特許第5961783号(P5961783)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5961783
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】お尻拭き補助具
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/08 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   A47K7/08
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-203727(P2015-203727)
(22)【出願日】2015年10月15日
【審査請求日】2015年10月28日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715009673
【氏名又は名称】横田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】横田 洋子
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3112872(JP,U)
【文献】 実公昭50−010996(JP,Y1)
【文献】 実公昭48−030128(JP,Y1)
【文献】 実開昭63−142190(JP,U)
【文献】 実開平01−108188(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲形状の棒状物の一方の端部を握り部2とし、他方の端部には突起5を設け、更にトイレットペーパー10を挟んで係止保持する為の挟み止め部3を設けたグリップ部1と、内層部8bとその内層部8bを両側から挟む様に設けた表層部8aから成る三層構造の直方体状物であって、その内層部8bには挿入穴9を設けたブラシ部7とから成るお尻拭き補助具11において、
(1)グリップ部1に関しては、棒状物はその断面形状が円形状や多角形状或はそれらの組合せ形状をした湾曲形状の剛性あるものであって、その一方の端部はお尻拭き補助具11を操作使用する為の握り部2とし、他方の端部にはブラシ部7の挿入穴9に挿入しグリップ部1とブラシ部7とを一体化させる為の突起5を設けるが、その突起5としては剛性を有する球状、半球状、柱状、板状或はそれらの組合せ形状のものを使用し、更にトイレットペーパー10の挟み保持用の挟み止め部3としては、その一方の端部を開口部12、他方の端部を挿入ストッパ部4とする細長形状物を使用し、その挿入ストッパ部4が突起5の方に位置する様に棒状物に沿った形で設けると共に、挟み止め部3の棒状物への取付けは、挟み止め部3が挿入ストッパ部4側で棒状物と連結されるように取り付け、且つその取付け位置は、挿入ストッパ部4と突起5の先端との間の長さがブラシ部7の長さの50%〜90%となる位置に取り付ける事を特徴としたグリップ部1である事、
(2)ブラシ部7に関しては、直方体状物は平面形状が長方形状や楕円形状、波型形状或はそれらの組合せ形状物であって、素材としては内層部8bには柔軟性ある発泡樹脂を、表層部8aには不織布やエラストマー、発泡樹脂のうちのいずれかの素材で、且つ内層部8bより伸縮性のない素材を使用し、更にその内層部8bにはグリップ部1に設けた突起5を挿入する為のスリット状の挿入穴9を、内層部8bの側面部から反対側の側面部に向かって、突起5が挿入可能な幅で且つ挿入ストッパ部4と突起5の先端との間の長さ以上の深さに切込み形成した事を特徴としたブラシ部7である事、
以上の特徴を有する上記グリップ部1の突起5を上記ブラシ部7の挿入穴9に挿入一体化させお尻拭き補助具11を形成し、そのグリップ部1の握り部2を握り、トイレットペーパー10をブラシ部7に巻き付け、更に挟み止め部3へ挟み込み係止し使用する事を特徴としたお尻拭き補助具。
