(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保護カバーには、前記平板部に対して垂直な板状体であって、前記平板部の側辺と前記切り欠きの縁とを接続する補強リブが形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置。
前記平板部は複数形成されており、これら複数の前記平板部のうち少なくとも一つの平板部の前記ルーフサイドレール側の面には、前記ルーフサイドレールに対して前記保護カバーを固定するための固定突起が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカーテンエアバッグ装置。
前記固定突起は、互いに対向する二つのフック部と、前記固定突起の先端部において当該フック部同士を連結する前壁と、前記前壁から前記平板部側に延びる側壁とを備えており、
前記保護カバーの長手方向に沿っており且つ前記平板部と直交する第一平面に対して、前記二つのフック部は互いに対称となるように配置されており、前記側壁の形状は、前記第一平面に対して非対称となるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカーテンエアバッグ装置。
【背景技術】
【0002】
車両用のエアバッグ装置として、側面方向からの事故発生時において乗員の頭部がサイドウィンドウ等に激突することを防止するために、車両のルーフサイドレールからエアバッグをカーテン状に展開させるものが知られている。このようなエアバッグ装置は、カーテンエアバッグ装置とも称される。
【0003】
カーテンエアバッグ装置においては、細長い状態となるように折り畳まれたエアバッグが、その長手方向を車両の前後方向に沿わせた状態でルーフサイドレールに取り付けられている。
【0004】
エアバッグの展開方向を規制するために、及び、展開時においてエアバッグが車体(ルーフサイドレール等)に当たって破損することを防止するために、エアバッグとルーフサイドレールとの間には保護カバーが備えられることが多い(例えば、下記特許文献1参照)。保護カバーは板状に形成されており、エアバッグを車体から保護するようにルーフサイドレール側から車内中央側(車両の左右方向における中央側。以下同様。)に向かって延在している。
【0005】
また、エアバッグには、自らを保護カバー等に固定するためのタブが形成されている。タブは、折り畳まれた状態のエアバッグに対して下端が縫い付けられた布片であって、エアバッグの長手方向と略平行であり、且つ上方に向けて突出している。このようなタブは、車両の前後方向に沿って複数箇所に形成されている。
【0006】
保護カバーには、エアバッグに形成されたそれぞれのタブに対応する位置において、その上面から更に上方に向かって突出する板状の取り付け板が形成されている。取り付け板は、先述のタブと同様に、折り畳まれた状態のエアバッグの長手方向と略平行となるように形成されている。換言すれば、エアバッグのタブと略平行となるように形成されている。
【0007】
カーテンエアバッグ装置を車両のルーフサイドレールに取り付ける際は、例えば、まず保護カバーをルーフサイドレールに取り付ける。続いて、それぞれのタブを保護カバーの取り付け板に対して車内中央側から重ねた状態としながら、エアバッグを保護カバーの下方に配置する。その後、タブと取り付け板とを貫くようにファスナー等を挿入し、これにより両者を固定する。このような手順により、エアバッグはそれぞれのタブにおいて保護カバーに対して固定される。尚、上記のようなファスナーは、タブと取り付け板とを貫くのみならず、車両のルーフサイドレールをも貫くものであってもよい。この場合、ファスナーは、エアバッグと保護カバーを車両のルーフサイドレールに固定するという役割をも担うこととなる。
【0008】
上記のように、カーテンエアバッグ装置を車両に取り付ける際は、保護カバーの上面に形成された取り付け板に対し、エアバッグのタブを重ねた状態とする必要がある。このため、従来のカーテンエアバッグ装置では、保護カバーのうち取り付け板の下端部に沿った部分において、下方から上方に向けてタブを通すためのスリットが形成されていた。
【0009】
このような従来の保護カバーの形状の例を
図8に示す。
図8は、従来のカーテンエアバッグ装置における保護カバーを示す斜視図である。
図8において、保護カバー300の上面には上方に向かって突出する板状の取り付け板320が形成されている。また、保護カバー300のうち取り付け板320の下端部近傍には、車両の前後方向に沿ってスリット350が形成されている。
【0010】
図9は、
図8に示した保護カバー300を車両のルーフサイドレールに取り付けて、当該保護カバー300にエアバッグ400を取り付けた状態を模式的に示す断面図である。
図9は、車両の前後方向に対し垂直な面で切断した場合の断面を示している。
図9に示したように、折り畳まれた状態のエアバッグ400は保護カバー300の下方に配置されている。
【0011】
エアバッグ400の上部に形成されたタブ420は、スリット350を通って保護カバー300の上方に出ており、取り付け板320に対して重ねられている。タブ420は、図示しないファスナーによって取り付け板320に対し固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来のカーテンエアバッグ装置では、上記のように保護カバーにスリットが形成されていたため、当該スリットの近傍においては保護カバーの強度が低下してしまう可能性があった。エアバッグの展開時においては、保護カバーは上方に向けて衝撃力を受けることとなる。このとき、スリットの形成によって保護カバーの強度が低下している場合には、当該衝撃力によって保護カバーが破損してしまう恐れがある。
【0014】
