(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961666
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】タッチポイントをカスタマイズするシステム、方法、およびコンピュータ実行可能プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20160719BHJP
【FI】
G06Q30/02
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-157162(P2014-157162)
(22)【出願日】2014年7月31日
(62)【分割の表示】特願2010-94513(P2010-94513)の分割
【原出願日】2010年4月15日
(65)【公開番号】特開2014-199684(P2014-199684A)
(43)【公開日】2014年10月23日
【審査請求日】2014年8月15日
(31)【優先権主張番号】61/169,892
(32)【優先日】2009年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510290957
【氏名又は名称】アクセンチュア グローバル サービスィズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102406
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100100240
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 孝
(72)【発明者】
【氏名】ロイトマン,アナトリー
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ,マシュー
【審査官】
山本 雅士
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−533047(JP,A)
【文献】
特開2002−366569(JP,A)
【文献】
特開2006−011676(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0149937(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビジネス目標のうちのあるビジネス目標を実現するべくチャネルにおける複数のタッチポイントのカレント・タッチポイントにてタッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズするコンピュータ・システムであって、前記複数のビジネス目標は少なくとも、特定の製品をユーザに販売すること、または特定のサービスに加入するようユーザを誘導すること、またはタッチポイントにてユーザにカスタマイズド・コンテンツ動作を提示することに対して所望される他の成果を含み、タッチポイントとは、特定のチャネルにおけるあるエンティティと前記ユーザ間のインターフェースのことであり、コンテンツ動作は、提示されるコンテンツおよび実行される動作のうちの少なくとも1つを含んでおり、前記システムは、
ハードウェア・プロセッサおよびコンピュータ可読ストレージ・デバイスを含み、
前記コンピュータ・システムは、
ユーザ・タッチポイント・データ取り込みユニットであって、
前記カレント・タッチポイントを訪れているユーザのユーザ属性を含んだユーザ・データを受信し、および
前記ユーザの前記ユーザ属性に基づいて前記ユーザが属するユーザ・グループを判断するように構成されている、ユーザ・タッチポイント・データ取り込みユニットと、
コンテンツ動作最適化エンジンであって、
前記チャネルにおいて前記ユーザがアクセスした従前のタッチポイント、および該従前のタッチポイントにて前記ユーザに提示されたカスタマイズド・コンテンツ動作を参照し、
前記カレント・タッチポイントのカスタマイズによって達成される実行可能な複数のビジネス目標を決定し、
前記複数のビジネス目標の各々について、複数の候補コンテンツ動作のツリー構造をコンテンツ動作リポジトリから前記ユーザ属性に基づいて生成し、ここで、前記ツリー構造は前記カレント・タッチポイントから分岐する複数のブランチを含み、前記複数のブランチの各々は前記複数のビジネス目標のうちの異なる1つに対応し、前記複数のブランチの各々は該ブランチの該ビジネス目標用および前記ユーザ属性から判断される該ユーザ・グループ用の複数の候補コンテンツ動作を含み、前記複数の候補コンテンツ動作の各々は、前記カレント・タッチポイントにて該候補コンテンツ動作を実行するときに各々のビジネス目標を実現する割合を含む実際のユーザ行動を含み、
前記複数のビジネス目標のうちの1つの選択を受領し、
前記選択されたビジネス目標に対応する前記ブランチからの前記複数の候補コンテンツ動作と前記ユーザ属性から判断される前記ユーザ・グループを特定し、
前記特定されたブランチにおける前記複数の候補コンテンツ動作のうち、前記カレント・タッチポイントにて前記選択されたビジネス目標を実現するうえで実際の成功率が最も高い1つを選択し、
前記選択された候補コンテンツ動作を用いて前記カレント・タッチポイントをカスタマイズし、および
前記カスタマイズされたカレント・タッチポイントを前記ユーザに提示する、コンテンツ動作最適化エンジンと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記コンテンツ動作最適化エンジンは、前記カレント・タッチポイントにおける前記カスタマイズド・コンテンツ動作の実装を受けて、ユーザ行動を記録するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンテンツ動作最適化エンジンは、前記ビジネス目標が実現されているかどうかを判断するために、前記ビジネス目標と前記記録されたユーザ行動とを比較するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンテンツ動作最適化エンジンは、前記ビジネス目標と前記記録されたユーザ行動との比較に基づき、前記ビジネス目標は実現されていると判断するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンテンツ動作最適化エンジンは、前記ビジネス目標が実現されていない場合には、次のタッチポイント用の別のカスタマイズド・コンテンツ動作を決定するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンテンツ動作は、戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、およびよくある質問集のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンテンツ動作リポジトリは前記候補コンテンツ動作の各々のコンテンツ動作メタデータを記憶し、前記コンテンツ動作メタデータは前記候補コンテンツ動作を特定し、前記候補コンテンツ動作を記述し、前記候補コンテンツ動作がどのように使用されるかを記述するものであり、前記コンテンツ動作最適化エンジンは各候補コンテンツ動作の前記メタデータに基づいて各ブランチ用の前記候補コンテンツ動作を選択するものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンテンツ動作メタデータはさらに、前記コンテンツ動作に関する制約を特定する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
