(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両が経由すべき第1の経由地点を前記車両が発車してから、該第1の経由地点の次に前記車両が到達すべき第2の経由地点に到達するまでの運行に要した時間である経過時間と、該運行が実施された日時情報と、を対応付けた情報と、前記運行中に前記車両の状態が危険状態と看做せる状態に遷移した時刻を特定可能な情報と、を含む運行データを記録する記録装置側記録部を備え、前記車両に搭載されて該車両に関する情報を自動的に収集する、少なくとも1つの運行記録装置が収集した情報を受け付け可能な解析装置であって、
前記運行記録装置から受け付けた、前記記録装置側記録部に記録された前記運行データを記録する解析装置側記録部と、
該解析装置側記録部に記録された前記運行データのうちの、指定された期間内に前記運行記録装置により取得された前記運行データである解析用データにおける、前記経過時間の平均値を算出し、該解析用データにおける前記車両の状態が前記危険状態に遷移した回数が所定の回数以上である場合には、前記平均値に所定の値を加算し、加算して得られた値を前記第1の経由地点から前記第2の経由地点までの予定運行時間として算出する算出部と、
を備えることを特徴とする解析装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたようなドライブレコーダを路線バスに搭載した場合には、路線バスの運行状態を撮影した画像などの大量の運行データを収集しメモリーカードなどの記録媒体に保存することができる。
【0008】
例えば、過去1週間程度の期間に収集されたデータを、車両に搭載したドライブレコーダ上、もしくは事務所に配置された解析装置のデータベース上に蓄積して記録しておくことが想定される。この場合には、解析装置にて記録した運行データを解析することにより、実際の運行状態を運行終了後に確認することができる。このように、ドライブレコーダ等の運行記録装置を用いることにより、運行計画の通りに運行が実施されたことを証明したり、運行計画通りに運行が実施されなかった場合に運転者に教育を実施したりすることができる。
【0009】
ところで、予め設定されている運行計画が適正なものではない場合には、運転者が乗客の安全に配慮した運行を実施しようとすると、運行計画通りに運行することが困難となる事態が生じることが考えられる。このため、近年では、安全な運行のために好適な運行計画を策定することが求められている。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より好適な予定運行時間を算出可能な解析装置、及び予定運行時間算出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明に係る解析装置は、下記(1)を特徴としている。
(1) 車両が経由すべき第1の経由地点を前記車両が発車してから、該第1の経由地点の次に前記車両が到達すべき第2の経由地点に到達するまでの運行に要した時間である経過時間と、該運行が実施された日時情報と、を対応付けた情報と、前記運行中に前記車両の状態が危険状態と看做せる状態に遷移した時刻を特定可能な情報と、を含む運行データを記録する記録装置側記録部を備え、前記車両に搭載されて該車両に関する情報を自動的に収集する、少なくとも1つの運行記録装置が収集した情報を受け付け可能な解析装置であって、
前記運行記録装置から受け付けた、前記記録装置側記録部に記録された前記運行データを記録する解析装置側記録部と、
該解析装置側記録部に記録された前記運行データのうちの、指定された期間内に前記運行記録装置により取得された前記運行データである解析用データにおける、前記経過時間の平均値を算出し、該解析用データにおける前記車両の状態が前記危険状態に遷移した回数が所定の回数以上である場合には、前記平均値に所定の値を加算し、加算して得られた値を前記第1の経由地点から前記第2の経由地点までの予定運行時間として算出する算出部と、
を備えること。
【0012】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る予定運行時間算出システムは、下記(2)〜(4)を特徴としている。
(2) 上記(1)の構成の解析装置と、前記運行記録装置と、を備える、
こと。
(3) 上記(2)の構成の予定運行時間算出システムであって、
前記解析装置及び前記運行記録装置のいずれか一方が、
前記運行中に前記車両の加速度の値が所定の閾値以上となった衝撃検知時点の所定時間前から該衝撃検知時点までの時間帯に、前記車両の速度の値が所定の閾値以上減少していなかった場合に、前記車両の状態が前記危険状態に遷移したと看做す、
こと。
(4) 上記(2)又は(3)の構成の予定運行時間算出システムであって、
前記解析装置及び前記運行記録装置のいずれか一方が、
前記運行中に前記車両の加速度の値が所定の閾値以上となった衝撃検知時点の所定時間前から該衝撃検知時点までの時間帯に、前記車両の速度の値が所定の閾値以上減少していなかった場合には、前記車両の状態が第1の危険状態に遷移したと看做し、
前記運行中に前記車両の速度の値が所定の閾値以上となった場合には、前記車両の状態が第2の危険状態に遷移したと看做し、