以上
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は妊婦や肥満・加齢・障害などによりお尻拭きが困難な人が、排便の後、水で洗浄後、温風による乾燥でも残った水分を拭く為に、自分でお尻を拭く事ができるように補助する道具として提供し、自らで清潔になった達成感を得ることを目的とするお尻拭き補助具。
【背景技術】
【0002】
身体的機能の障害や肥満等により、お尻を拭く作業が困難になった人が他人の手を借りず作業が行えるように考えたものとして、特許文献1・特許文献2・特許文献3の3つがあるが、どれも腰をかがめる必要があり、その上に特許文献1においては肛門や周辺を傷つける恐れがあり、特許文献2においてはトイレットペーパーが止まらず握っている必要があり、特許文献3においてはちり紙を止める為に小さなリング6を操作する必要がある等の問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2003−205372号
【特許文献2】実用新案登録第3112872号
【特許文献3】実願 昭62−106601号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
「下の世話」については、尊厳に係る事であり、妊婦や肥満・加齢・障害などによりお尻拭きが困難な人にとって、悩みの種である。水で洗浄後、温風による乾燥によりある程度の乾燥が出来るようになってはいるが、不十分であり、又上記の提案されている方法も解決策を提供するものではない。そこで本発明は、腰痛防止、清潔性、安全性、操作性などの課題、即ち、身体を前かがみ・後方へ体をねじる・屈めるなど腰の苦痛をやわらげ、肛門や周辺を傷つけず、トイレットペーパーの固定や保持が容易に出来て、更には汚れた場合や清潔保持の為に一定期間毎に交換する作業や洗浄・乾燥が自分で簡単に出来る、使い易いお尻拭き補助具の提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
湾曲形状の棒状物の一方の端部を握り部2とし、他方の端部には突起5を設け、更にトイレットペーパー10を挟んで係止保持する為の挟み止め部3を設けたグリップ部1と、内層部8bとその内層部8bを両側から挟む様に設けた表層部8aから成る三層構造の直方体状物であって、その内層部8bには挿入穴9を設けたブラシ部7とから成るお尻拭き補助具11により解決した。
【0006】
グリップ部1に関しては、棒状物はその断面形状が円形状や多角形状或はそれらの組合せ形状をした湾曲形状の剛性あるものであって、その一方の端部はお尻拭き補助具11を操作使用する為の握り部2とし、他方の端部にはブラシ部7の挿入穴9に挿入しグリップ部1とブラシ部7とを一体化させる為の突起5を設けるが、その突起5としては、剛性を有する球状、半球状、柱状、板状或はそれらの組合せ形状のものを使用し、更にトイレットペーパー10の挟み保持用の挟み止め部3としては、その一方の端部を開口部12、他方の端部を挿入ストッパ部4とする細長形状物を使用し、その挿入ストッパ部4が突起5の方に位置する様に棒状物に沿った形で設けると共に、挟み止め部3の棒状物への取付けは、挟み止め部3が挿入ストッパ部4側で棒状物と連結されるように取り付け、且つ挿入ストッパ部4と突起5の先端間の長さがブラシ部7の長さの50%〜90%となる位置に設ける事を特徴としたグリップ部1である。
【0007】
ブラシ部7に関しては、直方体状物は平面形状が長方形状や楕円形状、波型形状或はそれらの組合せ形状物であって、素材としては内層部8bには柔軟性ある発泡樹脂を、表層部8aには不織布やエラストマー、発泡樹脂のうちのいずれかの素材で、且つ内層部8bより伸縮性のない素材を使用した三層構造であって、更にその内層部8bにはグリップ部1に設けた突起5を挿入する為のスリット状の挿入穴9を、突起5が挿入可能な幅で、且つ挿入ストッパ部4と突起5の先端間の長さ以上の深さに切込み形成した事を特徴としたブラシ部7である。