複数のビジネス目標のうちのあるビジネス目標を実現するべくチャネルにおける複数のタッチポイントのカレント・タッチポイントにてタッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズする方法であって、前記複数のビジネス目標は少なくとも、特定の製品をユーザに販売すること、または特定のサービスに加入するようユーザを誘導すること、またはタッチポイントにてユーザにカスタマイズド・コンテンツ動作を提示することに対して所望される他の成果を含み、タッチポイントとは、特定のチャネルにおけるあるエンティティと前記ユーザ間のインターフェースのことであり、コンテンツ動作は、提示されるコンテンツおよび実行される動作のうちの少なくとも1つを含んでおり、前記方法は、
コンピュータ・システムによって、前記カレント・タッチポイントを訪れているユーザのユーザ属性を含んだユーザ・データを受信するステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記ユーザの前記ユーザ属性に基づいて、前記ユーザが属するユーザ・グループを判断するステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記チャネルにおいて前記ユーザがアクセスした従前のタッチポイント、および該従前のタッチポイントにて前記ユーザに提示されたカスタマイズド・コンテンツ動作を参照するステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記カレント・タッチポイントのカスタマイズによって達成される実行可能な複数のビジネス目標を決定するステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記複数のビジネス目標の各々について、複数の候補コンテンツ動作のツリー構造をコンテンツ動作リポジトリから前記ユーザ属性に基づいて生成するステップであって、前記ツリー構造は前記カレント・タッチポイントから分岐する複数のブランチを含み、前記複数のブランチの各々は前記複数のビジネス目標のうちの異なる1つに対応し、前記複数のブランチの各々は該ブランチの該ビジネス目標用および前記ユーザ属性から判断される該ユーザ・グループ用の複数の候補コンテンツ動作を含み、前記複数の候補コンテンツ動作の各々は、前記カレント・タッチポイントにて該候補コンテンツ動作を実行するときに各々のビジネス目標を実現する割合を含む実際のユーザ行動を含む、生成するステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記複数のビジネス目標のうちの1つの選択を受領するステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記選択されたビジネス目標に対応する前記ブランチからの前記複数の候補コンテンツ動作と前記ユーザ属性から判断される前記ユーザ・グループを特定するステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記特定されたブランチにおける前記複数の候補コンテンツ動作のうち、前記カレント・タッチポイントにて前記選択されたビジネス目標を実現するうえで実際の成功率が最も高い1つを選択するステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記選択された候補コンテンツ動作を用いて前記カレント・タッチポイントをカスタマイズするステップと、
前記コンピュータ・システムによって、前記カスタマイズされたカレント・タッチポイントを前記ユーザに提示するステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記カレント・タッチポイントにおける前記カスタマイズド・コンテンツ動作の実装を受けて、ユーザ行動を記録するステップ
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ビジネス目標と前記記録されたユーザ行動とを比較するステップと、
前記ビジネス目標と前記記録されたユーザ行動とが同等でない場合には、前記選択するステップ、前記カレント・タッチポイントをカスタマイズするステップ、および前記提示するステップを繰り返すステップと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンテンツ動作は、戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、およびよくある質問集のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記コンテンツ動作リポジトリは前記候補コンテンツ動作の各々のコンテンツ動作メタデータを記憶し、前記コンテンツ動作メタデータは前記候補コンテンツ動作の使用に関する制約を特定し、各ブランチ用の前記候補コンテンツ動作を選択するために使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
複数のビジネス目標のうちのあるビジネス目標を実現するべくチャネルにおける複数のタッチポイントのカレント・タッチポイントにてタッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズするコンピュータ実行可能プログラムを保存しているコンピュータ可読媒体であって、前記複数のビジネス目標は少なくとも、特定の製品をユーザに販売すること、または特定のサービスに加入するようユーザを誘導すること、またはタッチポイントにてユーザにカスタマイズド・コンテンツ動作を提示することに対して所望される他の成果を含み、タッチポイントとは、特定のチャネルにおけるあるエンティティと前記ユーザ間のインターフェースのことであり、コンテンツ動作は、提示されるコンテンツおよび実行される動作のうちの少なくとも1つを含んでおり、前記コンピュータ実行可能プログラムは、実行されるとコンピュータ・システムに、
前記カレント・タッチポイントを訪れているユーザのユーザ属性を含んだユーザ・データを受信するステップ、
前記ユーザの前記ユーザ属性に基づいて、前記ユーザが属するユーザ・グループを判断するステップ、
前記チャネルにおいて前記ユーザがアクセスした従前のタッチポイント、および該従前のタッチポイントにて前記ユーザに提示されたカスタマイズド・コンテンツ動作を参照するステップ、