前記解析装置が、
前記解析用データにおける前記第1の危険状態に遷移した回数が所定の回数以上である場合には、前記平均値に第1の値を加算し、
前記解析用データにおける前記第2の危険状態に遷移した回数が所定の回数以上である場合には、前記平均値に第2の値を加算し、
前記解析用データにおける前記第1の危険状態に遷移した回数が所定の回数以上であり、且つ、前記第2の危険状態に遷移した回数が所定の回数以上である場合には、前記平均値に前記第1の値及び前記第2の値を加算する、
こと。
【0013】
上記(1)の構成の解析装置では、まず、運行記録装置によって収集された、第1の経由地点から第2の経由地点までの運行に関する運行データのうちの、特定の期間内に取得された運行データである解析用データにおける、経過時間の平均値が算出される。そして、当該解析用データにおける車両が危険状態に遷移した回数が、所定の回数以上である場合には、当該平均値に所定の値が加算され、加算して得られた値が第1の経由地点から第2の経由地点までの予定運行時間として算出される。即ち、第1の経由地点から第2の経由地点までの運行中に、車両が危険状態に遷移する事象が予め定めた頻度よりも高い頻度で発生していた場合には、当該運行には、算出された平均値としての経過時間よりも長い時間を予定運行時間として設定すべきであると判断され、当該平均値よりも所定の値だけ大きい値が、安全な運行のために好適な予定運行時間として算出される。これにより、例えば算出された予定運行時間を、運行計画における新たな予定運行時間として利用することによって、車両が危険状態に遷移する事象の発生を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0014】
上記(2)の構成の予定運行時間算出システムでは、運行記録装置により、第1の経由地点から第2の経由地点までの運行に関する運行データが収集される。そして、解析装置により、当該運行データのうちの特定の期間内に取得された運行データである解析用データにおける、経過時間の平均値が算出される。さらに、解析装置により、当該解析用データにおける車両が危険状態に遷移した回数が、所定の回数以上である場合には、当該平均値に所定の値が加算され、加算して得られた値が第1の経由地点から第2の経由地点までの予定運行時間として算出される。即ち、第1の経由地点から第2の経由地点までの運行中に、車両が危険状態に遷移する事象が予め定めた頻度よりも高い頻度で発生していた場合には、当該運行には、算出された平均値としての経過時間よりも長い時間を予定運行時間として設定すべきであると判断され、当該平均値よりも所定の値だけ大きい値が、安全な運行のために好適な予定運行時間として算出される。これにより、例えば算出された予定運行時間を、運行計画における新たな予定運行時間として利用することによって、車両が危険状態に遷移する事象の発生を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
上記(3)の構成の予定運行時間算出システムでは、車両の加速度の値が所定の値以上となった(車両に衝撃が発生した)時点の前に、速度の値が所定の値以上減少していなかった(減速していなかった)場合には、車両が危険状態に遷移したと看做される。車両に衝撃が発生したにもかかわらず、当該衝撃発生時点の前に車両が減速していなかった場合には、乗客等に危険が及ぶ虞がある。上記(3)の構成の予定運行時間算出システムでは、このような事象が予め定めた頻度よりも高い頻度で発生していた場合には、当該運行には、算出された平均値としての経過時間よりも長い時間を予定運行時間として設定すべきであると判断され、当該平均値よりも所定の値だけ大きい値が予定運行時間として算出される。これにより、車両に衝撃が発生したにもかかわらず、当該衝撃発生時点の前に車両が減速しない事象の発生を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
上記(4)の構成の予定運行時間算出システムでは、車両の加速度の値が所定の値以上となった時点の前に、速度の値が所定の値以上減少していなかった場合には、車両が第1の危険状態に遷移したと看做され、車両の速度の値が所定の閾値以上となった場合には、車両が第2の危険状態に遷移したと看做される。そして、第1の危険状態に遷移した事象及び第2の危険状態に遷移した事象の各事象が、所定の頻度よりも高い頻度で発生していたか否かにしたがって、上記算出した平均値に加算する値の大小が決定され、予定運行時間が算出される。これにより、安全な運行のために好適な予定運行時間を算出することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より好適な予定運行時間を算出可能な解析装置を提供することができる。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の解析装置、及び予定運行時間算出システムに関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0019】
<システム全体の概要>