図8を参照しながら詳述すると、保護カバー300にはスリット350が形成されているため、スリット350の両端部分における強度が比較的弱くなっている。このため、保護カバー300のうちスリット350よりも車内中央側の部分(
図8において点線Aで囲まれた部分)に対し、エアバッグ400の展開時において下方から衝撃力が加わると、スリット350の両端部分を起点として保護カバー300に割れが発生してしまう可能性がある。
【0015】
また、従来のカーテンエアバッグ装置では、エアバッグを取り付ける際においてタブをスリット350に対し下方から通すという作業が必要となる。このため、取り付け作業が煩雑なものとなっていた。更に、作業の煩雑化に伴ってエアバッグの捩れや位置ずれが生じてしまうこともあり、これによりエアバッグの展開動作が所定通りに行われないという現象も生じていた。
【0016】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、保護カバーの強度低下を抑制することのできるカーテンエアバッグ装置を提供することにある。加えて、第二の目的は、エアバッグの取り付け作業を簡便なものとし、エアバッグの捩れ等を防止することができるカーテンエアバッグ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために本発明に係るカーテンエアバッグ装置は、車両のルーフサイドレールに取り付けられるカーテンエアバッグ装置であって、細長い状態となるように折り畳まれたエアバッグと、前記ルーフサイドレールと前記エアバッグとの間に配置される板状のカバーであって、前記エアバッグを車体から保護するように、少なくとも前記ルーフサイドレール側から車内中央側に向かって延在する保護カバーと、を備え、前記保護カバーには、前記エアバッグに取り付けられたタブに対応する位置において、車内中央側から前記ルーフサイドレール側に向かって切り欠きが形成され、前記切り欠きのうち前記ルーフサイドレール側の縁から上方に向かって突出する平板部が形成されていることを特徴としている。
【0018】
本発明では、ルーフサイドレールとエアバッグとの間に配置される板状のカバーであって、エアバッグを車体から保護するように(エアバッグが車体に当たらないように)、少なくともルーフサイドレール側から車内中央側に向かって延在する保護カバーを有している。当該保護カバーによって、エアバッグの展開方向が規制される。また、展開時においてエアバッグが車体(ルーフサイドレール等)に当たって破損することが防止される。
【0019】
保護カバーには、エアバッグに取り付けられたタブに対応する位置において、車内中央側からルーフサイドレール側に向かって切り欠きが形成されている。また、当該切り欠きのうちルーフサイドレール側の縁から上方に向かって突出する平板部が形成されている。
【0020】
このような構成においては、エアバッグは、タブを保護カバーの平板部に車内中央側から重ねた状態で、保護カバーに対して固定される。ここで、保護カバーのうち平板部よりも車内中央側の部分は切り欠かれているため、当該部分にはエアバッグの展開時において衝撃力が加わる対象が存在しない。また、エアバッグのタブは切り欠きを通じて保護カバーの上部に出すことが可能であるから、保護カバーに対し下方からタブを通すためのスリットを形成する必要がない。このため、保護カバーの一部(スリットの両端部等)の強度が低下してしまうことがない。その結果、エアバッグの展開時において保護カバーが破損してしまうことが防止される。
【0021】
更に、エアバッグのタブを平板部に重ねる際には、タブを下方からスリットに通すような作業を行う必要がない。すなわち、タブは車内中央側からルーフサイドレール側に向かって切り欠きに挿入され、保護カバーの平板部に重ねられる。このため、エアバッグを取り付ける際においては、エアバッグを捩ったり変形させたりする必要がなく、従来よりも簡便に取り付けることができる。その結果、煩雑な取り付け作業に伴ってエアバッグの捩れや位置ずれが生じてしまうことが防止される。
【0022】
また本発明に係るカーテンエアバッグ装置では、前記保護カバーには、前記平板部に対して垂直な板状体であって、前記平板部の側辺と前記切り欠きの縁とを接続する補強リブが形成されていることも好ましい。
【0023】
この好ましい態様では、保護カバーには、平板部に対して垂直な板状体であって、平板部の側辺と切り欠きの縁とを接続する補強リブが形成されている。このような補強リブを形成することにより、板状の平板部及びその近傍における保護カバーの変形が抑制される。その結果、エアバッグの展開時において保護カバーが破損してしまうことが更に防止される。
【0024】
また本発明に係るカーテンエアバッグ装置では、前記平板部は複数形成されており、これら複数の前記平板部のうち少なくとも一つの平板部の前記ルーフサイドレール側の面には、前記ルーフサイドレールに対して前記保護カバーを固定するための固定突起が形成されていることも好ましい。
【0025】
この好ましい態様では、平板部は複数形成されており、これら複数の平板部のうち少なくとも一つの平板部のルーフサイドレール側の面には、ルーフサイドレールに対して保護カバーを固定するための固定突起が形成されている。このような構成とすることにより、エアバッグのタブを重ねて固定するための平板部を、保護カバーをルーフサイドレールに固定するためのものとして兼用することができる。その結果、保護カバーの形状を簡素化することができる。
【0026】
また本発明に係るカーテンエアバッグ装置では、前記固定突起は、互いに対向する二つのフック部と、前記固定突起の先端部において当該フック部同士を連結する前壁と、前記前壁から前記平板部側に延びる側壁とを備えており、前記保護カバーの長手方向に沿っており且つ前記平板部と直行する第一平面に対して、前記二つのフック部は互いに対称となるように配置されており、前記側壁の形状は、前記第一平面に対して非対称となるように形成されていることも好ましい。
