特許第5961695号(P5961695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961695
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】皮膚の着色組成物および皮膚の着色方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20160719BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20160719BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20160719BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20160719BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   A61K8/31
   A61K8/29
   A61K8/36
   A61K8/02
   A61Q1/02
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-533752(P2014-533752)
(86)(22)【出願日】2011年10月8日
(65)【公表番号】特表2014-528430(P2014-528430A)
(43)【公表日】2014年10月27日
(86)【国際出願番号】CN2011001672
(87)【国際公開番号】WO2013049956
(87)【国際公開日】20130411
【審査請求日】2014年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】590003065
【氏名又は名称】ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】230105223
【弁護士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ホアーン、レイ
(72)【発明者】
【氏名】チウ,チアーン
(72)【発明者】
【氏名】チュエン,コーンリーン
(72)【発明者】
【氏名】ムオン,シュヨン
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特表平07−508753(JP,A)
【文献】 特表平07−508752(JP,A)
【文献】 特表平09−512825(JP,A)
【文献】 特表平08−511013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/31
A61K 8/02
A61K 8/29
A61K 8/36
A61Q 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所適用のための着色組成物であって、
(a) (i)ワセリンを含む疎水性組成物と、
(ii)着色剤と
を含むビーズと、
(b)少なくとも8重量%のC16〜C20脂肪酸を含む化粧品的に許容可能な担体であって、該脂肪酸の少なくとも32重量%がC18脂肪酸でありその任意の塩を含む、該化粧品的に許容可能な担体と
を含み、
前記ビーズが90〜625ミクロンの直径を有し、前記組成物が、少なくとも0.02である重量比(h+c)/aを有し、該(h+c)/aは、該組成物における脂肪酸の重量で除した、ワセリンを含む疎水性組成物の重量と着色剤の重量との合計を意味する、該組成物。
【請求項2】
前記ビーズが90〜625ミクロンの直径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ビーズが175〜325ミクロンの直径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ワセリンを含む疎水性組成物が、ソルビトール、グリセリン、シリコーン処理されたミツロウ、シリコーン処理されたシアバター、シリコーン処理されたキャンデリラ、シリコーン処理されたカルナバ、ヒマワリ油、ベニバナ油、大豆油またはこれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ワセリンを含む疎水性組成物が少なくとも50重量%のワセリンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記ワセリンを含む疎水性組成物が40℃〜50℃の融点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ワセリンを含む疎水性組成物が、疎水性成分として100重量%のワセリンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記(h+c)/a比が0.02〜0.5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記(h+c)/a比が0.03〜0.3である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記着色剤が二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、有機レーキ、染料、酸化クロム(cromium oxide)、リコピンまたはこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記着色剤がベンガラである、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記着色剤が100〜1200nmの直径を有する粒子または凝集粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記着色剤が組成物の0.01〜0.15%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記ワセリンを含む疎水性組成物が前記組成物の1〜4重量%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