本実施形態に係る予定運行時間算出システムは、車両に搭載されて当該車両に関する情報を自動的に収集する複数のドライブレコーダ(運行記録装置)100と、該ドライブレコーダ100とメモリーカード118を介して情報の授受が可能に構成された事務所PC(Personal Computer)(解析装置、図示せず。)と、を備えている。
【0020】
各ドライブレコーダ100は、例えば路線バス等の所定の運行計画にしたがって運行される車両に搭載されて用いられる。以下、本明細書中においては、運行計画とは、車両の運行計画を定めた計画を指し、例えば路線バスにおいては、予め定められた時刻表(運行ダイヤ)に対応しており、運行ルート上にある各々のバス停(経由地点)で、時刻表に表示された予定時刻と対応する時刻に停車して、顧客の乗降を受け付けるためのものである。
【0021】
ドライブレコーダ100は、基本的な機能として、衝突事故発生等に伴う衝撃の検知を記録トリガ(即ち、記録開始条件。)とし、当該記録トリガが発生した時点の前後に亘る時間帯に、車載カメラ11により取得された画像データを記録するトリガ記録機能を有している。
【0022】
また、後述するように、本実施形態に係るドライブレコーダ100は、バス停から当該バス停の次に到達すべきバス停までの運行に要した時間である経過時間と、当該運行が実施された日時情報と、を対応付けた情報と、運行中に車両の状態が危険状態と看做せる状態に遷移した時刻を特定可能な情報と、を含む運行データを記録する機能を有している。上記画像データも運行データの一種であると看做すことができ、運行データとして記録される。
【0023】
収集された運行データを記録するためには、メモリーカードのような着脱自在な記録媒体が利用される。現実的には、乗務員カードと呼ばれる、後述する運行計画情報を含む各種情報を書き込んだメモリーカード(記録装置側記録部)118が乗務員(運転手)毎に用意される。そして、ドライブレコーダ100は自車両を運行する乗務員の乗務員カードを用いて運行データの読み込み及び書き込みを行う。
【0024】
一方、路線バスなどの車両及びそれを運行する乗務員を管理する会社等の事務所内には、図示しない管理用の事務所PC(解析装置)が設置される。事務所内の事務所PCは、例えば一般的なパーソナルコンピュータにより構成され、乗務員カードに書き込むための運行計画を記録するための記録領域と、ドライブレコーダ100により収集された運行データを記録するための記録領域と、を有するメモリ(解析装置側記録部、図示せず。)を備えている。また、事務所PCは、車両や乗務員を管理するためのアプリケーションプログラムを実行することにより、所定の機能を実現することができるマイクロコンピュータ(CPU:Central Processing Unit、図示せず。)を備えている。
【0025】
より具体的には、管理用の事務所PCは、車両の運行計画を作成する機能と、作成された運行計画に従って、運行ルート等のデータを各乗務員カードに書き込む機能と、車両の運行後に、乗務員カードに記録された運行データを読み込んで記録する機能と、蓄積して記録した運行データに基づいて、事務所PCのメモリに運行計画として記録された、各バス停から当該バス停の次に到達すべきバス停までの予定運行時間を書き換える機能とを備えている。即ち、マイクロコンピュータは、収集した運行データに基づいて予定運行時間を算出する算出部としての機能を有している。
【0026】
そして、ドライブレコーダ100には、事務所PCにて運行計画が書き込まれた乗務員カード(メモリーカード118)が装着され、ドライブレコーダ100は当該運行計画を利用して後述する各種処理を実行する。
【0027】
<ドライブレコーダ100の構成の説明>
ドライブレコーダ100は、
図1に示すように、マイクロコンピュータ111、インタフェース(I/F)112〜114、116、コンテンションデータ保持部115、加速度(G)センサ117、メモリーカード(SDカード)118、揮発性記憶部(SDRAM:Synchronous Dynamic Random Access Memory)119、及びモニタ出力部120を備えている。
【0028】
マイクロコンピュータ111は、制御部であり、予め用意されているプログラムを実行することにより、ドライブレコーダ100の様々な機能を実現するための処理を行う。例えば、
図5に示した動作をマイクロコンピュータ111の処理により実現する。尚、マイクロコンピュータ111は現在の時刻を把握する時計機能を内蔵しており、現在の時刻情報を取得する時刻情報取得部としても機能する。
【0029】
インタフェース112は、車両に搭載された複数の車載カメラ11の各々の出力をマイクロコンピュータ111に接続するための信号処理を行う。具体的には、車載カメラ11から出力される映像信号を撮影したフレーム毎に量子化処理してデジタル画像データを生成し、更に圧縮などの処理を施す。マイクロコンピュータ111は、車載カメラ11の撮影により順次に得られる各フレームの画像データをインタフェース112から取得することができる。
【0030】
