹部分72との係合状態を解除することが可能である。
【0039】
また、下部係合受部71には、複数、すなわち例えば互いに間隔をおいた上下2つの筒状部材であるカラー76が溶接等により固着されている。各カラー76は、軸方向両端面が開口した円筒状で、その軸方向が左右方向に一致した状態となっている。つまり、円筒状をなすカラー76は、水平な左右方向に軸方向を有している。
【0040】
そして、2つのカラー76のうちのいずれか一方のカラー76の内周側にはロワリンク取付ピン77が挿脱可能に挿通され、2つのカラー76のうちのいずれか他方のカラー76の内周側には補助部品取付用のボルト78が挿脱可能に挿通されている。また、これらロワリンク取付ピン77およびボルト78は、いずれも土寄せ体62の取付用孔部80に挿脱可能に挿通されている。
【0041】
そして、ロワリンク取付ピン77のねじ軸部81にナット82がワッシャ83とともに締め付け螺合されかつボルト78のねじ軸部84にナット85がワッシャ86とともに締め付け螺合されることにより、土寄せ体62が装置本体61の両カラー(補助部品取付部)76に脱着可能に取り付けられている。つまり、ロワリンク取付ピン77、ボルト78、ナット82,85およびワッシャ83,86にて構成された取付手段88によって、土寄せ体62が装置本体61に直接取り付けられている。
【0042】
ロワリンク取付ピン77は、丸軸状のピン本体部91を有しており、このピン本体部91の軸方向中央部の外周側には、カラー76の端面に当接する鍔部92が一体に設けられている。ピン本体部91の先端側の外周面にはねじ溝93が形成され、このピン本体部91の先端側がねじ軸部81となっている。また、ピン本体部91の基端近傍には貫通孔94がピン本体部91の径方向に貫通して形成され、このピン本体部91の基端側が挿入軸部95となっている。なお、ボルト78は、例えば六角形状の頭部87と、この頭部87に一体に設けられたねじ軸部84とにて構成されている。
【0043】
そして、ロワリンク取付ピン77の挿入軸部95がトラクタ1の3点リンクヒッチ部11のロワリンク13の先端部の取付用孔部13aに挿入され、この挿入された挿入軸部95の貫通孔94に抜止ピン(図示せず)が嵌入装着されることにより、ロワリンク13がロワリンク取付ピン(ロワリンク取付部)77に直接取り付けられる。
【0044】
土寄せ体62は、図7ないし図9等に示されるように、圃場表面部における土盛上り部9の土(盛土)と接触してこの土を走行跡凹部8側に寄せる土寄せ板101と、この土寄せ板101の内面に重畳的に固着された補強板102とにて構成されている。つまり、左右の各土寄せ体62は、互いに重ね合わされた2枚の板101,102のみによって構成されている。
【0045】
土寄せ板101は、前後方向に沿った鉛直面状の取付板部103と、この取付板部103の前縁からトラクタ1の幅方向中央側である前斜め内方に向かって突出する前後方向に対して傾斜した鉛直面状の作用板部104とを有している。このため、左側の土寄せ体62の作用板部104と右側の土寄せ体62の作用板部104とが平面視でハ字状に位置するようになっている。
【0046】
作用板部104は、前縁下部に傾斜辺105を有した5角形状に形成されている。取付板部103は、上下方向にやや長手状に形成され、この取付板部103の上部には、互いに間隔をおいた複数、例えば上下2つの真円状のピン用孔106が形成されている。
【0047】
補強板102は、土寄せ板101の取付板部103の内面に貼り付けられこの取付板部103を補強する第1板部107と、この第1板部107の前縁に連設され土寄せ板101の作用板部104の内面に貼り付けられこの作用板部104を補強する矩形状の第2板部108とを有している。第1板部107の上部には、上下方向に長手方向を有する1つの長孔状のカラー用孔110が形成されている。
【0048】
土寄せ体62にそれぞれ形成された2つのピン用孔106と1つのカラー用孔110とにて、土寄せ体62の取付用孔部80が構成されている。また、土寄せ板101の取付板部103のうち各ピン用孔106の周囲に位置する部分が、カラー76の端面と当接するカラー当接部111となっている。
【0049】
なお、農作業機2とクイックカプラー装置3とにて、カプラー付きの農作業装置4が構成されている。また、図6から明らかなように、クイックカプラー装置3は、幅寸法(左右方向長さ寸法)Aを有し、平面視でこの幅寸法A内に左右の土寄せ体62が配設されている。
【0050】
次に、上記一実施の形態の作用等を説明する。
【0051】
クイックカプラー装置3の装置本体61は、予めトラクタ1の3点リンクヒッチ部11に装着しておく。
【0052】