日焼け止め剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
バニシングクリームである、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
皮膚の着色方法であって、皮膚を請求項1の局所適用のための組成物と接触させるステップを含む、方法。
【請求項18】
皮膚の着色組成物を作製する方法であって、
(a)着色剤とともに、ワセリンを含む疎水性組成物を、40℃〜65℃の温度に加熱して加熱疎水性組成物を製造するステップと、
(b)少なくとも8重量%のC16〜C20脂肪酸を含む化粧品的に許容可能な担体であって、該脂肪酸の少なくとも32重量%はC18脂肪酸である担体を加熱し、および前記化粧品的に許容可能な担体を25℃〜48℃の温度に加熱するステップと、
(c)前記加熱疎水性組成物および前記加熱担体を結合させて加熱疎水性組成物を有する担体を製造するステップ、ならびに前記加熱疎水性組成物の温度が前記担体の温度を超えるという条件で、90〜625ミクロンの直径を有する、ワセリンを含む疎水性組成物と着色剤とを含むビーズが製造されるまで、前記担体を加熱疎水性組成物と混合するステップと
を順不同で含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の着色組成物および皮膚の着色方法に関する。より詳細には、本発明は、ワセリンを含む疎水性組成物と任意選択で着色剤とを含むビーズを含み、前記ビーズが約90〜約625ミクロンの直径を有する組成物に関する。本発明の皮膚の着色組成物は、局所的に適用することができ、脂肪酸ベースを有し、意外にも、適用の3時間後でさえ長続きする着色効果を示す。
【背景技術】
【0002】
皮膚を「完全なものにする」試みが行われてきた。多くの場合、吸収充填剤(例えば、タルク、シリカ、カオリン)を含む局所組成物が作製され、このような無機充填剤は、幾らかの光を吸収すること、および塗料と同じように光を単純に反射することにより皮膚の欠陥を隠す。代替のアプローチは、ソフトフォーカス効果の実現と呼ばれる。これは、光が様々な方向にねじれる散乱(分散)により入射光が歪められるときに生じる。ソフトフォーカスは、もやに似ているが薄い製品膜(product film)に適用可能な手段として多くの場合考えられている。伝統的なアプローチは残念ながら長続きしない傾向があるため、必ずしも望ましいとは限らない。事実、物理的な美白または他の色彩効果を提供する伝統的な組成物は、典型的には、適用後1時間をはるかに超えて持続する効果をもたらさない。
【0003】
付加情報
ソフトフォーカスを与える組成物を作製するための試みが開示されている。米国特許出願第2008/0152682号明細書において、単結晶板状硫酸バリウム含有組成物が記載されている。
【0004】
皮膚特性を改善する局所組成物を作製するための他の試みが開示されている。米国特許出願第2005/0100568号明細書および同第2009/0155321号明細書において、皮膚外観を改善するための化粧品組成物が記載されている。
【0005】
皮膚特性を改善する局所組成物を作製するためのさらに他の試みが開示されている。米国特許第5,658,579号明細書、同第5,972,359号明細書、同第5,997,890号明細書および同第6,174,533号明細書において、皮膚の欠陥をカバーするための局所組成物が記載されている。
【0006】
さらに、局所組成物を作製するためのさらなる試みが国際公開第01/70188号に記載され、同国際出願は低pH、高脂肪酸バニシングクリームを記載している。
【0007】
上記の付加情報はいずれも、長続きする皮膚着色に適した組成物であって、脂肪酸ベースと、ワセリンを含む疎水性組成物と任意選択で着色剤とを含むビーズとを含み、前記ビーズが約90〜約625ミクロンの直径を有する前記組成物を記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第2008/0152682号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2005/0100568号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2009/0155321号明細書
【特許文献4】米国特許第5,658,579号明細書
【特許文献5】米国特許第5,972,359号明細書
【特許文献6】米国特許第5,997,890号明細書
【特許文献7】米国特許第6,174,533号明細書
【特許文献8】国際公開第01/70188号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