前記カレント・タッチポイントのカスタマイズにより実現される実行可能な複数のビジネス目標を決定するステップ、
前記複数のビジネス目標の各々について、複数の候補コンテンツ動作のツリー構造をコンテンツ動作リポジトリから前記ユーザ属性に基づいて生成するステップであって、前記ツリー構造は前記カレント・タッチポイントから分岐する複数のブランチを含み、前記複数のブランチの各々は前記複数のビジネス目標のうちの異なる1つに対応し、前記複数のブランチの各々は該ブランチの該ビジネス目標用および前記ユーザ属性から判断される該ユーザ・グループ用の複数の候補コンテンツ動作を含み、前記複数の候補コンテンツ動作の各々は、前記カレント・タッチポイントにて該候補コンテンツ動作を実行するときに各々のビジネス目標を実現する割合を含む実際のユーザ行動を含む、生成するステップ、
前記複数のビジネス目標のうちの1つの選択を受領するステップ、
前記選択されたビジネス目標に対応する前記ブランチからの前記複数の候補コンテンツ動作と前記ユーザ属性から判断される前記ユーザ・グループを特定するステップ、
前記特定されたブランチにおける前記複数の候補コンテンツ動作のうち、前記カレント・タッチポイントにて前記選択されたビジネス目標を実現するうえで実際の成功率が最も高い1つを選択するステップ、
前記選択された候補コンテンツ動作を用いて前記カレント・タッチポイントをカスタマイズするステップ、および
前記カスタマイズされたカレント・タッチポイントを前記ユーザに提示するステップ
を行わせる、コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記カレント・タッチポイントにおける前記カスタマイズド・コンテンツ動作の実装を受けて、ユーザ行動を記録するステップ
をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記ビジネス目標と前記記録されたユーザ行動とを比較するステップ、および
前記ビジネス目標と前記記録されたユーザ行動とが同等でない場合には、前記選択するステップ、前記カレント・タッチポイントをカスタマイズするステップ、および前記提示するステップを繰り返すステップ
をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記コンテンツ動作は、戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、およびよくある質問集のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本願は、ビジネス目標を実現するべくカレント・タッチポイントにてタッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズするシステム、方法、およびコンピュータ実行可能プログラムに関する。
【0002】
優先権
本願は、2009年4月16日に出願された、名称を「デジタル・プラットフォーム(Digital Platform)」とする米国仮特許出願第61/169,892号の優先権を主張し、同出願の内容全体を参照によって引用するものである。
【背景技術】
【0003】
インターネットが一般消費者にますます普及してきたことで、インターネット上のウェブページは、有力な広告媒体とみなされている。ウェブ・ページ上の広告は、固定されたインライン画像としてそのウェブ・ページに直接結び付けられており、よりフレキシブルなシステムでは広告の選択と配置とを別々に行うことが可能であるものの、無作為選択のメカニズムしか提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広告主が実施している方法の多くは、通常、単純すぎて、ウェブページ広告で利用することのできるジャストインタイムの選択と伝達のプロセスをうまく活かせない。従来のフィルタリング技術によって、広告のターゲットを絞ることは可能になっているが、誰をターゲットにどの広告を出すのかを選択する仕事は、その大部分が広告主に委ねられている。このため、広告主側に多大な労力が必要となり、広告主は、無数にある統計学上および人口統計上の分析を頼らなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、複数のビジネス目標のうちのあるビジネス目標を実現するべくチャネルにおける複数のタッチポイントのカレント・タッチポイントにてタッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズするコンピュータ・システムが提供される。システムは、ハードウェア・プロセッサおよびコンピュータ可読ストレージ・デバイスを含む。前記コンピュータ・システムは、ユーザ・タッチポイント・データ取り込みユニットであって、前記カレント・タッチポイントを訪れているユーザのユーザ属性を含んだユーザ・データを受信し、および前記ユーザの前記ユーザ属性に基づいて前記ユーザが属するユーザ・グループを判断するように構成されている、ユーザ・タッチポイント・データ取り込みユニットと、コンテンツ動作最適化エンジンであって、前記チャネルにおいて前記ユーザがアクセスした従前のタッチポイント、および該従前のタッチポイントにて前記ユーザに提示されたカスタマイズド・コンテンツ動作を参照し、前記カレント・タッチポイントのカスタマイズによって達成される実行可能な複数のビジネス目標を決定し、前記複数のビジネス目標の各々について、複数の候補コンテンツ動作のツリー構造をコンテンツ動作リポジトリから前記ユーザ属性に基づいて生成し、ここで、前記ツリー構造は前記カレント・タッチポイントから分岐する複数のブランチを含み、前記複数のブランチの各々は前記複数のビジネス目標のうちの異なる1つに対応し、前記複数のブランチの各々は該ブランチの該ビジネス目標用および前記ユーザ属性から判断される該ユーザ・グループ用の複数の候補コンテンツ動作を含み、前記複数の候補コンテンツ動作の各々は、前記カレント・タッチポイントにて該候補コンテンツ動作を実行するときに各々のビジネス目標を実現する割合を含む実際のユーザ行動を含み、前記複数のビジネス目標のうちの1つの選択を受領し、前記選択されたビジネス目標に対応する前記ブランチからの前記複数の候補コンテンツ動作と前記ユーザ属性から判断される前記ユーザ・グループを特定し、前記特定されたブランチにおける前記複数の候補コンテンツ動作のうち、前記カレント・タッチポイントにて前記選択されたビジネス目標を実現するうえで実際の成功率が最も高い1つを選択し、前記選択された候補コンテンツ動作を用いて前記カレント・タッチポイントをカスタマイズし、および前記カスタマイズされたカレント・タッチポイントを前記ユーザに提示する、コンテンツ動作最適化エンジンと、を含む。
【0006】
本発明のシステムにおいて、コンテンツ動作最適化エンジンは、カレント・タッチポイントにおけるカスタマイズド・コンテンツ動作の実装を受けて、ユーザ行動を記録するように構成されているとよい。
【0007】
本発明のシステムにおいて、コンテンツ動作最適化エンジンは、ビジネス目標が実現されているかどうかを判断するために、ビジネス目標と記録されたユーザ行動とを比較するように構成されているとよい。
