(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961765
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】移動端末のキーコンポーネント及び移動端末
(51)【国際特許分類】
H01H 25/06 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
H01H25/06 E
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-537120(P2015-537120)
(86)(22)【出願日】2013年7月22日
(65)【公表番号】特表2015-532515(P2015-532515A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】CN2013079819
(87)【国際公開番号】WO2013182158
(87)【国際公開日】20131212
【審査請求日】2015年5月15日
(31)【優先権主張番号】201220535506.9
(32)【優先日】2012年10月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ シャオフォン
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−127419(JP,A)
【文献】
特開2005−173740(JP,A)
【文献】
特開平11−305861(JP,A)
【文献】
特開2004−032548(JP,A)
【文献】
特開2000−236376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/00−25/06
H01H 89/00
H01H 19/00−19/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末の裏面に設置される調整ダイヤル、回転軸、レバー、及びマイクロスイッチを含み、
前記調整ダイヤルが前記回転軸に固定され、前記調整ダイヤルが回転される時、前記回転軸及び前記レバーの回転を駆動し、前記レバーにおけるバンプが前記マイクロスイッチをトリガし、移動端末の音量調整に用いられ、
中間キーキャップ、及び前記中間キーキャップの下方に順に設置される金属ドームアレイ(DOME)シート、プリント回路基板(PCB)、接触ドームをさらに含み、移動端末の電源スイッチに用いられる移動端末のキーコンポーネント。
【請求項2】
前記マイクロスイッチの数は2つである請求項1に記載の移動端末のキーコンポーネント。
【請求項3】
前記マイクロスイッチは前記移動端末のマザーボードに接続される請求項1に記載の移動端末のキーコンポーネント。
【請求項4】
前記中間キーキャップと前記調整ダイヤルとがお互い独立的に前記回転軸に固定され、
前記中間キーキャップが押圧される時、前記DOMEシートが変形して前記PCB基板に接触し、前記PCB基板におけるプリント回路をオンにし、接触ドームはフレキシブル回路基板(FPC)によって前記PCB基板に接続される請求項1に記載の移動端末のキーコンポーネント。
【請求項5】
前記中間キーキャップがシリカゲルに固定され、前記中間キーキャップが押圧される時、前記シリカゲルによって圧力を前記DOMEシートに伝達する請求項4に記載の移動端末のキーコンポーネント。
【請求項6】
前記接触ドームはさらに、前記移動端末のマザーボードに接続されるように設置される請求項4又は5に記載の移動端末のキーコンポーネント。
【請求項7】
前記回転軸を固定する固定リングをさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動端末のキーコンポーネント。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動端末のキーコンポーネントを含む移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動端末の構造設計の技術分野に関し、さらに具体的には、移動端末のキーコンポーネント及び移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動端末(例えば、携帯電話など)の電源キー及び音量調整キーは通常、マイクロスイッチで直接押圧され、使用過程において、動作異常による非意図的なパワーオン・オフを回避し、且つ落下時にマイクロスイッチが衝撃を受けて破損する可能性を減少させるために、電源キーの設計高さをできるだけ小さくするが、同時にキーの弾性がやや小さい気がしたり、手触りが悪くなったりするという悪影響を招き、必要に応じて爪しかで円滑に操作できない。
【0003】
また、従来の移動端末の大画面化という応用要求に対して、キーが側面位置に位置することによって、片手操作に不便を招く(例えば、左利きにとって、右側位置におけるキーは操作の支障になる)。
【0004】
要するに、関連技術における移動端末のキーは、音量調整キーと電源キーが別々に頂面又は側面に配置され、比較的大きいスペースを占有し、且つキーが側面位置に位置する場合、大画面移動端末の操作に不利であるという欠陥や欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、操作の利便性及び環境信頼性を向上させることができる移動端末のキーコンポーネント及び移動端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例に係る移動端末のキーコンポーネントは、前記移動端末の裏面に設置される調整ダイヤル、回転軸、レバー、及びマイクロスイッチを備え、前記調整ダイヤルは前記回転軸に固定され、前記調整ダイヤルは回転する時、前記回転軸及び前記レバーの回転を駆動し、前記レバーにおけるバンプは前記マイクロスイッチをトリガする。
【0007】
好ましくは、前記マイクロスイッチの数は2つである。
【0008】
好ましくは、前記マイクロスイッチは前記移動端末のマザーボードに接続される。
【0009】
好ましくは、前記キーコンポーネントは、中間キーキャップ、及び前記中間キーキャップの下方に順に設置される金属ドームアレイ(DOME)シート、プリント回路基板(PCB)と接触ドームをさらに備え、前記中間キーキャップは前記調整ダイヤルと独立して前記回転軸に固定され、前記中間キーキャップが押圧される時、前記DOMEシートは変形して前記PCBに接触し、前記PCB基板におけるプリント回路をオンにし、前記接触ドームの導通を実現する。
【0010】
好ましくは、前記中間キーキャップがシリカゲルに固定され、前記中間キーキャップが押圧される時、前記シリカゲルによって圧力を前記DOMEシートに伝達する。
【0011】
好ましくは、前記接触ドームはフレキシブル回路基板(FPC)によって前記PCBに接続される。
【0012】
