(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961672
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】緩み止め締結ユニット
(51)【国際特許分類】
F16B 39/06 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
F16B39/06
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-172286(P2014-172286)
(22)【出願日】2014年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-3765(P2016-3765A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2014年8月27日
(31)【優先権主張番号】103121060
(32)【優先日】2014年6月18日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511314186
【氏名又は名称】優鋼機械股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】謝 智慶
【審査官】
塚原 一久
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭44−001142(JP,Y1)
【文献】
実開昭50−059463(JP,U)
【文献】
仏国特許発明第00697246(FR,A)
【文献】
仏国特許発明第00752443(FR,A)
【文献】
実開昭52−090668(JP,U)
【文献】
実開昭58−031418(JP,U)
【文献】
実公昭46−015848(JP,Y1)
【文献】
仏国特許発明第00724223(FR,A)
【文献】
米国特許第02794474(US,A)
【文献】
米国特許第00952777(US,A)
【文献】
スイス国特許発明第00159739(CH,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00−43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部と、ねじ軸と、を有し、前記ねじ軸は、その上端が前記ヘッド部に連接されており、その周面にスレッドが設けられているボルトと、
前記ボルトの前記ねじ軸の周面に設けられており、その長手方向と前記ねじ軸の軸方向は90度以外の開角を有する少なくとも一つの収容溝と、
ねじ穴を有し、前記ねじ穴は、穴壁面を有し、前記ボルトの前記ねじ軸と螺合するナットと、
前記ナットの前記穴壁面に設けられており、その長手方向と前記ねじ穴の軸方向は90度以外の開角を有する少なくとも一つの収容空間と、
ストリップ状を呈する弾性体であり、係止部と、収容連接部と、を有し、前記係止部と前記収容連接部は、相対的に弾性的に近接し、又は離れることが可能であり、前記収容連接部が前記ボルトの前記収容溝に設けられている場合には、前記係止部が前記ナットの前記収容空間に嵌合されており、前記収容連接部が前記ナットの前記収容空間に設けられている場合には、前記係止部が前記ボルトの前記収容溝に嵌合されている少なくとも一つの係合部材とを含む緩み止め締結ユニットにおいて、
前記収容溝と前記収容空間が位置合わせされていない時に、前記係合部材の前記係止部は前記収容連接部が前記ボルトの前記収容溝に設けられている場合には、前記ボルトの前記収容溝に移動し、前記収容連接部が前記ナットの前記収容空間に設けられている場合には、前記ナットの前記収容空間に移動すること、
を特徴とする緩み止め締結ユニット。
【請求項2】
前記ナットの前記ねじ穴の前記穴壁面には、収容空間が一つ又は一つ以上設けられており、前記ボルトの前記ねじ軸に収容溝が一つ設けられており、前記係合部材の前記収容連接部は前記収容溝に嵌められており、前記係合部材の前記係止部は、前記ナットの前記収容空間に弾性的に係合されていることを特徴とする、請求項1に記載の緩み止め締結ユニット。
【請求項3】
前記ボルトの前記ねじ軸には、収容溝が一つ又は一つ以上設けられており、前記ナットの前記ねじ穴の前記穴壁面に収容空間が一つ設けられており、前記係合部材の前記収容連接部は前記収容空間に嵌められており、前記係合部材の前記係止部は、前記ボルトの前記収容溝に弾性的に係合されていることを特徴とする、請求項1に記載の緩み止め締結ユニット。
【請求項4】
前記ボルトの前記ねじ軸には、収容溝が二つ又は二つ以上設けられており、これらの前記収容溝は、互いに距離を置いて前記ねじ軸に設けられており、
