特許第5961574号(P5961574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5961574-バランスウェイト切断装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961574
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】バランスウェイト切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/06 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   B26D1/06 Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-62930(P2013-62930)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-184544(P2014-184544A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207791
【氏名又は名称】大豊工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】大矢 亮三
(72)【発明者】
【氏名】和田 真一
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−103497(JP,A)
【文献】 特開平10−142094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/06
B26F 1/00
B26D 3/08
F16F 15/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面粘着テープの一方の粘着面に、複数のウェイト分体が並べて貼設され、他方の粘着面が剥離紙で保護されたバランスウェイトを、隣接した二つの該ウェイト分体の間で切断するバランスウェイト切断装置であって、
該一方の粘着面側から該両面粘着テープに押し付けられて該両面粘着テープを切断する切断刃と、
該両面粘着テープの他方の粘着面側であって、該切断刃が押し付けられる部分に位置し、該切断刃が押し付けられたときに該剥離紙が該押し付けられた方向に変位することを許容する受け部材と、
を有することを特徴とするバランスウェイト切断装置。
【請求項2】
前記受け部材は、前記剥離紙との当接面が、前記切断刃が押し付けられたときに該切断刃の変位に合わせて変位する弾性部材よりなる請求項1記載のバランスウェイト切断装置。
【請求項3】
前記切断刃は、隣接した二つの前記ウェイト分体の間の間隔が開いた状態で前記粘着テープに押し付けられる請求項1〜2のいずれか1項に記載のバランスウェイト切断装置。
【請求項4】
隣接した二つの前記ウェイト分体の間の間隔が開く方向に湾曲した湾曲面上に前記バランスウェイトが載置された状態で、前記切断刃が押し付けられる請求項1〜3のいずれか1項に記載のバランスウェイト切断装置。
【請求項5】
前記バランスウェイトは、前記両面粘着テープが帯状を有し、複数の前記ウェイト分体が該帯状の長手方向に沿って並んで貼設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のバランスウェイト切断装置。
【請求項6】
帯状の前記バランスウェイトを所定の質量に切断する請求項1〜5のいずれか1項に記載のバランスウェイト切断装置。
【請求項7】
バランスウェイト貼付装置に用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載のバランスウェイト切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バランスウェイト切断装置に関し、詳しくは、両面粘着テープの一方の粘着面に複数のウェイト分体が並べて貼設されたバランスウェイトを切断する切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両のタイヤをホイールに組み込んだホイールアッセンブリ状態において、ホイールアッセンブリの回転軸まわりの周方向及び回転軸方向のアンバランスが大きくなると、走行時に振動、騒音等の発生というような不具合が生じるようになる。この振動や騒音は、ホイールのアンバランスに起因して発生する。このアンバランスを打ち消すために、バランスウェイトをホイールに組み付けている。
【0003】