【0008】
上述を特徴としたグリップ部1の突起5を上記ブラシ部7の挿入穴9に挿入一体化させお尻拭き補助具11を形成し、そのグリップ部1の握り部2を手で握り、トイレットペーパー10をブラシ部7に巻き付け、更に挟み止め部3へ挟み込み係止し使用する事を特徴としたお尻拭き補助具。
【発明の効果】
【0009】
上記課題解決の為、上述の解決手段を工夫した結果、前かがみ・後方へ体をねじる・屈めるなどが妊婦や肥満・加齢・障害などによりお尻拭きが困難な方にとって、座ったままの楽な体制ででき、腰痛防止となった。
【0010】
本発明は、グリップ部は湾曲したカーブのしなりにより、ソフトに力を伝える構造である上、直接触れる事はないので傷つける心配はない。直接触れるブラシ部もソフトな素材をトイレットペーパーで覆った状態で使用する為、肛門や周りの皮膚を傷つける心配はない。こうして、安全性についての課題を解決した。また、トイレットペーパーを保持し固定する作業は、高齢の方や障害のある方にとっては、指先の難しい作業は致命的ともいえる。本発明では、グリップ部に係止しやすい挟み止め部を設け、そうした指先が不自由な人にも、又、利き手が左右どちらでも、簡単に出来るように工夫し、操作性の課題を解決した。
【0011】
更に、突起部分の工夫、柄のカーブの工夫、異なった素材から成る三層構造の直方体使用の工夫等により、ソフトでありながら、まるで自分の指で押すしっかりとした感覚を実現でき、満足感が得られるようになった。普段使いのトイレットペーパーをそのまま使う事ができるうえ、簡単に自分の手で外す事ができ、そのままトイレへ流す事ができるので合理的なお尻拭き補助具であり、更には、ブラシ部とグリップ部の接合方法の工夫により、例え便で汚れても自分で簡単に取り換え交換ができ、洗浄・乾燥が簡単に出来るという特徴を持った、清潔・衛生的で安価なお尻拭き補助具を提供するものである。
【0012】
そうした工夫の結果、腰を屈めるなど腰への負担をかけず、簡単にしかも安全に、補助具での操作でありながら、まるで自分の手で行っているような感覚が味わえる。他人にお願いしづらい「下の世話」つまり、お尻を拭くという、本人にとって尊厳に係る問題が、他人の手を借りる事なく自分で満足できるように出来るというお尻拭き補助具である。
【0013】
又、お尻拭き補助具の形状をトイレブラシと似せた形状にすることにより、トイレに在っても違和感がなく、デリケートな精神面へも配慮する事により、自立支援の為の補助具ともなるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】突起5として半球状物の突起5Aを使用のグリップ部1の正面図
図2】同上のグリップ部1の平面図
図3】平面形状が矩形状のブラシ部7Aを斜右方向から見た斜視図
図4】同上のブラシ部7Aの正面図
図5】同上のブラシ部7Aの平面図
図6】グリップ部1とブラシ部7Aを合体したお尻拭き補助具11
図7】同上のお尻拭き補助具11において、ブラシ部7Aを90度回転したお尻拭き補助具の平面図
図8図7のお尻拭き補助具11の正面図
図9図7のお尻拭き補助具11に、トイレットペーパー10を装着した図
図10図8のお尻拭き補助具11に、トイレットペーパー10を装着した図
図11】円柱状と球状とを組合わせた形状の突起5Bを、グリップ部1の端部に装着した図
図12】平面形状が波型形状のブラシ部7Bを斜右方向から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、上記課題を克服し、自分で快適にお尻を拭く事ができる様に、2つの特徴ある部材を組み合わせた構造となっている。その1つ目は、握り易くお尻を拭き易く工夫したグリップ部1であり、2つ目はグリップ部1とトイレットペーパー10との間に介在し、ソフトでしっかりとしたお尻拭きの感触を実現させるブラシ部7である。本発明はこれらを組み合わせてセットし、それにトイレットペーパー10を巻き付けてお尻を拭くというお尻拭き補助具11である。