インタフェース113は、車両に搭載されているGPS(Global Positioning System)受信機12をマイクロコンピュータ111に接続するために必要な信号処理を行う。GPS受信機12は、複数のGPS衛星から到来する電波をそれぞれ受信することができる。また、複数のGPS衛星から受信した電波の受信時刻に基づいて車両の現在位置(緯度/経度)を算出することができる。即ち、インタフェース113は、現在の車両の位置情報を取得する位置情報取得部として機能する。
【0031】
インタフェース114は、車速センサ13をマイクロコンピュータ111に接続するために必要な信号処理を行う。車速センサ13は、車両側に搭載されており、車両が所定量移動する毎に車速パルスと呼ばれるパルス信号を出力する。一般的には、車両の変速機の出力軸に設置されたセンサが、出力軸が所定量回動する毎にパルス信号を出力する。したがって、この車速パルスを計数することにより、車両の移動速度(車速:km/h)や移動距離を把握することができる。インタフェース114は、入力された信号の波形整形やパルス周期の調整などの電気的処理を行う。
【0032】
コンテンションデータ保持部115は、各種データを保持するために利用される。コンテンションデータ保持部115は、例えばデータの読み出し及び書き込みが自在な不揮発性メモリにより構成される。
【0033】
加速度センサ117は、車両の進行方向の前後方向等に加わった加速度の値を検出するための機能を有している。加速度センサ117は、インタフェース116を介してマイクロコンピュータ111と接続されている。マイクロコンピュータ111は、加速度センサ117が検出した加速度の値を表す信号をマイクロコンピュータ111に与える。
【0034】
メモリーカード118は、外部記憶媒体であり、ドライブレコーダ100に着脱自在に接続され、画像データ等の各種情報を記録可能に構成されている。また、メモリーカード118は、事務所PCに対しても着脱自在に取付けられる。これにより、本実施形態に係るドライブレコーダ100は、外部機器に対してメモリーカード118を介して画像データ等を伝達する。ドライブレコーダ100の運用時には、メモリーカード118はドライブレコーダ100に接続されている。後述するように、メモリ−カード118には、ドライブレコーダ100により収集された運行データを記録する記録領域と、運行計画を記録する記録領域と、がそれぞれ確保されている。
【0035】
揮発性記憶部119は、マイクロコンピュータ111のアクセスによりデータの読み出し及び書き込みが自在な揮発性メモリ(SDRAM)により構成されている。揮発性記憶部119は一時的にデータを格納するために利用される。
【0036】
モニタ出力部120は、表示用の出力部と、音声出力用の出力部とを備えている。表示用の出力部は、様々な情報を画面上に出力するために用いられる。具体的には、車載カメラ11が撮影した映像、検出した位置、車速、加速度等の情報、或いは異常発生に関する警告のメッセージなどを画面上に出力することができる。また、音声出力用の出力部は、異常発生に関する警告のメッセージなどを疑似音声の音響として出力することができる。
【0037】
<乗務員カードの作成の説明>
ドライブレコーダ100が利用する乗務員カード(メモリーカード118)に関する作成手順の例を
図2に示す。事務所内にある管理用の事務所PCが、
図2に示す処理を実行する。
【0038】
事務所PCは、所定のメモリーカード118が装着されたことをステップS101で検出すると、次のステップS102でドライブレコーダ100が収集した運行データをメモリーカード118から読み出し、事務所PCのメモリに記録する。
【0039】
そして、ステップS103では、カードの記憶内容を初期化する。その後、ステップS104では、乗務員カードを作成する。より具体的には、メモリーカード118に、該当する乗務員の識別コードなどの情報を書き込む。また、メモリに記録されている、該当する乗務員が当日に運行すべき車両の運行ルートのデータ(即ち、運行計画。)を事務所PCが乗務員カードの中に書き込む。
【0040】
各乗務員は、上記の手順により作成された自分の乗務員カードを、事務所PCから取り出して、当日に運行する車両上のドライブレコーダ100にメモリーカード118として装着してから運行を開始する。
【0041】
以上説明した一連の処理により、ドライブレコーダ100が収集してメモリーカード118に格納された運行データが事務所PCのメモリに記録され、事務所PCのメモリに記録されている運行計画がメモリーカード118を介してドライブレコーダ100に伝達される。
【0042】
<運行ルートの具体例>
1つの運行ルート上にある複数のバス停の並び順の具体例を
図3に示す。また、運行ルートのデータの構成例を
図4に示す。
【0043】
通常の路線バスの場合には、
図3に示すように、バスの運行を開始した後、運行ルートの経由地点である1番目のバス停(A)で停車し、顧客の乗降が済んだ後でバス停(A)を発車して2番目のバス停(B)に向かう。2番目のバス停(B)で再び停車し、顧客の乗降が済んだ後でバス停(B)を発車して3番目のバス停に向かう。このような運行を繰り返し、最後のバス停(Z)で当日の運行を終了する。
【0044】
したがって、例えばN個のバス停を順番に通過する運行ルートの場合には、
図4に示すような運行ルートのデータ(運行計画)が前述の乗務員カードの中に書き込まれる。