ホイールに組み付けられるバランスウェイトとしては、略帯状の平板状に形成されたウェイトを両面粘着テープにより貼着してホイールに組み付けるバランスウェイトがある。また、このウェイトが複数のウェイト分体から形成されたバランスウェイトもある。
【0004】
このバランスウェイトは、両面粘着テープのホイールとの粘着面を剥離紙が被覆している。この剥離紙により、ホイールに組み付ける前の状態において、粘着面が保護される。そして、ホイールに組み付けるときに剥離紙を剥がして粘着面を露出させ、ホイールに貼着する(組み付ける)。
【0005】
このウェイトに複数のウェイト分体を有するバランスウェイトは、特許文献1に記載のアンバラス修正用ウェイト作製装置等によりホイールのアンバランスを打ち消すための所定の質量となるようにその質量が調節された後に、ホイールに組み付けられる。特許文献1には、複数のウェイト分体を有するバランスウェイトを、所定の質量となるように所定の長さで送り出し、切断する。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、剥離紙が両面粘着テープから剥離した状態(ホイールへの粘着面が露出した状態)でバランスウェイトが送り出され、切断される。このとき、剥離紙が剥離した両面粘着テープの表面が払い出し台の上面を滑るように搬送される。すなわち、剥離紙が剥離した両面粘着テープの粘着面が、ホイールに組み付けられる前に別の部材(この払い出し台の上面)と接触している。このため、払い出し台の上面に存在したホコリ等の異物により両面粘着テープの粘着面が汚染され、ホイールへの貼付力の低下が生じるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−142094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、バランスウェイトの粘着面に粘着力の低下を生じさせることなく、所定の質量となるように切断することができるバランスウェイト切断装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者等は切断装置について検討を重ねた結果、バランスウェイトの粘着面が剥離紙で保護されている状態でバランスウェイトの両面粘着テープを切断する切断装置とすることで上記課題を解決できることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明のバランスウェイト切断装置は、両面粘着テープの一方の粘着面に、複数のウェイト分体が並べて貼設され、他方の粘着面が剥離紙で保護されたバランスウェイトを、隣接した二つのウェイト分体の間で切断するバランスウェイト切断装置であって、一方の粘着面側から両面粘着テープに押し付けられて両面粘着テープを切断する切断刃と、両面粘着テープの他方の粘着面側であって、切断刃が押し付けられる部分に位置し、切断刃が押し付けられたときに剥離紙が、押し付けられた方向に変位することを許容する受け部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のバランスウェイト切断装置は、両面粘着テープの他方の粘着面が剥離紙で保護された状態で、両面粘着テープが切断される。すなわち、両面粘着テープが切断されるときに、他方の粘着面が保護されている。このため、両面粘着テープの他方の粘着面の汚染が抑えられ、その結果として、バランスウェイトのホイールへの粘着力の低下が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例のバランスウェイト切断装置の構成を示した図である。
図2】実施例のバランスウェイト切断装置の切断部の構成を示した拡大図である。
図3】実施例のバランスウェイト切断装置で切断されるバランスウェイトの構成を示した図である。
図4】実施例のバランスウェイト切断装置で切断刃がバランスウェイトに押し付けられた状態を示した図である。
図5】実施例のバランスウェイト切断装置で切断刃が剥離紙を押し込んでいる状態を示した図である。
図6】実施例のバランスウェイト切断装置を備えたバランスウェイト貼付装置の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のバランスウェイト切断装置は、両面粘着テープの一方の粘着面に、複数のウェイト分体が並べて貼設され、他方の粘着面が剥離紙で保護されたバランスウェイトを、隣接した二つのウェイト分体の間で切断するバランスウェイト切断装置である。
【0014】
本発明のバランスウェイト切断装置は、バランスウェイトの両面粘着テープを隣接した二つのウェイト分体の間で切断することで、所定の質量のバランスウェイトを製造することができる。