着色効果が長続きする皮膚の着色組成物を開発する関心が高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、皮膚の着色組成物および皮膚着色の方法に関する。組成物は、ワセリンを含む疎水性組成物と任意選択で着色剤とを含むビーズを含み、ビーズは約90〜約625ミクロンの直径を有する。本発明の組成物は、局所的に適用することができ、脂肪酸ベースを有し、意外にも、適用の3時間後でさえ長続きする着色効果を示す。
【0011】
第1の態様において、本発明は、局所適用のための組成物であって、
(a)(i)ワセリンを含む疎水性組成物と、
(ii)任意選択で着色剤と
を含むビーズと、
(b)少なくとも8重量%のC16〜C20脂肪酸を含む化粧品的に許容可能な担体であって、該脂肪酸の少なくとも32重量%がC18脂肪酸でありその任意の塩を含む、化粧品的に許容可能な担体と
を含み、
前記ビーズが約90〜約625ミクロンの直径を有し、さらに、ワセリンを含む疎水性組成物および着色剤/脂肪酸の重量比(すなわち、h+c/a比)が少なくとも0.02である、前記組成物に関する。
【0012】
第2の態様において、本発明は、皮膚を本発明の第1の態様の組成物と接触させるステップを含む皮膚の着色方法に関する。
【0013】
第3の態様において、本発明は、本発明の第1の態様の組成物を作製する方法に関する。
【0014】
本発明の全ての他の態様は、後に続く詳細な説明および実施例を考慮すると容易に明らかになろう。
【0015】
皮膚は、本明細書で使用されるとき、顔、首、胸、背中、腕(脇の下を含む)、手、足、尻および頭皮の皮膚を含むことが意図される。ビーズは、本明細書で使用されるとき、約90〜約625ミクロンの直径を有するビーズ(または粒子)を意味することが意図され、ビーズが完全な球体でない場合には、直径は最長の測定可能な(断面)距離を意味することが意図される。着色剤は、好ましいビーズを形成するようにワセリンを含む組成物内に組み込まれることが意図され、好ましくは、その中で均一に混合されることが意図される。長続きする(long−lasting)は、本明細書で使用されるとき、長期間皮膚に色を物理的に送達することができる組成物を通常意味する。例えば、美白に関するとき、長続きするは、本発明と一致する組成物が使用されず、美白能力を有するものの本明細書に記載されたワセリンを含むビーズを含まない組成物が使用される場合と比較して、適用後少なくとも200分間の45〜70%高いデルタL*%値(CIELAB色空間)変化として定義される、およびHunter Lab Labscan XE計器を用いて判定される美白を意味することが意図される。L*%は、選択された時間間隔で読み取る白さと比較した、適用直後に読み取る白さのパーセント差である。皮膚の着色組成物(composition for coloring skin)は、本明細書で使用されるとき、皮膚の色つやに影響を与える組成物を意味することが意図され、皮膚の着色組成物はリーブオン(leave−on)組成物であってもよく、好ましくはリーブオン組成物であり、最も好ましくはバニシングクリームまたはローションである。重量比h+c/aは、皮膚の着色組成物における脂肪酸の重量で除したワセリンを含む疎水性組成物の重量プラス任意選択の着色剤の重量を意味する。誤解を避けるために、c(任意選択の着色剤の重量)は、ゼロの値を有し得る。粒子は、本明細書で使用されるとき、単一粒子、および凝集粒子またはより小さい粒子でできた大粒子を意味することが意図される。本明細書に記載されたC16〜C20脂肪酸は、例えばナトリウム塩、カリウム塩およびこれらのアミン誘導塩(amine derived salt)などの任意の化粧品的に許容可能なその塩を含むことが意図される。
【0016】
含む(comprising)は、本明細書で使用されるとき、本質的に〜から成る(essentially consisting of)および〜から成る(consisting of)を含むことが意図される。したがって、誤解を避けるために、本発明のビーズは、本質的に、ワセリンおよび任意選択で着色剤から成ってもよく、またはワセリンおよび任意選択で着色剤から成り、多くの場合、好ましい着色剤は酸化鉄および特にベンガラである。本明細書に特定された全ての範囲は、例えば、これへの言及が明示的になされない場合、これらに包含される全ての範囲を含むことが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明において使用されるワセリンを含む疎水性組成物および任意選択の着色剤を含むビーズに関する唯一の制約は、このビーズが、約90〜約625ミクロン、好ましくは約150〜約450ミクロン、最も好ましくは約175〜約325ミクロンの直径を含むことである(これらに包含される全ての範囲を含む)。
【0018】
多くの場合好ましい実施形態において、ビーズ中のワセリンを含む疎水性組成物の重量は、ビーズの総重量に対して、ビーズ中の着色剤(すなわち、使用される場合)の重量より約30〜約95倍、最も好ましくは約35〜約90倍、および最適には約38〜約80倍多く、これらに包含される全ての範囲を含む。ワセリンを含む疎水性組成物の総重量は、多くの場合、皮膚の着色組成物の総重量に対して約1〜約4.0重量%、好ましくは約1.5〜約3.5重量%、最も好ましくは約1.5〜約3.0重量%であり、これらに包含される全ての範囲を含む。着色剤(使用される場合)の総重量は、多くの場合、皮膚の着色組成物総重量に対して約0.02〜約0.15重量%、好ましくは約0.02〜約0.11重量%、最も好ましくは約0.01〜約0.06重量%であり、これらに包含される全ての範囲を含む。