【0027】
この好ましい態様によれば、保護カバーを樹脂成型する際における、金型の抜き方向の自由度を高めることができる。このため、例えば複数の平板部を互いに非平行となるように形成する場合であっても、保護カバーを樹脂成型するための金型構造を単純なものとすることができる。
【0028】
また本発明に係るカーテンエアバッグ装置では、前記平板部の上端から更に上方に延びるように形成された平板状の延長部を有しており、前記延長部が折り畳まれ、前記平板部と前記延長部とによって前記タブが挟み込まれた状態で、前記ルーフサイドレールに取り付けられるように構成されていることも好ましい。
【0029】
この好ましい態様では、平板部の上端から更に上方に延びるように形成された平板状の延長部を有している。カーテンエアバッグ装置がルーフサイドレールに取り付けられる際には、延長部が折り畳まれ、平板部と延長部とによってエアバッグのタブが挟み込まれた状態となる。
【0030】
平板状の二つの部材(延長部、平板部)によってタブが挟み込まれるため、タブの一部(例えば、上方の隅部)が垂れ下がるようなことなく、タブの全体が保持された状態とすることができる。また、このような延長部を保護カバーの一部として形成することができるため、タブを押さえ付けるためのブラケット等を別部品として用意する必要がなく、カーテンエアバッグ装置の部品数を減らし、車両への取り付け作業を簡素化することができる。
【0031】
また本発明に係るカーテンエアバッグ装置では、前記平板部と前記延長部との間には直線状の溝が形成されており、当該溝に沿って前記延長部が折り畳まれることも好ましい。
【0032】
この好ましい態様では、平板部と延長部との間には直線状の溝が形成されている。当該溝が所謂ヒンジとして機能するため、延長部を折り畳む作業がより容易なものとなる。
【0033】
また本発明に係るカーテンエアバッグ装置では、前記平板部又は前記延長部のうち、前記タブに当接する部分の少なくとも一部には、前記タブに対する摩擦力を増加させるための処理が施されていることも好ましい。
【0034】
この好ましい態様では、平板部又は延長部のうち、(挟み込まれた)タブに当接する部分の少なくとも一部に、タブに対する摩擦力を増加させるための処理が施されている。摩擦力を増加させるための処理とは、例えば表面に溝を形成する処理や、表面に無数の凹凸を形成するような処理である。エアバッグのタブが、このような処理が施された部分に当接した状態で挟み込まれるため、エアバッグの展開時における衝撃でタブが位置ずれしてしまうようなことがない。
【0035】
また本発明に係るカーテンエアバッグ装置では、前記延長部、前記平板部、及び前記タブを貫く固定部材により、前記保護カバーが前記ルーフサイドレールに対して固定されることも好ましい。
【0036】
この好ましい態様では、延長部、平板部、及びタブを貫く固定部材により、保護カバーがルーフサイドレールに対して固定される。このような固定部材によって、エアバッグのタブが延長部と平板部との間に強固に挟み込まれるため、エアバッグの展開時における衝撃でタブが位置ずれしてしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、保護カバーの強度低下を抑制することのできるカーテンエアバッグ装置を提供することができる。また、エアバッグの取り付け作業を簡便なものとし、エアバッグの捩れ等を防止することができるカーテンエアバッグ装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0040】
本発明の実施形態であるカバーを有するエアバッグ装置について、
図1を参照しながら説明する。
図1の(A)は、エアバッグ装置AAを車両Cの進行方向右側に取り付けた状態を車内側からみた斜視図である。
図1の(B)は、(A)の状態からエアバッグ装置AAを作動させてエアバッグ10を展開させた状態を示す斜視図である。
図1においては、車両Cの前方から後方に向かう方向をx方向としてx軸を設定し、車両Cの下方から上方に向かう方向をy方向としてy軸を設定し、車両Cの進行方向右側から進行方向左側に向かう方向をz方向としてz軸を設定している。以降の図面においても、同様にしてx軸、y軸、z軸を設定している。
【0041】
エアバッグ装置AAは、車両Cのサイドウィンドウ近傍にエアバッグ10を展開させるカーテンエアバッグ装置である。尚、以下全ての実施形態を車両Cの進行方向右側用のカーテンエアバッグ装置として説明するが、車両Cの進行方向左側用のカーテンエアバッグ装置も同様且つ対称な構造を有するものである。
【0042】
図1の(A)に示すように、エアバッグ装置AAは、車室側面上方に収納されるものである。エアバッグ装置AAは、車両CのルーフサイドレールSLに取り付けられている。車両Cには複数のピラーが設けられており、前方から順に、AピラーAP、BピラーBP、CピラーCP、及びDピラーDPとして設けられている。AピラーAP、BピラーBP、CピラーCP、及びDピラーDPの車内側は、樹脂等で成形されたピラートリムで覆われている。本実施形態の場合、エアバッグ装置AAは、AピラーAPからDピラーDPに渡って設けられている。
【0043】
エアバッグ装置AAは、エアバッグ10と、保護カバー20と、インフレーター30とを備えている。エアバッグ10は、その表面を構成する基布を表裏で縫製したり、OPW(One−Piece Woven)を用いて紡織したりすることにより袋状に形成されている。
図1の(A)において、エアバッグ10はロール状に折り畳まれて(巻回されて)細長い状態となっており、その長手方向が車両Cの前後方向(x軸方向)に沿うように取り付けられている。エアバッグ10の具体的な取り付け構造については、後に詳しく説明する。
【0044】