【0008】
本発明のシステムにおいて、コンテンツ動作最適化エンジンは、ビジネス目標と記録されたユーザ行動との比較に基づき、ビジネス目標は実現されていると判断するように構成されているとよい。
【0009】
本発明のシステムにおいて、コンテンツ動作最適化エンジンは、ビジネス目標が実現されていない場合には、次のタッチポイント用の別のカスタマイズド・コンテンツ動作を決定するように構成されているとよい。
【0010】
本発明のシステムにおいて、コンテンツ動作は、戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、およびよくある質問集のうちの、少なくとも1つを含むとよい。
【0011】
本発明のシステムにおいて、コンテンツ動作リポジトリは候補コンテンツ動作の各々のコンテンツ動作メタデータを記憶し、コンテンツ動作メタデータは候補コンテンツ動作を特定し、候補コンテンツ動作を記述し、候補コンテンツ動作がどのように使用されるかを記述するものであり、コンテンツ動作最適化エンジンは各候補コンテンツ動作のメタデータに基づいて各ブランチ用の候補コンテンツ動作を選択するものであるとよい。
【0012】
本発明のシステムにおいて、コンテンツ動作メタデータはさらに、コンテンツ動作に関する制約を特定するとよい。
【0013】
本発明の別の態様によれば、複数のビジネス目標のうちのあるビジネス目標を実現するべくチャネルにおける複数のタッチポイントのカレント・タッチポイントにてタッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズする方法が提供される。本方法は、コンピュータ・システムによって、前記カレント・タッチポイントを訪れているユーザのユーザ属性を含んだユーザ・データを受信するステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記ユーザの前記ユーザ属性に基づいて、前記ユーザが属するユーザ・グループを判断するステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記チャネルにおいて前記ユーザがアクセスした従前のタッチポイント、および該従前のタッチポイントにて前記ユーザに提示されたカスタマイズド・コンテンツ動作を参照するステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記カレント・タッチポイントのカスタマイズによって達成される実行可能な複数のビジネス目標を決定するステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記複数のビジネス目標の各々について、複数の候補コンテンツ動作のツリー構造をコンテンツ動作リポジトリから前記ユーザ属性に基づいて生成するステップであって、前記ツリー構造は前記カレント・タッチポイントから分岐する複数のブランチを含み、前記複数のブランチの各々は前記複数のビジネス目標のうちの異なる1つに対応し、前記複数のブランチの各々は該ブランチの該ビジネス目標用および前記ユーザ属性から判断される該ユーザ・グループ用の複数の候補コンテンツ動作を含み、前記複数の候補コンテンツ動作の各々は、前記カレント・タッチポイントにて該候補コンテンツ動作を実行するときに各々のビジネス目標を実現する割合を含む実際のユーザ行動を含む、生成するステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記複数のビジネス目標のうちの1つの選択を受領するステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記選択されたビジネス目標に対応する前記ブランチからの前記複数の候補コンテンツ動作と前記ユーザ属性から判断される前記ユーザ・グループを特定するステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記特定されたブランチにおける前記複数の候補コンテンツ動作のうち、前記カレント・タッチポイントにて前記選択されたビジネス目標を実現するうえで実際の成功率が最も高い1つを選択するステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記選択された候補コンテンツ動作を用いて前記カレント・タッチポイントをカスタマイズするステップと、前記コンピュータ・システムによって、前記カスタマイズされたカレント・タッチポイントを前記ユーザに提示するステップとを含む。
【0014】
本発明の方法は、カレント・タッチポイントにおけるカスタマイズド・コンテンツ動作の実装を受けて、ユーザの行動を記録するステップをさらに含むとよい。
【0015】
本発明の方法は、ビジネス目標と記録されたユーザ行動とを比較するステップと、ビジネス目標と記録されたユーザ行動とが同等でない場合には、選択するステップ、カレント・タッチポイントをカスタマイズするステップ、および提示するステップを繰り返すステップとを、さらに含むとよい。
【0016】
本発明の方法では、コンテンツ動作は、戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、およびよくある質問集のうちの、少なくとも1つを含むとよい。
【0017】
本発明の方法では、コンテンツ動作リポジトリは候補コンテンツ動作の各々のコンテンツ動作メタデータを記憶し、コンテンツ動作メタデータは候補コンテンツ動作の使用に関する制約を特定し、各ブランチ用の候補コンテンツ動作を選択するために使用されるとよい。
【0018】
本発明の別の態様によれば、複数のビジネス目標のうちのあるビジネス目標を実現するべくチャネルにおける複数のタッチポイントのカレント・タッチポイントにてタッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズするコンピュータ実行可能プログラムを保存しているコンピュータ可読媒体が提供される。このコンピュータ実行可能プログラムは、実行されると、コンピュータ・システムに、前記カレント・タッチポイントを訪れているユーザのユーザ属性を含んだユーザ・データを受信するステップ、前記ユーザの前記ユーザ属性に基づいて、前記ユーザが属するユーザ・グループを判断するステップ、前記チャネルにおいて前記ユーザがアクセスした従前のタッチポイント、および該従前のタッチポイントにて前記ユーザに提示されたカスタマイズド・コンテンツ動作を参照するステップ、前記カレント・タッチポイントのカスタマイズにより実現される実行可能な複数のビジネス目標を決定するステップ、前記複数のビジネス目標の各々について、複数の候補コンテンツ動作のツリー構造をコンテンツ動作リポジトリから前記ユーザ属性に基づいて生成するステップであって、前記ツリー構造は前記カレント・タッチポイントから分岐する複数のブランチを含み、前記複数のブランチの各々は前記複数のビジネス目標のうちの異なる1つに対応し、前記複数のブランチの各々は該ブランチの該ビジネス目標用および前記ユーザ属性から判断される該ユーザ・グループ用の複数の候補コンテンツ動作を含み、前記複数の候補コンテンツ動作の各々は、前記カレント・タッチポイントにて該候補コンテンツ動作を実行するときに各々のビジネス目標を実現する割合を含む実際のユーザ行動を含む、生成するステップ、前記複数のビジネス目標のうちの1つの選択を受領するステップ、前記選択されたビジネス目標に対応する前記ブランチからの前記複数の候補コンテンツ動作と前記ユーザ属性から判断される前記ユーザ・グループを特定するステップ、前記特定されたブランチにおける前記複数の候補コンテンツ動作のうち、前記カレント・タッチポイントにて前記選択されたビジネス目標を実現するうえで実際の成功率が最も高い1つを選択するステップ、前記選択された候補コンテンツ動作を用いて前記カレント・タッチポイントをカスタマイズするステップ、および前記カスタマイズされたカレント・タッチポイントを前記ユーザに提示するステップを行わせる。
