【実施例1】
【0026】
本発明は2つのパーツ、手で握る棒状のグリップ部1と、トイレットペーパー10を巻き付けお尻部分の水分などを拭き取るためのブラシ部7との2つのパーツの構成で成るもので、以下にその実施態様について具体例にて説明する。
【0027】
図1と2にそのグリップ部1の正面図と平面図を、
図3、4、5に平面形状が矩形状のブラシ部7Aの斜視図と正面図、平面図を、
図6〜8にグリップ部1をブラシ部7Aに挿入し合体した図を、更に
図9と10にトイレットペーパー10をブラシ部7Aに巻き付けた図を示す。
【0028】
先ずグリップ部1について説明する。グリップ部1は
図1及び2に示す様な断面形状が大略矩形状をした湾曲形状の棒状物を使用し、その一方の端(図で右側端部)に握り部2を、他方の端部(図で左側端部)に半球形状をした突起5Aを、またその突起5Aから少し距離をおいて挟み止め部3を設ける。
【0029】
棒状物には剛性を有する合成樹脂を使用し、上方(
図1でイ方向)へ反るように湾曲させて成型する。握り部2は端部の方になるほど徐々に太めとなる様にし、またその下方(ロ方向)には凹凸の形状を設け、握った時に指がフィットし使い易い様に形成しておく。更にその端部の太めの所にヒモ通し穴6を設けておけば、吊り下げ保管や持ち運びなどに役立ち便利である。
【0030】
他方の端部に設けた突起5Aの形状は
図1や2の様な半球状の形とし、その素材には剛性が必要であるので棒状物と同じ合成樹脂を使用し棒状物成型時に一体成型して設け、ブラシ部7Aの挿入穴9に挿入した時にしっかりした合体が得られるようにした。その際、半球体の丸い球体部分が下方向(ロ方向)を、円形面は上方向(イ方向)を向くように成形した。その向きは上下など変更しても特に支障ない。また、突起5は一体成型でなく接着や嵌め合わせなどでの装着でも特に支障ない。
【0031】
挟み止め部3には、トイレットペーパー10を挟んで係止保持する役目と、突起5Aの挿入し過ぎを防止する役目とがあり、その二つの目的達成の為に次の様に設ける。挟み止め部3には合成樹脂のS字形状のものを使用し、グリップ部1の棒状物の上面部に
図1及び2の様に接着にて取り付けする。即ち、S字は
図1、2のように棒状物の長手方向に沿った形になる様にし、且つ開口部12は握り部2の方に位置し、挿入ストッパ部4は突起5Aの方に位置する様に取り付けする。
【0032】
その際、挟み止め部3の棒状物への取付けは挿入ストッパ部4の方の部位で行い、棒状物に沿って設けた挟み止め部3の部分及び開口部12の部分は棒状物とは接着での一体化などせずに、トイレットペーパー10を挟み込み係止保持出来る為のスペースとしておく。また、その挟み止め部3を棒状物へ取り付ける位置は、突起5の先端と反対側の側面との間隔L(
図6参照)がブラシ部7の長さMの20%となる位置、即ちブラシ部7の長さMの20%(L=0.2×M)が未挿入部分として残るような位置に挿入ストッパ部4が来るように取り付ける。また、本実施例では挟み止め部3は棒状物の上面側に
図1〜2の様に設けたが、下面側や正面或は背面側に設けても支障ない。以上の様に設けることにより、装着した挟み止め部3は前述の二つの目的を達成出来るものとなる。
【0033】
次にブラシ部7Aについて説明する。本実施例のブラシ部7Aは、
図3,4,5に示す様に、平面形状が矩形状であって中心部分に内層部8bを、その上層と下層に表層部8aを設けた三層構造の直方体状物であり、更に内層部8bに突起5Aを挿入する為の挿入穴9を設けたものである。
【0034】
内装部8b用の素材としては軽量で柔軟性のあるスポンジを、表層部8a用には不織布を使用した。また、その表層部8aのエッジ部分は直角状でなく少し丸味を帯びさせた。丸みを帯びさせた事により皮膚へのフィット感や吹き上げ感がよくなり使い易くもなった。内層部8bに設ける挿入穴9は、突起が挿入可能な幅のスリット状の切込みを、
図3〜5の様に、内層部8bの短辺の側面の大略中央部に、表層部8aに平行状に反対側へ貫通させ設けた。この様に挿入穴9を貫通させると、そのどちらの開口部分からも挿入出来て使い易いという利点がある、ただ、本実例では、(0032)に記載の通り、挿入ストッパ部4と突起5の先端との間隔(
図6におけるM−L)が、ブラシ部7の長さMの80%となる位置に挿入ストッパ部4を取り付けているので、挿入穴9の切込み深さはブラシ部7の長さMの80%以上であれば特に支障はない。
【0035】
この様にして形成の
図5のブラシ部7Aの挿入穴9へ、
図2のグリップ部1の突起5Aを挿入ストッパ部4まで挿入し、2つのパーツを合体させたものが
図6のお尻拭き補助具11である。このままでも2つのパーツの合体はしっかりしているが、更に合体をしっかりさせる為にブラシ部7Aを90度回転させる。この回転後のお尻拭き補助具11の図が
図7(平面図)であり、
図8はその正面図である。
【0036】
使用する際は、この様にして製作のお尻拭き補助具11のブラシ部7Aにトイレットペーパー10を
図9や10の様に巻き付けて使用する。巻き付けはブラシ部7Aの挟み止め部3とは反対側(図で左端部)の方からグルグルと巻き付け、挟み部分の長さとして挟みやすい20センチ程度を、巻きつけ分より長めに取ってカットし、この端部を開口部12の開口部分から挟み止め部3と棒状物との間のスペースに挟み込み係止保持させる。
図9は
図7のお尻拭き補助具11にトイレットペーパー10を巻き付けた図、
図10は
図8に巻き付けた図である。
【0037】
以上の様にして作成のお尻拭き補助具11は大変使い勝手が良く、しかも、皮膚を傷つける心配が無い上に、まるで自分の手で拭いている感覚を得る事ができるので、他人に介助をお願いしては恥かしい思いをしていた人にとって精神的な自立という点での満足感は大きく、更に外観も、トイレブラシに似ているなど、「下の世話」という使用者本人の尊厳に係るデリケートな精神的な面への配慮も考慮された自立支援の為の補助具となっている。
その他、一般的なトイレットペーパーが使用出来る事、その為トイレへそのまま流せる事、消耗品は、ブラシ部のみの交換で済むことにより経済的にも安価で済む事、利き手が左右どちらであっても使い易い事、ブラシの挿入穴を貫通させた場合にはどちら側からでも挿入出来る事、また、毎日使うものであり洗濯乾燥が簡単でしかも清潔であり、更にこの取替作業も自分で簡単に出来るなどの利点も有する大変使い易いお尻拭き補助具です。
【0038】
また、旅行や外出先での使用目的の為には、グリップ部1を、回転や折り畳みなどの方法を用いて短縮すると、使用者本人が旅行や通院等で持ち歩く時に大変便利である。