そして、本発明のバランスウェイト切断装置は、切断刃と、受け部材と、を有する。
【0015】
切断刃は、一方の粘着面側から両面粘着テープに押し付けられて両面粘着テープを切断する部材である。切断刃が両面粘着テープを切断することで、バランスウェイトを所望の長さ(質量)とすることができる。
【0016】
受け部材は、両面粘着テープの他方の粘着面側であって、切断刃が押し付けられる部分に位置し、切断刃が押し付けられたときに剥離紙が押し付けられた方向に変位することを許容する部材である。
【0017】
受け部材は、両面粘着テープの他方の粘着面側であって、切断刃が押し付けられる部分に位置する。つまり、受け部材は、切断刃が押し付けられる方向の延長線上に位置する。この位置で、受け部材は、切断刃が押し付けられたときに、切断刃の力を受けて両面粘着テープの切断に寄与する。
【0018】
この受け部材は、両面粘着テープを切断しようとして切断刃が両面粘着テープに押し付けられたときに、剥離紙が押し付けられた方向に変位することを許容する。つまり、切断刃が押し付けられたら、切断刃により両面粘着テープは切断されるが、剥離紙は、許容された変移をすることで、切断されない。
【0019】
この結果、本発明のバランスウェイト切断装置は、両面粘着テープの他方の粘着面の汚染が抑えられ、その結果として、バランスウェイトのホイールへの粘着力の低下が抑えられる。
【0020】
受け部材は、切断刃が両面粘着テープに押し付けられたときに、剥離紙が押し付けられた方向に変位することを許容することができれば、その構成が特に限定されるものではない。なお、受け部材は、バランスウェイトを、他方の粘着面側からその表面が変移可能な状態で支持する部材であることが好ましい。受け部材が他方の粘着面側からバランスウェイトを支持することで、押し付けられた切断刃が、両面粘着テープを切断することができる。この受け部材としては、たとえば、押し付けられた切断刃と共に剥離紙が押し込まれるすき間を有する部材や、弾性変形可能な部材、をあげることができる。
【0021】
受け部材は、両面粘着テープに押し付けられて両面粘着テープを切断した切断刃が、押し付ける方向から後退したときに、変移した剥離紙の位置を戻す構成であることが好ましい。すなわち、受け部材は、剥離紙との当接面が、切断刃が押し付けられたときに切断刃の変位に合わせて変位する弾性部材よりなることが好ましい。この弾性部材としては、たとえば、弾性樹脂よりなる部材,内部に流体(気体や液体)が充填したバルーン,表面部をバネ等の弾性体で支持した部材等をあげることができる。本発明において、受け部材は、弾性樹脂よりなる部材であることがより好ましい。
【0022】
本発明のバランスウェイト切断装置では、切断刃は、隣接した二つのウェイト分体の間の間隔が開いた状態で粘着テープに押し付けられることが好ましい。隣接した二つのウェイト分体の間の間隔が開いた状態となることで、切断刃が両面粘着テープに押し付けられたときに、隣接した二つのウェイト分体の側面(互いに対向した面)に切断刃が当たることが抑えられる。
【0023】
また、隣接した二つのウェイト分体の間の間隔が開いた状態となることで、両面粘着テープの切断刃が当たる表面の部分には、面が広がる方向の力がかかるようになる。この面が広がる方向の力により、切断刃が押し付けられたときに、両面粘着テープに弾性変形が生じにくくなり、切断刃による両面粘着テープの切断が促進される。
【0024】
本発明のバランスウェイト切断装置では、隣接した二つのウェイト分体の間の間隔が開く方向に湾曲した湾曲面上にバランスウェイトが載置された状態で、切断刃が押し付けられることが好ましい。
【0025】
湾曲面上にバランスウェイトを載置することで、隣接した二つのウェイト分体の間の間隔が開いた状態となる。この状態で切断刃が両面粘着テープに押し付けられることで、隣接した二つのウェイト分体の側面(互いに対向した面)に切断刃が当たることが抑えられる。また、切断刃による両面粘着テープの切断が促進される。
【0026】
なお、湾曲面とは、その面上にバランスウェイトを載置したときに、隣接した二つのウェイト分体の間の間隔が開いた状態となるように湾曲した表面を示す。すなわち、載置されるバランスウェイトでウェイト分体が並ぶ方向に沿って、湾曲(屈曲)している表面であることが好ましい。より好ましくは、バランスウェイトでウェイト分体が並ぶ方向に沿って弧状をなす表面である。
【0027】
本発明のバランスウェイト切断装置では、バランスウェイトは、両面粘着テープが帯状を有し、複数のウェイト分体が帯状の長手方向に沿って並んで貼設されていることが好ましい。バランスウェイトがこの長尺の構成となることで、連続的に切断を行うことができる。つまり、所望の質量のバランスウェイトを、連続的に製造することができる。