前記ナットの前記穴壁面には、収容空間が二つ又は二つ以上設けられており、これらの前記収容空間は、互いに距離を置いて前記穴壁面に設けられており、
前記係合部材は少なくとも二つあり、一つの前記係合部材の前記収容連接部は、前記ボルトの前記収容溝に設けられており、その係止部は前記ナットの前記収容空間に弾性的に係合されており、残りの前記係合部材の前記収容連接部は、前記ナットの前記収容空間に設けられており、その係止部は前記ボルトの前記収容溝に弾性的に係合されていることを特徴とする、請求項1に記載の緩み止め締結ユニット。
【請求項5】
挿入連接部は、前記係合部材の前記収容連接部の一端に、収容連接部から係止部の反対側に延びており、前記収容溝は、前記ねじ軸から内側に凹む挿入穴を有し、前記係合部材の前記挿入連接部は、前記収容溝の前記挿入穴に差し込まれていることを特徴とする、請求項1、2又は4に記載の緩み止め締結ユニット。
【請求項6】
挿入連接部は、前記係合部材の前記収容連接部の一端に、収容連接部から係止部の反対側に延びており、前記収容空間は、前記ナットの前記穴壁面から内側に凹む凹みを有し、前記係合部材の前記挿入連接部は、前記収容空間の前記凹みに差し込まれていることを特徴とする、請求項1、3又は4に記載の緩み止め締結ユニット。
【請求項7】
前記係合部材の前記係止部と前記収容連接部は並列するように設けられており、前記係止部の一端は前記収容連接部の一端と連接することを特徴とする、請求項1に記載の緩み止め締結ユニット。
【請求項8】
前記収容溝の長手方向は、前記ボルトの前記ねじ軸の軸方向に平行し、前記収容空間の長手方向は、前記ナットの前記ねじ穴の軸方向に平行することを特徴とする、請求項1に記載の緩み止め締結ユニット。
【請求項9】
前記係合部材は、弾性を有する金属ストリップで作製されることを特徴とする、請求項1に記載の緩み止め締結ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結ユニットに関し、特に、緩み止め締結ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
締結ユニットは、ボルトと、ナットと、から構成される。ボルトとナットの組合せにより、被固定具を固定することが可能である。締結ユニットが動的な負荷又は振動を常時受けると、ナットがボルトから緩んで、不意な事故が起こる。特に、車両や機械(例えば電車のパンタグラフや自動車のタイヤ)は、高振動周波数、高電圧、又は高熱の環境において運転するため、ボルトとナットが緩みやすい。このように、事故が発生しやすく、更に、乗客の生命を失う可能性がある。このため、ボルトとナットの緩みによる問題を解決することは、重要な課題となる。
【0003】
ボルトとナットの緩みを防止するために、本願の出願人は台湾発明102121375号を提案した。これは、
図14に示すように、ナット72のねじ穴に一つ以上の弾性体70を配することにより、ボルト74とナット72を螺合すると、弾性体70がボルト74とナット72とを弾性的に押付けて、ボルトとナットの緩みを防止することが可能である。しかし、このような方式によれば、弾性体70がボルト74とナット72とを弾性的に押付けるが、係止する効果を有せず、高振動周波数、高電圧、又は高熱の環境において位置すると、ボルトとナットが緩みやすい。このように、事故が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、ボルトとナットの間に少なくとも一つの係合部材を配することにより、ボルトとナットが互いに係止して、緩み止め効果を増加することが可能な緩み止め締結ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、ヘッド部と、ねじ軸と、を有し、ねじ軸は、その上端がヘッド部に連接されており、その周面にスレッドが設けられているボルトと、
ボルトのねじ軸の周面に設けられており、その縦方向とねじ軸の軸方向は90度以外の開角を有する少なくとも一つの収容溝と、
ねじ穴を有し、ねじ穴は、穴壁面を有し、ボルトのねじ軸と螺合するナットと、
ナットの穴壁面に設けられており、その縦方向とねじ穴の軸方向は90度以外の開角を有する少なくとも一つの収容空間と、
ストリップ状を呈する弾性体であり、係止部と、収容連接部と、を有し、係止部と収容連接部は、相対的に弾性的に近接し、又は離れることが可能であり、収容連接部がボルトの収容溝に設けられている場合には、係止部がナットの収容空間に嵌合されており、収容連接部がナットの収容空間に設けられている場合には、係止部がボルトの収容溝に嵌合されている少なくとも一つの係合部材と、
を含むことを特徴とする。