【0019】
本発明のコンピュータ可読媒体において、コンピュータ実行可能プログラムは、カレント・タッチポイントにおけるカスタマイズド・コンテンツ動作の実装を受けて、ユーザ行動を記録するステップをさらに含むとよい。
【0020】
本発明のコンピュータ可読媒体において、コンピュータ実行可能プログラムは、ビジネス目標と記録されたユーザ行動とを比較するステップ、およびビジネス目標と記録されたユーザ行動とが同等でない場合には、選択するステップ、カレント・タッチポイントをカスタマイズするステップ、および提示するステップを繰り返すステップをさらに含むとよい。
【0021】
本発明のコンピュータ可読媒体において、コンテンツ動作は、戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、およびよくある質問集のうちの、少なくとも1つを含むとよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の各実施形態を、以下の図面に関連して以下の記載にて詳細に説明する。
【0023】
【
図1】一実施形態による、タッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズするシステムを示す。
【
図2A】一実施形態による、候補コンテンツ動作を決定する一例を示す。
【
図2B】一実施形態による、カスタマイズド・コンテンツ動作を決定する一例を示す。
【
図2C】一実施形態による、カスタマイズド・コンテンツ動作を決定するさらなる一例を示す。
【
図4】一実施形態による、タッチポイントのコンテンツ動作をカスタマイズする方法を示す。
【
図5】一実施形態による、コンピューティング・システムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
簡単にし、説明しやすくするために、実施形態の原理については主としてその具体例を参照して記載する。以下の記載では、実施形態が十分に理解されるように、多数の特定の詳細を示している。一方、当業者には当然のことながら、各実施形態は、こうした特定の詳細に限定されることなく実施可能である。一部の事例では、実施形態を不必要に分かりにくくしないように、周知の方法および構造については詳しく記載していない。さらに、本明細書に記載の各実施形態を、相互に様々に組み合わせて使用することも可能である。
【0025】
1.概要
本発明の一実施形態によれば、カスタマイズされたエンドツーエンドのユーザ体験に向けて、ユーザが訪れる複数のタッチポイントにて、カスタマイズド・コンテンツ動作がユーザに提供される。カスタマイズド・コンテンツ動作とは、提示されるコンテンツおよび/または実行される動作である。コンテンツまたは動作は、ユーザおよびユーザとの従前の対話、ならびにその他の情報に基づいて、カスタマイズされる。カスタマイズド・コンテンツ動作の例として、戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、および、追加情報としてユーザに提示されるよくある質問などを挙げることができる。
【0026】
本明細書で用いられる「タッチポイント」とは、特定のチャネルにおける或るエンティティと或るユーザ間の特定の対話のことである。エンティティは、企業、別のユーザ、あるいは他の何らかのタイプのエンティティとすればよい。チャネルは、1つ以上のタッチポイントを提供する媒体である。チャネルの例としては、インターネット、TV、ラジオなどがある。チャネルがインターネットである場合、タッチポイントの具体例は、ユーザが対話するウェブページまたはウェブページの部分となり得る。
【0027】
各タッチポイントにてユーザに提供されるカスタマイズド・コンテンツ動作は、所望の成果に応じて決まる動的な最適化に基づいている。従って本システムは、例えばビジネス目標などといった所望の成果に応じて決まるカスタマイズド・コンテンツ動作を、ユーザが訪れる各タッチポイントにて、動的にユーザに提示する。ビジネス目標としては、特定の製品をユーザに販売すること、特定のサービスに加入するようユーザを誘導することなどが挙げられる。故にユーザは、ビジネス目標を実現するようにカスタマイズされたエンドツーエンドのユーザ体験において、カスタマイズド・コンテンツ動作を各々備えた多様なタッチポイントを通らされることになる。本システムは、高度な自動式のコンテンツ動作選択プロセスを備えており、カスタマイズされたユーザ表示をユーザに提供する。
【0028】
2.システム
図1は、一実施形態による、コンテンツ動作をカスタマイズするシステム100を示す。図に示すように、システム100は、ユーザ・タッチポイント・データ取り込みユニット140と、ユーザ・タッチポイント・データベース150と、コンテンツ動作最適化エンジン160と、コンテンツ動作リポジトリ170と、コンテンツ動作最適化モデル180とを含む。当然のことながら、
図1に示すシステム100には追加のコンポーネントを含めることもでき、さらに、システム100の範囲を逸脱することなく、ここに記載されたコンポーネントの一部を削除および/または変更することも可能である。
【0029】
ユーザ110a〜110nは、特定のチャネル115のタッチポイント120a〜120nにアクセスする。例えば、チャネル115はインターネットであり、タッチポイント120a〜120nはウェブ・サイト・タッチポイントである。ユーザ110a〜110nは、例えばコンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、携帯電話、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA:personal digital assistant)など、インターネットに接続されたエンド・ユーザ・デバイスを介して、ウェブ・サイト・タッチポイント120a〜120nにアクセスするとよい。一実施形態によれば、ユーザ110a〜110nがウェブ・サイト・タッチポイント120a〜120nにアクセスすると、システム100は、ユーザ・データ130を取り込む。例えば、ユーザ・タッチポイント・データ取り込みユニット140が、ユーザ110aがアクセスするあるいは訪れる1つ以上のタッチポイント120a〜120nの各々にて、ユーザ・データ130を取り込む。ユーザ・タッチポイント・データ取り込みユニット140は、タッチポイント120a〜120nに埋め込まれたHTMLもしくはJavascript(登録商標)から、またはユーザ・デバイス上で動作しているエージェントから、あるいはユーザ情報を収集している第三者ソースなどから、ユーザ・データ130を取り込めばよい。取り込まれたユーザ・データ130には、ユーザが既に訪れたタッチポイント120a〜120nにおける対話の過程についての履歴データ、当該ユーザによって行われた動作、ならびに性別、地理的位置、購入傾向などのユーザ属性が含まれるとよい。