保護カバー20は、樹脂の射出成形により形成された板状のカバーであって、エアバッグ10とルーフサイドレールSLとの間に配置されている。保護カバー20は、エアバッグ10が車体(ルーフサイドレールSL等)に当たって破損することを防止するためのものである。尚、保護カバー20は、上記のようにエアバッグ10を車体から保護する役割の他、エアバッグ10の展開方向を規制する役割、及び、エアバッグ10が落下しないように保持する役割をも担っている。
【0045】
保護カバー20は、車両の前後方向に沿って複数に分割されている。すなわち、車両の前後方向に沿って並ぶように取り付けられた複数の保護カバー20が、エアバッグ10の全体を上方から保護している。
【0046】
インフレーター30は、シリンダーインフレーターであって、エアバッグ10上端の好適に定められる位置から、エアバッグ10にガスを供給する。車両Cに側面衝突やロールオーバー(横転)が発生すると、インフレーター30が作動するように構成されている。具体的には、側面衝突やロールオーバーが発生すると、車両Cに設けられたセンサー(図示せず)が衝撃を感知し、インフレーター30へと発火信号を送信する。そして、インフレーター30の火薬が燃焼し、発生したガスがエアバッグ10へと供給される。
【0047】
保護カバー20の具体的な形状等について、
図2乃至
図4を参照しながら説明する。
図2は、保護カバー20を車両CのルーフサイドレールSL側から見た斜視図であって、上記のように複数に分割された保護カバー20のうちの一つを示している。
図3は、保護カバー20の一部を車内中央側から見た斜視図であって、保護カバー20のうち上部に形成された保持部250(後に説明する)の近傍を拡大して示している。
図4は、
図3に示した保護カバー20に対してエアバッグ10を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0048】
図2及び
図3に示したように、保護カバー20は、保護部210と、保持部250と、固定部270とを有している。保護部210は、x方向から見た場合において略C字形状に湾曲した板状体であり、エアバッグ10がルーフサイドレールSL等に当たって破損することを防止する部分である。保護部210のうち上部は、ルーフサイドレールSL側から車内中央側に向かって延在している。すなわち、エアバッグ10の上方をz方向に向かって延在する板状体となっている。
【0049】
保持部250は、エアバッグ10に複数形成されたタブTに対応する位置に形成されたものであって、当該タブTがファスナーにより固定される部分である。すなわち、それぞれのタブTを固定することによって、エアバッグ10が落下しないように保持するための部分である。また、後述するように、固定部270は、保護カバー20をルーフサイドレールSLに対して固定する役割を担っている。尚、固定部270が、上記保持部250と同様の役割(ファスナーによりタブTが固定される部分としての役割)を担っていてもよい。
【0050】
図4に示したように、タブTは、折り畳まれた状態のエアバッグ10の上部に対して下端が接続された布片であって、エアバッグ10の長手方向(x方向)と略平行であり、且つ上方(y方向)に向けて突出している。タブTは、エアバッグ10との一体的な紡織により形成されていてもよいし、矩形の布片をエアバッグ10に縫い付けることによって形成されていてもよい。タブTの中央部には矩形の貫通孔THが形成されている。保持部250に対するタブTの固定は、当該貫通孔THにファスナー(図示せず)を挿入することにより行われる。
【0051】
保持部250の構造について詳しく説明する。
図3に示したように、保持部250は平坦な板状に形成された平板部251を有している。平板部251は、保護部210の上面のうちルーフサイドレールSL寄りの部分から上方(Y方向)に向けて突出している。換言すれば、上方(Y方向)から見た場合における保持部250の端部は、車両の前後方向(x方向)に対して略平行となっている。
【0052】
保護部210のうち平板部251が形成されている部分よりも車内中央側(z方向側)には、矩形の切り欠き260が形成されている。矩形の切り欠き260の幅(x方向に沿った幅)は、平板部251の幅と略同一である。このため、平板部251は、切欠き260のうちルーフサイドレールSL側の縁から上方に向かって突出するように形成されているということもできる。
【0053】
また、保持部250は、平板部251及びその近傍を補強するための補強リブ252、253を有している。補強リブ252は、平板部251のうち車両前方側の側辺と、切り欠き260のうち車両前方側の縁とを接続する板状のリブである。補強リブ252は平板部251に対して垂直となっていることが望ましい。補強リブ253は、平板部251のうち車両後方側の側辺と、切り欠き260のうち車両後方側の縁とを接続する板状のリブである。補強リブ253は平板部251に対して垂直となっていることが望ましい。
【0054】
平板部251の中央部には矩形の貫通孔HHが形成されている。
図4に示したように、保持部250に対してエアバッグ10のタブTを固定する際は、平板部251に対してタブTを車内中央側から重ねる。このとき、タブTの貫通孔THの位置と、平板部251の貫通孔HHの位置とを一致させておく。その後、両者を貫くようにファスナー(図示せず)を挿入することで、保持部250に対してタブTを固定する。
【0055】
本実施形態に係る保護カバー20は、
図8に示した従来の保護カバー300と異なり、タブTを通すためのスリット350が形成されていない。このため、平板部251に対してタブTを車内中央側から重ねて
図4の状態とする際には、タブTをスリット350に対して下方から通すような作業を行う必要がない。本実施形態においては、タブTを車内中央側からルーフサイドレールSL側に向かって切り欠き260に挿入することにより、タブTを平板部251に重ねることができる。換言すれば、z方向とは逆方向に向かってタブTを略直線的に移動させることにより、タブTを平板部251に重ねることができる。
