【実施例】
【0025】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「収納扉」として、
図7に示すように、一対の扉パネル2を蝶番3で回動可能に連結してなる収納扉1を例示する。この蝶番3は、
図8〜
図10に示すように、支軸4を介して回動可能に連結された一対のヒンジ本体5と、各ヒンジ本体5の外周側から外側に延びる複数(図中2個)のつば部6と、を備えている。このヒンジ本体5は、平面視で一部が切り欠かれた円形状に形成されている。また、ヒンジ本体5は、その内部に構成部品(例えば、バネ構造等)を収容可能な容器状に形成されており、所定厚さを有している。また、つば部6は、扉パネル2にビス止めされる部位であり、平面視で半円状に形成さている。また、つば部6は、ヒンジ本体5の厚さより薄い平板状に形成されている。さらに、つば部6は、ヒンジ本体5の厚さ方向の一端外周側に設けられている。
【0026】
(1)収納扉の製造装置の構成
本実施例に係る収納扉の製造装置11は、
図1及び
図2に示すように、支持テーブル12、第1凹部形成装置13、第2凹部形成装置14、及び蝶番供給取付装置15を備えている。この支持テーブル12上には、一対の支持フレーム17を介して所定方向P(即ち、支持テーブル12上の一対の扉パネル2の隣接縁が延びる方向P)に延びる支持レール18が支持されている。
【0027】
上記支持テーブル12は、一対の扉パネル2を隣接して水平状態に支持するためのテーブルである。この支持テーブル12の一端側には、支持テーブル12上に一対の扉パネル2を供給するための供給コンベア21が配置されている。また、支持テーブル12の他端側には、得られた収納扉1を支持テーブル12上から排出するための排出コンベア22が配置されている。また、支持テーブル12の外周側には、支持テーブル12上に支持された一対の扉パネル2を幅方向から挟持して位置決めするための可動部23(具体的に、シリンダ等で作動される可動部23)及びストッパ24が配置されている。
【0028】
上記第1凹部形成装置13は、支持レール18に沿って走行可能な走行体26を備えている。この走行体26には、加工ヘッド27が昇降可能に設けられている。この加工ヘッド27には、
図3に示すように、複数(図中4個)の刃物28が垂直軸回りに回転可能に支持されている。これら各刃物28は、ギヤ機構29を介して駆動モータ(図示省略)により同時に回転駆動される。また、各刃物28は、つば部6の外径d1(
図9参照)より僅かに大きな回転径rd1で回転駆動される。そして、加工ヘッド27の昇降により垂直軸回りに回転する刃物28を昇降させることで、支持テーブル12上の一対の扉パネル2の隣接する各表面側につば部6を埋め込むための複数(図中4個)の第1凹部8が同時に形成される。これら各第1凹部8は、つば部6の厚さと略一致する深さの円柱凹状に形成されている。
【0029】
上記第2凹部形成装置14は、支持レール18に沿って走行可能な走行体31を備えている。この走行体31には、加工ヘッド32が昇降可能に設けられている。この加工ヘッド32には、
図4に示すように、複数(図中2個)の刃物33が垂直軸回りに回転可能に支持されている。これら各刃物33は、ギヤ機構34を介して駆動モータ(図示省略)により同時に回転駆動される。また、各刃物33は、ヒンジ本体5の外径d2(
図9参照)より僅かに大きな回転径rd2で回転駆動される。そして、加工ヘッド32の昇降により垂直軸回りに回転する刃物33を昇降させることで、支持テーブル12上の一対の扉パネル2の隣接する各表面側にヒンジ本体5を埋め込むための複数(図中2個)の第2凹部9が同時に形成される。これら各第2凹部9は、ヒンジ本体5の厚さと略一致する深さの一部を切り欠いた円柱凹状に形成されている。さらに、第2凹部9は、第1凹部8の一部に重なるように形成されている。
【0030】
上記蝶番供給取付装置15は、支持レール18に沿って走行可能な走行体36を備えている。この走行体36には、加工ヘッド37が昇降可能に設けられている。この加工ヘッド37には、多数の蝶番3を多段状に収容して最下段の蝶番3を扉パネル2に供給する周知の収容供給部38と、扉パネル2に対して蝶番3をビス止めする周知のビス止め部39と、を備えている。そして、加工ヘッド39の昇降に伴って、収容供給部38により、支持テーブル12に支持された一対の扉パネル2に対して、第1凹部8につば部6が埋め込まれ且つ第2凹部9にヒンジ本体5が埋め込まれるように蝶番3が供給されるとともに、ビス止め部39により、つば部6がビス止めされて蝶番3が取り付けられる。
【0031】
(2)収納扉の製造方法
次に、上記構成の収納扉の製造装置11による収納扉1の製造方法について説明する。先ず、第1凹部形成装置13が支持レール18を走行して所定位置に停止される。次いで、加工ヘッド27の昇降に伴って垂直軸回りに回転する刃物28により、一対の扉パネル2の隣接する各表面側に第1凹部8が形成される(
図5(a)及び
図6(a)参照)。その後、第2凹部形成装置14が支持レール18を走行して所定位置に停止される。次に、加工ヘッド32の昇降に伴って垂直軸回りに回転する刃物33により、一対の扉パネル2の隣接する各表面側に第2凹部9が形成される(