【0030】
図1に示すように、ユーザ・タッチポイント・データ取り込みユニット140は、取り込まれたユーザ・データ130をユーザ・タッチポイント・データベース150に保存する。加えて、コンテンツ動作最適化エンジン160が、ユーザ・タッチポイント・データベース150からユーザ・データ130を受信し、さらにコンテンツ動作リポジトリ170から候補コンテンツ動作195を受信するように図示されている。それに加えコンテンツ動作最適化エンジン160は、ビジネス目標190を受信するように図示されている。本明細書にて以下に詳細に述べるように、コンテンツ動作最適化エンジン160は、一般に、ユーザ・データ130のほかコンテンツ動作最適化モデル180およびビジネス目標190を用いて、ユーザ110aが訪れるタッチポイント120a〜120nの各々用のカスタマイズド・コンテンツ動作198を決定するように構成されている。
【0031】
コンテンツ動作最適化モデル180は、特定のユーザ属性を備えた或るユーザ・タイプまたはユーザ・セグメントに、個々のタッチポイント120a〜120nにて多様なコンテンツ動作を提示した結果生じたユーザ行動についての履歴情報を含む。一例では、コンテンツ動作最適化モデル180は、属性によって分類されたユーザ・データ、訪れられたタッチポイント、それらのタッチポイントにて提示されたコンテンツ動作、および実際のユーザ行動を含む。例えば、或るグループが、40歳から50歳までのアジア人女性を含む場合がある。このグループの実際のユーザ行動として、或る特定のタッチポイントにて或る特定のコンテンツ動作を提示されたときに、$150.00を上回る価格のハンドバッグを55%の確率で購入した、ということがあり得る。このように、コンテンツ動作最適化モデル180には、様々なタッチポイントについての、多数の異なるユーザ・グループに関する多数の異なるタイプの実際の行動を含めることができ、この実際の行動を用いて、多様なタッチポイントおよびユーザに関する行動を推定または予測することができる。一実施形態によれば、従って、実際のユーザ行動の分析に基づいて、および/または外部データ・ソースによって提供された履歴データの分析に基づいて、コンテンツ動作最適化モデル180が生成されてもよい。
【0032】
一般的には、企業が、実現対象のビジネス目標190をコンテンツ動作最適化エンジン160へ入力するとよい。例えば、ビジネス目標190には、特定の製品をユーザへ販売すること、特定のサービスに加入するようユーザを誘導すること、あるいはその他任意の所望するビジネス成果を含めることができる。
【0033】
コンテンツ動作最適化エンジン160は、例えばコンテンツ動作最適化モデル180、ユーザ・データ130、およびビジネス目標190などの入力を基にして、特定のタッチポイント120aにて実装するカスタマイズド・コンテンツ動作198を動的に決定するように構成されている。例を挙げると、多様な戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、よくある質問などを含み得る複数のコンテンツ動作が、コンテンツ動作リポジトリ170に保存されている。
【0034】
コンテンツ動作リポジトリ170にはさらに、各コンテンツ動作に関連するメタデータが含まれ、このメタデータは、各コンテンツ動作を特定し、各コンテンツ動作を記述し、各コンテンツ動作がどのように使用されるかを記述するものである。メタデータにはさらに、各コンテンツ動作に関する制約も含まれ、この制約は、当該コンテンツ動作の使用に関する制限事項を記述するものであって、記述子、説明的映像などの形をとることがある。上記の制約は、当該コンテンツ動作はどのタッチポイントにて実装され得るか、ならびに当該コンテンツ動作はどのビジネス目標のために使用され得るかについて記述しているとよい。例えば、或る決まったコンテンツ動作が、或る決まったタッチポイントに関してのみ、あるいは或る決まったセグメントの人々に関してのみ、使用される場合もある。一実施形態によれば、コンテンツ動作が、コンテンツ動作メタデータに基づき、対応するビジネス目標およびタッチポイントに従って分類されている。
【0035】
コンテンツ動作最適化エンジン160は、特定のタッチポイントにてどのカスタマイズド・コンテンツ動作を実装するかを決定する。例えば、ユーザ110aが、インターネット上のウェブページを含む特定のタッチポイント120aにアクセスする。ユーザ110aに関しタッチポイント120aにて実装するカスタマイズド・コンテンツ動作198を決定するために、コンテンツ動作最適化エンジン160は、コンテンツ動作リポジトリ170から複数の候補コンテンツ動作195を抽出する。なお、場合によっては、コンテンツ動作最適化エンジン160が候補コンテンツ動作195を1つだけ抽出することに留意されたい。候補コンテンツ動作195は、ユーザ110aが訪れている特定のタッチポイント120aに基づくほか、コンテンツ動作が使用されるビジネス目標190に基づいて、抽出される。従って候補コンテンツ動作195は、コンテンツ動作リポジトリ170にあるコンテンツ動作のメタデータに基づいて抽出されることになる。
【0036】
一例では、候補コンテンツ動作195を選択するのに、コンテンツ動作のメタデータと、ユーザのカレント・タッチポイント情報とが比較される。例えば、
図2Aに示すように、コンテンツ動作リポジトリ170が、テーブル210に列挙される各コンテンツ動作を含んでいる。テーブル210に示すように、ユーザが現在いるのがタッチポイント120aであり、ビジネス目標190がビジネス目標1であることから、コンテンツ動作A、BおよびCが候補コンテンツ動作195として抽出される。より具体的には、コンテンツ動作A、BおよびCのメタデータに含まれる情報に基づいて、コンテンツ動作A、BおよびCが候補コンテンツ動作195として選択され抽出され得る。それに対し、コンテンツ動作D〜Jのメタデータは、コンテンツ動作D〜Jを、タッチポイント120aには使用されないものとしてあるいはビジネス目標1のためではないものとして、記述している。
【0037】