【0019】
ワセリンを含む疎水性組成物は、例えば、鉱油、イソパラフィン、ポリアルファオレフィン、イソヘキサデカン、シリコーン処理されたミツロウのようなシリコーン処理された蝋、シアバター、キャンデリラ、カルナバ、シリコーン、グリセリド(ヒマワリ種子油、大豆油、ベニバナ油のような)、これらの混合物等のような追加の疎水性材料をさらに含むことができる。ワセリンを含む疎水性組成物に使用される材料の組み合わせは、材料が局所的に適用され得、および疎水性組成物が約40℃〜約50℃、好ましくは約42℃〜約48℃(これらに包含される全ての範囲を含む)の融点を有する範囲内に限定される。多くの場合望ましい別の実施形態において、疎水性組成物は、ワセリンを含む疎水性組成物の総重量に対して少なくとも50重量%のワセリン、好ましくは75〜100重量%のワセリン、最も好ましくは100重量%のワセリンを含む。
【0020】
本発明のビーズを作製する場合、ワセリンを含む疎水性組成物は約40℃〜約65℃、好ましくは約42℃〜約60℃、最も好ましくは約48℃〜55℃(これらに包含される全ての範囲を含む)に加熱される。任意選択だが好ましい実施形態において、着色剤は、ワセリンを含む疎水性組成物と組み合わされ、混合される。混合および加熱は制御され、加熱は、ワセリンを含む疎水性組成物のみが使用される場合と同じ記載された温度であるべきである。混合および加熱は、着色剤およびワセリンを含む疎水性組成物の好ましくは均一な組成物が製造されるまで継続するべきである。
【0021】
ワセリンを含む疎水性組成物(および任意選択だが好ましくは着色剤)を含む加熱組成物は、次いで、少なくとも約8重量%のC16〜C20脂肪酸を含む化粧品的に許容可能な担体に添加または結合されるべきである。好ましくは、担体は、約8〜約50重量%、最も好ましくは約10〜約25重量%、および最適には約12〜20重量%のC16〜C20脂肪酸(皮膚の着色組成物の総重量に対して、およびこれらに包含される全ての範囲を含む)を含む。担体は典型的には、約25℃〜約48℃、好ましくは約30℃〜約45℃、最も好ましくは約30℃〜約40℃(これらに包含される全ての範囲を含む)の温度で維持される。ワセリン(および任意選択で着色剤)を含む組成物は、結合する前は化粧品的に許容可能な担体の温度より高い温度で維持されるべきである。撹拌は、担体内で本明細書に記載された直径のビーズになるワセリン(および任意選択で着色剤)を含む組成物をもたらす速度および期間で維持されるべきである。多くの場合、使用される脂肪酸の少なくとも32重量%はC18脂肪酸である。好ましくは、使用される脂肪酸の約35〜100重量%はC18脂肪酸である。最も好ましくは、使用される全ての脂肪酸の40〜60重量%はC18脂肪酸である。極めて特に好ましい実施形態において、本明細書で使用される脂肪酸は、約60:40〜約40:60の重量比(これらに包含される全ての比を含む)のC16:C18脂肪酸の混合物である。
【0022】
特に好ましい実施形態において、h+c/a比は約0.02〜約0.5、最も好ましくは約0.03〜約0.3(これらに包含される全ての範囲を含む)である。最適には、h+c/a比は約0.1〜約0.18である。
【0023】
本発明において使用されていてもよい着色剤のタイプに関する唯一の制約は、着色剤が、ワセリンを含む疎水性組成物と混合され得、好ましくは該疎水性組成物と均一に混合され得るものであることである。本発明における使用に適した着色剤のタイプの例示的なさらに非限定的な例は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム(cromium oxide)、染料、有機レーキ、リコピンのようなカルテノイド、これらの混合物等である。典型的には使用される着色剤は、約100〜約1200nm、好ましくは約280〜約1000nm、最も好ましくは約300〜約650nm(これらに包含される全ての範囲を含む)の直径を有する粒子である。ビーズの直径と一致して、着色剤の直径は、粒子が完全な球体でない場合には、粒子の断面の最長の測定可能な距離を意味することが意図される。
【0024】
本発明の組成物は、典型的には、本明細書に記載された脂肪酸に加えて化粧品的に許容可能な担体成分を含むであろう。水は最も好ましい追加の担体である。水の量は、約1〜約99重量%、好ましくは約5〜約90重量%、最も好ましくは約35〜約80重量%、および最適には約40〜約75重量%(皮膚の着色組成物総重量に対して、およびこれらに包含される全ての範囲を含む)の範囲であってもよい。通常、本発明の組成物は、水および油エマルションであり、最も好ましくは水中油型のエマルションであろう。しかし、油中水エマルション、特に、油中水および高内相エマルションとして一般に分類されるものは任意選択である。本発明のビーズを担持するのに適した高内相エマルションの例示的な例は、共同所有米国特許出願公開第2008/0311058号明細書および第2009/0247445号明細書に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれている。
【0025】