図4に示す例では、各々のバス停について、該当するn番目のバス停が存在する位置を表す位置座標(緯度/経度)Dpnと、該当するバス停を発車する予定時刻Dtnとのデータが含まれている。即ち、運行計画には、各経由地点と、当該経由地点に車両が位置すべき予定時刻と、を対応付けた情報が含まれている。ここで、予定時刻Dtnは、事前に顧客に対して公表されている時刻表の内容と一致するバス停毎の発車時刻である。
【0045】
<ドライブレコーダ100の動作の説明>
図1に示したドライブレコーダ100の主要な動作を
図5に示す。ドライブレコーダ100内のマイクロコンピュータ111が所定のプログラムを実行することにより、
図5に示す動作が実現される。
図5の各ステップの内容について以下に説明する。
【0046】
ステップS11では、マイクロコンピュータ111は、メモリーカード118としてドライブレコーダ100に装着された乗務員カードにアクセスし、このカード内に保持されている運行ルートのデータ(運行計画、
図4参照)を読み込む。
【0047】
ステップS12では、マイクロコンピュータ111はトリガ記録動作を開始する。即ち、当該動作の開始から後述するステップS23における動作の停止までの間において、加速度センサ117から取得した加速度の値が所定の閾値よりも大きくなった場合には、記録トリガが発生したと判定し、当該記録トリガが発生した時点の前後に亘る時間帯(例えば、30秒間。)に、車載カメラ11により取得された画像データを運行データとして記録する。
【0048】
ステップS13では、マイクロコンピュータ111は、運行ルートの中で現在参照すべきバス停のデータの番号を表す内部カウンタCnを初期化する。つまり、最初に1番目のバス停のデータを参照するために、内部カウンタCnに「1」が格納される。
【0049】
ステップS14では、マイクロコンピュータ111は、S11で読み込んだ運行ルートのデータの中から、現在の内部カウンタCnの値(n)に従って、n番目のバス停のデータDnを読み込む。例えば、内部カウンタCnの値(n)が「1」の場合には、
図4に示した1番目のバス停の位置座標Dp1及び該当するバス停を発車する予定時刻Dt1を読み込む。
【0050】
ステップS15では、マイクロコンピュータ111は、自車両の現在位置Pc、車速Vc、加速度Ac、現在時刻のそれぞれに関する最新の情報を取得する。
【0051】
車両の現在位置(緯度/経度)の情報はGPS受信機12の出力として得られる。車速の情報は、車速センサ13から出力される車速パルス信号に基づいて算出することができる。加速度の情報は、加速度センサ117が出力する信号に基づいて取得できる。現在時刻の情報はマイクロコンピュータ111が常時把握している。
【0052】
ステップS16では、マイクロコンピュータ111は、現在の加速度Acの値が、所定の閾値L1よりも大きいか否かを判定する。判定の結果、加速度Acの値が閾値L1よりも大きいと判定した場合には、ステップS17の処理を実行する。一方、判定の結果、加速度Acの値が閾値L1以下であると判定した場合には、ステップS18の処理を実行する。
【0053】
ステップS17では、マイクロコンピュータ111は、所定の時間(例えば、5秒。)だけ前から現在時刻(ステップS16にて、加速度Acの値が閾値L1よりも大きくなったと判定した時刻。)までの間に、車速Vcの値が所定の閾値L2以上減少したか否かを判定する。判定の結果、車速Vcの値がL2以上減少したと判定した場合には、再度ステップS15の処理を実行する。一方、判定の結果、車速Vcの値がL2以上減少していないと判定した場合には、ステップS18の処理を実行する。
【0054】
ステップS18では、マイクロコンピュータ111は、第1イベントが発生したこと(車両の状態が第1の危険状態に遷移したこと。)を運行データとして記録する。より具体的には、第1イベントが発生したことと、当該第1イベントが発生した時刻とを対応付けたデータ(第1イベント発生データ)を記録する。
これにより、車両の加速度Acの値が所定の閾値L1以上となった(車両に衝撃が発生した)時点の前に、車速Vcの値が所定の閾値L2以上減少していなかった(減速していなかった)場合に、車両の状態が第1の危険状態に遷移したと看做して、第1イベント発生データが記録される。
【0055】
ステップS19では、マイクロコンピュータ111は、現在の車速Vcの値が、所定の閾値L3よりも大きいか否かを判定する。判定の結果、車速Vcの値が閾値L3よりも大きいと判定した場合には、ステップS20の処理を実行する。一方、判定の結果、車速Vcの値が閾値L3以下であると判定した場合には、ステップS21の処理を実行する。
【0056】
ステップS20では、マイクロコンピュータ111は、第2イベントが発生したこと(車両の状態が第2の危険状態に遷移したこと。)を運行データとして記録する。より具体的には、第2イベントが発生したことと、当該第2イベントが発生した時刻とを対応付けたデータ(第2イベント発生データ)を記録する。
これにより、車両の車速Vcの値が所定の閾値L3以上となった場合に、車両の状態が第2の危険状態に遷移したと看做して、第2イベント発生データが記録される。
