特許第5961573号(P5961573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5961573拡散手段が一体化されたバックライトユニット用プリズムシート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961573
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】拡散手段が一体化されたバックライトユニット用プリズムシート
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20160719BHJP
   F21V 5/00 20150101ALI20160719BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20160719BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   G02B5/02 C
   F21V5/00 310
   F21V5/00 530
   F21V5/02 100
   F21V5/02 300
   G02F1/13357
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-44744(P2013-44744)
(22)【出願日】2013年3月6日
(62)【分割の表示】特願2009-548156(P2009-548156)の分割
【原出願日】2008年1月31日
(65)【公開番号】特開2013-137569(P2013-137569A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2013年4月1日
【審判番号】不服2015-6249(P2015-6249/J1)
【審判請求日】2015年4月2日
(31)【優先権主張番号】10-2007-0010774
(32)【優先日】2007年2月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509209487
【氏名又は名称】オンヌリ電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】509209476
【氏名又は名称】チェ ス
(73)【特許権者】
【識別番号】509209498
【氏名又は名称】ソン ギ スク
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】ソン ギ スク
【合議体】
【審判長】 鉄 豊郎
【審判官】 清水 康司
【審判官】 渡邉 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−502010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B5/02
F21V5/00-5/04
G02F1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトユニット用プリズムシートにおいて、
下面に深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成された下層拡散部と;
上記下層拡散部の上面に形成された下層部と;
上記下層部の上面に形成され、柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている中層部と;
上層部と;
上記上層部の上面に形成され、高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成された上層拡散部を含み、
上記上層部と上記中層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記の中層部のプリズム状突出部の頂点部と上記上層部は、接着剤により一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシート。
【請求項2】
バックライトユニット用プリズムシートにおいて、
下面に高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成された下層拡散部と;
上記下層拡散部の上面に形成された下層部と;
上記下層部の上面に形成され、柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている中層部と;
上層部と;
上記上層部の上面に形成され、高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成された上層拡散部を含み、
上記上層部と上記中層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記の中層部のプリズム状突出部の頂点部と上記上層部は、接着剤により一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシート。
【請求項3】
バックライトユニット用プリズムシートにおいて、
下面に深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成された下層拡散部と;
上記下層拡散部の上面に形成された下層部と;
上記下層部の上面に形成され、柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている中層部と;
上層部と;
上記上層部の上面に形成され、深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成された上層拡散部を含み、
上記上層部と上記中層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記の中層部のプリズム状突出部の頂点部と上記上層部は、接着剤により一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシート。
【請求項4】
バックライトユニット用プリズムシートにおいて、
下面に高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成された下層拡散部と;
上記下層拡散部の上面に形成された下層部と;
上記下層部の上面に形成され、柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている中層部と;
上層部と;