コンテンツ動作リポジトリ170から候補コンテンツ動作195が抽出されたら、コンテンツ動作最適化エンジン160は、タッチポイント120aにて実装するカスタマイズド・コンテンツ動作198として、候補コンテンツ動作195のうちの1つを選択するとよい。一実施形態では、カスタマイズド・コンテンツ動作198は、ビジネス目標1を実現する可能性が最も高い候補コンテンツ動作である。一例では、カスタマイズド・コンテンツ動作198を決定するのに、コンテンツ動作最適化エンジン160は、ユーザ・データ130に保存されたユーザ110aのユーザ属性と、コンテンツ動作最適化モデル180の中のユーザ・グループ・データとを突き合わせることによって、ユーザ110aが属するユーザ・グループを特定する。例えば、コンテンツ動作最適化モデル180には、ユーザ・グループによって分類されたデータが含まれる。各ユーザ・グループには、ユーザ属性と突き合わせることの可能な、対応する一連の属性がある。コンテンツ動作最適化モデル180の中の各ユーザ・グループは、訪れたタッチポイント、そのタッチポイントにて提示されたコンテンツ動作、および実際のユーザ行動などの関連カテゴリを有しているとよい。次に、コンテンツ動作最適化エンジン160は、ユーザ110aが属するユーザ・グループに基づいて判断されたユーザ・グループの、候補コンテンツ動作195各々を特定する。ユーザ・グループ内の特定された各コンテンツ動作に関連するデータには、ビジネス目標の実現における実際の成功率が含まれる。加えて、コンテンツ動作最適化エンジン160は、コンテンツ動作最適化モデル180の中の特定されたコンテンツ動作各々に関連するデータを分析し、ビジネス目標の実現における実際の成功率が最も高い候補コンテンツ動作を、ユーザ110aに関しタッチポイント120aにて実装するカスタマイズド・コンテンツ動作198として選択するとよい。別の実施形態によれば、コンテンツ動作最適化エンジン160は、カスタマイズド・コンテンツ動作198を選択するのに、様々な重み付け方式を用いる。
【0038】
図2Bは、40〜50歳の年齢層のアジア人女性とされている1つのユーザ・グループ221に関してコンテンツ動作最適化モデル180に含まれる情報の一例を示す。例えば、取り込まれたユーザ・データ130の中のユーザ110aのユーザ属性が、コンテンツ動作最適化モデル180の中のユーザ・グループと比較される。ユーザ110aが44歳のアジア人女性である場合、コンテンツ動作最適化エンジン160は、コンテンツ動作最適化モデル180の中の、40歳から50歳までのアジア人女性から成るユーザ・グループ221に関するデータのサブセットを使用する。ユーザ・グループ221は、コンテンツ動作最適化モデル180のユーザ・グループ・データ・サブセットの一部であって、
図2Bのテーブル220に示すように、いくつかのタッチポイント用のコンテンツ動作と、各コンテンツ動作に関するビジネス目標190の実現率とを含む。コンテンツ動作最適化モデル180のデータのサブセットに基づけば、コンテンツ動作Aは、実際の行動率が50%であり、コンテンツ動作Bは、実際の行動率が20%であり、コンテンツ動作Cは、実際の行動率が30%である。従って、
図2Cに示すように、候補コンテンツ動作195のうち、実際の行動率が最も高いものとして特定されるコンテンツ動作は、行動率が50%のコンテンツ動作Aであり、故にコンテンツ動作Aが、カスタマイズド・コンテンツ動作198となる。その後、カスタマイズド・コンテンツ動作198が、ユーザ110aに関しタッチポイント120aにて実装される。
【0039】
次いで、タッチポイント120aにて実装されたカスタマイズド・コンテンツ動作198に関するデータを用いて、ユーザ110aのユーザ・データ130が更新される。ユーザ・データ130は、ユーザ・タッチポイント・データベース150に再び保存される。
【0040】
その後、ユーザ110aが次のタッチポイント120bへ進むとよい。タッチポイント120bでは、上述と同様のステップに基づき、さらに、取り込まれたユーザ・データ130とともにセーブされた追加データに基づいて、ユーザ110aに関しタッチポイント120bにて実装する新たなカスタマイズド・コンテンツ動作を決定する。上記の追加データには、ユーザ110aが訪れた各タッチポイントにてこれまでにどのコンテンツ動作が提示されたかなどということが含まれる。こうしたことが、ビジネス目標190が実現されるまで続けられる。従ってユーザ110aは、複数のタッチポイント120a〜120nを通らされることになり、各タッチポイントでは、ビジネス目標190が実現されるまで、ビジネス目標190の実現を目的としたカスタマイズド・コンテンツ動作が提示される。
【0041】
一実施形態によれば、候補コンテンツ動作195は、ツリー構造のブランチである。例えば最後に訪れたタッチポイントのデータならびにユーザ属性などといった最新のユーザ・データが各タッチポイントにて取り込まれるため、各々のタッチポイントでは、候補コンテンツ動作195の新しいツリー構造が形成される。例として
図3では、タッチポイント120aにおける3つのブランチを、310、320および330として示している。310、320および330の各ブランチは、上述したようにユーザ属性に基づいて判断された、同じユーザ・グループに対応している。310、320および330の各ブランチはさらに、各自のコンテンツ動作サブブランチが関連するビジネス目標に従って、相互に識別される。例として、310、320および330の各ブランチに関し、様々な候補コンテンツ動作195(A〜Z)が示されている。ブランチ310として記載されているビジネス目標1およびユーザ・グループ221に関しては、コンテンツ動作A、BおよびCがそれぞれサブブランチ340、350および360として示されている。コンテンツ動作サブブランチ340、350および360の各々に関し、実際のユーザ行動と、実際のユーザ行動についての成功率とが示されている。例えば、コンテンツ動作サブブランチ340の場合、「実際のユーザ行動」は「財布を購入する」であり、「確率」は「50%」である。従って、340として記載されたコンテンツ動作Aがタッチポイント120aにて実装されると、ユーザ・グループ221のユーザは、50%の確率で財布を購入する。このように、各タッチポイントにて形成されるツリー構造は、ユーザ属性、最後に訪れられたタッチポイント、最後に提示されたコンテンツ動作、コンテンツ動作メタデータなどに従って変化する。加えて、ユーザは、複数のタッチポイントを通らされることになり、各タッチポイントでは、ビジネス目標が実現されるまで、ビジネス目標を実現することを目的とした新しいツリー構造が形成される。
【0042】
3.方法
図4は、一実施形態による、タッチポイントにてコンテンツ動作をカスタマイズする方法400のフロー図を示す。当然のことながら、
図4に示す方法400には追加のステップを含めることもでき、さらに、方法400の範囲を逸脱することなく、ここに記載されたステップの一部を削除および/または変更することも可能である。加えて方法400は、例として
図1に関連して上述したシステム100によって実現することができるが、同様に、その他のシステムで実行することもできる。
【0043】