【0006】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、ナットのねじ穴の穴壁面には、収容空間が一つ又は一つ以上設けられており、ボルトのねじ軸に収容溝が一つ設けられており、係合部材の収容連接部は収容溝に嵌められており、係合部材の係止部は、ナットの収容空間に弾性的に係合されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、ボルトのねじ軸には、収容溝が一つ又は一つ以上設けられており、ナットのねじ穴の穴壁面に収容空間が一つ設けられており、係合部材の収容連接部は収容空間に嵌められており、係合部材の係止部は、ボルトの収容溝に弾性的に係合されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、ボルトのねじ軸には、収容溝が二つ又は二つ以上設けられており、これらの収容溝は、互いに距離を置いてねじ軸に設けられており、
ナットの穴壁面には、収容空間が二つ又は二つ以上設けられており、これらの収容空間は、互いに距離を置いて穴壁面に設けられており、
係合部材は少なくとも二つあり、一つの係合部材の収容連接部は、ボルトの収容溝に設けられており、その係止部はナットの収容空間に弾性的に係合されており、残りの係合部材の収容連接部は、ナットの収容空間に設けられており、その係止部はボルトの収容溝に弾性的に係合されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、係合部材の収容連接部の一端には、挿入連接部が外側に延びており、収容溝は、ねじ軸から内側に凹む挿入穴を有し、係合部材の挿入連接部は、収容溝の挿入穴に差し込まれていることを特徴とする。
【0010】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、係合部材の収容連接部の一端には、挿入連接部が外側に延びており、収容空間はナットの穴壁面から内側に凹む凹みを有し、係合部材の挿入連接部は、収容空間の凹みに差し込まれていることを特徴とする。
【0011】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、係合部材の係止部と収容連接部は並列するように設けられており、係止部の一端は収容連接部の一端と連接することを特徴とする。
【0012】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、収容溝の縦方向は、ボルトのねじ軸の軸方向に平行し、収容空間の縦方向は、ナットのねじ穴の軸方向に平行することを特徴とする。
【0013】
本発明の緩み止め締結ユニットによると、係合部材は、弾性を有する金属ストリップで作製されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の緩み止め締結ユニットによれば、ボルトとナットの間に少なくとも一つの係合部材を配することにより、ボルトとナットが互いに係止して、緩み止め効果を増加することが可能であり、ボルトとナットを相対的に回転しているときに、係合部材の係止部は、接触区域によって、圧迫され、又は弾性的に広がることにより、ユーザは定位感を感じることが可能であり、当該定位感により、ユーザは係合部材が確実に係合したかどうかを判別することが可能であり、安全性を増加することが可能であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例1の締結ユニットを螺合した状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1における締結ユニットが螺合されていない状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1の係合部材を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施例1のボルトを示す断面図である。
【
図5】本発明の実施例1の締結ユニットを螺合した状態を示す断面図である。
【
図7】本発明の実施例2の締結ユニットを示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施例2のナットを示す断面図である。
【
図9】本発明の実施例2の締結ユニットを螺合した状態を示す断面図である。
【
図10】
図9における10-10線の断面図である。
【
図11】本発明の実施例3の締結ユニットを示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施例3の締結ユニットを螺合した状態を示す断面図である。
【
図14】従来のボルトとナットの組合を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
<実施例1>
図1から
図4を参照する。
図1は本発明の実施例1の締結ユニットを螺合した状態を示す斜視図であり、