本発明における使用に適した他の化粧品的に許容可能な担体には、鉱油、シリコーン油、合成または天然エステル、およびアルコールが含まれ得る。これらの材料の量は、組成物の約0.1〜約50重量%、好ましくは約0.1〜約30重量%、最も好ましくは約1〜約20重量%(これらに包含される全ての範囲を含む)の範囲であってもよい。
【0026】
シリコーン油は、揮発型および非揮発型に分類することができる。用語「揮発性の」は本明細書で使用されるとき、周囲温度で測定可能な蒸気圧を有するような材料を指す。揮発性シリコーン油は、約3〜約9個、好ましくは約4〜約5個のシリコーン原子を含有する環状または直鎖状ポリジメチルシロキサンから好ましくは選択される。
【0027】
直鎖状揮発性シリコーン材料は、一般に、25℃で約5センチストーク未満の粘度を有するが、環状材料は、典型的には約10センチストーク未満の粘度を有する。
【0028】
担体材料として有用な非揮発性シリコーン油には、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマーが含まれる。本明細書で有用な本質的に非揮発性のポリアルキルシロキサンには、例えば、25℃で約5〜約100,000センチストークの粘度を有するポリジメチルシロキサン(ジメチコンのような)が含まれる。
【0029】
多くの場合好ましいシリコーン源は、シクロペンタシロキサンおよびジメチコノール溶液である。
【0030】
適切なエステルの中には:
(1)パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソナノン酸イソノニル(isononyl isonanonoate)、ミリスチン酸オレイル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸オレイル、およびオレイン酸オレイルのような10〜20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニルまたはアルキルエステル;
(2)エトキシ化脂肪アルコールの脂肪酸エステルなどのエーテル−エステル;
(3)エチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200〜6000)モノおよびジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシ化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル(polyglycerol poly−fatty ester)、エトキシ化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの多価アルコールエステル;
(4)ミツロウ、鯨ロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリルなどのワックスエステル;ならびに
(5)ステロールエステル(大豆ステロールおよびコレステロール脂肪酸エステルがその例である)がある。
【0031】
乳化剤が本発明の皮膚の着色組成物中に存在していてもよい。乳化剤の合計濃度は、組成物の約0.1〜約40重量%、好ましくは約1〜約20重量%、最も好ましくは約1〜約5重量%(これらに包含される全ての範囲を含む)の範囲であってもよい。乳化剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性および両性活性剤から成る群から選択することができる。特に好ましい非イオン性活性剤は、疎水性物質1モル当たり約2〜約100モルのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと縮合したC10〜C20脂肪アルコールまたは脂肪酸疎水性物質;2〜20モルのアルキレンオキシドと縮合したC〜C10アルキルフェノール;エチレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ソルビタン、モノおよびジC〜C20脂肪酸;およびポリオキシエチレンソルビタンならびにこれらの組み合わせを有するものである。アルキルポリグリコシドおよび糖脂肪アミド(例えばメチルグルコンアミド)も適切な非イオン性乳化剤である。
【0032】
好ましいアニオン性乳化剤には、アルキルエーテル硫酸塩およびスルホン酸塩、アルキル硫酸塩およびスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルおよびジアルキルスルホコハク酸塩、C〜C20アシルイセチオン酸塩、C〜C20アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩ならびにこれらの組み合わせが含まれる。
【0033】
使用することができるカチオン性乳化剤には、例えば、パルミタミドプロピルトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリドおよびこれらの混合物が含まれる。有用な両性乳化剤には、ココアミドプロピルベタイン(cocoamidopropyl betaine)、C12〜C20トリアルキルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、およびラウロジアンホ酢酸ナトリウム(sodium laurodiamphoacetate)またはこれらの混合物が含まれる。
【0034】