【0056】
このため、本実施形態に係る保護カバー20においては、保護カバー20にエアバッグ10を取り付ける際において、エアバッグ10を捩ったり変形させたりする必要がなく、従来よりも簡便に取り付けることが可能となっている。その結果、煩雑な取り付け作業に伴ってエアバッグ10の捩れや位置ずれが生じてしまうことが防止されている。
【0057】
図5は、車両に取り付けられた状態のエアバッグ装置AAを模式的に示す断面図であって、
図1のI−I断面を示している。本実施形態に係るエアバッグ装置AAでは、従来のエアバッグ装置と同様に、保護カバー20が車両のルーフサイドレールSLに対して固定されている(その固定方法は後述する)。また、エアバッグ10は、既に述べたように、タブTにおいて保護カバー20に対して固定されている。
【0058】
細長い状態となるように折り畳まれているエアバッグ10は、その周囲のうち車体に対面するルーフサイドレールSL側車体の天井方向のから上方側に渡る部分が、保護カバー20によって覆われた状態で取り付けられている。従って、エアバッグ10の展開時においては、下方に向けて開口した保護カバー20によりその展開方向が案内される。その際、保護カバー20は、エアバッグ10の展開に伴って主にy方向や−z方向に衝撃力を受けることとなる。
【0059】
図3及び
図4に示したように、本実施形態においては、保護部210のうち平板部251よりも車内中央側の部分が切り欠かれている。換言すれば、当該部分にはエアバッグの展開時において衝撃力が加わる対象(保護部210のうち、
図5において点線で示した部分)が存在しない。その結果、平板部251の近傍が当該衝撃力を受けて破損してしまうことが防止されている。
【0060】
また、エアバッグ10のタブTは切り欠き260を通じて保護部210の上部に出すことが可能であるから、保護部210に対し下方からタブTを通すためのスリットを形成する必要がない。このため、保護カバー20の一部(スリットの両端部等)の強度が低下してしまうことがない。その結果、エアバッグ10の展開時において保護カバー20が破損してしまうことが更に防止されている。
【0061】
また、保護カバー20は、平板部251及びその近傍を補強するための補強リブ252、253を形成している。このため、板状の平板部251及びその近傍における保護カバーの変形が抑制される。換言すれば、切り欠き260を形成することによって保護カバー20の剛性は低下するが、このような剛性の低下を補強リブ252、253が補っている。その結果、エアバッグ10の展開時における保護カバー20の変形が抑制され、保護カバー20が破損してしまうことが防止される。保護部210は、保護カバー20の長手方向全長にわたって連続した板となっている部分を有しており、当該部分には切り欠きなど部分的に弱くなっている箇所がない。このため、例えば−z方向に衝撃力が加わっても、その衝撃力による変形は抑制され、保護カバー20の破損が防止される。
【0062】
続いて、固定部270の構造について、
図2及び
図6を参照しながら説明する。
図2は、既に説明したように、保護カバー20を車両CのルーフサイドレールSL側から見た斜視図である。
図6は、保護カバー20を車内中央側から見た斜視図である。
【0063】
固定部270は、平坦な板状に形成された平板部271を有している。平板部271は、保護部210の上面のうちルーフサイドレールSL寄りの部分から上方(y方向)に向けて突出している。換言すれば、上方(Y方向)から見た場合における平板部271の端部は、車両の前後方向(x方向)に対して略平行となっている。平板部271は、保持部250の平板部251と略同一の平面上に形成されている。平板部271の中央部には、矩形の貫通孔HH2が形成されている。
【0064】
保護部210のうち平板部271が形成されている部分よりも車内中央側(z方向側)には、切り欠き280が形成されている。切り欠き280の幅は、平板部271の幅と略同一である。このため、平板部271は、切り欠き280のうちルーフサイドレールSL側の縁から上方に向かって突出するように形成されているということもできる。
【0065】
固定部270は、平板部271及びその近傍を補強するための補強リブ273を有している。補強リブ273は、平板部271のうち車両後方側の側辺と、切り欠き280のうち車両後方側の縁とを接続する板状のリブである。補強リブ273は平板部271に対して垂直となっていることが望ましい。
【0066】
尚、本実施形態においては、平板部271のうち車両前方側の側辺の位置が、保護カバー20の車両前方側の端部の位置と一致している。このため、平板部271の補強リブ273は、切り欠き280の車両後方側の縁にのみ形成されている。しかしながら、本発明の実施形態としてはこのような態様に限定する必要はない。すなわち、平板部271のうち車両前方側の側辺の位置を、保護カバー20の車両前方側の端部の位置よりも後方側(x方向側)とした上で、切り欠き280が互いに垂直な(略コノ字型の)三つの縁を有する態様としてもよい。すなわち、切り欠き260と同様の態様としてもよい。
【0067】
本実施形態においては、固定部270は一つの補強リブ273を有している。ただし、前述のように切り欠き280が互いに垂直な(略コノ字型の)三つの縁を有するような態様とした場合においては、本実施形における保持部250と同様に、平板部271の両側側辺にそれぞれ接続される二つの補強リブを有する態様としてもよい。
【0068】
保護カバー20に対して、エアバッグ10を固定部270において固定してもよい。この場合、保持部250の場合と同様に、エアバッグ10のタブT(複数のタブTのうち、保持部250と対応する位置に形成されているタブT)が固定部270に対して固定される。
【0069】