ステップ410にて、システム100は、ビジネス目標190の入力を受信する。このビジネス目標は、企業から受信するビジネス目標とすればよい。例えばビジネス目標は、製品あるいはサービスを販売することなどとしてもよい。
【0044】
ステップ420にて、システム100は、当該タッチポイントを訪れているユーザのユーザ・データを取り込む。システム100は、例えばタッチポイントに埋め込まれたHTMLもしくはジャバスクリプトから、またはユーザ・デバイス上で動作しているエージェントから、あるいはユーザ情報を収集している第三者ソースなどから、ユーザ・データを取り込めばよい。取り込まれたユーザ・データには、ユーザが既に訪れたタッチポイントでの対話の過程についての履歴データ、ユーザによって行われた動作、ならびに性別、地理的位置、購入傾向などのユーザ属性が含まれるとよい。加えて、取り込まれたユーザ・データは、以下にさらに記載するように、ユーザ・タッチポイント・データベースに保存されて、システム100に対する入力として使用される。
【0045】
ステップ430にて、システム100は、1つ以上の候補コンテンツ動作195を選択して抽出する。システム100に関連して上述したコンテンツ動作最適化モデル180、取り込まれたユーザ・データ、および入力されたビジネス目標に基づいて、システム100は、コンテンツ動作リポジトリ170に保存された複数のコンテンツ動作から、候補コンテンツ動作を動的に決定する。複数のコンテンツ動作には、戦術、戦略、セミナー、ボタン、製品プレゼンテーションまたは製品デモンストレーション、製品カタログ、製品の価格設定、製品に関する情報、ソーシャル・メディアの一部、よくある質問などが含まれるとよい。コンテンツ動作リポジトリ170にはさらに、各コンテンツ動作に関連するメタデータが含まれ、このメタデータは、各コンテンツ動作を特定し、各コンテンツ動作を記述し、各コンテンツ動作がどのように使用されるのかを記述するものである。コンテンツ動作リポジトリ170にはさらに、各コンテンツ動作に関する制約も含まれ、この制約は、当該コンテンツ動作の使用に関する制限事項を記述するものであって、記述子、説明的映像などの形をとることがある。この制約は、当該コンテンツ動作はどのタッチポイントにて実装され得るか、ならびに当該コンテンツ動作はどのビジネス目標のために使用され得るかについて記述しているとよい。例えば、或る決まったコンテンツ動作が、或る決まったタッチポイントに関してのみ、あるいは或る決まったセグメントの人々に関してのみ、使用される場合もある。コンテンツ動作リポジトリにあるコンテンツ動作は、コンテンツ動作メタデータに基づき、対応するビジネス目標およびタッチポイントに従って分類されている。候補コンテンツ動作は、ユーザが現在訪れているタッチポイントに基づいて、さらに、当該コンテンツ動作が使用され得るビジネス目標に基づいて、抽出される。故に、候補コンテンツ動作は、コンテンツ動作リポジトリにあるコンテンツ動作のメタデータに基づいて抽出されることになる。
【0046】
コンテンツ動作リポジトリから候補コンテンツ動作が抽出されたら、ステップ440にて、システム100は、当該タッチポイントにて実装するカスタマイズド・コンテンツ動作を選択する。一実施形態では、カスタマイズド・コンテンツ動作は、ビジネス目標を実現する可能性が最も高い候補コンテンツ動作である。例えば、カスタマイズド・コンテンツ動作を決定するのに、コンテンツ動作最適化エンジン160は、ユーザ・データに保存された当該ユーザのユーザ属性と、コンテンツ動作最適化モデル180の中のユーザ・グループ・データとを突き合わせることによって、当該ユーザが属するユーザ・グループを特定する。次に、システム100は、ユーザが属するユーザ・グループに基づいて判断されたユーザ・グループの、候補コンテンツ動作の各々を特定する。システム100は、コンテンツ動作最適化モデルの中の特定されたコンテンツ動作各々に関連するデータを分析する。ユーザ・グループ内の特定されたコンテンツ動作に関連するデータには、ビジネス目標の実現における実際の成功率が含まれる。システム100は、ビジネス目標に対する実際の成功率が最も高い候補コンテンツ動作を、当該ユーザに関し当該タッチポイントにて実装するカスタマイズド・コンテンツ動作として選択すればよい。
【0047】
ステップ450にて、決定されたカスタマイズド・コンテンツ動作を、タッチポイントにて実装する。
【0048】
ステップ460にて、ビジネス目標が実現されたかどうかの判断が下される。タッチポイントにて実装されたカスタマイズド・コンテンツ動作によって、ビジネス目標と同等な実際の行動がもたらされていれば、プロセスはステップ470に進み、ここで方法400が終了する。一方、タッチポイントにて実装されたカスタマイズド・コンテンツ動作によって、ビジネス目標と同等な実際の行動がもたらされていない場合、ユーザは次のタッチポイントへと進み、本プロセスがステップ420にて再スタートされる。ステップ470では、ビジネス目標が実現されたかどうかにかかわらず、ステップ450にて実装されたカスタマイズド・コンテンツ動作に関するデータを用いて、取り込まれたユーザ・データの更新が行われる。ユーザ・データは、再び保存される。
【0049】
図5は、独創的な市場システム100のハードウェア・プラットフォームとして使用され得るコンピュータ・システム500を示す。コンピュータ・システム500は、本明細書に記載された1つ以上のステップ、方法、および機能を実行するためのプラットフォームとして使用することができ、ハードウェア・ストレージ・デバイスである1つ以上のコンピュータ可読ストレージ・デバイス上に保存されたソフトウェアとして、具現化されるとよい。
【0050】
コンピュータ・システム500は、本明細書に記載された方法、機能およびその他のステップの一部または全てを実行するソフトウェア命令を実装または実行し得るプロセッサ502または処理回路を含む。プロセッサ502からのコマンドおよびデータは、通信バス504を介して通信される。コンピュータ・システム500にはさらに、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)などのコンピュータ可読ストレージ・デバイス503が含まれ、そこには実行時に、プロセッサ502用のソフトウェアおよびデータが置かれてもよい。ストレージ・デバイス503はさらに、不揮発性データ・ストレージを含んでもよい。コンピュータ・システム500は、ネットワークに接続するためのネットワーク・インターフェース505を含むとよい。当業者には当然のことながら、コンピュータ・システム500において、既知のその他の電子コンポーネントを追加することあるいは代わりに用いることも可能である。
【0051】
各実施形態について具体例を参照しつつ記載してきたが、当業者であれば、請求される実施形態の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に多様な変更を施すことが可能であろう。さらに、本明細書に記載の実施形態は、望ましくないコンテンツ動作はどれか、ネットワーク上で受信するトラフィック量が最も多い実装対象のコンテンツ動作はどれか、などを判断するように使用することもできる。