(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961596
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】電子機器端末における操作部の誤操作防止具
(51)【国際特許分類】
H01H 13/04 20060101AFI20160719BHJP
H01H 9/02 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
H01H13/04 B
H01H9/02 E
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-241262(P2013-241262)
(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-103319(P2015-103319A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2014年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】山本 一栄
(72)【発明者】
【氏名】徳田 周太
(72)【発明者】
【氏名】服部 なつみ
【審査官】
出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭53−038678(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3071984(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞄やポケットに入れて持ち運ばれたり机上等に置かれたりする電子機器端末の、その表面である配置面からくぼむように形成され且つ押圧されることで操作される操作部に対して貼着される内側貼着体と、内側貼着体の外側に接触するか、または外側近傍位置で電子機器端末に貼着される外側貼着体とを備え、内側貼着体は操作部に貼着した状態で、配置面から突出するものであり、外側貼着体は、内側貼着体における配置面からの突出高さに比べて突出高さを高くした突出部分を備えたことを特徴とする電子機器端末における操作部の誤操作防止具。
【請求項2】
外側貼着体は一体的に環状に形成され、突出部分は一体的に環状に形成されるか、または外側貼着体の周方向に離間して複数個形成された請求項1記載の電子機器端末における操作部の誤操作防止具。
【請求項3】
外側貼着体は互いに周方向に離間した複数の貼着体部を備えて環状に形成され、該複数の貼着体部のそれぞれが突出部分を備えた請求項1記載の電子機器端末における操作部の誤操作防止具。
【請求項4】
外側貼着体の内径寸法は内側貼着体の外径寸法に略一致していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子機器端末における操作部の誤操作防止具。
【請求項5】
外側貼着体は環状の本体部と、該本体部から外径側へ膨出させる膨出部分とを備え、突出部分を本体部及び膨出部分の少なくとも何れか一方に備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器端末における操作部の誤操作防止具。
【請求項6】
前記操作部が、前記配置面上に一つだけ設けられたボタンである請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載の電子機器端末における操作部の誤操作防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器端末のホームボタン等の操作部に取付けられる誤操作防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンとして、iPhone、iPad、iPod touch(登録商標)等と称される電子機器端末が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。この種の電子機器端末は、ホームボタンに代表される操作部を備えている。このような操作部は押圧して操作されるもので、誤操作されにくいように、電子機器本体の表面からわずかにくぼんで設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−155618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の電子機器端末の操作部は、電子機器本体の表面からわずかにくぼんで設けられており、くぼんでいる分だけ手指での押圧操作がしにくい。そこで、例えば操作部に相当する領域に貼着する貼着体(ステッカー)が提案されている。この貼着体は、操作部に貼着した状態で、電子機器本体の表面に対して突出するものである。このような貼着体を操作部に貼着することで、操作部の押圧操作を、貼着体を介して行うことになるから、操作部の押圧操作がし易くなる。そしてこの種の電子機器端末は、鞄やポケットに入れて持ち運ばれたり、机上等に置かれたりする。