【0028】
本発明のバランスウェイト切断装置は、帯状のバランスウェイトを所定の質量に切断することが好ましい。帯状のバランスウェイトを所定の質量に切断することで、切断されたバランスウェイトを、ホイールに組み付けることができる。また、本発明の切断装置は、ホイールに組み付ける装置(バランスウェイト貼付装置)と組み合わせて用いることができる。
【0029】
本発明のバランスウェイト切断装置は、バランスウェイトの移送を剥離紙を引っ張ることで行うことが好ましい。本発明のバランスウェイト切断装置は、バランスウェイトの剥離紙を切断することなく、両面粘着テープを切断することができる。つまり、バランスウェイト切断装置で両面粘着テープを切断した状態のバランスウェイトは、剥離紙でつながっている。このことから、バランスウェイトを所定の位置まで移送する場合及び/又は切断後のバランスウェイトを所定の位置から移送する場合には、剥離紙を引っ張ることで移送することができる。そして、移送時に剥離紙を引っ張ることで、所定の位置に移送されるバランスウェイト(の両面粘着テープ及び剥離紙)には引っ張り応力がかかり、隣接した二つのウェイト分体の間が開いた状態を形成することができる。
【0030】
剥離紙を引っ張る場合、剥離紙が両面粘着テープを保護している状態であっても、両面粘着テープを切断した後に両面粘着テープを剥離させた状態の剥離紙であっても、いずれの状態の剥離紙を引っ張っても良い。好ましくは、両面粘着テープを剥離させた状態の剥離紙を引っ張ることである。
【0031】
すなわち、本発明のバランスウェイト切断装置は、剥離紙を引っ張ることでバランスウェイトを移送する移送装置を有することが好ましい。移送装置は、ウェイト分体が剥離した状態の剥離紙を引っ張ることがより好ましい。
本発明のバランスウェイト切断装置は、バランスウェイト貼付装置に用いられることが好ましい。
【0032】
本発明のバランスウェイト切断装置は、上記した構成を有すること以外は、限定されるものではない。たとえば、本発明のバランスウェイト切断装置は、帯状のバランスウェイトを供給する装置、供給された帯状のバランスウェイトを所定の質量に切断する本発明の切断装置、切断されたバランスウェイトをホイールに貼り付けるための貼付治具に移載する移載装置、バランスウェイトが移載された貼付治具を用いてホイールに貼り付ける貼付装置等の装置と組み合わせることができる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例として、バランスウェイト切断装置を製造した。
【0034】
[バランスウェイト切断装置]
本実施例のバランスウェイト切断装置1は、図1〜2に示したように、長尺のバランスウェイトBWを移送する移送装置2と、長尺のバランスウェイトBWがその表面を流れるガイド3と、バランスウェイトBWの両面粘着テープTを切断する切断刃40を有する切断刃装置4と、を有する。
【0035】
本実施例のバランスウェイト切断装置1は、図3にその構成を示したバランスウェイトBWを切断する。図3(a)はバランスウェイトBWの側面図を、図3(b)は、バランスウェイトBWの上面図を、それぞれ示した。なお、バランスウェイトBWは、帯状の長尺状をなしており、図3には、その一部を示した。
【0036】
バランスウェイトBWは、予め決められた質量に製造されたウェイト分体Wと、一方の粘着面にウェイト分体Wが並べて貼設された両面粘着テープTと、両面粘着テープTの他方の粘着面を保護する剥離紙Pと、を備えている。そして、バランスウェイトBWは、帯状の長尺状の両面粘着テープTに、小間隔を隔てた状態で、ウェイト分体Wが貼着されている。
【0037】
両面粘着テープTは、両面が粘着面となっている発泡樹脂よりなる幅が略一定の帯状の部材である。両面粘着テープTは、発泡樹脂よりなることで、弾性変形を許容する。
【0038】
ウェイト分体Wは、所定の質量(本実施例では5g)になるように調節された金属製(本実施例では鉄合金)でありその表面に防錆性の表面処理を施した部材である。本実施例のウェイト分体Wは、帯状の両面粘着テープTののびる方向(長手方向)に沿って、小間隔(予め決められた所定の間隔)を隔てた状態で、両面粘着テープTの一方の表面に貼着される。本実施例のウェイト分体Wは、長手方向に沿った断面形状が、略台形形状をなすように形成されている。
【0039】
移送装置2は、長尺のバランスウェイトBWを移送する装置である。移送装置2は、流れ方向の下流側に位置し、剥離紙Pを介してバランスウェイトBWを移送する。具体的には、移送装置2は、剥離紙Pを長手方向に引っ張るローラ20を有する。移送装置2は、ローラ20の回転の有無により、バランスウェイトBWの流れの有無及び流れる速度が決定する。