上記上層部の上面に形成され、深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成された上層拡散部を含み、
上記上層部と上記中層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記の中層部のプリズム状突出部の頂点部と上記上層部は、接着剤により一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシート。
【請求項5】
バックライトユニット用プリズムシートにおいて、
下面に深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成されて上面に柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている下層部と;
上層部と;
上記上層部の上面に形成され、上面に高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成された上層拡散部を含み、
上記上層部と上記下層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記下層部のプリズム状突出部の頂点部と上記上層部は、接着剤により一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシート。
【請求項6】
バックライトユニット用プリズムシートにおいて、
下面に高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成されて上面に柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている下層部と;
上層部と;
上記上層部の上面に形成され、上面に高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成された上層拡散部を含み、
上記上層部と上記下層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記下層部のプリズム状突出部の頂点部と上記上層部は、接着剤により一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシート。
【請求項7】
バックライトユニット用プリズムシートにおいて、
下面に深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成されて上面に柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている下層部と;
上層部と;
上記上層部の上面に形成され、上面に深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成された上層拡散部を含み、
上記上層部と上記下層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記下層部のプリズム状突出部の頂点部と上記上層部は、接着剤により一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシート。
【請求項8】
バックライトユニット用プリズムシートにおいて、
下面に高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成されて上面に柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている下層部と;
上層部と;
上記上層部の上面に形成され、上面に深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成された上層拡散部を含み、
上記上層部と上記下層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記下層部のプリズム状突出部の頂点部と上記上層部は、接着剤により一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は拡散手段が一体化されたバックライトユニット用プリズムシートに関する。更に詳しくはプリズムシートの上下面に拡散層が結合され、内部にプリズム状突出部が形成されているバックライトユニット用プリズムシートに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来のバックライトユニットの構成を示した図面である。
【0003】
図1に示すように従来のバックライトユニットは線光源である蛍光ランプ1と蛍光ランプ1の光を反射させるランプ反射板2が蛍光ランプ1からの光を面光源に切替えるための導光板3の一側面に配置され、導光板3の下部には光の漏出を阻止するための反射シート4が配置されている。導光板3の上部には光を均一に拡散させるための拡散シート5があり、その上には散乱した光を集光させるためにそれぞれ三角状の扇状プリズム8、9を多数有しているプリズムシート6、7が置かれている。二枚のプリズムシート6、7は扇状プリズム8、9が相互直角になるように配置されており、それぞれ異なる方向の光を集光し、上部のプリズムシート9上にはプリズムを引っ掻きから保護し、かつ異物の侵入を防止するための保護のシート10が配置されており、各構成等は相互組み立てによってバックライトユニットになる。
【0004】
従来のプリズムシートは片面がプリズム状の突出部と凹部から成り、バックライトユニットの組み立て時に、プリズムの引っ掻きによる不良、プリズム状突出部間の谷に微細な異物が侵入して生じる不良及び保護シートとの摩擦によるプリズム状突出部の傷の発生による不良など、慎重に組み立てても多くの組み立て不良が発生して生産性が下がり、不良発生時の再製作による材料費損失も大きなものとなっている。
【0005】