【0016】
グリップ部1は、その断面形状が円形状や多角形状或はそれらの組合せ形状をした湾曲形状の剛性ある棒状物を使用し、その一方の端部にはお尻拭き補助具11を使用操作する為の握り部2を設け、他方の端部にはグリップ部1をブラシ部7に組合せセットする為の突起5を設ける。更に、トイレットペーパー10をブラシ部7に巻き付ける時にその端部を係止する為の挟み止め部3も設ける。
【0017】
握り部2は湾曲した棒状物の一方の端部に設けるが、その時に握った指がフィットする様な形状や凹凸などを形成し握り易く使い易いようにしておくと好適である。また、棒状物の他方の端部はブラシ部7と合体しお尻拭き補助具11を形成させるが、その合体がしっかりした合体となる様にその端部には突起5を設ける。その突起5としては剛性を有する球状や半球状、柱状、板状或はそれらの組合せ形状のものが好適である。
【0018】
更に、グリップ部1には、一方の端部を開口部12、他方の端部を挿入ストッパ部4とした挟み止め部3も設ける。この挟み止め部3はトイレットペーパー10の切断端部を棒状物と挟み止め部3との間に挟み込んで、お尻拭き補助具11を使用時にトイレットペーパー10がしっかり保持されている様に係止しておく為のものである。その為に、挟み止め部3としてはI字やS字形状等の細長形状物を使用し、それを棒状物に沿った形で設け、且つその挟み止め部3と棒状物との間は接着での一体化などせず、トイレットペーパー10を挟み込む事の出来るスペースが形成される様取り付ける。また、その挟み止め部3の一方の端部は棒状物とは一体化させず開口したまゝの開口部12を形成しておく。こうしておけば、トイレットペーパー10は開口部12の開口部分から棒状物と挟み止め部3との間のスペースに容易に挟み込めて係止保持させる事が出来る。
【0019】
なお、挟み止め部3の棒状物への取付けは、開口部12とは反対側の挿入ストッパ部4の方の部位で行う。また、挿入ストッパ部4は、グリップ部1とブラシ部7とを組み合わせ合体してお尻拭き補助具11を構成する時に、グリップ部1の突起5がブラシ部7の挿入穴9に挿入され過ぎない様にする為のストッパでもある。挿入穴9への突起5の挿入が深過ぎて、突起5がブラシ部7の反対側の側面に近くなり過ぎたり或はその側面を突き抜けてしまったりすると、グリップ部1とブラシ部7との組み合わせ合体が不安定となりお尻拭き補助具11は使いにくくなる。従って、お尻拭き補助具11の操作使用がやり易い突起5の挿入深さについて検討した結果、突起5を挿入する側とは反対側の側面と突起5の先端との間の間隔L(図6参照)が、ブラシ部7の長さMの10%〜50%程度、即ちL=M×(10%〜50%)程度が好適であった。従って、挿入ストッパ部4と突起5の先端との間の間隔が、ブラシ部7の長さMの50%〜90%程度の位置となるように挿入ストッパ部4を取り付ける事が好適である。
【0020】
ブラシ部7は、内層部8bとその内層部8bを両側から挟む様に設ける表層部8aから成る三層構造の直方体状物で、その内層部8bにはブラシ部7とグリップ部1とを組合せ一体化してお尻拭き補助具11を形成する為の挿入穴9を設けておく。
挿入穴9は、ここにグリップ部1の突起5を挿入しお尻拭き補助具11を形成する為のものであるので、しっかり挿入合体され安定感を持って使用出来る事や、ブラシ部7が汚れた時など外して交換するので着脱も簡単に確実に出来ることも大切である。
【0021】
従って、穴の形状などについて種々検討した結果、柔軟性のある素材に設けたスリット状の切込みが適している事が判明した。更に、お尻拭き補助具11は、使用する人を考慮した場合には軽量であることも大切であるので、それも加味し検討したところ、内層部8b用の素材としてはスポンジなどの軽量で柔軟性ある発泡樹脂が適していた。ただ、ブラシ部7をこの軽量柔軟な素材だけで構成した場合、それで出来たお尻拭き補助具11では使用時にしっかりとした拭き上げ感などが得られにくい上に、使っている時にその素材に変形や損傷などが生じる事もあり実用上問題がある事も判明した。