一例として、まず平板部271に対してタブTを車内中央側から重ねる。このとき、タブTの貫通孔THの位置と、平板部271の貫通孔HH2の位置とを一致させておく。その後、両者を貫くようにファスナー(図示せず)を挿入することで、固定部270に対してタブTを固定する。
【0070】
上記に例示したように、固定部270は、保持部250とほぼ同様の構成によって、タブTを固定することができるようになっている。このため、切り欠き280が形成されることによりエアバッグ10を簡便に取り付けることが可能となっていることや、補強リブ273を有することによって平板部271及びその近傍が補強されていることについても、保持部250の場合と同様である。
【0071】
図2に示したように、固定部270の平板部271には、ルーフサイドレールSL側に突出する略四角柱形状の固定突起290が形成されている。また、固定突起290の上面及び下面には、フック291、292がそれぞれ形成されている。
【0072】
フック291は、固定突起290の上面に形成されており、そのルーフサイドレールSL側(z方向とは反対側)の端部が固定突起290の先端近傍に接続されている。フック291のうち車内中央側(z方向側)の端部は、フック291の弾性変形によって上下に変位することが可能となっている。換言すればフック291は車内中央側の端部を上方に向かって付勢する板ばねとして機能するものである。フック291に外力を加えない状態においては、フック291の車内中央側の端部は、固定突起290の上面よりも高い位置となっている。
【0073】
フック292は、固定突起290の下面に形成されており、そのルーフサイドレールSL側(z方向とは反対側)の端部が固定突起290の先端近傍に接続されている。フック292のうち車内中央側(z方向側)の端部は、フック292の弾性変形によって上下に変位することが可能となっている。換言すればフック292は車内中央側の端部を下方に向かって付勢する板ばねとして機能するものである。フック292に外力を加えない状態においては、フック292の車内中央側の端部は、固定突起290の下面よりも低い位置となっている。
【0074】
ルーフサイドレールSLには、固定突起290と対応する位置において矩形の孔SLH(図示せず)が形成されている。孔SLHは、固定突起290のうちフック291、292を除いた部分の形状と略同一の形状に開口している。
【0075】
ルーフサイドレールSLに保護カバー20を取り付ける際には、孔SLHに対して固定突起290を挿入する。このとき、フック291は孔SLHの縁に押されて変形し、車内中央側(z方向側)の端部の位置が固定突起290の上面より低い位置となる。その後、孔SLHに対する固定突起290の挿入が完了した時点では、フック291は孔SLHの縁を乗り越えて元の状態に戻る。
【0076】
同様に、孔SLHに対して固定突起290を挿入する際には、フック292は孔SLHの縁に押されて変形し、車内中央側(z方向側)の端部の位置が固定突起290の下面より高い位置となる。その後、孔SLHに対する固定突起290の挿入が完了した時点では、フック292は孔SLHの縁を乗り越えて元の状態に戻る。
【0077】
フック291、292が抜け止めとして機能するため、ルーフサイドレールSLから固定突起290が容易に抜けてしまうことがない。このように、孔SLHに固定突起290を挿入するだけで、保護カバー20をルーフサイドレールSLに取り付けて固定することができる。すなわち、固定突起290は、ルーフサイドレールSLに対して保護カバー20を固定するためのクリップとして機能する。
【0078】
上記のように本実施形態では、エアバッグ10のタブTを固定してエアバッグ10を保持する機能は保持部250のみが有しており、固定部270は、ルーフサイドレールSLに対して保護カバー20を固定する機能のみを有する態様となっている。しかしながら、本発明の実施形態としてはこのような態様に限られない。例えば、固定部270が、エアバッグ10のタブTを固定してエアバッグ10を保持する機能(すなわち、保持部250と同様の機能)と、ルーフサイドレールSLに対して保護カバー20を固定する機能との両方を具備してもよい。
【0079】
尚、本実施形態においては、一つの保護カバー20が二つの平板部(251、271)を有しており、これらのうち一つの平板部(271)のみに固定突起290が形成されている。クリップとして機能する固定突起290は、このように少なくとも一つの平板部に形成されていればよいのであるが、複数の平板部にそれぞれ形成されていてもよい。
【0080】
また、ルーフサイドレールSLに対する保護カバー20の固定は、保持部250において行ってもよい。この場合、保持部250の貫通孔HHに挿入されるファスナーは、本実施形態のようにタブT及び平板部251を貫くだけではなく、車両のルーフサイドレールをも貫くように挿入される。
【0081】
続いて、
図7を参照しながら、保護カバー20を樹脂の射出成形により製作する方法について簡単に説明する。
図7は、保護カバー20を成形する際における金型の配置を説明するための図であって、保護カバー20のうち固定部270の近傍を成形する部分における金型の断面を示している。金型は、
図7に示したように第一金型800と第二金型900とからなる。
【0082】
固定部270に形成された固定突起290は中空となっている。保護カバー20を成形する際(原料の樹脂を射出する際)においては、第一金型800に形成された突起801と第二金型900に形成された突起901とが水平面SH1を挟んで当接した状態となっており、これらによって固定突起290の中空部分が形成される。
【0083】
また、固定突起290は、貫通孔HH2の両側部の縁に対して接続されている。このため、固定突起290の下部においては、貫通孔HH2の一部が開口した状態となっている。保護カバー20を成形する際(原料の樹脂を射出する際)においては、第一金型800に形成された突起802と第二金型900に形成された突起902とが水平面SH2を挟んで当接した状態となっており、これらによって固定突起290の下部の開口が形成される。