また、組み立て時にも、拡散シートとプリズムシートそして保護シートを順に別々に積層しなければならないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明はプリズムを引っ掻きから保護し、バックライトユニットの組み立て時のプリズム状突出部間の谷部位への異物の侵入を防止するために、また、組み立て時間を減らして組み立て作業を単純化してコストを減らすために、種々の光学シートを一体的に積層し、かつプリズムシートの外面に拡散層が形成され、プリズム状突出部がプリズムシートに形成され、拡散手段が一体化されたプリズムシートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バックライトユニット用プリズムシートにおいて、下面に深さが1μm−150μmの多数の半球状の凹所が形成された下層拡散部と;上記下層拡散部の上面に形成された下層部と;上記下層部の上面に形成され、柱状のプリズム形状が互いに平行に複数個形成されている第1の中層部と;第2の中層部と;上記第2の中層部の上面に形成された上層部と;上記上層部の上面に形成され、高さが1μm−150μmの多数の半球状の突出部が形成された上層拡散部を含み、上記第2の中層部と前記第1の中層部のプリズム状突出部の谷部位の間に空気層が形成されており、上記第1の中層部と上記第2の中層部とは融着によって互いに一体化されていることを特徴とする拡散手段が一体化されたプリズムシートである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プリズム状突出部がプリズムシートに形成され、プリズムシートに拡散層が結合されているため、バックライトユニット組み立て時の引っ掻きや異物侵入による不良率を大幅に減少させることができ、他のシートとの摩擦による白点発生も減るため、作業性が向上し、これによる不良率を大きく減らして生産性を向上させることができる。また種々の光学シートを一体に積層して形成できるため、組み立て時間を減らして組み立て作業を単純化し、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来のバックライトユニットを示した分解斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図3図2の下層拡散部に形成された突出部の大きさと密度を制限した拡散手段が一体化されたプリズムシートの下部斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図5】本発明の第3の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図6】本発明の第4の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図7】本発明の第5の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図8】本発明の第6の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図9】本発明の第7の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図10】本発明の第8の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図11】本発明の第9の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図12】本発明の第10の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図13】本発明の第11の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図14】本発明の第12の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
図15】本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
図16】本発明の第2の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
図17】本発明の第5の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
図18】本発明の第9の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
図19】本発明の第11の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態についてその構成及び作用を詳細に説明する。
【0011】
図2は、本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
【0012】
本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図2に示すように、下層拡散部110と、下層部120と、第1の中層部130と、第2の中層部140と、上層部150と、上層拡散部160及び空気層170からなる。
【0013】
下層拡散部110及び上層拡散部160は、光を均一に拡散させるための構成で、下層拡散部110は下面に光を拡散させる多数の半球状突出部が形成され、上層拡散部160は上面に光を拡散させる多数の半球状突出部が形成される。
【0014】
下層拡散部110及び上層拡散部160に形成される突出部の高さは1から150マイクロメートルの間である。
【0015】
下層拡散部110に形成される突出部の高さを1から50マイクロメートル間で制限しつつ突出部の密度を制限して、図3に示すように各突出部間に間隙が形成されると、それによって拡散機能よりもすべり防止機能を有するようになる。
【0016】
上記下層部120及び上記上層部150は、PET(polyethylene terephthalate)などの合成樹脂で構成される。
【0017】
上記下層拡散部110、第1の中層部130、第2の中層部140及び上層拡散部160は、紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂から構成される。
【0018】
上記第1の中層部130には、拡散手段が一体化されたプリズムシートの上下面の垂直方向に光を集めるための、断面三角形または三角形に類似した五面以上を有する多角形のプリズム状の多数の突出部が互いに平行に形成されている。
【0019】
上記第1の中層部130のプリズム状突出部の稜線(ridges)133は、上記第2の中層部140の下面と融着によって相互接着され一体になり、上記第2の中層部140の下面と上記プリズム状突出部の谷部位136の間に空気層170が形成されている。
【0020】
上記空気層170を形成する理由は、空気の屈折率は1であり、空気以外の他の物質はその屈折率が1より大きいため、スネル(Snell’s)の法則によって、空気以外の他の物質で満たされている場合には、拡散手段が一体化されたプリズムシートの上下面の垂直方向への集光効果が下がるので、集光効果の最大効率を得るためである。
【0021】
導光板から出た光は、拡散シートと積層一体化させて拡散機能を実現したプリズムシートによって、拡散され、集光された後、再度拡散され、それによって望ましいバックライトでの輝度と視野角が得られる。この場合、一般のプリズムシート使用時の引っ掻きによる不良と複数の光学シート組み立て作業の不便が除去され、シート組み立ての作業性と生産性を大幅に改善し、コストの低減をはかることができる。