【0022】
そこで更に検討の結果、挿入しやすい柔軟性のある内層部8bを変形から守る為、挿入口を残し上下左右から囲む形状、或は上下のみを挟む形状で、外側に内層部8bより硬い素材の表層部8aを設けて成る三層構造の直方体状物であれば、変形や損傷などのない実用性あるものが得られた。ただ、木や硬質合成樹脂、スチールなどの所謂硬い材質のものは拭き上げ感が良くない上に、時には皮膚を傷つけたりする心配もあり、また突起5の挿入もやり難い面もあり不適であったが、所謂硬い材質でないものであって内層部8bより伸縮性のない素材のもの、例えば不織布やエラストマー、スポンジなどのそうした素材のものであれば、それを表層部8aに使えば拭き上げ感も良く皮膚を傷つけることもなく、また突起5の挿入もやり易くその固定機能もあり、実用的なお尻拭き補助具11が得られた。また、表層部8aの表面に更に柔らかい素材のもの、例えば化粧用スポンジなどのそうした素材を貼りつけると、痔核の人にも優しいお尻拭き補助具ともなる。
【0023】
ブラシ部7の形状としては、その平面形状が長方形状や楕円形状、波型形状、或はそれらの組合せ形状である直方体状物が使い易く好適であった。
内層部8bに設ける挿入穴9は、突起5が挿入可能な幅で内層部8bの側面部分の中央部分に設け、そこから反対側の側面に向かって、内層部8bの上下にある表層部8aに平行状に切込む。その際、その挿入穴9の切込み深さは、少なくとも挿入ストッパ部4と突起5の先端の間の長さ以上となる様に切込むが、内層部8bの反対側の側面まで突き抜け貫通させても支障ない。貫通させた場合には、挿入穴9のどちらの開口部分からも突起5が挿入出来て使い易いものとなる。
【0024】
お尻拭き補助具11は、以上の様な特徴を有するグリップ部1の突起5を、ブラシ部7の挿入穴9に挿入し一体化させたもので、使用時にはトイレットペーパー10をブラシ部7に巻き付けて、最後にトイレットペーパー10の端部を挟み止め部3と棒状物との間のスペースに、開口部12の開口部分から挟み込み係止させ使用に供する。
【0025】
使い方は、グリップ部1を握りブラシ部7に巻き付けたトイレットペーパー10でお尻部分の水分などを拭きとる要領で使う。その際、ブラシ部7に巻き付けたトイレットペーパー10はそのどの面を使って拭いても良く、水洗後の状況や個人の使い易さなどで適宜使い分けする事が出来る。使い終わったトイレットペーパー10は、ブラシ部7から取り外してそのままトイレに流し処理する。その際、ブラシ部7等が汚れていたら洗って乾燥すれば再使用できるし、もしブラシ部7への汚物などの付着が著しい場合などの時は、グリップ部1の突起5を挿入穴9から抜いてブラシ部7を取り外せば、適宜新しいブラシ部7との交換も容易に出来、常に清潔さを保つことが出来る。
以下実施例にて、更に本発明について説明する。
【実施例1】
【0026】
本発明は2つのパーツ、手で握る棒状のグリップ部1と、トイレットペーパー10を巻き付けお尻部分の水分などを拭き取るためのブラシ部7との2つのパーツの構成で成るもので、以下にその実施態様について具体例にて説明する。
【0027】
図1と2にそのグリップ部1の正面図と平面図を、図3、4、5に平面形状が矩形状のブラシ部7Aの斜視図と正面図、平面図を、図6〜8にグリップ部1をブラシ部7Aに挿入し合体した図を、更に図9と10にトイレットペーパー10をブラシ部7Aに巻き付けた図を示す。
【0028】
先ずグリップ部1について説明する。グリップ部1は図1及び2に示す様な断面形状が大略矩形状をした湾曲形状の棒状物を使用し、その一方の端(図で右側端部)に握り部2を、他方の端部(図で左側端部)に半球形状をした突起5Aを、またその突起5Aから少し距離をおいて挟み止め部3を設ける。
【0029】