図2は
図1における締結ユニットが螺合されていない状態を示す斜視図であり、
図3は本発明の実施例1の係合部材を示す斜視図であり、
図4は本発明の実施例1のボルトを示す断面図である。本実施例の緩み止め締結ユニット10は、ボルト20と、少なくとも一つの収容溝28と、ナット30と、少なくとも一つの収容空間36と、少なくとも一つの係合部材40と、を含む。
【0018】
ボルト20は、ヘッド部22と、ねじ軸24と、を有する。ねじ軸24は、その上端がヘッド部22に連接されており、その周面にスレッド26が設けられている。スレッド26により、ねじ軸24にスレッド部が形成されている。前記スレッド部の長さは、ねじ軸24の長さと同じ、又はねじ軸24の長さより短い。
【0019】
本実施例では、収容溝28が一つある。収容溝28は、ボルト20のねじ軸24の周面に設けられており、その一端には、ねじ軸24から内側へ凹む挿入穴281が設けられている。収容溝28の縦方向とねじ軸24の軸方向は、90度以外の開角を有し、例えば当該開角は0〜60度である。収容溝28の縦方向は、ねじ軸24の軸方向に平行することが好ましい。
【0020】
ナット30はねじ穴32を有する。ねじ穴32は、穴壁面を有し、ボルト20のねじ軸24と螺合する。
【0021】
本実施例では、収容空間36が三つある。三つの収容空間36は、同じ距離をおいてナット30の前記穴壁面に設けられている。三つの収容空間36の縦方向とナット30のねじ穴32の軸方向は、90度以外の開角を有し、例えば当該開角は0〜60度である。三つの収容空間36の縦方向は、ねじ穴32の軸方向に平行することが好ましい。
【0022】
少なくとも一つの係合部材40は、ストリップ状を呈する弾性体であり、その長さは、ボルト20のスレッド部と同じか、又は異なる。本実施例では、係合部材40が一つある。係合部材40は、係止部42と、収容連接部44と、挿入連接部46と、を有する。係止部42と収容連接部44は、並列するように設けられており、弾性を有し、弾性的に揺動することが可能である。このように、係止部42と収容連接部44は、相対的で弾性的に近接し、又は離れることが可能である。挿入連接部46は収容連接部44の他端から外側に延びている。挿入連接部46と収容連接部44は、予定角度を有する開角を形成する。当該開角は、90度、又はほぼ90度である。本実施例では、係合部材40の収容連接部44がボルト20の収容溝28に設けられており、挿入連接部46が挿入穴281に挿入されている。このように、係合部材40はボルト20と連接する。平常時に、弾性により、係止部42は収容溝28からやや突出する。
【0023】
上記の説明から明らかなように、収容溝28の二つの側壁が係合部材40の収容連接部44に緊迫することにより、係合部材40を収容溝28に組付ける目的を達成することが可能である。
【0024】
図5及び
図6を参照する。
図5は本発明の実施例1の締結ユニットを螺合した状態を示す断面図であり、
図6は
図5における6-6線の断面図である。ボルト20とナット30を螺合するときに、係合部材40の係止部42は、ナット30の穴壁面に圧迫されて、係合部材40の収容連接部44に弾性的に移動する。ナット30の収容空間36が係合部材40に位置合わせるようにナット30を回転すると、圧迫されない係止部42は、弾性的に外側へ移動して、ナット30の収容空間36と係合する。ナット30をもっと回転して収容空間36が係合部材40から離れると、係止部42は、ねじ穴32の穴壁面に圧迫されて、収容連接部44に寄る。このように、ボルト20とナット30を相対的に回転するときに、係合部材40の係止部42は弾性的に揺動し、係止部42は、ナット30の収容空間36に移動して、定位感を発生する。当該定位感により、ユーザは係合部材40の係止部42がナット30の収容空間36と係合したかどうかを判別することが可能である。
【0025】
ボルト20とナット30を螺合した後、係合部材40の係止部42をナット30の収容空間36、収容連接部44をボルト20の収容溝28と噛み合わせる。このように、ボルト20とナット30のロック強度を増加することが可能であり、締結ユニット10は、高振動周波数、高電圧、又は高熱の環境において位置しても、緩むことを防止することが可能であり、安全性を増加することが可能である。
【0026】
<実施例2>
図8から
図10を参照する。
図8は本発明の実施例2のナットを示す断面図であり、
図9は本発明の実施例2の締結ユニットを螺合した状態を示す断面図であり、
図10は
図9における10-10線の断面図である。本実施例の部品は、実施例1の部品と同じである場合に、同じ符号を付けて、その説明を省略する。本実施例の実施例1と相違する点は下記にある。
【0027】