【0057】
ステップS21では、マイクロコンピュータ111は、車両がn番目のバス停に到着したか否かを判定する。より具体的には、マイクロコンピュータ111は自車両の現在位置Pcを運行ルートにおけるn番目の目的のバス停のデータDnの位置(Dpn)と比較する。目的のバス停の近傍で停車している場合はステップS22を実行し、目的のバス停の近傍でなければ再度ステップS15を実行する。
また、ステップS21では、マイクロコンピュータ111は、1つ前に到着すべきバス停である(n−1)番目のバス停を車両が発車してからn番目のバス停に到達するまでの運行に要した経過時間を運行データとして記録する。具体的には、当該経過時間と当該運行が実施された日時情報とを対応付けたデータ(経過時間データ)として記録する。
【0058】
ステップS22では、マイクロコンピュータ111は次のバス停のデータを参照できるように、前述の内部カウンタCnの値(n)をカウントアップする。
【0059】
ステップS23では、マイクロコンピュータ111は内部カウンタCnの値(n)と最後のバス停の番号(N)とを比較して、最後のバス停までの運行が終了したか否かを識別する。運行が終了してなければ、ステップS14に戻って上述の処理を繰り返す。
【0060】
<予定運行時間算出のための処理>
予定運行時間算出のための処理手順の具体例を
図6に示す。路線バスの運行を管理する企業等の事務所内に配置される事務所PCが、予定運行時間を算出するするためのプログラムを実行することにより
図6に示す動作を実現する。
【0061】
また、予定運行時間の算出処理において用いられるデータテーブルの具体例を
図7に示す。即ち、事務所PCは、
図7に示すデータテーブルに基づいて予定運行時間を算出する。
【0062】
まず、
図6に示す動作の各ステップにおける具体的な処理の内容を示す前に、当該処理が実行される時点において事務所PCのメモリに記録されているデータについて説明する。
【0063】
事務所PCのメモリには、上述した
図5に示す処理によってドライブレコーダ100により収集された運行データが、前述の
図2に示す処理によって乗務員カード(メモリーカード118)を介して伝達され、記録されている。より具体的には、事務所PCのメモリには、複数のドライブレコーダにより収集された運行データが、データベース形式で表現された運行記録データベースDB01として一括して保持されている。複数の乗務員カードからのデータ読み取りを毎日の運行終了後に、或いは定期的に繰り返すことにより、運行記録データベースDB01上には、各々の乗務員の毎日の運行データが、或いは車両毎の毎日の運行データが順次に蓄積されて記録されている。そして、事務所PCでは、当該運行記録データベースDB01に記録された運行データを用いて予定運行時間の算出を行う。
【0064】
また、事務所PCのメモリには、路線バスの現在の運行計画が運行計画データベースDB02に保持されている。この運行計画データベースDB02には、各バス停から、当該バス停の次に到達すべきバス停までの予定運行時間も保持されている。
【0065】
図6に示す各ステップにおける具体的な処理の内容を説明する。
管理者によって予定運行時間の算出処理の開始するための操作を受け付けた事務所PCは、ステップS61の処理を実行する。
【0066】
ステップS61では、事務所PCは、運行記録データベースDB01に登録されている運行データを検索し、管理者の操作によって指定された特定のバス停A(第1の経由地点)から、バス停Aの次に到達すべきバス停B(第2の経由地点)までの、指定された期間(例えば、過去6ヶ月間。)における運行に関する運行データを解析用データとして抽出する。
【0067】
ステップS62では、事務所PCは、ステップS61で抽出された解析用データにおける経過時間データに基づいて、上記指定された期間における経過時間を平均し、指定された期間における経過時間の平均値を算出する。
【0068】
ステップS63では、事務所PCは、ステップS61で抽出された解析用データにおける第1イベント発生データに基づいて第1イベントの発生頻度を算出し、当該発生頻度が所定の頻度(例えば、1ヶ月に1回。)を超えているか否かを判定する。当該判定の結果は、後述するステップS65の処理で利用される。
【0069】
ステップS64では、事務所PCは、ステップS61で抽出された解析用データにおける第2イベント発生データに基づいて第2イベントの発生頻度を算出し、当該発生頻度が所定の頻度(例えば、2ヶ月に1回。)を超えているか否かを判定する。当該判定の結果は、後述するステップS65の処理で利用される。
【0070】
ステップS65では、事務所PCは、ステップS62〜ステップS64における処理の結果に基づいて、現在の予定運行時間と、指定されたバス停間及び期間における経過時間の平均値と、第1イベント発生頻度に関する判定結果と、第2イベント発生頻度に関する判定結果と、を関連付けたデータテーブルを作成する。尚、現在の予定運行時間は、運行計画データベースDB02に基づいて特定される。
【0071】