【0084】
水平面SH1及び水平面SH2は互いに平行な平面であって、第一金型800の抜き方向、及び第二金型900の抜き方向と平行となっている。このため、成形された保護カバー20を金型から取り出す際においては、第一金型800及び第二金型900を同一方向に沿って離間させればよい。このため、保護カバー20を形成するための金型の形状や配置が比較的簡便なものとなっている。
【0085】
続いて、本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。このエアバッグ装置AAaは、保護カバー20aの形状の一部と、保護カバー20aに対するタブTaの固定方法においてのみ、エアバッグ装置AAと異なっているが、他についてはエアバッグ装置AAと同様の構成となっている。このため、以下においては、エアバッグ装置AAと異なる構成についてのみ説明することとし、エアバッグ装置AAと同様の構成についてはその説明を省略する。
【0086】
図10は、保護カバー20aの一部を車内中央側から見た斜視図であって、保護カバー20aのうち上部に形成された保持部250aの近傍を拡大して示している。
図10に示したように、エアバッグ10aを保持する前の状態(樹脂成型された直後の状態)における保護カバー20aは、保持部250aの平板部251aを更に上方に伸ばしたような形状となっている。換言すれば、平板部251aの上端から更に上方に延びるように形成された平板状の延長部261aを有している。
【0087】
延長部261aは、平板部251aと略同一平面上に配置されており、そのx方向における幅が、補強リブ252aと補強リブ253aとの距離よりも僅かに短くなっている。また、延長部261aのy方向に沿った長さは、平板部251aのy方向に沿った長さよりも僅かに短くなっている。
【0088】
延長部261aの下端は、ヒンジ部Haを介して平板部251aの上端に接続されている。ヒンジHaは、車両外側(−z方向)の面において、x方向に沿って形成された直線状の溝GHを有している。延長部261a、ヒンジ部Ha、及び平板部251aは、いずれも保護カバー20aの一部として一体成型されている。延長部261aと平板部251aとの間にヒンジ部Ha(溝GH)が形成されていることにより、当該ヒンジ部Ha(溝GH)を支点として、延長部261aを車両内側(z方向)に向けて倒すことが可能となっている。
【0089】
本実施形態においては、平板部251aの中央部に形成された貫通孔HHaの形状が、矩形ではなく円形となっている。また、延長部261aの中央部には、円形の貫通孔SDHaが形成されており、貫通孔SDHaの縁からz方向に沿って延びるように、円筒部SDaが形成されている。円筒部SDaの外径は、貫通孔HHaの内径に等しい。ヒンジ部Haを支点として、延長部261aを車両内側(z方向)に向けて倒すことにより、貫通孔HHaに円筒部SDaを挿通させることが可能となっている。
図10に示したように、平板部251aのうち車内側の面には、4本の溝GRaが形成されている。
【0090】
尚、保護カバー20aは、平板部251a(及びその上方側)の形状において保護カバー20と異なっているほか、後に説明する固定突起290aの形状についても保護カバー20と異なっている。平板部251a(及びその上方側)及び固定突起290a以外の部分の形状については、保護カバー20の形状と同一である。
【0091】
続いて、保護カバー20aにエアバッグ10aを取り付ける方法について説明する。
図11は、保護カバー20aに対してエアバッグ10aを取り付ける手順を説明するための斜視図である。尚、本実施形態においては、エアバッグ10aのタブTaに形成された貫通孔THaの形状が、矩形ではなく円形となっている。また、貫通孔THaの内径は、貫通孔HHaの内径に等しい。
【0092】
まず、エアバッグ10の場合と同様に、平板部251aに対してタブTaを車内中央側から重ねた状態とする。このとき、タブTaの貫通孔THaの位置と、平板部251aの貫通孔HHaの位置とを一致させておく。
【0093】
その後、
図11に矢印で示したように、ヒンジ部Haを支点として、延長部261aを車両内側(z方向)に向けて倒して行く。最終的には、平板部251aと延長部261aとによってタブTaが挟み込まれた状態となる。このとき、延長部261aの円筒部SDaは、貫通孔THa及び貫通孔HHaの両方に対し挿通された状態となる。
【0094】
その後、円筒部SDa内部を貫くよう、車両内側からボルトBTを挿入する。
図12に示したように、当該ボルトBTの締結により、保護カバー20a及びエアバッグ10a(タブTa)をルーフサイドレールSLに対して固定する。
【0095】
以上に説明したように、本実施形態においては、保護カバー20aが、平板部251aの上端から更に上方に延びるように形成された平板状の延長部261aを有している。エアバッグ装置AAaがルーフサイドレールSLに取り付けられる際には、延長部261aが折り畳まれ、平板部251aと延長部261aとによってエアバッグ10のタブTaが挟み込まれた状態となる。
【0096】
平板状の二つの部材(平板部251a、延長部261a)によってタブTaが挟み込まれるため、タブTaの一部(例えば、上方の隅部)が垂れ下がるようなことなく、タブTaの全体が保持された状態とすることができる。また、このような延長部261aを保護カバー20aの一部として形成することができるため、エアバッグ装置AAaの部品数を減らし、車両Cへの取り付け作業を簡素化することが可能となっている。
【0097】
また、平板部251aのうち車内側の面、すなわち、タブTaに当接する部分には、4本の溝GRaが形成されている。このため、ルーフサイドレールSLにエアバッグ装置AAaが固定された状態(