【0005】
ところで、この種の電子機器端末は、持ち運ばれたり、机上に置かれたりする。そして、貼着体は、操作部に貼着した状態で電子機器本体の表面から突出するものである。このため、持ち運ばれたり、机上に置かれたりした際に、手指以外の別の物によって貼着体を介して操作部が不測に押圧されてしまう場合がある。そうなると、例えば、発話解析・認識インターフェースが不測に起動してしまうなど、不都合が発生する。
【0006】
そこで本発明は、電子機器端末の操作部が不測に押圧操作されてしまうのを防止可能な誤操作防止具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器端末における操作部の誤操作防止具は、
鞄やポケットに入れて持ち運ばれたり机上等に置かれたりする電子機器端末の、その表面である配置面からくぼむように形成され且つ押圧されることで操作され
る操作部に
対して貼着される内側貼着体と、内側貼着体の外側に接触するか、または外側近傍位置で電子機器端末に貼着される外側貼着体とを備え、内側貼着体は操作部に貼着した状態で
、配置面から突出するものであり、外側貼着体は、内側貼着体における配置面からの突出高さに比べて突出高さを高くした突出部分を備えたことを特徴としている。
【0008】
上記構成において、内側貼着体が操作部を配置した電子機器端末の配置面から突出するものであっても、外側貼着体が、内側貼着体における配置面からの突出高さに比べて突出高さを高くした突出部分を備えたことにより、内側貼着体を不測に押圧しようとする物が内側貼着体に接触するのを、突出部分が内側貼着体の外側で邪魔をする。
【0009】
本発明の誤操作防止具では、外側貼着体は
一体的に環状に形成され、突出部分は
一体的に環状に形成され
るか、または外側貼着体の周方向に離間して複数個形成された構成を採用できる。この構成によれば、内側貼着体を不測に押圧しようとする物が内側貼着体に接触するのを、環状の突出部分が内側貼着体の外側で邪魔をする。
【0010】
本発明の誤操作防止具では、外側貼着体は
互いに周方向に離間した複数の貼着体部を備えて環状に形成され、該複数の貼着体部のそれぞれが突出部分を備えた構成を採用できる。この構成によれば、内側貼着体を不測に押圧しようとする物が内側貼着体に接触するのを、外側貼着体の周方向に離間して複数個形成された突出部分が内側貼着体の外側で邪魔をする。
【0011】
本発明の誤操作防止具では、前記操作部が、前記配置面上に一つだけ設けられたボタンである構成を採用できる。また、本発明の誤操作防止具では、外側貼着体の内径寸法が内側貼着体の外径寸法に略一致した構成を採用できる。さらに、本発明の誤操作防止具では、
外側貼着体は環状の本体部と、該本体部から外径側へ膨出させる膨出部分とを備え、突出部分を本体部及び膨出部分の少なくとも何れか一方に備えた構成を採用できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の誤操作防止具によれば、内側貼着体が操作部を配置した電子機器端末の配置面から突出するものであっても、外側貼着体が、内側貼着体における配置面からの突出高さに比べて突出高さを高くした突出部分を備えたことにより、内側貼着体を不測に押圧しようとする物が内側貼着体に接触するのを突出部分が内側貼着体の外側で邪魔をすることで、電子機器端末の操作部が不測に押圧操作されてしまうのを防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の誤操作防止具の第一の実施形態であって電子機器端末へ装着しようとする場合の斜視図である。
【
図2】同誤操作防止具の平面図(表側からの図)である。
【
図4】同
図2のA−A線断面図(側面断面図)であり、誤操作防止具の使用状態を表している。
【
図5】本発明の誤操作防止具の第二の実施形態であって誤操作防止具の平面図(表側からの図)である。
【
図6】同誤操作防止具における外側貼着体の表側からの斜視図である。