【0040】
ガイド3は、長尺のバランスウェイトBWがその表面を流れる部材である。すなわち、ガイド3は、移送装置2により引っ張られたバランスウェイトBWが、その引っ張り応力により面上をバランスウェイトBWが流れる部材である。
【0041】
ガイド3は、その表面が凸となる方向に湾曲している湾曲部30を有する。ガイド3の表面上を流れるバランスウェイトBWは、湾曲部30を流れるときには、バランスウェイトBWのウェイト分体Wの間の間隔が開いた状態となる。
【0042】
ガイド3は、湾曲部30に弾性樹脂よりなる受け部材35を有する。受け部材35は、切断刃40が押し付けられたときに弾性変形を生じて、剥離紙Pが押し付けられた方向に変位することを許容する。
【0043】
切断刃装置4は、バランスウェイトBWの両面粘着テープTを切断する切断刃40を有する装置である。切断刃装置4は、両面粘着テープTに対して切断刃40を押し付けることで切断する。切断刃装置4は、切断刃40が押し付けられる方向に受け部材35が位置するように配置されている。
切断刃装置4は、切断刃40の作動(切断刃40の押し付け、後退における動作量)を制御可能に設けられている。
【0044】
(バランスウェイト切断装置の動作)
本実施例のバランスウェイト切断装置1の動作を、具体的に説明する。
まず、バランスウェイトBWの剥離紙Pを、移送装置2のローラ20にセットし、移送装置2を作動する。
【0045】
移送装置2の作動により、バランスウェイトBWがガイド3の表面上を、所定の位置まで移送される。所定の位置とは、予め決められた位置であり、切断刃40の押し付けられる方向の延長線上に、バランスウェイトBWのウェイト分体Wの間が配置される位置である。移送されたバランスウェイトBWは、湾曲部30の表面上に載置された状態となる。このとき、バランスウェイトBWは、ウェイト分体Wの間の間隔が開いた状態となる。
【0046】
ウェイト分体Wの間の間隔が開いた状態のバランスウェイトBWは、両面粘着テープTの切断刃40が当たる表面の部分には、面が広がる方向の力がかかっている。この面が広がる方向の力により、切断刃40が押し付けられたときに、両面粘着テープTに弾性変形が生じにくくなり、切断刃40による両面粘着テープTの切断が促進される。
そして、切断刃装置4が作動して、バランスウェイトBWの間の両面粘着テープTに切断刃40が押し付けられる(図4)。
【0047】
切断刃40が押し付けられた両面粘着テープT(及び剥離紙P)は、その裏面側に受け部材35が位置している。つまり、両面粘着テープT(及び剥離紙P)は、受け部材35に支持されている。このため、押し付けられた切断刃40は、両面粘着テープTに食い込み、切断刃40の押し付け量が増加することにより、せん断応力が付与され、切断される。
【0048】
両面粘着テープTを切断した切断刃40は、剥離紙Pと当接する。切断刃40と当接した剥離紙Pは、押し付けられた切断刃40とともに、押し付けられた方向に変移する。つまり、剥離紙Pは、切断刃40により切断されない(図5)。
切断刃40は、所定の押し付け量まで押し付けられたら後退し、バランスウェイトBWと接触しなくなる。
【0049】
そして、再び、移送装置2が作動し、切断されたバランスウェイトBW及び新たに切断されるバランスウェイトBWが、所定の位置まで移送される。再び、両面粘着テープTが切断刃装置4により切断される。
以上のように、本実施例のバランスウェイト切断装置1は、帯状のバランスウェイトBWを、両面粘着テープTのみが切断された。
【0050】
上記のように本実施例のバランスウェイト切断装置1は、両面粘着テープTの他方の粘着面が剥離紙Pで保護された状態で、両面粘着テープTが切断される。つまり、両面粘着テープTが切断されるときに、他方の粘着面が保護されている。このため、両面粘着テープTの他方の粘着面の汚染が抑えられ、その結果として、バランスウェイトBWのホイールへの粘着力の低下が抑えられたものとなった。
【0051】
さらに、本実施例のバランスウェイト切断装置1は、剥離紙Pが切断されることなく、両面粘着テープTが切断される。つまり、移送装置2によるバランスウェイトBWの移送が途切れない。この結果、本実施例のバランスウェイト切断装置1は、バランスウェイトBWの切断を連続して行うことができる。
【0052】
(変形形態)
上記の実施例では、バランスウェイトBWは、ウェイト分体Wが長手方向に沿った断面形状が略台形形状をなすように形成されているが、この形状に限定されるものではない。すなわち、断面方形状,両端が略鋭角をなす略そろばんの珠の形状,両端がR形状をなす略俵型の形状等の形状であってもよい。