棒状物には剛性を有する合成樹脂を使用し、上方(図1でイ方向)へ反るように湾曲させて成型する。握り部2は端部の方になるほど徐々に太めとなる様にし、またその下方(ロ方向)には凹凸の形状を設け、握った時に指がフィットし使い易い様に形成しておく。更にその端部の太めの所にヒモ通し穴6を設けておけば、吊り下げ保管や持ち運びなどに役立ち便利である。
【0030】
他方の端部に設けた突起5Aの形状は図1や2の様な半球状の形とし、その素材には剛性が必要であるので棒状物と同じ合成樹脂を使用し棒状物成型時に一体成型して設け、ブラシ部7Aの挿入穴9に挿入した時にしっかりした合体が得られるようにした。その際、半球体の丸い球体部分が下方向(ロ方向)を、円形面は上方向(イ方向)を向くように成形した。その向きは上下など変更しても特に支障ない。また、突起5は一体成型でなく接着や嵌め合わせなどでの装着でも特に支障ない。
【0031】
挟み止め部3には、トイレットペーパー10を挟んで係止保持する役目と、突起5Aの挿入し過ぎを防止する役目とがあり、その二つの目的達成の為に次の様に設ける。挟み止め部3には合成樹脂のS字形状のものを使用し、グリップ部1の棒状物の上面部に図1及び2の様に接着にて取り付けする。即ち、S字は図1、2のように棒状物の長手方向に沿った形になる様にし、且つ開口部12は握り部2の方に位置し、挿入ストッパ部4は突起5Aの方に位置する様に取り付けする。
【0032】
その際、挟み止め部3の棒状物への取付けは挿入ストッパ部4の方の部位で行い、棒状物に沿って設けた挟み止め部3の部分及び開口部12の部分は棒状物とは接着での一体化などせずに、トイレットペーパー10を挟み込み係止保持出来る為のスペースとしておく。また、その挟み止め部3を棒状物へ取り付ける位置は、突起5の先端と反対側の側面との間隔L(図6参照)がブラシ部7の長さMの20%となる位置、即ちブラシ部7の長さMの20%(L=0.2×M)が未挿入部分として残るような位置に挿入ストッパ部4が来るように取り付ける。また、本実施例では挟み止め部3は棒状物の上面側に図1〜2の様に設けたが、下面側や正面或は背面側に設けても支障ない。以上の様に設けることにより、装着した挟み止め部3は前述の二つの目的を達成出来るものとなる。
【0033】
次にブラシ部7Aについて説明する。本実施例のブラシ部7Aは、図3,4,5に示す様に、平面形状が矩形状であって中心部分に内層部8bを、その上層と下層に表層部8aを設けた三層構造の直方体状物であり、更に内層部8bに突起5Aを挿入する為の挿入穴9を設けたものである。
【0034】
内装部8b用の素材としては軽量で柔軟性のあるスポンジを、表層部8a用には不織布を使用した。また、その表層部8aのエッジ部分は直角状でなく少し丸味を帯びさせた。丸みを帯びさせた事により皮膚へのフィット感や吹き上げ感がよくなり使い易くもなった。内層部8bに設ける挿入穴9は、突起が挿入可能な幅のスリット状の切込みを、図3〜5の様に、内層部8bの短辺の側面の大略中央部に、表層部8aに平行状に反対側へ貫通させ設けた。この様に挿入穴9を貫通させると、そのどちらの開口部分からも挿入出来て使い易いという利点がある、ただ、本実例では、(0032)に記載の通り、挿入ストッパ部4と突起5の先端との間隔(図6におけるM−L)が、ブラシ部7の長さMの80%となる位置に挿入ストッパ部4を取り付けているので、挿入穴9の切込み深さはブラシ部7の長さMの80%以上であれば特に支障はない。
【0035】
この様にして形成の図5のブラシ部7Aの挿入穴9へ、図2のグリップ部1の突起5Aを挿入ストッパ部4まで挿入し、2つのパーツを合体させたものが図6のお尻拭き補助具11である。このままでも2つのパーツの合体はしっかりしているが、更に合体をしっかりさせる為にブラシ部7Aを90度回転させる。この回転後のお尻拭き補助具11の図が図7(平面図)であり、図8はその正面図である。
【0036】