【
図8】同
図5のB−B線断面図であり、外側貼着体の表側からの斜視図である。
【
図9】同位置合わせ用突片位置での側面断面図である。
【
図11】本発明の別の実施形態を表した外側貼着体の単体斜視図である。
【
図13】本発明の別の実施形態を表した誤操作防止具の平面図(表側からの図)である。
【
図14】同外側貼着体の背面図(裏側からの図)である。
【
図15】本発明の別の実施形態を表した誤操作防止具の平面図(表側からの図)である。
【
図16】本発明の別の実施形態を表した誤操作防止具の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の誤操作防止具の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。まず、
図1ないし
図4を参照して誤操作防止具1の第一の実施形態を説明する。
図1ないし
図3に示すように、誤操作防止具1は、iPhone、iPad、iPod touch(登録商標)等に代表される電子機器端末2のホームボタン(操作部に相当する)が不測に押圧操作されるのを、回避あるいは防止するためのものである。
【0015】
ホームボタン3は、電子機器端末2の表面、すなわち、画面4を備えた面である配置面5上に、画面4に隣り合うよう配置されている。ホームボタン3は円形に形成されている。ホームボタン3は押圧されることで操作され、押圧操作されることで、ホーム画面やホームページ等にアクセスすることができるようになる。
【0016】
図4に示すように、誤操作防止具1は、ホームボタン3の表面側に裏面側が貼着される内側貼着体6と、内側貼着体6の外側(内側貼着体6に対して径方向外方)近傍位置で、電子機器端末2の配置面5に裏面側が貼着される外側貼着体7とを備えている。
【0017】
内側貼着体6は、ホームボタン3上に貼着した状態で、配置面5から突出するもので、中心側が盛り上がった円形に形成されている。貼着には、例えば両面粘着テープが用いられる。内側貼着体6の直径はホームボタン3の直径に略一致している。
【0018】
図1ないし
図3に示すように、外側貼着体7は、環状(円環状)に形成されている。外側貼着体7の内径寸法は、内側貼着体6の外径寸法に比べてわずかに大きく設定されている。すなわち、内側貼着体6の径方向外方に外側貼着体7を配置した際に、内側貼着体6の外周端と外側貼着体7の内周端との間には径方向に沿うわずかな離間幅8が形成される。
【0019】
図4に示すように、外側貼着体7は、配置面5に貼着される環状で平板状の本体部9と、本体部9の表面側に一体的に形成された突出部分10とを備えている。突出部分10は本体部9の環状形状に倣うよう環状に形成されている。さらに具体的に、突出部分10の表面側において径方向内方縁部および径方向外方縁部には、面取り10aが施され、突出部分10の表面は平坦面である環状平面10bである。なお、この場合の面取り形状は、環状中心側ほどホームボタン3に向けて傾斜する湾曲した傾斜面である。
【0020】
外側貼着体7の配置面5への貼着状態において、本体部9における配置面5からの突出高さh1と、内側貼着体6をホームボタン3に貼着した際の内側貼着体6の配置面5からの突出高さh2とは略一致している。突出部分10における配置面5からの突出高さh3と、内側貼着体6の配置面5からの突出高さh2とでは、突出部分10の突出高さh3のほうが、内側貼着体6の突出高さに比べて高くなる。なお、外側貼着体7において、突出部分10の突出高さh3とは、配置面5から突出部分10の表面(環状平面10b)までの高さである。
【0021】
上記構成において、誤操作防止具1では、まず内側貼着体6をホームボタン3の表面に貼着し、その後に外側貼着体7を配置面5に貼着するようにして、電子機器端末2に取付けるようにすると、内側貼着体6と外側貼着体7とが径方向で重ならないように取付け易い。この際、内側貼着体6の径方向外方に外側貼着体7を配置した際に、内側貼着体6の外周端と外側貼着体7の内周端との間には径方向に沿うわずかな離間幅8が形成されるよう内側貼着体6の外径寸法と外側貼着体7の内径寸法とが設定されているから、内側貼着体6と外側貼着体7とが径方向で重ならないように容易に取付けることができる。
【0022】
誤操作防止具1では、内側貼着体6がホームボタン3を配置した電子機器端末2の配置面5から突出するものであるから、ホームボタン3が配置面5からわずかにくぼんでいても、ユーザが手指Fで内側貼着体6を押圧することで、内側貼着体6を介して、ホームボタン3を押圧操作することができる(