【0053】
[バランスウェイト貼付装置]
上記の実施例のバランスウェイト切断装置1は、バランスウェイト貼付装置5に用いることができる。本実施例のバランスウェイト貼付装置5を、図4に示した。
【0054】
本実施例のバランスウェイト貼付装置5は、バランスウェイト供給部50,バランスウェイト接続部51,バランスウェイト切断部52,剥離紙切断部53,貼付治具移載部55を有する。
【0055】
バランスウェイト切断部52は、上記の本実施例のバランスウェイト切断装置1により形成される。バランスウェイト切断部52は、上記と同様に、バランスウェイトBWの両面粘着テープTのみを切断する。
【0056】
バランスウェイト供給部50は、帯状のバランスウェイトBWを連続的に供給する。本実施例では、バランスウェイト供給部50は、帯状のバランスウェイトBWがマガジンに収納された状態で用いられる。また、本実施例では、複数のマガジンが準備され、一つのマガジン内のバランスウェイトBWがなくなったら、別のマガジンに切り替えられる。
【0057】
バランスウェイト接続部51は、一つのマガジン内のバランスウェイトBWがなくなることを検知するとともに、切り替えられた別のマガジンに収納されたバランスウェイトBWを、先のバランスウェイトBWと接続する。
【0058】
貼付治具移載部55は、バランスウェイト切断部52により切断されたバランスウェイトBWを、ホイールに貼り付けるための貼付治具550に移載する。貼付治具移載部55は、バランスウェイト切断部52により両面粘着テープTのみが切断されたバランスウェイトBWを、剥離紙Pを剥離させながら貼付治具550の表面に、他方の粘着面が露出した状態で支持させる。
バランスウェイトBWが支持された貼付治具550は、ホイールの内周面に押し付けられて、バランスウェイトBWがホイールに貼設される。
【0059】
剥離紙切断部53は、バランスウェイトBWから剥離された剥離紙Pを所定の長さに切断する。この剥離紙Pの切断により、長尺の帯状の剥離紙Pが小片に切断される。
【0060】
(バランスウェイト貼付装置の動作)
本実施例のバランスウェイト貼付装置5は、まず、バランスウェイト供給部50のマガジンに収納されたバランスウェイトBWを引出し、移送装置2のローラ20に剥離紙Pをセットする。
【0061】
バランスウェイト切断部52の移送装置2を作動し、バランスウェイトBWのウェイト分体2の間が所定の位置にくるように、バランスウェイトBWを移送する。このとき、切断されたバランスウェイトBW(両面粘着テープTの切断位置よりも流れ方向の下流側のバランスウェイト)は、所定の数のウェイト分体Wを備えている(所定の合計質量を備えている)。
そして、バランスウェイト切断部52の切断刃装置4が作動し、切断刃40が両面粘着テープTのみを切断する。
切断刃40がバランスウェイトBWと当接しない位置まで後退したら、移送装置2を再び作動する。
【0062】
切断されたバランスウェイトBWは、貼付治具移載部55に移送され、貼付治具550に支持される。本実施例では、バランスウェイトBWが貼付治具550に移載されるときに、同時に、剥離紙PがバランスウェイトBWから剥離する。
【0063】
また、移送装置2の再び作動により、帯状のバランスウェイトBWが移送され、切断されていないバランスウェイトBW(両面粘着テープTの切断位置よりも流れ方向の上流側のバランスウェイト)が、所定の切断位置に移送される。そして、先と同様に、新たな所定の質量のバランスウェイトBWが切断される。
これらの動作が繰り返し行われ、連続してバランスウェイトBWのホイールへの組付けを行うことができる。
【0064】
本実施例のバランスウェイト貼付装置5は、一つのマガジン内のバランスウェイトBWがなくなることを検知すると、別のマガジンに切り替わり、その中に収納されたバランスウェイトBWの先端を先のバランスウェイトBWの終端とを、バランスウェイト接続部51で接続する。これにより、連続的にバランスウェイトBWを供給することができる。
【0065】
以上により、本実施例のバランスウェイト貼付装置5は、連続的にバランスウェイトBWを供給することができ、連続的に所定の質量のバランスウェイトBWをホイールに組み付けることができる。
【符号の説明】
【0066】
1:バランスウェイト切断装置
2:移送装置 20:ローラ
3:ガイド 30:湾曲部
35:受け部材
4:切断刃装置 40:切断刃
5:バランスウェイト貼付装置 50:バランスウェイト供給部
51:バランスウェイト接続部 52:バランスウェイト切断部
53:剥離紙切断部 55:貼付治具移載部
BW:バランスウェイト W:ウェイト分体
T:両面粘着テープ P:剥離紙
図6
図1
図2
図3
図4
図5