使用する際は、この様にして製作のお尻拭き補助具11のブラシ部7Aにトイレットペーパー10を図9や10の様に巻き付けて使用する。巻き付けはブラシ部7Aの挟み止め部3とは反対側(図で左端部)の方からグルグルと巻き付け、挟み部分の長さとして挟みやすい20センチ程度を、巻きつけ分より長めに取ってカットし、この端部を開口部12の開口部分から挟み止め部3と棒状物との間のスペースに挟み込み係止保持させる。図9図7のお尻拭き補助具11にトイレットペーパー10を巻き付けた図、図10図8に巻き付けた図である。
【0037】
以上の様にして作成のお尻拭き補助具11は大変使い勝手が良く、しかも、皮膚を傷つける心配が無い上に、まるで自分の手で拭いている感覚を得る事ができるので、他人に介助をお願いしては恥かしい思いをしていた人にとって精神的な自立という点での満足感は大きく、更に外観も、トイレブラシに似ているなど、「下の世話」という使用者本人の尊厳に係るデリケートな精神的な面への配慮も考慮された自立支援の為の補助具となっている。
その他、一般的なトイレットペーパーが使用出来る事、その為トイレへそのまま流せる事、消耗品は、ブラシ部のみの交換で済むことにより経済的にも安価で済む事、利き手が左右どちらであっても使い易い事、ブラシの挿入穴を貫通させた場合にはどちら側からでも挿入出来る事、また、毎日使うものであり洗濯乾燥が簡単でしかも清潔であり、更にこの取替作業も自分で簡単に出来るなどの利点も有する大変使い易いお尻拭き補助具です。
【0038】
また、旅行や外出先での使用目的の為には、グリップ部1を、回転や折り畳みなどの方法を用いて短縮すると、使用者本人が旅行や通院等で持ち歩く時に大変便利である。
【実施例2】
【0039】
本実施例は、実施例1で使用の突起5とブラシ部7の形状を変更した実施例で、それ以外は実施例1と同様である。突起5としては、半球状ではなく、円柱状と球状の形状物とを組み合わせた形状の突起5Bを、ブラシ部7としては、矩形状ではなく、波型形状のブラシ部7Bを使用した。その突起5Bをグリップ部1の端部に装着した状態の図を図11のA(正面図)、B(平面図)、C(左側面図)、D(右側面図)に、ブラシ部7Bの右方向からの斜視図を図12に示す。
【0040】
この突起5Bをブラシ部7Bの挿入穴9に実施例1と同様の要領で挿入し合体させてお尻拭き補助具11を形成させ、実施例1と同じ要領で使用する。その使い勝手など実施例1と比較し全くそん色なく、その上ブラシ部7が波型形状であるのでしっかり拭き取る事が出来る場合もあり使い易い物である。
【符号の説明】
【0041】
1、グリップ部
2、握り部
3、挟み止め部
4、挿入ストッパ部
5、5A,5B,突起
6、ヒモ通し穴
7,7A,7B,ブラシ部
8a、表層部
8b、内層部
9、挿入穴
10、トイレットぺーパー
11、お尻拭き補助具
12、開口部
イ,ロ,方向を示す記号
L,M,長さを示す記号
【要約】
【課題】ギックリ腰で排便後のお尻が自分で拭けず、お願いもできず困った経験から、肥満や加齢・障害により困難になった人が、無理なく自分でできるお尻拭き補助具を提供。
【解決手段】2つの部品からなり、グリップ部1の突起5Aを、ブラシ部7Aの挿入穴9に差し込み合体させるシンプルな構造。使用時は、トイレットペーパーをブラシ部7Aに巻き付け最後に、その端部を挟み止め部3に挿入係止し保持させるので皮膚を傷つける心配が無い。使い方は排便水洗後の残った水分を拭き取る要領で使う。グリップ部1の湾曲した形状により腰に負担がかからず、座ったままの楽な姿勢が実現。更にグリップ部1の形状の工夫により、まるで自分の手で拭いている様な感触が味わえる。使用法は、日常使いのトイレットペーパーを使うので、そのまま流せ、ブラシ部7の交換も差し込むだけなので自分で出来、洗濯や乾燥も簡単な清潔で安全なお尻拭き補助具11。
【選択図】図8
図1
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図8
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図12