【0022】
図4は、本発明の第2の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
【0023】
本発明の第2の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図4に示すように、下層拡散部210と、下層部120と、第1の中層部130と、第2の中層部140と、上層部150と、上層拡散部220及び空気層170からなる。
【0024】
下層拡散部210及び上層拡散部220は光を均一に拡散させるための構成で、下層拡散部210は下部に光を拡散させる多数の半球状凹所が形成され、上層拡散部220は上部に光を拡散させる多数の半球状凹所が形成されている。
【0025】
下層拡散部210及び上層拡散部220に形成される凹所の深さは1−150マイクロメートル(μm)間である。
【0026】
図3に示された下層拡散部110と同様に、下層拡散部210に形成される凹所の深さを1から50マイクロメートル間に制限しつつ凹所の密度を制限して、各凹所間に間隙が形成されると、それによって拡散機能よりもすべり防止機能を有するようになる。
【0027】
下層部120と、第1の中層部130と、第2の中層部140と、上層部150及び空気層170は、上記本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0028】
本発明による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図5に示すように下層拡散部210と上層拡散部160が提供され(第3の実施形態)、図6に示すように下層拡散部110と上層拡散部220が提供されるような仕方で製造される(第4の実施形態)。
【0029】
図7は、本発明の第5の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
【0030】
本発明の第5の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図7に示すように、下層拡散部110と、下層部120と、中層部300と、上層部150と、上層拡散部160及び空気層170からなる。
【0031】
上記中層部300のプリズム状突出部の稜線310には接着剤320が少量塗られており、上記プリズム状突出部の稜線310と上記上層部150の下面が接着剤によって相互接着されて一体になる。上記接着剤にはシリコン−ウレタンハイブリッド構造のSUポリマー、アクリルポリマー、ポリエステル系ポリマーなどの高透明ポリマーが使用される。この時、接着剤をあまりにも多くつけて接着するとプリズム機能が弱化され、汚れ不良が生ずるので相互接着を維持する程度の少量を使用することが好ましい。
【0032】
上記下層拡散部110と、下層部120と、上層部150と、上層拡散部160及び空気層170は、本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの構成と同様であるので詳細な説明は略する。
【0033】
本発明の第5の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図8に示すように、下層拡散部110と上層拡散部160を下層拡散部210と上層拡散部220に入れ替えられ(第6の実施形態)、図9に示すように、下層拡散部210と上層拡散部160が提供され(第7の実施形態)、図10に示すように、下層拡散部110と上層拡散部220が提供されるような仕方で変更される(第8の実施形態)。
【0034】
図11は、本発明の第9の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
【0035】
本発明の第9の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図11に示すように、PC下層部400と、上層部150と、上層拡散部160及び空気層170からなる。
【0036】
上記PC下層部400は、PC(ポリカーボネート)から構成され、上記下層部400の上面には平らなプリズムシートの上下面の垂直方向に光を集めるための、断面三角形または三角形と類似の五面以上の多角形のプリズム状突出部が相互平行に複数個形成されており、下面には光を拡散させる多数の半球状突出部が形成される。
【0037】
上記PC下層部400に形成される突起の高さは1から150マイクロメートルの間である。
【0038】
図3に示された下層拡散部110と同様に、上記PC下層部400に形成される突出部の高さを1から50マイクロメートルの間に制限しつつ、突出部の密度を制限して、各突出部間に間隙が形成されると、それによって拡散機能よりもすべり防止機能を有するようになる。
【0039】
上記PC下層部400のプリズム状突出部の稜線410には接着剤420が少量塗られており、上記プリズム状突出部の稜線と上記上層部150の下面が接着剤によって相互接着されて一体になっている。上記接着剤はシリコン−ウレタンハイブリッド構造のSUポリマー、アクリルポリマー、ポリエステル系ポリマーなどの高透明ポリマーが使用される。この時に接着剤をあまりにも多くつけて接着する場合にはプリズム機能が弱化され、汚れ不良が生ずるので相互接着を維持する程度の少量を使用することが好ましい。
【0040】
上記上層部150と、上層拡散部160及び空気層170は、上記本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0041】
本発明の第10の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図12に示すように、上層拡散部160を上層拡散部220に入れ替えて生成することもできる(第10の実施形態)。
【0042】
図13は、本発明の第11の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの斜視図である。
【0043】
本発明の第11の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図13に示すように、PC下層部500と、上層部150と、上層拡散部160及び空気層170からなる。
【0044】
上記PC下層部500はPC(ポリカーボネート)で構成され、上記下層部500の上面には平らなプリズムシートの上下面の垂直方向に光を集めるための断面三角形または三角形と類似の五面以上の多角形のプリズム状の突出部が相互平行に複数個形成されおり、下面には光を拡散させる多数の半球状凹所が形成される。