ステップS66では、事務所PCは、ステップS65で作成したデータテーブルに基づいて、予定運行時間を算出する。具体的には、事務所PCは、第1イベントの発生頻度が上記所定の頻度を超えていると判定した場合には、経過時間の平均値に所定の第1の値(例えば、2分。)を加算する。また、事務所PCは、第2イベントの発生頻度が上記所定の頻度を超えていると判定した場合には、経過時間の平均値に所定の第2の値(例えば、1分。)を加算する。また、事務所PCは、第1イベントの発生頻度が上記所定の頻度を超えており、且つ、第2イベントの発生頻度が上記所定の頻度を超えていると判定した場合には、経過時間の平均値に上記第1の値及び第2の値を加算する。そして、得られた値を予定運行時間として算出する。
例えば、
図7に示した例では、算出された経過時間の平均値が11分で、第1イベントの発生頻度が所定の頻度を超えており、且つ、第2イベントの発生頻度が所定の頻度を超えている。したがって、平均値である11分に、第1イベントの発生頻度が所定の頻度を超えているために2分が加算され、さらに、第2イベントの発生頻度が所定の頻度を超えているために1分が加算され、結果、予定運行時間が14分と算出される。
【0072】
ステップS67では、事務所PCは、運行計画データベースDB02に記録された予定運行時間を、ステップS66で算出した予定運行時間に書き換える。
【0073】
以上の一連の処理により、複数のドライブレコーダ100が収集した運行データに基づいて予定運行時間が算出され、事務所PCに保持されているバス停Aからバス停Bまでの予定運行時間が当該算出された予定運行時間に書き換えられる。
【0074】
以下では、本実施形態に係る解析装置、及び予定運行時間算出システムの作用及び効果について説明する。
【0075】
本実施形態に係る解析装置は、車両が経由すべきバス停A(第1の経由地点)を車両が発車してから、該バス停Aの次に車両が到達すべきバス停B(第2の経由地点)に到達するまでの運行に要した時間である経過時間と、当該運行が実施された日時情報と、を対応付けた情報(経過時間データ)と、当該運行中に車両の状態が危険状態と看做せる状態に遷移した時刻を特定可能な情報(第1イベント発生データ、又は第2イベント発生データ)と、を含む運行データを記録する記録装置側記録部(メモリーカード118)を備え、車両に搭載されて当該車両に関する情報を自動的に収集する、少なくとも1つのドライブレコーダ(運行記録装置)100が収集した情報を受け付け可能な解析装置である。そして、本実施形態に係る解析装置は、ドライブレコーダ100から受け付けた、メモリーカード118に記録された運行データを記録するメモリ(解析装置側記録部)と、当該メモリに記録された運行データのうちの、指定された期間(例えば、6ヶ月。)内にドライブレコーダ100により取得された運行データである解析用データにおける、上記経過時間の平均値を算出し、解析用データにおける第1イベントの発生頻度が所定の頻度を超えている場合、又は解析用データにおける第2イベントの発生頻度が所定の頻度を超えている場合には、算出した経過時間の平均値に所定の値(例えば、1分。)を加算し、加算して得られた値をバス停Aからバス停Bまでの予定運行時間として算出する算出部(マイクロコンピュータ)と、を備えている。
これにより、バス停Aからバス停Bまでの運行中に、車両が危険状態に遷移する事象が予め定めた頻度よりも高い頻度で発生していた場合には、当該運行には、算出された平均値としての経過時間よりも長い時間を予定運行時間として設定すべきであると判断され、当該平均値よりも所定の値だけ大きい値が、安全な運行のために好適な予定運行時間として算出される。
この結果、本実施形態に係る解析装置によれば、より好適な予定運行時間を算出可能な解析装置を提供することができ、例えば算出された予定運行時間を、運行計画における新たな予定運行時間として利用することによって、車両が危険状態に遷移する事象の発生を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0076】
また、本実施形態に係る予定運行時間算出システムは、上記解析装置と、ドライブレコーダ100と、を備えている。
これにより、バス停Aからバス停Bまでの運行中に、車両が危険状態に遷移する事象が予め定めた頻度よりも高い頻度で発生していた場合には、当該運行には、算出された平均値としての経過時間よりも長い時間を予定運行時間として設定すべきであると判断され、当該平均値よりも所定の値だけ大きい値が、安全な運行のために好適な予定運行時間として算出される。
【0077】
また、本実施形態に係る予定運行時間算出システムでは、ドライブレコーダ100が、車両の加速度Acの値が所定の閾値L1以上となった衝撃検知時点の所定時間前(例えば、5秒前。)から該衝撃検知時点までの時間帯に、車両の車速Vcの値が所定の閾値L2以上減少していなかった場合(第1イベントが発生した場合)に、車両が危険状態に遷移したと看做している。