図4参照)。
【0023】
内側貼着体6によってホームボタン3は押圧操作されるようになっている一方で、内側貼着体6の外側には、外側貼着体7が配置されている。この外側貼着体7には、本体部9から突出する環状の突出部分10を備えており、突出部分10における配置面5からの突出高さh3と、内側貼着体6の配置面5からの突出高さh2とでは、突出部分10の突出高さh3のほうが、内側貼着体6の突出高さに比べて高くなっている。
【0024】
ところで、電子機器端末2は、持ち運ばれたり、机上に置かれたりする。そして、内側貼着体6をホームボタン3に貼着したのみでは、電子機器端末2が持ち運ばれたり、机上に置かれたりした際に、手指F以外の別の物によってホームボタン3が内側貼着体6を介して不測に押圧操作されてしまう場合がある。
【0025】
しかしながら、外側貼着体7には、本体部9から突出する環状の突出部分10を備えており、突出部分10における配置面5からの突出高さh3と、内側貼着体6の配置面5からの突出高さh2とでは、突出部分10の突出高さh3のほうが、内側貼着体6の突出高さに比べて高くなっている。このため、手指F以外の物が内側貼着体6に接触するのを、突出部分10が邪魔をする。
【0026】
あるいは手指F以外の物が内側貼着体6に接触したとしても、内側貼着体6がそれ以上押圧される状態を突出部分10が邪魔をする。したがって、電子機器端末2のホームボタン3が不測に押圧操作されてしまう状態が抑えられて、ホームボタン3の誤操作が防止可能となる。そして、内側貼着体6を手指Fで押圧する際に、手指Fあるいは爪が面取り10aに当たって支持され、内側貼着体6が押圧し易くなる。
【0027】
次に、第二の実施形態に係る誤操作防止具1を、
図5ないし
図10を参照して説明する。第二の実施形態に係る誤操作防止具1のうち、第一の実施形態と異なる部分は、外側貼着体7の構造である。したがって、本実施形態では、外側貼着体7の構造を主に説明する。
【0028】
図5ないし
図7に示すように、本実施形態に係る外側貼着体7は環状に形成されている。
図8ないし
図10に示すように、本体部9が、配置面側環状部15と、配置面側環状部15の表面側に一体的に形成された表面側環状部16とを備えている。
【0029】
配置面側環状部15および表面側環状部16は、ともに外径寸法は同一に形成されている。配置面側環状部15と表面側環状部16との内径寸法を比べると、配置面側環状部15のほうが大きく形成されている。配置面側環状部15の内周面に、位置合わせ用突片17が一体的に形成されている。位置合わせ用突片17は、表面側環状部16の内周面16aと面一となる位置合わせ面17aを備え、位置合わせ用突片17は、配置面側環状部15の内周面から内径側へ向けて突出するよう内周面に一体的に形成されている。位置合わせ面17aどうしを連続させた仮想の内径寸法は、内側貼着体6の外径寸法に略一致している。
【0030】
表面側環状部16の表面に、半球状の小突起18が周方向に並べて多数個一体的に形成されている。小突起18の周方向への並び方向の途中に、小突起18に比べて大径で半球状の大突起19が複数個、この場合では周方向に等間隔に四個配置されている。これら小突起18および大突起19は装飾的意味合いを有する一方で、特に大突起19は、突出部分に相当する部分である。したがって、
図9に示すように、配置面5を基準とした内側貼着体6の突出高さh2と、大突起19の突出高さh4とでは、大突起19の突出高さh4が高く設定されている。
【0031】
表面側環状部16の径方向内方縁部は、環状中心側ほどホームボタン3に向けて傾斜する円錐台状の傾斜面16bである。すなわち、大突起19の内径側が、ホームボタン3に向けて傾斜する傾斜面16bである。
【0032】
上記構成において、予め内側貼着体6をホームボタン3の表面に貼着しておき、外側貼着体7を貼着する際、位置合わせ面17aどうしを連続させた仮想の内径寸法は、内側貼着体6の外径寸法に略一致しているから、外側貼着体7を内側貼着体6に外嵌させるようにすれば、内側貼着体6と外側貼着体7とを同心とすることができる。
【0033】
外側貼着体7には、本体部9から突出する大突起19を複数個所に備えており、大突起19における配置面5からの突出高さh4と、内側貼着体6の配置面5からの突出高さh2とでは、大突起19の突出高さh4のほうが、内側貼着体6の突出高さh2に比べて高くなっている。このため、手指F以外の物が内側貼着体6に接触するのを、大突起19が邪魔をする。
【0034】