他の一般に好ましい乳化剤には、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリコール、ステアラミドAMP、ステアリン酸PEG−100、セチルアルコール、およびヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/スクアランのような乳化/増粘添加剤ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0035】
防腐剤は、望ましくは、潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために本発明の皮膚の着色組成物に組み込まれてもよい。本発明の組成物に適切な伝統的防腐剤は、パラ−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。より最近使用されるようになった他の防腐剤には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および様々な第4級アンモニウム化合物が含まれる。化粧品化学者は適切な防腐剤に精通しており、防腐剤負荷試験に合格し、製品安定性を提供するようにこれらを日常的に選択している。特に好ましい防腐剤は、ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニルウレア、デヒドロ酢酸ナトリウム、およびベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の使用、および防腐剤とエマルション中の他の成分の間に起こり得る不適合性を考慮して選択されるべきである。防腐剤は、組成物の約0.01重量%〜約2重量%(これらに包含される全ての範囲を含む)の範囲の量で好ましくは使用される。
【0036】
増粘剤が本発明の組成物中に含まれていてもよい。特に有用であるのは多糖類である。例には、デンプン、天然/合成ガムおよびセルロース誘導体が含まれる。デンプンの代表は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムおよびオクテニルコハク酸デンプンアルミニウムなどの化学的修飾デンプンである。タピオカデンプンが多くの場合好ましい。適切なガムには、キサンタン、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、グアー、カラギーナン、アルギン酸塩およびこれらの組み合わせが含まれる。適切なセルロース誘導体には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシルメチルセルロースナトリウムが含まれる。合成ポリマーは、さらに別のクラスの有効な増粘剤である。このカテゴリーには、カルボマーなどの架橋ポリアクリル酸コポリマー、Sepigel(登録商標)305などのポリアクリルアミドコポリマー、ならびにSimulgel EG(登録商標)およびAristoflex(登録商標)AVCなどのタウリンコポリマーが含まれる(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムおよびアクリロイルジメチルタウリン/ビニルピロリドンコポリマーとして、それぞれINCI命名法により同定されているコポリマー)。増粘に適した別の好ましい合成ポリマーは、Seppicにより市販され、Simulgel INS100の名称で販売されているアクリレート系ポリマーである。
【0037】
使用される場合、増粘剤の量は、組成物の約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約2重量%、最も好ましくは約0.2〜約0.5重量%(これらに包含される全ての範囲を含む)の範囲であってもよい。
【0038】
香料、固定剤および研磨剤が本発明の組成物中に含まれていてもよい。これらの物質の各々は、約0.05〜約5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の間の範囲であってもよい。
【0039】
皮膚の保湿を高めるために、カチオン性アンモニウム化合物が本発明の組成物において使用されていてもよい。このような化合物には、ヒドロキシプロピルトリ(C〜Cアルキル)アンモニウム一置換単糖の塩、ヒドロキシプロピルトリ(C〜Cアルキル)アンモニウム一置換ポリオールの塩、ジヒドロキシプロピルトリ(C〜Cアルキル)アンモニウム塩、ジヒドロキシプロピルジ(C〜Cアルキル)モノ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩、グアーヒドロキシプロピルトリモニウム塩、2,3−ジヒドロキシプロピルトリ(C〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル)アンモニウム塩またはこれらの混合物が含まれる。極めて好ましい実施形態においておよび所望される場合、本発明において使用されるカチオン性アンモニウム化合物は、第4級アンモニウム化合物1,2−ジヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。このような化合物は、使用される場合、組成物の約0.01〜約30重量%、好ましくは約0.1〜約15重量%を典型的には構成する。
【0040】
