特許第5961779号(P5961779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5961779-ステップル打込工具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5961779
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ステップル打込工具
(51)【国際特許分類】
   B25C 5/06 20060101AFI20160719BHJP
   B25C 1/02 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   B25C5/06 B
   B25C1/02
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-142493(P2015-142493)
(22)【出願日】2015年6月30日
【審査請求日】2016年1月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515196160
【氏名又は名称】目黒 忠義
(72)【発明者】
【氏名】目黒 忠義
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−055171(JP,U)
【文献】 実開昭52−047377(JP,U)
【文献】 実開平04−086180(JP,U)
【文献】 特開昭50−110168(JP,A)
【文献】 特開平10−029170(JP,A)
【文献】 米国特許第06220121(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 5/00
B25C 1/00
B25C 3/00
H02G 3/30
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
握り部1の先端に、上下が開口した打込収納カバー6を間隔をおいて取付け、この内側に、上部にハンマー打設部4を設けたステップル打込部5を上下動自在に設け、このステップル打込部5を上下動させる押上げレバー2を前記握り部1の先端側に設け、前記打込収納カバー6の前面にステップル挿入口7を形成すると共に、これと対向する握り部1の前面に磁石9を取付けたことを特徴とするステップル打込工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は平行電線(VVFケーブル)を木材等にステップルで止めることのできるステップル打込工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、配線工事において平形電線(VVFケーブル)を木材等に止める手段は、コの字形状のステップルを手に持って電線に挟みハンマーで打つことが知られている。しかし、この手作業で行う手段は、打ち損じると指を打ち怪我をする危険性や、ステップルが曲がってやり直すこともあり、安全に打ち込むための工具が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開平10−291172公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、連結ステップルを使用する機能を持つと、ステップルを円滑に送ることができないこともあり、また、電線の修正機能を備えると、電線案内溝が長いために、狭い場所で使用することが困難である。そこで、本発明は、多種類の機能を持たず、ハンマー打設時の、強い衝撃に耐えるためにも、強固で簡素な構造にして、ステップルが木材等に円滑に打ち込みができるステップル打込工具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題を解決するために、単体のステップル8を磁石9に吸着保持させて打ち込む手段にして、コの字形状のステップル挿入口7を、本体の正面に設けたことを特徴とする。この打ち込み手段の構造は、ステップル8を円滑に下方に移動し、安定的な打ち込みができ、さらに、ステップル8を早く本体に入れることが可能になる。
【0006】
また、電線押え部10を短くすることによって、電線を容易に強く押さえることができるので打ち込み易く、さらに、握り部1を電線挾持部から高い位置にすることで、手の差し込み空間が多くなり、狭い施工場所でも作業が行い易くなる。
【0007】
ハンマー打設部4はステップル8を打ち込む手段と共に、どの位、打ち込まれたか判断する役割を持つために、手動で操作する押上げレバー2を設けたことを特徴とする。押上げレバー2を押すと、ハンマー打設部4とステップル打込部5が上方に上がる。次にハンマーHで、ハンマー打設部4を打つと、ステップル8が電線Dを挟み木材Mに打ち込まれる。その時、打ち込まれた分だけハンマー打設部4は下がり、自動復帰することはないので打ち込み深さが判断される。打ち込み後に、ハンマー打設部4を上方に復帰させる手段としてバネ等を使用しないで手動で操作する押上げレバー2を設けたことによって、打ち込み状況が確認できる。