あるいは手指F以外の物が内側貼着体6に接触したとしても、内側貼着体6がそれ以上押圧される状態を、大突起19が邪魔をする。したがって、電子機器端末2のホームボタン3が不測に押圧操作されてしまう状態を回避して、ホームボタン3の誤操作が防止可能となる。そして、内側貼着体6を手指Fで押圧する際に、手指Fあるいは爪が傾斜面16bに当たって支持され、内側貼着体6が押圧し易くなる。
【0035】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても同様である。
【0036】
例えば、
図11および
図12に表した外側貼着体7では、環状の外側貼着体7の表面を、内径側の内径側傾斜面7aと、外径側傾斜面7bと、内径側傾斜面7aおよび外径側傾斜面7bの間で連続する環状平面7cで形成し、内径側傾斜面7aの径方向幅を外径側傾斜面7bの径方向幅に比べて大きく設定した構成としている。この構成のように、内径側傾斜面7aの径方向幅を大きくすることで、手指Fあるいは爪を支持し易く、内側貼着体6の押圧操作がし易い。
【0037】
上記各実施形態では、外側貼着体7は、単純な環状でなくてもよく、例えば
図13および
図14に示すように、外側貼着体7の外周面に、本体部9からさらに外径側へ膨出させる膨出部分20を周方向に間を置いて形成して、動物を模した形状に形成することも考えられる。そして、膨出部分20の表面の突出高さを、内側貼着体6の突出高さに比べて高くすることが考えられる。
【0038】
あるいは、本体部9と膨出部分20の突出高さを同一にして、この突出高さを内側貼着体6の突出高さに比べて高くするよう設定することが考えられる。本実施形態では、
図14に示すように、外側貼着体7(本体部9、膨出部分20)は、外側縁部21と内側縁部22とを備え、表面側を閉じ、配置面5を開放した中空状に形成することができる。
【0039】
上記各実施形態では、外側貼着体7は環状に一体物として形成された例を示した。しかしながら、
図15に示すように、外側貼着体7を複数の弧状の外側貼着体部23から構成し、これら外側貼着体部23が、電子機器端末2の表面に円周上に間欠的に配置される構成とすることもできる。これら外側貼着体部23の表面の形状は、上記各実施形態の何れかにすることができる。
【0040】
上記各実施形態では、外側貼着体7の表面側の突出部分の突出高さを同一とした例を示したが、
図16に示すように、外側貼着体7の表面側の突出部分の突出高さを、径方向一方側から他方側へ向けて緩やかに下傾斜させることも考えられる。すなわち、外側貼着体7の、配置面5から環状平面10bまでの、径方向一方側での突出高さh5>他方側での突出高さh6とすることが考えられる。この場合、突出高さh5>突出高さh2であれば、内側貼着体6の突出高さh2>突出高さh6でもよいし、突出高さh6>突出高さh2であってもよい。
【0041】
上記各実施形態では、内側貼着体6は、ホームボタン3の外径と略等しく設定した場合の例を示したが、ホームボタン3の外径より小さくてもよい。この場合、特に第二の実施形態では、外側貼着体7は、ホームボタン3の表面の外周部と配置面5に亘って貼着されることになる。すなわち、外側貼着体7の内径寸法がホームボタン3の外径寸法に比べてわずかに小さく設定される。
【0042】
上記各実施形態では、操作部をホームボタン3とした例を示したが、本発明はホームボタン3の誤操作防止のみに用いられるものではなく、例えば、誤操作がされると、情報がネットワーク回線を通じて不特定の相手に流れたり、機器の電源がシャットダウンしたりするような操作部等に適用できる。
【0043】
そして操作部が円形以外の、例えば、楕円形、三角形、四角形等であれば、内側貼着体の形状も操作部の形状に応じて倣わせてもよい。外側貼着体の形状も円環状に限らず、操作部の形状に応じて倣わせてもよい。あるいは外側貼着体は、内側貼着体の形状に対応することなく、それ自体を円形以外の、例えば平面視して楕円形、三角形、四角形等にアレンジできる。また、内側貼着体および外側貼着体は、金属製、合成樹脂製等、成形材料は特に定まっていないが、特に外側貼着体は、誤操作を邪魔するものであるから、所定の硬さが必要である。
【符号の説明】
【0044】
1…誤操作防止具、2…電子機器端末、3…ホームボタン、5…配置面、6…内側貼着体、7…外側貼着体、7a…内径側傾斜面、7b…外径側傾斜面、7c…環状平面、8…離間幅、9…本体部、10…突出部分、17…位置合わせ用突片、19…大突起、20…膨出部分、21…外側縁部、22…内側縁部、23…外側貼着体部、F…手指