好ましくは、前記接触ドームは前記移動端末のマザーボードに接続される。
【0013】
好ましくは、前記キーコンポーネントは前記回転軸を固定する固定リングをさらに備える。
【0014】
本発明の実施例は、前記移動端末のキーコンポーネントを備える移動端末をさらに提供する。
【0015】
本発明の実施例は移動端末のキーコンポーネントを提供し、電源キーと音量キーを1組のキーに組み合わせ、且つ携帯電話端末の裏面の中央位置に配置することにより、大画面移動端末のいくつかの主要キーが移動端末の側面に位置する場合、片手操作に不便であるという欠陥を解決するとともに、誤操作しやすく及び落下環境テストでマイクロスイッチが故障しやすいという信頼性などの欠陥を回避する。
【発明の効果】
【0016】
発明の実施例に係るキーコンポーネントによれば、大画面移動端末の主要キーを容易に片手で操作し、誤操作率が低下し、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明の実施例に係るキーコンポーネントの構造分解模式図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例に係るキーコンポーネントの正面図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例に係るキーコンポーネントの背面図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例に係るキーコンポーネントの不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態は移動端末のキーコンポーネントを提供し、以下の技術的解決手段を用いる。
【0019】
前記キーコンポーネントは、前記移動端末の裏面に設置される調整ダイヤル、回転軸、レバー、及びマイクロスイッチを備え、前記調整ダイヤルは前記回転軸に固定され、前記調整ダイヤルは回転する時、前記回転軸及び前記レバーの回転を駆動し、前記レバーにおけるバンプは前記マイクロスイッチをトリガする。
【0020】
好ましくは、前記キーコンポーネントは、中間キーキャップ、及び前記中間キーキャップの下方に順に設置される金属ドームアレイ(DOME)シート、プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)と接触ドームをさらに備え、前記中間キーキャップは前記調整ダイヤルと独立して前記回転軸に固定され、前記中間キーキャップが押圧される時、前記DOMEシートは変形して前記PCB基板に接触し、前記PCB基板におけるプリント回路をオンにし、前記接触ドームの導通を実現する。
【0021】
好ましくは、前記キーコンポーネントは前記回転軸を固定する固定リングをさらに備える。
【0022】
好ましくは、前記中間キーキャップがシリカゲルに固定され、前記中間キーキャップが押圧される時、前記シリカゲルによって圧力を前記DOMEシートに伝達する。
【0023】
好ましくは、前記接触ドームはフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit、FPC)によって前記PCBに接続される。
【0024】
本実施形態は、上記移動端末のキーコンポーネントを備える移動端末をさらに提供する。
【0025】
本実施形態の移動端末のキーコンポーネントは、電源キーと音量調整キーを端末の裏面の中央位置に共に配置し、電源キーとしてDOME形態を用い、音量調整については、音量調整ダイヤルにおけるノブが回転しながらマイクロスイッチを押圧することにより、音量を調整するという目的を実現する、というダイヤル回転調整方式を用いる。
【0026】
本実施形態の移動端末のキーコンポーネントによれば、従来の直接押圧方式のかわりに、回転押圧を用い、ダイヤル表面に直交する圧力がマイクロスイッチに直接に付勢することがないので、マイクロスイッチを保護することに寄与する。電源キーの操作方式は普通のDOME形態のキーと同様であり、キーキャップが音量キーダイヤル平面の下方に隠されることにより、通常の誤操作で電源キーがオンしにくく、且つ落下過程で衝撃力を直接に受けることなく、信頼性が向上する。
【0027】
図1に示されるように、本実施例において、移動端末のキーコンポーネントの具体的な構成部品は主として、調整ダイヤル1、中間キーキャップ2、シリカゲル3、DOMEシート4、PCB基板5、回転軸6、レバー7、固定リング8(E型リングであってもよいが、それに限定されない)、マイクロスイッチ9(A、B2個)、FPC10、接触ドーム11(2枚)、及びケース12を備える。
【0028】
PCB5は回転軸6のキャビティに固定され、DOMEシート4はその上方に位置するフィルム(図示せず)によってPCB5に貼り付けて固定される。回転軸6、シリカゲル3及び調整ダイヤル1の三方は一体に固定され、中間キーキャップ2はシリカゲル3に貼り付けて固定され、中間キーキャップ2と調整ダイヤル1は相対的に独立して運動することができる。図示されたE型リング8は回転軸6を固定することに用いられる。マイクロスイッチ9及び接触ドーム11はSMT(Surface Mounted Technology、表面実装プロセス)プロセスによってマザーボードPCBに実装して溶接される(図示せず)。接触ドーム11(2個)はFPC基板10によってPCB5に接続され、
FPC基板10の一端はケース12に貼り付けて固定され、
FPC基板10の他端はPCB5に溶接して固定される。
【0029】
本発明の移動端末のキーコンポーネントの具体的な操作説明について、レバー7は回転軸6により駆動されて小角度で時計回り・反時計回りに回転可能であり、それぞれ2個のマイクロスイッチA及びBの動作を制御して音量の大小を制御する。回転軸6の駆動力は使用者の手で調整ダイヤル1に付勢することにより得られる。
【0030】
2個の接触ドーム11の導通はDOMEシート4が押圧されてPCB5における回路をオンにすることにより実現され、手で中間キーキャップ2を押圧してシリカゲル3によって圧力をDOMEシート4に伝達し、PCB5におけるプリント回路をオンにするまで、DOMEシート4は変形してPCB基板5に近づくことにより、接触ドーム11の導通を実現する。
【0031】
上記図面及び具体的な実施例の詳細な説明を合わせて、本発明の特徴及び趣旨をさらに明確に記載することが望ましいが、上記は本発明の好ましい実施例を解釈するためのものであり、本発明を任意の形式で限制するものではない。「電源キー」「音量調整キー」などと命名されるが、その機能は電源スイッチ又は音量調整スイッチの機能に限らず、他の機能を実現するスイッチであってもよい。したがって、同一の創造精神で行われる本発明に関連するいかなる改良又は変更は、すべて本発明の保護範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の実施例に係る移動端末のキーコンポーネントによれば、大画面移動端末の主要キーを容易に片手で操作し、誤操作率が低下し、信頼性が向上する。