少なくとも一つの収容溝28を有する。本実施例では、収容溝28が三つある。三つの収容溝28は、同じ距離をおいてボルト20のねじ軸24に設けられている。三つの収容溝28の縦方向とボルト20のねじ軸24の軸方向は、90度以外の開角を有する。
【0028】
少なくとも一つの収容空間36を有する。本実施例では、収容空間36が一つある。収容空間36は、ナット30の穴壁面に設けられており、その一端には、前記穴壁面から内側へ凹む凹み361が設けられている。収容空間36の縦方向とナット30のねじ穴32の軸方向は、90度以外の開角を有する。
【0029】
少なくとも一つの係合部材40を有する。本実施例では、係合部材40が一つある。係合部材40の収容連接部44は、ナット30の収容空間36に嵌合されている。挿入連接部46は、ナット30の凹み361に挿入されている。係止部42は、ナット30の収容空間36からやや突出する。
【0030】
上記の説明から明らかなように、係止部42と収容空間36の嵌合により、係合部材40がナット30と連接する。
【0031】
ボルト20とナット30を螺合する過程中に、係合部材40の係止部42は、ボルト20のねじ軸24のスレッドに接触すると弾性的に圧縮され、なお、収容溝28に接触すると収容溝28に進入して係合する。ボルト20の収容溝28を係合部材40の係止部42に位置合わせると、係止部42が収容溝28に進入して係合する。このように、ユーザは定位感を感じることが可能である。ボルト20とナット30の螺合が完成すると、係合部材40の係止部42はボルト20の収容溝28と噛み合い、収容連接部44はナット30の収容空間36と噛み合う。これにより、ボルト20とナット30が容易に緩むことを防止することが可能であり、締結ユニット10の安定性を増加することが可能である。
【0032】
<実施例3>
図11から
図13を参照する。
図11は本発明の実施例3の締結ユニットを示す斜視図であり、
図12は本発明の実施例3の締結ユニットを螺合した状態を示す断面図であり、
図13は
図12における13-13線の断面図である。本実施例の上記の実施例と相違する点は下記にある。
【0033】
二つ又は二つ以上の収容溝28は、ボルト20のねじ軸24に設けられている。少なくとも一つの収容溝28の一端には、ねじ軸24の内側へ凹む挿入穴281が設けられている。二つ又は二つ以上の収容空間36は、ナット30のねじ穴32の穴壁面に設けられている。少なくとも一つの収容空間36の一端には、ねじ穴32の穴壁面から内側へ凹む凹み361が設けられている。
【0034】
本実施例の係合部材40は、少なくとも二つあり、例えば係合部材40′、40″がある。係合部材40′の収容連接部44′は、ボルト20の収容溝28に配されている。係合部材40″の収容連接部44″は、ナット30の収容空間36に配されている。
【0035】
本実施例では、ボルト20に係合部材40′が配されており、ナット30に係合部材40″が配されている。係合部材40′の係止部42′と係合部材40″の係止部42″は、接触区域によって、圧迫され、又は弾性的に広がる。このように、ユーザは定位感を感じることが可能である。螺合が完成すると、ボルト20と連接する係合部材40′の係止部42′が弾性的に広がってナット30の収容空間36と係合し、ナット30と連接する係合部材40″の係止部42″も弾性的に広がってボルト20の収容溝28と噛み合う。このように、締結ユニット10は、構成が更に強固となり、安全性を増加することが可能である。
【0036】
本発明の締結ユニット10は、係合部材40がボルト20の収容溝28及びナット30の収容空間36と同時に係合することにより、その連接強度が増加する。ボルト20とナット30を螺合する過程中に、係合部材40の係止部42は、接触区域によって、圧迫され、又は弾性的に広がる。このように、係止部42は、係合部材40の収容連接部44に近接し、又は係合部材40の収容連接部44から離れて定位感を発生する。当該定位感により、ユーザは係合部材40の係止部42が確実に係合したかどうかを判別することが可能である。これにより、締結ユニット10は、高振動周波数、高電圧、又は高熱の環境において位置しても、ボルト20とナット30の緩みを防止することが可能であり、安全性を増加することが可能である。
【0037】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、緩み止め締結ユニットに適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 締結ユニット
20 ボルト
22 ヘッド部
24 ねじ軸
26 スレッド
28 収容溝
30 ナット
32 ねじ穴
36 収容空間
40、40´、40″ 係合部材
42、42´、42″ 係止部
44、44´、44″ 収容連接部
46、46´、46″ 挿入連接部
281 挿入穴
361 凹み