【0045】
上記PC下層部500に形成される凹所の深さは1から150マイクロメートル間である。
【0046】
上記PC下層部500のプリズム状突出部の稜線510には接着剤520が少量塗られており、上記プリズム状突出部の稜線と上記上層部150の下面が接着剤によって相互接着され、一体になっている。上記接着剤ではシリコン−ウレタンハイブリッド構造のSUポリマー、アクリルポリマー、ポリエステル系ポリマーなどの高透明ポリマーが使用される。この時に接着剤をあまりにも多くつけて接着する場合にはプリズム機能が弱化され、汚れ不良が生ずるので相互接着を維持する程度の少量を使用することが好ましい。
【0047】
上記上層部150と、上層拡散部160及び空気層170は、上記本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートの構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0048】
本発明の第11の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートは、図14に示すように、上層拡散部160を上層拡散部220に入れ替えるような仕方で変更することもできる(第12の実施形態)。
【0049】
図15は、本発明の第1の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
【0050】
その製造方法は、上記下層部120の下面に未硬化(uncured)状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第1段階(S110)と、
上記第1段階で下面にアクリル樹脂が塗られた下層部120を、多数の半球状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層に多数の半球状突出部を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記多数の半球状突出部が形成されたアクリル樹脂層を完全に硬化させて下層拡散部110を形成する第2段階(S120)と、
上記下層部120の上面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第3段階(S130)と、
上記第3段階で上面にアクリル樹脂が塗られた下層部120を、プリズム状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層にプリズム状突出部を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記プリズム状突出部を有するアクリル樹脂層を完全に硬化させて第1の中層部130を形成する第4段階(S140)と、
上記上層部150の上面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第5段階(S150)と、
上記第5段階で上面にアクリル樹脂が塗られた上層部150を、多数の半球状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層に多数の半球状突出部を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記多数の半球状突出部が形成されたアクリル樹脂層を完全に硬化させて上層拡散部160を形成する第6段階(S160)と、
上記上層部150の下面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗って未硬化状態のアクリル樹脂層を形成し、上記上層部150に塗られた未硬化状態のアクリル樹脂が上記第1の中層部130のプリズム状突出部を伝って流れ落ちないようにするために、上記下層部120を上記上層部150の上側に位置させた状態で、上記第1の中層部130のプリズム状突出部の稜線と上記上層部150の未硬化状態のアクリル樹脂層が当接するように上記下層部120及び上層部150を相互密着させるが、上記プリズム状突出部の稜線は上記上層部150の一面と直接当接せず、上記上層部150のアクリル樹脂層に僅かにオーバーラップする程度の圧力で密着させる第7段階(S170)と、
上記上層部150の下面のアクリル樹脂層を、紫外線を照射するか熱を与えて硬化させ、第2の中層部140を形成する第8段階(S180)と、を含んでいる。
【0051】
図16は、本発明の第2の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
【0052】
その製造方法は、上記下層部120の下面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第1段階(S210)と、
上記第1段階で下面にアクリル樹脂が塗られた下層部120を多数の半球状突出部を有するロールに通過させ、アクリル樹脂層に多数の半球状凹所を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記多数の半球状凹所が形成されたアクリル樹脂層を完全に硬化させて下層拡散部210を形成する第2段階(S220)と、
上記下層部120の上面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第3段階(S230)と、
上記第3段階で上面にアクリル樹脂が塗られた下層部120を、プリズム状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層にプリズム状突出部を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記プリズム状突出部を有するアクリル樹脂層を完全に硬化させ、第1の中層部130を形成する第4段階(S240)と、
上記上層部150の上面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第5段階(S250)と、
上記第5段階で上面にアクリル樹脂が塗られた上層部150を多数の半球状突出部を有するロールに通過させ、アクリル樹脂層に多数の半球状凹所を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記多数の半球状凹所が形成されたアクリル樹脂層を完全に硬化させて上層拡散部220を形成する第6段階(S260)と、