図5(b)及び
図6(b)参照)。次いで、蝶番供給取付装置15が支持レール18を走行して所定位置に停止される。次に、加工ヘッド37の昇降に伴って、一対の扉パネル2に対して、第1凹部8につば部6が埋め込まれ且つ第2凹部9にヒンジ本体5が埋め込まれるように蝶番3が供給されるとともに、つば部6がビス止めされて蝶番3が取り付けられる。そして、上述の作用を繰り返すことで、一対の扉パネル2を複数の蝶番3で回動可能に連結してなる収納扉1(
図7参照)が得られる。
【0032】
ここで、上記収納扉1では、一対の扉パネル2の隣接する各表面側に形成された第1凹部8には、つば部6が埋め込まれてビス止めされ、一対の扉パネル2の隣接する各表面側に形成された第2凹部9には、ヒンジ本体5が埋め込まれている(
図5(c)及び
図6(c)参照)。そのため、一対の扉パネル2を閉じたときに、一対の扉パネル2の間の隙間が無くされるか又は低減される(
図10(b)及び
図11(b)参照)。
【0033】
(3)実施例の効果
本実施例の収納扉の製造装置11によると、一対の扉パネル2を隣接して水平状態に支持する支持テーブル12と、支持テーブル12に支持された一対の扉パネル2の隣接する各表面側につば部6を埋め込むための第1凹部8を形成する第1凹部形成装置13と、支持テーブル12に支持された一対の扉パネル2の隣接する各表面側にヒンジ本体5を埋め込むための第2凹部9を形成する第2凹部形成装置14と、支持テーブル12に支持された一対の扉パネル2に対して、第1凹部8につば部6が埋め込まれ且つ第2凹部9にヒンジ本体5が埋め込まれるように蝶番3を供給するとともに、つば部6をビス止めして蝶番3を取り付ける蝶番供給取付装置15と、を備える。そして、第1凹部形成装置13は、支持テーブル12に支持された一対の扉パネル2に対して、つば部6の外径d1以上の回転径rd1で垂直軸回りに回転する刃物28を昇降させることで第1凹部8を形成する。これにより、回転する刃物28の昇降のみでつば部6を埋め込むための第1凹部8が形成される。そのため、従来のようにNCルータを用いて凹部を形成するものに比べて、第1凹部8ひいては収納扉1の加工時間及び加工コストを大幅に低減することができる。さらに、本製造装置で得られた収納扉1では、第1凹部8につば部6が埋め込まれるとともに、第2凹部9にヒンジ本体5が埋め込まれている。そのため、一対の扉パネル2を閉じたときに、一対の扉パネル2の間の隙間を無くす又は低減できる。よって、一対の扉パネル2間での指先等の挟み込みが防止される。
【0034】
また、本実施例では、刃物28は、複数の第1凹部8を同時に形成するために複数備えられている。これにより、複数の刃物28により複数の第1凹部8が同時に形成される。よって、第1凹部8ひいては収納扉1の加工時間及び加工コストが更に低減される。
【0035】
また、本実施例では、第1凹部8を形成してから、第1凹部8の一部に平面視で重なるように第2凹部9を形成する。これにより、比較的深い第2凹部9の切削を行う刃物33の切削量が低減されて刃物33の劣化を抑制できる。
【0036】
さらに、本実施例では、第1凹部形成装置13、第2凹部形成装置14及び蝶番供給取付装置15のそれぞれは、支持テーブル12に支持された一対の扉パネル2の隣接縁の延びる方向Pに沿って走行可能とされている。これにより、一対の扉パネル2に対して複数の蝶番3を容易に取り付けることができる。
【0037】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、第1凹部8を形成してから第2凹部9を形成する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第2凹部9を形成してから第1凹部8を形成するようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施例では、つば部6の厚さと略一致する深さの第1凹部8を形成する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、つば部6の厚さより大きな深さの第1凹部としたり、つば部6の厚さより小さな深さの第1凹部としたりしてもよい。
【0039】
また、上記実施例では、刃物28により複数の第1凹部8を同時に形成する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、刃物28により複数の第1凹部8を所定順序で形成するようにしてもよい。
【0040】
さらに、上記実施例では、第1凹部形成装置13、第2凹部形成装置14及び蝶番供給取付装置15の3つの装置からなる製造装置1を例示したが、これに限定されず、例えば、これら3つの装置13〜15に加えて、第2凹部形成装置14で第2凹部9を形成する前に第2凹部9を部分的に予備形成する予備形成装置を備えるようにしてもよい。
【0041】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0042】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。