図12に示した状態)においては、ボルトBTの締結によってタブTaが平板部251aに押しつけられており、タブTaと平板部251aとの間における摩擦力が溝GRaにより増加している。その結果、エアバッグ10の展開時における衝撃でタブTaが位置ずれしてしまうようなことが防止されている。
【0098】
尚、溝GRaは、本実施形態のように平板部251aに形成してもよいが、延長部261aのうちタブTaに当接する面(
図10におけるz方向側の面)に形成してもよく、平板部251aと延長部261aの両方に形成してもよい。また、タブTaに対する摩擦力を増加させるための処理としては、溝GRaを形成するような処理に限られず、例えば、平板部251a等に無数の凹凸を形成するような処理であってもよい。
【0099】
また、本実施形態では、延長部261a、平板部251a、及びタブTaを貫くボルトBT(固定部材)により、保護カバー20aがルーフサイドレールSLに対して固定される。ボルトBTによって、エアバッグ10aのタブTaが延長部261aと平板部251aとの間に強固に挟み込まれるため、エアバッグ10aの展開時における衝撃でタブTaが位置ずれしてしまうことを抑制している。尚、ルーフサイドレールSLに対する保護カバー20aの固定は、上記のようにボルトBTによって行われる他、次に説明する固定突起290a(クリップ)によっても行われる。このように、ボルトBTと固定突起290aの両方によって保護カバー20aの固定を行ってもよいが、いずれか一方のみによって固定することとしてもよい。
【0100】
続いて、保護カバー20aの固定部270aに形成された固定突起290aの形状について説明する。
図13は、固定突起290aの形状を示す斜視図である。
図13に示したように、固定突起290aは、二つのフック291a、292aと、前壁293aと、二つの側壁294a、295aとを有している。
【0101】
フック291a、292aは、保護カバー20aがルーフサイドレールSLに取り付けられる際において、ルーフサイドレールSLの孔SLHに係合して抜け止めとなる部分である。上方に形成されたフック291aと、下方に形成されたフック292aとは、互いに対向した状態で配置されており、互いに同一(対称)な形状となっている。
【0102】
前壁293aは、固定突起290aの先端部(−z方向側、すなわち車両外側の端部)において、フック291a、292aを連結している壁である。フック291a、292aは、それぞれが前壁293aとの接続部近傍において弾性変形し、上下に変位することが可能となっている。
【0103】
側壁294a、295aは、いずれも前壁293aから平板部271a側に延びる壁である。側壁294a、295aによって、前壁293a(及びフック291a、292a)と平板部271aとが連結されている。車両後方側(x方向側)の側壁294aと、車両前方側(−x方向側)の295aとは、互いに対向した状態で配置されており、互いに同一(対称)な形状となっている。側壁294a、295aは、いずれも平板部271aに対して略垂直である。
【0104】
図14は、固定突起290aの断面を模式的に示す図である。
図14では、車両後方側からx方向に沿って見た場合の固定突起290aの断面を模式的に示している。このうち、
図14(A)では、フック291a、292aの外形(縁)を実線で描いており、側壁294a、295a及び前壁293aの外形(縁)を点線で描いている。
図14(B)では、フック291a、292aの外形(縁)を点線で描いており、側壁294a、295a及び前壁293aの外形(縁)を実線で描いている。
【0105】
また、
図14では、互いに対称なフック291a、292aの対称面Saの断面を一点鎖線で描いている。本実施形態における対称面Saは、保護カバー20aの長手方向(x方向)に沿った平面であり、且つ平板部271aに対して直交する平面となっている。
【0106】
図14(B)に示したように、x方向に沿って見た場合における側壁294a、295aの形状は、対称面Saに対して非対称となっている。すなわち、側壁294a等のうち対称面Saよりも上方側の部分の形状と、側壁294a等のうち対称面Saよりも下方側の部分の形状とは、互いに非対称な形状となっている。
【0107】
また、上側のフック291aの下面側の縁LB1は、平板部271a側に行く程高くなるように傾斜した直線となっている。下側のフック291aの上面側の縁LB2は、平板部271a側に行く程低くなるように傾斜した直線となっている。
【0108】
固定突起290aの形状は以上のようであるから、保護カバー20aを樹脂成型する場合における金型の型抜き方向は、側壁294a、295aの上端側の縁LA1に沿う方向(対称面Saと略平行な方向。但し、抜き勾配を確保するために、縁LA1は対称面Saに対して僅かに傾斜している)であって、
図14では右方向)としてもよく、側壁294a、295aの下端側の縁LA2に沿う方向(
図14では右下方向)としてもよい。型抜き方向を、縁LA1に沿う方向から縁LA2に沿う方向までに含まれる任意の方向とすることができるため、金型構造を単純なものとすることができる。例えば、保護カバー20aが複数の固定部270aを有しており、それぞれの固定部270aの平板部271aが互いに非平行な場合であっても、金型構造が複雑化してしまうことがない。
【0109】
尚、この非対称の固定突起290aが設けられる保護カバー20aについては、固定突起290aが設けられる平板部271aのある部分よりも車内中央側に形成される(
図3に示したような)切り欠きが無くても、金型構造を複雑化することなく製造できる。つまり、保護カバーに切り欠きが形成されているか否かに拘わらず、固定突起の形状を上記のように非対称とすることによって、当該保護カバーを形成するための金型構造を単純化することが可能である。
【0110】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。