そして、農作業機2を用いて農作業をする場合、作業者は、農作業機2をクイックカプラー装置3の装置本体61に取り付ける。
【0053】
この際、トラクタ1の3点リンクヒッチ部11の上方回動のみによって、装置本体61の上部係合受部68の凹部分69と農作業機2のトップピン32とを互いに係合させることができるとともに、装置本体61の下部係合受部71の凹部分72と農作業機2のロワピン33とを互いに係合させることができる。
【0054】
すなわち、作業者は、トラクタ1の運転席に乗ったまま、3点リンクヒッチ部11を上方回動させるだけで、クイックカプラー装置3によってトラクタ1と農作業機2とを簡単に連結できる。
【0055】
そして、トラクタ1を走行させて農作業装置4を進行方向に移動させると、耕耘体24および延長耕耘体47が耕耘作業をし、整地体25および延長整地体48が整地作業をする。
【0056】
この際、耕耘体24および延長耕耘体47の前方では、クイックカプラー装置3の左右の土寄せ体62が、走行跡凹部8の内側方に位置する土盛上り部9の土を外側方へ案内するように走行跡凹部8側に寄せるとともに、農作業機2の左右の作業機側土寄せ体56が、走行跡凹部8の外側方に位置する土盛上り部9の土を内側方へ案内するように走行跡凹部8側に寄せる。
【0057】
このため、土盛上り部9の土が走行跡凹部8内に移動して走行跡凹部8が埋め戻され、その結果、農作業機2による耕耘整地作業が適切に行われる。
【0058】
そして、上記クイックカプラー装置3によれば、トラクタ1と農作業機2とを連結するための専用品ではなく、補助部品である土寄せ体62によって農作業機2の作業を補助でき、よって、例えば適切な耕耘整地作業を効率的に行うことができる。
【0059】
また、土寄せ体62は、装置本体61に脱着可能に設けられているため、例えば土寄せ体62が破損等した際に、土寄せ体62を容易に交換できる。
【0060】
なお、クイックカプラー装置3が有する補助部品は、土寄せ体(土作業部品)62には限定されず、農作業機の作業を補助するものであれば任意であり、例えば土作業部品としての心土破砕体や溝掘り体等でもよく、また、土作業部品以外の、例えば圃場表面部上を回転しながら走行するゲージ輪等の接地輪でもよい。
【0061】
例えば図10および図11に示すクイックカプラー装置3は、耕耘整地作業をする農作業機2の前方で、圃場の心土層を破砕(土作業)する補助部品である心土破砕体112を備えている。
【0062】
このクイックカプラー装置3の本体フレーム部63のアーム部分70の左右方向両端近傍には、L字状の取付アーム113の基端部が固定的に取り付けられている。取付アーム113の先端部には筒状のホルダ114が固着され、このホルダ114は本体フレーム部63の左右方向端部よりも外側方に位置している。
【0063】
そして、ホルダ114には心土破砕体112が取付ピン115を介して脱着可能に取り付けられ、この心土破砕体112はホルダ114に対して上下位置調整可能となっている。
【0064】
また、心土破砕体112は、ホルダ114内に挿通された上下方向長手状のナイフ部116と、このナイフ部116の下端部に設けられた心土破砕部117とを有している。
【0065】
なお、例えば図示しないが、心土破砕体112に代えて、農作業機2の耕耘作業深さを一定に維持する補助部品であるゲージ輪をホルダ114に脱着可能に取り付けてもよく、またホルダ114に土寄せ体等を取り付けるようにしてもよい。
【0066】
また、取付アーム113が本体フレーム部63のアーム部分70に固定された構成には限定されず、例えば取付アーム113をアーム部分70に沿ってスライド可能に取り付け、補助部品を本体フレーム部63に対して左右位置調整可能としてもよい。つまり、トラクタ1のタイヤ幅等に対応できるように、補助部品が装置本体に対して左右位置調整可能となっている構成でもよい。
【0067】
さらに、補助部品が装置本体に一体に固設された構成や、補助部品が作業状態および非作業状態に選択的に切り換え可能に設けられた構成等でもよい。
【0068】
また、農作業機の種類も任意であり、補助部品はその農作業機の種類に対応したものである。
【0069】
さらに、装置本体に設ける補助部品の数も任意であり、2つには限定されず、1つや3つ以上でもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 走行車であるトラクタ
2 農作業機
3 連結装置であるクイックカプラー装置
8 走行跡凹部
9 土盛上り部
56 作業機側土寄せ体
61 装置本体
62 補助部品である土寄せ体
101 土寄せ板
102 補強板
図1
図2
図3
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図10
図11