【0008】
ステップル打込部5はステップル8が電線Dに止着するのに最適な位置で止まる長さにしてある。そのために、ハンマーHで何度打ち込んでも、木材Mに打込み過ぎることはない。
【0009】
単体のステップルは市販品を使用できるので、専用の連結ステップルよりも安価で、また、入手し易い便利さを持っている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のステップル打込工具は、ステップル挿入口を正面に設けることにより、打ち込込み手段の構造が簡易になり、安定して円滑に単体のステップルを木材等に移動することが可能になる。また、このステップル打込工具は、打ち込み具合や、打ち込み過ぎ防止の働きも有しているので安心して打ち込むことができ、さらに、手の差し込み空間が多いので電線の押さえが容易になり、壁面や天井面、そして、狭い場所でも電線止着作業が安全にできるという効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】 本発明の全体斜視図
図2】 打ち込み部周辺の斜視図
図3】 打ち込み前の断面図
図4】 打ち込み後の断面図
図5】 ステップル当て部の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図1図5に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明のステップル打込み工具の全体斜視図である。本体を手で持つ握り部1と打込み手段のハンマーHで叩くハンマー打設部4、そして、ステップル8を打ち込むためのステップル打込部5を備えている。また、ハンマー打設部4を上方に上げる押上げレバー2がレバー収納部3の中に設けられ、レバー軸12を支点として可動する。
【0014】
図2は打ち込み部周辺の斜視図で、ステップル8をステップル挿入口7に入れる前の状態を示している。打込収納カバー6の前面に設けられたステップル挿入口7はステップル8が入るためにコの字形状をしているが、上下の長さはステップル8の脚部よりも、少し短くしている。これは、ステップル8が打ち込む時にステップル挿入口7方向に動かず安定した打ち込みを可能にするためである。そのために、ステップル8を入れる時にはステップル挿入口7に脚部の先端から入れる。また、電線当て部10の半楕円形状は、電線Dを確実に押さえるために電線規格の外径寸法を基準にしている。
【0015】
図3の(a)図はステップル8を打ち込む前の側面の断面図である。(b)図は(a)図に示したA−A部の断面図である。ステップル8はステップル挿入口7から入れると磁石9に吸着されて、ステップル出口13の上部で止まる。
【0016】
図4の(a)図はステップル8を打ち込み後の側面の断面図である。(b)図は(a)図に示したA−A部の断面図である。ハンマーHでハンマー打設部4を叩くとステップル8がステップル出口13から射出し、木材Mに打ち込まれて電線Dは止着される。ステップル8は、ステップル打込部5の長さにより、木材Mに一定の深さで止まる。
【0017】
図5はステップル当て部14の拡大断面図である。ステップル打込部5の下部にあるステップル当て部14の面は半円状にしている。この形状で、ステップル8は確実に保持され、ステップル挿入口7方向に擦れることなく、安定して下方に打ち込まれる。
【0018】
ステップル打込み部5と打込収納カバー6は打ち込み時の強い衝撃に耐えるために金属製にする。ハンマー打設部4は金属製でもよいが、叩いても破損しない硬質プラスチックでも対応できる。その他の部分は汎用プラスチックを使用する。
【実施例】
【0019】
本発明のステップル打込工具で、電線8を木材Mに止着する方法を述べる。片手にステップル打込工具を持ち、押上げレバー2を指で押してハンマー打設部4とステップル打込部5を上げてからステップル8をステップル挿入口7に入れる。ステップル8が磁石9に吸着したら、電線押え部10を電線Dに付けて、木材Mに電線挾持部11を押し当てる。もう一方の手にハンマーHを持ち、ハンマー打設部4を打つと、ステップル8は木材Mに打ち込まれて電線Dは止着される。
【符号の説明】
【0020】
1 握り部 7 ステップル挿入口 13 ステップル出口
2 押上げレバー 8 ステップル 14 ステップル当て部
3 レバー収納部 9 磁石 D 電線
4 ハンマー打設部 10 電線押え部 H ハンマー
5 ステップル打込部 11 電線挾持部 M 木材
6 打込収納カバー 12 レバー軸
【要約】
【課題】 本発明は、多種類の機能を持たず、ハンマー打設時の、強い衝撃に耐えるためにも、強固で簡素な構造にして、ステップルが木材等に円滑に打ち込みができるステップ打込工具を提供することを課題とする。
【解決手段】 正面に設けたコの字形状のステップル挿入口7と、手動で操作する押し上げレバー2と、電線に合わせた長さのステップル打込部5を備えることにより、安全で正確な打ち込み作業が可能になる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5