車両に衝撃が発生したにもかかわらず、当該衝撃発生時点の前に車両が減速していなかった場合には、乗客等に危険が及ぶ虞がある。本実施形態に係る予定運行時間算出システムでは、このような事象が予め定めた頻度よりも高い頻度で発生していた場合には、当該運行には、算出された平均値としての経過時間よりも長い時間を予定運行時間として設定すべきであると判断され、当該平均値よりも所定の値だけ大きい値が予定運行時間として算出される。これにより、車両に衝撃が発生したにもかかわらず、当該衝撃発生時点の前に車両が減速しない事象の発生を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る予定運行時間算出システムでは、ドライブレコーダ100が、車両の加速度Acの値が所定の閾値L1以上となった衝撃検知時点の所定時間前(例えば、5秒前。)から該衝撃検知時点までの時間帯に、車両の車速Vcの値が所定の閾値L2以上減少していなかった場合には、車両の状態が第1の危険状態に遷移した(第1イベントが発生した)と看做し、車両の車速Vcの値が所定の閾値L3以上となった場合には、車両の状態が第2の危険状態に遷移した(第2イベントが発生した)と看做している。そして、解析装置が、解析用データにおける第1イベントの発生頻度が所定の頻度(例えば、1ヶ月に1回。)を超えている場合には、算出した経過時間の平均値に第1の値(例えば、2分。)を加算し、解析用データにおける第2のイベントの発生頻度が所定の頻度(例えば、2ヶ月に1回。)を超えている場合には、算出した経過時間の平均値に第2の値(例えば、1分。)を加算し、解析用データにおける第1イベントの発生頻度が所定の頻度を超えており、且つ、第2のイベントの発生頻度が所定の頻度を超えている場合には、算出した経過時間の平均値に第1の値及び第2の値を加算する。
これにより、第1イベントの発生頻度及び第2イベントの発生頻度のそれぞれが、所定の頻度よりも高いか否かにしたがって、算出した経過時間の平均値に加算する値の大小が決定され、予定運行時間が算出される。これにより、安全な運行のために好適な予定運行時間を算出することができる。
【0079】
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
【0080】
例えば、本実施形態では、予定運行時間算出システムは、車載カメラ11により取得された画像データを記録する複数のドライブレコーダ100を運行記録装置として備えている構成としたが、少なくとも1つのドライブレコーダ100を備える構成であればよく、例えば単一のドライブレコーダ100のみを備える構成であっても構わない。
【0081】
また、本実施形態では、予定運行時間算出システムは、運行記録装置としてドライブレコーダ100を用いる構成としたが、デジタルタコグラフやナビゲーション装置を用いる構成としても構わない。
【0082】
また、本実施形態では、ドライブレコーダ100が、現在の加速度Acの値が所定の閾値L1を超えた後、所定の時間だけ前から、当該閾値L1を超えた時点までの間に、車速Vcの値が所定の閾値L2以上減少したか否かを判定し、判定の結果、車速Vcの値がL2以上減少したと判定した場合には、第1イベントが発生したことと、当該第1イベントが発生した時刻とを対応付けたデータ(第1イベント発生データ)を記録する構成としたが、車両の状態が危険状態と看做せる状態に遷移した時刻を特定可能なデータを記録する構成であればよく、例えば、加速度Acの値と車速Vcの値とを連続的に記録する構成としても構わない。この場合には、記録されたデータを受け付けた事務所PCが、当該データに基づいて、車両の状態が危険状態と看做せる状態に遷移した時刻を特定すればよい。即ち、運行記録装置としてのドライブレコーダ100ではなく、解析装置が、車両が危険状態と看做せる状態に遷移したか否かを判定する構成としても構わない。この点は、第2イベント発生の判定についても同様である。
【0083】
また、本実施形態では、解析用データにおける第1イベント及び第2イベントの発生頻度を算出し(ステップS63、ステップS64)、当該発生頻度が所定の頻度を超えているか否かにしたがって、経過時間の平均値に所定の値を加算するか否かを決定する構成としたが、解析用データにおける第1イベント及び第2イベントの発生回数を算出し、当該発生回数が所定の回数を超えているか否かにしたがって、経過時間の平均値に所定の値を加算するか否かを決定する構成としても構わない。
【0084】
また、本実施形態では、解析装置は、メモリーカード118を介してドライブレコーダ100が収集した運行データを受け付ける構成としたが、有線接続や無線通信によりドライブレコーダ100が収集した運行データを受け付け可能な構成としても構わない。
【0085】
また、本実施形態では、解析用データにおける第1イベント及び第2イベントの発生頻度を算出し、当該発生頻度が所定の頻度を超えているか否かにしたがって、経過時間の平均値に所定の値を加算するか否かを決定する構成としたが、第1イベント及び第2イベントのいずれか一方の発生頻度を算出し、当該発生頻度が所定の頻度を超えているか否かにしたがって、経過時間の平均値に所定の値を加算するか否かを決定する構成としても構わない。
また、本実施形態では、第1イベント及び第2イベントが発生した場合に、車両の状態が危険状態と看做せる状態に遷移したと特定する構成としたが、その他の場合に車両の状態が危険状態と看做せる状態に遷移したと特定する構成としても構わない。例えば、車両の加速度Acの値が所定の閾値以上となった場合に、危険状態に遷移したと特定しても構わない。