上記上層部150の下面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗って、未硬化状態のアクリル樹脂層を形成し、上記上層部150に塗られた未硬化状態のアクリル樹脂が上記第1の中層部130のプリズム状突出部を伝って流れ落ちないようにするために、上記下層部120を上記上層部150の上側に位置させた状態で、上記第1の中層部130のプリズム状突出部の稜線と上記上層部150の未硬化状態のアクリル樹脂層が当接するように上記下層部120及び上層部150を相互密着させるが、上記プリズム状突出部の稜線が上記上層部150の一面と直接当接することなく、上記上層部150のアクリル樹脂層に僅かにオーバーラップする程度の圧力で密着させる第7段階(S270)と、
上記上層部150の下面のアクリル樹脂層を、紫外線を照射するか熱を与えて完全に硬化させて第2の中層部140を形成する第8段階(S280)を含んでいる。
【0053】
図17は本発明の第5の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
【0054】
その製造方法は、上記下層部120の下面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第1段階(S310)と、
上記第1段階で下面にアクリル樹脂が塗られた下層部120を多数の半球状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層に多数の半球状突出部を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記多数の半球状突出部が形成されたアクリル樹脂層を完全に硬化させて下層拡散部110を形成する第2段階(S320)と、
上記下層部120の上面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第3段階(S330)と、
上記第3段階で上面にアクリル樹脂が塗られた下層部120をプリズム状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層にプリズム状突出部を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記プリズム状突出部を有するアクリル樹脂層を完全に硬化させて中層部300を形成する第4段階(S340)と、
上記上層部150の上面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第5段階(S350)と、
上記第5段階で上面にアクリル樹脂が塗られた上層部150を多数の半球状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層に多数の半球状突出部を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記多数の半球状突出部が形成されたアクリル樹脂層を完全に硬化させて上層拡散部160を形成する第6段階(S360)と、
上記中層部300のプリズム状突出部の稜線310に接着剤320を塗って、上記上層部と当接するように上記下層部120及び上層部150を相互密着させる第7段階(S370)と、
上記中層部300に塗られた接着剤320を乾燥させる第8段階を含んでいる。
【0055】
図18は、本発明の第9の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
【0056】
その製造方法は、PCで形成されたPC下層部400を、プリズム状凹所を有する上部ロールと、多数の半球状凹所を有する下部ロール間に通過させて、上面にはプリズム状突出部を、また下面には多数の半球状突出部を形成し、上記PC下層部400に紫外線を照射するか熱を与えて硬化させる第1段階(S410)と、
上記上層部150の上面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第2段階(S420)と、
上記第2段階で上面にアクリル樹脂が塗られた上層部150を多数の半球状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層に多数の半球状突出部を形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記多数の半球状突出部が形成されたアクリル樹脂層を完全に硬化させて上層拡散部160を形成する第3段階(S430)と、
上記PC下層部400のプリズム状突出部の稜線410に接着剤420を塗り付け、上記上層部と当接するように上記PC下層部400及び上層部150を相互密着させる第4段階(S430)と、
上記PC下層部400に塗られた接着剤420を乾燥させる第5段階を含んでいる。
【0057】
図19は本発明の第11の実施形態による拡散手段が一体化されたプリズムシートを製造する方法を説明するためのフロー図である。
【0058】
その製造方法は、PCで形成されたPC下層部500をプリズム状凹所を有する上部ロールと、多数の半球状突出部を有する下部ロール間に通過させて上面にはプリズム状突出部を、また下面には多数の半球状凹所を形成し、上記PC下層部500に紫外線を照射するか熱を与えて硬化させる第1段階(S510)と、
上記上層部150の上面に未硬化状態の紫外線硬化性または熱硬化性アクリル樹脂を一定厚さで塗る第2段階(S520)と、
上記第2段階で上面にアクリル樹脂が塗られた上層部150を多数の半球状凹所を有するロールに通過させてアクリル樹脂層に多数の半球状を突出部形成し、紫外線を照射するか熱を与えて上記多数の半球状凹所が形成されたアクリル樹脂層を完全に硬化させて上層拡散部160を形成する第3段階(S530)と、
上記PC下層部500のプリズム状突出部の稜線510に接着剤520を塗り付け、上記上層部と当接するように上記PC下層部500及び上層部150を相互密着させる第4段階(S530)と、
上記PC下層部500に塗られた接着剤520を乾燥させる第5段階を含んでいる。
【0059】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者は本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更しないで他の具体的な形態で実施できるということが理解できる。従って、以上で記述された実施形態はすべての面から例示的なことであり限定的ではない。
【符号の説明】
【0060】
110・・・下層拡散部、120・・・下層部、130・・・第1の中層部、140・・・第2の中層部、150・・・上層部、160・・・上層拡散部、170・・・空気層、133・・・稜線、136・・・谷部位。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19