カチオン性アンモニウム化合物が使用される場合、カチオン性アンモニウム化合物と共に使用するのに好ましい添加剤は、ヒドロキシメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、ヒドロキシプロピル尿素;ビス(ヒドロキシメチル)尿素;ビス(ヒドロキシエチル)尿素;ビス(ヒドロキシプロピル)尿素;N,N’−ジヒドロキシメチル尿素;N,N’−ジ−ヒドロキシエチル尿素;N,N’−ジ−ヒドロキシプロピル尿素;N,N,N’−トリ−ヒドロキシエチル尿素;テトラ(ヒドロキシメチル)尿素;テトラ(ヒドロキシエチル)尿素;テトラ(ヒドロキシプロピル)尿素;N−メチル−N’−ヒドロキシエチル尿素;N−エチル−N,N−N’−ヒドロキシエチル尿素;N−ヒドロキシプロピル−N’−ヒドロキシエチル尿素およびN,N’−ジメチル−N−ヒドロキシエチル尿素またはこれらの混合物のような置換尿素などの保湿剤である。用語ヒドロキシプロピルが現れる場合、意味は3−ヒドロキシ−n−プロピルラジカル、2−ヒドロキシ−n−プロピルラジカル、3−ヒドロキシ−i−プロピルラジカルまたは2−ヒドロキシ−i−プロピルラジカルに対する総称である。最も好ましいのはヒドロキシエチル尿素である。後者は、商標ハイドロバンスのもとにICIのNational Starch & Chemical Divisionから50%水性液体として入手できる。
【0041】
本発明の組成物における置換尿素の量は、使用される場合、約0.01〜約20%、好ましくは約0.5〜約15%、最も好ましくは約2〜約10%(組成物の総重量に対して、およびこれらに包含される全ての範囲を含む)の範囲である。
【0042】
従来の湿潤剤が本発明において使用されてもよい。これらは、一般に多価アルコール−型材料である。典型的な多価アルコールには、グリセロール(すなわち、グリセリン(glycerineまたはglycerin))、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシ化グリセロール、プロポキシル化グリセロールおよびこれらの混合物が含まれる。最も好ましいのは、グリセリン、プロピレングリコールまたはこれらの混合物である。使用される湿潤剤の量は、組成物の0.5〜20%の間、好ましくは1〜15重量%の間の範囲であってもよい。
【0043】
カチオン性アンモニウム化合物および置換尿素が使用される場合、極めて特に好ましい実施形態において、ビーズの外部の少なくとも約1〜約15%グリセリンが使用される(組成物の総重量に対して、およびこれらに包含される全ての範囲を含む)。
【0044】
本発明の組成物はビタミンを含むことができる。例示的なビタミンは、ビタミンA(レチノール)ならびにパルミチン酸レチノールおよびプロピオン酸レチノールのようなレチノールエステル、ビタミンB、ビタミンB(ナイアシンアミド)、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、葉酸およびビオチンである。ビタミンの誘導体も使用することができる。例えば、ビタミンC誘導体には、テトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアスコルビルグリコシド(ascorbyl glycoside)が含まれる。ビタミンEの誘導体には、酢酸トコフェリル、パルミチン酸トコフェリルおよびリノール酸トコフェリルが含まれる。DL−パンテノールおよび誘導体も使用することができる。本発明による組成物中に存在するときビタミンの総量は、組成物の0.001〜10重量%、好ましくは0.01%〜1重量%、最適には0.1〜0.5重量%の範囲であってもよい。
【0045】
本発明における使用に適した他の任意選択の添加剤には、4−エチルレゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノール、4−フェニルエチルレゾルシノール、ジメトキシトルイル(dimethoxytoluyl)プロピルレゾルシノール、4−シクロペンチルレゾルシノール、4−シクロヘキシルレゾルシノールのようなレゾルシノール、アルファ−および/またはベータ−ヒドロキシ酸、ペトロセリン酸、共役リノール酸、これらの混合物等が含まれる。このような添加剤は、使用される場合、合計で組成物の約0.001〜約12重量%を構成する。
【0046】
落屑促進剤が存在してもよい。例示的なのは、アルファ−ヒドロキシカルボン酸、ベータ−ヒドロキシカルボン酸である。用語「酸」は、遊離酸だけでなく、塩ならびにC〜C30アルキルまたはこれらのアリールエステルおよび環状または直鎖状ラクトン構造を形成するように水の除去から生成されるラクトンも含むことが意図される。代表的な酸は、グリコール酸およびこの誘導体、乳酸およびリンゴ酸である。サリチル酸は、ベータ−ヒドロキシカルボン酸の代表である。これらの材料の量は、存在する場合、組成物の約0.01〜約15重量%の範囲であってもよい。
【0047】
様々なハーブエキスが本発明の組成物中に含まれていてもよい。エキスは、それぞれ親水性または疎水性である溶媒中で担持される水溶性または水不溶性のどちらであってもよい。水およびエタノールは好ましいエキス溶媒である。例示的なエキスには、グリーンティー、ノコギリソウ、カモミール、リコリス、アロエベラ、グレープシード、ウンシュウミカン、ウィローバーク、セージ、タイムおよびローズマリー由来のものが含まれる。
【0048】
また、使用に適していてもよいものには、キレート剤(例えば、EDTA)、乳白剤(TiO(50〜1200nm、好ましくは50〜350nmの粒子サイズ)のような)、C8−22脂肪酸置換糖、リポ酸、レチノキシトリメチルシラン(Silcare 1M−75商標のもとClariant Corp.から入手可能)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)およびこれらの組み合わせのような材料も含まれる。セラミド(セラミド1、セラミド3、セラミド3Bおよびセラミド6を含む)および擬似セラミドも有用であり得る。これらの材料の量は、組成物の約0.000001〜約10重量%、好ましくは約0.0001〜約1重量%の範囲であってもよい。
【0049】
日焼け止め活性剤もまた、本発明の組成物中に含まれてもよい。特に好ましいのは、Parsol MCX(登録商標)として入手可能なエチルヘキシルp−メトキシシンナメート、Parsol 1789(登録商標)として入手可能なアボベンゼン(Avobenzene)、およびオキシベンゾンとしても知られるベンゾフェノン−3のような材料である。超微粒二酸化チタン、酸化亜鉛、ポリエチレンおよび様々な他のポリマーなどの無機日焼け止め活性剤が使用されてもよい。日焼け止め剤の量は、存在する場合、一般に、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、最適には0.75〜10重量%の範囲であってもよい。
【0050】
従来の緩衝液/pH調整剤が使用されてもよい。これらには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、クエン酸およびクエン酸塩/クエン酸緩衝液のような一般的に使用される添加剤が含まれる。特に好ましい実施形態において、本発明の組成物のpHは、約4〜約8、好ましくは約4.25〜約7.75、最も好ましくは約6〜約7.5(これらに包含される全ての範囲を含む)である。
【0051】
多種多様な包装が、本発明の皮膚の着色組成物を貯蔵および送達するのに使用され得る。包装は多くの場合、パーソナルケアの最終用途のタイプに依存する。例えば、リーブオン皮膚ローションおよびクリーム、シャンプー、コンディショナーおよびシャワージェルは、一般に、クロージャにより覆われた分注端に開口部を備えるプラスチック容器を使用する。典型的なクロージャは、ねじ蓋、非エアロゾルポンプおよびフリップトップヒンジ蓋である。制汗剤、脱臭剤および脱毛剤用の包装は、分注端にロールオンボールを備える容器を含んでもよい。あるいは、パーソナルケア製品のこれらのタイプは、スティックがプラットフォームを分注開口部に向かって移動する繰り出し(propel)−繰り戻し(repel)構造を有する容器中のスティック組成物製剤において送達されてもよい。高圧ガスにより加圧され、スプレーノズルを有する金属缶は、制汗剤、シェービングクリームおよび他のパーソナルケア製品用の包装として機能する。トワレバー(toilette bar)は、セルロース誘導体もしくはプラスチック包装紙により構成された包装、または段ボール箱内の包装、または収縮包装プラスチックフィルムにさらに包まれた包装を有してもよい。
【0052】
以下の実施例は、本発明の理解を促すために提供される。実施例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0053】
ベース組成物は、以下に記載された成分を混ぜ合わせ、中程度の剪断で混合して作製した。加熱が与えられ、約50℃〜約80℃の範囲であった。所望のベース組成物は約45分で得られた。
【表1】
【0054】

得られたバーニッシング(varnishing)クリームベース組成物を冷却し、約32℃の温度で維持した。ワセリンおよびFe(それぞれ、最終的な皮膚の着色組成物の総重量に対して2.5%および0.05%)を含む均一な組成物は、これらを混合し、約48℃の温度に加熱して調製した。得られた均一な組成物を、ベース組成物と混ぜ合わせた。皮膚の着色組成物中で均一に分散する約225ミクロンのビーズを有する皮膚の着色組成物をもたらすように、撹拌を一定期間継続し、最終組成物は、約2.5%のワセリンおよび0.05%のFeを有した。
【実施例2】
【0055】
実施例1で作製された本発明の皮膚の着色組成物を、長続きする美白について評価した。組成物は、色彩評価キャンバスラミネートプレート(MSC Industrial Supply Companyから利用可能)に塗布し、該プレートを本発明の組成物(従来のフィルムアプリケーターで適用した75ミクロンフィルム)で処理した。被覆プレートを、色の寿命(すなわち、白さ)について約200分間評価した。該手順を、ベースに約0.8 TiO2および18%ステアリン酸を含む市販のバーニッシング(varnishing)クリームである対照に対して繰り返した。対照は、本発明と一致するビーズがなかった。試料の色の寿命(表2に報告されている)は、HunterLab Labscan XE Colorimeterを用いてモニターした。
【表2】
【0056】

結果は驚くべきことに、本発明により作製された組成物が、対照組成物と比較した場合、著しく良好な色の寿命を維持することを示している。
【実施例3】
【0057】
この実施例の組成物は、Feをワセリンと共に使用しなかったことを除いて、実施例1に記載されたものに似た方法で作製した。2.5重量%のワセリンを含有するこの実施例の組成物は、実施例2に記載されたものに似た方法で評価した。試料の色の寿命(表3に報告されている)を、実施例2に記載されているようにモニターした。
【表3】
【0058】

結果は驚くべきことに、本発明により作製された組成物が、実施例2の対照組成物と比較した場合、著しく良好な色の寿命を維持することを示している。